JP5294696B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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しかし、離型剤のような物質を水中に分散しようとした場合、サンドグランドミルやローターステーター等、従来の高速攪拌型の分散機を用いた時の最終到達粒径は数ミクロンであり、更なる離型剤の微粒化は困難であった。
しかし、重合性単量体中への離型剤の分散、かつ離型剤の融点未満での加熱による分散の為、該方法で水中へ離型剤を分散させることは困難であった。
しかし、液比重が低い離型剤を分散する場合、特開平11−2922号公報で提案された方法では粗大粒子が少なく、均一に離型剤を微分散することが困難な場合があった。
さらに、僅かな離型剤の粗大粒子が存在することで、トナー粒子の粒度分布に悪影響を及ぼし、画像特性の悪化を引き起こすだけでなく、再凝集し易くなるため、離型剤粒子分散液の保存安定性が悪化する。
散工程、及び、得られたO/Wエマルジョンを離型剤の融点未満まで冷却する冷却工程を
含む製造方法で得られたものであり、分散装置が、回転する攪拌羽根と前記攪拌羽根の周囲に攪拌羽根と逆方向に回転するスクリーンを少なくとも有する攪拌手段、攪拌手段が設置された容器、及び、容器に対して離型剤混合液を導入及び排出を繰り返して循環させるための循環手段を少なくとも有する分散装置であり、分散工程は、分散装置の攪拌手段を用いて離型剤混合液を110000sec−1以上200000sec−1以下の速度勾配で回転剪断攪拌し、かつ、分散装置の循環手段を用いて離型剤混合液を循環して離型剤を分散する工程を含み、離型剤粒子分散液中における離型剤粒子の、レーザー回折/散乱
式粒度分布測定装置で測定された体積分布基準の50%粒径が、0.05μm以上0.40μm以下であり、かつ、0.80μm以上の離型剤粒子が1体積%以下であることを特徴とするトナーの製造方法。
の融点未満まで冷却することを特徴とする<1>に記載のトナーの製造方法。
000sec−1以下の速度勾配で回転剪断攪拌し、かつ、分散装置の循環手段を用いてO/Wエマルジョンを循環して冷却することを特徴とする<1>または<2>に記載のト
ナーの製造方法。
前記離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液は、離型剤、界面活性剤、及び、水系媒体を少なくとも含有する離型剤混合液を、前記離型剤の融点以上に加熱しながら、剪断力を有する分散装置にて前記離型剤を分散し、O/W(水中油滴ともいう)エマルジョンを
得る分散工程、及び、得られたO/Wエマルジョンを前記離型剤の融点未満まで冷却する
冷却工程を含む製造方法で得られたものであり、
前記分散装置が、回転する攪拌羽根と前記攪拌羽根の周囲に前記攪拌羽根と逆方向に回転するスクリーンを少なくとも有する攪拌手段、前記攪拌手段が設置された容器、及び、前記容器に対して前記離型剤混合液を導入及び排出を繰り返して循環させるための循環手段を少なくとも有する分散装置であり、
前記分散工程は、前記分散装置の攪拌手段を用いて前記離型剤混合液を110000sec−1以上200000sec−1以下の速度勾配で回転剪断攪拌し、かつ、前記分散装置の循環手段を用いて前記離型剤混合液を循環して前記離型剤を分散する工程を含み、
前記離型剤粒子分散液中における離型剤粒子の、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装
置で測定された体積分布基準の50%粒径が、0.05μm以上0.40μm以下であり、かつ、0.80μm以上の離型剤粒子が1体積%以下であることを特徴とする。
本発明で用いられる離型剤としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン類、加熱により融点(軟化点)を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等のエステルワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス、ミツロウ等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、エステルワックス等の鉱物・石油系ワックス、ステアリン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸、ステアリルアルコール、
ベヘニルアルコール等の高級脂肪族アルコール、及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体等の変性物などが挙げられる。
これらの内、本発明で用いられる離型剤としては、高級脂肪族アルコールが低温定着性の観点からより好ましい。
前記融点とは、ASTM D3418−82に準じて測定されたDSC曲線における主
体吸熱ピーク温度を示す。具体的には、測定温度範囲を30〜200℃とし、昇温速度を10℃/minとし、常温常湿環境下における2回目の昇温過程によって温度30〜20
0℃の範囲におけるDSC曲線を得、得られたDSC曲線における主体吸熱ピーク温度の値である。
なお、前記離型剤は、トナーを構成する樹脂100質量部に対して1〜20質量部使用することが好ましい。
0.80μm以上の離型剤が1体積%を超える場合、その粗粒が核となり、再凝集しや
すくなることで離型剤粒子分散液の保存安定性が低下するため好ましくない。また、体積分布基準の50%粒径が0.40μmを超える場合、離型剤がトナー表面に露出し易くなり、ブロッキング等の観点から好ましくない。
なお、上記体積分布基準の50%粒径及び0.80μm以上の離型剤の存在状態は、上
記分散装置の攪拌手段を用いた速度勾配を制御することで上記範囲に調節することが可能である。
本発明においては、離型剤を水中に微分散させるために界面活性剤を用いることができる。具体的には、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等のノニオン界面活性剤などが挙げられる。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記界面活性剤の水系媒体中における濃度は、0.1〜5質量%程度になるようにすることが好ましい。
本発明において、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液は、離型剤、界面活性剤、及び、水系媒体を少なくとも含有する離型剤混合液を、離型剤の融点以上に加熱しながら、剪断力を有する分散装置にて離型剤を分散し、O/Wエマルジョンを得る分散工程、及
び、得られたO/Wエマルジョンを離型剤の融点未満まで冷却する冷却工程を含む製造方
法で得られたものである。
なお、上記水系媒体とは、水を主要成分としている媒体を意味する。水系媒体の具体例としては、水そのもの、水にpH調整剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加したものが
挙げられる。
上記分散工程では、離型剤、界面活性剤、及び、水系媒体を少なくとも含有する離型剤混合液を、離型剤の融点以上に加熱し、離型剤を液体の状態とし、水相−油相の二相系を形成させる。このとき、離型剤の融解による吸熱が起こる為、離型剤を完全に融解させる為には、融点の5℃以上の温度を目標に加熱することが好ましい。さらにその後、剪断力を有する分散装置を用いて、微細なO/Wエマルジョンを形成させることで、水系媒体中
への分散が可能となる。
本発明で好ましく用いられる離型剤粒子分散液の分散装置について以下に説明するが、これに限定されない。
図1に、ジャケット付混合容器11、攪拌手段(ジャケット付回転剪断攪拌装置12)及び循環手段(循環ポンプ13)を備えた離型剤粒子分散液の分散装置の概略図を示す。
また、図2にジャケット付回転剪断攪拌装置12が有している剪断攪拌部位の詳細図を示す。
ジャケット付混合容器11にて加熱された離型剤、水及び界面活性剤の混合液は、循環ポンプ13を介してジャケット付回転剪断攪拌装置12が有している剪断攪拌部位(図2)にて剪断を受ける。ここで、剪断攪拌部位は、図2における攪拌羽根(ローター)21が回転し、更に、ローター21の外側に配置されているスクリーン22が、ローター21とは逆の方向に回転し、ローター21と、スクリーン22の間の微小な間隙であるクリアランス31において、剪断を受け、溶解した離型剤は微小な液滴として分散され、すなわち微細なO/Wエマルジョンを形成する。
上記回転剪断攪拌装置において、回転するローターの周速とスクリーンの周速の和をx
m/sec、ローターとスクリーンのクリアランスをy mmとすると、x/y×1000sec−1でその速度勾配を表すことができる。
本発明においては、上記回転剪断攪拌装置を用いて、上記離型剤混合液を110000sec−1以上200000sec−1以下の速度勾配で回転剪断攪拌する。
特に、当該速度勾配は、ローターの外径が、1cm以上10cm未満の範囲においては150000sec−1以上200000sec−1以下が好ましく、ローターの外径が、10cm以上50cm以下の範囲においては110000sec−1以上150000sec−1以下であることが好ましい。上記速度勾配が小さすぎると、離型剤と水の二液の混合及び微分散が不十分であり、粗大凝集粒子の発生が起こりやすくなる。
ここで、上記周速の単位はm/secであり、以下の式で表される値である。
(式)周速(m/sec)=ローター外径(cm)/100×ローター回転数(rpm)/
60×π。
上記回転剪断攪拌装置としては、上記特定の速度勾配を達成できれば特に限定されないが、例えば、クレアミックスW−モーション(エム・テクニック社製)を好適に用いるこ
とができる。
本発明において、離型剤粒子分散液の冷却工程は、分散工程で得られたO/Wエマルジ
ョンを該離型剤の融点未満まで冷却する工程である。
冷却工程に使用する装置は、上記分散装置を用いて冷却しても良いし、上記分散装置とは異なる冷却装置に移した後に攪拌しながら冷却しても良い。また、O/Wエマルジョン
を抜き出しながら連続的に冷却しても良いし、バッチ式で冷却しても良い。
を5℃/分以上、より好ましくは8℃/分以上、の冷却速度で上記離型剤の融点未満まで、より好ましくは、上記離型剤の融点より10℃低い温度未満まで、さらに好ましくは上記離型剤の融点より30℃低い温度未満まで冷却することが好ましい。5℃/分未満の冷却速度で冷却した場合、不均一な分散状態で離型剤が冷却される場合がある。それが粗粒の発生を引き起こし、離型剤粒子が再凝集し易くなり、経時変化と共に粗粒が増加する傾向にある。その為、経時変化した離型剤粒子分散液を使用して作製したトナー粒子は粒度分布の劣化、画像安定性の劣化、ブロッキングを引き起こす可能性が高くなる。また、冷却速度の上限は、経済上有益な範囲であることが好ましい。
さらに冷却時には、離型剤粒子に過剰な剪断力が掛からないことが望ましい。離型剤粒子への過剰な剪断による離型剤粒子の変形、比表面積の増加を引き起こし、離型剤粒子が再凝集し易くなり、経時変化と共に粗粒が増加する可能性がある。
しかし、O/Wエマルジョンに必要最低限の流動状態が確保されなければ、分散工程で
形成した離型剤の微小な液滴が合一し、液液二相分離を引き起こし、離型剤粒子分散液を得ることが難しくなる傾向にある。その為、離型剤の融点未満に冷却するまでの間、O/
Wエマルジョンが安定化するのに必要な流動状態を確保することが好ましい。
置の速度勾配は、20000sec−1以下で(より好ましくは10000sec−1以下で)離型剤の融点未満まで冷却することが好ましい。さらに、当該冷却工程では、攪拌手段の循環状態に対応して回転剪断攪拌装置の速度勾配を適切に付与することがより好ましく、循環状態が適切であり、必要な流動状態が確保されていれば、回転剪断攪拌装置は停止していても良い。
上記分散装置とは異なる冷却装置に移した後に攪拌しながら冷却する場合、均一かつ安定した離型剤粒子分散液を簡易に得るために、O/Wエマルジョンを安定化させる必要が
ある。その安定化に必要な流動状態を確保する為に、該冷却装置に対応して適切な周端速度を付与することがより好ましい。攪拌を停止してしまうと、分散工程で形成した離型剤の微小な液滴が合一し、液液二相分離を引き起こし、離型剤粒子分散液を簡易に得ることが困難な場合がある。
また、O/Wエマルジョンを抜き出しながら連続的に冷却する場合についても、O/Wエマルジョンを安定化させるために必要な流動状態を確保することが好ましい。
次に、本発明のトナーの製造方法に関して説明する。
本発明のトナーの製造方法は、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、及び、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を含む混合
液を調製する工程、調製された混合液に少なくとも含まれる樹脂粒子、着色剤粒子、及び、離型剤粒子を凝集し、凝集体粒子を形成する工程、凝集体粒子を加熱して融合する工程を包含することを特徴とする。
なお、本発明のトナー製造方法においては、上記混合液を調製する工程において、帯電制御粒子が分散された帯電制御粒子分散液をさらに添加することも可能である。
上記樹脂として、分子の末端、側鎖等に、水酸基、カルボキシル基、硫酸エステル基等を有する樹脂が好ましい。そのような樹脂としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニル基系モノマー、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系モノマー、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン系モノマー、及び、エチレン、プロピレン、ブタジエン等のポリオレフィン系モノマーからなる重合体またはこれらを2種以上組み合せて得られる共重合体またはこれらの混合物が挙げられる。また、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと上記ビニル系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等を挙げることができる。これらの樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
例えば、上記樹脂を構成するモノマーを、界面活性剤存在下で、水系媒体に分散し、過硫酸カリウムなどの水に可溶な重合開始剤を添加し、乳化重合を行うことで、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を調製することが可能である。上記樹脂を構成するモノマーの前記水系媒体に対する質量比は、0.1以上1.0以下であることが好ましい。
なお、後述する樹脂のガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121に準拠して測定される物性値であり、該規格に記載されている中間点ガラス転移温度を意味するものである。
シアン系の有機顔料または有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66等が挙げられる。
グメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254等が挙げられる。
また、これら着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナーへの分散性の点から選択される。
上記着色剤は、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
また、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液の調製方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
例えば、上記着色剤を、界面活性剤存在下で、水系媒体にホモジナイザー等の分散機を用いて分散し、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液を調製することが可能である。
上記帯電制御剤は、帯電性のさらなる向上の観点から樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部使用することが好ましい。
また、帯電制御粒子が分散された帯電制御粒子分散液の調製方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
例えば、上記帯電制御剤を、界面活性剤存在下で、水系媒体にホモジナイザー等の分散機を用いて分散し、帯電制御粒子が分散された帯電制御粒子分散液を調製することが可能である。
<凝集工程>
上記凝集工程は、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液、及び必要に応じて帯電制御粒子が分散された帯電制御粒子分散液を含む混合液を調製し、調製された混合液に含まれる樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤粒子及び帯電制御粒子を凝集し、凝集体粒子を形成する工程である。当該凝集粒子は、例えばpH調整剤、凝集剤、安定剤を混合液中に添加混合し、温度、機械的動力等を適宜加えることにより該混合液中に形成することができる。
上記pH調整剤としては、アンモニア、水酸化ナトリウム等のアルカリ;硝酸、クエン酸等の酸があげられる。上記凝集剤としては、ナトリウム、カリウム等の1価の金属塩;カルシウム、マグネシウム等の2価の金属塩;鉄、アルミニウム等の3価の金属塩等;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類があげられる。上記安定剤としては、主に界面活性剤そのものまたはそれを含有する水系媒体などが挙げられる。
上記凝集剤等の添加・混合は、混合液中に含まれる樹脂微粒子のガラス転移温度(Tg)以下の温度で行うことが好ましい。この温度条件下で添加・混合を行うと、凝集が安定した状態で進行する。上記凝集剤等の混合は、公知の混合装置、ホモジナイザー、ミキサー等を用いて行うことができる。
ここで形成される凝集体粒子の凝集状態は、光学顕微鏡で確認する。凝集体粒子の生成が確認できた後、後述するコールター法による粒度分布解析にて平均粒径を測定する。このとき、重量平均粒径(D4)は、特に制限はないが、通常、得ようとするトナーの重量平均粒径(D4)と同じ程度になるように制御するとよい。制御は、例えば、温度と攪拌混合の条件とを適宜設定・変更することにより容易に行うことができる。以上の凝集工程において、トナーの重量平均粒径(D4)とほぼ同じ平均粒径を有する凝集体粒子が形成され、凝集粒子を分散させてなる凝集粒子分散液が調製される。
上記融合工程は、上記凝集体粒子を加熱して融合する工程である。
融合工程に入る前に、凝集体粒子間の融着を防ぐため、上記pH調整剤、界面活性剤等を適宜投入することができる。
加熱の温度としては、凝集体粒子に含まれる樹脂のガラス転移温度(Tg)の温度から樹脂の分解温度の間であればよい。
融合の時間としては、加熱の温度が高ければ短い時間で足り、加熱の温度が低ければ長い時間が必要である。即ち、融合の時間は、加熱の温度に依存するので一概に規定することはできないが、一般的には30分〜10時間である。
本発明においては、融合工程の終了後に得られたトナー粒子を、適切な条件で洗浄、ろ過、乾燥等することにより、トナー粒子を得ることが好ましい。更に、得られたトナー粒子の表面に、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機粒体や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してもよい。これらの無機粒体や樹脂粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤等の外添剤として機能する。
<樹脂又は樹脂粒子のテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)の測定>
樹脂又は樹脂粒子のTHF可溶分のGPCにより測定される分子量分布及び重量平均分子量(Mw)等は以下のように求められる。
40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、東ソー社製或
いは、昭和電工社製の分子量が1×102〜1×107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKguardcolumnの組み合わせが挙げられる。
試料は以下のようにして作製する。
樹脂又は樹脂粒子をテトラヒドロフラン(THF)中に入れ、数時間放置した後、十分振とうし、THFと良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。この時THF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、例えば、マイショリディスクH−25−5:東ソー社製、エキクロディスク25CR:ゲルマン・サイエンス・ジャパン社製などが利用できる)を通過させたものを、GPCの試料とする。試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
離型剤粒子等の微粒子の粒度分布は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−
950:堀場製作所社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い測定する。
具体的には、上記測定装置の試料導入部で、透過率が測定範囲内(70〜95%)になるように、測定試料を調製し、体積分布を測定した。本発明においては、離型剤粒子等の粒径は、体積分布基準の50%粒径を用いる。なお、体積分布基準の50%粒径は、体積分布基準の累積50%に相当する粒子径(メジアン径)である。
また、0.80μm以上の離型剤粒子の存在割合(体積%)は、体積分布基準の演算結果に対し、0.80μm以上の累積頻度%値を読み取る方法で求める。
トナー粒子の個数平均粒径(D1)及び重量平均粒径(D4)はコールター法による粒度分布解析にて測定する。測定装置として、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い測定する。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%塩化ナトリウム水溶液を調製する。例えば、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。具体的な測定方法としては、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5ml加え、さらに測定試料(トナー粒子)を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行う。得られた分散処理液を、アパーチャーとして100μmアパーチャーを装着した上記測定装置により、2.00μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定してトナー粒子の体積分布と個数分布とを算出する。それから、トナー粒子の個数分布から求めた個数平均粒径(D1)と、トナー粒子の体積分布から求めた重量基準のトナー粒子の重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求める。
上記チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
メスフラスコ中に精秤した離型剤を入れ、融点まで加熱する。離型剤が液体となったと
ころでメスフラスコの容量を読み取り、下記式を用いて離型剤の液密度を求める。
(式)離型剤の液密度[g/cm3]
=離型剤の質量[g]/ 液体時離型剤の容量[cm3]
離型剤の融点は、ASTM D3418−82に準じて測定されたDSC曲線における
主体吸熱ピーク温度を示す。具体的には、離型剤の融点は、DSC822(メトラートレド社製)を用い、測定温度範囲を30〜200℃、昇温速度を10℃/minとし、常温
常湿環境下における2回目の昇温過程によって温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線を得、得られたDSC曲線における主体吸熱ピーク温度である。
樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121に準拠して測定される物性値であり、該規格に記載されている中間点ガラス転移温度を意味するものである。
離型剤A:高級脂肪族アルコールワックス(日本精蝋社製:パラコール、融点73℃、液密度0.77g/cm3)
離型剤B:エステルワックス(ベヘン酸ベヘニル、融点75℃、液密度0.80g/c
m3)
離型剤C:パラフィンワックス(日本精蝋社製:HNP−51、融点78℃、液密度0.77g/cm3)
離型剤D:カルナバワックス(融点82℃、液密度0.80g/cm3)
[トナー粒子1の作製]
(離型剤粒子分散液1の調製)
・離型剤A 100質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 10質量部
・イオン交換水 880質量部
(分散工程)
以上を図1に示したジャケット付混合容器11に投入した後、90℃に加熱し、循環しながらローター外径が3cm、クリアランスが0.3mmの剪断攪拌部位にて、ローター回転数19000rpm、スクリーン回転数19000rpm、速度勾配199000sec−1の条件にて攪拌し、60分間分散処理した。
(冷却工程)
60分間の分散処理の後、引き続きローター回転数1000rpm、スクリーン回転数0rpm、速度勾配5200sec−1、冷却速度10℃/minの条件にて40℃まで冷却することで、離型剤粒子分散液1を得た。
離型剤粒子分散液1をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−950:堀場製
作所社製)を用い測定したところ、離型剤粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は0.15μmであり、また、0.80μm以上の離型剤粒子(粗大粒子)は0.01体積%未満であった。
調製直後の離型剤粒子分散液1と、調整後2ヶ月経過の離型剤粒子分散液1について、400メッシュ金網にてろ過した後、金網上を観察したところ、特に粗粒は観察されなかった。結果を表1に示す。
・スチレン 82.6質量部
・n−ブチルアクリレート 9.2質量部
・アクリル酸 1.3質量部
・ヘキサンジオールアクリレート 0.4質量部
・n−ラウリルメルカプタン 3.2質量部
(以上和光純薬社製)
以上を混合し溶解した油相と、ネオゲンRK(第一工業製薬社製)1.5質量部をイオン交換水120質量部に溶解した水相を、フラスコ中に混合、分散し、さらに10分間ゆっくりと混合した後、これに過硫酸カリウム(和光純薬社製)0.15質量部を溶解したイオン交換水5質量部を投入した。窒素置換を十分行なった後、該フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、6時間そのまま乳化重合を継続した。その後反応液を室温まで冷却し、樹脂粒子分散液1を調製した。この樹脂粒子分散液1における粒度分布を、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−950:堀場製作
所社製)を用いて測定したところ、含まれる樹脂粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は、0.2μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった
・シアン顔料 100質量部
(大日精化社製:Pigment Blue 15:3)
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 15質量部
・イオン交換水 885質量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)を用いて約1時間分散した。この着色剤粒子分散液1における粒度分布を、レーザー回折/散乱式粒度分布
測定装置(LA−950:堀場製作所社製)を用いて測定したところ、含まれる着色剤粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は、0.2μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
・ジアルキルサリチル酸の金属化合物 20質量部
(帯電制御剤、オリエント化学工業社製:ボントロンE−84)
・アニオン性界面活性剤 2質量部
(第一工業製薬社製:ネオゲンSC)
・イオン交換水 78質量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)を用いて分散した。この帯電制御粒子分散液1における粒度分布をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置
(LA−950:堀場製作所社製)を用いて測定したところ、含まれる帯電制御粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は、0.2μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
・樹脂粒子分散液1 360質量部
・着色剤粒子分散液1 50質量部
・離型剤粒子分散液1 70質量部
以上、調製直後の分散液を、攪拌装置、冷却管、温度計を装着した1リットルのセパラブルフラスコに投入し攪拌した。この混合液を、1N−水酸化カリウムを用いてpH=5.2に調整した。
(凝集工程)
この混合液に凝集剤として、10%塩化ナトリウム水溶液150質量部を滴下し、加熱
用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら57℃まで加熱した。この温度の時、後述する樹脂粒子分散液2の3質量部と上記帯電制御剤粒子分散液1の10質量部を加えた。50℃で1時間保持した後、光学顕微鏡にて観察したところ、凝集体粒子の生成が確認された。続いてコールターマルチサイザーII(コールター社製)にて重量平均粒径(D4)を測定したところ、4.9μmであった。
(融合工程)
その後、上記混合液にアニオン製界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC)3質量部を更に追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら105℃まで加熱し、3時間保持した。そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥させることにより、トナー粒子1を得た。
得られたトナー粒子1をコールターカウンターTA−II(コールター社製)にて測定したところ、D4が5.2μm、D4/D1が1.15であった。また、透過型電子顕微
鏡にてトナー粒子1の断面を観察したところ、離型剤の分散度は良好であった。更に、走査型電子顕微鏡にてトナー粒子1の表面状態を観察すると、トナー粒子1の表面へのワックス状物の露出はわずかであり、遊離しているものは見られなかった。
また、調製後2ヶ月経過した離型剤粒子分散液1を使用して、上記と同様に混合液調製工程、凝集工程、融合工程を行い、トナー粒子を製造したが、調製直後の離型剤粒子分散液1を使用した場合と同様の特性を有するトナー粒子が得られた。
得られたトナー粒子1について、トナー粒子100質量部に、BET法で測定した比表面積が200m2/gである疎水化処理されたシリカ微粉体1.8質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で乾式混合してシアントナー1とした。
得られたシアントナー1について、画像安定性評価を行った。画像形成装置として、レーザービームプリンター(キヤノン社製:LBP−2160)の定着オイル塗布機構を省いた改造機を用いた。このプリンターのプロセスカートリッジにシアントナー1を投入し、転写材として複写機用普通紙(75g/m2)を用い、単色モードにて印字面積比率4
%の文字画像を28枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度にて10,000枚分を
プリントアウトした後、画像濃度と帯電不良による画像カブリを評価した。その結果、10,000枚目の画像濃度、画像カブリ抑制はプリント初期と同等であり良好であった。
上記シアントナー1を、50℃に温調された恒温槽中に24時間静置し、ブロッキングの程度を評価した。その結果、ブロッキングは発生しなかった。
画像安定性評価で用いたLBP−2160改造機を使用して、複写機用普通紙(75g/m2)上に未定着画像を形成した。当該普通紙(記録材)上に形成した未定着画像につ
いて、レーザービームプリンター(キヤノン社製:LBP−2510)の定着器を用い、プロセススピードと定着温度をコントロールできるように改造して定着試験を行った。定着試験は、常温常湿下、プロセススピードを100mm/秒に設定し、120℃〜220℃の範囲で未定着画像を定着させたときのオフセットの様子を目視にて評価した。その結果、120℃で十分な定着性を示し、210℃までオフセットは発生せず、良好な定着性を示した。これら評価の結果を表2に示す。
[トナー粒子2の作製]
(離型剤粒子分散液2の調製)
上記離型剤粒子分散液1の調製の、分散工程における条件をローター回転数18000rpm、スクリーン回転数18000rpm、速度勾配188500sec−1、処理時間10分に変更し、冷却工程における条件をローター回転数0rpm、スクリーン回転数0rpm、速度勾配0sec−1、冷却速度20℃/minに変更した以外は、上記離型剤粒子分散液1の調製と同様にして、離型剤粒子分散液2を得た。この離型剤粒子分散液2を実施例1と同様の方法にて測定したところ、離型剤粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は0.29μmであり、また、0.80μm以上の粗大粒子は0.01体積%未満であった。
調製直後の離型剤粒子分散液2と、調製後2ヶ月経過した離型剤粒子分散液2について、400メッシュ金網にてろ過した後、金網上を観察したところ、特に粗粒は観察されなかった。結果を表1に示す。
得られたトナー粒子2を実施例1と同様に測定したところ、D4が5.5μm、D4/
D1が1.16であった。また、透過型電子顕微鏡にてトナー粒子2の断面を観察したところ、離型剤の分散度は良好であった。更に、走査型電子顕微鏡にてトナー粒子2の表面状態を観察すると、トナー粒子2の表面へのワックス状物の露出はわずかであり、遊離しているものは見られなかった。
また、調製後2ヶ月経過した離型剤粒子分散液2を使用して、実施例1と同様に混合液調製工程、凝集工程、融合工程を行い、トナー粒子を製造したが、調製直後の離型剤粒子分散液2を使用した場合と同様の特性を有するトナー粒子が得られた。
得られたトナー粒子2について、実施例1と同様にトナーを作製し、実施例1と同様の画像安定性評価、ブロッキング性評価を行った結果、実施例1と同様に良好な結果であった。又、実施例1と同様に定着性評価を行った結果、120℃で十分な定着性を示し、210℃までオフセットは発生せず、良好な定着性を示した。
結果を表2に示す。
[トナー粒子3の作製]
(離型剤粒子分散液3の調製)
上記離型剤粒子分散液2の調製の、離型剤Aを離型剤Bに変更し、分散工程における条件をローター回転数15000rpm、スクリーン回転数15000rpm、速度勾配157100sec−1に変更し、冷却工程において、O/Wエマルジョンを前記分散装置から直径0.06mのプロペラ型攪拌羽根、冷却用ジャケットを備えた容器に移し、プロペラ型攪拌機の回転数を300rpm、冷却速度8℃/minにて冷却した以外は、上記離型剤粒子分散液2の調製と同様にして、離型剤粒子分散液3を得た。この離型剤粒子分散液3を実施例1と同様の方法にて測定したところ、離型剤粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は0.27μmであり、また、0.80μm以上の粗大粒子は0.01体積%未満であった。
調製直後の離型剤粒子分散液3と、調製後2ヶ月経過した離型剤粒子分散液3について、400メッシュ金網にてろ過した後、金網上を観察したところ、特に粗粒は観察されなかった。結果を表1に示す。
得られたトナー粒子3を実施例1と同様に測定したところ、D4が5.1μm、D4/
D1が1.17であった。また、透過型電子顕微鏡にてトナー粒子3の断面を観察したところ、離型剤の分散度は良好であった。更に、走査型電子顕微鏡にてトナー粒子3の表面状態を観察すると、トナー粒子3の表面へのワックス状物の露出はわずかであり、遊離しているものは見られなかった。
また、調製後2ヶ月経過した離型剤粒子分散液3を使用して、実施例1と同様に混合液調製工程、凝集工程、融合工程を行い、トナー粒子を製造したが、調製直後の離型剤粒子分散液3を使用した場合と同様の特性を有するトナー粒子が得られた。
得られたトナー粒子3について、実施例1と同様にトナーを作製し、実施例1と同様の画像安定性評価、ブロッキング性評価を行った結果、実施例1と同様に良好な結果であった。又、実施例1と同様に定着性評価を行った結果、130℃で十分な定着性を示し、220℃までオフセットは発生せず、良好な定着性を示した。結果を表2に示す。
[トナー粒子4の作製]
(離型剤粒子分散液4の調製)
上記離型剤粒子分散液2の調製の、離型剤Aを離型剤Cに変更し、分散工程における条件をローター回転数13000rpm、スクリーン回転数13000rpm、速度勾配136100sec−1に変更し、冷却工程において、ローター回転数1000rpm、スクリーン回転数0rpm、速度勾配5200sec−1、冷却速度15℃/minにて冷却した以外は、上記離型剤粒子分散液2の調製と同様にして、離型剤粒子分散液4を得た。この離型剤粒子分散液4を実施例1と同様の方法にて測定したところ、離型剤粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は0.25μmであり、また、0.80μm以上の粗大粒子は0.01体積%未満であった。
調製直後の離型剤粒子分散液4と、調整後2ヶ月経過した離型剤粒子分散液4について、400メッシュ金網にてろ過した後、金網上を観察したところ、特に粗粒は観察されなかった。結果を表1に示す。
ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン68質量部、イソフタル酸16質量部、テレフタル酸16質量部、ジブチル錫オキシド0.03
質量部をフラスコに仕込み、窒素雰囲気下で230℃にて24時間反応を続けてポリエステル樹脂Aを得た。
・ポリエステル樹脂A 200質量部
・テトラヒドロフラン(和光純薬社製) 400質量部
・アニオン性乳化剤 10質量部
(ネオゲンRK、第一工業製薬社製)
前記成分を混合した後、イオン交換水250質量部を添加後、超音波洗浄機(本田電子
社製、W−113)28kHzで60分間分散し、次いで高圧衝撃式分散機アルティマイザー(スギノマシン社製、HJP30006)を用いて200MPaで分散を行なった。
分散終了後、エバポレータにてテトラヒドロフランを除去することで、樹脂粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)が0.25μm、ガラス転移温度が60℃、重量平均分子量(Mw)が12,000である樹脂粒子分散液2を調製した。
得られたトナー粒子4を実施例1と同様に測定したところ、D4が5.8μm、D4/
D1が1.15であった。また、透過型電子顕微鏡にてトナー粒子4の断面を観察したところ、離型剤の分散度は良好であった。更に、走査型電子顕微鏡にてトナー粒子4の表面状態を観察すると、トナー粒子4の表面へのワックス状物の露出はわずかであり、遊離しているものは見られなかった。
また、調製後2ヶ月経過した離型剤粒子分散液4を使用して、実施例1と同様に混合液調製工程、凝集工程、融合工程を行い、トナー粒子を製造したが、調製直後の離型剤粒子分散液4を使用した場合と同様の特性を有するトナー粒子が得られた。
得られたトナー粒子4について、実施例1と同様にトナーを作製し、実施例1と同様の画像安定性評価、ブロッキング性評価を行った結果、実施例1と同様に良好な結果であった。又、実施例1と同様に定着性評価を行った結果、130℃で十分な定着性を示し、220℃までオフセットは発生せず、良好な定着性を示した。結果を表2に示す。
[トナー粒子5の作製]
(離型剤粒子分散液5の調製)
上記離型剤粒子分散液2の調製の、離型剤Aを離型剤Dに変更し、分散工程における条件をローター回転数17000rpm、スクリーン回転数16000rpm、速度勾配172800sec−1、冷却工程における条件をローター回転数2000rpm、スクリーン回転数1000rpm、速度勾配15700sec−1、冷却速度5℃/minに変更した以外は、上記離型剤粒子分散液2の調製と同様にして、離型剤粒子分散液5を得た。この離型剤粒子分散液5を実施例1と同様の方法にて測定したところ、離型剤粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は0.35μmであり、また、0.80μm以上の粗大粒子は0.2体積%であった。
調製直後の離型剤粒子分散液5と、調整後2ヶ月経過したの離型剤粒子分散液5について、400メッシュ金網にてろ過した後、金網上を観察したところ、特に粗粒は観察されなかった。結果を表1に示す。
得られたトナー粒子5を実施例1と同様に測定したところ、D4が5.2μm、D4/
D1が1.24であった。また、透過型電子顕微鏡にてトナー粒子5の断面を観察したところ、離型剤の分散度は良好であった。更に、走査型電子顕微鏡にてトナー粒子5の表面
状態を観察すると、トナー粒子5の表面への顔料およびワックス状物の露出は観察されたが、遊離しているものは見られなかった。
また、調製後2ヶ月経過した離型剤粒子分散液5を使用して、実施例1と同様に混合液調製工程、凝集工程、融合工程を行い、トナー粒子を製造したが、調製直後の離型剤粒子分散液5を使用した場合と同様の特性を有するトナー粒子が得られた。
得られたトナー粒子5について、実施例1と同様にトナーを作製し、実施例1と同様の画像安定性評価、ブロッキング性評価を行った結果、10,000枚目で若干の画像濃度低下、画像カブリが観察されたこと以外は実施例1と同様に良好な結果であった。又、実施例1と同様に定着性評価を行った結果、140℃で十分な定着性を示し、210℃までオフセットは発生せず、良好な定着性を示した。
[トナー粒子6の作製]
(離型剤粒子分散液6の調製)
上記離型剤粒子分散液2の調製の、分散工程における条件をローター回転数11000rpm、スクリーン回転数10000rpm、速度勾配110000sec−1、冷却工程における条件を冷却速度10℃/minに変更した以外は、上記離型剤粒子分散液2の調製と同様にして、離型剤粒子分散液6を得た。この離型剤粒子分散液6を実施例1と同様の方法にて測定したところ、離型剤粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は0.39μmであり、また、0.80μm以上の粗大粒子は0.7体積%であった。
調製直後の離型剤粒子分散液6と、調整後2ヶ月経過した離型剤粒子分散液6について、400メッシュ金網にてろ過した後、金網上を観察したところ、特に粗粒は観察されなかった。結果を表1に示す。
得られたトナー粒子6を実施例1と同様に測定したところ、D4が5.4μm、D4/
D1が1.27であった。また、透過型電子顕微鏡にてトナー粒子6の断面を観察したところ、離型剤の分散度は良好であった。更に、走査型電子顕微鏡にてトナー粒子6の表面状態を観察すると、トナー粒子6の表面への顔料およびワックス状物の露出は観察されたが、遊離しているものは見られなかった。
また、調製後2ヶ月経過した離型剤粒子分散液6を使用して、実施例1と同様に混合液調製工程、凝集工程、融合工程を行い、トナー粒子を製造したが、調製直後の離型剤粒子分散液6を使用した場合と同様の特性を有するトナー粒子が得られた。
得られたトナー粒子6について、実施例1と同様にトナーを作製し、実施例1と同様の画像安定性評価、ブロッキング性評価を行った結果、10,000枚目で若干の画像濃度低下、画像カブリが観察されたこと以外は実施例1と同様に良好な結果であった。又、実施例1と同様に定着性評価を行った結果、120℃で十分な定着性を示し、180℃までオフセットは発生せず、良好な定着性を示した。
[トナー粒子7及び8の作製]
(離型剤粒子分散液7の調製)
上記離型剤粒子分散液2の調製の、冷却工程における条件を冷却速度3℃/minに変更した以外は、上記離型剤粒子分散液2の調製と同様にして、離型剤粒子分散液7を得た。この、離型剤粒子分散液7を実施例1と同様の方法にて測定したところ、離型剤粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は0.36μmであり、また、0.80μm以上の粗大粒子は0.6体積%であった。
調製直後の離型剤粒子分散液7、調整後1ヶ月経過した離型剤粒子分散液7、調整後2ヶ月経過した離型剤粒子分散液7について、400メッシュ金網にてろ過した後、金網上を観察したところ、調製直後、調整後1ヶ月のサンプルについては、特に粗粒は観察されなかったが、調整後2ヶ月のサンプルについては、粗粒が確認された。結果を表1に示す。
得られたトナー粒子7を実施例1と同様に測定したところ、D4が5.5μm、D4/
D1が1.24であった。また、透過型電子顕微鏡にてトナー粒子7の断面を観察したところ、離型剤の分散度は良好であった。更に、走査型電子顕微鏡にてトナー粒子7の表面状態を観察すると、トナー粒子7の表面への顔料およびワックス状物の露出は観察されたが、遊離しているものは見られなかった。
また、調整後1ヶ月経過した離型剤粒子分散液7を使用して、実施例1と同様に混合液調製工程、凝集工程、融合工程を行い、トナー粒子を製造したが、調製直後の離型剤粒子分散液7を使用した場合と同様の特性を有するトナー粒子が得られた。
一方、得られたトナー粒子8を実施例1と同様に測定したところ、D4が6.5μm、D4/D1が1.41であった。また、透過型電子顕微鏡にてトナー粒子8の断面を観察
したところ離型剤が一部表面に露出していた。更に、走査型電子顕微鏡にてトナー粒子8の表面状態を観察すると、トナー粒子8の表面へのワックス状物の露出が確認され、遊離しているワックス状物質が観察された。
得られたトナー粒子7及び8について、実施例1と同様にトナーを作製し、実施例1と同様の画像安定性評価、ブロッキング性評価を行った。その結果、トナー7については10,000枚目で若干の画像濃度低下、画像カブリが観察されたこと以外は実施例1と同様に良好な結果であったが、トナー8については、8,000枚目で若干の画像濃度低下、画像カブリが観察され、力を加えると容易に分散するものの、ブロッキングが発生した。又、トナー7について、実施例1と同様に定着性評価を行った結果、120℃で十分な定着性を示し、180℃までオフセットは発生せず、良好な定着性を示した。
[トナー粒子9及び10の作製]
(離型剤粒子分散液8の調製)
上記離型剤粒子分散液2の調製の、冷却工程における条件をローター回転数2000rpm、スクリーン回転数2000rpm、速度勾配20900sec−1に変更した以外は、上記離型剤粒子分散液2の調製と同様にして、離型剤粒子分散液8を得た。この離型剤粒子分散液8を実施例1と同様の方法にて測定したところ、離型剤粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は0.31μmであり、また、0.80μm以上の粗大粒子は0.3体積%であった。
調製直後の離型剤粒子分散液8、調整後1ヶ月経過した離型剤粒子分散液8、調整後2ヶ月経過した離型剤粒子分散液8について、400メッシュ金網にてろ過した後、金網上を観察したところ、調製直後、調整後1ヶ月のサンプルについては、特に粗粒は観察されなかったが、調整後2ヶ月のサンプルについては、粗粒が確認された。結果を表1に示す。
得られたトナー粒子9を実施例1と同様に測定したところ、D4が5.3μm、D4/
D1が1.21であった。また、透過型電子顕微鏡にてトナー粒子9の断面を観察したところ、離型剤の分散度は良好であった。更に、走査型電子顕微鏡にてトナー粒子9の表面状態を観察すると、トナー粒子9の表面への顔料およびワックス状物の露出は観察されたが、遊離しているものは見られなかった。
また、調整後1ヶ月経過した離型剤粒子分散液8を使用して、実施例1と同様に混合液調製工程、凝集工程、融合工程を行い、トナー粒子を製造したが、調製直後の離型剤粒子分散液8を使用した場合と同様の特性を有するトナー粒子が得られた。
一方、得られたトナー粒子10を実施例1と同様に測定したところ、D4が6.6μm、D4/D1が1.45であった。また、透過型電子顕微鏡にてトナー粒子10の断面を
観察したところ離型剤が一部表面に露出していた。更に、走査型電子顕微鏡にてトナー粒子10の表面状態を観察すると、トナー粒子10の表面へのワックス状物の露出が確認され、遊離しているワックス状物質が観察された。
得られたトナー粒子9及び10について、実施例1と同様にトナーを作製し、実施例1と同様の画像安定性評価、ブロッキング性評価を行った。その結果、トナー9については10,000枚目で若干の画像濃度低下、画像カブリが観察されたこと以外は実施例1と同様に良好な結果であったが、トナー10については、8,000枚目で若干の画像濃度低下、画像カブリが観察され、力を加えると容易に分散するものの、ブロッキングが発生した。又、トナー9について、実施例1と同様に定着性評価を行った結果、120℃で十分な定着性を示し、190℃までオフセットは発生せず、良好な定着性を示した。
[トナー粒子11及び12の作製]
(離型剤粒子分散液9の調製)
上記離型剤粒子分散液2の調製の、冷却工程における条件をローター回転数3000rpm、スクリーン回転数3000rpm、速度勾配31400sec−1に変更した以外は、上記離型剤粒子分散液2の調製と同様にして、離型剤粒子分散液9を得た。この離型剤粒子分散液9を実施例1と同様の方法にて測定したところ、離型剤粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は0.38μmであり、また、0.80μm以上の粗大粒子は0.6体積%であった。
調製直後の離型剤粒子分散液9、調整後1ヶ月経過した離型剤粒子分散液9について、400メッシュ金網にてろ過した後、金網上を観察したところ、調製直後のサンプルについては、特に粗粒は観察されなかったが、調整後1ヶ月のサンプルについては、粗粒が確認された。結果を表1に示す。
得られたトナー粒子11を実施例1と同様に測定したところ、D4が5.2μm、D4/D1が1.25であった。また、透過型電子顕微鏡にてトナー粒子11の断面を観察し
たところ、離型剤の分散度は良好であった。更に、走査型電子顕微鏡にてトナー粒子11の表面状態を観察すると、トナー粒子11の表面への顔料およびワックス状物の露出は観察されたが、遊離しているものは見られなかった。
一方、得られたトナー粒子12を実施例1と同様に測定したところ、D4が6.4μm、D4/D1が1.46であった。また、透過型電子顕微鏡にてトナー粒子12の断面を
観察したところ離型剤が一部表面に露出していた。更に、走査型電子顕微鏡にてトナー粒子12の表面状態を観察すると、トナー粒子12の表面へのワックス状物の露出が確認され、遊離しているワックス状物質が観察された。
得られたトナー粒子11及び12について、実施例1と同様にトナーを作製し、実施例1と同様の画像安定性評価、ブロッキング性評価を行った。その結果、トナー11については10,000枚目で若干の画像濃度低下、画像カブリが観察されたこと以外は実施例1と同様に良好な結果であったが、トナー12については、8,000枚目で若干の画像濃度低下、画像カブリが観察され、力を加えると容易に分散するものの、ブロッキングが発生した。又、トナー11について、実施例1と同様に定着性評価を行った結果、120℃で十分な定着性を示し、180℃までオフセットは発生せず、良好な定着性を示した。
[トナー粒子の作製]
(離型剤粒子分散液10の調製)
・離型剤A 100質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 10質量部
・イオン交換水 880質量部
以上を高圧ホモジナイザー(SMT社製:ゴーリンホモジナイザーLAB2000)にて90℃に加熱し、20パス相当の分散処理したところ、二層分離が確認された。当該分散処理液を15℃/minの冷却速度にて40℃以下まで冷却して、離型剤粒子分散液10を得た。この離型剤粒子分散液10を実施例1と同様の方法にて測定したところ、離型
剤粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は8.9μmであった。
調製直後の離型剤粒子分散液10について、400メッシュ金網にてろ過した後、金網上を観察したところ、粗粒が確認された。結果を表1に示す。
[トナー粒子13の作製]
(離型剤粒子分散液11の調製)
・離型剤A 100質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 10質量部
・イオン交換水 880質量部
以上をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散したところ、若干の粗大粒子が確認された。続いて高圧ホモジナイザー(SMT社製:ゴーリンホモジナイザーLAB2000)にて90℃に加熱し、20パス相当の分散処理した後、15℃/minの冷却速度にて40℃以下まで冷却し、離型剤粒子分散液11を得た。この離型剤粒子分散液11を実施例1と同様の方法にて測定したところ、離型剤粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は0.32μmであり、また、0.80μm以上の粗大粒子は3.2体積%であった。
調製直後の離型剤粒子分散液11について、400メッシュ金網にてろ過した後、金網上を観察したところ、粗粒が確認された。結果を表1に示す。
得られたトナー粒子13を実施例1と同様に測定したところ、D4が5.2μm、D4/D1が1.31であった。また、透過型電子顕微鏡にてトナー粒子13の断面を観察し
たところ、離型剤の分散度は良好であった。更に、走査型電子顕微鏡にてトナー粒子13の表面状態を観察すると、トナー粒子13の表面へのワックス状物の露出はわずかであるが、遊離しているワックス状物質が観察された。
得られたトナー粒子13について、実施例1と同様にトナーを作製し、実施例1と同様の画像安定性評価、ブロッキング性評価を行った結果、ブロッキングは発生しなかったが、8,000枚目で若干の画像濃度低下、画像カブリが観察された。又、トナー13について、実施例1と同様に定着性評価を行った結果、120℃で十分な定着性を示したが、170℃でオフセットが発生した。
[トナー粒子14の作製]
(離型剤粒子分散液12の調製)
・離型剤A 100質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 10質量部
・イオン交換水 880質量部
以上をクレアミックス(エム・テクニック社製、CLM-0.8S、クリアランス0.
3mm)を用いて、循環させることなく90℃に加熱し、ローター回転数17100rpm、速度勾配134300sec−1の条件にて攪拌し、10分間分散処理した後、ロー
ター回転数0rpm、スクリーン回転数0rpm、速度勾配0sec−1、冷却速度20℃/minの冷却条件にて40℃以下まで冷却し、離型剤粒子分散液12を得た。この離型剤粒子分散液12には、若干の粗大粒子が観察された。得られた離型剤粒子分散液12を実施例1と同様の方法にて測定したところ、離型剤粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は2.1μmであった。
調製直後の離型剤粒子分散液12について、400メッシュ金網にてろ過した後、金網上を観察したところ、粗粒が確認された。結果を表1に示す。
得られたトナー粒子14を実施例1と同様に測定したところ、D4が7.6μm、D4/D1が1.42であった。また、透過型電子顕微鏡にてトナー粒子14の断面を観察し
たところ離型剤が一部表面に露出していた。更に、走査型電子顕微鏡にてトナー粒子14の表面状態を観察するとトナー粒子14の表面へのワックス状物の露出が観察され、遊離しているワックス状物がみられた。
得られたトナー粒子14について、実施例1と同様にトナーを作製し、実施例1と同様の画像安定性評価、ブロッキング性評価を行った結果、5,000枚目で若干の画像濃度低下、画像カブリが観察され、力を加えても分散しないブロッキングが発生した。又、トナー14について、実施例1と同様に定着性評価を行った結果、130℃で十分な定着性を示したが、150℃でオフセットが発生した。
[トナー粒子15の作製]
(離型剤粒子分散液13の調製)
上記離型剤粒子分散液12の調製の、分散工程における条件をローター回転数13000rpm、速度勾配102100sec−1に変更した以外は、上記離型剤粒子分散液12の調製と同様にして、離型剤粒子分散液13を得た。この離型剤粒子分散液13を実施例1と同様の方法にて測定したところ、離型剤粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は3.1μmであった。
調製直後の離型剤粒子分散液13について、400メッシュ金網にてろ過した後、金網上を観察したところ、粗粒が確認された。結果を表1に示す。
得られたトナー粒子15を実施例1と同様に測定したところ、D4が7.8μm、D4/D1が1.48であった。また、透過型電子顕微鏡にてトナー粒子15の断面を観察し
たところ離型剤が一部表面に露出していた。更に、走査型電子顕微鏡にてトナー粒子15の表面状態を観察するとトナー粒子15の表面へのワックス状物の露出が観察され、遊離しているワックス状物がみられた。
得られたトナー粒子15について、実施例1と同様にトナーを作製し、実施例1と同様の画像安定性評価、ブロッキング性評価を行った結果、5,000枚目で若干の画像濃度低下、画像カブリが観察され、力を加えても分散しないブロッキングが発生した。又、ト
ナー15について、実施例1と同様に定着性評価を行った結果、130℃で十分な定着性を示したが、150℃でオフセットが発生した。
[トナー粒子16の作製]
(離型剤粒子分散液14の調製)
・離型剤A 100質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 10質量部
・イオン交換水 880質量部
以上を、キャビトロン(ユーロテック社製、CD−1010)を用いて、81〜94℃に加熱し、周速40m/sの条件にて攪拌し、10パス処理した後、100℃/minの
冷却速度にて40℃以下まで冷却し、離型剤粒子分散液14を得た。この離型剤粒子分散液14を実施例1と同様の方法にて測定したところ、離型剤粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は1.8μmであった。
調製直後の離型剤粒子分散液14について、400メッシュ金網にてろ過した後、金網上を観察したところ、粗粒が確認された。結果を表1に示す。
得られたトナー粒子16を実施例1と同様に測定したところ、D4が7.9μm、D4/D1が1.52であった。また、透過型電子顕微鏡にてトナー粒子16の断面を観察し
たところ離型剤が一部表面に露出していた。更に、走査型電子顕微鏡にてトナー粒子16の表面状態を観察するとトナー粒子16の表面へのワックス状物の露出が観察され、遊離しているワックス状物がみられた。
得られたトナー粒子16について、実施例1と同様にトナーを作製し、実施例1と同様の画像安定性評価、ブロッキング性評価を行った結果、8,000枚目で若干の画像濃度低下、画像カブリが観察され、力を加えても分散しないブロッキングが発生した。又、トナー16について、実施例1と同様に定着性評価を行った結果、120℃で十分な定着性を示したが、160℃でオフセットが発生した。
[トナー粒子17の作製]
(離型剤粒子分散液15の調製)
上記離型剤粒子分散液2の調製の、分散工程における条件をローター回転数10000rpm、スクリーン回転数9000rpm、速度勾配99500sec−1、冷却工程における条件を冷却速度10℃/minに変更した以外は、上記離型剤粒子分散液2の調製と同様にして、離型剤粒子分散液15を得た。この離型剤粒子分散液15を実施例1と同様の方法にて測定したところ、離型剤粒子の体積分布基準の50%粒径(メジアン径)は0.54μmであり、また、0.80μm以上の粗大粒子は2.2体積%であった。
調製直後の離型剤粒子分散液15について、400メッシュ金網にてろ過した後、金網上を観察したところ、粗粒が確認された。結果を表1に示す。
得られたトナー粒子17を実施例1と同様に測定したところ、D4が6.8μm、D4/D1が1.36であった。また、透過型電子顕微鏡にてトナー粒子17の断面を観察し
たところ、離型剤の分散度は良好であった。更に、走査型電子顕微鏡にてトナー粒子17の表面状態を観察するとトナー粒子17の表面へのワックス状物の露出が観察され、遊離しているワックス状物がみられた。
得られたトナー粒子17について、実施例1と同様にトナーを作製し、実施例1と同様に画像安定性評価、ブロッキング性評価を行った結果、ブロッキングは発生しなかったが、8,000枚目で若干の画像濃度低下、画像カブリが観察された。又、トナー17について、実施例1と同様に定着性評価を行った結果、120℃で十分な定着性を示したが、170℃でオフセットが発生した。
(画像安定性の評価)
◎:画像濃度、画像カブリ抑制はプリント初期と同等であり良好であった。
○:10,000枚目で若干の画像濃度低下、画像カブリが観察された。
△:8,000枚目で若干の画像濃度低下、画像カブリが観察された。
×:5,000枚目で若干の画像濃度低下、画像カブリが観察された。
○:ブロッキングが発生しない
△:ブロッキングが発生するが、力を加えると容易に分散する。
×:ブロッキングが発生し、力を加えても分散しない。
12:攪拌手段(ジャケット付回転剪断攪拌装置)
13:循環手段(循環ポンプ)
21:攪拌羽根(ローター)
22:スクリーン
31:クリアランス
41:ノズル
Claims (7)
- 樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、及び、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を含む混合液を調製する工程、調製された混合液に少なくとも含まれる樹脂粒子、着色剤粒子、及び、離型剤粒子を凝集し、凝集体粒子を形成する工程、前記凝集体粒子を加熱して融合する工程を包含する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
前記離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液は、離型剤、界面活性剤、及び、水系媒体を少なくとも含有する離型剤混合液を、前記離型剤の融点以上に加熱しながら、剪断力を有する分散装置にて前記離型剤を分散し、O/Wエマルジョンを得る分散工程、及び、
得られたO/Wエマルジョンを前記離型剤の融点未満まで冷却する冷却工程を含む製造方
法で得られたものであり、
前記分散装置が、回転する攪拌羽根と前記攪拌羽根の周囲に前記攪拌羽根と逆方向に回転するスクリーンを少なくとも有する攪拌手段、前記攪拌手段が設置された容器、及び、前記容器に対して前記離型剤混合液を導入及び排出を繰り返して循環させるための循環手段を少なくとも有する分散装置であり、
前記分散工程は、前記分散装置の攪拌手段を用いて前記離型剤混合液を110000sec−1以上200000sec−1以下の速度勾配で回転剪断攪拌し、かつ、前記分散装置の循環手段を用いて前記離型剤混合液を循環して前記離型剤を分散する工程を含み、
前記離型剤粒子分散液中における離型剤粒子の、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装
置で測定された体積分布基準の50%粒径が、0.05μm以上0.40μm以下であり、かつ、0.80μm以上の離型剤粒子が1体積%以下であることを特徴とするトナーの製造方法。 - 前記冷却工程において、O/Wエマルジョンを5℃/分以上の冷却速度で前記離型剤の
融点未満まで冷却することを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。 - 前記冷却工程において、前記分散装置の攪拌手段を用いてO/Wエマルジョンを200
00sec−1以下の速度勾配で回転剪断攪拌し、かつ、前記分散装置の循環手段を用いてO/Wエマルジョンを循環して冷却することを特徴とする請求項1または2に記載のト
ナーの製造方法。 - 冷却工程において、攪拌羽根を有する攪拌手段、前記攪拌手段が設置された容器を少なくとも有する冷却装置を用いて、前記離型剤の融点未満まで冷却することを特徴とする請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
- 前記離型剤の融点が40℃以上120℃以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 前記離型剤の融点における液体密度が0.70g/cm3以上0.95g/cm3以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 前記離型剤が高級脂肪族アルコールであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
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