JP2013134271A - 音響出力装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】指向性を有する雑音を効果的にマスキングすること。
【解決手段】音響出力装置1は、画像形成装置2等で発生する動作音をマスキングし、前記画像形成装置2を基準とする方向によって音圧レベルが異なるマスキング音を再生する音響再生手段13と、前記音響再生手段13で再生されたマスキング音を放射する音響出力手段14と、を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】音響出力装置1は、画像形成装置2等で発生する動作音をマスキングし、前記画像形成装置2を基準とする方向によって音圧レベルが異なるマスキング音を再生する音響再生手段13と、前記音響再生手段13で再生されたマスキング音を放射する音響出力手段14と、を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、機器で発生する動作音をマスキングするマスカ(マスキング音)を出力する音響出力装置に関する。
従来、画像形成装置等の機器で発生する動作音の対策としては、動作音を低減する所謂「静音化技術」が採用されてきた。静音化の結果、動作音の音圧レベルは低減できたが、動作音から受ける「耳障り感」や「不快感」という問題は解決し切れていない。
また、静音化技術とは別に、騒音を低減する(騒音を気にならなくする)技術として、サウンドマスキング技術が提案されている。サウンドマスキングとは、耳に一定の大きさの音が流れているときに、他の音が聞き取りにくくなる現象(サウンドマスキング効果)を利用した方法であり、主に周波数マスキングと時間マスキングとがある。より具体的には、主に周波数帯が騒音と似通った音(マスカ,マスキング音)が騒音に重畳され、これによって、この騒音を聞こえにくくし、耳障り感や不快感を低減することができる。
従来、サウンドマスキング技術を応用した音響出力装置として、以下の特許文献1に記載された騒音マスキング装置がある。この騒音マスキング装置は、動作時に騒音の発生源となる駆動機構を有する画像形成装置等に搭載され、前記騒音をマスキングするマスキング音を発生する発音体と、前記発音体を制御し、前記騒音の主成分周波数を含む範囲の周波数のマスキング音を発生させるマスキング音制御手段と、を備えている。
しかしながら、画像形成装置の内部には多くのノイズ源(例えばモータ)があり、それぞれ異なるタイミングで動作することがある。また、画像形成装置の体積は大きく、構造も複雑であるため、ノイズ源からの雑音は様々な放射経路を伝達され機器外部に放射される。また、放射経路毎で、ノイズ源から機器外部への振動伝達関数が異なる。したがって、雑音の放射分布特性(周波数や音圧レベル)は、該機器を基準とする方向毎で異なる。換言すると、雑音は指向性を有する。
さらに言えば、画像形成装置はそれ自体から雑音を発するだけでなく、その周囲に雑音を発する周辺機器(ADFやフィニッシャー)が取り付けられる場合もある。これら周辺機器からの雑音も、上述と同様の指向性を有する。
それゆえに、本発明の目的は、指向性雑音を効果的にマスキング可能な音響出力装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一形態は、機器で発生する動作音をマスキングする音響出力装置であって、前記機器を基準とする方向によって音圧レベルが異なるマスキング音を再生する音響再生手段と、前記音響再生手段で再生されたマスキング音を放射する音響出力手段と、を備えている。
上記音響出力装置によれば、指向性雑音を効果的にマスキング可能となる。
以下、図1及び図2を参照して、第1〜第3実施形態に係る音響出力装置が搭載される機器の一例としての画像形成装置2、及びその周辺機器について説明する。
(画像形成装置について)
まず、図1において、X軸、Y軸及びZ軸は、画像形成装置2の左右方向(横方向)、前後方向(奥行き方向)及び上下方向(高さ方向)を示す。
まず、図1において、X軸、Y軸及びZ軸は、画像形成装置2の左右方向(横方向)、前後方向(奥行き方向)及び上下方向(高さ方向)を示す。
図1及び図2において、画像形成装置2は、例えば、電子写真方式及びタンデム方式を採用した複合機やカラープリンタ等であり、大略的には、操作手段21と、画像形成手段22と、制御手段23と、を備えている。
操作手段21は、画像形成装置2の前面上部等に設けられ、ユーザにより操作される操作ボタンやタッチパネルを含んでいる。操作ボタン等の典型例としては、印刷開始ボタンがある。また、タッチパネルを操作することで、ユーザは、後述のフィニッシャー4に対するステープル設定等を入力可能である。操作手段21は、ユーザ操作に従って、入力された印刷開始コマンド及びステープル設定等を制御手段23に送信する。
画像形成手段22においては、帯電器により感光体ドラム周面を帯電させた後に、入力画像データで変調された光ビームが、帯電した感光体ドラム周面に向けて光学系から照射される。これにより、感光体ドラム周面に静電潜像が形成される。ここで、画像データは、例えば原稿読取り手段33(後述)や、画像形成装置2に接続されたパーソナルコンピュータ(図示せず)から送信されてくる。また、画像形成手段22において、現像器は、静電潜像が形成された感光体ドラム周面にトナーを供給し、該感光体ドラム周面にトナー画像を生成する。画像形成手段22において、一次転写ローラは、感光体ドラム周面のトナー画像を転写ベルトに転写する。トナー画像としては、例えば、Y(黄)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色のものが生成される。転写ベルトには、これらトナー画像が互いに重なり合うよう転写され、これにより、合成トナー画像が担持される。
また、画像形成手段22には、供給トレイ(図示せず)から記録媒体(例えば用紙)が搬送されてくる。画像形成手段22において、二次転写ローラは、搬送されてきた記録媒体に、転写ベルト上の合成トナー画像を転写する。定着装置は、二次転写ローラから送られてくる記録媒体を加熱・加圧して、合成トナー画像を記録媒体に定着させる。定着処理済みの記録媒体は、フィニッシャー4を使用しない場合、印刷物として、画像形成装置2の排出ローラを介して排出トレイに排出され載置される。また、フィニッシャー4を使用する場合には、定着処理済みの記録媒体は、フィニッシャー4に向けて搬送される。
制御手段23は、CPUやメインメモリ等からなり、メインメモリに格納されたプログラムに従って動作して、画像形成手段22の構成各部や周辺機器の動作を制御する。具体例を挙げると、制御手段23は、画像形成手段22の各部を駆動するモータ(図示せず)等に制御信号を与える。
(画像形成装置の周辺機器について)
次に、画像形成装置2の周辺機器について説明する。本実施形態では、周辺機器として、ADF(Automatic Document Feeder)3と、フィニッシャー4とが例示される。
次に、画像形成装置2の周辺機器について説明する。本実施形態では、周辺機器として、ADF(Automatic Document Feeder)3と、フィニッシャー4とが例示される。
ADF3は、画像形成装置2の上面に設けられ、大略的には、原稿搬送手段31と、エンプティ検出手段32と、原稿読取り手段33とを備えている。原稿搬送手段31は、上述の制御手段23の制御下で、ADF3のトレイ上にセットされた原稿画像を原稿読取り手段33に搬送する。エンプティ検出手段32は、例えばフォトセンサからなり、ADF3のトレイに設けられる。エンプティ検出手段32は、トレイ上の原稿画像の有無を示す検出信号を、制御手段23に出力する。原稿読取り手段33は、光学的なスキャナであり、原稿搬送手段31から送られてきた原稿画像を読み取り、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色で表す画像データを生成して、画像形成装置2内の制御手段23に送信する。このRGBの画像データは、前述の制御手段23により、YMCKの画像データに変換される。
フィニッシャー4は、本実施形態では、画像形成装置2の左側面に設けられ、大略的には、搬送手段41と、ステープル手段42とを備えている。搬送手段41は、制御手段23の制御下で、画像形成装置2から定着処理済みの記録媒体が送られてくると、この記録媒体をステープル手段42に搬送する。ステープル手段42は、送られてきた記録媒体を積載収容して、記録媒体の束を形成する。その後、ステープル手段42は、記録媒体の束にステープルを行う。なお、フィニッシャー4は、定着処理済みの記録媒体に対しステープル以外にも様々な後処理を行うことができるが、これらについては本発明の本旨ではないため、説明を省略する。
(第1実施形態について)
次に、図1及び図2を参照して、第1実施形態に係る音響出力装置1の構成について説明する。音響出力装置1は、主として画像形成装置2及び/又は周辺機器に搭載され、記憶手段11と、制御手段23にソフトウェア的に組み込まれる状態判別手段12及び音響再生手段13と、音響出力手段14と、を備えている。
次に、図1及び図2を参照して、第1実施形態に係る音響出力装置1の構成について説明する。音響出力装置1は、主として画像形成装置2及び/又は周辺機器に搭載され、記憶手段11と、制御手段23にソフトウェア的に組み込まれる状態判別手段12及び音響再生手段13と、音響出力手段14と、を備えている。
記憶手段11は、例えばフラッシュメモリからなり、上方用、前方用、後方用、左方用及び右方用マスキング音M1〜M5を表すデータを記憶している。各マスキング音M1〜M5は、例えば環境音やピンクノイズの周波数特性を加工した音であって、対象となる方向の動作音の周波数特性と似た周波数特性を有する。また、マスキング音は、通常、ユーザにとって意味をなさない音である。マスキングの基本的な概念は周知ではあるが、以下、図3を参照しつつ、画像形成装置2の動作音を用いて詳細に説明する。
図3において、横軸は周波数[Hz]を表し、縦軸はスペクトルレベル[dBPa]を表す。スペクトルレベルは、音の周波数成分をスペクトル分布として表したときに、対応する周波数の音圧レベルである。曲線C1は、印刷動作中に発生する動作音(雑音)の周波数特性を示す。また、曲線C2は、所謂ホワイトノイズの周波数特性であり、周波数に関わらずほぼ一定のスペクトルレベルを有する。また、曲線Mfは、曲線C1で示される動作音に対するマスキング音の周波数特性である。
動作音にホワイトノイズを重畳して人に聴かせた場合、動作音の耳障り感が残るのに対し、マスキング音を動作音に重畳した場合、耳障り感が大幅に軽減できる。マスキング効果は、マスキング音の音圧レベルを大きくすれば大きくなるが、その結果、画像形成装置2から発せられるトータルの音(マスキング音や動作音)の音圧レベルが増大してしまう。本願発明者の実験の結果では、動作音と同等以上の音圧レベルを有するマスキング音であれば、マスキング効果が得られた。以下、図4、図5を参照して、本実施形態で用いられるマスキング音の具体的な一例を説明する。
画像形成装置2及び周辺機器による印刷動作を、時間軸上で詳しく分類すると、図4に例示するように、以下の(1)〜(5)の処理からなる。
(1)時刻T1前での画像形成装置2のウォーミングアップ
(2)時刻T1以降でのADF3による原稿画像の読み取り
(3)時刻T2以降での画像形成装置2での記録媒体の供給
(4)時刻T3以降での画像形成装置2での画像形成
(5)時刻T4以降でのフィニッシャー4による後処理
(1)時刻T1前での画像形成装置2のウォーミングアップ
(2)時刻T1以降でのADF3による原稿画像の読み取り
(3)時刻T2以降での画像形成装置2での記録媒体の供給
(4)時刻T3以降での画像形成装置2での画像形成
(5)時刻T4以降でのフィニッシャー4による後処理
ここで、処理(2)〜(5)における典型的な雑音としては、以下の(A)〜(E)が挙げられる。
(A)ADF3内部で生じる記録媒体後端の衝突音
(B)画像形成装置2内で生じる記録媒体後端の衝突音
(C)画像形成時に生じるポリゴンミラー用モータの駆動音
(D)フィニッシャー4が有するトレイの昇降音
(E)画像形成装置2、ADF3、フィニッシャー4における各種モータの駆動音
(A)ADF3内部で生じる記録媒体後端の衝突音
(B)画像形成装置2内で生じる記録媒体後端の衝突音
(C)画像形成時に生じるポリゴンミラー用モータの駆動音
(D)フィニッシャー4が有するトレイの昇降音
(E)画像形成装置2、ADF3、フィニッシャー4における各種モータの駆動音
以上から分かるように、印刷動作中、互いに異なる構成が互いに異なる時間に動作する。そのため、雑音の音圧レベルは、画像形成装置2を基準とする方向毎で異なる。つまり、各方向への雑音は、互いに異なる指向性を有する。また、各方向への雑音の放射分布特性は時間変化する。以下、このような雑音について、より具体的に説明する。
図4において、曲線C1、C2、C3は、印刷動作中の上方向、前方向及び左方向に発せられる雑音の時間変化を示している。
ADF3内で生じる雑音(つまり、上記(A),(E))に関しては、各曲線C1〜C3の時刻T1辺りに示される通り、画像形成装置2の上方への放射が支配的となる。
また、画像形成装置2内で生じる雑音(つまり、上記(B),(C),(E))に関しては、画像形成装置2の振動伝達特性に依存した指向性により各方向に放射される。本実施形態の例では、時刻T2,T3辺りに示される通り、上方及び左方向と比較して、前方への音圧レベルが若干大きくなっている。
また、フィニッシャー4で生じる雑音(つまり、(D),(E))に関しては、時刻T4辺りに示される通り、画像形成装置2に対しフィニッシャー4が取り付けられる方向(本実施形態では左方向)への放射が支配的となる。
印刷動作中に放射される雑音は、ユーザへの出荷前にサプライヤー(メーカー)側で実験により取得される。実験で取得された雑音の特性は、出荷後ユーザにより使用される場合に発生する雑音の特性と実質的な差異はない。実験で取得された雑音に基づき、上方用、前方用、後方用、左方用及び右方用マスキング音M1〜M5のデータが生成され、図2に示すように記憶手段11に予め記憶される。各マスキング音M1〜M5の基本的な定義は上述した通りであるが、以下、図5を参照して、各マスキング音M1〜M5の特徴について説明する。
上方用マスキング音M1は、上方への雑音をマスキングするために、曲線C1に概ね合わせて時間変化する音圧レベルを有する。上方用マスキング音M1に関しては、ADF3内で時刻T1以降に雑音が生じるため、この辺りの時間帯で、他のマスキング音Mよりも音圧レベルが大きくされる。また、上方用マスキング音M1は、上方向への雑音の周波数特性と類似する周波数特性を有する。
前方用マスキング音M2は、前方への雑音をマスキングするために、曲線C2に概ね合わせて時間変化する音圧レベルを有する。また、前方用マスキング音M2は、前方への雑音の周波数特性と類似する周波数特性を有する。
左方用マスキング音M4は、左方向への雑音をマスキングするために、曲線C3に概ね合わせて時間変化する音圧レベルを有する。左方用マスキング音M4に関しては、フィニッシャー4内で時刻T4以降に雑音が生じるため、この辺りの時間帯で、他のマスキング音Mよりも音圧レベルが大きくされる。また、左方用マスキング音M4は、左方向への雑音の周波数特性と類似する周波数特性を有する。
なお、都合上、図4では後方及び右方向への雑音の図示を省略し、図5では後方用マスキング音M3及び右方用マスキング音M5の図示を省略している。後方用及び右方用マスキング音M3,M5は、他のマスキング音と同じ要領で作成され、後方及び右方向への雑音の時間変化に概ね合わせて時間変化する音圧レベルを有する。また、後方用及び右方用マスキング音M3,M5の周波数特性は、後方及び右方向への雑音の周波数特性に似せられる。
以上のようなマスキング音M1〜M5はデータ化され、記憶手段11に記憶される。より詳しく述べると、記憶手段11には、上方用マスキング音M1について、マスキング音そのもの、放射タイミング及び音圧レベル等が記憶される。他のマスキング音M2〜M5についても同様である。
再度、図1を参照する。状態判別手段12は、操作手段21から送信されてくる印刷開始コマンド及びステープル設定や、ADF3に設けられたエンプティ検出手段32からの検出信号等に基づき、動作モードを判別する。
例えば、操作手段21から印刷開始コマンド及びステープル設定と、エンプティ検出手段32からの検出信号とが送られてくれば、今回の動作モードは、図3を参照して説明した印刷動作と判別される。
音響再生手段13は、状態判別手段12から動作モードの判別結果を受け取ると、マスキング音M1〜M5のデータを記憶手段11から読み出し、読み出したデータに従ってマスキング音M1〜M5の電気信号を再生し、音響出力手段14に出力する。
音響出力手段14は、例えば、上面、前面、背面、左面及び右面スピーカ14a〜14eを含んでいる。これらスピーカ14a〜14eは、雑音の放射方向毎に割り当てられ、マスキング音M1〜M5を放射する。
具体的には、上面スピーカ14aは、上方への雑音をマスキングするために、例えばADF3の上面に設けられ、音響再生手段13からの入力信号に従って上方用マスキング音M1を放射する。ここで、図4に示すように、ADF3での記録媒体の衝突音は、上方への雑音の中で最大の音圧レベルを有する。それゆえ、上面スピーカ14aは、ADF3での記録媒体の衝突音(前述の(A)を参照)の発生箇所(つまり、主要なノイズ源)と略同一位置に配置されることが好ましい。
前面スピーカ14bは、前方への雑音をマスキングするために、画像形成装置2の前面に設けられ、入力信号に従って前方用マスキング音M2を放射する。同様に、背面、左面及び右面スピーカ14c〜14eは、画像形成装置2の背面、左側面及び右側面に設けられ、入力信号に従って後方用マスキング音M3、左方用マスキング音M4及び右方用マスキング音M5を出力する。前面、背面、左面及び右面スピーカ14b〜14eは、好ましくは、上面スピーカ14aと同様の観点で、主要なノイズ源と略同一位置に配置される。前面スピーカ14bであれば、主要なノイズ源として、画像形成手段22のポリゴンミラーの駆動用モータと略同一位置に、左面スピーカ14dであれば、主要なノイズ源として、フィニッシャー4のトレイの駆動用モータと略同一位置に配置される。なお、主要なノイズ源と略同一位置に配置されるのは、全てのスピーカ14a〜14eに限られるわけではなく、少なくとも1個のスピーカであればよい。
上面、前面、背面、左面及び右面スピーカ14a〜14eから放射された各マスキング音M1〜M5の音圧レベルの時間変化は、図5を参照して説明した通りである。
(第1実施形態の作用・効果)
以上説明したように、本実施形態では、予め、画像形成装置2から発せられる雑音の指向性や放射分布特性が実験により取得され、取得された雑音に基づき、上方用、前方用、後方用、左方用及び右方用マスキング音M1〜M5のデータが作成され、記憶手段11に格納されている。ユーザ側での印刷動作時に、音響再生手段13は、画像形成装置2、ADF3又はフィニッシャー4から発する雑音に合わせて、上方用、前方用、後方用、左方用及び右方用マスキング音M1〜M5を再生し、上面、前面、背面、左面及び右面スピーカ14a〜14eから出力させる。その結果、音響出力装置1から放射されるトータルのマスキング音の指向性は、画像形成装置2等から発する雑音の指向性と類似することとなるため、指向性雑音を効果的にマスキング可能となる。
以上説明したように、本実施形態では、予め、画像形成装置2から発せられる雑音の指向性や放射分布特性が実験により取得され、取得された雑音に基づき、上方用、前方用、後方用、左方用及び右方用マスキング音M1〜M5のデータが作成され、記憶手段11に格納されている。ユーザ側での印刷動作時に、音響再生手段13は、画像形成装置2、ADF3又はフィニッシャー4から発する雑音に合わせて、上方用、前方用、後方用、左方用及び右方用マスキング音M1〜M5を再生し、上面、前面、背面、左面及び右面スピーカ14a〜14eから出力させる。その結果、音響出力装置1から放射されるトータルのマスキング音の指向性は、画像形成装置2等から発する雑音の指向性と類似することとなるため、指向性雑音を効果的にマスキング可能となる。
また、トータルのマスキング音の放射分布特性の時間変化は、雑音の放射分布特性の時間変化に類似するため、指向性雑音をより効果的にマスキング可能となる。
また、本実施形態では、音響出力装置1は、異なる方向にマスキング音を放射可能な複数のスピーカ14a〜14eを有しており、これらスピーカ14a〜14e毎に音圧レベルが異なるマスキング音M1〜M5を再生する。これにより、トータルのマスキング音と雑音の指向性とを合わせやすくなるため、指向性雑音をより効果的にマスキング可能となる。
また、例えば、上方用及び左方用マスキング音M1,M4は、上方及び左方への雑音の周波数特性と類似した周波数特性を有する。このように、本実施形態では、マスキング音M1〜M5自体も互いに異なっている。これにより、指向性雑音をより効果的にマスキング可能となる。
また、例えば、上面スピーカ14aは、前述した通り、ADF3での記録媒体の衝突音の発生箇所(つまり、主要なノイズ源)と略同一位置に配置される。他の例としては、前面スピーカ14bは、主要なノイズ源としてのポリゴンミラーの駆動用モータと、左面スピーカ14dは、主要なノイズ源としてフィニッシャー4のトレイの駆動用モータと略同一位置に配置される。このように、スピーカ14a〜14eの少なくとも1つは、画像形成装置2の内部又は周辺機器における主要なノイズ源と略同一位置に配置される。したがって、マスキング音M1〜M5と、音圧レベルの大きな主要な雑音とは実質的に同じ放射経路を伝達され、外部に放射される。また、放射経路毎で、マスキング音M1〜M5及び主要な雑音の振動伝達関数には実質的な差異が無くなる。これにより、マスキング音M1〜M5の指向性と雑音の指向性とを実質的に一致させることが可能となり、より効果的に放射性雑音のマスキングが可能となる。
(付記)
なお、本実施形態では、印刷動作は、「ADF3による原稿画像の読み取り」→「画像形成装置2での記録媒体の供給」→「画像形成装置2での画像形成」→「フィニッシャー4による後処理」という一連の動作を例に採り上げた。そして、動作モードに対するマスキング音M1〜M5について説明した。しかし、画像形成装置2は、単独で又は周辺機器と協働して様々な動作モードを有する。したがって、記憶手段11には、様々な動作モードで発せられる雑音に対応したマスキング音が記憶されることが望ましい。
なお、本実施形態では、印刷動作は、「ADF3による原稿画像の読み取り」→「画像形成装置2での記録媒体の供給」→「画像形成装置2での画像形成」→「フィニッシャー4による後処理」という一連の動作を例に採り上げた。そして、動作モードに対するマスキング音M1〜M5について説明した。しかし、画像形成装置2は、単独で又は周辺機器と協働して様々な動作モードを有する。したがって、記憶手段11には、様々な動作モードで発せられる雑音に対応したマスキング音が記憶されることが望ましい。
また、本実施形態では、ユーザへの出荷前にサプライヤー(メーカー)側で実験により取得された雑音に基づき、マスキング音M1〜M5が作成されていた。しかし、これに限らず、画像形成装置2等がユーザ側に設置された後、この設置環境で雑音をマイク等で集音し、集音した雑音に基づき、マスキング音M1〜M5が作成されても構わない。
また、マスキング音M1〜M5の指向性制御は、本実施形態で説明した電子的なものに限定されず、構造的なものでも構わない。例えば、各スピーカの前面に指向性を作成するようなフィルタが設けられてもよい。
また、本実施形態では、スピーカ14a〜14eごとのマスキング音M1〜M5のデータが記憶手段11に格納されていた。しかし、これに限らず、雑音の指向性を表す指向性データと、基礎となるマスキング音Mのデータとが予め記憶手段11に格納されており、音響再生手段13は、基礎となるマスキング音Mを指向性データに基づき、スピーカ14a〜14e用に指向性を有するマスキング音M1〜M5を生成しても構わない。
また、本実施形態では、雑音の指向性に合ったマスキング音M1〜M5がスピーカ14a〜14eから放射されていた。しかし、これに限らず、例えば、画像形成装置2の設置空間の特性(反射要素)を考慮したマスキング音M1〜M5がスピーカ14a〜14eから放射されても構わない。より具体的には、画像形成装置2は、背面や一側面が壁面に沿うように設置されることが多い。このような場合、音響再生手段13は、反射要素としての壁面を考慮して、背面スピーカ14cや右面スピーカ14eからの音圧レベルを他のスピーカ14a等のそれと比較して小さくしても構わない。
(第2実施形態)
次に、図6及び図7を参照して、第2実施形態に係る音響出力装置7について説明する。音響出力装置7は、前述の音響出力装置1と比較すると、以下の3点で相違する。1点目は、音響再生手段13が音響再生手段15に代わる点である。2点目は、音響出力手段14の構成が、複数のスピーカ14a〜14eから、可動音響出力手段16に代わる点である。3点目は、音響出力装置7が可動音響出力手段16からの放射方向を制御する方向制御手段17をさらに備える点である。両音響出力装置1,7の構成には、それ以外に相違点は無い。それゆえ、図6及び図7において、図1及び図2の構成に相当するものには同一の参照符号を付け、それぞれの説明を省略する。
次に、図6及び図7を参照して、第2実施形態に係る音響出力装置7について説明する。音響出力装置7は、前述の音響出力装置1と比較すると、以下の3点で相違する。1点目は、音響再生手段13が音響再生手段15に代わる点である。2点目は、音響出力手段14の構成が、複数のスピーカ14a〜14eから、可動音響出力手段16に代わる点である。3点目は、音響出力装置7が可動音響出力手段16からの放射方向を制御する方向制御手段17をさらに備える点である。両音響出力装置1,7の構成には、それ以外に相違点は無い。それゆえ、図6及び図7において、図1及び図2の構成に相当するものには同一の参照符号を付け、それぞれの説明を省略する。
音響再生手段15は、動作モードの判別結果に応答して、例えば、記憶手段11に格納されたマスキング音M1〜M5を合成したマスキング音を再生し、可動音響出力手段16に出力する。
可動音響出力手段16は、例えば、ADF3の上面に設けられ、Z軸に平行な軸A及びX軸に平行な軸Bを中心に回動して、画像形成装置2の上方、前方、後方、左方及び右方に対しマスキング音を放射可能なスピーカである。
方向制御手段17は、例えば、制御手段23にソフトウェア的に組み込まれる。この方向制御手段17は、状態判別手段12から動作モードを受け取ると、例えば、雑音の放射分布特性の時間変化に合わせて、可動音響出力手段16の放射方向を変更する。例えば、方向制御手段17は、図5の時刻T1になれば、可動音響出力手段16を上方に向け、時刻T2〜T4の間は前方に向け、さらに時刻T4になると左方に向ける。
(第2実施形態の作用・効果)
以上の構成の音響出力装置7によれば、音響出力装置1と同様に指向性雑音に効果的なマスキング音を放射することが可能となる。
以上の構成の音響出力装置7によれば、音響出力装置1と同様に指向性雑音に効果的なマスキング音を放射することが可能となる。
(付記)
なお、方向制御手段17は、上述の方向制御に限らず、例えば、画像形成装置2の動作中は常時可動音響出力手段16を回転させていても構わないし、動作モードに応じて必要な方向だけに可動音響出力手段16を向けるようにしても構わない。
なお、方向制御手段17は、上述の方向制御に限らず、例えば、画像形成装置2の動作中は常時可動音響出力手段16を回転させていても構わないし、動作モードに応じて必要な方向だけに可動音響出力手段16を向けるようにしても構わない。
(第3実施形態)
次に、図8及び図9を参照して、第3実施形態に係る音響出力装置9について説明する。音響出力装置9は、前述の音響出力装置7と比較すると、以下の2点で相違する。まず、音響出力装置9が人検知手段18をさらに備える点である。第2に、方向制御手段17が方向制御手段19に代わる点である。両音響出力装置7,9の構成には、それ以外に相違点は無い。それゆえ、図8及び図9において、図6及び図7の構成に相当するものには同一の参照符号を付け、それぞれの説明を省略する。
次に、図8及び図9を参照して、第3実施形態に係る音響出力装置9について説明する。音響出力装置9は、前述の音響出力装置7と比較すると、以下の2点で相違する。まず、音響出力装置9が人検知手段18をさらに備える点である。第2に、方向制御手段17が方向制御手段19に代わる点である。両音響出力装置7,9の構成には、それ以外に相違点は無い。それゆえ、図8及び図9において、図6及び図7の構成に相当するものには同一の参照符号を付け、それぞれの説明を省略する。
人検知手段18は、例えば、画像形成装置2の前面に設けられ、画像形成装置2の前方に存在するユーザの位置を検知する赤外線センサや超音波センサからなる。
方向制御手段19は、例えば、制御手段23にソフトウェア的に組み込まれる。この方向制御手段19は、状態判別手段12から動作モードを受け取ると、人検知手段18で検知されたユーザ位置に合うように、可動音響出力手段16の放射方向を変更する。
(第3実施形態の作用・効果)
以上の構成の音響出力装置7によれば、画像形成装置2の周辺にいるユーザの位置に応じて、指向性雑音の効果的なマスキングが可能となる。
以上の構成の音響出力装置7によれば、画像形成装置2の周辺にいるユーザの位置に応じて、指向性雑音の効果的なマスキングが可能となる。
(付記)
なお、人検知手段18は、画像形成装置2の前方に存在する複数のユーザの位置も検知可能である。この場合、方向制御手段19は、複数のユーザの位置に合うように、可動音響出力手段16の放射方向を変更しても構わない。
なお、人検知手段18は、画像形成装置2の前方に存在する複数のユーザの位置も検知可能である。この場合、方向制御手段19は、複数のユーザの位置に合うように、可動音響出力手段16の放射方向を変更しても構わない。
本発明に係る音響出力装置は、指向性雑音を効果的にマスキング可能であり、プリンタ、複写機、ファクシミリ及びこれらの複合機のような画像形成装置に好適である。
1 音響出力装置
11 記憶手段
13,15 音響再生手段
14 音響出力手段
14a〜14e スピーカ
16 可動音響出力手段
17,19 方向制御手段
18 人検知手段
2 画像形成装置
3 ADF(周辺機器)
4 フィニッシャー(周辺機器)
11 記憶手段
13,15 音響再生手段
14 音響出力手段
14a〜14e スピーカ
16 可動音響出力手段
17,19 方向制御手段
18 人検知手段
2 画像形成装置
3 ADF(周辺機器)
4 フィニッシャー(周辺機器)
Claims (9)
- 機器で発生する動作音をマスキングする音響出力装置であって、
前記機器を基準とする方向によって音圧レベルが異なるマスキング音を再生する音響再生手段と、
前記音響再生手段で再生されたマスキング音を放射する音響出力手段と、を備える音響出力装置。 - 前記音響再生手段は、その放射分布特性が時間変化するマスキング音を再生する、請求項1に記載の音響出力装置。
- 前記音響出力手段は、異なる方向にマスキング音を放射可能な複数のスピーカを含み、
前記音響再生手段は、前記複数のスピーカごとに、音圧レベルが異なる複数のマスキング音を再生する、請求項1又は2に記載の音響出力装置。 - 前記音響出力手段は、異なる方向にマスキング音を放射可能な複数のスピーカを含み、
前記音響再生手段は、前記複数のスピーカごとに、互いに異なるマスキング音を再生する、請求項1〜3のいずれかに記載の音響出力装置。 - 前記音響出力手段は、異なる方向にマスキング音を放射可能な複数のスピーカを含み、
前記複数のスピーカのうち、少なくとも1つは、前記機器における主要なノイズ源と略同一位置に配置される、請求項1〜4のいずれかに記載の音響出力装置。 - 前記音響出力手段は、マスキング音の放射方向を変更可能な可動音響出力手段であり、
前記音響出力装置は、前記可動音響出力手段の放射方向を制御する方向制御手段を、さらに備える、請求項1又は2に記載の音響出力装置。 - 前記方向制御手段は、前記機器の動作中に、前記可動音響出力手段の放射方向を制御する、請求項6に記載の音響出力装置。
- 前記機器の動作中に、周囲に存在する人を検知する人検知手段を、さらに備え、
前記音響再生手段は、前記人検知手段の検出結果に基づき、前記機器を基準とする方向によって音圧レベルが異なるマスキング音を再生する、請求項1〜7のいずれかに記載の音響出力装置。 - 前記機器は画像形成装置である、請求項1〜8のいずれかに記載の音響出力装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011282600A JP2013134271A (ja) | 2011-12-26 | 2011-12-26 | 音響出力装置 |
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JP2011282600A Pending JP2013134271A (ja) | 2011-12-26 | 2011-12-26 | 音響出力装置 |
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-
2011
- 2011-12-26 JP JP2011282600A patent/JP2013134271A/ja active Pending
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