JP5945127B2 - 建物 - Google Patents
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Description
屋根の周辺に存在する外気を取り入れるための第一外気取入口と、
第一外気取入口から取り入れられた外気を建物内部へ供給するための第一外気供給流路と、
を備えた建物であって、
建物内部に存在する内部空気を取り入れるための内部空気取入口と、
内部空気取入口から取り入れられた内部空気を建物外部へ排出するための内部空気排出流路と、
建物内部へ供給される外気と内部空気排出流路を流れる内部空気との間で熱交換を行うための熱交換手段と、
を設けたことを特徴とする建物
を提供することによって解決される。
本発明の建物の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。本発明の建物は、屋根を有する各種の建物に適用可能であるが、なかでも、住宅として好適である。以下においては、本発明の建物を、住宅に採用した場合を例に挙げて説明する。図1は、本発明の建物における冬期日中時の空気の流れを示した図である。図2は、本発明の建物における冬期夜間時の空気の流れを示した図である。図3は、本発明の建物における夏期日中時の空気の流れを示した図である。図4は、本発明の建物における夏期夜間時の空気の流れを示した図である。図5は、本発明の建物における屋根の一例を破断して示した斜視図である。図6は、本発明の建物における屋根の他例を破断して示した斜視図である。
本実施態様において、屋根10は、図1〜4に示すように、勾配屋根となっている。屋根10は、後述する第一外気取入口20を有するのであれば、その具体的な構造は特に限定されない。本実施態様において、屋根10は、図5に示すように、その勾配方向に沿う複数本の凸部10aが所定間隔で平行に設けられた形態となっており、隣り合う凸部10aの間の区間は、凸部10aよりも低い平板部10b(凹部)となっている。本実施態様においては、野地板11の上面に防水シート12を張り、その上に複数本の縦桟13を固定し、さらにその上から上葺き材14を張ることにより、上記形態の屋根10を施工している。上葺き材14は、一般的な住宅の屋根に使用される各種のものを使用することができる。本実施態様においては、金属(ガルバニウム)製の鋼板を上葺き材14として用いている。上葺き材14は、縦桟13を覆うことができるように、縦桟13に重ねられる部分で折り曲げられた形態を有している。縦桟13に一致する箇所が上記の凸部10aとなる。
第一外気供給流路21は、第一外気取入口20から取り入れられた外気100を建物内部へ供給できるのであれば、その形態や経路などを限定されない。本実施態様においては、図1〜4に示すように、床下空間80とを結ぶ配管により第一外気供給流路21を構成している。第一外気供給流路21の上端部(吸引側の端部)は、屋根10のダクト25に接続され、第一外気供給流路21の下端部(送出側の端部)は、床下空間80に配された熱交換手段40に接続されている。第一外気供給流路21の上端部近傍には、第一フィルター90を設けている。これにより、外気100を清浄にした後、建物内部へと供給することができる。本実施態様において、第一フィルター90は、ファン付きのフィルターを使用している。このため、第一外気取入口20から取り入れられて第一外気導入流路24を流れる外気100を第一外気供給流路21へと吸引することができるようになっている。外気100を吸引するためのファン(第一ファン)は、第一外気供給流路21の他の場所、あるいは熱交換手段40に設けてもよい。ところで、第一外気供給流路21を構成する配管は、壁の中などに埋め込んで見えないようにすると、建物の室内をすっきりと見せることができる。また、この配管は、できるだけ曲がり角の少ない経路で配すると、その中で空気がスムーズに流れるだけでなく、使用する配管の本数を減らしてコストを削減できる。
第二外気供給流路22は、第二外気取入口22から取り入れられた外気101を建物内部へ供給できるのであれば、その形態や経路などを限定されない。本実施態様においては、図1〜4に示すように、建物外部と建物内部とを結ぶ配管により第二外気供給流路22を構成している。第二外気供給流路22の上端部(吸引側の端部)は、建物の一階部分の外壁から突出され、第二外気供給流路22の下端部(送出側の端部)は、第一外気供給流路21の中途部分に連結されている。第一外気供給流路21と第二外気供給流路23との連結部分には、熱交換手段40に繋がる流路を切り替えるための流路切替手段50を設けている。流路切替手段50としては、各種の切替ダンパーや切替弁を使用することができる。第二外気供給流路22の上端部近傍には、第二フィルター91を設けている。これにより、外気101を清浄にした後、建物内部へと供給することができる。本実施態様において、第二フィルター91は、ファン付きのフィルターを使用している。このため、第二外気取入口22から第二外気供給流路23へと外気101を吸引することができるようになっている。外気101を吸引するためのファン(第二ファン)は、第二外気取入口22から熱交換手段40までのいずれの箇所に設けてもよいし、外気100を吸引するためのファンと共通のものとしてもよい。第二外気供給流路22を構成する配管を壁の中などに埋め込んで見えないようにすると好ましい点や、その配管をできるだけ曲がり角の少ない経路で配すると好ましい点などは、第一外気供給流路21と同様である。
内部空気排出流路31は、内部空気取入口30から取り入れられた内部空気200を建物外部へ排出できるのであれば、その形態や経路などを限定されない。本実施態様においては、図1〜4に示すように、室内81に設けた内部空気取入口30と建物基礎に設けた内部空気排出口32とを結ぶ配管により内部空気排出流路31を構成している。内部空気排出流路31の中途部分には、第三ファン92を設けている。このため、室内81から内部空気排出流路31へと内部空気200を吸引することができるようになっている。内部空気排出流路31を構成する配管を壁の中などに埋め込んで見えないようにすると好ましい点や、その配管をできるだけ曲がり角の少ない経路で配すると好ましい点などは、第一外気供給流路21と同様である。
熱交換手段70は、建物内部へ供給される外気100,101と内部空気排出流路31を流れる内部空気200との間で熱交換を行うためのものとなっている。熱交換手段70としては、各種の熱交換器を使用することができる。なかでも、全熱交換器を使用すると好ましい。熱交換手段70として好適な全熱交換器としては、回転型全熱交換器や静止型全熱交換器が例示される。特に、回転型全熱交換器は、熱交換効率が高いために最適である。熱交換手段70の熱交換効率は、70%以上であると好ましく、80%以上であるとより好ましく、90%以上であるとさらに好ましい。本実施態様において、熱交換手段70には、熱交換効率が90%の熱交換器を用いている。
続いて、本実施態様の建物における換気方法について、図1〜4を参照しながら説明する。まず、冬期(図1,2)における換気方法について説明する。図1は、冬期の日中における空気の流れを示した図であり、図2は、冬期の夜間における空気の流れを示した図である。本実施態様の建物は、冬期においては、以下のように換気される。すなわち、屋根10付近の第一外気取入口20から取り入れられた外気100の温度T1が、建物下部の周辺の外気101の温度T2よりも高い場合(日中)には、図1に示すように、屋根10の周辺に存在する外気100が第一外気供給流路21を通じて建物内部(床下空間80)へ供給される。日中は、第一外気導入流路24を流れる際に外気100が太陽熱により暖められるため、温度T1が温度T2よりも高くなる。一方、温度T1が温度T2よりも低い場合(夜間)には、図2に示すように、建物下部の周辺に存在する外気101が第二外気供給流路23を通じて建物内部(床下空間80)へ供給される。夜間は、放射冷却により、温度T1が温度T2よりも低くなる。
10a 凸部
10b 平板部(凹部)
11 野地板
12 防水シート
13 縦桟
14 上葺き材
20 第一外気取入口
21 第一外気供給流路
22 第二外気取入口
23 第二外気供給流路
24 第一外気導入流路(隙間)
25 ダクト
26 窓
27 開閉ダンパー
30 内部空気取入口
31 内部空気排出流路
32 内部空気排出口
40 熱交換手段
50 流路切替手段
60 第一温度センサ
61 第二温度センサ
62 第三温度センサ
70 太陽光発電パネル
71 集熱パネル
80 床下空間
81 室内
90 第一フィルター
91 第二フィルター
100 屋根の周辺に存在する外気
101 建物下部の周辺に存在する外気
200 内部空気
Claims (3)
- 屋根の周辺に存在する外気を取り入れるための第一外気取入口と、
第一外気取入口から取り入れられた外気を建物内部へ供給するための第一外気供給流路と、
を備えた建物であって、
建物下部の周辺に存在する外気を取り入れるための第二外気取入口と、
第二外気取入口から取り入れられた外気を建物内部へ供給するための第二外気供給流路と、
建物内部に存在する内部空気を取り入れるための内部空気取入口と、
内部空気取入口から取り入れられた内部空気を建物外部へ排出するための内部空気排出流路と、
第一外気取入口及び第二外気取入口から取り入れられて建物内部へ供給される外気と内部空気排出流路を流れる内部空気との間で熱交換を行うための熱交換手段と、
第一外気供給流路を流れる外気の温度T 1 を検知するための第一温度センサと、
第二外気供給流路を流れる外気の温度T 2 を検知するための第二温度センサと、
建物内部に供給される外気を、第一外気供給流路を流れる外気と第二外気供給流路を流れる外気とで自動的に切り替えるための流路切替手段と、
を設け、
冬期において、
温度T 1 が温度T 2 よりも高い場合には、屋根の周辺に存在する外気が第一外気供給流路を通じて建物内部へ供給され、
温度T 1 が温度T 2 よりも低い場合には、建物下部の周辺に存在する外気が第二外気供給流路を通じて建物内部へ供給されるようにするとともに、
夏期において、
温度T 1 が温度T 2 よりも高い場合には、建物下部の周辺に存在する外気が第二外気供給流路を通じて建物内部へ供給され、
温度T 1 が温度T 2 よりも低い場合には、屋根の周辺に存在する外気が第一外気供給流路を通じて建物内部へ供給されるようにした
ことを特徴とする建物。 - 内部空気排出流路を流れる内部空気の温度T 3 を検知するための第三温度センサをさらに備え、
冬期において、
温度T 1 が温度T 3 よりも高い場合には、熱交換手段を通さずに外気を建物内部に供給し、
温度T 1 が温度T 3 よりも低い場合には、熱交換手段を通してから外気を建物内部に供給するようにするとともに、
夏期において、
温度T 1 ,T 2 が温度T 3 よりも低い場合には、熱交換手段を通さずに外気を建物内部に供給し、
温度T 1 ,T 2 が温度T 3 よりも高い場合には、熱交換手段を通してから外気を建物内部に供給するようにした
請求項1記載の建物。 - 屋根が太陽光発電パネルによって覆われ、
第一外気取入口から取り入れられた外気を第一外気供給流路へ導入するための第一外気導入流路が太陽光発電パネルの下面と屋根の上面との隙間に設けられた請求項1又は2記載の建物。
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