JP2013142581A - クロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置 - Google Patents

クロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】データファイル検索の際や測定中に表示する代表クロマトグラムの形状がサンプルの全イオンの強度信号をプロットしたクロマトグラムに近いものとなるようにすることで、ユーザがデータの把握や目的成分の有無の判断を行う際に利用し易くする。
【解決手段】データファイルが選択指示されると、該ファイルに関連付けられたデータ収集の際の測定条件(測定イベント)情報を収集し、開裂を伴わないQ1スキャン測定及びQ3スキャン測定の実行時間範囲Tsを算出する(S1、S2)。時間範囲TsについてはQ1/Q3スキャン測定で得られたデータに基づきTICを作成し、Ts以外の時間範囲については時間毎に得られた全イオン強度信号を加算したクロマトグラムを作成する(S3、S4)。そして、その両者を合成して代表クロマトグラムを作成し表示する(S5)。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガスクロマトグラフ(GC)や液体クロマトグラフ(LC)等のクロマトグラフとMS/MS分析を実行可能であるタンデム四重極型質量分析装置とを組み合わせたクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置に関する。
分子量が大きな物質の同定やその構造の解析を行うために、質量分析の一つの手法としてMS/MS分析(タンデム分析)と呼ばれる手法が広く用いられている。MS/MS分析を行うための質量分析装置としては種々の構成のものがあるが、構造が比較的簡単で操作や扱いも容易であるのがタンデム四重極型(三連四重極型とも呼ばれる)質量分析装置である。
特許文献1などに記載されているように、一般的なタンデム四重極型質量分析装置では、イオン源で生成された試料成分由来のイオンが前段四重極マスフィルタ(慣用的にQ1と記述される)に導入され、特定の質量電荷比m/zを有するイオンがプリカーサイオンとして選別される。このプリカーサイオンが、四重極型(又はそれ以上の多重極型)のイオンガイド(慣用的にq2と記述される)が内装されたコリジョンセルに導入される。コリジョンセル内にはアルゴン等の衝突誘起解離(CID)ガスが供給され、コリジョンセル内でプリカーサイオンはCIDガスに衝突して開裂し、各種のプロダクトイオンが生成される。このプロダクトイオンが後段四重極マスフィルタ(慣用的にQ3と記述される)に導入され、特定の質量電荷比m/zを有するプロダクトイオンが選別されて検出器に到達し検出される。
多成分を含む試料や夾雑物を含む試料を分析する際には、ガスクロマトグラフ(GC)や液体クロマトグラフ(LC)の検出器として上記タンデム四重極型質量分析装置を用いたGC/MS/MSやLC/MS/MSなどのクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置がよく用いられる。こうしたクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置では一般に、MS/MS分析のモードとして、MRM(=Multiple Reaction Monitoring)測定モードのほか、プロダクトイオンスキャン、プリカーサイオンスキャン、ニュートラルロススキャンといった、前段四重極マスフィルタ又は後段四重極マスフィルタのいずれか一方又は両方で質量走査を実施する測定モードが実行可能である。これら各測定モードについて簡単に説明する。
MRM測定モードでは、前段四重極マスフィルタと後段四重極マスフィルタとを通過し得るイオンの質量電荷比をそれぞれ固定し、特定のプリカーサイオンに対する特定のプロダクトイオンの強度を測定する。
プロダクトイオンスキャン測定モードでは、前段四重極マスフィルタを通過するイオンの質量電荷比を或る値に固定する一方、後段四重極マスフィルタを通過するイオンの質量電荷比を所定質量電荷比範囲に亘り走査する。これにより、特定のプリカーサイオンに対するプロダクトイオンのマススペクトルを取得することができる。
プリカーサイオンスキャン測定モードではプロダクトイオンスキャン測定とは逆に、後段四重極マスフィルタを通過するイオンの質量電荷比を或る値に固定する一方、前段四重極マスフィルタを通過するイオンの質量電荷比を所定質量電荷比範囲に亘り走査する。これにより、特定のプロダクトイオンを生成するプリカーサイオンのマススペクトルを取得することができる。
さらに、ニュートラルロススキャン測定モードでは、前段四重極マスフィルタを通過するイオンの質量電荷比と後段四重極マスフィルタを通過するイオンの質量電荷比との差(つまりニュートラルロス)を一定に保ちながら各四重極マスフィルタにおいてそれぞれ所定の質量電荷比範囲に亘り質量走査を行う。これにより、特定のニュートラルロスを有するプリカーサイオン/プロダクトイオンのマススペクトルを取得することができる。
またタンデム四重極型質量分析装置では、コリジョンセル内でイオンのCID操作を行わずに、通常の四重極型質量分析装置と同様のスキャン測定やSIM(=Selected Ion Monitoring)測定を行うことも可能である。即ち、通常のMS分析を実行する測定モードとしては一般的に、前段四重極マスフィルタを通過するイオンの質量電荷比を所定質量電荷比範囲に亘り走査する一方、後段四重極マスフィルタでイオンを素通りさせるQ1スキャン測定モード、 前段四重極マスフィルタでイオンを素通りさせる一方、後段四重極マスフィルタを通過するイオンの質量電荷比を所定質量電荷比範囲に亘り走査するQ3スキャン測定モード、前段四重極マスフィルタを通過するイオンの質量電荷比を1乃至複数段階に切り換える一方、後段四重極マスフィルタでイオンを素通りさせるQ1-SIM測定モード、前段四重極マスフィルタでイオンを素通りさせる一方、後段四重極マスフィルタを通過するイオンの質量電荷比を1乃至複数段階に切り換えるQ3-SIM測定モード、の四種類がある。
まとめると、一般的なクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置では、MRM測定モード、プロダクトイオンスキャン測定モード、プリカーサイオンスキャン測定モード、ニュートラルロススキャン測定モード、Q1スキャン測定モード、Q3スキャン測定モード、Q1-SIM測定モード、及び、Q3-SIM測定モード、という八種類の測定モードが用意されている。例えば非特許文献1に記載のLC/MS/MSでは、測定に際して、上記の八種類の測定モードのいずれかを一つを実施する測定条件を定めた測定イベントを最大64個設定することが可能である。各測定イベントには、該測定イベントで実施される測定モードの種類のほか、その測定モードの実行に必要な測定パラメータ、例えばスキャンを行う測定であればスキャン開始質量電荷比、スキャン終了質量電荷比、その測定イベントの実行開始時刻及び実行終了時刻、などが設定される。複数の測定イベントが実行される時間範囲の重なりは許容されており、重なった時間範囲では、それら複数の測定イベントに設定された測定モードが所定の短い周期で切り換えられながら実行される。その結果、見かけ上は複数の測定モードが同時並行的に実行される。
上述したように、予め設定された測定イベントに従って測定を実行している途中には、どの時点でピークが現れているのかをユーザが簡易的に確認できるように、測定の進行に伴ってリアルタイムで作成されるクロマトグラムが表示画面上に描出されると便利である。そこで、非特許文献1に記載のLC/MS/MSでは、測定実行中の各時刻においてその時点で実行されている測定イベントにより得られるイオン強度の全てを加算したクロマトグラム(Sum TIC)を作成し、これを代表クロマトグラムとして表示画面上に表示するようにしている。また、上記のような測定により収集されたデータをコンピュータ上で格納したデータファイルを、ユーザがあとで検索する際に便利なように、データファイルを示すアイコン等がカーソルで指示されると、指示されたデータファイルに格納されている、測定イベント毎のデータ(イオン強度)を各時刻において加算したクロマトグラム(Sum TIC)を作成し、それを代表クロマトグラムとして表示画面上に表示するようにしている。
図5はGC/MS/MSにおいて測定実行中に表示される代表クロマトグラムの一例であり、図4はデータファイル検索の際に表示される代表クロマトグラムの一例である。
しかしながら、上記のように各測定イベントで得られたイオン強度を全て加算したクロマトグラム(Sum TIC)を代表クロマトグラムとした場合、八種類の測定モードのうちの複数が同じ時間範囲で重なって設定されたときに、代表クロマトグラムの形状がサンプルの全イオンの信号強度をプロットしたクロマトグラムの形状とはかなり異なってしまうことがよくある。このような場合、例えばユーザがファイル検索のために代表クロマトグラムを参照しても、所望のデータファイルであるのかどうか適切な判断ができず、解析作業の効率を低下させるおそれさえある。また、測定実行中に表示される代表クロマトグラムがサンプルの全イオンの信号強度をプロットしたクロマトグラムの形状と大きく相違すると、例えば測定が適切に行われているにも拘わらずユーザは測定が適切でないと誤った判断を下し、測定を途中で打ち切ってしまうといった問題が起こる可能性もある。
特開2011−249109号公報
「トリプル四重極型LC/MS/MSシステム LCMS-8030」、[online]、株式会社島津製作所、[平成23年12月22日検索]、インターネット<URL : http://www.an.shimadzu.co.jp/lcms/lcms8030/8030-1.htm>
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、同じ時間範囲に複数の測定イベントが重なって設定されている場合であっても、サンプルに含まれる各種成分の全イオンの信号強度をプロットしたクロマトグラムに近い形状の代表クロマトグラムを可能な限り表示することができるクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明は、試料中の成分を時間方向に分離するクロマトグラフ部と、該クロマトグラフ部で分離された各成分をイオン化するイオン源、該イオン源で生成された各種イオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとして選別するための前段四重極マスフィルタ、前記プリカーサイオンを解離させるコリジョンセル、その解離により生成された各種プロダクトイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンを選別するための後段四重極マスフィルタ、及び、該後段四重極マスフィルタを通過したイオンを検出する検出器、を含むタンデム四重極型質量分析計と、を具備するクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置であって、測定モードとして、前記コリジョンセル内でのイオン解離を伴うMS/MS分析を行うMRM測定モード、プロダクトイオンスキャン測定モード、プリカーサイオンスキャン測定モード、及び、ニュートラルロススキャン測定モード、並びに、前記コリジョンセル内でのイオン解離を伴わない、前段四重極マスフィルタ又は後段四重極マスフィルタの一方で質量走査を行うとともに他方の四重極マスフィルタでイオンを素通りさせる単純スキャン測定モード、及び前段四重極マスフィルタ又は後段四重極マスフィルタの一方で選択対象の質量電荷比を1乃至複数段階に切り替えるとともに他方の四重極マスフィルタでイオンを素通りさせる単純SIM測定モード、を有するクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置であって、
a)測定条件として、前記複数の測定モードのうちの一つについてその実行開始時間及び終了時間を含めた該測定モードの実行に必要なパラメータを定めた測定イベントを、任意の数だけユーザが入力設定するための測定条件入力設定手段と、
b)前記測定条件入力設定手段により入力設定された測定条件に従ってデータを収集する際に、又は該測定条件に従って収集されたデータが格納されたファイルを検索する操作がなされる際に、単純スキャン測定モードが設定されている時間範囲については該単純スキャン測定モードで得られたデータに基づいてトータルイオンクロマトグラムを作成し、単純スキャン測定モードが設定されていない時間範囲については設定されている全ての又は一部の測定モードで得られたデータに基づいてクロマトグラムを作成し、その両者を併せたものを代表クロマトグラムとして表示画面上に描出するクロマトグラム作成表示手段と、
を備えることを特徴としている。
ここで、測定イベントに定められる測定パラメータとは、実行開始時間及び終了時間のほかに、例えば質量走査を行う測定モードであれば、その走査開始質量電荷比及び終了質量電荷比であり、質量走査を行わない場合には通過させるイオンの質量電荷比である。また、各測定イベントの実行開始時間及び終了時間で決まる時間範囲は重複することが許容される。
本発明に係るクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置において、前記クロマトグラム作成表示手段は、例えば、単純スキャン測定モードが設定されていない時間範囲については、設定されている全ての測定モードで得られたデータに基づき、時間毎に信号強度の全てを加算したクロマトグラムを作成する構成とするとよい。
単純スキャン測定モードは、タンデム四重極型ではない通常のシングル四重極型の質量分析装置におけるスキャン測定モードと同様のデータ、つまり所定質量電荷比範囲に亘り質量走査を繰り返し行って得られるデータ、を収集可能な測定モードである。したがって、質量走査毎に得られるイオン強度信号を合算して強度信号を求め、これを時間経過に従ってプロットすることによりトータルイオンクロマトグラムを作成することができる。これに対し、MS/MS分析を行う各スキャン測定モードでは、プリカーサイオン又はプロダクトイオンの少なくとも一方の質量電荷比が一つに限定されるため、上記のようなトータルイオンクロマトグラムに相当するクロマトグラムを作成することができない。
そこで、本発明に係るクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置において、クロマトグラム作成表示手段は、測定条件入力設定手段により入力設定された測定条件に従ってデータを収集する際や該測定条件に従って収集されたデータが格納されたファイルを検索する操作がなされる際などに、単純スキャン測定モードが設定されている時間範囲についてはその単純スキャン測定モードで得られたデータに基づいてトータルイオンクロマトグラムを作成し、単純スキャン測定モード以外の測定モードしか設定されていない時間範囲については設定されている全ての又は一部の測定モードで得られたデータに基づいてクロマトグラムを作成して、その両者を繋ぎ合わせたクロマトグラムを代表クロマトグラムとして表示画面上に描出する。例えば、全ての時間範囲について少なくとも単純スキャン測定モードが設定されていれば、代表クロマトグラムはその単純スキャン測定モードで得られたデータに基づくトータルイオンクロマトグラムそのものになる。
また、タンデム四重極型質量分析装置では、前段四重極マスフィルタと後段四重極マスフィルタとの質量精度や質量分解能が同一である場合もあるが、プロダクトイオンマススペクトルの質量精度や質量分解能を重視して前段四重極マスフィルタよりも後段四重極マスフィルタにおける質量精度や質量分解能を高くしておく場合もある。こうした構成のクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置においては、好ましくは、クロマトグラム作成表示手段は、前記単純スキャン測定モードの中で後段四重極スキャン測定モードが設定されている時間範囲のみについて該測定モードで得られたデータに基づいてトータルイオンクロマトグラムを作成する構成とするとよい。
本発明に係るクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置によれば、例えば、測定開始時点から終了時点までの全時間範囲について前段四重極スキャン測定モード又は後段四重極スキャン測定モードのいずれかを含む測定イベントを設定しておきさえすれば、それ以外の測定モードを含む測定イベントがどのように設定された場合であっても、代表クロマトグラムは前段四重極スキャン測定モード又は後段四重極スキャン測定モードで得られたデータに基づくトータルイオンクロマトグラムそのものになる。したがって、代表クロマトグラムの形状がサンプル由来の全てのイオンの信号強度をプロットしたクロマトグラムに近いものとなり、ユーザはこの代表クロマトグラムを見て、意図する成分が含まれるサンプルであるかどうか、或いは測定中であれば測定が適切に行われているかどうか、などを的確に判断することが可能となる。
本発明の一実施例であるGC/MS/MSシステムの概略構成図。 本実施例のGC/MS/MSシステムにおいてデータファイル検索時の代表クロマトグラム表示処理手順を示すフローチャート。 本実施例のGC/MS/MSシステムにおいてデータファイル検索時の代表クロマトグラム表示処理の一例を示す説明図。 GC/MS/MSにおいてデータファイル検索の際に表示される代表クロマトグラムの一例を示す図。 GC/MS/MSにおいて測定実行中に表示される代表クロマトグラムの一例を示す図。
以下、本発明に係るクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置の一実施例であるGC/MS/MSシステムについて、添付図面を参照して説明する。図1は本実施例のGC/MS/MSシステムの概略構成図である。
本実施例のGC/MS/MSシステムは、GC部1とMS/MS部2とを含む。GC部1は、微量の液体試料を気化させる試料気化室10と、試料成分を時間方向に分離するカラム12と、カラム12を温調するカラムオーブン11とを備える。一方、MS/MS部2は、図示しない真空ポンプにより真空排気される分析室20の内部に、測定対象である試料をイオン化するイオン源21と、それぞれ4本のロッド電極から成る前段四重極マスフィルタ22及び後段四重極マスフィルタ25と、内部に多重極型イオンガイド24が配設されたコリジョンセル23と、イオンを検出してイオン量に応じた検出信号を出力する検出器26と、を備える。
分析制御部33は中央制御部34の指示の下にGC部1及びMS/MS部2の動作を制御するものであり、入力部35及び表示部36が接続された中央制御部34はユーザインタフェイスのほか、システム全体の統括的な制御を担う。検出器26による検出信号(イオン強度信号)はデータ処理部30に入力され、このデータ処理部30には測定データや測定条件データ等の格納領域が設けられたデータ格納部32が接続されている。データ処理部30は本実施例の装置に特徴的な代表クロマトグラム作成部31を機能ブロックとして含む。
なお、中央制御部34やデータ処理部30はパーソナルコンピュータをハードウエアとして、該コンピュータにインストールされた専用の制御・処理ソフトウエアを実行することにより具現化されるものとすることができる。この場合、入力部35はキーボードやポインティングデバイス(マウス等)であり、表示部36はディスプレイモニタである。
本実施例のGC/MS/MSにおける基本的な動作を概略的に説明する。試料気化室10内で気化された試料はHe等のキャリアガスに乗ってカラム12中に送り込まれ、カラム12を通過する間に試料中の各成分はそれぞれ異なる時間だけ遅れてカラム12出口から排出される。カラムオーブン11は予め決められた温度プロファイルに従って加熱される。イオン源21はEI又はCIによるイオン源であり、カラム12出口から排出される試料成分を順次イオン化する。分析制御部33の制御の下に、前段四重極マスフィルタ22及び後段四重極マスフィルタ25の各ロッド電極にはそれぞれ特定の質量電荷比を有するイオンを通過させるような電圧が印加される。これにより、試料成分由来の各種イオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンが前段四重極マスフィルタ22を通り抜けてコリジョンセル23に導入され、コリジョンセル23内に供給されているCIDガスに接触して開裂する。
開裂により生じた各種イオンはイオンガイド24により収束されつつ後段四重極マスフィルタ25に導入され、特定の質量電荷比を有するプロダクトイオンが後段四重極マスフィルタ25を通り抜けて検出器26に到達する。検出器26による検出信号はデータ処理部30に入力され、データ格納部32に格納されるとともに、データ処理部30においてマススペクトルやマスクロマトグラム等が作成される。
このGC/MS/MSでは、従来の装置と同様に、MRM測定モード、プロダクトイオンスキャン測定モード、プリカーサイオンスキャン測定モード、ニュートラルロススキャン測定モード、Q1スキャン測定モード、Q3スキャン測定モード、Q1-SIM測定モード、Q3-SIM測定モード、の八種類の測定モードが用意されている。ユーザが測定条件を設定する際には「測定イベント」を単位として設定する。即ち、一つの測定イベントには、上記八種類のうちの一つの測定モードのほか、その測定イベントの測定開始時間、その測定イベントの測定終了時間、前段四重極マスフィルタ、後段四重極マスフィルタそれぞれの選択対象の質量電荷比(スキャンの場合にはスキャン開始の質量電荷比及びスキャン終了の質量電荷比)などが測定パラメータとして設定される。一つの試料に対する一回の測定に対し、最大で所定数の測定イベントを設定することが可能であり、複数の測定イベントの時間範囲が重なるように設定することも可能である。ただし、複数の測定イベントの時間範囲が重なっている場合、その複数の測定イベントにそれぞれ設定されている測定モードが時分割で実行されるため、時間範囲が重なる測定イベントの数が多くなるほど、単位時間の中で一つの測定イベントに割り当てられる時間が短くなる。
図3(a)は測定イベントの設定の一例である。この例では、測定イベント番号#1〜#6の六個の測定イベントが設定されている。例えば測定イベント#1の測定モードはプリカーサイオンスキャン測定モード(「Prec.Scan」と記述)で、その測定開始時間はt1、測定終了時間はt2である。また、測定イベント#4の測定モードはQ1スキャン測定モード(「Q1 Scan」と記述)で、その測定開始時間は0、測定終了時間はt7である。したがって、図示するように、測定イベント#1と測定イベント#4とはt1〜t7の時間範囲が重なっており、この時間範囲には、プリカーサイオンスキャン測定モードとQ1スキャン測定モードとが短い時間間隔で交互に繰り返し実行される。また、t3〜t9の時間範囲には測定イベント#2、#5、#6が重なっているから、ニュートラルロススキャン測定モード(「Ntls Scan」と記述)、Q3スキャン測定モード(「Q3 Scan」と記述)、MRM測定モードの三つが短い時間間隔で順次繰り返し実行されることになる。
ユーザが入力部35より上述したような測定イベントの形式で測定条件を設定し、該測定条件に従ってデータが収集されると、測定データと測定条件とは関連付けてデータ格納部32にファイル形式で格納される。データ収集後にユーザがデータを確認したりデータ処理を再実行したりする際には、ユーザはデータ格納部32に格納されている多数のデータファイルの中から目的とするデータが格納されているファイルを見つけ出す必要がある。本実施例のGC/MS/MSでは、図4に示すようなファイル検索画面を表示部36の画面上に表示した上でファイル検索を実行するが、その際に、同画面中に表示される代表クロマトグラムを以下に説明する特徴的な処理により作成・表示するようにしている。
まず、例えばユーザが入力部35におけるカーソル操作等によりデータファイルを選択指示すると、この指示を受けた代表クロマトグラム作成部31は、そのデータファイルに関連付けられた測定条件データから測定イベント情報を収集する(ステップS1)。例えば、上述した図3(a)に示した測定イベントに従って収集されたデータファイルが選択指示されると、図3(a)に示された測定イベントに関する情報が収集される。そして、この測定イベント情報に基づいて、Q1スキャン測定モード及びQ3スキャン測定モードの少なくとも一方が実行されている時間範囲Tsを算出する(ステップS2)。
図3(a)の例では、測定イベント#4でQ1スキャン測定モード、測定イベント#5でQ3スキャン測定モードが設定されているから、時間範囲Tsは図3(b)に示すように、0〜t7、t8〜t9である。
次に、時間範囲Tsについては、Q1スキャン測定モード及びQ3スキャン測定モードを実行することで収集されたデータを用い、それら質量走査対象の質量電荷比範囲に亘り得られたイオン強度信号の総和を時間経過に応じてプロットしたトータルイオンクロマトグラム(TIC)を作成する(ステップS3)。上記例では、時間範囲Tsの中で0〜t7については測定イベント#4のQ1スキャン測定モードを実行することで収集されたデータを用い、t8〜t9については測定イベント#5のQ3スキャン測定モードを実行することで収集されたデータを用い、それぞれトータルイオンクロマトグラムを作成する。例えば、t1〜t7の時間範囲には測定イベント#1のプリカーサスキャン測定モードも実行されているが、その測定モードにより収集されたデータは無視する。
一方、上記時間範囲Tsを除く時間範囲、図3(a)の例では、t7〜t8、及びt9〜teの時間範囲では、それぞれの時間において実行されている測定モードに対して収集されたデータを用い、時間毎に全てのイオン強度信号を加算したものを時間経過に応じてプロットした加算クロマトグラム(sum IC)を作成する(ステップS4)。例えば、或る時間においてMRM測定やSIM測定しか行われていなければ、特定の質量電荷比を持つイオンの信号強度が加算クロマトグラムに反映されることになる。また、いずれの測定イベントも設定されていない時間範囲があれば、その時間範囲の信号強度はゼロになる。
以上のように時間範囲Tsとそれ以外の時間範囲とのクロマトグラムがそれぞれ作成されたならば、それらを時間範囲の境界で繋ぎ合わせることにより合成クロマトグラムを作成し、これを代表クロマトグラムとする。そして、その代表クロマトグラムを中央制御部34を介して表示部36の画面上の所定の領域に描画する(ステップS5)。
以上のようなデータ処理により、Q1スキャン測定モード及びQ3スキャン測定モードが設定されている時間範囲については、質量電荷比を問わない全イオン強度信号のプロットに近いトータルイオンクロマトグラムが代表クロマトグラムとして表示される。図3(a)の例では、全測定時間範囲の中で一部にQ1スキャン測定モード、Q3スキャン測定モードのいずれもが設定されていない時間範囲が存在したが、意図的に、全測定時間範囲に亘りQ1スキャン測定モード又はQ3スキャン測定モードが設定されるように測定イベントを定めておけば、全測定時間範囲についてトータルイオンクロマトグラムが代表クロマトグラムとして表示されることになる。これにより、データファイルを開くことなく、そのデータ内容をおおよそ知ることができ、データファイルの検索の迅速化に有用である。
上記実施例は、データファイル検索に際して代表クロマトグラムを表示する場合に本発明に特徴的なデータ処理を実行するようにしたが、図5に示したように測定実行中にリアルタイムで代表クロマトグラムを表示する場合にも本発明を適用することができることは明らかである。即ち、予め測定イベントが設定されていてQ1スキャン測定モード及びQ3スキャン測定モードが実行される時間範囲が分かってさえいれば、その時間範囲にはQ1スキャン測定モード又はQ3スキャン測定モードで得られたデータを利用してトータルイオンクロマトグラムを作成し表示すればよい。
また上記実施例では、Q1スキャン測定モードとQ3スキャン測定モードとのいずれか一方が設定されていれば、その測定モードで得られたデータに基づいてトータルイオンクロマトグラムを代表クロマトグラムの一部として作成するようにしていたが、例えば後段四重極マスフィルタ25の質量精度や質量分解能が前段四重極マスフィルタ22よりも良好であるような場合には、Q3スキャン測定モードが設定されていた場合に限って、その測定モードで得られたデータに基づいてトータルイオンクロマトグラムを代表クロマトグラムの一部として作成するようにしてもよい。換言すれば、Q1スキャン測定モードはQ3スキャン測定モード以外の他の測定モードと同様に扱うようにしてもよい。
また、上記実施例は本発明の一例にすぎないから、本発明の趣旨の範囲で適宜に変形、追加、修正を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…GC部
10…試料気化室
11…カラムオーブン
12…カラム
2…MS/MS部
20…分析室
21…イオン源
22…前段四重極マスフィルタ
23…コリジョンセル
24…多重極型イオンガイド
25…後段四重極マスフィルタ
26…検出器
30…データ処理部
31…代表クロマトグラム作成部
32…データ格納部
33…分析制御部
34…中央制御部
35…入力部
36…表示部

Claims (3)

  1. 試料中の成分を時間方向に分離するクロマトグラフ部と、該クロマトグラフ部で分離された各成分をイオン化するイオン源、該イオン源で生成された各種イオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをプリカーサイオンとして選別するための前段四重極マスフィルタ、前記プリカーサイオンを解離させるコリジョンセル、その解離により生成された各種プロダクトイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンを選別するための後段四重極マスフィルタ、及び、該後段四重極マスフィルタを通過したイオンを検出する検出器、を含むタンデム四重極型質量分析計と、を具備するクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置であって、測定モードとして、前記コリジョンセル内でのイオン解離を伴うMS/MS分析を行うMRM測定モード、プロダクトイオンスキャン測定モード、プリカーサイオンスキャン測定モード、及び、ニュートラルロススキャン測定モード、並びに、前記コリジョンセル内でのイオン解離を伴わない、前段四重極マスフィルタ又は後段四重極マスフィルタの一方で質量走査を行うとともに他方の四重極マスフィルタでイオンを素通りさせる単純スキャン測定モード、及び前段四重極マスフィルタ又は後段四重極マスフィルタの一方で選択対象の質量電荷比を1乃至複数段階に切り替えるとともに他方の四重極マスフィルタでイオンを素通りさせる単純SIM測定モード、を有するクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置であって、
    a)測定条件として、前記複数の測定モードのうちの一つについてその実行開始時間及び終了時間を含めた該測定モードの実行に必要なパラメータを定めた測定イベントを、任意の数だけユーザが入力設定するための測定条件入力設定手段と、
    b)前記測定条件入力設定手段により入力設定された測定条件に従ってデータを収集する際に、又は該測定条件に従って収集されたデータが格納されたファイルを検索する操作がなされる際に、単純スキャン測定モードが設定されている時間範囲については該単純スキャン測定モードで得られたデータに基づいてトータルイオンクロマトグラムを作成し、単純スキャン測定モードが設定されていない時間範囲については設定されている全ての又は一部の測定モードで得られたデータに基づいてクロマトグラムを作成し、その両者を併せたものを代表クロマトグラムとして表示画面上に描出するクロマトグラム作成表示手段と、
    を備えることを特徴とするクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置。
  2. 請求項1に記載のクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置であって、
    前記クロマトグラム作成表示手段は、前記単純スキャン測定モードの中で後段四重極スキャン測定モードが設定されている時間範囲のみについて該測定モードで得られたデータに基づいてトータルイオンクロマトグラムを作成することを特徴とするクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置。
  3. 請求項1又は2に記載のクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置であって、
    前記クロマトグラム作成表示手段は、単純スキャン測定モードが設定されていない時間範囲については、設定されている全ての測定モードで得られたデータに基づき、時間毎に信号強度の全てを加算したクロマトグラムを作成することを特徴とするクロマトグラフタンデム四重極型質量分析装置。
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