JP6028870B2 - クロマトグラフ質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスクロマトグラフ質量分析装置、液体クロマトグラフ質量分析装置など、クロマトグラフと質量分析計とを組み合わせたクロマトグラフ質量分析装置に関し、さらに詳しくは、質量分析計において既知の化合物に対する選択イオンモニタリング(SIM=Selected Ion Monitoring)測定、多重反応モニタリング(MRM=Multiple Reaction Monitoring)測定(「選択反応モニタリング(SRM=Selected reaction monitoring )測定」ということもある)等の測定を実施するクロマトグラフ質量分析装置に関する。
試料に含まれる様々な成分の定性や定量を行うために、ガスクロマトグラフ(GC)や液体クロマトグラフ(LC)等のクロマトグラフと四重極型質量分析計等の質量分析計とを組み合わせたクロマトグラフ質量分析装置が広く利用されている。一般に、クロマトグラフ質量分析装置を利用して既知化合物の定量を行う場合には、予め指定された1乃至複数の特定の質量電荷比を持つイオンのみを選択的に繰り返し検出するSIM測定法が用いられる。
また、GCやLC等のクロマトグラフと三連四重極型質量分析計とを組み合わせたクロマトグラフ質量分析装置を利用して既知化合物の定量を行う場合には、前段の四重極マスフィルタにおいて特定の質量電荷比を持つイオン(プリカーサイオン)を選択し、コリジョンセルでそのイオンを衝突誘起解離(CID=Collision-Induced Dissociation)により開裂させ、その開裂により生成されたプロダクトイオンの中で特定の質量電荷比を持つイオンを後段の四重極マスフィルタにおいて選択して検出するMRM測定法が利用されている。MRM測定法では、2段階の四重極マスフィルタにより夾雑成分の影響を除去することができるので、検出信号のSN比を向上させることができ、より高感度な定量が行えるという利点がある。
このようにクロマトグラフ質量分析装置においてSIM測定やMRM測定を実施する場合、通常、ターゲットとなる目的成分は予め決まっており、その目的成分をできるだけ高感度で検出することが要求される。そのため、分析者は、分析の感度ができるだけ高くなるように、適切な分析条件を予め設定する必要がある。従来の一般的なクロマトグラフ質量分析装置における分析条件の設定作業の手順を図7〜図9により説明する。
分析者が制御用コンピュータにおいて所定の操作を行うと、例えば図7に示すようなメソッド編集画面500が表示される。この例では、メソッド編集画面500の上部にはイベント情報テーブル501が配置され、下部にはSIM測定系イベントの条件を設定するためのチャンネル情報テーブル502が配置されている。ここいう「イベント」とは、一連の分析において、1つの分析条件の下で実行される測定のことをいう。イベント情報テーブル501では1行が1つの「イベント」に対応しており、該テーブル501には、各イベントの、イベント番号のほか、「タイプ」として示された分析モード、「+/−」として示されたイオン極性、測定イオンの質量電荷比、測定時間範囲などが表示されている。また、「SIM測定系」とは、特定の質量電荷比を有するイオンを選択的に検出する測定のことをいい、具体的には、SIM測定及びMRM測定を含む。
分析者はメソッド編集画面500上で、追加したいイベントにおいて分析対象とするイオンの極性を、極性選択ボタン領域503に配置されている2つのラジオボタンのクリック操作により選択する。そのあと、分析者は分析モード追加ボタン領域504に配置されている複数のボタンの中から、追加したい分析モード(例えば「MRM」、「プリカーサイオンスキャン」など)を選択してクリック操作する。こうした操作により、イベント情報テーブル501中には選択された分析モードに実施するためのイベントが追加される。図5の例では、いずれも分析モードがMRM測定であるイベントが3つ設定されている。
また、SIM測定系の分析モード、具体的にはMRM測定及びSIM測定の場合には、チャンネル情報テーブル502で、1つのイベントにおいて測定されるイオンを複数設定することができ、MRM測定であれば、図7中に示すように、プリカーサイオンの質量電荷比及びプロダクトイオンの質量電荷比とをそれぞれ設定する。また、測定時間入力領域505に配置されている2つのテキストボックスに、測定開始時間と測定終了時間とを入力することで、そのイベントの測定時間範囲を設定できる。ここで設定した測定時間範囲は、イベント情報テーブル501中の測定時間表示欄501a中にバーグラフで表示される(特許文献1参照)。
一般に、分析者が各イベントの測定時間範囲を定める際には次のような点に注意する必要がある。
(1)化合物が実際にカラムから溶出してくる時間は保持時間からずれるため、目的とする化合物の保持時間の前後に或る程度の時間的余裕を持たせて測定時間範囲を定める。
(2)SIM系測定では検出感度をできるだけ高くするために、複数のイベントのオーバーラップをできるだけ避ける。もちろん、多成分一斉分析を行う際にはイベントのオーバーラップを完全には避けることができない。そこで、含有量が多いことが既知である等、検出感度があまり問題とならない化合物については複数のイベントのオーバーラップを許容し、逆に、含有量が少ないことが既知である等、検出感度が問題となる可能性の高い化合物については、複数イベントのオーバーラップをできるだけ少なくするよう配慮する。
上記のようにイベントを設定し、各イベントの測定時間範囲を適宜調整したあとに、分析者がメソッド編集画面500上のループタイム表示ボタン506をクリック操作すると、図8に示すようなループタイム確認画面600が表示される。ここで、イベント時間とループタイムとの関係について図9を参照して説明する。
図9は、複数のイベントが時間的にオーバーラップしている場合のイベント時間とループタイムとの関係を示す模式図である。この例では、図9(a)に示すように、イベント1(+)(なお、この「+」は正イオンを検出するモードであることを示し、後述の「−」は負イオンを検出するモードであることを示す)は4つのチャンネルCh1〜CH4を含み、質量電荷比が相違する4種のイオンを時分割で順番に検出する。四重極型質量分析計では、四重極マスフィルタに印加する電圧を切り替えることで異なる質量電荷比を有するイオンを選択する。そのため、1つのイベントにおいてチャンネルを切り替える毎に、データの収集を行わないポーズタイム(Pause time)を設定し、該ポーズタイム中に印加電圧を切り替えて該電圧を静定させる。それに引き続き、実際に検出器がイオンを取り込んで積算する時間、つまりデータ収集時間としてのドウェルタイム(Dwell time)を設けている。
また、この例では、図9(b)に示すように、イベント1(+)、イベント2(+)、イベント3(−)、イベント4(−)という4つのイベントが時間的にオーバーラップしており、その4つのイベントを順に時分割で実行する。この4つのイベントを1回ずつ実行する1サイクルに要する時間がループタイムである。例えばイベント1のCh1において或る1つのイオン種に対する検出が実行されるから、このイオン種の検出が1回実施された時点からループタイムだけ時間が経過したあとに次に同じイオン種の検出が実施される。即ち、1つのイオン種に対する検出の時間間隔がループタイムとなる。図9(c)から分かるように、或るクロマトグラム上のピークを観測したい場合、ループタイムが長くなるほど隣接するデータ点の間隔が開き、ピークの形状を適切に捉えにくくなる。そのため、特に定量分析を行う場合には、ループタイムを或る程度の値以下に抑えることが重要である。
なお、極性の異なるイオンを検出する場合には、質量分析計においてイオン源、イオン輸送光学系など殆どの構成要素に印加する電圧の極性を変更する必要がある。このため、図9(b)に示すように、検出対象のイオンの極性が変化する場合には、イベント時間の前に極性切替時間を設けている。
図8に示すように、ループタイム確認画面600上に配置されたループタイム一覧テーブル601中には、自動的に計算されたループタイムが表示される。なお、ループタイムの自動計算については、特許文献1、2などに開示されている。
上記説明からも分かるとおり、通常、ループタイムはオーバーラップしているイベントの数に依存するから、オーバーラップしているイベント数が変化する時間範囲毎にループタイムは計算される。ループタイム一覧テーブル601の下の最大ループタイム表示欄602には、全測定時間の中で最大のループタイムの値が表示される。分析者はこの画面600においてループタイムを確認しつつ、クロマトグラム上の1つのピークあたりのデータポイント数が適切になるように、メソッド編集画面500において設定されるドウェルタイム、イベント時間、測定時間範囲などのパラメータを適宜調整する。
上述したようにドウェルタイムは実際にイオン強度信号に基づくデータを取り込む時間であるから、検出感度に大きく影響する。そのため、一般的には、検出感度が悪いときには長いドウェルタイムを設定し、検出感度がよいときには短いドウェルタイムを設定する。ただし、ドウェルタイムを短くしすぎると、イオン強度信号が低くなってSN比が低下したりクロマトグラム上のピーク形状が悪くなったりして、ピーク面積の精度が落ちるために定量性の低下に繋がるおそれがある。一方、ドウェルタイムが長すぎると、それに伴いループタイムも長くなり、クロマトグラム上のピークトップを適切に捉えられない、ピークの立ち上がり・立ち下がりのカーブの形状の近似性が悪化する、といった問題が生じ、やはり定量性の低下に繋がる。こうしたことから、ドウェルタイムを適切に設定するのは必ずしも容易ではなく、或る程度慣れた分析者でも、そうした作業には時間が掛かるのが一般的である。
特開2011−141220号公報 特開2012−132799号公報
SIM系測定は例えば残留農薬検査や水質検査などの多成分一斉分析に利用されることが多く、そのために、クロマトグラフ質量分析装置では、多数のイベントを設定することが可能となっている。例えば、従来用いられているクロマトグラフ質量分析装置用制御ソフトウエアでは、1つのメソッドファイル中に512個のイベントを設定することが可能である。このようにイベントの総数が多い場合、分析者がループタイム確認画面を見ながらイベント毎に適切なドウェルタイムを設定するのは、非常に手間が掛かる作業である。また、作業が煩雑であるために、十分な定量を行えるような適切なドウェルタイムを設定すること自体が難しい。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その主な目的は、SIM測定やMRM測定などを行う際に目的とするイオンに対するデータを収集するためのドウェルタイムを分析者が設定する作業の手間を軽減することができるクロマトグラフ質量分析装置を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明の第1の態様は、試料中の成分を分離するクロマトグラフと、該クロマトグラフで成分分離された試料に対し複数種のイオンに対する選択イオンモニタリング(SIM)測定又は多重反応モニタリング(MRM)測定を実行する質量分析装置と、を具備するクロマトグラフ質量分析装置において、
a)分析者が、SIM測定又はMRM測定の対象である1乃至複数のイオン種、測定開始時間、及び測定終了時間を、1つのイベントに対するパラメータとして設定するとともに、測定時間範囲のオーバーラップが許容された条件の下で複数のイベントを設定するためのイベント設定部と、
b)1つのイベント又は測定時間範囲がオーバーラップしている複数のイベントに対し設定されているイオン種に対するSIM測定又はMRM測定を順次実行する1つのサイクルに要するループタイムの目標値を、分析者が設定するためのループタイム目標値設定部と、
c)前記イベント設定部により設定されたイベント毎に、前記ループタイム目標値設定部により設定されたループタイム目標値と、当該イベントにおいて測定すべきイオン種の数と、当該イベントと測定時間範囲がオーバーラップしているイベントの数と、に基づいて、当該イベントに対して設定されている1つのイオン種当たりのデータ収集時間であるドウェルタイムを計算するドウェルタイム計算部と、
d)前記ドウェルタイム計算部により算出されたドウェルタイムの値を表示する結果表示部と、
を備えることを特徴としている。
上記課題を解決するために成された本発明の第2の態様は、試料中の成分を分離するクロマトグラフと、該クロマトグラフで成分分離された試料に対し複数種のイオンに対する選択イオンモニタリング(SIM)測定又は多重反応モニタリング(MRM)測定を実行する質量分析装置と、を具備するクロマトグラフ質量分析装置において、
a)分析者が、SIM測定又はMRM測定の対象である1乃至複数のイオン種、測定開始時間、及び測定終了時間を、1つのイベントに対するパラメータとして設定するとともに、測定時間範囲のオーバーラップが許容された条件の下で複数のイベントを設定するためのイベント設定部と、
b)1つのイベント又は測定時間範囲がオーバーラップしている複数のイベントに対し設定されているイオン種に対するSIM測定又はMRM測定を順次実行する1つのサイクルに要するループタイムの目標値を、分析者が設定するためのループタイム目標値設定部と、
c)前記イベント設定部により設定されたイベント毎に、前記ループタイム目標値設定部により設定されたループタイム目標値と、当該イベントにおいて測定すべきイオン種の数と、当該イベントと測定時間範囲がオーバーラップしているイベントの数と、に基づいて、当該イベントに対して設定されている1つのイオン種当たりのデータ収集時間であるドウェルタイムを計算するドウェルタイム計算部と、
d)前記ドウェルタイム計算部により算出されたドウェルタイムの値を、それぞれのイオンのSIM測定又はMRM測定のための分析条件の1つとして設定する分析条件設定部と、
を備えることを特徴としている。
ここで、クロマトグラフはガスクロマトグラフ又は液体クロマトグラフである。また、質量分析装置は典型的には四重極型質量分析装置又は三連四重極型質量分析装置である。
本発明に係るクロマトグラフ質量分析装置において試料に対する分析を実行する前に、分析者はイベント設定部により、SIM測定やMRM測定を実行する対象のイオンの質量電荷比(MRM測定の場合には、プリカーサイオンの質量電荷比及びプロダクトイオンの質量電荷比)や測定開始時間、測定終了時間などをイベントを単位として設定する。測定開始時間と測定終了時間とで決まる測定時間範囲は分析対象である化合物の既知の保持時間に応じて決められるため、保持時間が異なる複数の化合物を検出できるように、異なるイベントの測定時間範囲のオーバーラップは許容される。
一方、或る一つの化合物由来のイオンはループタイムで決まる測定時間間隔でしか測定されないから、クロマトグラム上のピークの形状を適切に求めるには、ループタイムを或る値以内に抑える必要がある。そこで、分析者は、ループタイム目標値設定部によりループタイムの目標値を指定する。ループタイムが同じであっても、或る時間範囲に割り当てられた分析対象のイオン種の数が多いほど、1つのイオン種当たりのドウェルタイムは短くなる。そこでドウェルタイム計算部は、例えば分析者による所定の操作を受けると、イベント毎に、そのイベントと測定時間範囲がオーバーラップしているイベントの数の最大値を調べ、少なくともそのイベント数とループタイム目標値と当該イベントで測定すべきイオン種の数とに基づいて、ドウェルタイムを計算する。そのイベントに対して設定されているイオン種の数が多ければ多いほどドウェルタイムは短くなるし、また通常、オーバーラップしているイベントの数が多ければ多いほどドウェルタイムは短くなる。
なお、四重極型質量分析装置では、分析対象のイオン種を切り替える際に四重極マスフィルタへ印加する電圧の切替えに或る程度の時間を要するため、この切替え時間を考慮したポーズタイムを対象イオンの切替毎に設ける。したがって、ドウェルタイムの計算の際には、このポーズタイムも考慮する。
本発明に係る第1の態様のクロマトグラフ質量分析装置において、結果表示部は、ドウェルタイム計算部によりイベント毎に算出されたドウェルタイムの値を、例えばオーバーラップしているイベントの状態(イベントの種類や数)が同一である時間範囲毎に区切った部分測定時間範囲毎に表示する。或る部分測定時間範囲において複数のイベントがオーバーラップしている場合には、通常、イベント毎にドウェルタイムは異なる。その場合、ドウェルタイムは或る幅をもった値(つまりは、その部分測定時間範囲に設定されている複数のイベントに対して算出されたドウェルタイムの最大値と最小値とで示される範囲)として表示される。分析者は表示されたドウェルタイムの値を確認し、その値が適切かどうかを判断する。そして例えば、ドウェルタイムが短すぎると判断される場合には、ループタイムの目標値自体を変更したり、或いは、同時に分析するイオン種の数を減らすために1又は複数のイベントの測定開始時間や測定終了時間を変更したりすることにより、ドウェルタイムを調整する。
また本発明に係る第2の態様のクロマトグラフ質量分析装置において、分析条件設定部は、ドウェルタイム計算部により算出されたドウェルタイムの値を、それぞれのイオンのSIM測定又はMRM測定のための分析条件の1つとして設定する。これにより、計算により算出されたドウェルタイムが自動的に分析条件に反映されるので、分析者がドウェルタイムの値を入力する手間が省ける。また、自動的に分析条件として設定されたドウェルタイムをそのまま使用せず、適宜手動で変更・修正する場合であっても、計算結果が自動的に反映されると、その後の変更作業が簡単になる。
もちろん、上述したように結果表示部により表示された結果に基づいてループタイム目標値などを修正したあとに、再計算されたドウェルタイムが所望のようになったならば、その時点で、分析条件設定部によりその時点でのドウェルタイムを分析条件のパラメータに反映させるようにしてもよい。
また本発明の第1の態様において、上記結果表示部は、部分測定時間範囲毎のドウェルタイムの値を表示するとともに、全ての部分測定時間範囲の中のドウェルタイムの最小値を同一画面上に表示することが好ましい。
これにより、分析者は、短すぎるドウェルタイムがあるかどうかを即座に確認することができるので、ドウェルタイムの判断を効率的に行うことができる。
また本発明の第1の態様において、上記結果表示部は、全ての部分測定時間範囲の中で、計算されたドウェルタイムに基づいて計算されるループタイムの最大の値を、ドウェルタイムの結果と同一画面上に表示するようにするとさらに好ましい。
これにより、分析者は実際のループタイムがループタイム目標値に収まっているか否かを即座に確認することができる。
また本発明の第1の態様では、上記ループタイム目標値設定部における目標値の入力表示欄を、上記結果表示部によるドウェルタイムの計算結果を表示する画面上に設けるようにするとよい。さらにまた、ドウェルタイム計算部による計算を指示するための操作子(例えばGUIによるボタン)も同一画面上に設けるようにするとよい。これにより、1つの画面上で、ループタイムの目標値の入力からドウェルタイムの確認までの一連の作業を行うことができる。
本発明に係るクロマトグラフ質量分析装置によれば、保持時間が近い測定対象化合物が多数あるような場合でも、分析者はループタイムの目標値を入力するだけで、そのときに設定されているイベントなどの条件に基づくそれぞれのドウェルタイムを知ることができる。したがって、計算により求まったドウェルタイムをそのまま分析条件として使用する場合でも、或いは分析者がそのドウェルタイムを適宜に修正したり変更したりする場合でも、ドウェルタイムの設定や修正等に係る分析者の作業が軽減される。それによって、分析作業の効率化が図れるとともに、入力ミス等による誤った条件設定の発生を少なくすることができる。
また、本発明に係るクロマトグラフ質量分析装置によれば、短すぎるドウェルタイムの下でデータ収集を行うことを回避することができるので、比較的含有量の少ない化合物についても十分な大きさのピークを求め、高い定量精度を実現することができる。
本発明に係るクロマトグラフ質量分析装置の一実施例であるLC/MS/MSの要部の構成図。 本実施例のLC/MS/MSにおける分析条件設定時の作業及び処理のフローチャートを示す図。 本実施例のLC/MS/MSにおけるイベント編集画面の一例を示す図。 本実施例のLC/MS/MSにおけるSIM測定系イベント条件設定画面の一例を示す図。 本実施例のLC/MS/MSにおけるスキャン測定系イベント条件設定画面の一例を示す図。 本実施例のLC/MS/MSにおけるドウェルタイム計算/ループタイム一覧画面の一例を示す図。 従来のLC/MS/MSにおけるメソッド編集画面の一例を示す図。 従来のLC/MS/MSにおけるループタイム一覧画面の一例を示す図。 複数のイベントが時間的にオーバーラップしている場合のイベント時間とループタイムとの関係を示す模式図。
以下、本発明の一実施例である液体クロマトグラフ三連四重極型質量分析装置(以下「LC/MS/MS」と称す)について、添付図面を参照して説明する。
図1は本実施例によるLC/MS/MSの要部の構成図である。本実施例のLC/MS/MSは、試料中に含まれる各種化合物を時間方向に分離する液体クロマトグラフ部(LC部)1と、分離された各種化合物を質量分析する三連四重極型質量分析部(MS/MS部)2と、を含む。
図示しないが、LC部1は、移動相を貯留した移動相容器、移動相を吸引して一定流量で送り出す送液ポンプ、所定タイミングで試料を移動相中に注入するインジェクタ、試料中の各種化合物を時間方向に分離するカラム、などを含む。一方、MS/MS部2は、カラムから溶出する液体試料に含まれる成分をイオン化する大気圧イオン源、成分由来のイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンを選択する前段四重極マスフィルタ、選択されたイオン(プリカーサイオン)を衝突誘起解離により開裂させるコリジョンセル、開裂により生成されたプロダクトイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンを選択する後段四重極マスフィルタ、選択されたプロダクトイオンを検出する検出器、などを含む。
MS/MS部2で得られる検出信号、つまり試料に含まれる成分由来のイオン強度信号は、所定のサンプリング時間毎に図示しないA/D変換器でデジタル値に変換されたあと、データ処理部3に入力される。データ処理部3は得られた測定データに対し所定の演算処理を行うことにより、マススペクトルやクロマトグラムを作成したり定量分析を遂行したりする。制御部4はLC部1、MS/MS部2、及びデータ処理部3の動作をそれぞれ制御する。
制御部4は分析条件決定処理部5を含み、分析条件決定処理部5は分析条件設定画面表示処理部51、分析条件入力情報処理部52、ドウェルタイム自動計算部53などの機能ブロックを含む。また制御部4には、分析者(ユーザ)が操作するキーボードやマウスなどのポインティングデバイスである入力部6、分析者が入力設定した情報や分析結果を表示するための表示部7が接続されている。
なお、データ処理部3及び制御部4は、CPU、メモリなどを含んで構成されるパーソナルコンピュータをハードウエアとし、該コンピュータに予めインストールされた専用の制御・処理ソフトウエアを該コンピュータ上で実行することによりその機能を実現することができる。
本実施例のLC/MS/MSにおいてMS/MS部2では、イオンの開裂を伴った分析として、MRM測定、プリカーサイオンスキャン測定、プロダクトイオンスキャン測定、ニュートラルロススキャン測定といった分析モードが用意され、イオンの開裂を伴わない分析として、SIM測定、スキャン測定といった分析モードが用意されている。本実施例のLC/MS/MSでは、試料に対する分析の遂行に先立って分析者により上記のような分析モードの種類を含む分析条件が設定され、その分析条件に従って自動的に分析が実施される。次に、分析条件設定に際して分析条件決定処理部5を中心に実行される処理と、それに関わる分析者の作業とについて、図2〜図6を参照して詳述する。
図2は分析条件設定時の分析者の作業(操作)及び処理のフローチャートを示す図、図3は分析条件設定時に使用されるイベント編集画面の一例を示す図、図4は分析条件設定時に使用されるSIM測定系イベント条件設定画面の一例を示す図、図5は分析条件設定時に使用されるスキャン測定系イベント条件設定画面の一例を示す図、図6は分析条件設定時に使用されるドウェルタイム計算/ループタイム一覧画面の一例を示す図である。
分析者が入力部6で所定の操作を行うと、この操作を受けた分析条件設定画面表示処理部51は、図3に示すようなイベント編集画面100を表示部7の画面上に表示する。ただし、図3はすでにいくつかのイベントが設定された状態であるが、初期状態では何らイベントは設定されていない。分析者はこのイベント編集画面100上で以下のような手順でイベントを作成する(ステップS1)。
具体的には、分析者は追加したいイベントにおいて分析対象とするイオンの極性を、極性選択ボタン領域101に配置されている2つのラジオボタンのクリック操作により選択する。そのあと、分析者は分析モード追加ボタン領域102に配置されている複数のボタンの中から、追加したい分析モード(例えば「MRM」、「プリカーサイオンスキャン」など)を選択してクリック操作する。分析条件入力情報処理部52はこれら操作を受けて、指定された分析モードをイベント情報テーブル103中の分析モード表示欄104に表示することで、この分析モードに実施するためのイベントを追加する。このとき、極性選択ボタン領域101に配置されているラジオボタンの操作により選択された極性(+/−)は、イベント情報テーブル103中の極性表示領域105に表示される。また、イベント番号表示欄106には、追加された順番にイベント番号が連続番号で生成される。なお、このようにイベントが新たに追加された時点では、化合物名m/z表示欄107及び測定時間表示欄108には何も表示されない。
次に、分析者は追加したイベントの詳細な分析条件を設定する。即ち、追加したイベントの分析モードがSIM系、つまりはスキャンを伴わないMRM測定又はSIM測定のいずれかである場合には、分析者が入力部6で所定の操作を行う(例えばイベント情報テーブル103中の所望のイベントの行をクリック操作する)と、この操作を受けた分析条件設定画面表示処理部51は、図4に示すようなSIM系イベント条件設定画面200を表示部7の画面上に表示する。
一方、追加したイベントの分析モードがスキャン系、つまりはMRM測定及びSIM測定以外である場合には、分析者が入力部6で同様に所定の操作を行うと、この操作を受けた分析条件設定画面表示処理部51は、図5に示すようなスキャン系イベント条件設定画面300を表示部7の画面上に表示する。分析者は追加したイベントの測定時間等の設定を、このSIM系又はスキャン系のイベント条件設定画面200又は300上で行う(ステップS2)。
例えば図3に示したように分析モードがMRM測定であるイベント番号#1の分析条件を設定する場合、図4に示すようなSIM系イベント条件設定画面200上で、測定時間入力領域201に配置されている2つのテキストボックスに、測定開始時間と測定終了時間とを入力する。また、1つのイベントでは複数の質量電荷比の異なるイオンの分析を同時に(厳密には同時ではなくごく短いサイクルの時分割で)行うことができ、それをチャンネル情報テーブル202上で設定する。いま、図4の例では、「Ch1」という1つのチャンネルのみが設定されており、分析者はプリカーサm/z表示欄203、プロダクトm/z表示欄204にそれぞれ、MRM測定を実施するプリカーサイオンの質量電荷比値及びプロダクトイオンの質量電荷比値を入力する。これを受けて分析条件入力情報処理部52は、入力された情報をイベント情報テーブル103中の化合物名m/z表示欄107に反映させる。また、分析者は質量電荷比の切替えのために必要なポーズタイムの値をポーズタイム表示欄205に入力する。
従来であれば、ここで分析者はドウェルタイムも設定する必要があるが、本実施例のLC/MS/MSでは、ドウェルタイムの設定は不要である。なお、図4ではドウェルタイム表示欄206にすでに数値が表示されているが、SIM系イベント条件設定画面200が開かれた段階では初期値が表示され、後述する処理が実施されると、その結果の数値に自動的に表示が更新される。同様に、図4ではイベント時間入力欄207にも数値(イベント時間)が表示されているが、SIM系イベント条件設定画面200が開かれた段階では初期値が表示され、後述するドウェルタイム自動計算処理の過程でイベント時間が自動的に計算されると、その計算により得られた数値に表示が更新される。
図3に示したように分析モードが例えばプロダクトイオンスキャンであるイベント番号#3の分析条件を設定する場合、図5に示すようなスキャン系イベント条件設定画面300上で、測定時間入力領域301に配置されている2つのテキストボックスに、測定開始時間と測定終了時間とを入力する。また、質量電荷比走査の開始及び終了の質量電荷比値、スキャンスピードなどを、スキャン情報表示領域302に配置されている各テキストボックスで設定する。さらに、追加したイベントのイベント時間をイベント時間入力欄303で設定する。
なお、従来と同様に、測定開始時間と測定終了時間とで決まる各イベントの測定時間範囲は以下のような点に注意して設定する必要がある。
(1)目的化合物の保持時間の前後に或る程度の時間的余裕を持たせて測定時間範囲を設定する。
(2)複数のイベントが設定される場合、高い感度で検出を行うために、基本的に複数のイベントの時間的なオーバーラップは極力避ける。もちろん、目的化合物の保持時間によっては、複数のイベントの時間的なオーバーラップを完全になくすことは難しい。
(3)検出感度が良好である(例えば濃度が高い)ことが分かっている化合物に対しては、複数のイベントの時間的なオーバーラップの影響は小さい(実質的に問題とならないことが多い)。逆に、検出感度が悪い(例えば濃度が低い)ことが分かっている化合物に対しては、複数のイベントの時間的なオーバーラップを極力少なくすることが望ましい。
測定時間入力領域201、301に配置されているテキストボックスにおいて設定された測定時間範囲(測定開始時間及び測定終了時間)は、イベント情報テーブル103中の測定時間表示欄108に、帯状のグラフとして反映される。図3に示したように、この測定時間表示欄108のグラフを見れば異なるイベント同士の測定時間範囲のオーバーラップ状況などが一目で把握可能である。そこで、分析者はこうした表示を確認しながら、上記のような点を考慮して、各イベントの測定時間範囲を調整すればよい。
イベント条件設定画面200、300において各イベントの分析条件を設定したならば、分析者はイベント編集画面100上に配置されているループタイム表示ボタン109をクリック操作する。すると、この操作を受けた分析条件設定画面表示処理部51は、図6に示すようなドウェルタイム計算/ループタイム一覧画面400を表示部7に表示する(ステップS3)。このドウェルタイム計算/ループタイム一覧画面400上で、分析者は、ドウェルタイム自動計算の条件として目標とするループタイムを目標ループタイム入力欄401で設定する。そして、ドウェルタイム計算ボタン402をクリック操作することでドウェルタイム自動計算の実行を指示する(ステップS4)。
この指示を受けてドウェルタイム自動計算部53は、その時点でイベント編集画面100上のイベント情報テーブル103に設定されている各イベントの情報(主として測定時間範囲)、イベント条件設定画面200、300上で設定されている詳細な分析条件(主としてチャンネル情報テーブル202上で設定されているチャンネルの数や各チャンネルのポーズタイム)、及び、目標ループタイム入力欄401に入力されたループタイムの目標値に基づいて、SIM測定系のイベントに最適なドウェルタイムを算出する(ステップS5)。
即ち、ドウェルタイム自動計算部53はまず、イベント情報テーブル103中の測定時間表示欄108に設定されている各イベントの測定時間範囲に基づき、イベントのオーバーラップを判断し、全測定開始時刻から終了時刻までの全測定時間範囲をイベントのオーバーラップ状況が同じである多数の部分測定時間範囲に区分けする。そして、各イベントについて、当該イベントが属する1又は複数の部分測定時間範囲の中でオーバーラップしているイベント数の最大値を求める。
例えば、図3において、イベント1の場合はイベント2とオーバーラップしている部分測定時間範囲があるため、オーバーラップしているSIM系イベントの最大のイベント数は2となる。また、イベント2の場合は、イベント1とオーバーラップしている部分測定時間範囲があるが、そのほかにイベント3、4とオーバーラップしている部分測定時間範囲もある。イベント3はスキャン系イベントのためカウントせず、オーバーラップしているSIM系イベントの最大のイベント数は2となる。こうして求めたオーバーラップしている最大のイベント数を用い、目標ループタイム入力欄401に入力された目標ループタイムからイベント毎にドウェルタイムを計算する。
具体的には、まず次の(1)式により各イベントのイベント時間を算出する。
[イベント時間]=([目標ループタイム]−[極性切替時間]×[回数])/[オーバーラップしているイベント数の最大値] …(1)
上述したように1イベント中に複数のチャンネルが設定されている場合があり、その場合にはイベント時間を複数のチャンネルに分配する必要がある。ここでは、1つのイベントに含まれる複数のチャンネルに対し時間を均等に分配するので、(2)式に示すように、イベント時間をチャンネル数で除し、ポーズタイムを差し引いてドウェルタイムを求める。
[ドウェルタイム]=([イベント時間]/[チャンネル数])−[ポーズタイム] …(2)
以上のような計算によって、イベント毎に、当該イベントにオーバーラップしている最大のイベント数に応じたドウェルタイムが求まる。
そして、その計算結果を、ドウェルタイム計算/ループタイム一覧画面400のドウェルタイム/ループタイム一覧テーブル403中のループタイム計算結果表示欄404及びドウェルタイム計算結果表示欄405に、区分けした部分測定時間範囲毎に表示する。図6において2.000−2.500[min]の部分測定時間範囲のように、或る1つの部分測定時間範囲に複数のイベントが割り当てられている、つまりはイベントがオーバーラップしている場合には、その部分測定時間範囲に割り当てられている各イベントについてそれぞれ計算されたドウェルタイムの最小値と最大値との幅で以て、ドウェルタイムが表示される。例えば図6に示した例では、2.000−2.500[min]の部分測定時間範囲には3つのイベントがオーバーラップしており、その3つのイベントにおけるドウェルタイムの計算値の最大値が497[msec]、最小値が442[msec]であるために、ドウェルタイム計算結果表示欄405には「442−497」と表示されている。
さらに、ドウェルタイム/ループタイム一覧テーブル403の下方の、最大/最小ドウェルタイム表示欄406に、全てのドウェルタイムのうちの最小値及び最大値を表示し、最大ループタイム表示欄407には全てのループタイムのうちの最大値を表示する。
分析者はドウェルタイム計算結果表示欄405に表示されたドウェルタイムに問題がないかどうか確認する。また、最大/最小ドウェルタイム表示欄406に表示されたドウェルタイムの範囲を確認し、ドウェルタイムが大きすぎないか又は逆に小さすぎないか確認する(ステップS6、S7)。また、ループタイムについても確認する。そして、例えばドウェルタイムが短すぎるなど、問題があれば(ステップS7でNo)、ステップS4へと戻り、目標ループタイム入力欄401に設定されているループタイムの目標値を適宜変更して、ドウェルタイム計算ボタン402をクリック操作することでドウェルタイム自動計算をやり直す。もちろん、SIM系イベント条件設定画面200へ戻って測定時間を変更した上でドウェルタイム自動計算をやり直してもよい。
一方、計算されたドウェルタイムやループタイムに問題がなければ(ステップS7でYes)、分析者はドウェルタイム計算/ループタイム一覧画面400上のOKボタン408をクリック操作する。すると、分析条件入力情報処理部52はその時点におけるドウェルタイム計算結果を、それぞれのSIM系イベントのチャンネル情報テーブル202中のドウェルタイム表示欄206に反映させる(ステップS8)。それによって、チャンネル情報テーブル202の空欄が埋まり、分析条件が確定する。
以上のようにして分析条件が決まったならば、分析者は入力部6から適宜の指示を行うことで、決まった分析条件に従った分析の実行を指示し、実際に分析を遂行する。
なお、図3中に示されているように、イベントにはSIM測定ではなくプロダクトイオンスキャン測定などのスキャン測定を設定することも可能である。こうしたスキャン測定が設定されたイベント(スキャン系イベント)が時間的にオーバーラップしている場合には、目標ループタイム入力欄401に入力されたループタイムの目標値からスキャン系イベントのイベント時間入力欄303に入力されたイベント時間を減算した上で、(1)式、(2)式に示した計算を実施すればよい。このようにして、スキャン系イベントをオーバーラップしているイベントの数から除外して、ドウェルタイムを計算することができる。
また、上述したドウェルタイム自動計算処理を行った場合には、1つのイベントに設定されている複数のチャンネルに対するドウェルタイム及びポーズタイムはそれぞれ同一になるが、ドウェルタイム自動計算を行わない場合には、チャンネル毎にドウェルタイム及びポーズタイムを適宜設定することが可能である。
また、上記実施例は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正、追加等を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは当然である。
例えば液体クロマトグラフの代わりにガスクロマトグラフを用いたGC/MS/MSや三連四重極型質量分析装置ではなくシングルタイプの四重極型質量分析装置を用いたLC/MSやGC/MSに本発明を適用可能なことも明らかである。もちろん、LC/MSやGC/MSではMRM測定は行えないから、SIM測定系とはSIM測定のみである。
1…LC部
2…MS/MS部
3…データ処理部
4…制御部
5…分析条件決定処理部
6…入力部
7…表示部
51…分析条件設定画面表示処理部
52…分析条件入力情報処理部
53…ドウェルタイム自動計算部
100…イベント編集画面
101…極性選択ボタン領域
102…分析モード追加ボタン領域
103…イベント情報テーブル
104…分析モード表示欄
105…極性表示領域
106…イベント番号表示欄
107…化合物名m/z表示欄
108…測定時間表示欄
109…ループタイム表示ボタン
200…SIM系イベント条件設定画面
201、301…測定時間入力領域
202…チャンネル情報テーブル
203…プリカーサm/z表示欄
204…プロダクトm/z表示欄
205…ポーズタイム表示欄
206…ドウェルタイム表示欄
207、303…イベント時間入力欄
300…スキャン系イベント条件設定画面
302…スキャン情報表示領域
400…ドウェルタイム計算ループタイム一覧画面
401…目標ループタイム入力欄
402…ドウェルタイム計算ボタン
403…ドウェルタイム/ループタイム一覧テーブル
404…ループタイム計算結果表示欄
405…ドウェルタイム計算結果表示欄
406…最大/最小ドウェルタイム表示欄
407…最大ループタイム表示欄
408…OKボタン

Claims (5)

  1. 試料中の成分を分離するクロマトグラフと、該クロマトグラフで成分分離された試料に対し複数種のイオンに対する選択イオンモニタリング(SIM)測定又は多重反応モニタリング(MRM)測定を実行する質量分析装置と、を具備するクロマトグラフ質量分析装置において、
    a)分析者が、SIM測定又はMRM測定の対象である1乃至複数のイオン種、測定開始時間、及び測定終了時間を、1つのイベントに対するパラメータとして設定するとともに、測定時間範囲のオーバーラップが許容された条件の下で複数のイベントを設定するためのイベント設定部と、
    b)1つのイベント又は測定時間範囲がオーバーラップしている複数のイベントに対し設定されているイオン種に対するSIM測定又はMRM測定を順次実行する1つのサイクルに要するループタイムの目標値を、分析者が設定するためのループタイム目標値設定部と、
    c)前記イベント設定部により設定されたイベント毎に、前記ループタイム目標値設定部により設定されたループタイム目標値と、当該イベントにおいて測定すべきイオン種の数と、当該イベントと測定時間範囲がオーバーラップしているイベントの数と、に基づいて、当該イベントに対して設定されている1つのイオン種当たりのデータ収集時間であるドウェルタイムを計算するドウェルタイム計算部と、
    d)前記ドウェルタイム計算部により算出されたドウェルタイムの値を表示する結果表示部と、
    を備えることを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  2. 試料中の成分を分離するクロマトグラフと、該クロマトグラフで成分分離された試料に対し複数種のイオンに対する選択イオンモニタリング(SIM)測定又は多重反応モニタリング(MRM)測定を実行する質量分析装置と、を具備するクロマトグラフ質量分析装置において、
    a)分析者が、SIM測定又はMRM測定の対象である1乃至複数のイオン種、測定開始時間、及び測定終了時間を、1つのイベントに対するパラメータとして設定するとともに、測定時間範囲のオーバーラップが許容された条件の下で複数のイベントを設定するためのイベント設定部と、
    b)1つのイベント又は測定時間範囲がオーバーラップしている複数のイベントに対し設定されているイオン種に対するSIM測定又はMRM測定を順次実行する1つのサイクルに要するループタイムの目標値を、分析者が設定するためのループタイム目標値設定部と、
    c)前記イベント設定部により設定されたイベント毎に、前記ループタイム目標値設定部により設定されたループタイム目標値と、当該イベントにおいて測定すべきイオン種の数と、当該イベントと測定時間範囲がオーバーラップしているイベントの数と、に基づいて、当該イベントに対して設定されている1つのイオン種当たりのデータ収集時間であるドウェルタイムを計算するドウェルタイム計算部と、
    d)前記ドウェルタイム計算部により算出されたドウェルタイムの値を、それぞれのイオンのSIM測定又はMRM測定のための分析条件の1つとして設定する分析条件設定部と、
    を備えることを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  3. 請求項1に記載のクロマトグラフ質量分析装置であって、
    前記結果表示部は、部分測定時間範囲毎のドウェルタイムの値を表示するとともに、全ての部分測定時間範囲の中のドウェルタイムの最小値を同一画面上に表示することを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  4. 請求項1又は3に記載のクロマトグラフ質量分析装置であって、
    前記結果表示部は、全ての部分測定時間範囲の中で、計算されたドウェルタイムに基づいて計算されるループタイムの最大の値を、ドウェルタイムの結果と同一画面上に表示することを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  5. 請求項1、3又は4に記載のクロマトグラフ質量分析装置であって、
    前記ループタイム目標値指定部における目標値の入力表示欄を、前記結果表示部によるドウェルタイムの計算結果を表示する画面上に設けることを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
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