JPWO2017158770A1 - 質量分析装置 - Google Patents
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Abstract
DDA(=Data Dependent Acquisition)実行制御部(28)の制御の下で測定部(1)によるLC/MSn分析データで得られたデータが測定データ保存部(23)に格納される。また、自動的にMSn分析が行われたときには、プリカーサイオン強度、TIC値、及びBPC値も測定データに対応付けて格納される。データ解析に際しスペクトル表示条件設定部(24)は表示部(4)に、プリカーサイオン強度閾値及びTIC値又はBPC値であるプロダクトイオン強度閾値を分析者に入力させる設定画面を表示し、入力された値を判定条件としてスペクトル表示条件記憶部(25)に保存する。表示部(4)の画面上に表示されたクロマトグラム上で適宜の保持時間が指定されると、スペクトル判定部(26)は該保持時間にMSnスペクトルデータが得られていれば該データに対応するプリカーサイオン強度等が判定条件を満たすか否か判定し、再解析表示処理部(27)は判定条件を満たすMSnスペクトルのみを選択的に表示部(4)の画面上に表示する。これにより、イオン強度が低い、意味のないMSnスペクトルが表示されなくなる。
Description
本発明は、MSn分析(nは2以上の整数)が可能である質量分析装置に関し、特に、液体クロマトグラフ(LC)やガスクロマトグラフ(GC)の検出器として質量分析装置を用いたクロマトグラフ質量分析装置に好適な質量分析装置に関する。
三連四重極型質量分析装置やイオントラップ質量分析装置、或いはイオントラップ飛行時間型質量分析装置では、分析対象成分由来の各種イオンの中で特定の質量電荷比m/zを持つイオンをプリカーサイオンとして選択し、そのプリカーサイオンを衝突誘起解離(CID=Collision Induced Dissociation)により解離させ、生成されたプロダクトイオンを質量分析することでMS/MS(=MS2)スペクトルを作成することが可能である。また、イオントラップ質量分析装置やイオントラップ飛行時間型質量分析装置では、イオンの選択とCIDとを複数回繰り返して最終的に生成されたプロダクトイオンを質量分析することにより、nが3以上であるMSnスペクトルを作成することも可能である。なお、以下の説明では、特に断らない限り、nが2以上であるMSn分析が可能である質量分析装置を単に質量分析装置という。
LCやGCの検出器として質量分析装置を用いたLC−MSやGC−MS等のクロマトグラフ質量分析装置により、試料中の未知成分の定性や構造解析を行う場合、その成分の保持時間も該成分由来のプリカーサイオンの質量電荷比も不明である。こうした場合、試料に含まれる成分を検出し、有意な又は有意であると推測される成分が検出されたならば該成分が溶出している期間中に自動的にMSn分析を実行すると都合がよい。例えば特許文献1、2等に記載の質量分析装置は、イオンを解離させずに実行した通常のMS1分析によって得られたマススペクトルデータから、予め設定された条件を満たすプリカーサイオンを自動的に選定しリアルタイムでMSn分析を実行する機能を有している。これにより、LC−MSやGC−MSのように、試料中の或る成分が質量分析装置に導入されている時間が限られている場合であっても、該成分に対するMSnスペクトルを取得することが可能である。こうした機能はDDA(=Data Dependent Acquisition、データ依存性解析)又はオートMSnなどと呼ばれているが、以下の説明では、DDAと呼ぶこととする。
DDAによるデータ収集を行う場合には、測定実行前に、プリカーサイオンの選択条件を設定しておく必要がある。特許文献1、2に開示されているように、プリカーサイオン選択条件としては、例えば特定の質量電荷比範囲に入るイオン、信号強度が所定の閾値以上であるイオンなど、質量電荷比や信号強度が利用されることが多いが、モノアイソトピックピークや価数などによるフィルタリングを実行したり特定のイオンを除外又は優先したりしたうえで質量電荷比や信号強度に基づくプリカーサイオンの選択が行われることもある。いずれにしてもDDAでは、上記のように予め設定されたプリカーサイオン選択条件を満たすイオンピークがマススペクトル(MSn-1スペクトル)に観測されれば、そのイオンをプリカーサイオンとしてMSn分析が実行されるし、プリカーサイオン選択条件を満たすイオンピークが観測されなければ少なくともその時点でのMSn分析の実行は見送られる。
一方、一般的なクロマトグラフ質量分析装置では、上述したようなDDAにより収集されたデータをコンピュータにインストールされた専用のデータ処理ソフトウエアを利用して解析処理する場合、分析者が指定した保持時間におけるマス(MS1)スペクトルと、該マススペクトルに基づいて自動的に選択されたプリカーサイオンに対するMSnスペクトルとが同一画面上に並べて表示されるようになっている。例えば特許文献2の図4には、或る保持時間におけるMS1、MS2、MS3という三つのマススペクトルが画面上のスペクトル表示欄に並べて表示される例が記載されている。分子量が大きな化合物では特に、MSn分析において得られるプロダクトイオンの質量電荷比情報は化学構造の把握に有用であり、分析者は、こうして表示される多段階の複数のマススペクトルを確認し、そこから得られる情報に基づいて目的成分の定性や構造解析を行う。
しかしながら、従来の装置では、イオンが観測されなかった場合や十分なイオン強度が得られなかった場合であっても、DDAによって取得されたマススペクトルは全て表示される。図6は従来の装置における質量分析データ解析画面の一例であり、この例では、スペクトル表示領域63に、或る保持時間においてDDAの実行によって得られたMS1〜MS4スペクトルが表示されているが、MS1〜MS3スペクトルには十分な強度でイオンが観測されているものの、MS4スペクトルには殆どイオンが観測されていない。従来の装置では、データ解析に利用できない又は利用することが難しいこのようなマススペクトルもそれ以外のマススペクトルと共に表示される。そのため、分析者はそうした有意でないマススペクトルも一通り確認することになり、そのことが解析作業の効率を低下させる一因となっている。また、表示部の画面上のスペクトル表示欄のスペースは限られているため、無意味なマススペクトルを表示するとイオン強度が十分に得られている有意なマススペクトルの表示が小さくなる、或いは、同じ画面上に表示される別の表示領域(図6の例では、クロマトグラム表示領域61やスペクトルツリー表示領域62)が小さくなる。それによって、マススペクトル上の質量電荷比値などの表示が見にくくなったり、クロマトグラムカーブの細かい把握がしにくくなったりし、これも解析作業の効率低下の一因となっている。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、DDAにより収集されたデータを解析処理して定性や構造解析等の作業を行う際に、該データに基づいて作成されるマススペクトルの表示の仕方を改善することで、分析者による解析作業の効率の向上を図ることができる質量分析装置を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた本発明は、MSm-1分析(ただしmは2〜n(nは2以上の整数)の全ての整数)を行って得られたMSm-1スペクトル上で観測される特定のイオンをプリカーサイオンとしてMSm分析を実行しMSmスペクトルを取得するデータ依存性解析(DDA)が可能である質量分析装置において、
a)MSm-1スペクトル上で観測されるMSm分析の際のプリカーサイオンの信号強度、MSmスペクトル上で観測される全ての若しくは一部のプロダクトイオンの信号強度、のいずれか又は両方に関する判定条件を、スペクトル表示のためのフィルタリング条件として記憶しておく表示条件記憶部と、
b)データ依存性解析により収集されたデータに基づいて作成される、一つの成分に由来する一又は複数のMSmスペクトルのそれぞれについて、そのプリカーサイオン及び/又はプロダクトイオンの信号強度が前記表示条件記憶部に記憶されている判定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
c)前記判定部により判定条件を満たすと判定された、一つの成分に由来するMSmスペクトルを同一画面上に並べて表示するスペクトル表示処理部と、
を備えることを特徴としている。
a)MSm-1スペクトル上で観測されるMSm分析の際のプリカーサイオンの信号強度、MSmスペクトル上で観測される全ての若しくは一部のプロダクトイオンの信号強度、のいずれか又は両方に関する判定条件を、スペクトル表示のためのフィルタリング条件として記憶しておく表示条件記憶部と、
b)データ依存性解析により収集されたデータに基づいて作成される、一つの成分に由来する一又は複数のMSmスペクトルのそれぞれについて、そのプリカーサイオン及び/又はプロダクトイオンの信号強度が前記表示条件記憶部に記憶されている判定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
c)前記判定部により判定条件を満たすと判定された、一つの成分に由来するMSmスペクトルを同一画面上に並べて表示するスペクトル表示処理部と、
を備えることを特徴としている。
本発明に係る質量分析装置は特に、質量分析装置の前段に液体クロマトグラフやガスクロマトグラフを接続した液体クロマトグラフ質量分析装置(LC−MS)又はガスクロマトグラフ質量分析装置(GC−MS)に好適である。
本発明に係る質量分析装置において、例えばn=4であるとき、DDAでは最大MS4分析までのMSm分析が実行され、その場合、一つの成分に対して、MS1スペクトル、MS2スペクトル、MS3スペクトル、MS4スペクトルという四つのマススペクトルを構成するデータが収集される。nの値に制限はないものの、実用的にはnの最大値は5又は6程度である。
分析者は例えば、収集されたデータに基づいて作成されるMSmスペクトルを画面上で確認したうえで、キーボードなどの入力部から、MSm-1スペクトル上で観測されるMSm分析の際のプリカーサイオンの信号強度、MSmスペクトル上で観測される全ての若しくは一部のプロダクトイオンの信号強度、のいずれか又は両方に関する判定条件を入力し、これをスペクトル表示の際のフィルタリング条件として表示条件記憶部に記憶させる。この判定条件は典型的には、信号強度の下限の閾値である。また、プロダクトイオンの信号強度としては、MSmスペクトル上で観測される全てのプロダクトイオンの信号強度の加算値つまりは全イオン電流信号(TIC=Total Ion Current)値、又は、MSmスペクトル上で観測されるペースピークであるイオンの信号強度値つまりは該スペクトル上の最大の信号強度値のいずれかを用いるとよい。
上述したように表示条件記憶部に判定条件が格納されている状態で、データ解析作業に際して、例えば分析者により表示すべきデータが指定される、或いはLC−MSやGC−MSにおいては任意の保持時間が指定されると、判定部は、表示条件記憶部に記憶されている判定条件に基づいて、表示すべきマススペクトルと表示する必要のないマススペクトルとを仕分けする。即ち、指定されたデータ又は指定された保持時間において得られたデータに基づいて作成されるMSmスペクトルのそれぞれについて、プリカーサイオン及び/又はプロダクトイオンの信号強度が判定条件を満たすか否かを判定する。そして、スペクトル表示処理部は、判定条件を満たさないMSmスペクトルを除外し、残りのMSmスペクトルのみを同一画面上に並べて表示する。
例えばプリカーサイオンの信号強度の下限値が判定条件として設定されている場合には、MSm-1スペクトル上で観測されるMSm分析のためのプリカーサイオンの信号強度値が上記下限値以上であるか否かを判定し、該下限値以上でなければそのMSmスペクトルは表示不要であると判断する。また、プロダクトイオンの信号強度の加算値(TIC値)の下限値が判定条件として設定されている場合には、MSmスペクトル上で観測される全てのプロダクトイオンの信号強度の加算値がその下限値以上であるか否かを判定し、該下限値以上でなければそのMSmスペクトルは表示不要であると判断する。
こうして本発明に係る質量分析装置では、DDAにより収集されたデータに基づいて描出可能であるMSmスペクトルの全てを表示するのではなく、例えば分析者により設定された判定条件を満たす有意なMSmスペクトルのみを選択的に表示する。
こうして本発明に係る質量分析装置では、DDAにより収集されたデータに基づいて描出可能であるMSmスペクトルの全てを表示するのではなく、例えば分析者により設定された判定条件を満たす有意なMSmスペクトルのみを選択的に表示する。
なお、nが3以上である場合、つまり一つの成分に由来するMSmスペクトルが二以上である場合、MSmスペクトルを判定するための上記判定条件はそのイオン解離の段数毎に独立に設定できるようにしてもよい。即ち、例えばMS2スペクトルの判定条件とMS3スペクトルの判定条件とでは異なる値を設定できるようにしておいてもよい。
また、測定対象試料中に含まれる成分の量は様々であり、マススペクトル上のピークが小さくても観測したい場合もあれば、逆に、マススペクトル上のピークが大きくても観測が不要である場合もある。したがって、DDAによって得られる或る一つの成分に由来するMS1〜MSnスペクトルと別の成分に由来するMS1〜MSnスペクトルとでは、スペクトル表示のための判定条件をそれぞれ独立に設定できるようにしておくことが好ましい。
それによって、成分毎にそれぞれ、表示すべきマススペクトルと表示する必要のないマススペクトルとを的確に仕分けし、観測したり解析したりする必要があるマススペクトルのみを選択的に表示することができる。
それによって、成分毎にそれぞれ、表示すべきマススペクトルと表示する必要のないマススペクトルとを的確に仕分けし、観測したり解析したりする必要があるマススペクトルのみを選択的に表示することができる。
また本発明に係る質量分析装置では、表示すべきデータや保持時間が分析者により指定されたあとに、つまりはデータ解析のためにマススペクトルを表示する際に、その指定されたデータ又は指定された保持時間に得られたデータに基づいて、プリカーサイオンの信号強度値やプロダクトイオンの信号強度の加算値若しくはベースピークの信号強度値などを求めるようにしてもよいが、マススペクトルの描出を迅速に行うには、マススペクトル表示の要否判定に利用される上記信号強度値をデータ収集時つまりは測定実行時に求めておくほうが都合がよい。
そこで本発明に係る質量分析装置において、好ましくは、
d)データ依存性解析によるデータ収集の際に、得られたデータに基づいて、プリカーサイオンの信号強度値、MSmスペクトル上で観測される全てのプロダクトイオンの信号強度の加算値、及び、MSmスペクトル上で観測されるペースピークであるイオンの信号強度値を求めて記憶する特徴値記憶部、をさらに備え、
前記判定部は、前記特徴値記憶部に記憶されている値を用いて、プリカーサイオン及び/又はプロダクトイオンの信号強度が判定条件を満たすか否かを判定する構成とするとよい。
d)データ依存性解析によるデータ収集の際に、得られたデータに基づいて、プリカーサイオンの信号強度値、MSmスペクトル上で観測される全てのプロダクトイオンの信号強度の加算値、及び、MSmスペクトル上で観測されるペースピークであるイオンの信号強度値を求めて記憶する特徴値記憶部、をさらに備え、
前記判定部は、前記特徴値記憶部に記憶されている値を用いて、プリカーサイオン及び/又はプロダクトイオンの信号強度が判定条件を満たすか否かを判定する構成とするとよい。
この構成によれば、スペクトル表示に際し判定部は、特徴値記憶部に記憶されている値を用いて速やかにそれぞれのMSmスペクトルの表示の要否を判断することができるので、有意なMSmスペクトルのみを迅速に表示画面上に描出することができる。
また、多くの場合、測定対象試料中に含まれる成分は未知でその量も未知であるために、表示条件記憶部に記憶させるスペクトル表示の判定条件を測定実行前に決定しておくことはできないが、試料に含まれる成分やその含有量が或る程度既知である又は推定可能である場合には、測定実行前に、スペクトル表示の判定条件を決定して表示条件記憶部に記憶させておくことも可能である。また、表示条件記憶部に記憶される判定条件はスペクトル表示の際に利用されるものであるが、これを任意の時点で呼出し可能としておくことで、データ取得時つまりは測定実行時のプリカーサイオンの選別やMSm分析の実行要否の判定に利用できるようにしてもよい。これにより、例えば同じ又は類似した試料に対する同じDDAによるデータ収集を実施する場合に、表示する必要のないデータの取得を省き、解析が容易であるデータを収集することが可能となる。
本発明に係る質量分析装置によれば、DDAにより収集されたデータに基づいて作成可能であるMSmスペクトルの中で、例えばイオンが殆ど観測されないMSmスペクトルや信号強度が低いイオンしか観測されないMSmスペクトルを除外し、それ以外の有意なMSmスペクトルのみを表示部の画面上に並べて表示することができる。それによって、成分の定性や構造解析などのためのデータ解析作業に際し、分析者は意味のないMSmスペクトルを確認する必要がなくなる。また、表示部の画面上の限られたスペースの中に不要なMSmスペクトルが表示されなくなるので、有意なMSmスペクトルの表示領域やそれ以外のクロマトグラムなどの表示領域を大きく確保することができ、そうしたMSmスペクトル等の視認性が向上する。それによって、データ解析作業の効率が向上するとともに、分析者の見間違いなどのミスも減らすことができる。
以下、本発明に係る質量分析装置を用いたLC−MSシステムの一実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は本実施例のLC−MSシステムの概略構成図である。
図1に示すように、本実施例のLC−MSシステムは、測定部1、制御・処理部2、入力部3、及び表示部4を備える。測定部1は、液体試料に含まれる複数の成分を時間的に分離する液体クロマトグラフ(LC部)11と、分離された各成分を質量電荷比m/zに応じて分離して検出する質量分析計(MS部)12と、を含む。このMS部12は、例えばエレクトロスプレーイオン化法などの大気圧イオン化法によるイオン源を備えた、nが3以上であるMSn分析が可能な質量分析装置であり、例えばイオントラップ飛行時間型質量分析計やイオントラップ質量分析装置などである。もちろん、MS部12はnが2以上のMSn分析が可能でありさえすればよいので、三連四重極型質量分析装置やQ−TOF型質量分析装置、或いはTOF/TOF型質量分析装置でもよい。
制御・処理部2は、機能ブロックとして、マススペクトル作成部21、TIC/BPC取得部22、測定データ保存部23、データ解析画面表示処理部24、スペクトル表示条件設定部25、スペクトル表示条件記憶部26、スペクトル判定部27、DDA実行制御部281を含む分析制御部28、及び中央制御部29、を備える。DDA実行制御部281は、プリカーサ選択部282及びプリカーサ選択情報記憶部283を含む。通常、制御・処理部2の実体はパーソナルコンピュータであり、該コンピュータにインストールされた専用のデータ処理・制御用ソフトウエアをコンピュータ上で実行することにより、上記各機能ブロックが具現化される。
本実施例のLC−MSシステムにおいてDDAによるデータ収集を実行する際の動作を説明する。
測定実行前に分析者は、プリカーサイオン選択条件を含む種々の測定条件を入力部3から設定する。図2は、本実施例のLC−MSシステムにおけるDDAによるデータ収集の概念図である。ここでは、測定開始(試料注入)時点から測定終了時点までの時間範囲に1又は複数のセグメントを設定し、そのセグメント毎に、例えばMS1分析のためのスキャン測定の質量電荷比範囲などと共に、例えばマススペクトル上で観測されるピークの信号強度が所定の閾値を超える、該ピークが特定の質量電荷比を有する又は特定の質量電荷比範囲に入る、などといったプリカーサイオン選択条件を設定できるようにしている。また、信号強度に拘わらず、予め設定した除外リストに収録されている質量電荷比を除外したり、優先リストに収録されているイオンは信号強度に拘わらず採用したりするようなプリカーサイオン選択条件を定めることもできる。こうして分析者によって設定されたプリカーサ選択条件はプリカーサ選択情報記憶部283に格納される。
測定実行前に分析者は、プリカーサイオン選択条件を含む種々の測定条件を入力部3から設定する。図2は、本実施例のLC−MSシステムにおけるDDAによるデータ収集の概念図である。ここでは、測定開始(試料注入)時点から測定終了時点までの時間範囲に1又は複数のセグメントを設定し、そのセグメント毎に、例えばMS1分析のためのスキャン測定の質量電荷比範囲などと共に、例えばマススペクトル上で観測されるピークの信号強度が所定の閾値を超える、該ピークが特定の質量電荷比を有する又は特定の質量電荷比範囲に入る、などといったプリカーサイオン選択条件を設定できるようにしている。また、信号強度に拘わらず、予め設定した除外リストに収録されている質量電荷比を除外したり、優先リストに収録されているイオンは信号強度に拘わらず採用したりするようなプリカーサイオン選択条件を定めることもできる。こうして分析者によって設定されたプリカーサ選択条件はプリカーサ選択情報記憶部283に格納される。
こうして設定された測定条件に従ってDDA機能を利用した測定の開始が指示されると、分析制御部28におけるDDA実行制御部281は測定部1を制御して測定を開始する。所定のタイミングでLC部11に液体試料が導入されると、該試料中の成分はLC部11中のカラム(図示せず)を通過する間に時間的に分離されて溶出する。MS部12は、LC部11からの溶出液中の成分をイオン化し、所定の質量電荷比範囲に亘るスキャン測定を一定の時間間隔で繰り返し実施する。
マススペクトル作成部21は、1回のスキャン測定によって得られるデータに基づき、一つのマス(MS1)スペクトルを作成する。プリカーサ選択部282は得られたマススペクトル上で観測されているイオンピークについて、プリカーサ選択情報記憶部283に格納されている上述したようなプリカーサイオン選択条件に従ってプリカーサイオンの自動選択を試みる。そして、プリカーサイオン選択条件を満たすイオンが存在する場合には、そのイオンをプリカーサイオンとするMS2分析(プロダクトイオンスキャン測定)をMS1分析に引き続き実行する。マススペクトル作成部21はこのMS2分析により得られるデータに基づいて、所定質量電荷比範囲のMS2スペクトルを作成する。プリカーサ選択部282はこのMS2スペクトルで観測されるイオンについて、先と同様にプリカーサイオン選択条件を満たすイオンを探索する。こうして、プリカーサイオン選択条件を満たすイオンが存在する限り、MS3分析、さらにはMS4分析が実施される。
したがって、所定時間間隔のスキャン測定の繰り返しによって、所定時間間隔でそれぞれMS1スペクトルデータが得られるとともに、プリカーサイオン選択条件を満たすイオンが存在すれば次のスキャン測定迄の時間の間に、MS2、MS3、さらにはMS4スペクトルデータも得られる。この例では、MS4分析までしか実行しないが、n=5以上のMSn分析を実行しても構わない。こうして収集されたスペクトルデータは測定データ保存部23に順次格納される。
上述したデータ収集と並行してTIC/BPC取得部22は、プリカーサイオン選択条件を満たすイオンがマススペクトルに存在し該イオンをプリカーサイオンとするMSn分析が実行される毎に、該プリカーサイオンの質量電荷比、一つのMSnスペクトル上で観測される全てのイオンの信号強度を加算した全イオン電流信号値(TIC値)、及び、該MSnスペクトル上で観測されるイオンピークの中で信号強度が最大であるベースピークの信号強度値(BPC値)、を取得する。そして、それらの値をスペクトルデータと対応付けて測定データ保存部23に格納する。
図2に示す時刻t1〜t2の時間範囲(セグメント#1の期間)、t3〜t4の時間範囲(セグメント#2の期間)それぞれにおいて、上述したようにMS1スペクトルデータが繰り返し収集され、また、MS部12に導入された試料中に成分が存在し、該成分由来のイオンがプリカーサイオン選択条件を満たすものであった場合にはMS2、MS3、MS4の各段のスペクトルデータが収集され、それらが一つのデータファイルに集約されて測定データ保存部23に格納される。また、同じデータファイル中(又は対応付けられた別のファイル中)に、MSn分析が実行されたときのプリカーサイオン質量電荷比値、TIC値、及びBPC値が格納される。
次に、本実施例のLC−MSシステムにおいて、上述したように測定データ保存部23に格納されている測定データに基づくデータ解析を分析者が実施する際の作業と処理動作の一例について説明する。
分析者は入力部3により、解析対象であるデータファイルを指定したうえでデータ解析画面を表示するよう指示する。この指示を受けてデータ解析画面表示処理部24は、測定データ保存部23から指定されたデータファイルを読み出し、該データファイル中のデータに基づいてトータルイオンクロマトグラムを作成する。そして、図6に示すようなデータ解析画面を表示部4の画面上に表示する。データ解析画面には、上記トータルイオンクロマトグラム等が表示されるクロマトグラム表示領域61、スペクトルツリーが表示されるスペクトルツリー表示領域62、マススペクトルが表示されるスペクトル表示領域63などが配置されている。例えばクロマトグラム表示領域61に表示されているクロマトグラム上の特定の保持時間を分析者が指示すると、その保持時間に収集されたデータに基づくマススペクトルがスペクトル表示領域63に表示される。
ここで、スペクトルツリー表示領域62に表示されるスペクトルツリーについて簡単に説明する。スペクトルツリーは、一つのセグメントにおけるDDAの実行条件及びそれによって収集されたデータの関連をツリー構造で示したものである。図3(a)の例では、或る一つのセグメントにおいて、MS1分析で得られた結果(マススペクトル)に基づいて異なる質量電荷比のプリカーサイオンを対象とする2回のMS2分析、又は同じ質量電荷比のプリカーサイオンで時間範囲が異なる2回のMS2分析が実行されていることが分かる。また、そのうちの1回のMS2分析で得られた結果(MS2スペクトル)に基づいて異なる質量電荷比のプリカーサイオンを対象とする3回のMS3分析、又は同じ質量電荷比のプリカーサイオンで時間範囲が異なる3回のMS3分析が実行されていることが分かる。また、図3(b)中に太線で示した、MS1、MS2、MS3、MS4の連なりは、少なくとも或る保持時間においてDDAにより得られた一連のマススペクトルデータが存在することを示している。そこで、本実施例のLC−MSシステムでは、スペクトルツリー表示領域62に表示されるスペクトルツリーにおいて、図3(b)中に矢印で示すように、最も下のレベルのMS4が分析者によって指示されると、該MS4から遡ったMS1、MS2、MS3、MS4の各マススペクトルがスペクトル表示領域63に表示されるようになっている。これを示したのが図6の例である。
従来の装置ではこうした表示は可能であったが、本実施例のLC−MSシステムはさらに以下に述べるような特徴的な機能を有している。即ち、分析者は、指定したデータファイルに基づくクロマトグラムやマススペクトル等を確認したうえで、スペクトル表示条件を入力部3から設定する。即ち、分析者が入力部3で所定の操作を行うと、この操作を受けてスペクトル表示条件設定部25は、図4に示すようなスペクトル表示条件設定画面50を表示部4の画面上に表示する。スペクトル表示条件設定画面50は、スペクトルツリー毎つまりはセグメント毎に、データ解析画面上に表示するマススペクトルを絞り込むための条件(パラメータ)を設定する画面である。この例では、MSn分析の各段つまりMS2(=MS/MS)、MS3、及びMS4がタブで切り替え可能となっており、それぞれ独立にスペクトル表示条件の設定が可能であるが、MSn分析毎の独立した設定はできないようになっていてもよい。
図4に示すように、スペクトル表示条件設定画面50内には、プリカーサイオン強度閾値設定領域51とプロダクトイオン強度閾値設定領域52とが設けられ、それら設定領域51、52にはそれぞれ数値を入力するための入力ボックスが配置されている。また、プロダクトイオン強度閾値設定領域52には、TIC値とBPC値とを択一的に選択するためのラジオボタン521が配置されている。
例えば信号強度がIa未満であるプリカーサイオンをターゲットとしたMS2スペクトルを表示から除外したい場合には、プリカーサイオン強度閾値設定領域51の入力ボックスに「Ia」の値を入力すればよい。TIC値がIb未満であるMS/MSスペクトルを表示から除外したい場合には、プロダクトイオン強度閾値設定領域52においてTIC値のラジオボタンを選択したうえ(図4はそうした選択状態を示している)で、該領域52の入力ボックスに「Ib」の値を入力すればよいし、一方、BPC値がIc未満であるMS/MSスペクトルを表示から除外したい場合には、プロダクトイオン強度閾値設定領域52においてBPC値のラジオボタンを選択したうえで、該領域52の入力ボックスに「Ic」の値を入力すればよい。プリカーサイオン又はプロダクトイオンの信号強度を利用したスペクトルのフィルタリングを行わない場合には、それぞれの入力ボックスに数値「0」を入力すればよい(通常、デフォルト値として「0」がセットされている)。プリカーサイオン強度閾値とプロダクトイオン強度閾値との両方が設定された場合には、両方の条件が満たされない限りスペクトル表示から除外される。
分析者が上述した入力作業を行ったあと「OK」ボタンをクリックすると、スペクトル表示条件設定部25は入力を確定させスペクトル表示条件記憶部26に記憶する。分析者は同様に、MS3、MS4スペクトルについてもスペクトル表示条件を設定すればよい。また、図6(後述する図5も同様)ではスペクトルツリーは一つのみであるが、スペクトルツリーつまりはセグメントが複数存在する場合には、そのセグメント毎にプリカーサイオン強度閾値及びプロダクトイオン強度閾値の両方又は一方をスペクトル表示条件として設定すればよい。
こうしてスペクトル表示条件を設定したうえで、分析者が、入力部3で所定の操作、具体的にはスペクトル表示条件に則った再表示の実行を指示すると、スペクトル判定部27は指示されている保持時間における測定データを読み出すとともに、測定データに対応して保存されているプリカーサイオン質量電荷比値、TIC値、及びBPC値を同時に読み出す。そして、それら値がスペクトル表示条件記憶部26に格納されているスペクトル表示条件を満たすか否か判定する。上述したようにスペクトル表示条件は、MS2、MS3、MS4スペクトルそれぞれについて定められているから、それらマススペクトル毎にスペクトル表示条件を満たすか否か判定され、スペクトル表示条件を満たすと判定されたマススペクトルは表示要、表示条件を満たさないと判定されたマススペクトルは表示不要に仕分けられる。
例えばいま、図4に示したようにMS2スペクトルに関してプリカーサイオン強度閾値が500,000、プロダクトイオン強度閾値がTIC値で10,000に定められている場合、測定データに対応付けて記憶されているMS2分析時のプリカーサイオン信号強度値が500,000以上であり、且つMS2スペクトルのTIC値が10,000以上であれば、そのMS2スペクトルは表示要に仕分けられる。このとき、MS2分析時のプリカーサイオン信号強度値が500,000以上であっても、MS2スペクトルのTIC値が10,000未満であれば、そのMS2スペクトルは表示不要に仕分けられる。こうして、指示された保持時間におけるマススペクトルを全て仕分けたあと、データ解析画面表示処理部24は、表示要に仕分けられたマススペクトルについてのみマススペクトル表示画像を作成し、それらをデータ解析画面のスペクトル表示領域63に表示する。このスペクトル表示領域63のスペースが決まっている場合には、該領域63に表示されるマススペクトルの数に応じてマススペクトル表示画像は適宜拡大又は縮小される。
MS4スペクトルのスペクトル表示条件としてプリカーサイオン強度閾値又はプロダクトイオン強度閾値のいずれか一方又は両方を適当に設定しておくと、図6に示したMS4スペクトルのようにイオンが殆ど観測されない場合には、該マススペクトルは表示不要と仕分けられる。そのため、本実施例のLC−MSシステムでは、スペクトル表示領域63に表示されるマススペクトルは図5に示すようになる。即ち、イオンが殆ど観測されないMS4スペクトルは表示されず、一つの成分に由来すると考えられる有意なMS1スペクトル631、MS2スペクトル632、MS3スペクトル633の三つがスペクトル表示領域63に配置される。それによって、分析者は有意な情報が得られないMS4スペクトルを確認する必要がなくなる。また、画面上の決まったスペースに表示されるマススペクトルの数が減ることで、一つのマススペクトルに割り当てられる領域のサイズが大きくなりマススペクトル自体が見易くなる。
なお、上記実施例では、DDAによるデータ収集時にプリカーサイオン信号強度値、TIC値、BPC値を取得して記憶していたが、これはデータ解析時における処理を簡略化するためであり、もちろん、DDAによるデータ収集時には測定データの収集のみを行い、データ解析実行時に、測定データに基づいて、プリカーサイオン信号強度値、TIC値、BPC値などを求めるようにしてもよい。
また、スペクトル表示条件記憶部26に格納された情報は任意の時点で呼び出して利用することが可能であるから、過去に収集したデータを再解析する際に利用することができるほか、新たにデータを収集する際のプリカーサイオン選択条件にも利用することができる。
また上記実施例は本発明をLC−MSで収集されたデータの処理に適用したものであるが、GC−MSで収集されたデータの処理に適用することができることは明らかである。また、LCやGCとの組み合わせではない単独の質量分析装置にも本発明は適用可能である。
さらにまた、上記実施例や各種変形例は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨に沿った範囲で適宜変形や修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…測定部
11…LC部
12…MS部
2…制御・処理部
2…特許文献
21…マススペクトル作成部
22…TIC/BPC取得部
23…測定データ保存部
24…データ解析画面表示処理部
25…スペクトル表示条件設定部
26…スペクトル表示条件記憶部
27…スペクトル判定部
28…分析制御部
281…DDA実行制御部
282…プリカーサ選択部
283…プリカーサ選択情報記憶部
29…中央制御部
3…入力部
4…表示部
50…スペクトル表示条件設定画面
51…プリカーサイオン強度閾値設定領域
52…プロダクトイオン強度閾値設定領域
521…ラジオボタン
61…クロマトグラム表示領域
62…スペクトルツリー表示領域
63…スペクトル表示領域
11…LC部
12…MS部
2…制御・処理部
2…特許文献
21…マススペクトル作成部
22…TIC/BPC取得部
23…測定データ保存部
24…データ解析画面表示処理部
25…スペクトル表示条件設定部
26…スペクトル表示条件記憶部
27…スペクトル判定部
28…分析制御部
281…DDA実行制御部
282…プリカーサ選択部
283…プリカーサ選択情報記憶部
29…中央制御部
3…入力部
4…表示部
50…スペクトル表示条件設定画面
51…プリカーサイオン強度閾値設定領域
52…プロダクトイオン強度閾値設定領域
521…ラジオボタン
61…クロマトグラム表示領域
62…スペクトルツリー表示領域
63…スペクトル表示領域
Claims (5)
- MSm-1分析(ただしmは2〜n(nは2以上の整数)の全ての整数)を行って得られたMSm-1スペクトル上で観測される特定のイオンをプリカーサイオンとしてMSm分析を実行しMSmスペクトルを取得するデータ依存性解析が可能である質量分析装置において、
a)MSm-1スペクトル上で観測されるMSm分析の際のプリカーサイオンの信号強度、MSmスペクトル上で観測される全ての若しくは一部のプロダクトイオンの信号強度、のいずれか又は両方に関する判定条件を、スペクトル表示のためのフィルタリング条件として記憶しておく表示条件記憶部と、
b)データ依存性解析により収集されたデータに基づいて作成される、一つの成分に由来する一又は複数のMSmスペクトルのそれぞれについて、そのプリカーサイオン及び/又はプロダクトイオンの信号強度が前記表示条件記憶部に記憶されている判定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
c)前記判定部により判定条件を満たすと判定された、一つの成分に由来するMSmスペクトルを同一画面上に並べて表示するスペクトル表示処理部と、
を備えることを特徴とする質量分析装置。 - 請求項1に記載の質量分析装置であって、
MSm-1スペクトル上で観測されるMSm分析の際のプリカーサイオンの信号強度、MSmスペクトル上で観測される全ての若しくは一部のプロダクトイオンの信号強度、のいずれか又は両方に関する判定条件を分析者が入力するための入力部をさらに備え、該入力部により入力された判定条件が前記表示条件記憶部に記憶されることを特徴とする質量分析装置。 - 請求項1に記載の質量分析装置であって、
前記MSmスペクトル上で観測される全ての若しくは一部のプロダクトイオンの信号強度は、MSmスペクトル上で観測される全てのプロダクトイオンの信号強度の加算値、又は、MSmスペクトル上で観測されるペースピークであるイオンの信号強度値であることを特徴とする質量分析装置。 - 請求項3に記載の質量分析装置であって、
d)データ依存性解析によるデータ収集の際に、得られたデータに基づいて、プリカーサイオンの信号強度値、MSmスペクトル上で観測される全てのプロダクトイオンの信号強度の加算値、及び、MSmスペクトル上で観測されるペースピークであるイオンの信号強度値を求めて記憶する特徴値記憶部、をさらに備え、
前記判定部は、前記特徴値記憶部に記憶されている値を用いて、プリカーサイオン及び/又はプロダクトイオンの信号強度が判定条件を満たすか否かを判定することを特徴とする質量分析装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の質量分析装置であって、
その前段に液体クロマトグラフ又はガスクロマトグラフが接続されてなることを特徴とする質量分析装置。
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