JP4730112B2 - 静電荷現像トナー、静電荷現像剤及び静電荷現像トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷現像トナー、静電荷現像剤及び静電荷現像トナーの製造方法 Download PDF

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本発明は、電子写真法又は静電記録法等により形成される静電潜像を現像剤により現像する際に用いられる静電荷現像トナー、静電荷現像剤及びその製造方法に関する。
電子写真法など静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては帯電、露光工程により感光体上に静電荷像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜像を現像し、転写、定着工程を経て可視化される。ここで用いられる現像剤には、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤と、磁性トナー又は非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤とがあるがそのトナーの製法は通常、熱可塑性樹脂を顔料、帯電制御剤、ワックスなどの離型剤とともに溶融混練し、冷却後、微粉砕し、さらに分級する混練粉砕製法が使用されている。これらトナーには、必要であれば流動性やクリーニング性を改善するための無機、有機の粒子をトナー粒子表面に添加することもある。
定着に関しては熱・圧力を利用した定着方法が広く採用されている。たとえばロールやベルトからなる定着機が使用される。現在では省エネルギー化が求められ省エネルギー化を徹底するために、使用時以外は定着機への通電を停止するといった方式も採用されている。
一方、トナーの低温定着技術も進められている。トナーの定着温度を低くする手段としては、トナーを構成する結着樹脂として、温度に対してシャープな溶融挙動を示す重縮合型の結晶性樹脂を用いることが知られている。しかしながら、画像強度、帯電性等の課題がある。
また、低温定着性に関し可塑剤を入れる方法が、特許文献1や特許文献2に提案されている。特に、特許文献2に記載されている方法によれば、その可塑剤効果により低温定着させ、実質的に可塑剤を含有しない突起を有しているため可塑剤に起因した転写率の低下を生じないとしている。しかしながら、長期間使用することで可塑剤を含有しない突起がトナー中に埋め込まれ転写不良を発生するのが現状である。
特開平5−107799号公報 特開平6−258861号公報
また、他に意図的なトナー形状及び表面構造の制御を可能とする手段として特開昭63−282752号や特開平6−250439号に乳化重合凝集法によるトナーの製造方法が提案されている。これらは、一般に乳化重合などにより樹脂粒子分散液を作製し、一方溶媒に着色剤を分散した着色剤分散液を作製し、混合し、トナー粒径に相当する凝集体を形成し、加熱することによって融合合一してトナーとする製造方法である。
これらの製法はトナーの小径化を容易とし、かつトナー内部構造を制御しうるものである。
従って、本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、トナーとしての低温定着性と機械強度を高度に両立して使用時の信頼性の高いトナーを提供することにあり、また、そのトナーの製造に用いるための方法を提供することにある。
本発明の構成は以下のとおりである。
(1)第1の結着樹脂、着色剤及び可塑剤を含有するコアと、前記コアの表面を被覆するシェルと、からなるコア−シェル構造を有し、前記シェルは、第2の結着樹脂からなり、前記第1の結着樹脂および前記第2の結着樹脂が、ポリエステル樹脂であり、前記可塑剤が、フタル酸ジフェニルまたはフタル酸ジシクロへキシルであることを特徴とする静電荷現像トナー。
(2)第1の結着樹脂、着色剤及び可塑剤を含有するコアと前記コアの表面を被覆するシェルとからなるコア−シェル構造を有する静電荷現像トナーと、樹脂被覆キャリアと、を含み、前記シェルは、第2の結着樹脂からなり、前記第1の結着樹脂および前記第2の結着樹脂が、ポリエステル樹脂であり、前記可塑剤が、フタル酸ジフェニルまたはフタル酸ジシクロへキシルであることを特徴とする静電荷現像用現像剤。
(3)前記第1の結着樹脂を含む結着樹脂粒子を分散させた分散液中で、前記結着樹脂粒子を凝集し、次いで前記第2の結着樹脂を含む樹脂粒子分散液を添加してコア−シェル構造を有する凝集粒子を得る凝集工程と、前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程と、を有することを特徴とする請求項1に記載の静電荷現像トナーの製造方法。
本発明によれば、コアの表面を、実質的に可塑剤を含まないシェルで被覆した、いわゆるコア−シェル構造を有することで、低温定着性と機械強度を高度なレベルで両立することを可能とする。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の静電荷現像トナー(以下、「トナー」と略す場合がある)は、第1の結着樹脂、着色剤、可塑剤を含むコアと、コアの表面を被覆するシェルとからなるコア−シェル構造を有している。シェルは、コアに含まれる第1の結着樹脂と同一または異なる第2の結着樹脂からなる。このトナーは、所望により内添剤、外添剤等が添加される。
以下、トナーの構成成分(その製法に使用される原料)について説明する。
本発明のトナーの、上記第1及び第2の結着樹脂として用いられる結着樹脂は特に制限されない。第1の結着樹脂と第2の結着樹脂は、同一のものであっても良く、また異なるものでも良い。具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル系単量体;さらにアクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルフォン酸ナトリウム等のエチレン系不飽和酸単量体;さらにアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類単量体の単独重合体、それらの単量体を2種以上組み合せた共重合体、又はそれらの混合物、さらには、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、又は、それらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を挙げることができるがポリエステル樹脂が好ましい。
付加重合系単量体の場合は、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合を実施して樹脂粒子分散液を作製することができ、その他の樹脂の場合は油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、樹脂をそれらの溶剤に溶かし、イオン性の界面活性剤や高分子電解質とともにホモジナイザーなどの分散機により水系媒体中に粒子状に分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を得ることができる。
本発明で使用される可塑剤は固体可塑剤が好ましい。ここでいう固体可塑剤とは融点が40℃以上、好ましくは40℃以上100℃以下、さらに好ましくは50℃以上90℃以下の可塑剤のことをいう。具体的にはフタル酸ジフェニル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジシクロへキシル、フタル酸ジヒドロアビエチル、イソフタル酸ジメチル、安息香酸スクロース、二安息香酸エチレングリコール、三安息香酸エチレングリコール、三安息香酸トリメチロールエタン、三安息香酸グリセリド、四安息香酸ペンタエリトリット、八酢酸スクロース、クエン酸トリシクロへキシル、N−シクロへキシル−p−トルエンスルホンアミド等が挙げられるがフタル酸ジフェニル、フタル酸ジシクロへキシルが好ましい。
トナー中に入れる可塑剤の量としては1から30重量%が望ましい。1重量%よりも少ないと可塑剤としての効果が弱くなり、低温定着に効果が無く、30重量%を超えると画像強度が弱くなる。
着色剤としては次のようなものを使用することができる。黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等を挙げることができる。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントイエローNCG、等を挙げることができる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等を挙げることができる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンB レーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等を挙げることができる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどを挙げることができる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等を挙げることができる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等を挙げることができる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等をあげることができる。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を挙げることができる。
また、染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等があげられる。
また、これらの着色剤は単独もしくは混合して使用される。これらの着色剤は、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等を用いて着色剤粒子の分散液を調製することができる。また、これらの着色剤は極性を有する界面活性剤を用いて、ホモジナイザーによって水系に分散することもできる。
着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、トナー中での分散性の観点から選択される。
着色剤は、トナー構成固体分総重量に対して2〜15重量%の範囲で添加することができる。黒色着色剤として磁性体を用いる場合は、他の着色剤とは異なり、12〜60重量%添加することができる。
着色剤の配合量は、定着時の発色性を確保するための必要量である。また、トナー中の着色剤粒子の中心径(メジアン径)は100〜330nmにすることにより、OHP透明性及び発色性を確保することができる。
なお、着色剤粒子の中心径(メジアン径)は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定した。
また、磁性トナーとして用いる場合は、磁性粉を含有させても良い。具体的には、磁場中で磁化される物質を用いるが、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性の粉末、もしくはフェライト、マグネタイト等の化合物が使用される。水相中でトナーを得るときには、磁性体の水相移行性に注意を払う必要があり、好ましくは予め磁性体の表面を改質し、例えば疎水化処理等を施しておくことが好ましい。
また、内添剤としてフェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物などの磁性体を使用したり、帯電制御剤として4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料やトリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することが出来るが、凝集や合一時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点から水に溶解しにくい材料が好適である。
離型剤は、トナー構成固体分総重量に対して5〜25重量%の範囲で添加することが、オイルレス定着システムにおける定着画像の剥離性を確保する上で望ましい。
離型剤の具体例としては、例えば、各種エステルワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系・石油系ワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
これらの離型剤材料は、室温付近では、トルエンなど溶剤にはほとんど溶解しないか、溶解しても極めて微量である。
これらの離型剤材料は、水系媒体中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに、強い剪断付与能力を有するホモジナイザーや圧力吐出型分散機(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)で粒子状に分散させ、1μm以下の粒子の分散液を作製することができる。
なお、離形剤粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定した。また、離型剤を使用するときには、樹脂粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子を凝集した後に、さらに樹脂粒子分散液を追加して凝集粒子表面に樹脂粒子を付着することが帯電性、耐久性を確保する観点から望ましい。
(静電荷現像トナーの製造方法)
本発明の静電荷現像トナーの製造方法は、少なくとも、樹脂粒子を分散させた分散液中で、当該樹脂粒子を凝集して凝集粒子を得る工程(凝集工程)と、当該凝集粒子を加熱して融合させる工程(融合工程)と、を有するものである。
凝集工程では、上記本発明の可塑剤粒子の分散液は、水系媒体中で調製される。このため、そのまま結着樹脂分散液と混合して利用することができ、これらを、必要に応じて着色剤粒子分散液及び離型剤粒子分散液と混合し、さらに凝集剤を添加し、これら粒子をヘテロ凝集させることによりトナー径の凝集粒子を形成することができる。このように凝集して第一の凝集粒子形成後、さらに上記本発明の樹脂粒子分散液又は別の樹脂粒子分散液を添加し第一の凝集粒子表面にシェル層を形成することが必要である。なお、この例示においては、着色剤分散液を別に調製しているが、結着樹脂粒子に予め着色剤が配合されている場合には、着色剤分散液は必要ない。
可塑剤粒子分散液は可塑剤の可溶な有機溶剤に溶解後、界面活性剤の入っている水媒体中に添加混合し微粒子化した後に脱溶媒して得ることができる。あるいは結着樹脂と可塑剤を有機溶媒中で混合溶解し水媒体中に添加混合して微粒子化した後、脱溶媒して結着樹脂と可塑剤との混合微粒子を得ることができる。さらにスチレン等のビニル系モノマーに可塑剤を溶かし乳化重合することで結着樹脂と可塑剤の混合微粒子を得ることができる。
凝集剤としては、界面活性剤のほか、無機塩、2価以上の金属塩を好適に用いることができる。特に、金属塩を用いる場合、凝集性制御及びトナー帯電性などの特性において好ましい。
また、例えば、樹脂の乳化重合、可塑剤の分散、顔料の分散、樹脂粒子の分散、離型剤の分散、凝集、凝集粒子の安定化などに界面活性剤を用いることができる。具体的には硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン系界面活性剤、アミン塩系、4級アンモニウム塩系等のカチオン系界面活性剤、またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的であり、分散手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものを使用できる。
そして、凝集工程を経た後、融合工程(融合・合一工程)において、樹脂粒子のガラス転移点以上又は融点以上の温度に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、必要に応じて洗浄、乾燥することにより、トナーを得ることができる。
融合工程を終了した後、任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナー粒子を得る。洗浄工程は帯電性を考慮すると、イオン交換水で十分に置換洗浄することが望ましい。また、固液分離工程には特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好適である。さらに、乾燥工程も特に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
本発明の静電荷現像トナーの製造方法により得られたトナーの累積体積平均粒径D50は3.0〜9.0μmの範囲、好ましくは3.0〜5.0μmの範囲が適当である。D50が3.0μmを下回ると、付着力が高くなり、現像性が低下することがある。また、9.0μmを超えると画像の解像性が低下することがある。
また、得られるトナーの体積平均粒度分布指標GSDvは1.30以下であることが好ましい。GSDvが1.30を超えると解像性が低下し、トナー飛散やカブリ等の画像欠陥の原因となることがある。
ここで、累積体積平均粒径D50や平均粒度分布指標は、例えばコールターカウンターTAII(日科機社製)、マルチサイザーII(日科機社製)等の測定器で測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16P、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50P、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84Pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16V1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84P/D16P1/2として算出される。
得られたトナーの形状係数SF1は、画像形成性の点より100〜140、好ましくは110〜135の範囲が適当である。形状係数SF1は次のようにして求められる。まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーについて最大長(ML)と投影面積(A)を測定し、
SF1=(ML/A)×(100π/4)
をトナーの形状係数SF1とした。
得られたトナーには、流動性付与やクリーニング性向上の目的で通常のトナーと同様に乾燥させた後、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂粒子を乾燥状態でせん断をかけながらトナー粒子表面に添加して使用することができる。
また、水系媒体中にてトナー表面に付着せしめる場合、無機粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべてのものをイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散することにより使用することができる。
以上説明した本発明の静電荷現像トナーの製造方法により得られるトナーは、静電荷現像剤として使用される。この現像剤は、この静電荷像現像トナーを含有することの外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。静電荷像現像トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤として調製される。
このようにして得られた静電荷現像トナーを使用することによる作用機序は、必ずしも明らかではないが、可塑剤を含有するコアの表面を、可塑剤を含まないシェルで被覆した構造を有することで、可塑剤を含有しているコアが表面に露出することが無いために機械的強度に悪影響することなく、かつコアには可塑剤を有することにより低温定着性は十分に発揮できているものと考えられる。
以下、本発明を実施例で詳しく説明するが、本発明を何ら限定するものではない。
なお、本実施例のトナーは、下記の可塑剤分散液、樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液、離形剤粒子分散液をそれぞれ調製し、これを所定の割合で混合し攪拌したながら、金属塩の重合体を添加し、イオン的に中和させて凝集粒子を形成する。次いで、無機水酸化物を添加して系内のpHを弱酸性から中性に調製した後、前記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して融合・合一する。反応終了後、十分な洗浄、固液分離、乾燥の工程を経て所望のトナーを得る。以下、それぞれの調製方法を説明する。
(ポリエステル樹脂の調製)
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(2.2モル) 77.4重量部
ビスフェノールAのエチレンレンオキサイド付加物(2.2モル) 33.2重量部
テレフタル酸 60.2重量部
無水トリメリット酸 17.2重量部
ドデセニルコハク酸無水物 12.2重量部
ジブチルスズn−オキサイド 0.4重量部
を材料として用いた。
これらの材料をステンレス製フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪拌翼、流下式コンデンサー及び窒素導入管をとりつけ、マントルヒーターにより230℃に昇温し、窒素気流中にて攪拌しつつ減圧下で8時間反応させた。これにより、ガラス転移点64℃、重量平均分子量15,000の非結晶性ポリエステル樹脂Aを得た。
(樹脂粒子分散液(1)の調製)
この非結晶性ポリエステル樹脂A200重量部を酢酸エチル200重量部に溶解したのち、ドデシル硫酸ナトリウム0.5重量%を含むイオン交換水800重量部中にウルトラタラックスで攪拌しながら、投入、乳化を行いさらに、60℃に加熱し脱溶剤を行った。
これにより、メジアン径140nmの、ガラス転移点65℃、固形分量20重量%の、非結晶の樹脂粒子分散液(1)を得た。
(樹脂粒子分散液(2−1)の調製)
上記の非結晶性ポリエステル樹脂A180重量部と可塑剤であるフタル酸ジフェニル(和光純薬社製、融点75℃)20重量部を酢酸エチル200重量部に溶解したのち、ドデシル硫酸ナトリウム0.5%を含むイオン交換水800重量部中にウルトラタラックスで攪拌しながら、投入、乳化を行いさらに、60℃に加熱し脱溶剤を行った。
これにより、メジアン径130nm、ガラス転移点60℃、固形分量20重量%の、非結晶の樹脂粒子分散液(2−1)を得た。
(樹脂粒子分散液(2−2)の調製)
非結晶性ポリエステル樹脂Aを100重量部と、フタル酸ジフェニルを100重量部とを用いることを除いては、すべて樹脂粒子分散液(2−1)と同様に調製し、樹脂粒子分散液(2−2)を調製した。
(樹脂粒子分散液(3)の調製)
上記の非結晶性ポリエステル樹脂A180重量部と可塑剤であるフタル酸ジメチル(和光純薬社製、融点0℃)20重量部を酢酸エチル200重量部に溶解したのち、ドデシル硫酸ナトリウム0.5%を含むイオン交換水800重量部中にウルトラタラックスで攪拌しながら、投入、乳化を行いさらに、60℃に加熱し脱溶剤を行った。
これにより、メジアン径200nm、ガラス転移点42℃、固形分量20重量%の、非結晶の樹脂粒子分散液(3)を得た。
(樹脂粒子分散液(4)の調製)
上記の非結晶性ポリエステル樹脂A180重量部と可塑剤であるフタル酸ジシクロへキシル(和光純薬社製、融点61℃)20重量部を酢酸エチル200重量部に溶解したのち、ドデシル硫酸ナトリウム0.5%を含むイオン交換水800重量部中にウルトラタラックスで攪拌しながら、投入、乳化を行いさらに、60℃に加熱し脱溶剤を行った。
これにより、メジアン径180nm、ガラス転移点55℃、固形分量20重量%の、非結晶の樹脂粒子分散液(4)を得た。
(樹脂粒子分散液(5)(ビニル系)の調製)
スチレン 460重量部
nブチルアクリレート 140重量部
アクリル酸 12重量部
ドデカンチオール 9重量部
を材料として用いた。
上記配合に従って、各成分を混合溶解して溶液を調製した。他方、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス)12重量部をイオン交換水250重量部に溶解し、前記溶液を加えてフラスコ中で分散し乳化した(単量体乳化液B)。さらに、同じくアニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、ダウファックス)1重量部を555重量部のイオン交換水に溶解し、重合用フラスコに仕込んだ。重合用フラスコを密栓し、還流管を設置し、窒素を注入しつつ、ゆっくりと攪拌しながら、75℃まで重合用フラスコをウォーターバスで加熱し、保持した。
次に、過硫酸アンモニウム9重量部をイオン交換水43重量部に溶解し、重合用フラスコ中に定量ポンプを介して、20分かけて滴下した後、単量体乳化液Bをやはり定量ポンプを介して200分かけて滴下した。
その後、ゆっくりと攪拌を続けながら重合用フラスコを75℃に、3時間保持して重合を終了した。
これにより粒子のメジアン径が210nm、ガラス転移点が53.5℃、重量平均分子量が31,000、固形分量が42重量%の樹脂粒子分散液(5)を得た。
(樹脂粒子分散液(6)(ビニル系)の調製)
スチレン 460重量部
nブチルアクリレート 140重量部
アクリル酸 12重量部
ドデカンチオール 9重量部
フタル酸ジシクロへキシル(可塑剤)(和光純薬社製、融点61℃)120重量部
を用いて、樹脂粒子分散液(5)と同様の方法で粒子分散液を作製した。メジアン径が230nm、ガラス転移点が52.5℃、重量平均分子量が30,000、固形分量が47重量%の樹脂粒子分散液(6)を得た。
(着色剤粒子分散液の調製)
シアン顔料(大日精化社製、銅フタロシアニン C.I.Pigment Blue 15:3)50重量部、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製、ネオゲンRK)5重量部、イオン交換水200重量部を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA 社製、ウルトラタラックス)5分と超音波バスにより10分間分散し、中心径(メジアン径)190nm、固形分量21.5重量%のCyan着色剤粒子分散液を得た。
(離型剤粒子分散液の調製)
パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP9;融点70℃)50重量部、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製 ダウファクス)5重量部、イオン交換水200重量部を配合し、95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)で分散処理し、中心径(メジアン径)180nm、固形分量21.5重量%の離型剤粒子分散液を得た。
[実施例1]
(トナー粒子(1)の調製)
樹脂粒子分散液(2−1) 300重量部(樹脂固形分60重量部)
着色剤粒子分散液 40重量部(顔料固形分8.6重量部)
離型剤粒子分散液 40重量部(離型剤固形分8.6重量部)
ポリ塩化アルミニウム 0.15重量部
イオン交換水 300重量部
を材料として用いた。
上記配合を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら42℃まで加熱し、42℃で60分間保持した後、さらに樹脂粒子分散液(1)を100重量部(樹脂固形分20重量部)追加して緩やかに攪拌した。
その後、0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.0に調整した後、攪拌を継続しながら95℃まで加熱した。95℃までの昇温の間、通常の場合、系内のpHは、5.0以下まで低下するが、ここでは水酸化ナトリウム水溶液を追加滴下し、pHが4.5以下とならない様に保持した。
反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離した。そして、5リットルビーカー中で40℃のイオン交換水3リットル中に再分散し、15分、300rpmで攪拌、洗浄した。この洗浄操作を5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離し、次いで、凍結真空乾燥を12時間行いトナー母粒子(1)を得た。
このトナー母粒子(1)の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が4.5μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.23であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は128のポテト形状であった。
(トナー母粒子の構造及び成分評価)
なおトナーが、<1>コアの表面を被覆するシェルを有すること、<2>シェルが、第2の結着樹脂からなること、<3>第1の結着樹脂、着色剤及び可塑剤を含有するコアであること、は以下の方法によって確認した。
<1>まずトナー母粒子の粒子断面観察を行い、コアシェル構造であることを確認した。この際観察するトナー母粒子は、目視で前記累積体積平均粒径D50の80%以上の断面径を有する粒子を選択的に50個測定した。なおこのときコアシェル構造と同時にシェル部には顔料、離型剤等のコア由来の材料が観測されないことを確認した。なお測定装置は日立電子社製走査型顕微鏡S−4800を使用した。
<2>次に島津製作所製熱分析装置DSC−60AHにてトナー粒子の吸熱ピークとシェル吸熱ピークを確認した。トナー粒子中のシェル材料由来の吸熱ピークがシェル吸熱ピークに対し0.5℃以内のずれを確認し、トナー中のシェルは可塑化されていないと判断した。なお前記熱分析装置の測定条件は、20℃から150℃まで5℃/分の昇温時間、窒素雰囲気(20ml/分)で行った。
<3>更にトナー粒子50gをイソプロピルアルコールでソックスレー抽出(60℃、6時間)を行った。その抽出物からアルコール成分を留去し、残留物をNMR分析、IR分析によって特定した。なおNMRはH-NMRを用い、IRは日立製作所社製FT−IRを用いた。
以上<1>から<3>の方法により、トナー母粒子(1)の構造及び成分について特定された。結果を表1に示す。
上記トナー母粒子(1)50重量部に対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)1.5重量部を添加し、サンプルミルで混合して、可塑剤含有量12重量%の、トナー粒子(1)を得た。
そして、ポリメチルメタアクリレート(綜研化学社製、Mw80,000)を1重量%被覆した平均粒径50μmのフェライトキャリアを用い、トナー濃度が5重量%になるように前記の外添トナー(つまり、トナー粒子(1))を秤量し、両者をボールミルで5分間攪拌・混合して現像剤(1)を調製した。
(低温定着性の評価)
調製した現像剤(1)は、富士ゼロックス社製DocuCentreColor500改造機において、転写用紙として富士ゼロックス社製Jコート紙を使用し、トナー載り量5g/mに調製して画像形成を行った。画だしした後、外部定着器を用い、Nip6mm下、定着速度180mm/secにて定着した。定着評価においては、最低定着温度の評価を行うため、その定着器の定着温度が可変となるように改造し、定着ロールの定着温度を、100℃から+5℃おきに高め画像を定着させた。画像が形成された用紙の、定着トナー像のソリッド部のほぼ中央に、内側に折り目を入れ、定着トナー像が破壊された部分をティッシュペーパーで拭い取り、白抜けした線幅を測定し、白抜けした線幅が0.5mm以下となる温度を最低定着温度(MFT)とした。結果を表1に示す。なお、今回の評価においては、MFTは概ね130℃以下で良好であると評価されるものである。
(機械強度の評価)
上記DocuCenterColor500で、夏場環境(28℃/85%)において1万枚の連続プリント試験を実施した。その結果、転写性も良好で、良好な画質を最後まで維持した。表1に結果を示す。なお、表1においては、結果を◎:優れている、○:◎より若干劣るが実使用において問題なし、△:○より劣り、場合によっては実使用においてやや問題あり、×:実使用において重大な問題があり不適、の4段階にて示した。
[実施例2]
(トナー粒子(2)の調製)
樹脂粒子分散液(2−1)を10重量部(樹脂固形分2重量部)、と、樹脂粒子分散液(1)を290重量部それぞれ使用したことを除いて、あとは実施例1と同様にしてトナー母粒子(2)を得た。
このトナー母粒子(2)の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が6.5μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.25であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は130のポテト形状であった。
(トナー母粒子の構造及び成分評価)
実施例1と同様の方法により、トナー母粒子(2)の構造及び成分について特定された。結果を表1に示す。
トナー母粒子(1)に替えてトナー母粒子(2)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして、可塑剤含有量0.4重量%のトナー粒子(2)を得た。
そして、トナー粒子(1)に替えてトナー粒子(2)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして現像剤(2)を調製した。
(低温定着性および機械強度の評価)
調製した現像剤(2)について、実施例1と同様にして最低定着温度(MFT)および機械強度の評価を行なった。結果を表1に示す。
[実施例3]
(トナー粒子(3)の調製)
樹脂粒子分散液(2−1)を30重量部(樹脂固形分6重量部)、樹脂粒子分散液(1)を370重量部それぞれ使用したことを除いて、あとは実施例1と同様にしてトナー母粒子(3)を得た。
このトナー母粒子(3)の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が6.0μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.20であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は135のポテト形状であった。
(トナー母粒子の構造及び成分評価)
実施例1と同様の方法により、トナー母粒子(3)の構造及び成分について特定された。結果を表1に示す。
トナー母粒子(1)に替えてトナー母粒子(3)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして、可塑剤含有量1.2重量%のトナー粒子(3)を得た。
そして、トナー粒子(1)に替えてトナー粒子(3)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして現像剤(3)を調製した。
(低温定着性および機械強度の評価)
調製した現像剤(3)について、実施例1と同様にして最低定着温度(MFT)および機械強度の評価を行なった。結果を表1に示す。
[実施例4]
(トナー粒子(4)の調製)
樹脂粒子分散液(2−1)300重量部に替えて、樹脂粒子分散液(2−2)を250重量部(樹脂固形分50重量部)と、樹脂粒子分散液(1)100重量部に替えて、樹脂粒子分散液(1)を150重量部とをそれぞれ使用したことを除いて、あとは実施例1と同様にしてトナー母粒子(4)を得た。
このトナー母粒子(4)の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が7.0μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.22であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は138のポテト形状であった。
(トナー母粒子の構造及び成分評価)
実施例1と同様の方法により、トナー母粒子(4)の構造及び成分について特定された。結果を表1に示す。
トナー母粒子(1)に替えてトナー母粒子(4)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして、可塑剤含有量21重量%のトナー粒子(4)を得た。
そして、トナー粒子(1)に替えてトナー粒子(4)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして現像剤(4)を調製した。
(低温定着性および機械強度の評価)
調製した現像剤(4)について、実施例1と同様にして最低定着温度(MFT)および機械強度の評価を行なった。結果を表1に示す。
[実施例5]
(トナー粒子(5)の調製)
樹脂粒子分散液(2−2)を300重量部(樹脂固形分60重量部)使用したことを除いて、あとは実施例4と同様にしてトナー母粒子(5)を得た。
このトナー母粒子(5)の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が5.8μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.20であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は134のポテト形状であった。
(トナー母粒子の構造及び成分評価)
実施例1と同様の方法により、トナー母粒子(5)の構造及び成分について特定された。結果を表1に示す。
トナー母粒子(1)に替えてトナー母粒子(5)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして、可塑剤含有量30.9重量%のトナー粒子(5)を得た。
そして、トナー粒子(1)に替えてトナー粒子(5)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして現像剤(5)を調製した。
(低温定着性および機械強度の評価)
調製した現像剤(5)について、実施例1と同様にして最低定着温度(MFT)および機械強度の評価を行なった。結果を表1に示す。
参考
(トナー粒子(6)の調製)
樹脂粒子分散液(2−1)300重量部に替えて樹脂粒子分散液(3)を300重量部(樹脂固形分60重量部)使用したことを除いて、あとは実施例1と同様にしてトナー母粒子(6)を得た。
このトナー母粒子(6)の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が6.2μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.27であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は130のポテト形状であった。
(トナー母粒子の構造及び成分評価)
実施例1と同様の方法により、トナー母粒子(6)の構造及び成分について特定された。結果を表1に示す。
トナー母粒子(1)に替えてトナー母粒子(6)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして、可塑剤含有量12重量%のトナー粒子(6)を得た。
そして、トナー粒子(1)に替えてトナー粒子(6)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして現像剤(6)を調製した。
(低温定着性および機械強度の評価)
調製した現像剤(6)について、実施例1と同様にして最低定着温度(MFT)および機械強度の評価を行なった。結果を表1に示す。
[実施例
(トナー粒子(7)の調製)
樹脂粒子分散液(2−1)300重量部に替えて樹脂粒子分散液(4)を300重量部(樹脂固形分60重量部)使用したことを除いて、あとは実施例1と同様にしてトナー母粒子(7)を得た。
このトナー母粒子(7)の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が5.8μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.20であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は136のポテト形状であった。
(トナー母粒子の構造及び成分評価)
実施例1と同様の方法により、トナー母粒子(7)の構造及び成分について特定された。結果を表1に示す。
トナー母粒子(1)に替えてトナー母粒子(7)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして、可塑剤含有量12重量%のトナー粒子(7)を得た。
そして、トナー粒子(1)に替えてトナー粒子(7)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして現像剤(7)を調製した。
(低温定着性および機械強度の評価)
調製した現像剤(7)について、実施例1と同様にして最低定着温度(MFT)および機械強度の評価を行なった。結果を表1に示す。
[実施例
(トナー粒子8の調製)
樹脂粒子分散液(6) 120重量部(樹脂56重量部)
着色剤粒子分散液 40重量部(顔料8.6重量部)
離型剤粒子分散液 40重量部(離型剤8.6重量部)
ポリ塩化アルミニウム 0.15重量部
イオン交換水 300重量部
を材料として用いた。
上記配合を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら42℃まで加熱し、42℃で60分間保持した後、さらに樹脂粒子分散液(6)を42重量部(樹脂20重量部)追加して緩やかに攪拌した。
その後、0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.0に調整した後、攪拌を継続しながら95℃まで加熱した。95℃までの昇温の間、通常の場合、系内のpHは、5.0以下まで低下するが、ここでは水酸化ナトリウム水溶液を追加滴下し、pHが4.5以下とならない様に保持した。
反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離した。そして、5リットルビーカー中で40℃のイオン交換水3リットル中に再分散し、15分、300 rpmで攪拌、洗浄した。この洗浄操作を5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離し、次いで、凍結真空乾燥を12時間行い、トナー母粒子(8)を得た。
このトナー母粒子(8)の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が4.8μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.25であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は130のポテト形状であった。
(トナー母粒子の構造及び成分評価)
実施例1と同様の方法により、トナー母粒子(8)の構造及び成分について特定された。結果を表1に示す。
トナー母粒子(1)に替えてトナー母粒子(8)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして、可塑剤含有量10重量%のトナー粒子(8)を得た。
そして、トナー粒子(1)に替えてトナー粒子(8)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして現像剤(8)を調製した。
(低温定着性および機械強度の評価)
調製した現像剤(8)について、実施例1と同様にして最低定着温度(MFT)および機械強度の評価を行なった。結果を表1に示す。
[比較例1]
(トナー粒子9の調製)
樹脂粒子分散液(2−1)に替えて樹脂粒子分散液(1)を用いたほかはすべて実施例1と同様にトナー母粒子(9)を作製した。得られたトナー粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が4.7μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.24であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー母粒子(10)の形状係数SF1は128のポテト形状であった。
(トナー母粒子の構造及び成分評価)
実施例1と同様の方法により、トナー母粒子(9)の構造及び成分について特定された。結果を表1に示す。
トナー母粒子(1)に替えてトナー母粒子(9)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして、可塑剤含有量0重量%のトナー粒子(9)を得た。
そして、トナー粒子(1)に替えてトナー粒子(9)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして現像剤(9)を調製した。
(低温定着性および機械強度の評価)
調製した現像剤(9)について、実施例1と同様にして最低定着温度(MFT)および機械強度の評価を行なった。結果を表1に示す。
[比較例2]
(トナー粒子10の調製)
樹脂粒子分散液(1)に替えて樹脂粒子分散液(2−1)を用いたほかはすべて実施例1と同様にトナー母粒子(10)を作製した。得られたトナー母粒子(10)の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が4.9μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.27であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は125のポテト形状であった。
(トナー母粒子の構造及び成分評価)
実施例1と同様の方法により、トナー母粒子(10)の構造及び成分について特定された。結果を表1に示す。
トナー母粒子(1)に替えてトナー母粒子(10)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして、可塑剤含有量16重量%のトナー粒子(10)を得た。
そして、トナー粒子(1)に替えてトナー粒子(10)を用いることを除いて、あとは実施例1と同様にして現像剤(10)を調製した。
(低温定着性および機械強度の評価)
調製した現像剤(10)について、実施例1と同様にして最低定着温度(MFT)および機械強度の評価を行なった。結果を表1に示す。
Figure 0004730112
本発明のトナー及び現像剤は、静電荷像をトナーまたは現像剤により現像して定着させるあらゆる装置において好適に使用することが可能である。

Claims (3)

  1. 第1の結着樹脂、着色剤及び可塑剤を含有するコアと、
    前記コアの表面を被覆するシェルと、
    からなるコア−シェル構造を有し、
    前記シェルは、第2の結着樹脂からなり、
    前記第1の結着樹脂および前記第2の結着樹脂が、ポリエステル樹脂であり、
    前記可塑剤が、フタル酸ジフェニルまたはフタル酸ジシクロへキシルであることを特徴とする静電荷現像トナー。
  2. 第1の結着樹脂、着色剤及び可塑剤を含有するコアと前記コアの表面を被覆するシェルとからなるコア−シェル構造を有する静電荷現像トナーと、
    樹脂被覆キャリアと、
    を含み、
    前記シェルは、第2の結着樹脂からなり、
    前記第1の結着樹脂および前記第2の結着樹脂が、ポリエステル樹脂であり、
    前記可塑剤が、フタル酸ジフェニルまたはフタル酸ジシクロへキシルであることを特徴とする静電荷現像用現像剤。
  3. 前記第1の結着樹脂を含む結着樹脂粒子を分散させた分散液中で、前記結着樹脂粒子を凝集し、次いで前記第2の結着樹脂を含む樹脂粒子分散液を添加してコア−シェル構造を有する凝集粒子を得る凝集工程と、
    前記凝集粒子を加熱して融合させる融合工程と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の静電荷現像トナーの製造方法。
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