JP2013137380A - 乳化凝集トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クラフト点の異なる二種類以上の界面活性剤の存在下で樹脂を乳化する乳化工程と、少なくとも一種類の界面活性剤のクラフト点以下且つ他の少なくとも一種類の界面活性剤のクラフト点より高い温度に冷却し、一部の界面活性剤を冷却析出させる冷却析出工程とを経て、樹脂微粒子を製造し、得られた該樹脂微粒子を凝集することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、少なくとも樹脂微粒子を凝集して得られる乳化凝集法トナーにおいて、前記樹脂微粒子を、クラフト温度の異なる二種類以上の界面活性剤を用いて乳化する乳化工程、一種類の界面活性剤のクラフト温度以下に冷却し、界面活性剤を冷却析出する冷却析出工程、を少なくとも経て製造することを特徴とする。本発明の乳化工程、冷却析出工程は特に限定されないが、例えば、コア用樹脂微粒子の作製、シェル用樹脂部粒子の作製に適用することが可能である。低温定着性と耐環境安定性両立の更なる実現のために、精密なトナーのコアシェル構造制御の必要性が高まり、表層を均一に薄く被覆する技術、すなわちシェル微粒子を微粒化する技術が要求されているが、本発明はそのシェル微粒子の微粒化について特に有効である。
コア用樹脂微粒子分散液、シェル用樹脂微粒子前駆体を作製する乳化工程;
界面活性剤を冷却析出し、シェル用樹脂微粒子を作製する冷却析出工程;
コア用樹脂微粒子分散液、着色剤微粒子分散液、離型剤微粒子分散液を少なくとも混合し、水系媒体中で凝集させ凝集体を形成しコア粒子を作製するコア粒子作製工程;
コア粒子の表面にシェル用樹脂微粒子を付着させるコアシェル化工程;
を経ることでトナーを製造することができる。以下、本方法を更に詳細に説明する。
本発明の乳化凝集トナーの製造方法は、乳化工程にて、コア用樹脂微粒子分散液、シェル用樹脂微粒子分散液前駆体を作製する。これらは、例えば以下に挙げる方法;乳化重合法、自己乳化法、有機溶剤に溶解させた樹脂溶液に水系媒体を添加していくことで樹脂を乳化する転相乳化法、有機溶剤を用いず、水系媒体中で高温処理することで強制的に樹脂を乳化する強制乳化法などにより調製することができ、特に限定されない。中でも好ましいのは、環境負荷低減の観点から、水系媒体中で、前記結着樹脂の軟化温度(Tm)より高い温度に加温しながら剪断を加えて乳化する方法である。即ち、高い温度に加温し、溶融した樹脂を、水を主とした溶媒中でせん断を付与することにより、微粒子を得る方法である。剪断を与える乳化装置としては、特に限定されないが、例えば高速回転式ホモジナイザーや高圧式ホモジナイザーが挙げられる。
HLB=(Σ(無機性基の基数)/Σ(有機性基の基数))×10
本発明の乳化凝集トナーの製造方法は、前記乳化工程にて作製した、界面活性剤を含むシェル用樹脂微粒子分散液前駆体から、少なくとも一種類の界面活性剤をクラフト点以下に冷却し析出させることで、界面活性剤を選択的に除去し、シェル用樹脂微粒子分散液を作製することを特徴とする。界面活性剤は、界面活性剤の水溶液を加熱した際に、ミセルを形成し、界面活性剤の溶解度が大幅に上昇する、クラフト点と呼ばれる温度を有することが知られている。この性質を利用して、界面活性剤を含む水溶液から界面活性剤を析出させることが可能である。しかし、界面活性剤を含む樹脂微粒子から界面活性剤を析出させようとした場合、界面活性剤だけでなく樹脂微粒子の安定性も低下し、樹脂微粒子の沈降も合わせて起こってしまう。そのため、界面活性剤を含む樹脂微粒子から界面活性剤を選択的に除去することが困難であった。
コア粒子作製工程では、コア用樹脂微粒子分散液、着色剤微粒子分散液、離型剤微粒子分散液、及びその他帯電制御剤等のトナー成分を混合し混合液を調製する。ついで該混合液中に、凝集粒子を形成させ、凝集粒子分散液を調製する。前記凝集粒子は、例えばpH調整剤、凝集剤、安定剤を上記混合液中に添加し混合し、温度、機械的動力等を適宜加えることにより該混合液中に形成することができる。
コアシェル化工程では、コア粒子作製工程によって得られたコア粒子の表面にシェル用樹脂微粒子を付着させる。水系媒体中にコア粒子、シェル用樹脂微粒子分散液を添加し、そこに金属塩を添加する。
次に、本発明における物性測定方法に関して説明する。
本発明におけるクラフト点は以下のように測定される。
藤田,化学の領域,11(10),1(1957)に記載の有機性基、無機性基の基数の表に従い、界面活性剤の無機性基(親水基)と有機性基(疎水基)の基数を算出し、以下の式に従い計算した。
HLB=(Σ(無機性基の基数)/Σ(有機性基の基数))×10
樹脂酸価は以下のように求められる。尚、基本操作は、JIS−K0070に準ずる。酸価は試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数をいう。
(a)溶剤:エチルエーテル−エチルアルコール混液(1+1または2+1)またはベンゼン−エチルアルコール混液(1+1または2+1)を使用直前にフェノールフタレインを指示薬としてN/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
(b)フェノールフタレイン溶液:フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95v/v%)100mlに溶かす。
(c)N/10水酸化カリウム−エチルアルコール溶液:水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95v/v%)を加えて1リットルとし、2乃至3日放置後ろ過する。標定はJIS K 8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
結着樹脂(試料)1乃至20gを正しくはかりとり、これに溶剤100ml及び指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これをN/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
次の式によって酸価を算出する。
A=B×f×5.611/S
A:酸価
B:N/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:N/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
樹脂微粒子のTHF可溶分のGPCにより測定される分子量分布及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)等は以下のように求められる。
樹脂粒子等の微粒子の粒度分布は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−950:堀場製作所社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い測定する。具体的には、前記測定装置の試料導入部で、透過率が測定範囲内(70〜95%)になるように、測定試料を調整し、体積分布を測定した。体積分布基準の50%粒径は、累積50%に相当する粒子径(メジアン径)であり、体積分布基準の95%粒径は、小さい方から累積95%に相当する粒子径である。なお、変動係数は、下記式に従って算出した。
(式)変動係数[%]=(算術標準偏差/算術平均径)×100
上記トナー粒子の個数平均粒径(D1)及び重量平均粒径(D4)はコールター法による粒度分布解析にて測定する。測定装置として、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い測定する。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%塩化ナトリウム水溶液を調製する。例えば、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。具体的な測定方法としては、前記電解水溶液100乃至150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1乃至5ml加え、さらに測定試料(トナー粒子)を2乃至20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行う。得られた分散処理液を、アパーチャーとして100μmアパーチャーを装着した前記測定装置により、2.00μm以上のトナーの体積,個数を測定してトナーの体積分布と個数分布とを算出する。それから、トナー粒子の個数分布から求めた個数平均粒径(D1)と、トナー粒子の体積分布から求めた重量基準のトナー粒子の重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求める。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン50質量部、テレフタル酸28質量部、イソフタル酸22質量部、ジブチル錫オキシド0.03質量部を3つ口フラスコに仕込み、窒素気流下、230℃で24時間撹拌を行った後、トリメリット酸2質量部を添加し、220℃で1時間撹拌を行った。その後、温度を保持しつつ3mmHgの減圧条件下で4時間撹拌することで、Mwが21,000、Mnが7200、Tgが70℃、Tmが118℃、酸価が8.5mgKOH/gのポリエステル樹脂1を得た。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン20質量部、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン30質量部、テレフタル酸20質量部、フマル酸27質量部、ジブチル錫オキシド0.03質量部を3つ口フラスコに仕込み、窒素気流下、230℃で24時間撹拌を行った後、トリメリット酸4質量部を添加し、220℃で20分間撹拌を行った。その後、温度を保持しつつ、5mmHgの減圧下1時間撹拌することで、Mwが10,000、Mnが3300、Tgが50℃、Tmが98℃、酸価が12.1mgKOH/gのポリエステル樹脂2を得た。
(乳化工程)
400質量部のポリエステル樹脂1、21質量部のN,N−ジメチルアミノエタノール(塩基性物質)、600質量部のイオン交換水、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(第一工業製薬製:ネオゲンRK、HLB=22.5、クラフト点=4℃)40質量部、同じく界面活性剤としてパルミチン酸ナトリウム(日油製:PN−1、HLB=17.5、クラフト点=36℃)40質量部を、1100mlの耐圧丸底ステンレス容器に入れ、高速剪断乳化装置クレアミックス(エム・テクニック社製:CLM−2.2S)を上記耐圧丸底ステンレス容器に密閉接続した。容器内の混合物を、140℃に加温加圧しながら、クレアミックスのローター回転数を20,000r/minとし50分間剪断分散した。その後、50℃になるまで、20,000r/minの回転を維持しながら、0.8℃/分の冷却速度で冷却を行い、樹脂微粒子分散液前駆体1を得た。このサンプルをレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−950:堀場製作所社製)を用い測定したところ、体積平均粒径は0.15μmであった。
得られたシェル用樹脂微粒子分散液前駆体1を、2Lビーカーに入れ、スリーワンモーターにて撹拌しながら10℃まで冷却し、界面活性剤を冷却析出した。析出物を5000rpm、10分の条件にて遠心分離を行い、上澄みを取り出し、シェル用樹脂微粒子分散体1を得た。析出物の質量を測定したところ、仕込み界面活性剤総量の43%であった。このサンプルをレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−950:堀場製作所社製)を用い測定したところ、体積平均粒径はシェル用樹脂微粒子分散液前駆体1と同様であった。
界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(第一工業製薬製:ネオゲンRK、HLB=22.5、クラフト点=4℃)50質量部、パルミチン酸ナトリウム(日油製:PN−1、HLB=17.5、クラフト点=36℃)30質量部を使用した以外は、上記分散液1の調製と同様にシェル用樹脂微粒子分散体2を得た。析出物の質量を測定したところ、仕込み界面活性剤総量の32%であった。このサンプルをレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−950:堀場製作所社製)を用い測定したところ、体積平均粒径は0.14μmであった。
界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(第一工業製薬製:ネオゲンRK、HLB=22.5、クラフト点=4℃)40質量部、ステアリン酸ナトリウム(日油製:SN−1、HLB=15.6、クラフト点=42℃)40質量部を使用した以外は、上記分散液1の調製と同様にシェル用樹脂微粒子分散体3を得た。析出物の質量を測定したところ、仕込み界面活性剤総量の45%であった。このサンプルをレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−950:堀場製作所社製)を用い測定したところ、体積平均粒径は0.22μmであった。
界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(第一工業製薬製:ネオゲンRK、HLB=22.5、クラフト点=4℃)80質量部使用した以外は、上記分散液1の調製と同様にシェル用樹脂微粒子分散体前駆体4を得た。このサンプルをレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−950:堀場製作所社製)を用い測定したところ、体積平均粒径は0.15μmであった。
界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(第一工業製薬製:ネオゲンRK、HLB=22.5、クラフト点=4℃)40質量部使用した以外は、上記分散液1の調製と同様にシェル用樹脂微粒子分散体前駆体5を得た。このサンプルをレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−950:堀場製作所社製)を用い測定したところ、体積平均粒径は0.31μmであった。
界面活性剤としてステアリン酸ナトリウム(日油製:SN−1、HLB=15.6、クラフト点=42℃)40質量部使用した以外は、上記分散液1の調製と同様にシェル用樹脂微粒子分散体前駆体6を得た。このサンプルをレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−950:堀場製作所社製)を用い測定したところ、体積平均粒径は0.35μmであった。
<コア用樹脂微粒子分散液の調製>
500質量部のポリエステル樹脂2、8.5質量部のN,N−ジメチルアミノエタノール(塩基性物質)、500質量部のイオン交換水、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK、HLB=22.5、クラフト点=4℃)0.5質量部を、1100mlの耐圧丸底ステンレス容器に入れ、高速剪断乳化装置クレアミックス(エム・テクニック社製:CLM−2.2S)を上記耐圧丸底ステンレス容器に密閉接続した。容器内の混合物を、115℃に加温加圧しながら、クレアミックスのローター回転数を20,000r/minとし30分間剪断分散した。その後、50℃になるまで、20,000r/minの回転を維持しながら、0.8℃/分の冷却速度で冷却を行い、樹脂微粒子分散液1を得た。このサンプルをレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−950:堀場製作所社製)を用い測定したところ、体積平均粒径は0.29μmであった。
・エステルワックス(ベヘン酸ベヘニル、融点75℃) 100質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 10質量部
・イオン交換水 880質量部
以上をジャケット付混合容器に投入した後、90℃に加熱し、定量ポンプにて循環させながら、クレアミックスW−モーション(エム・テクニック社製)を用いて、ローター回転数19000r/min、スクリーン回転数19000r/minの条件にて撹拌し、60分間分散処理した。60分間の分散処理の後、引き続きローター回転数1000r/min、スクリーン回転数0r/min、冷却速度10℃/minの条件にて40℃まで冷却することで、離型剤水系分散液を得た。このサンプルをレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−950:堀場製作所社製)を用い測定したところ、体積平均粒径は0.15μmであった。
・シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3) 100質量部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 10質量部
・イオン交換水 890質量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて、回転数24000r/min、30分間分散を行った。その後、さらに高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用いて、圧力条件200MPaにて分散を行い、シアン顔料を分散させてなる着色剤水系分散液を調製した。着色剤水系分散液における着色剤(シアン顔料)の体積分布基準の50%粒径は、0.12μm、着色剤濃度は10質量%であった。
・コア用樹脂微粒子分散液 600質量部
・着色剤微粒子分散液 75質量部
・離型剤微粒子分散液 150質量部
・1質量%硫酸マグネシウム水溶液 150質量部
・イオン交換水 525質量部
上記の各成分を丸型ステンレス製フラスコに投入し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000r/minで10分間混合、分散した。その後、加熱用オイルバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数に適宜調節しながらで48℃まで加熱した。48℃で1時間保持した後、形成された凝集粒子の体積平均粒径を、コールターカウンターTA−II(コールター社製)にて測定した。その結果、体積平均粒径が約5.3μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
コア粒子の水系分散体1を500質量部秤量し、1Lトールビーカーに入れ、加熱用ウォーターバス中で25℃で撹拌翼にて撹拌を行った。続いて、シェル用樹脂微粒子分散液1を25質量部添加し、10分間撹拌を行った。さらに、2質量%塩化カルシウム水溶液120質量部をゆっくり滴下した。
コアシェル化工程にて、シェル用樹脂微粒子分散液1の代わりにシェル用樹脂微粒子分散液2を使用した以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー粒子2を得た。得られたトナー粒子をコールターカウンターTA−II(コールター社製)にて測定した結果、体積平均粒径は5.5μmであった。また、得られたトナー粒子を高分解能電解放出型走査電子顕微鏡(S−4800、日立ハイテクノロジーズ社製)にて観察した結果、シェル粒子が表層を十分に被覆していることが観察された。
コアシェル化工程にて、シェル用樹脂微粒子分散液1の代わりに、シェル用樹脂微粒子分散液3を30質量部使用した以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー粒子3を得た。得られたトナー粒子をコールターカウンターTA−II(コールター社製)にて測定した結果、体積平均粒径は5.7μmであった。また、得られたトナー粒子を高分解能電解放出型走査電子顕微鏡(S−4800、日立ハイテクノロジーズ社製)にて観察した結果、シェル粒子が表層を十分に被覆していることが観察された。
コアシェル化工程にて、シェル用樹脂微粒子分散液1の代わりに、シェル用樹脂微粒子分散液前駆体4を使用した以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー粒子4を得た。得られたトナー粒子をコールターカウンターTA−II(コールター社製)にて測定した結果、体積平均粒径は5.4μmであった。また、得られたトナー粒子を高分解能電解放出型走査電子顕微鏡(S−4800、日立ハイテクノロジーズ社製)にて観察した結果、シェル粒子が表層を十分に被覆していることが観察された。
コアシェル化工程にて、シェル用樹脂微粒子分散液1の代わりに、シェル用樹脂微粒子分散液前駆体5を50質量部使用した以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー粒子5を得た。得られたトナー粒子をコールターカウンターTA−II(コールター社製)にて測定した結果、体積平均粒径は5.8μmであった。また、得られたトナー粒子を高分解能電解放出型走査電子顕微鏡(S−4800、日立ハイテクノロジーズ社製)にて観察した結果、シェル粒子が表層を十分に被覆していることが観察された。
コアシェル化工程にて、シェル用樹脂微粒子分散液1の代わりに、シェル用樹脂微粒子分散液前駆体6を50質量部使用した以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー粒子6を得た。得られたトナー粒子をコールターカウンターTA−II(コールター社製)にて測定した結果、体積平均粒径は5.9μmであった。また、得られたトナー粒子を高分解能電解放出型走査電子顕微鏡(S−4800、日立ハイテクノロジーズ社製)にて観察した結果、シェル粒子が表層を十分に被覆していることが観察された。
コアシェル化工程にて、シェル用樹脂微粒子分散液1の代わりに、シェル用樹脂微粒子分散液前駆体5を使用した以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー粒子7を得た。得られたトナー粒子をコールターカウンターTA−II(コールター社製)にて測定した結果、体積平均粒径は5.4μmであった。また、得られたトナー粒子を高分解能電解放出型走査電子顕微鏡(S−4800、日立ハイテクノロジーズ社製)にて観察した結果、シェル粒子の表層の被覆は不十分であることが観察された。
各トナーと、シリコーン樹脂で表面コートしたフェライトキャリア(平均粒径42μm)とを、トナー濃度が10質量%になるようにそれぞれ混合し、二成分現像剤を調製した。市販のフルカラーデジタル複写機(CLC1100、キヤノン社製)を使用し、受像紙(64g/m2)上に未定着のトナー画像(0.6mg/cm2)を形成した。市販のカラーレーザープリンター(LBP−5500、キヤノン社製)から取り外した定着ユニットを定着温度が調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。常温常湿下、プロセススピードを100mm/秒に設定し、120℃乃至200℃の範囲で設定温度を10℃おきに9点振り、前記未定着画像を定着させたときのオフセットの様子を目視にて評価した。評価結果を表1に示す。
<120乃至200℃/全9点>
A:6点以上
B:5点
C:4点
D:3点以下
各トナーを、50℃条件の恒温槽中24時間静置し、目視によりブロッキングの程度を評価した。評価結果を表1に示す。
A:ブロッキングが発生しない。
B:ブロッキングが一部発生するが、振動させると分散する。
C:ブロッキングが発生し、力を加えても分散しない。
Claims (4)
- クラフト点の異なる二種類以上の界面活性剤の存在下で樹脂を乳化する乳化工程と、少なくとも一種類の界面活性剤のクラフト点以下且つ他の少なくとも一種類の界面活性剤のクラフト点より高い温度に冷却し、一部の界面活性剤を冷却析出させる冷却析出工程とを経て、樹脂微粒子を製造し、得られた該樹脂微粒子を凝集することを特徴とする乳化凝集トナーの製造方法。
- 前記乳化工程が、水系媒体中で、前記樹脂の軟化温度(Tm)より高い温度に加温しながら剪断を加えて乳化する方法であることを特徴とする請求項1に記載の乳化凝集トナーの製造方法。
- 前記二種類以上の界面活性剤のHLB値の差が5.0以内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の乳化凝集トナーの製造方法。
- 前記冷却析出する界面活性剤のクラフト温度と、他の界面活性剤のクラフト温度の差が10℃以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の乳化凝集トナーの製造方法。
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