JP3878636B2 - ソーラーシステムハウスの換気方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冬等に太陽エネルギーを利用するものとして、太陽で温められる空気によって暖房等を行うパッシブソーラーシステムハウスの換気方法に関するものである。
わが国の建物の熱性能は、省エネという観点からはとでも貧しいものである。夏の暑さを電力に支えられるエアコンでしのぎ、冬は寒いといって、石油をふんだんに燃やして暖房をしてきた結果、住宅や建築がエネルギー危機や二酸化炭素による地球温暖化の現象に与えた影響はとても大きなものである。
今、先進国がなすべきことは、生活のレベルを低下させることなく、生活の高度化を図りつつ、環境負荷を低減させる方法を生み出すことである。そこで、風およびその他気象条件だけではなく、外部環境条件に柔軟に対応する住居および建物を建設して室内暖房、冷房、換気、除湿、および給湯のための太陽エネルギー利用を最適化することが求められる。
出願人等は先に、下記特許文献として「ソーラーシステムハウス」の特許権を取得した。
特公平08−001336号公報「ソーラーシステムハウスおよびそれに使用するハンドリングボックス」 特公平07−116765号公報「ソーラーシステムハウス」 特公平06−070528号公報「ソーラーシステムハウス」 特許3295070号公報「ソーラーシステムハウス」 特許3274858号公報「ソーラーシステムハウス」 特許3182544号公報「ソーラーシステムハウス」 特許3134118号公報「ソーラーシステムハウス」 特許3066456号公報「ソーラーシステムハウス」
前記特許文献のソーラーシステムハウスは、図14に示すように、カラー鉄板の金属製屋根板1の直下に屋根勾配を有する空気流路2を形成し、この空気流路2の一方の端は軒先等に空気取入口3として開口し、さらに空気流路2の他方の端は集熟ダクトとしての棟ダクト4に連通させる。
内部に逆流防止ダンパー6、集熱用ファン7及び流路切換えダンパー(排出側)8を設けたハンドリングボックス5を屋根裏空間である小屋裏29に設置し、ハンドリングボックス5の流路切換えダンパー(排出側)8の流出側の一方は排気ダクト9により屋外に開口する。
また、ハンドリングボックス5の逆流防止ダンパー6の流入側を接続ダクト32を介して前記棟ダクト4に連通させ、流路切換えダンパー(排出側)8の流出側の他の一方を立下りダクト10の上端に連結する。立下りダクト10の下端は床下蓄熱体としての土間コンクリート11と床パネル12との間の空気流通空間13に開口した。さらに、該空気流通空間13から室内への床吹出口14を設けた。
ハンドリングボックス5の内部またはハンドリングボックス5と棟ダクト4との間にお湯とりコイル15を設け、このお湯とりコイル15は循環配管16で貯湯槽17および循環ポンプ19と連結し、該貯湯槽17には、追焚き用の給湯ボイラー18を途中へ設けて、風呂や洗面所、台所へとつながる給湯配管21を接続する。
このようにして、太陽光で加熱された金属板である屋根板1が、空気流路2へ入った外気を温め、この温められた空気は屋根勾配に沿って上昇する。そして、この加熱空気は棟ダクト4に集められてから集熱用ファン7によりハンドリングボックス5に入り、ハンドリングボックス5から立下りダクト10内へ流下し、蓄熱土間コンクリート11と床パネル12との間の空気流通空間13へ入る。この空気流通空間13では加熱空気が床パネル12を介して直接床面下を温めるのと、蓄熱土間コンクリート11に蓄熱させるのと床吹出口14から温風として直接室内20へ吹出させるのとの3通りの暖房作用を行う。
一方、お湯とりコイル15で、ここに循環配管16を介して貯湯槽17から循環ポンプ19によって送り込まれる熱媒が加熱され、湯として貯湯槽17へ蓄えられ、さらにここから必要に応じて追焚き用の給湯ボイラー18で再加熱されて給湯配管21から各所へ給湯される。
これらの特許文献のソーラーハウスの特徴は、まず、屋根で集熱するものであることである。太陽エネルギーのエネルギーとしての特徴とは何かといえば、それは、「うすく、ひろく、まんべんなく」という点といえる。石油で得られる熱のように、集中的高温ではないことは、大規模で集中的な発電には不向きである。つまり、太陽エネルギー利用は、一つ一つの建物が、その「屋根」を利用すること、それがもっとも現実的であり、エネルギーのもつ特徴にもよく合っている。そこで、一番太陽を広く受ける「屋根」で、太陽エネルギーを集め、建物の中に取り込むものである。
地域における建物の高度制限がきびしく、たとえそのために、室内に日照を得られないとしても、たいがい「屋根」には、太陽エネルギーが豊かに降り注いでいる。つまりこの利用は、屋根本来の雨風を防ぐ「シェルター」という機能に、「熱を取り込む」という新しい機能を加えたものである。
次の特徴として、空気で熱を移送することである。室内に熱を取り込むとき、広く行われているのが、水に移し替える方法である。前記特許文献のソーラーシステムハウスは、水の替わりに、「空気」を暖かくして取入れるものである。水集熱には多くの難しい面があるためである。一滴の水も漏れないようにしなければならないこと、太陽エネルギーにより水の沸騰がしばしば起こり、その沸騰の蒸気圧に耐えなければならないこと、凍るという現象が起こること、さらに管の膨張収縮を起こすことなどが挙げられる。これに対して空気は、少しぐらいは漏れても誰にも迷惑をかけない、何より気付かない。また、空気は気体だから沸騰することはありえない。このことから、空気を使うことは、たいへん安心である。
ところで、改正された建築基準法では健康的な生活をするために必要な建物の換気(1時間に0.5回、[その建物の体積分(気積という)]の空気が2時間に1回外部の空気と入れ代わること)を行うことと定めている。前記ソーラーシステムハウスでも同様であるが、このような換気については格別考慮されたものがなかった。
前記換気を満足させるためには、機械的換気設備を設置して24時間換気を行う。そのためには24時間換気扇を設置することになる。
また、1時間に0.5回の換気量を計量的に行い、かつ計画的な換気と空気の流れを作るためにはどうしても可能な限りの気密性が建物に要求される。
前記ソーラーシステムハウスにおいては、気密性については比較的満足したものが多い。
しかし、前記ソーラーシステムハウスに24時間機械換気設備としての24時間換気扇を設けた場合に、集熱運転をしている時にこの換気扇を併用するのでは、折角暖めた空気が、外部に漏れていく事となり、室内が安定した温度環境を維持するなどは不可能である。
また、単純に換気扇を設けて外気の取入、あるいは室内空気の排出を行うのでは、冬の時期は室内が寒くなってしまう。
なお、太陽熱による小さな暖房エネルギーを建物全体に送り届けるためには計画的な換気による空気の流れを作る必要が有る。
本発明の目的は、このような事情を考慮して、風およびその他の気象条件だけではなく、外部環境条件に柔軟に対応する住居および建物を建設して室内暖房、冷房、換気、除湿等の太陽エネルギー利用を最適化することができるというパッシブソーラーシステムハウスの利点を生かしながら、建築基準法で定められた健康的な生活をするために必要な建物の換気を熱ロスを防いで効率的に得ることができるソーラーシステムハウスの換気方法を提供することにある。
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、屋根板の直下に、一方の端は空気取入口として開口屋根と同様の勾配を有する空気流路を形成してなる太陽熱集熱部を設け、この太陽熱集熱部に、集熱用ファンを内部に配設したハンドリングボックスを集熱ダクトを介して接続させ、さらに、ハンドリングボックスには床下への立下りダクトおよび屋外への排気ダクトまたはリターンダクトを接続し、前記空気取入口から太陽熱集熱部を経て得た屋外の空気を集熱用ファンで立下りダクトを介して室内に送り込むパッシブソーラーハウスにおいて、外の空気を室内に取入れる給気と、室内の空気を室外に排気する排気と2つの換気の役割を同時に果たし、排気のみの運転も可能な熱交換形換気扇を室内と屋外に開口する、給気管と排気管の交点に位置するように設け、前記集熱用ファンによる集熱取入時または涼風取入時には、熱交換形換気扇は排気のみの運転を行い、それ以外は、熱交換形換気扇により、室内側から排気される空気の熱を、室外から給気された空気に移動させることを要旨とするものである。
請求項1記載の本発明によれば、冬の昼の集熱時には、太陽光で加熱された金属板である屋根板が、空気流路へ入った外気を温め、この温められた空気は屋根勾配に沿って上昇する。そして、この加熱空気は棟ダクトに集められてから集熱用ファンによりハンドリングボックスに入り、ハンドリングボックスから立下りダクト内へ流下し、床下へ入る。この加熱空気が直接床面下を温めるのと、床下からの吹き出し口から温風として直接室内へ吹出させるのとの2通りの暖房作用を行う。
また、夏の夜間に集熱用ファンを運転し、夜間の冷気を屋根板の直下の空気流路に取り込み、屋根面からの放射冷却も作用させ、この空気を立下りダクトを介して床下に送り、床下の吹き出し口から室内へ吹出させる。
このような冬の昼の集熱時や夏の夜間の空気の取り込みを、換気として見た場合は、押し込み型、いわゆる静圧型の換気として扱うことができる。すなわち、前記室内へ吹き込む量に対応して室内の空気を外へ排気する必要があるが、熱交換形換気扇が排気のみの運転を行い、これに応じる。
また、集熱用ファンの停止時、あるいは、排気運転時などは、ハンドリングボックスから外気からの給気が行われない場合には、熱交換形換気扇により、室内側から排気される空気の熱を、室外から給気された空気に移動させ、新鮮な空気を、熱損失が少ない状態で得ることができる。
請求項2記載の本発明は、屋根板の直下に、一方の端は空気取入口として開口屋根と同様の勾配を有する空気流路を形成してなる太陽熱集熱部を設け、この太陽熱集熱部に、集熱用ファンを内部に配設したハンドリングボックスを集熱ダクトを介して接続させ、さらに、ハンドリングボックスには床下への立下りダクトおよび屋外への排気ダクトまたはリターンダクトを接続し、前記空気取入口から太陽熱集熱部を経て得た屋外の空気を集熱用ファンで立下りダクトを介して室内に送り込むパッシブソーラーハウスにおいて、外の空気を室内に取入れる給気と、室内の空気を室外に排気する排気と2つの換気の役割を同時に果たす熱交換形換気扇を室内と屋外に開口する、給気管と排気管の交点に位置するように設け、屋外に開口する地中を通るクールチューブである床下ダクトによる床下給気口を設け、この床下ダクトにダンパーを設け、屋外の空気を集熱用ファンで立下りダクトを介して床下に導かない夏の昼間には、前記ダンパーを開き、床下給気口より床下空間を介して換気を行い、また、熱交換形換気扇により、室内側から排気される空気の熱を、室外から給気された空気に移動させることを要旨とするものである。
請求項2記載の本発明によれば、前記請求項1記載の効果に加えて、夏の昼間には、外気を床下給気口より床下空間を介しても室内に取入れることができる。
また、冬の夜の空気の取り込みは、地中を通ることで、地熱でプレヒートして寒さを和らげる。その結果、室内の温度低下を助長するようなおそれはない。また、夏の昼間の空気の取り込みは、地熱で冷やしたものとできる。空調器の負荷を助長するようなことはない。
請求項3記載の本発明は、屋根板の直下に、一方の端は空気取入口として開口屋根と同様の勾配を有する空気流路を形成してなる太陽熱集熱部を設け、この太陽熱集熱部に、集熱用ファンを内部に配設したハンドリングボックスを集熱ダクトを介して接続させ、さらに、ハンドリングボックスには床下への立下りダクトおよびリターンダクトを接続し、前記空気取入口から太陽熱集熱部を経て得た屋外の空気を集熱用ファンで立下りダクトを介して室内に送り込むパッシブソーラーハウスにおいて、ハンドリングボックスに集熱ダクトへのリターンダクトを接続し、このリターンダクトと前記立下りダクトへの流路を切換える流路切換えダンパーを設け、前記ハンドリングボックスに室内に開口する吸気ダクトまたは吸気口を前記集熱ダクトとはダンパーで切換え可能に設け、屋外に開口する床下ダクトまたはクールチューブダクトから外気を取入れる際には室内に開口する吸気ダクトまたは吸気口を開き、室内の空気をハンドリングボックスからリターンダクト、太陽熱集熱部を経て、リターンダクトを介して空気取入口から屋外に排気することを要旨とするものである。
請求項3記載の本発明によれば、床下給気口より取り込んだ外気を室内へ取り込み、さらに、室内の空気を吸気口または吸気ダクトからハンドリングボックスに取り込み、太陽熱集熱部を経て軒先等の空気取入口から排気することで屋根部分を冷ますことができ、同時に室内に吸引力を与えて、屋外に開口する床下ダクトまたはクールチューブダクトから室内への空気の取り込みをスムーズにすることができる。
本発明のソーラーシステムハウスの換気方法は、風およびその他の気象条件だけではなく、外部環境条件に柔軟に対応する住居および建物を建設して室内暖房、冷房、換気、除湿等の太陽エネルギー利用を最適化することができるというパッシブソーラーシステムハウスの利点を生かしながら、建築基準法で定められた健康的な生活をするために必要な建物の換気を熱ロスを防いで効率的に得ることができるものである。
以下、図面について本発明の実施形態を詳細に説明する。図1〜図4は本発明のソーラーシステムハウスの換気方法の第1実施形態を示すもので、ソーラーシステムハウスの基本的な構造は前記特許文献1〜8のソーラーシステムハウスとほぼ同様である。
カラー鉄板の金属製屋根板1の直下に屋根勾配を有する空気流路2を形成し、この空気流路2の一方の端は軒先等に空気取入口3として開口し、さらに空気流路2の他方の端は集熟ダクトとしての棟ダクト4に連通させる。また、空気流路2を形成する屋根板1の上方部分(屋根の高所)をガラス31で覆い、風等の影響を受けずに太陽光の熱を屋根板1に受けられるようにした。
内部に流路切換えダンパー(吸入側)22、集熱用ファン7及び流路切換えダンパー(排出側)8を設けたハンドリングボックス5を小屋裏29等に設置し、ハンドリングボックス5の流路切換えダンパー8(排出側)の流出側の一方は排気ダクト9により屋外に開口する。
前記流路切換えダンパー(吸入側)22は一端を軸支したチャッキダンパーとして室内に開口するダクト53と棟ダクト4に連通する接続ダクト32からの流路を切換えるものとする。
流路切換えダンパー(排出側)8の流出側の一方は排気ダクト9により屋外に開口し、流出側の他の一方を立下りダクト10の上端に連結する。立下りダクト10の下端は床パネル12の下の空気流通空間13に開口した。さらに、該空気流通空間13から室内への床吹出口14を設けた。
以上は従来のソーラーシステムハウスと同様であるが、本発明は小屋裏29等に外の空気を室内に取入れる給気と、室内の空気を室外に排気する排気と2つの換気の役割を同時に果たす熱交換形換気扇50を設けた。図中51は室内20と屋外に開口する給気管、52は排気管で、熱交換形換気扇50はこれら給気管51と排気管52の交点に位置する。
図8に熱交換形換気扇50の原理を示す。ダンボールを重ねたような形状の熱交換コアを用いて温度の異なる空気を交差する2方向より相互にコア内に送風して熱交換を行う。図5〜図7に熱交換形換気扇50の概要を示す。この熱交換形換気扇50はファンの「強/弱」の切替が可能である。(有効換気量 常時(強)運転で約100m/h、弱はその3分の2程度)
図1に示すように、冬の昼の集熱時には、太陽光で加熱された金属板である屋根板1が、空気流路2へ入った外気を温め、この温められた空気は屋根勾配に沿って上昇する。そして、この加熱空気は棟ダクト4に集められてから集熱用ファン7によりハンドリングボックス5に入り、ハンドリングボックス5から立下りダクト10内へ流下し、床下へ入る。この加熱空気が直接床面下を温めるのと、床吹出口14から温風として直接室内へ吹出させるのとの2通りの暖房作用を行う。
また、夏の夜間に集熱用ファン7を運転し、夜間の冷気を屋根板の直下の空気流路2に取り込み、屋根面からの放射冷却も作用させ、この空気を立下りダクト10を介して床下に送り、床吹出口14から室内へ吹出させる。
冬の昼、夏の夜の集熱取入時、あるいは涼風取入時は、換気として見た場合は、押し込み型、いわゆる静圧型の換気として扱うことができる。すなわち、前記室内へ吹き込む量に対応して室内の空気を外へ排気する必要があるが、熱交換形換気扇50が排気のみの運転を行い、これに応じる。
図2に示すように、取入停止時、あるいは、排気運転時などはハンドリングボックス5からは外気の給気が行われない。この場合は熱交換形換気扇50を運転し、給気管51により外の空気を室内20に取入れ、排気管52で室内20の空気を室外に排出する。
図3は夏の時期を示し、室内外の温度差が小さいので自然換気量は見込めない。熱交換形換気扇50は常時(強)運転で作動させる。
図4は冬の時期を示し、室内外の温度差が大きいので、一定の自然換気量が見込める。従って、熱交換形換気扇50は弱で運転する。
図9は本発明の第2実施形態を示すものである。ソーラーシステムハウスは傾斜する屋根を有するものであり、屋根は太陽熱の集熱部分として、カラー鉄板の金属製屋根板1の直下に屋根勾配を有する空気流路2を形成した。この空気流路2の下側は断熱材で遮蔽し、また、この空気流路2の一方の端は軒先等に空気取入口3として開口した。さらに空気流路2の他方の端は屋根の高い部分、例えば棟部分に位置させて空気流出口とし、これに集熟ダクトとしての棟ダクト4に連通させる。
この棟ダクト4は本実施形態では外付けタイプとして屋根上に設置するものであり、断面が矩形の横長のボックスである。
このような屋根で太陽熱を集熱した空気を導く床下部分として、床パネル12の下に空気流通空間13を設け、さらに、該空気流通空間13から室内への床吹出口14を設けた。床吹出口14は本実施形態では家具巾木吹出口として構成し、その存在を目立たなくした。
前記空気流通空間13では加熱空気が床パネル12を介して直接床面下を温めるのと(床暖房)、床吹出口14から温風として直接室内へ吹出させるのとの2通りの暖房作用を行うようにした。
また、これら太陽熱を集熱する部分と、太陽熱を蓄熱・放熱部分する部分とを結ぶものとしてハンドリングボックス5を屋内に設置した。
棟ダクト4とハンドリングボックス5は、接続ダクト32およびリターンダクト54で接続する。
このハンドリングボックス5は、室内20(屋内)に開口する吸気口27または吸気ダクトを設け、内部に逆流防止ダンパーを兼ねる流路切換えダンパー(吸入側)22、集熱用ファン7及び流路切換えダンパー(排出側)8を設けた断熱製のボックスである。
前記流路切換えダンパー(吸入側)22は一端を軸支したチャッキダンパーとしてこの吸気口27と接続ダクト32からの流路を切換えるものとする。流路切換えダンパー(排出側)8の流出側はリターンダクト54と立下りダクト10とを切換えるもので、立下りダクト10の下端は床パネル12の下の空気流通空間13に開口した。
屋根の上にはアモルファスシリコンによる太陽光発電モジュール(系統連携用)30aと、太陽光発電モジュール(DCハンドリング用)30bを設置する。また、空気流路2を形成する屋根板1の上方部分(屋根の高所)をガラス31で覆い、風等の影響を受けずに太陽光の熱を屋根板1に受けられるようにした。
さらに、屋外に開口する床下給気口24を形成する床下に通じるダクトを地中を通るクールチューブ38として設け、このクールチューブ38の他端または中間にはダンパー39とファン40を内蔵したハンドリングボックス41を設置する。図示の例では、ハンドリングボックス41からダクト42を延設し、その先端を床下に開口する。図中43はクールチューブスイッチである。
なお、クールチューブ38の代わりに、床下ダクトによる床下給気口を設け、この床下ダクトの他端に電動ダンパーを設けるようにしてもよい。
また、天井部または小屋裏29に熱交換形換気扇50を設けた。熱交換形換気扇50の給気管51はダクト55で床パネル12の下の空気流通空間13に導く。
図10は冬モードを示すもので、冬の取り込み運転時は、太陽光で加熱された金属板である屋根板1が、軒先等の空気取入口3から空気流路2へ入った外気を温め、この温められた空気は屋根勾配に沿って上昇する。そして、この加熱空気は棟ダクト4に集められてから集熱用ファン7によりハンドリングボックス5に入り、ハンドリングボックス5から立下りダクト10内へ流下し、床下へ入る。この加熱空気が直接床パネル12を温めるのと、床吹出口14から温風として直接室内20へ吹出させるのとの2通りの暖房作用を行う。この作用を換気として見た場合は、押し込み型、いわゆる静圧型の換気として扱うことができる。
この時、熱交換形換気扇50は排気運転を行う。
図11は夏モード(昼)である。屋根板1で温められた加熱空気は全部外気に放出して捨てることが必要となる。その場合は流路切換えダンパー(吸入側)22は接続ダクト32を開くとともに、室内20(屋内)に開口する吸気口27を少し開き、流路切換えダンパー(排出側)8は立下りダクト10を閉じ、リターンダクト54を開く。
床下給気口24よりクールチューブ38を介して外気室内20にを取り込み、屋内に開口する吸気口27または吸気ダクトを開き、室内20の空気をハンドリングボックス5から逆流させ、リターンダクト54、棟ダクト4、空気流路2の屋根の太陽熱の集熱部分を介して軒先等に空気取入口3から排出する。
この場合、熱交換形換気扇50は外の空気を室内に取入れる給気と、室内の空気を室外に排気する排気と2つの換気の役割を同時に果たすが、外気を熱交換して床下に供給する。
室内20の空気を吸気口27または吸気ダクトからハンドリングボックス5に取り込み、太陽熱集熱部を経て軒先等の空気取入口3から排気することで屋根部分を冷ますことができ、同時に室内20に吸引力を与えて、床下給気口24より室内への空気の取り込みをスムーズにすることができる。
図12は冬モード(夜)で、ハンドリングボックス5の運転を停止してからは、熱交換形換気扇50が熱交換した空気を床下に供給する。
図13は夏モード(夜)で、夜間涼風取込み運転時には熱交換形換気扇50が排気運転をする。
本発明のソーラーシステムハウスの換気方法の第1実施形態を示す集熱取入時、涼風取入時の説明図である。 本発明のソーラーシステムハウスの換気方法の第1実施形態を示す取入停止時、排気運転時の説明図である。 本発明のソーラーシステムハウスの換気方法の第1実施形態を示す夏の説明図である。 本発明のソーラーシステムハウスの換気方法の第1実施形態を示す冬の説明図である。 熱交換形換気扇の平面図である。 熱交換形換気扇の正面図である。 熱交換形換気扇の側面図である。 熱交換形換気扇の原理説明図である。 本発明のソーラーシステムハウスの換気方法の第2実施形態を示す装置説明図である。 本発明のソーラーシステムハウスの換気方法の第2実施形態の冬モード(昼)を示す説明図である。 本発明のソーラーシステムハウスの換気方法の第2実施形態の夏モード(昼)を示す説明図である。 本発明のソーラーシステムハウスの換気方法の第2実施形態の冬モード(夜)を示す説明図である。 本発明のソーラーシステムハウスの換気方法の第2実施形態の夏モード(夜)を示す説明図である。 従来のソーラーシステムハウスの概要を示す縦断側面図である。
符号の説明
1…屋根板 2…空気流路
3…空気取入口 4…棟ダクト
5…ハンドリングボックス 6…逆流防止ダンパー
7…集熱用ファン
8…流路切換えダンパー(排出側)
9…排気ダクト
10…立下りダクト 11…土間コンクリート
12…床パネル 13…空気流通空間
14…床吹出口 15…お湯とりコイル
16…循環配管 17…貯湯槽
18…追焚き用の給湯ボイラー 19…循環ポンプ
20…室内 21…給湯配管
22…流路切換えダンパー(吸入側)
24…床下給気口 27…吸気口
29…小屋裏
30a…太陽光発電モジュール(系統連携用)
30b…太陽光発電モジュール(DCハンドリング用)
31…ガラス 32…接続ダクト
38…クールチューブ
39…ダンパー 40…ファン
41…ハンドリングボックス 42…ダクト
43…クールチューブスイッチ
50…熱交換形換気扇 51…給気管
52…排気管 53…ダクト
54…リターンダクト
55…ダクト

Claims (3)

  1. 屋根板の直下に、一方の端は空気取入口として開口屋根と同様の勾配を有する空気流路を形成してなる太陽熱集熱部を設け、この太陽熱集熱部に、集熱用ファンを内部に配設したハンドリングボックスを集熱ダクトを介して接続させ、さらに、ハンドリングボックスには床下への立下りダクトおよび屋外への排気ダクトまたはリターンダクトを接続し、前記空気取入口から太陽熱集熱部を経て得た屋外の空気を集熱用ファンで立下りダクトを介して室内に送り込むパッシブソーラーハウスにおいて、
    外の空気を室内に取入れる給気と、室内の空気を室外に排気する排気と2つの換気の役割を同時に果たす熱交換形換気扇を室内と屋外に開口する、給気管と排気管の交点に位置するように設け、
    前記集熱用ファンによる集熱取入時または涼風取入時には、熱交換形換気扇は排気のみの運転を行い、それ以外は、熱交換形換気扇により、室内側から排気される空気の熱を、室外から給気された空気に移動させることを特徴としたソーラーシステムハウスの換気方法。
  2. 屋根板の直下に、一方の端は空気取入口として開口屋根と同様の勾配を有する空気流路を形成してなる太陽熱集熱部を設け、この太陽熱集熱部に、集熱用ファンを内部に配設したハンドリングボックスを集熱ダクトを介して接続させ、さらに、ハンドリングボックスには床下への立下りダクトおよび屋外への排気ダクトまたはリターンダクトを接続し、前記空気取入口から太陽熱集熱部を経て得た屋外の空気を集熱用ファンで立下りダクトを介して室内に送り込むパッシブソーラーハウスにおいて、
    外の空気を室内に取入れる給気と、室内の空気を室外に排気する排気と2つの換気の役割を同時に果たす熱交換形換気扇を室内と屋外に開口する、給気管と排気管の交点に位置するように設け、
    屋外に開口する地中を通るクールチューブである床下ダクトによる床下給気口を設け、この床下ダクトにダンパーを設け、屋外の空気を集熱用ファンで立下りダクトを介して床下に導かない夏の昼間には、前記ダンパーを開き、床下給気口より床下空間を介して換気を行い、また、熱交換形換気扇により、室内側から排気される空気の熱を、室外から給気された空気に移動させることを特徴としたソーラーシステムハウスの換気方法。
  3. 屋根板の直下に、一方の端は空気取入口として開口屋根と同様の勾配を有する空気流路を形成してなる太陽熱集熱部を設け、この太陽熱集熱部に、集熱用ファンを内部に配設したハンドリングボックスを集熱ダクトを介して接続させ、さらに、ハンドリングボックスには床下への立下りダクトおよびリターンダクトを接続し、前記空気取入口から太陽熱集熱部を経て得た屋外の空気を集熱用ファンで立下りダクトを介して室内に送り込むパッシブソーラーハウスにおいて、ハンドリングボックスに集熱ダクトへのリターンダクトを接続し、このリターンダクトと前記立下りダクトへの流路を切換える流路切換えダンパーを設け、前記ハンドリングボックスに室内に開口する吸気ダクトまたは吸気口を前記集熱ダクトとはダンパーで切換え可能に設け、屋外に開口する床下ダクトまたはクールチューブダクトから外気を取入れる際には室内に開口する吸気ダクトまたは吸気口を開き、室内の空気をハンドリングボックスからリターンダクト、太陽熱集熱部を経て、リターンダクトを介して空気取入口から屋外に排気することを特徴とした請求項1または請求項2記載のソーラーシステムハウスの換気方法。
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