JP2013136877A - 建物の壁構造 - Google Patents

建物の壁構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2013136877A
JP2013136877A JP2011287398A JP2011287398A JP2013136877A JP 2013136877 A JP2013136877 A JP 2013136877A JP 2011287398 A JP2011287398 A JP 2011287398A JP 2011287398 A JP2011287398 A JP 2011287398A JP 2013136877 A JP2013136877 A JP 2013136877A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
layer
air layer
building
wall structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011287398A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruyasu Ito
晴康 伊藤
Yoko Rikukawa
葉子 陸川
Senshu Yamada
専修 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2011287398A priority Critical patent/JP2013136877A/ja
Publication of JP2013136877A publication Critical patent/JP2013136877A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/24Structural elements or technologies for improving thermal insulation
    • Y02A30/244Structural elements or technologies for improving thermal insulation using natural or recycled building materials, e.g. straw, wool, clay or used tires

Abstract

【課題】本発明は、光熱費を抑制しつつ室内の温度や湿度を適正に維持し得る住居等の建物の壁構造を提供する。
【解決手段】本発明の建物の壁構造は、室外から室内までの厚み方向に第1乃至第3の空気層を有し、前記第1空気層が外気と第2空気層との間に設けられ、前記第2空気層が該第1空気層と第3空気層との間に設けられ、前記第3空気層が該第2空気層と室内との間に設けられる建物の壁構造である。前記第1空気層は、外気を取り込んで通過させた後に外気に排出する通路を形成し、前記第2空気層は、空気を充填させて密封され、前記第3空気層は、床下空気を取り込んで通過させた後に外気に排出する通路を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光熱費を抑制しつつ室内の温度や湿度を適正に維持し得る住居等の建物の壁構造に関する。
従来より住居等の建物の屋内環境を改善すべく種々の冷暖房等設備が日々開発されてきた。その反面、近年、化石燃料の枯渇化の防止やCO排出量の削減の達成が社会的ニーズとなっており、断熱材を使用した高気密・高断熱住宅が開発されている。
しかしながら、一般の断熱材は保温性が重視されるためこれを使用する住宅の場合、冬期の断熱性は高いが夏期は逆に断熱性の高さが弊害となり放熱性が悪くなる。また、断熱材はこれ自体を製造する資源や加工コストが別途必要なるものであり、断熱材の耐久性に住居環境が直接依存するという弊害がある。
これを防止するために住居の壁内に空気層を備え、これを断熱材の一つとする方法が存在する。例えば、特許文献1では、壁面に空気層を含む住宅が開示されている。
しかしながら、この住宅の場合には、空気層以外に特殊構成の断熱層が別途必須構成となっており、断熱材を使用する問題を完全に解消することはできない。
また、非特許文献1では、壁面内に複数の空気層を設け別途の断熱材を用いない住宅が開示されている。具体的には、外気側の空気層を外気と対流する可変空気層とし、室内側の密封された2層の空気層を配設する住宅が開示されている。
しかしながら、この住宅の場合、外気と対流する可変空気層により夏期には壁内の熱を外部に放出する点では優れていると言えるが、冬期には密封空気層による断熱効果のみであり別途の断熱材料が不要となる以上の効果を有するものであるとは言えず、むしろ、断熱効果自体は従来の繊維断熱材より低下する場合も多い。
さらに、室内の除湿機能の有無という面から非特許文献1の住宅を見た場合、密封空気層により「じっくり」除湿するだけであり、一般には従来の繊維断熱材の方が除湿効果が高い。
特許第3709465号公報
「新建ハウジング(平成20年3月10日号) 新建新聞社」第17頁、業界ニュース
本発明は、以上の事情に鑑みて創作されたものであり、地中熱を利用しつつ複数の可変空気層と固定空気層とを組み合わせることで、室内の光熱費を抑制しつつ室内の温度や湿度を適正に維持し得、これと同時に人体安全性の高い建物の壁構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の建物の壁構造では、室外から室内までの厚み方向に第1乃至第3の層を有し、前記第1層が外気と第2層との間に設けられ、前記第2層が該第1層と第3層との間に設けられ、前記第3層が該第2層と室内との間に設けられる建物の壁構造であって、前記第2層は、断熱効果を有する断熱材又は空気を充填させて密封した密閉空気断熱層である、建物の壁構造を提供する。また、室外から室内までの厚み方向に第1乃至第3の空気層を有し、前記第1空気層が外気と第2空気層との間に設けられ、前記第2空気層が該第1空気層と第3空気層との間に設けられ、前記第3空気層が該第2空気層と室内との間に設けられる建物の壁構造を提供する。前記第1空気層は、外気を取り込んで通過させた後に外気に排出する通路を形成し、前記第2空気層は、空気を充填させて密封し、前記第3空気層は、床下空気を取り込んで通過させた後に外気に排出する通路を形成する。
本発明の建物の壁構造は、外気側(最外皮)から室内側(最内皮)に向かって順に、外気の気流による排熱・排湿通気層としての第1空気層と、略密封された固定空気断熱層としての第2空気層と、地中熱を取り込んだ床下空気を循環させる地中熱空気循環層としての第3空気層とを有することで断熱、調湿(透湿・吸湿・放湿)および冷暖房効果が発揮される。さらには耐震効果を発揮する構成が提供される。第1空気層は、常に外気により気流を生じさせているため建物の躯体を乾燥状態に保ちつつ、夏場は冷却、冬場は保温効果がある。また、第2空気層は、空気が非循環の固定状態で充填されており、断熱効果を有する。空気は固定状態では断熱性が高い。さらに第2空気層は、過剰な湿度を第1空気層へ透湿させるとともに、湿度を貯留・放出させる性質を有している。第3空気層は、床下空気と地中熱を取り込んで外気に至るまでゆっくりと循環させることができる。年間を通して温度変化が小さい地中熱を利用し、第3空気層内を床下空気が移動する間に、取り込んだ地中熱を第3仕切壁に伝達することにより室内に輻射冷熱、輻射暖熱を入出熱させることで、夏は涼しく、冬は暖かい温度環境を実現することができる。
また、前記建物の屋根裏には、前記第1空気層と連通する第1屋根空気層を有し、前記第1空気層内の空気は、前記第1屋根空気層を通過して屋根の頂部近傍から外気に排出されることが好ましい。
外気を循環させる最外皮の第1空気層内の空気は、第1屋根空気層を通じて外気に排出される。これにより、高温になった屋根裏を冷やすことで棟全体を冷やすことができ、湿度も排出し得る。
また、前記第2空気層は、厚み方向に複数の空気層を並列して形成しても良い。固定空気層としての第2空気層は、複数存在しても良い。固定の空気層を厚くするよりも空気層の枚数を増やすほうが断熱効果が高いからである。
また、前記第3空気層に取り込む床下空気は、熱交換管によって外気と流体的に接続しており、該熱交換管は、外気から前記床下までを管路を地中に埋入させることが好ましい。熱交換管は、地中に埋入されるので外気は床下空間に流入するまでに年間を通して温度変化が小さい地中熱温度により近づくことができる。地中熱を取り入れた床下空気は、建物を循環することにより、室内冷暖房負荷を大幅に減らすことができる。
また、前記建物の屋根裏には、前記第3空気層と連通する屋根裏空間を有し、前記第3空気層内の空気は、前記屋根裏空間を経由して外気に排出される。好ましくは、屋根裏空間内の空気は、温度に対応して作動する換気扇により外気に排出される。
地中熱を循環させる最内皮の第3空気層内の空気は、屋根裏空間を通じて外気に排出される。夏期のような高温時には、高温になった第3空気層内の温度を屋根裏空間から外気に逃がすことができ室内冷房負荷を低減し得るとともに適正温度の床下空気の循環を促進させ、調湿効果も高い。特に高温時の効果を向上させるため、屋根裏空間の空気の換気扇は温度センサ等により温度に対応して作動制御するものが好ましい。
前記第1空気層と前記第2空気層とを仕切る第1仕切壁と、前記第2空気層と前記第3空気層とを仕切る第2仕切壁と、前記第3空気層と室内とを仕切る第3仕切壁とのいずれかは、珪藻土とバーミキュライトとを主成分に含有することが好ましい。例えば珪藻土を含む珪酸カルシウム水和物の構造にバーミキュライと分散形成させたモイス(登録商標)などを使用すれば、調湿性(湿度の移動が容易)であり、また有害物質の吸着性も良い。
また、前記第3空気層と室内とを仕切る第3仕切壁は、バイオ珪藻土を主成分に含有する場合であっても良い。第3仕切壁は、室内装を形成するので少なくとも珪藻土を含有するものであれば自由に選択も可能である。珪藻土は元来、静電気が起きにくく、吸湿性とこれに伴う有害物質吸着性が高いからである。
さらに、前記第1空気層及び/又は前記第3空気層及び/又は前記熱交換管の内部の空気の流入・排出は、通常電源または屋根外面に設置された太陽電池を駆動源とする換気扇(ファン)で行うことが好ましい。屋根外面には、既存又は将来的に太陽電池が設置されることが多く、社会的にも省エネ、温暖化対策等の観点から太陽電池の設置促進が求められている。本建物の壁構造において太陽電池を作動駆動源とすることは建物の冷暖房負荷を低減し、太陽電池設置の社会ニーズをも促進しえるものを提供するという利点をも有する。
本発明の建物の壁構造によれば、地中熱を利用しつつ複数の可変空気層と固定空気層とを組み合わせることで、室内の光熱費を抑制しつつ、室内の温度や湿度を適正に維持し得、同時に人体にとって安全性の高い室内環境を実現する。また、床下、第1空気層、第2空気層、第3空気層の適度な調湿により内部結露を防ぎ、壁体内の環境を健全に保つことにより、構造躯体をより永く維持することができる。すなわち、本発明によりCO削減にも適した省エネ性・人体安全性、構造躯体の堅牢性の高い住居等の建物を社会提供することができる。
本発明の建物の壁構造の一例を採用した建物全体の略断面図である。 本発明の建物の壁構造の一例を示す略拡大断面図である。 図2の建物の壁構造の改良例である。 図2の建物の壁構造の他の改良例である。 従来の建物の壁構造の垂直断面模式図である。
≪代表的な従来の壁構造例≫
上述したように従来型の建物の壁構造において、外壁と室内壁との間に空気層を使用する場合が存在する。まず、本発明の建物の壁構造を説明する前に空気層を壁構造に使用する従来の壁構造のうち地中熱を利用する例を説明する(なお、非特許文献1の建物の壁構造はそもそも地中熱空気を循環させないのでここでは言及しない)。
図5は、建物の壁構造の断面模式図であり、図中左側の外気1と右側の室内2との間に2つの空気層を有している。図5の壁構造からもわかるように外気1と室内2との間には2つの空気層が3枚の仕切壁で仕切られている。まず、外気1には外壁111が仕切りとして接している。この外壁111は好みに応じて選択される。例えば、外気側から二酸化珪素(SiO)を主成分とする18mm程度の厚みの珪藻土板111aと、12mm程度の厚みの構造用針葉樹合板111bとの2つの層で形成されている。外壁111の内側には上下に空気が流れる通気空気層112が形成されており、ここでは例えば20mm程度の厚みである。この通気空気層112では、下方で外気1と流体的に接続し(図示せず)、これにより流入してきた外気1が矢印aに示すように上方に空気流が流れていく。したがって常に適度な調湿が保持され、高温時には建物躯体の表面を冷却する。
通気空気層112の室内側は仕切壁113が設けられている。この仕切壁113は、通気空気層112側から二酸化珪素(SiO)を主成分とする珪藻土板113aと、珪藻土板113cとの間で、表面に多数の孔を開けた構造用針葉樹合板113bを介挿させて構成する。この仕切壁113が断熱層として形成されており、例えば、珪藻土板113aは厚み15mm、構造用針葉樹合板113bは厚み12mmで表面にφ10mmの孔が孔の中心から50mmの間隔で空けられており、珪藻土板113cは厚み5mmである。
また、仕切壁113と室内壁115との間には地中熱空気層114が設けられており、例えば厚み120mmである。この地中熱空気層内114には床下空間からの流入してきた空気が矢印bに示すように上方に流れていく。これにより、室内壁115は地中熱空気層114の地中熱で冷暖することができると同時に地中熱空気層内114の空気が流れることによる除湿効果も期待できる。なお、地中熱空気層114と室内2との間は室内壁115で仕切られており、例えば、地中熱空気層114側から厚み12mmのプラスターボード(石膏ボード)115aに厚み5mmの珪藻土115bが被覆されて室内壁115を形成している。
図5の壁構造の場合、矢印cに示すように室内空気2の湿度は地中熱空気層114と仕切壁113とを介して通気空気層112との間で調湿される。しかしながら、図5の壁構造の場合、地中熱空気層は室内壁2を地中熱で冷暖することはできるが断熱性は低く、断熱材としての機能は概ね仕切板113が担保することになる。そうすれば、断熱効果を向上させるためには必然的に仕切壁113を厚くしていくことになる。一方、仕切り壁113を厚くしていくと逆に透湿性が低下していく。したがって、図5の壁構造では地中熱を利用して冷暖房負荷を低減させることを企図しつつも断熱効率を向上させるには断熱材の厚みを増やす必要があり、環境負荷が大きくなるという相反する問題が並存してしまう。
≪本発明の建物の壁構造の例≫
図1、図2には本発明の建物の壁構造の一例が示されている。具体的には、図1には建物10全体の略断面図が示されており、図2には本壁構造の略拡大断面図が示されている。
図1に示すように本壁構造では、建物10の最外皮の外壁11の内側に第1空気層12が設けられている。この第1空気層12は外壁11の下端の流入口12aから外気1が取り込まれ、その外気からの空気流が矢印方向に示すように上方に流れていき、第1屋根空気層12cに到達する。第1屋根空気層12cは屋根表面18に設けられた中空空間である。第1屋根空気層12cに流入した空気流は、第1屋根空気層12c内を上方に流れていき、建物10の頂部近傍に設けられた排出口12dから外気1に排出される。この第1空気層12や第1屋根空気層12c内の外気は、排出口12d(棟換気口)より自然にエントツ効果で常時排気される。これにより建物10の躯体は常に適正な温度と湿度を維持する。
次に第1空気層12の内側には第2空気層14が存在する。この第2空気層14は、第1仕切壁13と第2仕切壁15とで挟まれた空間に形成されており、土台23や桁梁24で外部と密封状態で内部に静止空気が充満する。第2空気層14は、空気が動かず固定しているため断熱効果が高い。
また最内皮には第3空気層16が、第2仕切壁15により第2空気層14と隔てて存在する。この第3空気層16は、第2仕切り壁15と室内壁17との間の空間に形成される。この第3空気層16は室内壁17の下端の流入口16aから床下空間19の空気と地中熱が取り込まれ、床下空間からの空気流が矢印方向に示すように上方に流れていき、排出口16bから屋根裏空間16cに到達する。屋根裏空間16cは室内2の天井部の上に設けられた空間である。屋根裏空間16cに流入した空気流は、建物の頂部近傍に設けられた排出口16dにより外気1に排出される。この第3空気層16や屋根裏空間16c内の空気は、屋根裏空間16cの温度に対応して作動する換気扇(図示せず)により循環され、その換気扇の駆動源は、通常電源または屋根外面18に設置された太陽電池25によってもよい。これにより、第3空気層16内の湿度は外気1に排出できるだけでなく、屋根裏空間16c内の温度調節も可能となる。床下空気から地中熱を得た室内壁17からの輻射冷熱により夏は涼しく、輻射暖熱により冬は暖かいと感じられる。
また、第3空気層16に流入させる床下空間19の空気は地中熱により温度管理される。床下空間19は建物10の基礎21により閉鎖されており、熱交換管20のみによって外気1と流体的に接続される。また、基礎21の側面には調湿性のある断熱材、及び底面には調湿材22が積層されており、床下空気は除湿される。熱交換管20は、外気側の端部に流入口20a、床下空間側の端部に排出口20bが設けられ、流入口20aと排出口20bによって外気1と床下空間19とを連通する中空配管である。熱交換管20は熱伝導性が高い材質で形成されており、例えば硬質塩化ビニル管及ステンレス製でφ150mmの径を有する。また、熱交換管20は外気から床下までの大部分が地中3に埋入している。したがって、外気1は地中熱の温度に近づきながら床下空間19に排出される。これにより床下の空気は、1年を通し温度変化が少なくなり、夏は涼しく冬は暖かい空気となる。また、流入口20aに防塵フィルター(図示せず)を設けると基礎21による閉鎖と相まって床下の空気をクリーン化することができる。なお、流入口20aは温度変化が小さい北側に設けられることが好ましい。
図2は、上述する図1の建物の壁構造を拡大した略A−A'断面図を示しており、上述するように外気1と室内2との間に3つの空気層を有している。最外皮の外壁11は、汎用の窯業サイディングであり、その胴縁(図示せず)を第1仕切壁13に取り付けている。例えば、窯業サイディングは18mmの厚みを有し、胴縁は18mmの厚みを有している。したがって、第1空気層12の厚みも約18mmとなる。第1空気層12と第2空気層14とを仕切る第1仕切壁13は、例えば、9.5mm厚の透湿・調湿耐力面材モイス(登録商標)などを使用する。モイスとは、珪藻土を含有する珪酸カルシウム水和物(トバモライト結晶)の構造に、粘土鉱物・バーミキュライトを均一かつ同一方向に分散形成した透湿・調湿耐力面材である。したがって、第1仕切壁13によれば矢印Aに示すようにモイスは、第2空気層の湿気を第1空気層12に透湿(湿度を移動)させることができ、第1空気層12に放出された湿度を上方に流していくことが可能となる(矢印X)。また、第1仕切壁13のモイス壁13は、その外側を防風・透湿・防水効果を有するシートで被覆してもよい。
第1空気層12の内側には第2空気層14が設けられている。この第2空気層14は第1仕切壁13と第2仕切壁15との間の空間に形成され、上端を桁梁24、下端を土台23(図1参照)で閉鎖している。また、第2仕切壁15は、ゾノライト系ケイ酸カルシウムボードで構成されるバウビオT等の調湿建材あるいはモイス壁で構成される。この第2空気層は、外部から閉鎖された固定の空気層であるため断熱材としての機能を有する。これは図5における従来型の壁構造に示す断熱材としての仕切壁113に相当するが、図5の仕切壁113よりも薄いにもかかわらず同等またはそれ以上の断熱効果を有している。さらに、図2の第2仕切壁15は調湿効果も高く、第3空気層16の湿度を第1空気層12まで移動させる。
また、第2仕切壁15の内側には、第3空気層16が設けられている。この第3空気層16は第2仕切壁15と室内壁17との間の空間に形成される。第2仕切壁15は、バウビオTの調湿建材あるいはモイスで壁を構成する。室内壁17は12.5mm厚のプラスターボード17aに2mm厚のバイオ珪藻土17bを被覆している。または、9.5mm厚のモイス壁を使用する。バイオ珪藻土17bの場合、ホルムアルデヒドを含む揮発性有機化合物(VOC)や総揮発性有機化合物(TVOC)等の有害物質を吸着固定させることができるため室内環境をクリーンにできる(矢印D)。また、バイオ珪藻土17bは調湿効果も有するので室内2と第3空気層16内との湿度を相互に移動調整することができる(矢印C)。さらに、例えば、第3空気層16は、厚みが72mm〜87mmと幅広であるため、矢印Yのように下方から上方に流れてくる大量の床下空気の持つ地中熱を室内壁17に与えることで、輻射冷暖房効果により室内2での体感温度を調整することができる(矢印B参照)。
図3には図2に示す建物の壁構造の変形例が示されている。図3の壁構造では、室内壁17も厚み9.5mmのモイス壁で形成した例を示している。この壁構造の場合、室内壁17に透湿性及び調湿性が高いモイス壁を使用するため、室内2の湿度を第3空気層16に移動させ、空気流で外気に排出することにより室内2の調湿効果を高めることができる。さらに、モイスは上記VOC等の有害物質の吸着性が高いのでこれを室内壁17に使用するとシックハウス等を防止することができる。
さらに、図4には図2に示す建物の壁構造の他の変形例が示されている。図4の壁構造では、第2空気層14の隣の室内側にさらに第2空気層14と同様に閉鎖された空気層14'と仕切壁15'とを設ける例を示している。上述したとおり空気層を閉鎖し内部空気を固定すると断熱効果をもたせることができるので、図4に示すように固定の空気層を2つにするとその分、断熱効果が大きくなる。
以上、本発明の建物の壁構造についての実施形態およびその概念について説明してきたが本発明はこれに限定されるものではなく特許請求の範囲および明細書等に記載の精神や教示を逸脱しない範囲で他の変形例、改良例が得られることが当業者は理解できるであろう。
10 建物
11 外壁
12 第1空気層
12c 第1屋根裏空気層
13 第1仕切壁
14,14' 第2空気層
15,15' 第2仕切壁
16 第3空気層
16c 屋根裏空間
17 室内壁
17b バイオ珪藻土
19 床下空間
20 熱交換管

Claims (10)

  1. 室外から室内までの厚み方向に第1乃至第3の層を有し、
    前記第1層が外気と第2層との間に設けられ、前記第2層が該第1層と第3層との間に設けられ、前記第3層が該第2層と室内との間に設けられる建物の壁構造であって、
    前記第2層は、断熱効果を有する断熱材又は空気を充填させて密封した密閉空気断熱層である、建物の壁構造。
  2. 室外から室内までの厚み方向に第1乃至第3の空気層を有し、
    前記第1空気層が外気と第2空気層との間に設けられ、前記第2空気層が該第1空気層と第3空気層との間に設けられ、前記第3空気層が該第2空気層と室内との間に設けられる建物の壁構造であって、
    前記第1空気層は、外気を取り込んで通過させた後に外気に排出する通路を形成し、
    前記第2空気層は、空気を充填させて密封し、
    前記第3空気層は、床下空気を取り込んで通過させた後に外気に排出する通路を形成する、建物の壁構造。
  3. 前記建物の屋根裏には、前記第1空気層と連通する第1屋根空気層を有し、
    前記第1空気層内の空気は、前記第1屋根空気層を通過して屋根の頂部近傍から外気に排出される、請求項2に記載の建物の壁構造。
  4. 前記第2空気層は、厚み方向に複数の空気層を並列して形成される、請求項2又は3に記載の建物の壁構造。
  5. 前記第3空気層に取り込む床下空気は、熱交換管によって外気と流体的に接続しており、
    該熱交換管は、外気から前記床下までを管路を地中に埋入させる、請求項2〜4のいずれか1項に記載の建物の壁構造。
  6. 前記建物の屋根裏には、前記第3空気層と連通する屋根裏空間を有し、
    前記第3空気層内の空気は、前記屋根裏空間を経由して外気に排出される請求項2〜5のいずれか1項に記載の建物の壁構造。
  7. 前記屋根裏空間の空気は、温度に対応して作動する換気装置により外気に排出される、請求項6に記載の建物の壁構造。
  8. 前記第1空気層と前記第2空気層とを仕切る第1仕切壁は、珪藻土を含有する珪酸カルシウム水和物(トバモライト結晶)の構造に、粘土鉱物・バーミキュライトを主成分とし、前記第2空気層と前記第3空気層とを仕切る第2仕切壁はゾノライト系ケイ酸カルシウムを主成分とし、前記第3空気層と室内とを仕切る第3仕切壁は石膏と二酸化珪素(SiO)を主成分として含有する、請求項2〜7のいずれか1項に記載の建物の壁構造。
  9. 前記第3空気層と室内とを仕切る第3仕切壁は、バイオ珪藻土を主成分として含有する、請求項2〜7のいずれか1項に記載の建物の壁構造。
  10. 前記第1空気層及び/又は前記第3空気層及び/又は前記熱交換管の内部の空気の流入・排出は、屋根外面に設置された太陽電池を駆動源とする換気扇で行う、請求項2〜7のいずれか1項に記載の壁構造。
JP2011287398A 2011-12-28 2011-12-28 建物の壁構造 Pending JP2013136877A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011287398A JP2013136877A (ja) 2011-12-28 2011-12-28 建物の壁構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011287398A JP2013136877A (ja) 2011-12-28 2011-12-28 建物の壁構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013136877A true JP2013136877A (ja) 2013-07-11

Family

ID=48912797

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011287398A Pending JP2013136877A (ja) 2011-12-28 2011-12-28 建物の壁構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013136877A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015026204A1 (ko) * 2013-08-22 2015-02-26 주식회사 자연에너지연구소 자연 건축물
KR20180099981A (ko) * 2017-02-28 2018-09-06 주식회사 캐리어냉동건설 곤충사육장

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001012838A (ja) * 1999-07-01 2001-01-19 Kuroiwa Tetsuhiko Toshi Kenchiku Sekkeishitsu:Kk 冷却部材と冷却建物
JP2002167876A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 建物の防腐防蟻構造及びその建物
JP2002235385A (ja) * 2001-02-09 2002-08-23 Fukuchi Kenso:Kk 空気多層断熱層の取り付け構造
JP2003073178A (ja) * 2001-08-30 2003-03-12 Nittetsu Mining Co Ltd 軽量石膏成形体
JP2005090202A (ja) * 2003-09-11 2005-04-07 Shuwa Kensetsu Kk 地熱空気を用いた床下及び壁内換気システム
JP2007291751A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Isamu Yoshida 木造建築物の常時開放通気と通気及び通気制御の専用ゾーン別通気構造から構成される断熱通気構造体と同構造体のハイブリッド通気及び通気制御の方法。
JP3160261U (ja) * 2010-04-08 2010-06-17 株式会社シンケン 建築物の壁体構造

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001012838A (ja) * 1999-07-01 2001-01-19 Kuroiwa Tetsuhiko Toshi Kenchiku Sekkeishitsu:Kk 冷却部材と冷却建物
JP2002167876A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 建物の防腐防蟻構造及びその建物
JP2002235385A (ja) * 2001-02-09 2002-08-23 Fukuchi Kenso:Kk 空気多層断熱層の取り付け構造
JP2003073178A (ja) * 2001-08-30 2003-03-12 Nittetsu Mining Co Ltd 軽量石膏成形体
JP2005090202A (ja) * 2003-09-11 2005-04-07 Shuwa Kensetsu Kk 地熱空気を用いた床下及び壁内換気システム
JP2007291751A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Isamu Yoshida 木造建築物の常時開放通気と通気及び通気制御の専用ゾーン別通気構造から構成される断熱通気構造体と同構造体のハイブリッド通気及び通気制御の方法。
JP3160261U (ja) * 2010-04-08 2010-06-17 株式会社シンケン 建築物の壁体構造

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015026204A1 (ko) * 2013-08-22 2015-02-26 주식회사 자연에너지연구소 자연 건축물
KR20180099981A (ko) * 2017-02-28 2018-09-06 주식회사 캐리어냉동건설 곤충사육장
KR101965193B1 (ko) 2017-02-28 2019-04-23 주식회사 캐리어냉동건설 곤충사육장

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hu et al. A review on the application of Trombe wall system in buildings
ES2350844T3 (es) Sistema de tejado modular aislado por vacío.
EP2089661B1 (en) Low energy consumption climate control system
US9347675B2 (en) Architectural heat and moisture exchange
JP2014051874A (ja) 気密性住宅の省エネ換気システム
US20120012290A1 (en) Architectural heat and moisture exchange
US10816229B2 (en) Harvesting energy from humidity fluctuations
US20130312929A1 (en) Architectural heat and moisture exchange
JP2010111992A (ja) 外壁構造および屋根構造の空気断熱工法
JP5370880B2 (ja) 省エネルギー建物
JP2013136877A (ja) 建物の壁構造
JP2013537270A (ja) Pcmを収容する建材、及び耐候性外装材
JPS62194346A (ja) 二重通気層を有する建築構造
JP5775234B1 (ja) 省エネルギー住宅
JP4049380B2 (ja) 建物の換気システム
JP3123276U (ja) 住宅構造
JP2010189949A (ja) 建物の換気構造
JP2006200331A (ja) 基礎パッキン
JP2015222004A (ja) 建築物の局所断熱構造
JP5084407B2 (ja) 建物空調システム
JP3727229B2 (ja) 空気循環式空調システム
JP5653413B2 (ja) 省エネルギー建物
JP3180823U (ja) 二重断熱構造家屋
Chen et al. Development of an intelligent envelope system with energy recovery ventilation for passive dehumidification in summer and solar collection in winter
JPH01137042A (ja) 建築物の壁構造

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20141210

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20141211

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20150603

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20151006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151111

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160309