JP2013136405A - 自動包装適性に優れた無塵包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】高度なクリーン度が要求される電子材料部品等を包装する無塵包装袋について、自動包装機による自動包装適性を改善する。
【解決手段】表面にエンボス処理が施されたポリエステルフィルムからなる最外層4を有する基材層3と最内層にシーラント層2を有する電子部品等包装用の無塵包装袋であって、最外層ポリエステルフィルム同士の静摩擦係数(μ)が0.40以下、動摩擦係数(μ)が0.35以下であり、且つ最外層ポリエステルフィルムの表面粗さ(Ra)が0.10〜0.40μmであり、基材層3の内部または最内面に帯電防止剤を含むプライマー層または接着層を形成し、最外層フィルムの表面の摩擦帯電圧試験での初期帯電圧のピーク値が絶対値で2.0kV以下であるものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばシリコンウエハー、化合物半導体ウエハー、ハードディスク等が装填されたウエハーケースなどの電子材料部品あるいは電子材料製品を包装するのに好適に用いられる無塵包装袋に関し、さらに詳しくは自動包装適性に優れた包装袋に関する。
シリコンウエハー、化合物半導体ウエハー(例えばガリウム・リンウエハー等)、ハードディスク等の電子材料は、クリーン度の要求が極めて高い。そのため、例えば前記シリコンウエハー、化合物半導体ウエハー、ハードディスク等のディスク状の製品は、クリーンに洗浄されたボックス状樹脂ケースに収納された後に、ポリエチレンをシーラント層とする積層体からなるクリーンな包装袋で包装されるのが一般的である。このようにして電子材料製品を包装した包装袋において、内部の樹脂ケースの機密性が欠ける場合には、輸送過程における周囲環境の圧力変化によって樹脂ケースの内外で空気の出入りが生じる、いわゆる呼吸現象が発生する。例えば、航空貨物として空港内において高温環境の倉庫内で一時保管される場合や、航空貨物として航空機の貨物室内に収容されて上空で減圧になった場合に圧力変化によって呼吸現象が発生する。このような呼吸現象が生じると包装袋の特に最内層に存在するイオン不純物や浮遊粒子が樹脂ケース内に収納されているクリーンな電子材料の表面に付着して電子材料が汚染されてしまう。従って、包装袋の最内層のシーラント層は、イオン不純物の含有量や浮遊粒子の付着量が少ないものであることが強く要求されている。
しかして、このような要求に応え得るものとして、本出願人は、先に下記特許文献1,2に示すような無塵包装袋用積層体を提案した。
即ち、特許文献1は、半減期が150〜200℃の範囲の過酸化物系ラジカル開始剤単体あるいはこれらの2種類以上を複合して用いた高圧ラジカル重合法によって製造されたメルトフローレートが0.3〜5g/10分である密度0.92g/cm以下の低密度ポリエチレンフィルムをシーラント層に用いた包装袋用積層体を提案するものである(特許文献1の請求項4参照)。
また、特許文献2は、メタロセン触媒を重合触媒に用いて製造された直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体を含有してなる密度0.925〜0.935g/cmの添加剤を含有しないフィルムをシーラント層に用いた包装袋用積層体(特許文献2の請求項1参照)、あるいはチーグラー触媒を重合触媒に用いて製造された直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体がイオン不純物除去操作を経て含有イオン不純物が低減または除去された直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体を含有してなる密度0.925〜0.935g/cmの添加剤を含有しないフィルムをシーラント層に用いた包装用積層体(特許文献2の請求項2参照)を提案するものである。
一方において、前述のとおりシリコンウエハー、化合物半導体ウエハー、ハードディスク等のディスク状の製品を入れたボックス状樹脂ケースは、自動梱包機により、クリーンな無塵包装袋によって自動包装されるのが一般的である。このとき自動梱包機の供給ステージに積み上げられた空袋は、自動給袋装置の吸盤等で一袋毎に取り出され、自動で開口され、そして上記樹脂ケースを装填したのち密封される。
また、上記に使用される無塵包装袋は、内袋にポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン系のプラスチックフィルムの積層体が使用され、外袋にアルミニウム箔やシリカ蒸着ポリエステル等のバリア層を有した積層体を使用して、内外二重包装されるのが普通である。
ところが、これらの包装袋は、基本的に合成樹脂フィルムによる積層体からなるものであることにより、静電気が起きやすく帯電しやすい。殊に工場内が低湿度に管理されているシリコンウエハー、化合物半導体ウエハー、ハードディスク等の工場では一層帯電しやすい。このため上記の自動梱包に際し、スタッキング状態にプールされている無塵包装袋を自動給袋装置の吸盤で一枚毎に取り出す時に、袋同士が静電気によって吸着し、吸盤で袋を持ち上げた際に下の袋もくっついてしまう空袋付着現象が生じて、包装袋をうまく一枚毎に取り出せないとか、付着しないまでも下の袋の位置がずれてしまう等の工程トラブルが発生しやすかった。
このような静電気障害の防止あるいは回避のために、包装袋を構成する積層体に静電気防止対策を施すことは当然に考慮される。
ところが、従来この種の無塵包装袋について提案されている静電気防止対策技術は、下記特許文献3,4,5に記載されるように、主として、移送中に発生する静電気によって内容物、即ち高度なクリーン度が要求される電子材料部品等に悪影響が及ぶのを防止することを目的として、包装袋の外面にアンチモン含有酸化スズ微粒子を分散した導電インキ層を形成するとか(特許文献3参照)、あるいは積層体の構成材料中に、金属粉、カーボンのような無機系物質、シリコーン系化合物、界面活性剤等の帯電防止剤を添加するとか(特許文献4参照)、更には上記のような帯電防止剤を含む組成物により、積層体の外表面等に塗膜あるいは成膜による帯電防止層を形成する(特許文献5参照)というものであり、自動包装機の自動給袋装置による搬送適性を改善することを所期目的とするものではないのはもとより、上記のような従来公知の静電気防止対策技術では、金属イオン等のイオン不純物や浮遊粒子を発生するおそれがあり、本来の無塵包装袋としての機能を大きく損ねるおそれがあるため、到底好適に採用しうるところではなかった。
また、特許文献6,7に見られるように、包装用のポリエステルフィルム等の静電気防止対策として、フィルムの表面に導電性高分子による帯電防止層を形成することも知られているが、無塵包装袋を対象物とする場合におけるイオン不純物、浮遊微粒子の発生、それによる影響が全く不明であったことに加えて、一般的な静電気防止効果を得るためには極めて高価な導電性高分子を相当多量に付与しなければならないため、当然に予見されるコスト上の不採算性から、その採用はほとんど想起されることがなく、試行されることもなかったのが実情である。また、導電性高分子層には接着剤としての機能がないため、基材フィルムへのコーティング工程を必要としコスト上の不採算性をより顕著なものにする難点があった。
さらに、特許文献8では、静電誘電防止性を有する架橋性重合体からなる特定の接着プライマーを使用することでプラスチックフィルム表面の静電気発生を抑制する方法が提案されている。この方法は、静電気対策としては有効であるが、無塵包装袋を対象物とする場合においては、イオン不純物の発生が懸念されるため必ずしも好適に採用しうるものではなかった。
また、無塵包装袋は工場出荷の際に脱気し梱包されることが一般的である。しかし脱気梱包することで袋同士が強固に密着し上記工程トラブルの原因になっている。
このような袋同士の密着防止のために、マットフィルムやエンボス加工を用いることは有効であるが、従来の一般的なそれらの対策技術では、内容物の視認性、袋の機械強度、製袋時の能率を下げることが懸念されるため好適に採用しうるものではなかった。
特開2003−191363号公報 特開2006−137010号公報 特開平7−329142号公報 特開平8−276528号公報 特開平8−276527号公報 特開2003−292655号公報 特開2006−282941号公報 特許第2608383号公報
本発明は、上記のような無塵包装袋、即ちイオン不純物や浮遊粒子を発生させないことが求められ、そのために一般的な帯電防止剤の使用が難しく、殊に内袋にあっては透明性も求められるためカーボンブラックの使用も忌避されるような電子材料部品等包装用の無塵包装袋を特定対象物として、該無塵包装袋に求められる上記のような諸要請を満足しながら、自動包装機で包装する際に、自動給袋(搬送)装置の吸盤等で空袋を一袋づつ取出す工程において、静電気障害や袋同士の密着による前記のような空袋付着や位置ずれ等の工程トラブルを発生するのを効果的に防止しうると共に、比較的安価に実施可能である自動包装適性に優れた無塵包装袋を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような技術的課題に対し、種々実験と研究を重ねたところ、自動包装機の給袋装置による空袋ピックアップ搬送時における上記のような工程トラブルの発生防止のためには、所定の静電気防止対策技術の採用とともに、包装袋の外面のフィルム同士の表面摩擦力を所定の範囲に制御することが重要であることを見出した。更に具体的には、包装袋の積層基材層の内部または最内面に好ましくは特定種類の添加型の帯電防止剤を含む接着プライマー層または接着剤層を設けることで、接着適性と帯電防止機能とを同時に併有する層を形成することが出来、格別大幅なコストの増大を招くことなく、汚染防止等の無塵包装袋に求められる各種性能を遜色なく保有しながら、該包装袋の表面の摩擦帯電圧を所期する範囲に抑えることが出来、ひいては剥離帯電を抑制することが可能であること、そしてまた、袋の表面の粗面化状態を、該表面同士の静摩擦係数(μs)を0.40以下に、動摩擦係数(μk)を0.35以下に制御しながら、表面粗さ(Ra)を0.10〜0.40μmの範囲に設定することにより、無塵包装袋に一般的に求められる内容物視認性を損なうことなく、かつ所要の機械的強度を維持しながら、袋同士の強固な物理的密着を防止しうることの知見から、両者の組み合わせによって無塵包装袋の自動搬送適性を確実に改善できることを見出すに至り、本発明を完成し得たものである。
そこで、本発明は、前記の目的を達成するための手段として以下の構成を提示する。
[1] 最外層フィルムを含む基材層と最内層のシーラント層との少なくとも2層以上の積層体からなる電子部品等包装用の無塵包装袋において、
前記最外層フィルムの表面が、該表面同士の静摩擦係数(μs)0.40以下、動摩擦係数(μk)0.35以下で、かつ表面粗さ(Ra)0.10〜0.40μmの粗面に形成されると共に、
前記基材層の内部または最内面に、少なくとも1層以上の帯電防止剤を含む接着剤層または接着プライマー層が設けられてなることを特徴とする自動包装適性に優れた無塵包装袋。
[2]前記最外層フィルムの表面が、前記積層体に対するエンボス加工によって粗面化されている前項[1]に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
[3]帯電防止剤を含む前記接着プライマー層または接着剤層が、最外層フィルムの裏面側に設けられている前項[1]または[2]に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
[4]前記最外層フィルムがポリエステルフィルムであり、最内層のシーラント層が直鎖状低密度ポリエチレンである前項[1]〜[3]のいずれか1項に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
[5]前記最外層フィルムの表面の摩擦帯電圧試験での初期帯電圧のピーク値が、絶対値で2.0kV以下であることを特徴とする前項[1]〜[4]のいずれか1項に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
[6]前記最外層フィルムの表面の表面固有抵抗率が1016Ω/sq以上であり、摩擦帯電圧試験での6分経過後の減衰帯電圧が絶対値で1.0kV以下であることを特徴とする前項[1]〜[5]のいずれか1項に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
[7]前記帯電防止剤が、アルキルアンモニウム硫酸塩を主成分とするものであることを特徴とする前項[1]〜[6]のいずれか1項に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
[8]前記帯電防止剤が、アルキル4級アンモニウムエト硫酸塩、N‐アルキロイルトリアルキルアンモニウム硫酸塩のいずれか一方または混合組成物を主成分とするものであることを特徴とする前項[7]に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
[9]前記帯電防止剤を含む接着プライマー層または接着剤層の表面固有抵抗率が、105〜1014Ω/sqである前項[1]〜[8]のいずれか1項に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
[10]前記帯電防止剤を含む接着プライマー層または接着剤層の塗布量が、帯電防止剤の塗布量の固形分換算において1〜1000mg/mの均一塗膜からなる前項[1]〜[9]のいずれか1項に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
本発明は、先ず前記[1]項に記載のように、電子材料部品等包装用の無塵包装袋において、その最内層側のシーラント層と反対側の最外層フィルムの表面が、該表面同士の摩擦力において、静摩擦係数(μs)が0.40以下、動摩擦係数(μk)が0.35以下で、かつ表面粗さ(Ra)が0.10〜0.40μmの粗面に形成されていることと、積層基材層の内部あるいは最内面に帯電防止剤を含む接着層またはプライマー層が形成されていることとの組合わせを基本的な特徴事項とする。前者の最外層フィルムの前記特定の表面性状により、最外層フィルムの白濁化を招くことなく、ひいては無塵包装袋の内容物視認性を損なうことなく、真空脱気梱包を行ったような場合にも袋同士が強固に密着するのを防ぐことが出来る。一方、後者のように添加型の帯電防止剤を含有することで接着層または接着プライマー層に帯電防止機能を同時に併有させることが出来、別途に帯電防止層を塗布形成する場合の工程増加によるコストアップを回避することが出来る。また、帯電防止剤を含む接着剤層または接着プライマー層を積層基材の内部または最内面に形成することで、擦過等の外的要因による帯電防止層の脱落がなく、帯電防止剤起因のブロッキングも防ぐことが出来ると共に、袋表面の摩擦帯電圧を低く抑さえ、自動給袋装置による包装袋の吸着取り出し工程時の剥離帯電を抑制できる。従って、前記のような袋の密着や静電気障害による袋の搬送トラブルの発生を確実に防止でき、ひいては比較的廉価に自動包装適性に優れた無塵包装袋を提供しうる。また、エンボス加工によるフィルムの表面粗さ(Ra)を、0.10〜0.40μmの範囲に設定することで、エンボスによるフィルムの白濁化を押さえつつ、表面の摩擦力を下げ、静摩擦係数(μs)及び動摩擦係数(μk)を前記の値に制御することが可能となる。
また、前記[2]項に記載するように、最外層フィルムの表面の粗面化を、基材層とシーラント層との積層体に対するエンボス加工によって付与するものとすることにより、製袋直前に高能率に、しかもシャープで全体に均一な表面凹凸を形成することができ、表面粗さの制御設定を正確かつ安易に行うことができる。ひいては前記の静摩擦係数及び動摩擦係数の正確な設定と均一性の確保を行い易い。ちなみにラミネート前の最外層用の単層フィルムに対して予め片面エンボス加工を施したのちラミネート加工するときは、ラミネート加工時等に負荷される加工熱によってエンボスが緩和され、表面粗さに変化を生じて均一で正確な表面摩擦力の保有が阻害されおそれが生じる。加えて、エンボスによってフィルムの加工性が悪くなり、積層体の生産性を悪くするおそれがある。
また、前記[3]項に記載されるように、帯電防止剤を含有する層を最外層フィルムの裏面側に配置する場合には、最も効率良く所要の帯電防止性能を付与しうる。
また、前項[4]項に記載されるように、強度部材としての最外層フィルムに本来透明性に優れたポリエステルフィルムからなり、最内層のシーラント層が直鎖状低密度ポリエチレンからなる少なくとも2層以上の積層体からなるものとするときは、電子材料部品等包装用の無塵袋として、強度、ヒートシール適性、透明性、製袋適性等の点で最も好ましい積層材料とすることができる。
また、前記[5]項のように最外層フィルム表面は、摩擦帯電圧試験での初期帯電圧のピーク値が絶対値で2.0kV以下であることが好適である。摩擦帯電圧のピーク値の絶対値が2.0kVを超えると自動給袋装置による包装袋の吸着取り出し工程時に帯電し搬送トラブルの原因になる。
さらには、前記[6]項のように最外層フィルム表面の表面固有抵抗率が1016Ω/sq以上であり、摩擦帯電圧試験の6分経過後の減衰帯電圧が絶対値で1.0kV以下であるとことが好適である。外層フィルム表面の表面固有抵抗率が1016Ω/sq以上であることにより、表面に帯電防止処理を行っていない普通のプラスチックフィルムをそのまま使用する場合においても支障なく所期効果を達成しうる。しかしながら、摩擦帯電圧試験の6分経過後の減衰帯電圧が絶対値で1.0kVを超えると帯電減衰が遅く、帯電が蓄積され搬送トラブルの要因になる。
また、前記[7]項に記載のように、帯電防止材料としてはアルキルアンモニウム硫酸塩を主成分とするものを、接着剤等への添加型のものとして好適に採用しうる。具体的には前記[8]項のようにアルキル4級アンモニウムエト硫酸塩、N‐アルキロイルトリアルキルアンモニウム硫酸塩のいずれか一方または混合組成物を用いることが好適である。
上記帯電防止剤を含むプライマー層または接着層を形成したフィルムの裏面(塗布面)の表面固有抵抗率は、前記[9]項のように少なくとも10〜1014Ω/sqの範囲に設定され、好ましくは10〜1012Ω/sqの範囲に設定される。このような表面固有抵抗率の範囲設定により、包装袋の自動給袋(搬送)時における前記のような工程トラブルの発生防止に必要な帯電防止性能を付与しつつ、自動包装適性に優れた無塵包装袋を提供しうる。
そしてまた、上記のような表面固有抵抗率を実現するためには、前記[10]項に示すように帯電防止接着剤またはプライマーの塗布量を帯電防止剤の塗布量の固形分で1〜1000mg/mの範囲で設定する。このような塗布量のコントロールにより、均一塗膜において表面固有抵抗率を前記のような望ましい範囲に制御できる。
本発明に係る包装袋用積層体の積層構成を示す断面図である。 本発明による包装用袋の外観斜視図であり、(イ)はボックス型包装袋を包装状態で、(ロ)は封筒型包装袋を未包装状態で示したものである。 自動給袋搬送装置による自動給袋工程を示す概念説明図である。
先ず、本発明の適用対象物とする電子材料部品等包装用の無塵包装袋の材料である積層体(1)の基本的な積層構成について説明する。その代表的な積層構成例を図1(イ)(ロ)に示す。
これらの図1(イ)(ロ)に示すように、該積層体(1)は、基材層(3)と最内層としてのシーラント層(2)とを備えてなるものであり、前記基材層(3)は、表面最外層(4)と中間層(5)を備えている。そして、前記各層(2)(4)(5)は、例えば接着剤によるドライラミネート法により貼り合わされ、あるいは接着プライマー層を介して押出しラミネート法により貼合わされる。
ここに、本発明においては、上記基材層(3)の積層層間、つまり内部、または最内面に設けられる接着剤(6)または接着プライマー層に、添加型の帯電防止剤が添加されたものとなされる。図1の(イ)の実施形態は、帯電防止剤を含む接着剤層(6)または接着プライマー層が基材層(3)の最外層(4)の裏面側に塗布されることによって中間層(5)との間に設けられたものとなされている。また、図1(ロ)の他の実施形態では、同じく帯電防止剤を含む接着剤層(6)または接着剤プライマー層が、中間層(5)の裏面側、即ち基材層の最内面に塗布形成されたものとなされている。
前記シーラント層(2)は、密度0.910〜0.940程度の直鎖状低密度ポリエチレンフィルムからなり、好ましくはなるべく添加剤(滑材、アンチブロッキング材、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等)を含有しないものが用いられる。その他、前記特許文献2に記載されているような直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体であって、メタロセン触媒を重合触媒に用いて製造された共重合体とか、又はチーグラー触媒を重合触媒に用いて製造された直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体であって、イオン不純物除去操作を経て含有イオン不純物が低減または除去されたものが好適使用される。
本発明の適用対象とする無塵包装袋用の材料は、該シーラント層(2)と、これに積層された基材層(3)とを備えた少なくとも2層以上の積層体からなる。また前記基材層(3)は、少なくとも表面最外層(4)を備えており、必要に応じてさらに1層又は2層以上の中間層(5)を備えた構成が採用される。
前記表面最外層(4)のフィルム材料としては、特に限定されるわけではないが好ましくはポリエステルフィルムが用いられる。ここに、最外層(4)のフィルム材料としてポリエステルフィルムが好ましいのは、固有の機械的強度に優れ、しかも透明性に優れていて、包装袋内に収納した内容物を外部から見えるようにするための良好な視認性を与えうることによる。
ところで、この最外層(4)のフィルムは、その外側の表面が好ましくはエンボス加工によって粗面化されたものであることを必須とする。しかもこの粗面は、粗面化されたフィルムの表面同士の摩擦力において、静摩擦係数(μs)が0.40以下であり、動摩擦係数(μk)が0.35以下であり、かつ表面粗さ(Ra)が0.10〜0.40μmの範囲に制御されたものであることが必要である。最外層(4)のフィルムどおしの静摩擦係数(μs)が0.40を超え、あるいは動摩擦係数(μk)が0.35を超える場合は、積み重ねられた袋同士の物理的な密着による搬送トラブルを防止できなくなる。表面粗さ(Ra)が0.10μm未満であるときも同様である。一方、表面粗さ(Ra)が0.40μmを超える場合は、フィルムの白濁化によって透明性が低下し、袋内の内容物視認性が著しく悪くなるため不適である。本発明の効果を最も確実かつ良好に達成するための好ましい表面摩擦力は、静摩擦係数(μs)において0.35以下、動摩擦係数(μk)において0.30以下である。また表面粗度の好ましい範囲は、Ra0.15〜0.35μmである。
また、最外層(4)フィルムの表面の粗面化の手段は特に限定されるものではないが、好ましくは前述のようにエンボス加工によって付与するものとすることが好適であり、しかも積層前の単層フィルムに対してではなく、ラミネート後の積層体を加工対象物として、製袋の直前工程においてエンボス加工を施すものとすることが望ましい。
ここに、エンボス加工とは、片面エンボス処理であり、エンボスロールとペーパーロールや樹脂ロールのような弾性ロールでラミネートフィルム、即ち前記積層体を常温または100℃以下で加熱狭圧し、フィルムの外側表面にエンボスロールの凹凸を転写する加工処理である。このようなエンボス加工は、他の粗面化手段、たとえばサンドブラスト法、マットコート法、繰り込み法、ヘアライン加工法等による場合に較べ、粗面化の均一性、処理能率、機械的強度の保有性等の点で有利である。また、ラミネート後の積層体に対して上記エンボス加工を施すものとすることにより、予めエンボス加工を施したフィルムを用いて積層する場合に較べ、エンボス加工後に受ける加工熱によってエンボスが緩和され、性能劣化を生じるのを回避し、包装袋の該表面にシャープで均一な粗面化状態を残存保持せしめうる点で有利である。
エンボスの形状については、表面摩擦力及び表面粗さにおいて前記範囲を満たすものであれば特に制限はない。具体的には例えば、梨地柄、木綿柄、ドットパターン等を任意に採用することができる。
なお、前記最外層(4)として、光遮蔽性及び酸素ガスバリア性を必要とするときは、例えば、酸化ケイ素やアルミニウム等の金属または金属酸化物が蒸着され、あるいはアルミニウム箔が貼着されたバリア性ポリエステルフィルムを用いることができる。
前記中間層(5)は、主に、積層体(1)の機械的強度(突き刺し強度等)、各種バリア性を補うための層である。この中間層(5)に用いられるフィルムとしては、例えばポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−6,6等)、セルロースアセテート、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリカーボネート等のプラスチックの延伸または未延伸フィルム、紙、アルミニウム箔などが挙げられる。
また、基材層(3)における接着剤層(6)または接着プライマー層に添加含有する帯電防止剤は、アルキルアンモニウム硫酸塩を主成分とするものを用いるのが好適である。具体的には、アルキル4級アンモニウムエト硫酸塩、N‐アルキロイルトリアルキルアンモニウム硫酸塩のいずれか一方または混合組成物を用いることが好適である。また、帯電防止剤はハロゲンフリーでなくてはならない。プライマー、または接着剤については特に限定されないが、帯電防止剤と相溶するものである必要がある。例えば、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系の樹脂が好ましい。接着剤にイソシアネート硬化剤を使用する場合は非水系イオン電解剤としてプロピレンカーボネートを5%〜30%添加することが好ましい。
この発明の適用対象とする無塵包装袋用の積層体(1)における具体的な積層構成を以下に列挙するが、積層構成は特にこれら例示のものに限定されるものではない。なお、下記において、「LLD」は直鎖状低密度ポリエチレン、「PET」は二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、「Ny」は二軸延伸ポリアミドフィルム、「PE(EXT)」は低密度ポリエチレンによる押出接着層を示す。
PET/Ny/LLD、
PET/Ny/PE(EXT)/LLD
PET/LLD
PET/PE(EXT)/LLD
本発明は、上記のようなエンボス処理を行った積層体(1)をもって製袋されるところの図2(イ)に示すようなボックス型の無塵包装袋(10)、あるいは図2(ロ)に示すような封筒型の無塵包装袋(10A)において、その自動包装適性を改善するためのもう1つの要素として、基材層(3)の内部または最内面に図1(イ)(ロ)に示すように帯電防止剤を含むプライマー層または接着層(6)を形成することを必須の特徴事項とする。即ち、電子材料部品や製品を収納したボックス状樹脂ケースを、上記の包装袋(10)内に自動包装機を用いて包装するに際し、図3に示すように給袋ステーションに積上げられた包装袋(10)を、自動給袋(搬送)装置(20)に装備する吸盤(21)等のピックアップ搬送手段により、上位のものから順次1袋づつ持ち上げ(矢印a)、そして梱包ステーションに向けて搬送する(矢印b)時に、袋同士の密着、静電気影響、特に剥離帯電による影響で、下位の袋がくっついて一緒に持ち上げられたり、あるいは位置ずれを起こして、正規位置、正規姿勢での包装袋(10)の自動給送が防げられる工程トラブルの発生を防止するための手段として、上記のエンボス加工処理との組み合わせのもとに、静電気防止対策としての上記の特徴構成を採用するものである。
上記のように積層接着用の接着剤または接着プライマーに添加型帯電防止剤を含むものを用いることによって、コーティング型の帯電防止剤を塗工する場合と違い、コーティング工程が増えることがない、また、少量の添加量で安定した帯電防止機能を発現するため、プライマーや接着剤本来の性能を保持出来る。従って、極めて僅少量の使用で、所期する1014Ω/sq以下の表面抵抗値の付与を実現することが可能となり、ひいては格別大幅なコストアップを招来しない。このようなコスト上の観点から、帯電防止剤を含むプライマー層または接着剤層の塗布による塗布面の表面固有抵抗率は、所要の帯電防止性能の範囲を超えてまで低い値に制御する必要はない。具体的には、10Ω/sq以上の表面固有抵抗率を付与しうることで必要かつ十分である。更に好ましくは、10〜1012Ω/sqの範囲に設定することが望ましい。
そして、このような表面固有抵抗率の付与によって、最外層フィルムの表面の摩擦帯電圧試験での初期帯電圧のピーク値が、絶対値で2.0kV以下に、また6分経過後の減衰帯電圧が絶対値で1.0kV以下になるように制御する。この摩擦帯電圧の制御により、表面に帯電防止処理を行っていない表面固有抵抗率が1016Ω/sq以上の値を示すようなポリエステルフィルムを最外層に用いる場合であっても何ら不都合なく本発明の所期する搬送トラブル防止の効果を良好に達成しうる。
上記の表面固有抵抗率は、帯電防止剤を含むプライマー層または接着層(6)における帯電防止剤の添加量に依存する。添加量が多くなればなるほど表面固有抵抗率は下がり、導電性の方向に誘導される。しかしながら、本発明が目的とする自動包装適性、自動搬送適性の改善のために必要とする範囲を超えてまで多量に塗布することは、効果の一層の向上よりむしろ材料コストの面での不利益の方が大きい。従って、塗布量としては、帯電防止剤の固形分換算において、1〜1000mg/mの範囲とすべきであり、好ましくは5〜100mg/mとするのが良い。
帯電防止剤を含むプライマー層または接着層(6)を形成するための塗布方法としては、グラビア塗装、スプレー塗装、スピンコーターによる塗装等、任意の手段を採用しうる。ここに塗料の濃度としては、固形分1〜30重量%に設定することにより、塗布量のコントロールも含めて塗布作業が行い易い。
なお、本発明において規定する摩擦係数と表面粗さはそれぞれ、東洋精機製摩擦測定器TR型による測定値(JIS K7125に準拠)と小坂研究所製サーフコーダーSE3500による測定値(JIS B0601に準拠)によるものである。また、表面固有抵抗値と摩擦帯電圧はそれぞれアジレント・テクノロジー社製ハイレジスタンスメーターによる測定値(JIS K6911に準拠)とカネボウエンジニアリング社製静電気測定装置による測定値(JIS L1094に準拠)によるものである。
本発明の実施例及び比較例並びに参考例の包装用積層体の構成材料としては、下記のものを用いた。
(積層体構成材料)
PET1:二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム 厚さ25μm
Ny1:二軸延伸ポリアミドフィルム 厚さ15μm
PE(押出し):低密度ポリエチレン樹脂(MFR 5g/10min、
密度0.924g/cm
LLD1:直鎖状低密度ポリエチレン(MFR 2g/10min、
密度0.930g/cm
そして、上記構成材料により、表1の試料No,1〜12に示す各種積層構成の包装用積層体を作製した。表1中、「フィルム3」を使用しないNo.1,2,5の積層体は、他の構成材料フィルム1,2,4または1,4をポリウレタン系ドライラミネート接着剤を用いてドライラミネートしたものであり、「フィルム3」に「PE(押出し)」を用いたNo.3,4,6〜12の積層体は、押出サンドイッチラミネート法により積層一体化したものである。
次に、上記各種積層体の試料No,1〜9、12については、積層体つまりラミネートフィルムに対してそれぞれ下記の片面エンボス処理を行った。即ち、試料No.1〜6、12については、最外層ポリエステルフィルム同士の静摩擦係数(μ)が0.30、動摩擦係数(μ)が0.25、最外層ポリエステルフィルムの表面粗さ(Ra)が0.15μmになるように木綿柄、彫刻深さ0.12mmのエンボスロールでエンボス処理を行った。また試料No.7については静摩擦係数(μ)0.40、動摩擦係数(μ)0.35、表面粗さ(Ra)0.10μmになるように布目柄、彫刻深さ0.1mmのエンボスロールでエンボス処理を行い、試料No.8については静摩擦係数(μ)0.15、動摩擦係数(μ)0.10、表面粗さ(Ra)0.40μmになるように梨地柄、彫刻深さ0.15mmのエンボスロールでエンボス処理を行い、更に試料No.9については静摩擦係数(μ)0.10、動摩擦係数(μ)0.10、表面粗さ(Ra)0.55μmになるように最小梨地柄、彫刻深さ0.12mmのエンボスロールでエンボス処理を行った。
また、試料No.2、4については中間層のナイロンフィルムの裏面に帯電防止剤を含む接着層を設けたものとし、それ以外の試料No.1,3,5〜11についてはいずれも最外層のPETフィルムの裏面に帯電防止剤を含む接着層を設けたものとした。ここに、帯電防止剤としては、アルキル4級アンモニウムエトサルフェートとプロピレンカーボネートの混合物であるアルテック株式会社製SAT−F−01を用いた。また接着剤には酢酸エチルで希釈して固形分10%の任意のウレタン系接着剤を用い、これに上記帯電防止剤を固形分に対して15重量%の割合で添加して帯電防止接着溶液とした。そして、この帯電防止剤を添加した接着剤溶液をグラビア塗装法により表1に示す配置と塗布量で塗布したのち、100℃×1分の乾燥処理を施して上記帯電防止剤を含む接着層を形成するものとした。一方、試料No12については、帯電防止剤を含まない接着剤を用いて積層体を得た。
(最外層フィルムの表面固有抵抗率の測定)
上記試料No.1〜11の帯電防止剤を含む接着層を形成した積層体及びNo.12の帯電防止剤を含まない積層体について、その最外層フィルムの外表面側と、積層前のフィルムの接着剤塗布面(裏面)(塗布面)の表面固有抵抗率を測定した。この測定は、前述のとおりアジレント・テクノロジー社製ハイレジスタンスメーターにより、JIS K6911に準拠して測定したものである。その結果を表1に併記する。
(摩擦係数の測定)
上記の試料No.1〜12について、最外層ポリエステルフィルム同士の摩擦係数の測定をしたところ、その静摩擦係数(μ)と動摩擦係数(μ)は表1に示すとおりであった。なおこの摩擦係数の測定は、前述のように東洋精機社製摩擦測定器TR型により、JIS K7125に準拠して測定したものである。
(表面粗さの測定)
次に、上記の試料No.1〜12の各最外層フィルムについて、それらの表面粗さを測定したところ、その表面粗さ(Ra)は表1に示すとおりであった。なおこの表面粗さの測定は、前述のように小坂研究所社製サーフコーダーSE3500により、JIS B0601に準拠して測定したものである。
Figure 2013136405
―性能評価―
(摩擦帯電圧の測定)
そこで、次に、上記の試料No.1〜12の各最外層フィルムについて、それらの外表面(帯電防止接着剤の非塗布面)の摩擦帯電圧を測定したところ、その初期帯電圧値及び6分経過後の減衰帯電圧値は表2中左欄に示すとおりであった。なお、この摩擦帯電圧の測定は、前述のようにカネボウエンジニアリング社製静電気測定装置により、JIS L1094に準拠して測定したものである。
表1の測定結果に示すように、帯電防止剤を含む接着層を有する最外層フィルムにおいては、帯電防止剤の所定量以上の塗布によって、摩擦帯電圧試験での初期帯電圧のピーク値はもとより、6分経過後の減衰帯電圧値についても、十分に低い値にコントロールできることを確認し得た。
(自動搬送テスト)
次に、上記の表面固有抵抗率及び摩擦帯電圧の測定結果との対応関係における無塵包装袋の自動搬送適性を調べるため、上記により得られた試料No,1〜12の各種積層体により図2(ロ)に示したような封筒形の包装袋(タテ×ヨコ:80cm×84cm)を作製し、自動包装機により自動搬送(給袋)テストを行った。
ここに、自動搬送テストは、包装袋50袋を1セットとして自動搬送装置にセットし、吸盤式ピックアップ搬送装置で上から1袋づつ取出し搬送操作を行った時に、袋が少なくとも一時的に2枚以上持ち上がる現象が生じたり、あるいは下位の袋が僅かでも位置ずれを起こした場合をエラーとして、その発生回数をカウントし、下記の評価基準で判定した。
なお、上記試料のNo.1〜10、12は脱気梱包を行って、包装袋の通常出荷時を再現したものを供試材とし、No.11については参考のため脱気梱包を行っていないものを供試材とした。
上記の自動搬送テストの結果を表2に示した。
評価: ◎ 0回
○ 1〜2回
△ 3〜5回
× 5回以上
(視認性)
上記の自動搬送テストに供した試料No.1〜12による各包装袋について、被包装物を包装したときの外部からの内容物の視認性を評価し、良好なものを○印、不良であるものを×印で判定した。
その結果を表2に併記した。
Figure 2013136405
表2の評価「自動搬送テスト」の結果に示すように、本発明による適正な改善対策を施した試料については、自動給袋搬送工程において静電気影響による空袋付着あるいは位置ずれ等の工程トラブルを生じることがなく、所期するとおりに自動搬送適性を改善しうることを確認し得た。
また、所要の透明度を保有し、内容物視認性も良好なものとなしうることを確認し得た。
(イオン分析)
次に、上記包装袋のイオン汚染性の有無を確認するため、下記による陰イオン分析および金属イオン分析を行った。
ここに、分析方法は、帯電防止剤を含むプライマー層または接着層を形成した本発明の実施例に係る試料No.6の積層体および帯電防止剤を含まないプライマー層または接着層を形成した比較試料No.12の積層体による各包装袋に、抽出液(純水を使用)1000mlを注入し、内面積が250cmになるようにシールしたのち、2分間振とうした。そして、「陰イオン分析」については、振とう後の液をイオンクロマト装置にてCl、NO 、SO 2−、NO の成分測定を行った。その結果を表3に示す。
一方、「金属イオン分析」については、純水で振とう後、抽出液20mlをフッ素樹脂容器(PFA容器)に移し、68%硝酸を20ml加えたのち、ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析装置)にて、Na、Al、Mg、Zn、Fe、Cuの成分測定を行った。その結果を表4に示す。
Figure 2013136405
Figure 2013136405
表3、4の評価「陰イオン分析」、「金属イオン分析」の結果に示すように、本発明による帯電防止剤添加による適正な帯電防止対策を施した試料については、帯電防止剤を有しないものと同等レベルに金属イオン、無機イオン等のイオン不純物の含有量が非常に少なく、無塵包装袋を対象物とする場合の非汚染性の点においても好適なものであることを確認し得た。
本発明に係る無塵包装袋は、シリコンウエハー、化合物半導体ウエハー、ハードディスク等の電子材料製品または部品の輸送のための密封梱包用に用いられるほか、高度なクリーン度が要求される医療用器材等の包装用にも適用される。
1・・・包装用積層体
2・・・シーラント層(最内層)
3・・・基材層
4・・・最外層
5・・・中間層
6・・・帯電防止剤を含むプライマー層、または接着層

Claims (10)

  1. 最外層フィルムを含む基材層と最内層のシーラント層との少なくとも2層以上の積層体からなる電子部品等包装用の無塵包装袋において、
    前記最外層フィルムの表面が、該表面同士の静摩擦係数(μs)0.40以下、動摩擦係数(μk)0.35以下で、かつ表面粗さ(Ra)0.10〜0.40μmの粗面に形成されると共に、
    前記基材層の内部または最内面に、少なくとも1層以上の帯電防止剤を含む接着剤層または接着プライマー層が設けられてなることを特徴とする自動包装適性に優れた無塵包装袋。
  2. 前記最外層フィルムの表面が、前記積層体に対するエンボス加工によって粗面化されている請求項1に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
  3. 帯電防止剤を含む前記接着プライマー層または接着剤層が、最外層フィルムの裏面側に設けられている請求項1または2に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
  4. 前記最外層フィルムがポリエステルフィルムであり、最内層のシーラント層が直鎖状低密度ポリエチレンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
  5. 前記最外層フィルムの表面の摩擦帯電圧試験での初期帯電圧のピーク値が、絶対値で2.0kV以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
  6. 前記最外層フィルムの表面の表面固有抵抗率が1016Ω/sq以上であり、摩擦帯電圧試験での6分経過後の減衰帯電圧が絶対値で1.0kV以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
  7. 前記帯電防止剤が、アルキルアンモニウム硫酸塩を主成分とするものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
  8. 前記帯電防止剤が、アルキル4級アンモニウムエト硫酸塩、N‐アルキロイルトリアルキルアンモニウム硫酸塩のいずれか一方または混合組成物を主成分とするものであることを特徴とする請求項7に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
  9. 前記帯電防止剤を含む接着プライマー層または接着剤層の表面固有抵抗率が、105〜1014Ω/sqである請求項1〜8のいずれか1項に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
  10. 前記帯電防止剤を含む接着プライマー層または接着剤層の塗布量が、帯電防止剤の塗布量の固形分換算において1〜1000mg/mの均一塗膜からなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の自動包装適性に優れた無塵包装袋。
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