JP2013139494A - 液状導電性樹脂組成物及び電子部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)エポキシ樹脂(B)硬化剤成分(A)中のエポキシ基1当量に対する成分(B)中のエポキシ基と反応性の基の量が0.8〜1.25当量となる量、(C)硬化促進剤成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して0.05〜10質量部(D)導電性フィラー成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して300〜1000質量部、及び(E)25℃において固体状の熱可塑性樹脂の粒子成分が、(A)と(B)の合計100質量部に対して3〜50質量部を含む液状導電性樹脂組成物。加熱すると、加熱後の(E)成分の平均粒子径が加熱前の平均粒子径の1.5倍以上になる。
【選択図】なし
Description
(A)エポキシ樹脂
(B)硬化剤 成分(A)中のエポキシ基1当量に対する成分(B)中のエポキシ基と反応性の基の量が0.8〜1.25当量となる量、
但し、成分(A)及び成分(B)の少なくとも1つが液状である
(C)硬化促進剤 成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して0.05〜10質量部
(D)導電性フィラー 成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して300〜1000質量部、及び
(E)25℃において固体状の熱可塑性樹脂の粒子 成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して3〜50質量部
を含む液状導電性樹脂組成物であって、
該組成物を加熱すると、加熱後の前記(E)成分の平均粒子径が加熱前の前記(E)成分の平均粒子径の1.5倍以上になる
液状導電性樹脂組成物、
及び該組成物を接着剤またはシール材として使用した電子部品を提供するものである。
(A)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂は、一分子中に2個以上のエポキシ基があれば特に制限されるものではない。例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型、ビフェニル型、フェノールアラルキル型、ジシクロペンタジエン型、ナフタレン型、及びアミノ基含有型等の各種エポキシ樹脂や、分子中にフェニレン環等の芳香環を1個有する多官能エポキシ樹脂、及びこれらの混合物等が挙げられる。また、エポキシ樹脂はシリコーン変性エポキシ樹脂を含んでいてもよい。シリコーン変性エポキシ樹脂を含む事により、得られる硬化物の応力を緩和してクラックの発生を抑制し、さらに半導体装置に耐熱衝撃性を付与することができる。シリコーン変性エポキシ樹脂は公知のものを使用すればよい。本発明において(A)エポキシ樹脂は液状であることが好ましく、特には、40℃〜200℃で液状であるものがよい。なかでも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、あるいは芳香環を1個有する多官能エポキシ樹脂等の室温(25℃)で液状のエポキシ樹脂が好ましい。
硬化剤は、エポキシ樹脂用硬化剤として公知のものを使用することができ、例えばフェノール樹脂、酸無水物、及びアミン類が挙げられる。この中でも硬化性とBステージ状態の安定性のバランスを考慮すると、フェノール樹脂が好ましい。該フェノール樹脂としては、ノボラック型、ビスフェノール型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、ナフタレン型、シクロペンタジエン型、及びフェノールアラルキル型等が挙げられ、これらを単独、あるいは2種類以上を混合して用いても良い。発明において(B)硬化剤は液状であることが好ましく、特には、40℃〜200℃で液状であるものが好適である。中でも、室温(25℃)で液状のビスフェノール型フェノール樹脂、またはノボラック型フェノール樹脂が好ましい。尚、本発明において、上記(A)成分と当該(B)成分の少なくとも一つは液状である。また、本発明の組成物はシリコーン変性フェノール樹脂を含んでいてもよい。シリコーン変性フェノール樹脂を含む事により、得られる硬化物の応力を緩和してクラックの発生を抑制し、さらに半導体装置に耐熱衝撃性を付与することができる。シリコーン変性フェノール樹脂は公知のものを使用すればよい。
硬化促進剤としては、例えば有機リン、イミダゾール、3級アミン等の塩基性有機化合物が挙げられる。有機リンの例としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−トルイル)ホスフィン、トリ(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリ(p−エトキシフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボレート誘導体、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレート誘導体等が挙げられる。イミダゾールの例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、及び2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられ、3級アミンの例としてはトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、及び1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等が挙げられる。
導電性フィラーとしては、金、銀、銅、錫、亜鉛、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、アルミニウム、モリブデン、及びタングステン等の各種の金属及びこれらの合金が挙げられ、形状は、球状、粒状、鱗片状、及び針状等が挙げられる。またシリカ、アルミナ、有機樹脂、及びシリコーンゴム等の絶縁性粉末の表面を上記の各種の金属で蒸着、或いはメッキした粉末を用いても良い。フィラーの重量平均粒子径は0.1〜30μm、特に0.5〜10μmであることが望ましい。重量平均粒子径は例えば、レーザー光回折法による粒度分布測定における累積質量平均径(d50)又はメジアン径等として求めることができる。
25℃で固体状の熱可塑性樹脂の粒子は、公知の熱可塑性樹脂の粒子であってよく、該樹脂としては、例えば、AAS樹脂、AES樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、各種のフッ素樹脂、各種のシリコーン樹脂、ポリアセタール、各種のポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポニフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等、もしくはこれらの共重合体が挙げられる。これらの中でも、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂、又はこれらの共重合体から選択される少なくとも1種であることが望ましい。また、粒子の内核(コア)部と外皮(シェル)部で樹脂が異なるコア・シェル構造であっても良い。その場合コアはシリコーン樹脂、フッ素樹脂、又はブタジエン樹脂等からなるゴム粒子であり、シェルは線形分子鎖からなる上記各種の熱可塑性樹脂であることが望ましい。
上記成分の他、本発明の組成物には用途に応じて、シランカップリング剤、難燃剤、イオントラップ剤、ワックス、着色剤、接着助剤等を、本発明の目的を阻害しない量で、添加することができる。
本発明の導電性樹脂組成物は、上述した各成分を、公知の混合方法、例えば、ミキサー、ロール等を用いて混合することによって、調製することができる。本発明の導電性樹脂組成物は、例えば、5〜200μmのいずれかの厚さとなるように基板に塗布した時に、60℃〜200℃、好ましくは40℃〜150℃の範囲にある温度で、1分間〜3時間、好ましくは10分間〜1時間の範囲にある時間、加熱することによりBステージ化することが可能である。
下記に示す各成分を表1に示す配合量で配合し、25℃のプラネタリーミキサーで混合し、25℃の3本ロールを通過させた後、25℃においてプラネタリーミキサーで再度混合して、各組成物を調製した。
(A)エポキシ樹脂
・ビスフェノールF型エポキシ樹脂(YDF−8170C(新日鉄化学製))、エポキシ当量160、室温(25℃)で液状(粘度1.5Pa・s)
(B)硬化剤
・液状フェノールノボラック型樹脂、(MEH−8000H(明和化成製))フェノール当量141 室温(25℃)で液状(粘度2.5Pa・s)、
(C)硬化促進剤
・2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(2E4MHZ−PW(四国化成製))
(D)導電性フィラー
・燐片状銀粉:重量平均粒子径6.1μm、(AgC−237(福田金属箔粉工業社製))
(E)熱可塑性樹脂の粒子
・ポリメタクリル酸メチル:数平均分子量50,000、重量平均分子量150,000、平均粒子径1μm、最大粒子径(d99)3μm
・シリコーンパウダー:平均粒子径2μm、最大粒子径(d99)5μm (KMP−605(信越化学工業社製))
(F)その他の成分
・シランカップリング剤:KBM403(信越化学工業製)
・溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエーテル EDGAC(ダイセル化学製)
・反応性希釈剤:ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル エポキシ当量268 デナコールEX830 (ナガセケムテックス社製) 室温(25℃)で液状(粘度0.07Pa・s)
(a)粘度
各組成物について、JIS Z−8803に準じ、E型粘度計(HBDV−III、ブルックフィールド社製)を用いて、測定温度25℃、ずり速度2.00(sec−1)、回転開始後2分における粘度を測定した。
日本ゴム協会標準規(SRIS) 2301に基づき、各組成物の硬化物について、測定温度25℃における、体積抵抗率を測定した。
シリコンチップ(基材A)、銅板(基材B)、及び42アロイ(基材C)の夫々の上に、上面の直径2mm、下面の直径5mm、及び高さ3mmを有する円錐台形状となるように各樹脂組成物を搭載し、125℃で1時間加熱後、さらに165℃で2時間加熱して硬化させ、各々5個の試験片を作成した。各試験片の硬化後の剪断接着力を測定し、初期値とした。更に、各試験片を85℃/85%RHの恒温恒湿器に168時間放置した後、最高温度が260℃であるIRリフローオーブン中を3回通過させ(高温高湿試験)、該高温高湿試験後の各試験片の接着力を測定した。尚、表1に記載の値は、5個の試験片の平均値である。剪断接着力の測定は万能ボンドテスター シリーズ4000(DAGE社製)を用いて行った。
15mm×5mm×5mmの金型へ各樹脂組成物を注入し、125℃で1時間加熱後、さらに165℃で2時間加熱して硬化した後、任意の部分を電子顕微鏡VE−8800(キーエンス社製)で2000倍観察し100点測定した。熱可塑性樹脂の大きさ(平均径)を各粒子の長径と短径の平均値とし、100点測定した平均値を求め、熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径とした。
熱可塑性樹脂粒子の膨潤性は、下記式を用いて算出した。
膨潤性=(加熱硬化後の熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径)/(樹脂組成物に配合する前の熱可塑性樹脂の平均粒子径)
実施例1の組成物を、DSC821e(METTLER TOLEDO社製)を用いて、昇温速度10℃/min、25℃〜250℃の測定温度範囲でDSC測定した。得られたDSC測定データを図1に示す。図1に示される通り、硬化反応による発熱の前に、熱可塑性樹脂が膨張する際の発熱が生じており、加熱により熱可塑性樹脂が膨張していることがわかる。
2.エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤及びその他の成分
3.導電性フィラー
4.組成物を加熱した後の熱可塑性樹脂粒子
Claims (8)
- (A)エポキシ樹脂
(B)硬化剤 成分(A)中のエポキシ基1当量に対する成分(B)中のエポキシ基と反応性の基の量が0.8〜1.25当量となる量、
但し、成分(A)及び成分(B)の少なくとも1つが液状である
(C)硬化促進剤 成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して0.05〜10質量部
(D)導電性フィラー 成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して300〜1000質量部、及び
(E)25℃において固体状の熱可塑性樹脂の粒子 成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対して3〜50質量部
を含む液状導電性樹脂組成物であって、
該組成物を加熱すると、加熱後の前記(E)成分の平均粒子径が加熱前の前記(E)成分の平均粒子径の1.5倍以上になる
液状導電性樹脂組成物。 - (E)成分が、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂又はこれらの共重合体から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂の粒子である、請求項1記載の液状導電性樹脂組成物。
- (E)成分が、ポリスチレン換算の数平均分子量1,000〜10,000,000及び重量平均分子量10,000〜100,000,000を有する、請求項1または2記載の液状導電性樹脂組成物。
- E型粘度計により25℃において測定される導電性樹脂組成物の粘度が、10〜500Pa・sである、請求項1〜3のいずれか1項記載の液状導電性樹脂組成物。
- (D)成分と(E)成分の合計の配合量が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して700質量部以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液状導電性樹脂組成物。
- 40℃〜200℃の範囲にある温度で1分間〜3時間の範囲にある時間、前記液状導電性樹脂組成物を加熱することにより、加熱後の(E)成分の平均粒子径が加熱前の(E)成分の平均粒子径の1.5倍以上になる、請求項1〜5のいずれか1項記載の液状導電性樹脂組成物。
- 日本ゴム協会標準規格(SRIS)2301に基づき25℃において測定される体積抵抗率が1x10−3Ω・cm以下である硬化物を与える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液状導電性樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載の液状導電性樹脂組成物を接着剤またはシール材として備えた電子部品。
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