以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
第1実施例
図1は本発明の第1実施例を示し、図1(a)は、棟付近通気路切替装置の軒先と棟を結ぶ面の垂直断面図、図1(b)は図1(a)を軒側から見た図である。図3A,図3Bは図1の棟付近通気路切替装置を備えた建物の縦断面図を示す。
本実施例による棟付近通気路切替装置4は、例えば図3に示すように配置される。なお、いずれの図においても同じ部材には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
図3を参照すると、この建物は、断熱材と内壁材との間に空間である躯体内通気層13を形成している。そして、軒先に設けた軒通気口5bと、棟に設けた棟通気口5cの間を繋ぐように屋根下通気路をなす屋根下通気層5aを形成している。この屋根下通気層5aは、屋根下断熱材2bと、屋根材3の下に施工された二層目野地板1bの間に形成されている。なお、屋根材3としてはアスファルトルーフィングも含む。
棟付近通気路切替装置4は、棟通気口5c側において屋根下通気層5aとの連通を開閉するが、棟付近通気路切替装置4のスライド弁4aが閉状態であっても屋根下通気層5aと躯体内通気層13における一層目野地板1aと天井(又は勾配天井)9bとの間に形成された通気層部分(屋根下躯体内通気層13b)との間は常に連通している。また、屋根下空気層5aと常に連通しているこの屋根下躯体内通気層13bは例えば室内の通気口である天井面ガラリ11dに臨んでいる。なお、図3中、左右方向を南北方向とすると、棟付近通気路切替装置4を東西方向に沿って適宜の個数配置している。
この棟付近通気路切替装置4は、棟に近い部分で一層目野地板1aと屋根下断熱材2bの一部を切取り、削除した部分の棟側に軒先側と棟側の屋根下通気層5aを繋ぐ空気流路4cを確保できる通気口をなす開口部を備えた木材,発泡プラスチックなどの断熱性能が高い素材で形成されたスライド弁支持枠4bを対向配置し、対向配置するスライド弁支持枠4bの間に空気流路4cを塞ぐことが可能な平板状のスライド弁4aを気密性を保持して設置した構成としている。
図1(b)に示すように、屋根下断熱材2bと、その上方にある二層目野地板1bの間に形成された屋根下通気層5aは、二層目垂木6bの高さと同じ高さを持ち、対向するスライド弁支持枠4bの間に密着させて施工したスライド弁4aを上下にスライドさせることで、棟付近通気路切替装置4内の流路4cを開閉し、屋根下通気層5aおよび室内から棟への空気の流れを切り替える。6aは一層目垂木を示す。
なお、本発明の棟付近通気路切替装置はこの構成に限定されるものではなく、屋根下通気層5aの軒先側から(躯体内通気層を含む)室内もしくは小屋裏空間への空気の流れと、(躯体内通気層を含む)室内から棟通気口5cへの空気の流れを切替可能な装置であればこのような形状に限定されるものではなく、例えば屋根下通気層5a内に設置した板状の回転式弁や、適度な厚みを持つ中空の円筒形発泡プラスチック製の円筒の内部に内部の直径と同じサイズの発泡プラスチック製の円筒を埋め込んだ3方コック式の屋根下通気層流路切替装置などでも良い。
上記した構成の本実施例による棟付近通気路切替装置4の使用方法を以下に説明する。
冬の日中(昼)に太陽エネルギーよって暖められた屋根下通気層5a内の暖気、および夏の夜に屋根からの放射冷却により冷やされることで形成される屋根下通気層5aの冷気、を室内に取込みたい場合は、スライド弁4aを押し上げて流路4cを閉じることで、屋根下通気層5aと躯体内通気層を含む室内あるいは小屋裏空間の流路を確保する。
一方、夏の日中(昼)に室内の熱気を排除したい場合は、スライド弁4aを引き下げて流路4cを開くことで、室内あるいは小屋裏空間からの流路を棟通気口5cに接続し、暖められて上昇力を持った屋根下通気層5a内の熱気と共に棟通気口5cより排出する。
第2実施例
図2は本発明の第2実施例を示す。
図4A,図4Bは図2の縦方向における空気の流通を行う空気流通装置である空気循環装置7を備えた建物の縦断面図を示す。
図2において、本実施例による空気循環装置7は、上下両端がそれぞれ開口した筒部材により構成された空気流通筒をなす空気循環筒7bを例えば図4に示すように建物内に縦方向に配置している。この空気循環筒7bは、例えば図4に示す床下空間15と室内空間14および小屋裏空間16をそれぞれ通り、頂部通気口8aを貫通し、例えば図1で説明した棟付近通気路切替装置4に対向する位置まで延びている。
この空気循環筒7b内の下部には送風ファン7aを、上部には頂部開閉弁7dを設けており、空気循環筒7bの側壁面には室内通気口7cが形成されている。この室内通気口7cは、室内に臨むように開口されている。
送風ファン7aは、建物の内部容積により、毎時内部容積の半分程度の最大送風量を持ち逆送可能なものとするが、風量調節も可能なものが望ましい。空気循環筒7bは、合板、グラスファイバーなど適度な強度を持つ材質で出来ており、内部に発泡プラスチックなどの断熱材を持つものが望ましい。室内通気口7cは、プラスチック製もしくは金属製のスライド式あるいは回転式の開閉可能窓あるいはガラリとする。頂部開閉弁7dは、例えばスライド式あるいは回転式であり、発泡プラスチックもしくは木材などの比較的軽量の素材が望ましい。
上記した構成の本実施例による空気循環装置7の使用方法を以下に説明する。
冬の日中、太陽エネルギーよって暖められた屋根下通気層5a内の暖気、および夏の夜に屋根からの放射冷却により冷やされることで形成される屋根下通気層5a内の冷気を取込みたい場合は、頂部開閉弁7dを開き、送風ファン7aを上から下方向順方向で作動させるものとする。
この場合、頂部開閉弁7dが開放しているので、屋根下通気層5a内の暖気あるいは冷気が、送風ファン7aにより空気循環筒7b内を下方に向けて強制的に流され、床と床下断熱材との間に形成された床下躯体内通気層13cあるいは床下空間15に送られた後、外周垂直面躯体内通気層13a、屋根下躯体内通気層13bや床に設けられたガラリ等を通して室内に送風される。
一方、夏の日中、床下の冷気を室内に送りたい時は、頂部開閉弁7dを閉じ、室内通気口7cを開放し、送風ファン7aを逆方向で作動させるものとする。
この場合、床下の冷気が送風ファン7aにより空気循環筒7b内を上昇するが、上部の頂部開閉弁7dは閉じているので、室内通気口7cを通して室内に冷気が送風される。
第1前提例
図3Aは本発明の第1前提例を示す。
図3Aに示す本前提例の建物は、図1に示した棟付近通気路切替装置4を備えると共に、躯体内通気層13を備えた床下断熱建物で、(a)は冬の昼、(b)は冬の夜、(c)は夏の昼、(d)は夏の夜での使用方法を示す。なお、図3から図6において、図中、建物の左側を南、右側を北とする。また、図3〜図6において、図中空気の流れを流線で示し、その方向は矢印の向きとする。
さらに、図3〜図6中の棟付近通気路切替装置4のスライド弁4a,送風ファン7a,室内通気口7c,頂部開閉弁7d,通気口7e,下部開閉弁7f,頂部通気口8a,排気ファン10a,機械式床下給気ファン10c,壁面ガラリ11a,床面ガラリ11b,床下断熱材面ガラリ11c,天井面ガラリ11dの開閉、運転状態を、図3から図6の(a)〜(d)に対応して下記の表1に示す(一部の装置・部材は後述)。
表1において、開閉可能な通気口・通気弁・ガラリ等に関しては、開け放した状態をO,閉じた状態をC、半開の状態をMとした。また排気ファン・給気ファン・送風ファンに関しては、その運転状況および開閉状態は、強く運転した状態をF、停止し閉じた状態をS、弱く運転した状態をMとした。
本前提例の建物は、布基礎もしくはベタ基礎12aの上に構造体12bを組み、その外側に外周垂直面断熱材2a、屋根下断熱材2bおよび床下断熱材2cを施工している。
また、構造体12bの室内側には、柱・梁などの構造材を隠す形で施工された内壁(いわゆる大壁)9a,天井もしくは勾配天井9bおよび床9c、9dが設けられ、これら内壁により室内空間14が形成され、さらに、これら内壁と断熱材(外周垂直面断熱材2a,屋根下断熱材2bおよび最下部の階の床下面断熱材2cからなる)の間に躯体内通気層13(外周垂直面躯体内通気層13a、屋根下躯体内通気層13bおよび床下躯体内通気層13cからなる)を形成している。そして、躯体内通気装置13は棟付近通気路切替装置4にまで繋げられている。
躯体内通気層13は、壁面ガラリ11a、床面ガラリ11b、および天井面ガラリ11dなどを利用して室内空間14と適度に連結されている。また、室内空間14と屋外との間で換気を行うための排気ファン10aを適宜に設置している。
さらに、床下空間15と屋外との換気を行う床下給気口10bを適宜に設けている。なお、床下給気口10bには、建物の大きさ・形状・立地条件などにより、排気ファン10aの働きを補助するための機械式床下給気ファン10cを取り付けても良い。機械式床下給気ファン10cは、開閉可能な構成としている。
なお、排気ファン10aは、個別の部屋ごとに設けても良いし、一台の送風機にダクトをつないで各部屋の排気を行うタイプでも良い。
また、本前提例では、床下空間15と床下躯体内通気層13cを繋ぐ床下断熱材面ガラリ11c、並びに建物頂部において屋根下躯体内通気層13bと室内空間14および小屋裏空間16をそれぞれ繋ぐ頂部通気口8a、ならびに屋根下躯体内通気層13bの南側(図中左側)の最上部に軒方向からの空気は流すが、棟方向からの空気の流入を防止する逆止弁8bを設けているが、頂部通気口8aは冬の昼には閉じておく。
なお、図3Aから後記する図6Bの各図においては、外周垂直面において断熱材と外壁材の間に設けた外通気層がある場合の外壁材、外通気層および外通気層下部の通気口、ならびに外周垂直面において断熱材と外壁材の間に設けた外通気層がない場合の外壁材は、図を簡略化するために省略している。
上記した本前提例の建物における棟付近通気路切替装置4、室内排気ファン10a、頂部通気口8a等の使用方法を図3A(a)に示す冬の昼、(b)に示す冬の夜、(c)に示す夏の昼、(d)に示す夏の夜についてそれぞれ以下に説明する。
図3A(a)に示す冬の昼(日中)において、屋根面に照射される太陽エネルギーを利用したい場合は、棟付近通気路切替装置4のスライド弁4aを押し上げて流路4cを閉じることで、屋根下通気層5aから北面の屋根下躯体内通気層13bを通り外周垂直面躯体内通気層13a・床下躯体内通気層13cなどの躯体内通気層 13、床面ガラリ11a・壁面ガラリ11a・天井面ガラリ11dを通して室内空間14および小屋裏空間16へと続く流路を確保する。
そして、室内排気ファン10aを作動せることで、室内空間14内を陰圧とし、屋根下通気層5aに形成された暖気を上記で確保された通気経路を通り室内空間14および小屋裏空間16内に取込み、最終的に、排気ファン10aより屋外に排出する。この際、躯体内通気層13内における空気の流れを確保するために、床下断熱材面ガラリ11cは閉じておく。なお、床下給気口10bは開放しておいて構わないが、地面からの防湿措置が取られていて床下空間15において結露の恐れがない場合には閉じておいた方が地熱の有効利用が可能である。
図3A(b)に示す冬の夜において、図3A(a)に示す状態と異なるのは、床下断熱材面ガラリ11cを開放する点で、他の部分の設定は冬の昼の設定のままにしておく。そして、室内排気ファン10aを作動せることで陰圧となった室内空間14に対し、開放している床面ガラリ11bと床下断熱材面ガラリ11cを介して床下空間15から室内への空気の取込みを確保する。これにより、放射冷却により冷える屋根下通気層5aからの外気の取込みを避ける。なお、機械式床下給気ファン10cを備えた建物の場合、これを作動させることで、室内排気ファン10aを補助することもできる。
図3A(c)に示す夏の日中(昼)において、棟付近通気路切替装置4のスライド弁4aを下げて流路4cを確保する一方、頂部通気口8aおよび床下断熱材面ガラリ11cを開放する。これにより、床下空間15から躯体内通気層13および室内空間14と小屋裏空間16を通って棟通気口5cに抜ける通気路をそれぞれ形成し、煙突効果による建物内部の換気を図ることで床下空間15の冷気を室内空間14に導入する。
この際、室内排気ファン10aは、煙突効果による床下の冷気を室内に取込むための補助としてに作動させるが、煙突効果による冷気の取込みが十分な場合は止めてもよい。また機械式床下給気ファン10cを備えた建物の場合、これを作動させることで、換気効果を高めることが可能である。
図3A(d)に示す夏の夜において、図3A(c)に示す状態と異なるのは、床下断熱材面ガラリ11cを基本的には閉じておく点にある。この場合、頂部通気口8aを開放しているので、屋根下通気層5aは、室内空間14および小屋裏空間16に対して開放されている。この状態で室内排気ファン10aを作動させると、室内空間14が陰圧になるため、放射冷却により冷えた屋根下通気層5aの空気が室内空間14に導入されることになる。
この際、床下断熱材面ガラリ11cは基本的には閉じておくが、床下空間15の温度の方が屋根下通気層5aの温度よりも低い場合は、床下断熱材面ガラリ11cを開放しておいても良い。すなわち、放射冷却により冷えた屋根下通気層5aの空気をより多く利用するか、地熱を利用して冷やした床下の空気をより多く利用するかは、個々の建物の形状・立地条件による温熱環境に依存するが、本発明の建物では、機械換気の送風量やガラリの開閉具合を調整することで、最適の条件を得ることができる。
第2前提例
図3Bは本発明の第2前提例を示す。
図3Bに示す本前提例の建物は、図1に示した棟付近通気路切替装置4を備えると共に、躯体内通気層13を備えた基礎断熱建物で、(a)は冬の昼、(b)は冬の夜、(c)は夏の昼、(d)は夏の夜での使用方法を示す。
図3Bに示す本前提例の建物は基礎断熱構造のため、図3Aに示す床断熱構造の建物と異なるのは、床下断熱材2cおよび床下断熱材面ガラリ11cが無く、外周垂直面断熱材2aが布基礎もしくはベタ基礎12aの基礎立ち上がり部分にまで達している点にあり、他の構造は図3Aに示した床下断熱建物と同じである。なお、棟付近通気路切替装置4は、冬の時期はスライド弁4aを閉じた状態、夏の時期はスライド弁4aを開いた状態に維持する点は、図3Aと同様で、図4〜図6に示す前提例および実施例の場合でも同様である。
本前提例の基礎断熱建物は、冬の日中に床下に放出される暖気が外周垂直面断熱材2aで囲まれた基礎コンクリート12aに蓄熱され、夜間に放出される利点ならびに、床下空間15が外気と遮断されているために床断熱工法の建物よりも冷たい床下空間15の空気を夏に利用できる利点がある。
上記した本前提例の建物における棟付近通気路切替装置4、室内排気ファン10a、頂部通気口8a等の使用方法を図3B(a)に示す冬の昼、(b)に示す冬の夜、(c)に示す夏の昼、(d)に示す夏の夜についてそれぞれ以下に説明する。
図3B(a)に示す冬の日中において、屋根面に照射される太陽エネルギーを利用したい場合は、図3A(a)に示す床下断熱建物の冬の日中の設定と基本的に同じだが、無くなった床下断熱材2cおよび床下断熱材面ガラリ11cの代わりに床下給気口10bを閉じ状態とし、機械式床下給気ファン10cを閉じておき、この部分から床下空間15内への外気の流入を防ぐ。
この場合、日射により暖められた屋根下通気層5aの暖気は、北面の屋根下躯体内通気層13bおよび外周垂直面躯体内通気層13aを通して床下空間15に導入され、床下の外気よりも暖かい空気と混合した上で室内空間14に導入されるため、冷たい冬の外気と混ざることはない。
図3B(b)に示す冬の夜の設定は、図3A(b)に示す床下断熱工法建物の冬の夜の設定と基本的に同じだが、無くなった床下断熱材2cおよび床下断熱材面ガラリ11cの代わりに、床下給気口10bを開放するか、もしくは機械式床下給気ファン10cを作動させる。
これにより、放射冷却の起こる屋根面の下にある屋根下通気層5aからの空気の取込みを減らすと共に、外気を一旦床下に導入し、地熱を利用して暖めたものを室内空間に導入することで、自然エネルギーを有効に利用する。なお、屋根面の下にある屋根下通気層5aからの空気の取込みをなくするために、床下から導入する空気の量は、建物の形状によっても異なるが、室内排気ファン10aの排気量と見合うだけの給気を機械式床下給気ファン10cで給気すれば、理論的には屋根面の下の屋根下通気層5aからの冷気の取込は無くなる。
図3B(c)に示す夏の昼の設定は、図3A(c)に示す床下断熱建物の夏の昼の設定と基本的に同じだが、無くなった床下断熱材2cおよび床下断熱材面ガラリ11cの代わりに床下給気口10bを開放するか、もしくは機械式床下給気ファン10cを弱く作動させる。
これにより、外気を一旦床下空間15に導入し、地熱を利用して冷やした空気を煙突効果や機械送風により室内空間14に導入することで、自然エネルギーを有効に利用する。
図3B(d)に示す夏の夜の設定は、図3A(d)に示す床下断熱建物の夏の夜の設定と基本的に同じだが、無くなった床下断熱材2cおよび床下断熱材面ガラリ11cの代わりに、床下給気口10bを開放するか、もしくは機械式床下給気ファン10cを弱く作動させ、外気を一旦床下空間15に導入し、地熱を利用して冷やした空気を室内空間に導入するとともに、室内排気ファン10aを作動させ室内を陰圧にすることで、放射冷却により冷えた屋根下通気層5の空気を室内に導入する。
この際、放射冷却により冷えた屋根下通気層5aの空気をより多く利用するか、地熱を利用して冷やした床下空間15の空気をより多く利用するかは、個々の建物の形状・立地条件による温熱環境に依存するが、本発明の建物にでは、機械換気の送風量やガラリの開閉具合を調整することで、最適の条件を得ることができる。
第3前提例
図4Aは本発明の第3前提例を示す。
図4Aに示す本前提例の建物は、図1に示した棟付近通気路切替装置4および図2に示す空気循環装置7を備えると共に、躯体内通気層13を備えた床下断熱建物で、(a)は冬の昼、(b)は冬の夜、(c)は夏の昼、(d)は夏の夜での使用方法を示す。
図4Aにおいて、本前提例の床下断熱建物は図3Aと同様の躯体内通気層13を有し、図2に示した空気循環装置7を構成する空気循環筒7bが床下断熱材2cを貫通して床下空間15内に達すると共に、頂部通気口8aを貫通して躯体内通気層13の棟側の最頂部に達する縦方向に配置されている。
本前提例ではこの空気循環筒7bの周壁に床下躯体内通気層通気層13cに繋がる通気口7eを形成し、また空気循環筒7b内には、前記通気口7eの下方に床下空間15と空気循環装置7の繋がりを遮断できる下部開閉弁7fを取り付けている。
また、躯体内通気層13の最頂部には、頂部通気口8aを含む最頂通気層部8dが閉鎖部材8cにより仕切られて形成され、躯体内通気層13において最頂通気層部8dが躯体内通気層13の他の通気層部と仕切られた構造として存在している。なお、この最頂通気層部8dと屋根下通気層5aとは繋がっている。以上が本前提例の特徴的な構成で、他の構成は図3Aに示す床下断熱建物と同様である。
上記した本前提例の建物の使用方法を図3A(a)に示す冬の昼、(b)に示す冬の夜、(c)に示す夏の昼、(d)に示す夏の夜についてそれぞれ以下に説明する。
図4A(a)に示す冬の日中において、屋根面に照射される太陽エネルギーを利用したい場合は空気循環装置7の頂部開閉弁7dを開き、下部開閉弁7fを閉じ、室内通気口7cおよび床下躯体内通気層13cにつながる通気口7eを開いた状態で、送風ファン7aを上から下の順方向で作動させる。
この空気循環装置7の動作により、太陽エネルギーで暖められた屋根下通気層5a内の暖気を床下躯体内通気層13cに放出し、躯体内通気層13のその他の部分を経て室内空間14にガラリ11aおよび11bなどから導入する。この際、床下断熱材面ガラリ11cは閉じておく。
この設定で空気循環装置7を作動することにより、空気循環装置7の室内通気口7cより取込まれた建物の高い位置に集まった暖気も同時に床下に運ばれるため、建物内部の温度差が解消される利点もある。
また、空気循環装置7の頂部開閉弁7dと室内通気口7cの開き具合は、屋根下通気層5aと室内空間14の上部にたまった暖かい空気のどちらをどれだけ床下に移動させたいかによって、また建物の形状・立地条件などを顧慮して適切に調整するものとする。
本前提例による建物は、空気循環装置7を作動さることにより、より効率的に屋根下通気層5a内の暖気を建物の下部に運ぶことができるため、空気循環装置7を持たず、躯体内通気層13のみで空気を循環させる図3に示すタイプの建物よりも自然エネルギー利用上有利である。
図4A(b)に示す冬の夜においては、空気循環装置7の頂部開閉弁7dおよび下部開閉弁7fを閉じ、空気循環装置7の室内通気口7cおよび床下躯体内通気層13cに繋がる通気口7eを開いた状態として送風ファン7aを上から下の順方向で作動させる。
これにより、室内空間14の高い位置に集まった暖気を床下に運ぶことになり、建物内部の温度差を解消しつつ、屋根面の放射冷却により冷やされた屋根下通気層5aの冷気を取込むのを回避する。
また本前提例では、図3A(b)に示す冬の夜と同様に、室内排気ファン10aを作動せることで陰圧となった室内空間14に対し、床下給気口10b、床面ガラリ11bおよび床下断熱材面ガラリ11cを開放することで、地熱により暖められた比較的暖かい床下の空気を室内空間14に導入することができる。
なお、機械式床下給気ファン10cを備えた建物の場合、これを作動させることで、室内排気ファン10aを補助することも可能である。本前提例の建物は、空気循環装置7の頂部開閉弁7dを閉じることで、放射冷却により冷やされた屋根下通気層5aからの外気を空気循環装置7を介して室内空間14内に取り込むのを完全に避けることができる。このため、空気循環装置7を持たず、躯体内通気層13のみで空気を循環させる図3に示すタイプの建物よりも自然エネルギー利用上有利である。
図4A(c)に示す夏の昼においては、空気循環装置7の頂部開閉弁7dを閉じ、下部開閉弁7fを開き、室内通気口7cを開き床下躯体内通気層13cに繋がる通気口7eを閉じた状態で、送風ファン7aを下から上へと逆方向で作動させる。
これにより、外気より冷たい床下空間15の空気を空気循環装置7の室内通気口7cから室内空間14の高い位置に放出し、室内空間14を冷却すると共に、頂部通気口8a、壁面ガラリ11aおよび床面ガラリ11bを開放することで床下から棟通気口5cに繋がる通気層を形成し、煙突効果による床下の冷たい空気の室内へ導入する。
また、煙突効果により十分な換気が期待できる建物においては、排気ファン10aは、微弱ではあるがエネルギー資源の無駄遣いを減じるため、弱運転もしくは停止してもよい。
本前提例の建物は、冷たく重たい床下の空気を建物の内部空間の上部に運ぶことができる空気循環装置7を備えているため、空気循環装置7を持たず、躯体内通気層13のみで空気を循環させる図3に示すタイプの建物よりも自然エネルギー利用上有利である。
図4A(d)に示す夏の夜においては、空気循環装置7の頂部開閉弁7dを閉じ、下部開閉弁7fを開き、室内通気口7cを開き、床下躯体内通気層13cに繋がる通気口7eを閉じた状態で、送風ファン7aを下から上へと逆方向で作動させる。
これにより、外気より冷たい床下空間15の空気を空気循環装置7の室内通気口7cから室内空間14の高い位置に放出し、室内空間14を冷却する。
この際、頂部通気口8aを開き(夏季では開いている)、床面ガラリ11bを半閉じあるいは閉じた状態とし、排気ファン10aを作動させることで、外気より冷たい床下空間15および、屋根面の放射冷却により冷やされた屋根下通気層5aの空気を室内空間14にそれぞれ頂部通気口8aおよび床面ガラリ11bと床下断熱材面ガラリ11cを通して導入する。なお、放射冷却により冷えた屋根下通気層5aの空気をより多く利用するか、地熱を利用して冷やした床下の空気をより多く利用するかは、個々の建物の形状・立地条件による温熱環境に依存するが、本実施例の建物では、機械換気の送風量やガラリの開閉具合を調整することで、最適の条件を得ることができる。
第4前提例
図4Bは本発明の第4前提例を示す。
図4Bに示す本前提例の建物は、図1に示した棟付近通気路切替装置4および図2に示す空気循環装置7を備えると共に、躯体内通気層13を備えた基礎断熱建物で、(a)は冬の昼、(b)は冬の夜、(c)は夏の昼、(d)は夏の夜での使用方法を示す。本実施例において、この空気循環装置7は、図2に示す通りの構成で、下部開閉弁7fおよび床下躯体内通気層13cに繋がる通気口7eは設けられていない。
図4Bにおいて、本前提例の基礎断熱建物は図3Bと同様の躯体内通気層13を有し、図2に示した空気循環装置7を構成する空気循環筒7bが床9cを貫通して床下空間15内に達すると共に、頂部通気口8aを貫通して躯体内通気層13の棟側の最頂部に達する縦方向に配置されている。
図4Bに示す本前提例の建物は、図3Bと同様の基礎断熱構造のため、床下断熱材2cおよび床下断熱材面ガラリ11cが無く、外周垂直面断熱材2aが基礎立ち上がり部分にまでおりて来ている。したがって、本前提例の建物は、図4Aに示す床下断熱工法の建物よりも構成がシンプルになる利点がある。また、冬の日中に床下に放出される暖気が断熱材で囲まれた基礎コンクリートに蓄熱され、夜間に放出される利点、ならびに床下空間15が外気と遮断されているために床断熱工法の建物よりも冷たい床下空間15の空気を夏に利用できる利点がある。
さらに、本前提例の建物は、躯体内通気層13の最頂部には、図4Aの建物と同様に頂部通気口8aを含む最頂通気層部8dが閉鎖部材8cにより仕切られて形成され、躯体内通気層13において最頂通気層部8dが躯体内通気層13の他の通気層部と仕切られた構造となっている。なお、この最頂通気層部8dと屋根下通気層5aとは繋がっている。以上が本前提例の特徴的な構成で、他の構成は図3Bに示す基礎断熱建物と同様である。
上記した本前提例の建物の使用方法を図4B(a)に示す冬の昼、(b)に示す冬の夜、(c)に示す夏の昼、(d)に示す夏の夜についてそれぞれ以下に説明する。
図4B(a)に示す冬の日中において、屋根面に照射される太陽エネルギーを利用したい場合は、空気循環装置7の頂部開閉弁7dと室内通気口7cを開いた状態で、送風ファン7aを上から下の順方向で作動させることで、太陽エネルギーで暖められた屋根下通気層5a内の暖気を床下空間15に放出し、床面ガラリ11bから室内空間14へ導入するとともに、一部の熱を基礎コンクリート12aに蓄熱する。この際、床下給気口10bあるいは機械式床下給気ファン10cは閉じておき、暖気の外部への流出を防ぐ。
この設定では、空気循環装置7を作動することにより、空気循環装置7の室内通気口7cより取込まれた建物の高い位置に集まった暖気も同時に床下に運ばれるため、建物内部の温度差が解消される利点もある。また空気循環装置7の最下部より床下に放出される暖気は、一部床下の土間コンクリートやベタ基礎スラブコンクリートに蓄熱され、夜間に放出されることで、室内を暖める作用がある。
さらに本前提例の建物は、空気循環装置7を作動さることにより、より効率的に屋根下通気層5a内の軽い暖気を建物の下部に運ぶことができるため、対応する空気循環装置7を持たない躯体内通気層13のみを空気が循環する図3Bに示す建物よりも自然エネルギー利用上有利である。
図4B(b)に示す冬の夜においては、空気循環装置7の頂部開閉弁7dを閉じ、空気循環装置7の室内通気口7c開いた状態で、送風ファン7aを上から下の順方向で作動させて室内空間14の高い位置に集まった暖気を床下に運ぶことにより、建物内部の温度差を解消しつつ、屋根面の放射冷却により冷やされた屋根下通気層5aの冷気を取込むのを回避する。また、図3B(b)に示す冬の夜と同様に、室内排気ファン10aを作動せることで陰圧となった室内空間に対し、床面ガラリ11bを開放し床下から室内への空気の取込みを確保することで、比較的暖かい床下の空気を室内空間14に床面ガラリ11bを通して導入することができる。
なお、機械式床下給気ファン10cを備えた建物の場合、これを作動させることで、室内排気ファン10aを補助することも可能である。
本前提例の建物は、空気循環装置7に附随する頂部開閉弁7dを遮断することにより、放射冷却により冷える屋根下通気層5aからの外気の取込を完全に避けることができるので、空気循環装置7を持たない躯体内通気層13のみを空気が循環する図3Aおよび図3Bに示す前提例の建物よりも自然エネルギー利用上有利である。
図4B(c)に示す夏の昼においては、空気循環装置7の頂部開閉弁7dを閉じ、空気循環装置7の室内通気口7cを開いた状態で、送風ファン7aを下から上への逆方向で作動させる。
これにより、外気より冷たい床下空間15の空気を空気循環装置7により室内空間14の高い位置に放出し室内空間14を冷却する。
また、頂部通気口8a、壁面ガラリ11aおよび床面ガラリ11bを開放することで床下から棟通気口5cに繋がる通気層を形成し、煙突効果により床下の冷たい空気を室内へ導入する。
さらに、煙突効果により十分な換気が期待できる建物においては、排気ファン10aは、微弱ではあるがエネルギー資源の無駄遣いを減じるため、弱運転もしくは停止してもよい。
本前提例の建物は、冷たく重たい床下の空気を建物の内部空間の上部に運ぶことができる空気循環装置7を備えているため、空気循環装置7を持たない対応する図3B(c)に示す建物よりも自然エネルギー利用上有利である。
図4B(d)に示す夏の夜においては、空気循環装置7の頂部開閉弁7dを閉じ、空気循環装置7の室内通気口7cを開いた状態で、送風ファン7aを下から上への逆方向で作動させる。
これにより、外気より冷たい床下空間15の空気を空気循環装置7より室内空間14の高い位置に放出し室内空間14を冷却する。
また、頂部通気口8aを開き、床面ガラリ11bを開いた状態で、排気ファン10aを作動させることで、外気より冷たい床下空間15および、屋根面の放射冷却により冷やされた屋根下通気層5aの空気を室内空間14にそれぞれ頂部通気口8aおよび床面ガラリ11bを通して導入する。
なお、放射冷却により冷えた屋根下通気層5aの空気をより多く利用するか、地熱を利用して冷やした床下の空気をより多く利用するかは、個々の建物の形状・立地条件による温熱環境に依存するが、本発明の建物では、機械換気の送風量やガラリの開閉具合を調整することで、最適の条件を得ることができる。
第3実施例
図5Aは本発明の第3実施例を示す。
図3および図4に示す前提例では、構造体12bの室内側に躯体内通気層13を形成するように内壁を設けていたが、本実施例では、柱・梁などの構造体12bを顕わにした床下断熱建物となっている。
本実施例の床下断熱建物の基本的構成は、例えば図4Aに示す構造材を隠す形で施工された内壁(いわゆる大壁)9a、天井もしくは勾配天井9bおよび壁面ガラリ11a等がなく、頂部通気口8aの南北方向の両端が屋根下勾配面に接触して設置されていることの他は、図4Aに示された大壁工法による床下断熱建物の構成と同様である。
また,自然エネルギー利用および建物内部の換気・通気に関する設定も、図4A(a)-4A(d)に示された大壁工法の建物と同一である。
しかし、本実施例では構造材を隠す形で施工された内壁(いわゆる大壁)9a、天井もしくは勾配天井9bおよび壁面ガラリ11a等が無いため、構造材が露出し、結露の心配がなくなることがから、住宅の長寿命化がより期待できるものとなっている。
第4実施例
図5Bは本発明の第4実施例を示す。
本実施例の建物は、柱・梁などの構造体12bを顕わにした基礎断熱建物である。
本実施例の基礎断熱建物は、その基本的構成は、構造材12bを隠す形で施工された内壁(いわゆる大壁)9a、天井もしくは勾配天井9bおよび壁面ガラリ11a等がなく、頂部通気口8aの南北方向の両端が屋根下勾配面に接触して設置されていることの他は、図4Bに示した大壁工法による床下断熱建物の構成と同様である。
また、自然エネルギー利用および建物内部の換気・通気に関する設定も、図4B(a)-4B(d)に示した大壁工法の建物と同一である。
しかし本実施例では、構造材12bを隠す形で施工された内壁(いわゆる大壁)9a、天井もしくは勾配天井9bおよび壁面ガラリ11a等が無いため、構造材12bが露出し、結露の心配がなくなることがから、住宅の長寿命化がより期待できるものとなっている。
また、本実施例の建物は基礎断熱工法のため、対応する図5Aに示した建物よりも地熱を夏も冬も有効利用できる点で優れている。
第5実施例
図6Aは本発明の第5実施例を示す。
本実施例の建物は、基礎断熱構造の建物で、柱・梁などの構造体を顕わにした建物の実施例である。
本実施例の建物の基本的構成は、屋根下勾配面断熱材を設置する場合において次世代省エネ基準を満たす断熱材の厚み(住宅金融公庫次世代省エネ基準では、同基準で定める地域II−Vにおいて、高性能の断熱材を用いても90mm必要とされる)の半分程度の厚みに相当する断熱材を屋根下勾配面と最上階の天井面に分けて設置していること、および頂部通気口8aを天井に設置された断熱面に室内空間14と小屋裏空間16を繋ぐように設置したこと以外は、図5Bに示した基礎断熱構造で、かつ柱・梁などの構造体12bを顕わにした建物であって、建物の軒より上部に於いては屋根下勾配面のみに屋根下断熱材2bを設置した建物と同じ構成となっている。(なお、切褄など屋根の形状によっては、建物の軒より上部にある小屋裏外周部の垂直面などにも断熱材が施工されている。)
また、自然エネルギー利用および建物内部の換気・通気に関する設定も、図5B(a)−図5B(d)に示す場合と同様である。
さらに、本実施例では構造材12bを隠す形で施工された内壁(いわゆる大壁)9a、天井もしくは勾配天井9bおよび壁面ガラリ11a等が無いため、構造材12bが露出し、結露の心配がなくなることから、住宅の長寿命化がより期待できるものとなっている。
また、屋根下勾配面と最上階天井部分に屋根下断熱材2b、天井断熱材2dがそれぞれ設置されており、これらの断熱材2a、2dで囲まれた小屋裏空間16の空気をさらなる断熱層として利用できるため、より一層の断熱効果が期待できる。
本実施例が前述の各前提例および実施例よりも最も自然エネルギーを効率的に利用し、かつ建物の長寿命化を図れるものとなっている。この構造の場合、図には示されていないが、屋根下通気層5aに形成された暖気をより効率的に床下空間15に導くために、空気流通装置7の上部と棟付近通気路切替装置4をダクトを介して連結するのも良い。すなわち、屋根下通気層5aと空気循環筒7bの上端を直結する。
参考例
図6Bは本発明の参考例を示す。
本参考例の建物は、基礎断熱構造でかつ大壁工法を採用して躯体内通気層13を持つものである。
本参考例による建物の基本的構成は、構造材12aを隠す形で施工された内壁(いわゆる大壁)9aおよび壁面ガラリ11a等と、これらによって形成される躯体内通気層13があることの他は、図6Aに示した柱・梁などの構造体を顕わにした基礎断熱構造の建物で、かつ屋根下勾配面および最上階の天井面に設置した頂部通気口8aを室内空間14と小屋裏空間16を繋ぐように設置したものと同じである。
また、自然エネルギー利用および建物内部の換気・通気に関する設定も、図6A(a)- 6A(d)に示された建物と同様である。
しかし、構造材12aを隠す形で施工された内壁(いわゆる大壁)9a、天井もしくは勾配天井9bおよび壁面ガラリ11a等があるため、構造材12aが露出とならないことから、躯体内の通気性は確保されているが、図6Aに示す建物に比べて若干の結露が発生する心配がある。
しかしながら、本参考例の建物は、図6A(a)-6A(d)に示した建物と同様に最も自然エネルギーを効率的に利用でき、かつ大壁工法であることから、構造材に見た目の美しいものを使う必要がなくなることから、建築費の抑制が期待されるものとなっている。
また、この構造の場合においても、図には示していないが、屋根下通気層5aに形成された暖気をより効率的に床下空間15に導くために、空気循環装置7の上部と棟付近通気路切替装置4をダクトを介して連結するのも良い。
以上の各前提例および実施例において、図6Aおよび図6Bに示した基礎断熱構造の建物構成を、それぞれ図5Aおよび図4Aに示した床断熱構造の建物の構成に適用しても良い。
また、以上の各前提例および実施例に示す建物において、屋根材としては、例えば瓦・スレート・金属鋼鈑・太陽光発電モジュールなどが、外壁材としては例えば、モルタル・サイディング・金属鋼鈑などが、断熱材としては、基礎以外の部分には、発泡スチレンや発泡フェノールなど発泡プラスチック系のものが、基礎立ち上がり部分には発泡プラスチック系のものに加えて泡ガラス等が、内装材としては、石膏ボード系のものや木材などが用いられる。