JP2013256088A - 画像形成システム - Google Patents
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Abstract
【課題】導入時の費用負担を低減することが可能な画像形成システムを提供すること。
【解決手段】第一画像形成装置Aは、受け取った第二印刷ジョブに含まれる現在位置に基づき、第二画像形成装置Bの印刷動作(特に、第二シート材Sbの搬送タイミング)に合うように第二対策音を放射する。その結果、第二画像形成装置Bで発生する騒音は、第一画像形成装置Aから放射される第二対策音によってマスキングまたは消音される。
【選択図】図1
【解決手段】第一画像形成装置Aは、受け取った第二印刷ジョブに含まれる現在位置に基づき、第二画像形成装置Bの印刷動作(特に、第二シート材Sbの搬送タイミング)に合うように第二対策音を放射する。その結果、第二画像形成装置Bで発生する騒音は、第一画像形成装置Aから放射される第二対策音によってマスキングまたは消音される。
【選択図】図1
Description
本発明は、騒音の耳障り感を低減可能な画像形成装置を備えた画像形成システムに関する。
従来、この種の画像形成装置としては、例えば特許文献1に記載の騒音マスキング装置がある。騒音マスキング装置は、動作時に騒音の発生源となる駆動機構を有する画像形成装置に搭載され、騒音をマスキングするマスキング音を発生する発音体と、該騒音の主成分周波数を含む範囲の周波数のマスキング音を発生させるマスキング音制御手段とを備える。マスキング音制御手段は、騒音の主成分周波数の臨界帯域周波数の下限周波数から上限周波数の範囲の周波数のマスキング音を発生させる。
上記の画像形成装置としては、他にも、例えば特許文献2に記載の消音装置がある。消音装置は、特定の周波数にピークを有する純音系騒音を発生する純音系騒音源を複数個有する画像形成装置に搭載される。この消音装置において、画像形成装置内に設けられた電気音響変換器と、純音系騒音源に対応して当該純音系騒音源から発生する純音系騒音波形と相関のある相関信号を作成する複数の信号作成手段と、信号作成手段により作成された複数の相関信号を合成して、合成信号を作成する合成信号作成手段と、合成信号作成手段で作成された合成信号から複数の純音系騒音源の純音系騒音を消音する消音信号を作成して電気音響変換器を駆動する駆動手段とを備える。
ところで、顧客は、オフィス空間等のように比較的限られた空間に、複数台の画像形成装置を配置したい場合がある。しかし、いずれの画像形成装置にも騒音マスキング装置および消音装置のいずれかが搭載されていると、各画像形成装置の単価が高くなるため、ユーザの費用負担が大きくなる。
それゆえに、本発明の目的は、複数台の画像形成装置を同一空間に配置する際にかかる費用負担を低減可能な画像形成システムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第一局面は、第一画像形成装置および第二画像形成装置を少なくとも一台ずつ備えた画像形成システムに向けられている。前記第一画像形成装置は、第一印刷ジョブを実行して、第一シート材に印刷を行う第一印刷部と、前記第一印刷部で発生する騒音の耳障り感を低減可能な第一対策音を出力する音響出力部と、第一通信部と、を備えている。
前記第二画像形成装置は、第二印刷ジョブを実行して、第二シート材に印刷を行う第二印刷部と、自装置の周囲に設置された第一画像形成装置を検出する装置検出部と、前記装置検出部によって検出された第一画像形成装置の第一通信部に、前記第二印刷部が実行すべき第二印刷ジョブを送信する第二通信部と、を備えている。
前記第一通信部は、前記第二通信部によって送信された第二印刷ジョブを受信し、前記音響出力部はさらに、前記第一通信部によって受信された第二印刷ジョブに基づき、前記第二印刷部で発生する騒音の耳障り感を低減可能な第二対策音を出力する。
また、本発明の第二局面は、第一画像形成装置および第二画像形成装置を少なくとも一台ずつ備えた画像形成システムに向けられる。前記第一画像形成装置は、第一印刷ジョブを実行して、第一シート材に印刷を行う第一印刷部と、前記第一印刷部で発生する騒音の耳障り感を低減可能な第一対策音を出力する音響出力部と、前記第一印刷部で実行すべき第一印刷ジョブを送信する第一通信部と、を備えている。
前記第二画像形成装置は、第二印刷ジョブを実行して、第二シート材に印刷を行う第二印刷部と、自装置の周囲に設置された第一画像形成装置を検出する装置検出部と、前記装置検出部によって検出された第一画像形成装置の第一通信部から、前記第一印刷部が実行すべき第一印刷ジョブを受信する第二通信部と、を備えている。
前記第二印刷部は、前記第二通信部によって受信された第一印刷ジョブに基づき、前記第二シート材を搬送して、自装置の第二印刷ジョブを実行する。
上記各局面よれば、複数台の画像形成装置を同一空間に配置する際にかかる費用負担を低減可能である。
(第一実施形態)
以下、図面を参照して、第一実施形態に係る画像形成システムを詳説する。
以下、図面を参照して、第一実施形態に係る画像形成システムを詳説する。
(システム構成)
図1において、画像形成システムは、少なくとも一台の第一画像形成装置Aと、少なくとも一台の第二画像形成装置Bと、を備えている。第一および第二画像形成装置A,Bは、比較的限られた空間(例えばオフィス空間)に設置される。具体的には、第二画像形成装置Bは、第一画像形成装置Aの周辺に(例えば横並びに)設置される。第一および第二画像形成装置A,Bは、電子写真方式を採用したMFP(Multifunction Peripheral)等であり、例えばタンデム方式でフルカラーの印刷物を作成する。また、第一および第二画像形成装置A,Bは相互にデータ通信可能に構成されている。
図1において、画像形成システムは、少なくとも一台の第一画像形成装置Aと、少なくとも一台の第二画像形成装置Bと、を備えている。第一および第二画像形成装置A,Bは、比較的限られた空間(例えばオフィス空間)に設置される。具体的には、第二画像形成装置Bは、第一画像形成装置Aの周辺に(例えば横並びに)設置される。第一および第二画像形成装置A,Bは、電子写真方式を採用したMFP(Multifunction Peripheral)等であり、例えばタンデム方式でフルカラーの印刷物を作成する。また、第一および第二画像形成装置A,Bは相互にデータ通信可能に構成されている。
(第一画像形成装置の構成)
図2は、図1に示す第一画像形成装置Aの詳細な構成を示す模式図である。第一画像形成装置Aの詳説の前に、以下の文言を定義する。まず、第一画像形成装置Aの左右方向および上下方向は、図2の紙面の左右方向および上下方向と定義される。また、図2に示す構成の中には、参照番号の右側に添え字a,b,c,dが付加されるものがある。a,b,c,dは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)を意味する。例えば、感光体ドラム37aは、イエローの感光体ドラム37を意味する。また、添え字無しの参照番号は、Y,M,C,Bkの各色を意味する。例えば、感光体ドラム37は、Y,M,C,Bk各色の感光体ドラムを意味する。上記に関しては、図12に示す第二画像形成装置Bにも同様に当てはまる。
図2は、図1に示す第一画像形成装置Aの詳細な構成を示す模式図である。第一画像形成装置Aの詳説の前に、以下の文言を定義する。まず、第一画像形成装置Aの左右方向および上下方向は、図2の紙面の左右方向および上下方向と定義される。また、図2に示す構成の中には、参照番号の右側に添え字a,b,c,dが付加されるものがある。a,b,c,dは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)を意味する。例えば、感光体ドラム37aは、イエローの感光体ドラム37を意味する。また、添え字無しの参照番号は、Y,M,C,Bkの各色を意味する。例えば、感光体ドラム37は、Y,M,C,Bk各色の感光体ドラムを意味する。上記に関しては、図12に示す第二画像形成装置Bにも同様に当てはまる。
第一画像形成装置Aは、少なくとも供給装置1と第一印刷部2Aとを備える。また、第一画像形成装置Aは、ADF(Automatic Document Feeder)やフィニッシャーのような周辺機器をオプションで追加可能である。図2の例では、ADF5が追加されている。
供給装置1において、供給トレイ11に積載された第一シート材Saは、ピックアップローラ12により取り出される。取り出された第一シート材Saは1枚ずつ、供給ローラ13および分離ローラ14によって搬送経路R1(点線参照)に送り出される。
第一印刷部2Aにおいて、レジストローラ対21はレジストニップを形成している。このレジストニップには、供給装置1から送り出され搬送経路R1を搬送されてきた第一シート材Saが突き当てられる。レジストローラ対21は、後述の二次転写に合うタイミングで、突き当てられ一時的に停止した第一シート材Saを搬送経路R1の下流に送り出す。
第一印刷部2Aにおいて、イメージングユニット22は、レジストローラ対21に対し搬送経路R1の直ぐ下流に設けられ、光走査装置31と、中間転写ベルト32と、駆動ローラ33と、従動ローラ34と、二次転写ローラ35と、各色の作像ユニット36と、を含んでいる。また、各色の作像ユニット36は、回転可能に構成された感光体ドラム37を含んでいる。
光走査装置31は、画像データが入力されると、色毎に光ビームγを生成して、回転する感光体ドラム37の外周面上で走査する。これにより、各外周面に、対応色の静電潜像が生成される。その後、各色用の現像器(図示せず)により静電潜像が現像され、トナー画像が生成される。
中間転写ベルト32は、ローラ33,34間に無端状に張り渡され、矢印αの方向に回転する。この中間転写ベルト32の所定エリアには、感光体ドラム37に担持された各トナー画像が順次転写され(一次転写)、各色のトナー画像が重なり合ったフルカラーの合成トナー画像が形成される。合成トナー画像は、中間転写ベルト32の駆動により、二次転写ローラ35に向けて搬送される。
二次転写ローラ35は、中間転写ベルト32と当接して二次転写ニップを形成する。二次転写ニップには、レジストローラ対21から第一シート材Saが導入される。二次転写ローラ35には転写電圧が印加されており、二次転写ニップを通過する第一シート材Saに中間転写ベルト32上の合成トナー画像が二次転写される。二次転写ローラ35および中間転写ベルト32は、二次転写済の第一シート材Saを搬送経路R1の下流に送り出す。
定着器23には、加熱ローラおよび加圧ローラによって定着ニップが形成されている。この定着ニップを上記二次転写ニップからの第一シート材Saが通過することで、定着器23は、第一シート材Sa上に合成トナー画像を定着させる。その後、定着器23は、搬送経路R1の下流に設けられた反転/排出ローラ対24に第一シート材Saを送り出す。
反転/排出ローラ対24は、第一シート材Saの両面印刷時、第一面(表面)への定着処理済の第一シート材Saが定着器23から導入されると、第二面(裏面)への印刷のために、該第一シート材Saをスイッチバックして反転経路R2(一点鎖線参照)に送り出す。この第一シート材Saは、反転経路R2上に配置された両面搬送ローラ対25,26によって、レジストローラ対21に向けて搬送される。その後、第一シート材Saは、所定の再供給位置Pで一旦停止させられ、搬送経路R1と反転経路R2との合流ポイントを通過する他の第一シート材Saとのタイミング調整がなされた後、表裏反転された状態で、レジストニップに突き当てられる。その後、上記と同様にして、第二面に対し二次転写や定着処理が行われる。
反転/排出ローラ対24は、第二面への定着処理済の第一シート材Saが導入されると、該第一シート材Saを排出トレイ27に排出する。また、片面印刷の場合には、第一面への定着処理済の第一シート材Saは、スイッチバックされることなく、反転/排出ローラ対24から排出トレイ27に排出される。
(シート材の位置検出手段)
また、第一画像形成装置Aには、各第一シート材Saの位置管理等のために、経路R1,R2上の要所に位置検出手段が設けられる。図2の例では、位置検出手段として、給紙センサSE1が供給ローラ13の直後に、レジストセンサSE2がレジストローラ対21の直前に、排紙センサSE3が定着器23の直後に設けられる。他にも、両面搬送ローラ対25の直後に両面搬送センサSE4が、両面搬送ローラ対26の直前に両面搬送センサSE5が設けられる。
また、第一画像形成装置Aには、各第一シート材Saの位置管理等のために、経路R1,R2上の要所に位置検出手段が設けられる。図2の例では、位置検出手段として、給紙センサSE1が供給ローラ13の直後に、レジストセンサSE2がレジストローラ対21の直前に、排紙センサSE3が定着器23の直後に設けられる。他にも、両面搬送ローラ対25の直後に両面搬送センサSE4が、両面搬送ローラ対26の直前に両面搬送センサSE5が設けられる。
センサSE1〜SE5は、例えば、反射型のフォトセンサからなり、自身の設置位置から搬送経路R1または反転経路R2に向けて光を出射し、搬送中の第一シート材Saからの反射光を受信すると、第一シート材Saの現在位置(より具体的には、第一シート材Saの先端の現在位置)を示す検出信号を制御部43A(後述)に出力する。
(第一画像形成装置内の騒音について)
第一画像形成装置Aが印刷動作中に発生する騒音としては、下記(A)〜(F)が例示される。
(A)各ローラやベルト等の駆動機構からの駆動音
(B)搬送経路R1の第一屈曲部分(供給ローラ13からレジストセンサSE2までの間)を第一シート材Saが通過する際の摩擦音
(C)レジストニップに第一シート材Saが突き当てられる際の衝突音
(D)二次転写ニップへの第一シート材Saの衝突音
(E)定着ニップへの第一シート材Saの衝突音
(F)搬送経路R1の第二屈曲部分(例えば、定着器23から反転/排出ローラ対24の間)をシート材が通過する際に生じる摩擦音
第一画像形成装置Aが印刷動作中に発生する騒音としては、下記(A)〜(F)が例示される。
(A)各ローラやベルト等の駆動機構からの駆動音
(B)搬送経路R1の第一屈曲部分(供給ローラ13からレジストセンサSE2までの間)を第一シート材Saが通過する際の摩擦音
(C)レジストニップに第一シート材Saが突き当てられる際の衝突音
(D)二次転写ニップへの第一シート材Saの衝突音
(E)定着ニップへの第一シート材Saの衝突音
(F)搬送経路R1の第二屈曲部分(例えば、定着器23から反転/排出ローラ対24の間)をシート材が通過する際に生じる摩擦音
上記騒音のうち、(A)は、印刷動作の間、継続的に生じる性質を有するのに対し、(B)〜(F)の騒音は、限られた場所(以下、第一所定位置という)で突発的に発生する。なお、第一所定位置の範囲(搬送方向への長さ)は、(C)、(D)、(E)に関しては、長さではなく、実質的には点である。それに対し、(B)、(F)では、数mmから数十mmの範囲である。後者に関しては、後述の表1のように所定長さの範囲とせずに、搬送方向の上流端あるいは中央位置を第一所定位置として用いても良い。
(音響出力装置の構成について)
第一印刷部2Aには、図3に示すように、上記騒音の耳障り感を低減可能な対策音を出力可能な音響出力装置4が備わる。音響出力装置4は、通信部41Aと、記憶部42Aと、制御部43Aと、音響出力部44Aと、を備えている。
第一印刷部2Aには、図3に示すように、上記騒音の耳障り感を低減可能な対策音を出力可能な音響出力装置4が備わる。音響出力装置4は、通信部41Aと、記憶部42Aと、制御部43Aと、音響出力部44Aと、を備えている。
通信部41Aは、第二画像形成装置B側の通信部41Bとデータ通信を行う。
記憶部42Aは、例えばフラッシュメモリからなり、マスキング音M1〜M6を表す音響データを記憶する。マスキング音M1〜M6は、本実施形態では、第一画像形成装置Aで発生する騒音(A)〜(F)をマスキングするための音(以下、第一対策音という場合がある)である。なお、第一対策音は、マスキング音M1〜M6に限らず、上記騒音(A)〜(F)を位相反転させた音でも構わない。また、後述のように第一および第二画像形成装置A,Bは同じ仕様であるため、これらマスキング音M1〜M6は、第二画像形成装置Bが発生する騒音の対策音(以下、第二対策音という場合がある)でもある。
上記マスキング音M1〜M6はいずれも、例えば環境音の周波数を加工した音であって、対象となる騒音の周波数特性と似た周波数特性を有する。また、マスキング音M1〜M6は、ユーザにとって意味をなさない音である。
以下、図4〜図6を参照して、マスキングの基本概念を説明する。まず、図4において、横軸は周波数[Hz]を表し、縦軸はスペクトルレベル[dBPa]を表す。曲線C1は、第一画像形成装置Aの連続印字モード時に発生するトータルの騒音の周波数特性を示す。この曲線C1は、第一画像形成装置Aで発生するトータルの騒音(上記騒音(A)〜(F)を含む全ての雑音)の周波数特性を示している。また、曲線C2は、所謂ホワイトノイズの周波数特性であり、周波数に関わらずほぼ一定のスペクトルレベルを有する。また、曲線Mfは、トータルの騒音に対するマスキング音の周波数特性である。
トータルの騒音にホワイトノイズを重畳して聴者に聴かせた場合、該聴者には該騒音の耳障り感が残る。このホワイトノイズに代えて、例えば経時マスキングや同時マスキング等のマスキング効果が得られるようにマスキング音を重畳した場合、耳障り感が大幅に軽減できる。マスキング効果は、マスキング音の音圧レベルを大きくすれば大きくなる。しかし、第一画像形成装置Aが発する音の音圧レベルが増大するという別の問題が顕在化する。この音圧レベル増大に対処するには、騒音の音圧レベルの時間変化に相関する音圧レベルを有するマスキング音を出力することが有効であることが実験により判明した。
図5は、横軸が時間で、縦軸が音圧レベル(dB(A))とする、連続印字モードでの騒音の時間変化を示す波形図である。縦軸は、上方になればなるほど音圧レベルが高いことを表している。図5において、曲線C3は、連続印字モードでのトータルの騒音の時間変化を示している。曲線C3において、最初の約5秒間はウォームアップが行われるだけである。ウォームアップ実行中の騒音の音圧レベルは、相対的に小さく、概ねP0からP1[dB(A)](P0<P1)の範囲内で変動する。
図5の例では、印刷動作は、約5秒から約18秒まで間に行われる。この間、第一シート材Saの供給→二次転写→定着処理→排出(またはスイッチバック)という一連の動作が繰り返される。それゆえ、騒音の音圧レベルは相対的に大きくなり、概ね音圧レベルP2〜P3(P1<P2<P3)の範囲内で変動する。この印刷動作の間、上記騒音(B)〜(F)が突発的(あるいは断続的にパルス状)に発生する。曲線C3では、これら突発的な騒音が、3つの点線楕円δ1〜δ3内に示すように現れている。これら突発的な騒音の最大音圧レベルは概ねP3であり、また、その出力時間幅は数10ミリ秒〜100ミリ秒程度である。
印刷動作完了後(約18秒以降)、騒音の音圧レベルは、印刷動作時のそれと比較して小さくなり、概ねP4(P1<P4<P2)辺りで変動する。
曲線C3で示す騒音の時間特性は、第一画像形成装置Aの製造者側での実験により予め取得される。取得された騒音に基づき、図5に示すマスキング音Mが生成される。マスキング音Mの音圧レベルは、この騒音の時間変化に合わせて変化する。
突発的な騒音の発生タイミングは、上記の通り、第一画像形成装置Aの内部を搬送される複数の第一シート材Sa間でばらつく。この種の騒音に対応するマスキング音を生成するため、マスキング音Mは周波数分解された後、騒音(A)の周波数成分を含むマスキング音M1が生成され、同様に、突発的な騒音(B)〜(F)の周波数成分を含むマスキング音M2〜M6が生成される。これらマスキング音M1〜M6が音響データ化され、図3に示すように記憶部42Aに格納される。
ここで、図6(A),(B)には、代表例として、マスキング音M1,M3の周波数特性が示されている。図6(A)において、マスキング音M1は相対的に広い周波数範囲にわたって分布する。それに対し、マスキング音M3は、周波数f3[Hz]を含む狭い周波数帯域に分布し、概ねP3[dBPa]の相対的に大きな音圧レベルを有する。図6(B)にはマスキング音M3を代表的に示しているが、他のマスキング音M2,M4〜M6も同様に、相対的に狭い周波数帯域に分布し、相対的に大きな音圧レベルを有する。
また、上記マスキング音M2〜M6に対しては、以下の表1に記載の通り、対象となる騒音の発生位置(つまり、第一所定位置)ごとに、出力タイミング、出力時間幅、音圧レベルおよび周波数のデフォルト値が予め定められている。なお、表1において、各ニップ位置とは対となるローラ軸を結んだ直線と搬送経路が交差する位置であり、出力タイミングは、シート材の先端位置を基準としたタイミングである。
上記デフォルト値は、例えば、第一画像形成装置Aの内部構成やその材質に応じて、製造者側で適宜定められる値である。例えば、騒音(C)については、マスキング音の発生タイミングとしてレジストニップ位置、出力時間幅として100ミリ秒、音圧レベルとしてP3[dBPa]、周波数としてf2[Hz]が定められている。
表1に示す情報が記述されたテーブル(以下、便宜上、単に表1という)が記憶部42Aには予め格納されている。
また、騒音(B)〜(F)の発生タイミング、つまり各第一シート材Saが第一所定位置に到達するタイミングは一定ではない。それゆえ、マスキング音M2〜M6は、上記デフォルト値に従って出力されることが適切とは限らない。このような背景から、記憶部42には、表1以外にも、以下の表2の情報が記述されたテーブル(以下、便宜上、単に表2という)が予め格納される。
表2には、第一所定位置(レジストニップ位置)に各第一シート材Saが実際に到達するタイミングのデフォルト値に対するずれ量毎に、騒音(C)に対応するマスキング音M3の出力タイミング、出力時間幅、音圧レベルおよび周波数の修正値が記述されている。ここで到達タイミングのずれ量の定義については後述する。また、修正値は、例えば、デフォルト値と同様、製造者側で適宜定められる値である。例えば、第一シート材Saが例えば約125ミリ秒遅れてレジストニップに到達する場合、出力タイミングとしてずれ量分遅らせること、出力時間幅として100ミリ秒、音圧レベルP3−ΔP[dBPa]、および、周波数としてf2[Hz]が定められている。約125ミリ秒としたのは、継時マスキングの効果を得るには、騒音の発生から約125ミリ秒以内にマスキング音M3を発生する必要があるからである。
なお、表2には、他の到達タイミングについても同様の修正値が記述される。さらに、マスキング音M2,M4〜M6についても、表2と同様のテーブルが予め格納される。
再度図3を参照する。制御部43Aは、CPUやメインメモリ等から構成されており、記憶部42Aに格納されたデータを用いて、第一画像形成装置Aや後述のADF5の構成各部を制御する。また、騒音対策のために、音響出力装置4は、印刷モード判別部61と、音響再生部62とを有する。印刷モード判別部61および音響再生部62は、例えば、上記制御部43Aに格納されたソフトウェアで実現される。これらの処理については、後で詳説するが、印刷モード判別部61および音響再生部62は、簡単に述べると、印刷ジョブに基づき、上記マスキング音M1〜M6を組み合わせて、騒音の耳障り感を低減可能な第一または第二対策音を表す音響データを作成する。
音響出力部44Aは、例えばスピーカであり、第一画像形成装置Aの前面等に設けられる。音響出力部44Aは、制御部43Aで生成された音響データに従って第一または第二対策音を放射する。
(音響出力装置の基本的な動作)
次に、上記構成の音響出力装置4の基本的な動作について、図7〜図11を参照して説明する。
次に、上記構成の音響出力装置4の基本的な動作について、図7〜図11を参照して説明する。
まず、印刷モード判別部61は、第一画像形成装置Aに備わる入力装置(図示せず)から送信されてくる第一印刷ジョブ等に基づき、今回の印刷モード(例えば、連続印字モード)を判別する。ウォームアップ完了後、印刷動作が始まり、第一シート材Saが供給装置1から搬送経路R1に送出され始める。
また、制御部43Aは、各経路R1,R2上での第一シート材Saの位置管理のため、図示しないタイマーにより、供給装置1から搬送経路R1への送出時を起算点、あるいはレジストローラ対21の可動開始を起算点とする経過時間[ミリ秒]の計測を開始する。この経過時間は、搬送ばらつき等が無いとの想定下における、搬送経路R1および反転経路R2上での第一シート材Saの現在位置(以下、理想位置という)を導出可能な情報(以下、理想位置情報という)として用いられる。制御部43Aは、例えばメインメモリに、図3に示すように、搬送中の第一シート材Saごとに理想位置情報を格納する。
また、音響再生部62は、印刷動作が始まると、図7に示す処理を開始する。図7のS71において、音響再生部62は、各第一シート材Saの現在位置およびずれ量を導出する。ここで、ずれ量とは、上記理想位置と実際の現在位置との差であり、表2に記載の到達タイミングのずれ量と実質的に等しい。実際の現在位置とは、搬送ばらつき等に起因する、搬送経路R1および反転経路R2上での第一シート材Saの実際の現在位置であり、より詳細にはそれぞれのセンサSE1〜SE5が設けられている第三所定位置に第一シート材Saが到達した到達タイミングである。
次のS72において、音響再生部62は、S71で得た各現在位置に基づき、搬送中の第一シート材Saが各第一所定位置に対し所定距離上流の第二所定位置に到達したか否かを判断する。ここで、第一シート材Saの第一所定位置への到達タイミングは、出力タイミングのデフォルト値に対し前後することがある。上記所定距離は、特に第一シート材Saが早く到達することを想定し、ばらつきを考慮して適切に定められる。例えば、マスキング音M3に関しては、所定距離は5mm程度に設定される。
上記S72で否定判断がなされると、処理はS71に戻る。それに対し、肯定判断がなされると、S73において、音響再生部62は、マスキング音M2〜M6の中から、第一所定位置に応じて今回出力すべきものを選択する。例えば、ある第一シート材Saがレジストニップの手前5mmの位置に到達しているのであれば、音響再生部62は、騒音の発生位置に対応したマスキング音M3を選択する。
次のS74において、音響再生部62は、S71で導出したずれ量に応じて、S73で選択したマスキング音の出力タイミング、出力時間幅、音圧レベルおよび周波数を決定する。具体的には、出力タイミング等は、記憶部42に格納される表1および表2に従って、これらが決定される。例えば、到達タイミングのずれ量が125ミリ秒遅れであれば、表2の最下段に示す修正値と決定される。この場合、出力タイミングはずれ量分遅らせられ、出力時間幅は100ミリ秒とされ、音圧レベルはP3−ΔPとされ、周波数はf2とされる。
次のS75において、音響再生部62は、S74で決定した出力タイミング等で、S73で選択したマスキング音を再生し、音響出力部44Aから出力させる。
次に、音響再生部62は、S76において、第一印刷ジョブが終了したか否かを判断する。S76でYesと判断した場合、音響再生部62は、図7の処理を終了する。それに対し、Noと判断した場合、音響再生部62は、S71に戻る。
次に、図8を参照して、上記S71の詳細な処理について説明する。音響再生部62は、S81,S82にて、各第一シート材Saの実際の現在位置および理想位置を導出する。
ここで、図9を参照してS81の詳細な処理を説明する。音響再生部62は、S91にて、上記センサSE1〜SE5からの検出信号を受け取ると、S92にて、対応する第一シート材Saの現在位置を、対応するセンサ位置に更新する。例えば、ある第一シート材SaがレジストセンサSE2の設置位置(供給ローラ13より40mmの位置)を通過した際、音響再生部62は、現在位置を40mmの位置とする。以上のS92が完了すると、音響再生部62は、図9の処理から抜けて、図8のS82を行う。
次に、図10を参照してS82の詳細な処理を説明する。音響再生部62は、S101,S102にて、各第一シート材Saの経過時間(理想位置情報)および現在の搬送速度を取得する。その後、S103にて、音響再生部62は、第一シート材Saの理想位置を、取得した経過時間(理想位置情報)と搬送速度との乗算値に更新する。例えば、現在の経過時間が380ミリ秒(0.38秒)で、搬送速度が100mm/秒の場合、理想位置は供給ローラ13より38mmの位置と更新される。以上のS103が完了すると、音響再生部62は、図10の処理を抜けて図8のS83を行う。
S83において、音響再生部62は、S81で得た実際の現在位置と、S82で得た理想位置との差を、ずれ量として導出する。上記例では、理想位置が38mmであるのに対し、現在位置が40mmであるため、ずれ量は2mm進み(つまり、20ミリ秒進み)となる。
次のS84において、音響再生部62は、S83で得たずれ量が0か否かを判断し、一致する場合、理想位置を更新することなく、図8の処理を抜けて、図7のS72を行う。それに対し、不一致の場合、音響再生部62は、S85において、理想位置を実際の現在位置に更新した後に、図8の処理を抜けて、図7のS72を行う。
以上の処理の結果、例えば、マスキング音M3は、デフォルト値に従って出力された場合、図11(A)に示すように、表1に記載の通り第一シート材Saがレジストニップ位置を通過する際、100ミリ秒の間、P3の音圧レベルでかつf2の周波数で出力される。
これに対し、第一シート材Saの到達タイミングが2mm(20ミリ秒)進んだ状態では、図11(A)に示すように、表2の中段の修正値に従って、マスキング音M3が出力される。また、到達タイミングが12.5mm(125ミリ秒)以上遅れた状態では、図11(B)に示すように、表2の下段の修正値に従って、マスキング音M3が出力される。具体的には、デフォルト位置と比較して、ずれ量Δの分だけ遅い出力タイミングで、マスキング音M3が出力される。
また、もし、修正値の出力時間幅が(100+ずれ量分)ミリ秒と表2に記述されている場合、図11(C)に示すように、この時間幅だけマスキング音M3は出力される。同様に、音圧レベルや周波数の修正値が表2に記述されている場合、修正値通りのマスキング音M3が出力される。また、場合によっては、図11(B)および(C)を組み合わせたマスキング音M3、つまり、出力タイミングをずれ量Δの分だけ早め、かつ出力時間幅を(100+ずれ量分)ミリ秒にすることも可能である。
以上説明したように、音響再生部62は、まず、搬送経路R1を搬送中の第一シート材Saの現在位置を導出し、導出した現在位置に基づき第一シート材Saが第二所定位置に到達したか否かを判断する。肯定判断をすると、音響再生部62は、記憶部42A内から対象となるマスキング音を選択し、少なくとも、その出力タイミングおよび/または出力時間幅を決定する。音響再生部62は、対象となるマスキング音の再生を開始し、決定した出力タイミングおよび/または出力時間幅で、音響出力部44Aから出力させる。
上記処理の結果、搬送経路R1上の第一所定位置で発生する騒音に対し、適切な出力タイミングおよび/または出力時間幅でマスキング音が出力される。このように、本実施形態によれば、シート材搬送に起因する騒音を効果的にマスキング可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
ところで、上記では、突発的な騒音(B)〜(F)と、それぞれに対するマスキング音M2〜M6とを例示した。しかし、他の位置(例えば、反転経路R2上の屈曲部分)で発する突発的な騒音に対し、図7〜図11のような制御が行われても構わない。また、定着器23は、電源回路のコイルを駆動して、加熱ローラを加熱させる。この時、コイルからは振動音が発する。このような振動音に対し、マスキング音の出力制御が行われても構わない。
また、第一画像形成装置AにはADF5が設けられている。ADF5において、トレイ51は、シート材の他の例である原稿Dが載置可能に構成される。供給装置52は、トレイ51から第一シート材Saを1枚ずつ、搬送経路R3(一点鎖線を参照)に送り出す。
レジストローラ対53は、上記レジストローラ対21と同様の構成を有し、制御部43Aによるタイミング制御下で回転して、供給装置52により搬送経路R3に送り出された原稿Dを下流(換言すると読取位置β)に向けて送り出す。このレジストローラ対53の直ぐ上流には、レジストセンサSE2と同様の役割を有するレジストセンサSE6が設けられる。排出ローラ対54は、読取位置βを通過した原稿Dを、排紙トレイ55に排出する。
原稿読取手段56は、読取位置βの直下に固定され、読取位置βを通過する原稿Dを1ライン毎順次読み取る。具体的には、原稿読取手段56において、発光素子は読取位置βに光を出射する。原稿Dでの反射光は、複数のミラーを介して結像レンズに入射され、最後に撮像素子に結像される。撮像素子は、光電変換を行って、入射光から、原稿Dの1ライン分を表す画像データを順次的に生成し、制御部43に出力する。
上記レジストローラ対53でも突発的な騒音は発生するので、該騒音に対しても図7〜図10に示す制御を適用可能である。他にも、もし、画像形成装置に別の周辺機器としてフィニッシャーが取り付けられている場合には、該フィニッシャーからの騒音が考慮されても構わない。
また、表2では、連続印字モードにおける到達タイミングごとに修正値が記述されていた。しかし、他のモード(例えば1枚印字モードやモノクロモード)でも、上記同様のマスキング音の出力制御が行われても構わない。また、表2に、到達タイミングおよび搬送速度ごとの修正値をさらに記述しておき、到達タイミングおよび搬送速度に応じたマスキング音の出力制御を行っても構わない。他にも、第一画像形成装置Aの内部または周辺の温湿度、もしくは、第一シート材Saのサイズまたは種類によって、第一シート材Saのしなやかさ(こし)が変わってくるので、それらに応じたマスキング音の出力制御を行っても構わない。
また、上記では、理想位置は、経過時間と搬送速度の乗算値としていた。しかし、これに限らず、S82では、搬送経路R1への送出時からの経過時間そのものを理想位置として用いても構わない。この場合、S81では、実際の現在位置は、センサ位置(つまり、供給ローラ13からの距離)を搬送速度で割り算した値とする。
(第二画像形成装置の構成)
図12は、図1に示す第二画像形成装置Bの詳細な構成を示す模式図である。図12の第二画像形成装置Bは、図2の第一画像形成装置Aと比較すると、第一印刷部2Aに代えて第二印刷部2Bを備えている。第二印刷部2Bは、第一印刷部2Aと比較すると、第二画像形成装置Bのコストダウン等の観点で、音響出力装置4を備えない点で相違する。それ以外に相違点は無く、その他の具体的な仕様を含め同様であるため、図12において、図2に示す構成に相当するものには同一の参照番号を付けて、それぞれの説明を省略する。なお、図12には、通信部41B、記憶部42Bおよび制御部43Bが示されているが、これらは第二画像形成装置Bによる対策音の出力に用いられるのではなく、第二対策音の出力を第一画像形成装置Aに要求するために用いられる。
図12は、図1に示す第二画像形成装置Bの詳細な構成を示す模式図である。図12の第二画像形成装置Bは、図2の第一画像形成装置Aと比較すると、第一印刷部2Aに代えて第二印刷部2Bを備えている。第二印刷部2Bは、第一印刷部2Aと比較すると、第二画像形成装置Bのコストダウン等の観点で、音響出力装置4を備えない点で相違する。それ以外に相違点は無く、その他の具体的な仕様を含め同様であるため、図12において、図2に示す構成に相当するものには同一の参照番号を付けて、それぞれの説明を省略する。なお、図12には、通信部41B、記憶部42Bおよび制御部43Bが示されているが、これらは第二画像形成装置Bによる対策音の出力に用いられるのではなく、第二対策音の出力を第一画像形成装置Aに要求するために用いられる。
なお、以下の説明では便宜上、第二画像形成装置Bが実行する印刷ジョブを第二印刷ジョブと称し、第二画像形成装置Bの内部を搬送されるシート材を第二シート材Sbと称する。
(第二画像形成装置の動作)
次に、図13を参照して、第二画像形成装置Bの動作について説明する。図13のS131において、制御部43Bは、第二画像形成装置Bが第二印刷ジョブの実行を開始するか否かを判断する。
次に、図13を参照して、第二画像形成装置Bの動作について説明する。図13のS131において、制御部43Bは、第二画像形成装置Bが第二印刷ジョブの実行を開始するか否かを判断する。
S131でNoと判断した場合、制御部43Bは図13の処理を終了する。それに対し、Yesと判断した場合、S132において、制御部43Bは、装置検出処理、つまり第二画像形成装置Bの周囲に設置された第一画像形成装置Aを検出する。装置検出処理の詳細は以下の通りである。
ところで、第二画像形成装置Bの記憶部42Bには、周囲に設置された第一画像形成装置Aおよび他の第二画像形成装置Bについて、それぞれの識別情報および自装置Bからの距離の組み合わせが記録されている。この情報は、例えば、第二画像形成装置Bの設置時に、サービスマンが記憶部42Bによって登録される。制御部43Bは、S132において、記憶部42Bの情報を参照して、自装置Bからの距離が所定距離以下(例えば数m以下)の場所に設置された第一画像形成装置Aを探す。
S132では、他にも、例えばBluetooth(登録商標)のような近距離無線通信によって、第二画像形成装置Bは第一画像形成装置Aを検出することも可能である。
次のS133において、制御部43Bは、第一画像形成装置Aを検出できたか否かを判断する。
S133でNoと判断した場合、制御部43Bは、S134において、自装置Bの構成各部を制御して、第二印刷ジョブに基づく印刷動作を実行する。次に、制御部43Bは、S135において、第二印刷ジョブが終了したか否かを判断する。
S135でYesと判断した場合、制御部43Bは、図13の処理を終了する。それに対し、Noと判断した場合、制御部43Bは、S132に戻る。
また、S133において、Yesと判断した場合、制御部43Bは、S136において、S132およびS133と同様の手法で、周囲の他の第二画像形成装置Bを検出できたか否かを判断する。
S136でNoと判断した場合、制御部43Bは、S137において、自装置Bの第二印刷ジョブに、第二シート材Sbの自装置B内での実際の現在位置と、該現在位置を通過した時刻の組みを含めて、通信部41Bに渡す。ここで、例えば、第二印刷ジョブの実行前の場合、第二シート材Sbの現在位置は供給ローラ13であり、通過時刻は初期値(例えば0)である。
S137において、通信部41Bはさらに、受け取った第二印刷ジョブを、第一画像形成装置Aの通信部41Aに送信する。これによって、第二画像形成装置Bは、第一画像形成装置Aに対し、自装置Bに代わって第二対策音(マスキング音)を出力するように要求する。S137の処理が終了すると、制御部43Bは、上記S134の処理を実行する。なお、第一画像形成装置Aにおける第二印刷ジョブ受信後の処理については後述する。
上記に対し、S136でYesと判断した場合、自装置Bの周囲には第二画像形成装置Bが設置されている。それゆえ、制御部43Bは、S138およびS139において、第一画像形成装置Aから出力される第二対策音をどの第二画像形成装置Bの印刷動作に同期させるか否かを、例えば以下のようにして判断する。
まず、制御部43Bは、S138において、通信部41Bを介してデータ通信を行って、他の第二画像形成装置Bの第二印刷ジョブを収集する。制御部43Bは、自装置Bの第二印刷ジョブおよび周囲の他の第二画像形成装置Bの第二印刷ジョブの中から、所定の基準に従って少なくとも一つを選択する(ジョブ選択処理)。ジョブ選択処理においては、例えば、最後に印刷ジョブが終了するもの(例えば印刷枚数が多いもの)が選択される。
次に、制御部43Bは、S139において、S138で選択した第二印刷ジョブが自装置Bのものか否かを判断する。
S139でYesと判断した場合、制御部43Bは、S1310において、自装置Bの第二印刷ジョブに、代表的な第一シート材Saの自装置B内における現在位置と、その通過タイミングを含めて、通信部41Bに渡す。ここで、現在位置および通過時刻は、上記と同様である。通信部41Bは、受け取った第二印刷ジョブを、他の第二画像形成装置Bの通信部41Bに送信する。これによって、第二画像形成装置Bは、自装置Bの騒音の耳障り感を低減可能な第二対策音(マスキング音)が第一画像形成装置Aから出力されることを、他の(つまり周囲の)第二画像形成装置Bに通知する。S1310の処理が終了すると、制御部43Bは、上記S137の処理を実行する。
S139でNoと判断した場合、自装置Bには、他の第二画像形成装置Bから第二印刷ジョブが送信されてくることになる。それゆえ、制御部43Bは、S1311において、通信部41Bを介して、他装置Bに対し指示を送信する。この指示は、他装置Bの第二印刷ジョブを自装置Bおよび第一画像形成装置Aに送信する、という内容を含む。その結果、他装置Bは、自装置Bおよび第一画像形成装置Aに、他装置Bの第二印刷ジョブを送信する。
次に、制御部43Bは、S1312において、S1311で受信した第二印刷ジョブから現在位置および通過タイミングを取り出し、他装置Bの第一シート材Saの現在位置および通過タイミングに合うように調整する。例えば、取り出した現在位置が供給トレイ11で、通過タイミングが印刷開始タイミングであれば、これに自装置Bの第二印刷ジョブの開始タイミングが合わせられる。S1312が完了すると、制御部43BはS134に進む。
(第一画像形成装置の他の動作)
次に、図14を参照して、第二画像形成装置Bから第二印刷ジョブを受信した時の第一画像形成装置Aの動作について説明する。
次に、図14を参照して、第二画像形成装置Bから第二印刷ジョブを受信した時の第一画像形成装置Aの動作について説明する。
図14のS141において、音響出力装置4において、印刷モード判別部61は、通信部41Aを介して、周囲の第二画像形成装置Bから第二印刷ジョブを受信したか否か、を判断する。Noと判断した場合、音響出力装置4は図14の処理を終了する。
それに対し、S141でYesと判断した場合、制御部43Aは、第二画像形成装置Bにおける第二シート材Sbの位置管理のため、図示しないタイマーにより、例えばメインメモリに、搬送中の第二シート材Sbごとに理想位置情報を格納する。
ところで、第二画像形成装置Bで印刷動作が始まると、制御部43Bは、S137を繰り返し実行し、そのたびに第二印刷ジョブを第一画像形成装置Aに送信する。
音響再生部62は、S142において、図7のS71と同様にして、各第二シート材Sbの現在位置およびずれ量を導出する。次のS143において、音響再生部62は、通信部41Aによって受信された第二印刷ジョブに含まれる各現在位置に基づき、第二画像形成装置B内を搬送中の第二シート材Sbが各第一所定位置に対し所定距離上流の第二所定位置に到達したか否かを判断する。
S143でNoと判断されると、処理はS142に戻る。それに対し、Yesと判断されると、S144において、音響再生部62は、図7のS72と同様にして、マスキング音M2〜M6の中から、第一所定位置に応じて今回出力すべきものを選択する。
次のS145において、音響再生部62は、図7のS74と同様にして、S142で導出したずれ量に応じて、S144で選択したマスキング音の出力タイミング、出力時間幅、音圧レベルおよび周波数を決定する。
次のS146において、音響再生部62は、図7のS75と同様にして、S145で決定した出力タイミング等で、S144で選択したマスキング音を再生し、音響出力部44Aから出力させる。
次に、音響再生部62は、S147において、第一印刷ジョブが終了したか否かを判断する。S147でYesと判断した場合、音響再生部62は、図14の処理を終了する。それに対し、Noと判断した場合、音響再生部62は、S141に戻る。
なお、上記の通り、S143〜S147の処理は、図7のS72〜76の処理と同様であるため、具体的な処理を説明は省略される。
(基本的な通信シーケンス)
次に、図15および図16を参照して、画像形成システムにおける基本的な通信シーケンスの第一例について説明する。図15には、二台の第一画像形成装置A1,A2と、三台の第二画像形成装置B1〜B3と、が例示されている。第一画像形成装置A1を中心として、円C1で示す所定距離の範囲内には、第二画像形成装置B1〜B3が配置されている。また、第一画像形成装置A2を中心として、円C2で示す所定距離の範囲内には、第二画像形成装置B1が配置されている。また、第一画像形成装置B2に第二印刷ジョブ(印刷枚数は30枚)が発生した時、第一画像形成装置A2のみが既に印刷動作中(印刷枚数は50枚)であるとする。
次に、図15および図16を参照して、画像形成システムにおける基本的な通信シーケンスの第一例について説明する。図15には、二台の第一画像形成装置A1,A2と、三台の第二画像形成装置B1〜B3と、が例示されている。第一画像形成装置A1を中心として、円C1で示す所定距離の範囲内には、第二画像形成装置B1〜B3が配置されている。また、第一画像形成装置A2を中心として、円C2で示す所定距離の範囲内には、第二画像形成装置B1が配置されている。また、第一画像形成装置B2に第二印刷ジョブ(印刷枚数は30枚)が発生した時、第一画像形成装置A2のみが既に印刷動作中(印刷枚数は50枚)であるとする。
上記状況において、画像形成システムでは、図16に示す通信シーケンスで処理が行われる。まず、第二画像形成装置B2は、SQ161で実行すべき第二印刷ジョブが発生すると、図13の処理を実行する。その結果、SQ162にて、第一画像形成装置A1が検出される。また、SQ163にて、その時点で実行すべき第二印刷ジョブがある周囲の第二画像形成装置Bは検出されない。また、SQ164にて、第一画像形成装置A1に、第二印刷ジョブが通知される。その後、第二画像形成装置B2では、SQ165にて、第二印刷ジョブが実行され、印刷が行われる。また、第一画像形成装置A1では、SQ166にて、第二画像形成装置B2の印刷動作に合わせて第二対策音が放射される。
次に、図17および図18を参照して、画像形成システムにおける基本的な通信シーケンスの第二例について説明する。図17は、図15と比較すると、第二画像形成装置B2で第二印刷ジョブが発生した時に第二画像形成装置B3が既に印刷動作中(印刷枚数は60枚)である点で相違する。それ以外に相違点は無いので、共通点の説明は省略される。
上記状況において、画像形成システムでは、図18に示す通信シーケンスで処理が行われる。図18は、図16と比較すると、SQ164に代えて、SQ181およびSQ182が実行される点で相違する。それ以外に図16および図18の間に相違点は無いので、共通点の説明は省略される。
第二画像形成装置B2において、図13の処理が実行されると、SQ163にて、第二画像形成装置B3が検出される。また、SQ181にて、第二画像形成装置B3は、第一画像形成装置A1および第二画像形成装置B2に第二印刷ジョブを通知する。その後、第二画像形成装置B2では、SQ182にて、印刷動作のタイミング調整が実行された後、第二印刷ジョブが実行される。その結果、第二画像形成装置B2では、第二画像形成装置B3の印刷動作に同期して印刷が行われる。また、第一画像形成装置A1では、SQ166にて、第二画像形成装置B3の印刷動作に合わせて第一対策音が放射される。
(通信シーケンスの第一変形例)
次に、図19および図20を参照して、画像形成システムにおける通信シーケンスの第一変形例について説明する。図19には、図15と同様に、二台の第一画像形成装置A1,A2と、三台の第二画像形成装置B1〜B3と、が例示されている。第一画像形成装置A1を中心として、円C1で示す所定距離の範囲内には、第二画像形成装置B1〜B3が配置されている。また、第一画像形成装置A2を中心として、円C2で示す所定距離の範囲内には、第二画像形成装置B1が配置されている。また、第二画像形成装置B2に第二印刷ジョブ(印刷枚数は30枚)が発生した時、第一画像形成装置A2のみが既に印刷動作中(印刷枚数は20枚)であるとする。しかし、時間の経過により、例えば第一画像形成装置A2および第二画像形成装置B2のそれぞれが15枚分の印刷完了時点で、第一画像形成装置A1に第一印刷ジョブが発生したとする。
次に、図19および図20を参照して、画像形成システムにおける通信シーケンスの第一変形例について説明する。図19には、図15と同様に、二台の第一画像形成装置A1,A2と、三台の第二画像形成装置B1〜B3と、が例示されている。第一画像形成装置A1を中心として、円C1で示す所定距離の範囲内には、第二画像形成装置B1〜B3が配置されている。また、第一画像形成装置A2を中心として、円C2で示す所定距離の範囲内には、第二画像形成装置B1が配置されている。また、第二画像形成装置B2に第二印刷ジョブ(印刷枚数は30枚)が発生した時、第一画像形成装置A2のみが既に印刷動作中(印刷枚数は20枚)であるとする。しかし、時間の経過により、例えば第一画像形成装置A2および第二画像形成装置B2のそれぞれが15枚分の印刷完了時点で、第一画像形成装置A1に第一印刷ジョブが発生したとする。
上記状況において、画像形成システムでは、図20に示す通信シーケンスで処理が行われる。図20において、第二画像形成装置B2は、SQ161〜SQ165(図16を参照)を実行する。また、第一画像形成装置A1はS166(図16を参照)を実行する。
第一画像形成装置A1は、第二対策音の放射中に、SQ201において、自装置A1が実行すべき第一印刷ジョブ(印刷枚数20枚)が発生すると、第二対策音の放射を停止して、SQ202にて、該第一印刷ジョブを第二画像形成装置B2に送信する。その後、第一画像形成装置A1では、SQ203において印刷動作が実行され、SQ204で、自装置A1の印刷動作に合った第一対策音が放射される。一方、第二画像形成装置B2では、SQ205において、自装置B2が実行中の印刷動作を、受け取った第一印刷ジョブに基づき、第一対策音に合わせる。
また、第一画像形成装置A1は、SQ206において、第二画像形成装置B2の印刷動作終了後、第二印刷ジョブを実行中の他の第二画像形成装置B2を検出する。その検出結果に応じて、第一画像形成装置A1は、SQ207において第一対策音または第二対策音を放射する。
(通信シーケンスの第二変形例)
次に、図21および図22を参照して、画像形成システムにおける通信シーケンスの第二変形例について説明する。図21には、図15と同様に配置された、二台の第一画像形成装置A1,A2と、三台の第二画像形成装置B1〜B3と、が例示されている。第二画像形成装置B2に第二印刷ジョブ(印刷枚数は30枚)が発生した時、第一画像形成装置A2が既に印刷動作中(印刷枚数は20枚)であり、さらに、第一画像形成装置A1が既に印刷動作中(印刷枚数は10枚)であるとする。しかし、時間の経過により、例えば第二画像形成装置B2のそれぞれが10枚分の印刷完了時点で、第一画像形成装置A1に第一印刷ジョブは終了したとする。
次に、図21および図22を参照して、画像形成システムにおける通信シーケンスの第二変形例について説明する。図21には、図15と同様に配置された、二台の第一画像形成装置A1,A2と、三台の第二画像形成装置B1〜B3と、が例示されている。第二画像形成装置B2に第二印刷ジョブ(印刷枚数は30枚)が発生した時、第一画像形成装置A2が既に印刷動作中(印刷枚数は20枚)であり、さらに、第一画像形成装置A1が既に印刷動作中(印刷枚数は10枚)であるとする。しかし、時間の経過により、例えば第二画像形成装置B2のそれぞれが10枚分の印刷完了時点で、第一画像形成装置A1に第一印刷ジョブは終了したとする。
上記状況において、画像形成システムでは、図22に示す通信シーケンスで処理が行われる。図22において、第一画像形成装置A1は、SQ221およびSQ222により印刷動作を実行中で、かつ自装置A1の印刷動作に合わせた第一対策音を放射中である。その間に、第二画像形成装置B2は、SQ224において、自装置B2が実行すべき第二印刷ジョブが発生すると、SQ224において、第一画像形成装置Aを検出する。
第一画像形成装置A1は、SQ225において、自装置A1の第一印刷ジョブを第二画像形成装置B2に送信する。その結果、第二画像形成装置B2では、SQ226において、第二印刷ジョブの実行タイミングが放射中の第一対策音に合わせられ、その後、SQ227において、印刷動作が開始される。
第一画像形成装置A1において、第一印刷ジョブが終了すると、SQ228において、第二画像形成装置Bの検出が行われる。その結果、第二印刷ジョブを実行中の第二画像形成装置B2が検出される。次に、第一画像形成装置A1は、SQ229において、対策音を変更するために、第二画像形成装置B2に対して、第二印刷ジョブを送信するよう指示する。この指示に応答して、第二画像形成装置B2は、SQ2210において、第二印刷ジョブを第一画像形成装置A1に送信する。第一画像形成装置A1は、SQ2211において、受け取った第二印刷ジョブに基づき、第二対策音を放射する。
(通信シーケンスの変形例3)
次に、図23および図24を参照して、画像形成システムにおける通信シーケンスの変形例2について説明する。図23には、図15と同様に配置された、二台の第一画像形成装置A1,A2と、三台の第二画像形成装置B1〜B3と、が例示されている。第二画像形成装置B2に第二印刷ジョブ(印刷枚数は40枚)が発生した時、第一画像形成装置A2が既に印刷動作中(印刷枚数は20枚)であり、さらに、第一画像形成装置A1が既に印刷動作中(印刷枚数は30枚)であるとする。
次に、図23および図24を参照して、画像形成システムにおける通信シーケンスの変形例2について説明する。図23には、図15と同様に配置された、二台の第一画像形成装置A1,A2と、三台の第二画像形成装置B1〜B3と、が例示されている。第二画像形成装置B2に第二印刷ジョブ(印刷枚数は40枚)が発生した時、第一画像形成装置A2が既に印刷動作中(印刷枚数は20枚)であり、さらに、第一画像形成装置A1が既に印刷動作中(印刷枚数は30枚)であるとする。
上記状況において、画像形成システムでは、図24に示す通信シーケンスで処理が行われる。図24において、第一画像形成装置A1は、SQ241およびSQ242により印刷動作を実行中で、かつ自装置A1の印刷動作に合わせた第一対策音を放射中である。第一画像形成装置A2は、SQ243により印刷動作を実行中である。このような状況で、第二画像形成装置B2は、SQ244において、自装置B2が実行すべき第二印刷ジョブが発生すると、SQ245において、第一画像形成装置Aを検出する。SQ245で検出されるのは、第一画像形成装置Aの中で、第一印刷ジョブの終了が最も遅いものである。図23および図24の場合、第一画像形成装置A1が検出される。
第一画像形成装置A1は、SQ246において、自装置A1の第一印刷ジョブを第二画像形成装置B2に送信する。その結果、第二画像形成装置B2では、SQ247において、第二印刷ジョブの実行タイミングが放射中の第一対策音に合わせられ、その後、SQ248において、印刷動作が開始される。
第一画像形成装置A1において、第一印刷ジョブが終了すると、SQ249において、第二画像形成装置Bの検出が行われる。その結果、第二印刷ジョブを実行中の第二画像形成装置B2が検出される。次に、第一画像形成装置A1は、SQ2410において、対策音を変更するために、第二画像形成装置B2に対して、第二印刷ジョブを送信するよう指示する。この指示に応答して、第二画像形成装置B2は、SQ2411において、第二印刷ジョブを第一画像形成装置A1に送信する。第一画像形成装置A1は、SQ2412において、受け取った第二印刷ジョブに基づき、第二対策音を放射する。
(第一実施形態の効果)
以上の説明から分かるように、第一実施形態によれば、第一画像形成装置Aは、受け取った第二印刷ジョブに含まれる現在位置に基づき、第二画像形成装置Bの印刷動作(特に、第二シート材Sbの搬送タイミング)に合うように第二対策音を放射する。その結果、第二画像形成装置Bで発生する騒音は、第一画像形成装置Aから放射される第二対策音によってマスキングまたは消音される。これによって、第二画像形成装置Bには、第一画像形成装置A内の音響出力装置4を備える必要が無くなるため、第一および第二画像形成装置A,Bを少なくとも一台ずつ備える画像形成システムを導入時の費用負担を低減することが可能となる。
以上の説明から分かるように、第一実施形態によれば、第一画像形成装置Aは、受け取った第二印刷ジョブに含まれる現在位置に基づき、第二画像形成装置Bの印刷動作(特に、第二シート材Sbの搬送タイミング)に合うように第二対策音を放射する。その結果、第二画像形成装置Bで発生する騒音は、第一画像形成装置Aから放射される第二対策音によってマスキングまたは消音される。これによって、第二画像形成装置Bには、第一画像形成装置A内の音響出力装置4を備える必要が無くなるため、第一および第二画像形成装置A,Bを少なくとも一台ずつ備える画像形成システムを導入時の費用負担を低減することが可能となる。
また、画像形成システムでは、図13のS138〜S1312の処理により、複数の第二画像形成装置Bの第二印刷ジョブ実行時において第二シート材Sbの搬送タイミングは互いに合わせられ、第一画像形成装置Aは、いずれか一つの第二印刷ジョブに合うように第二対策音を放射する。これにより、周辺作業者の耳障り感を効果的に低減することが可能となる。ここで、図13のS138では、例えば最後に印刷ジョブが終了するものが選択される。これにより、ある第二画像形成装置Bで印刷動作の途中で、第一画像形成装置Aにおいて第二対策音の放射が終わってしまうことを防止することが可能となる。
(付記)
なお、図13のS138では、最後に印刷ジョブが終了するものに代えて、両面・片面印刷モード、第二シート材Sbの種類、第二シート材Sbの搬送速度、および生産性の少なくとも一つが同じものが選択されても構わない。
なお、図13のS138では、最後に印刷ジョブが終了するものに代えて、両面・片面印刷モード、第二シート材Sbの種類、第二シート材Sbの搬送速度、および生産性の少なくとも一つが同じものが選択されても構わない。
また、第二画像形成装置Bにおいて、制御部43Bが、第二印刷部2Bの第二シート材Sbの搬送速度、または生産性を制御可能な場合には、他の画像形成装置Bにおける第二シート材Sbの搬送速度または生産性に合わせるようにしても構わない。これにより、複数の第二画像形成装置Bからの雑音による耳障り感を、より効果的に低減することが可能となる。
また、制御手段43Bは、第二印刷部2Bに備わる供給ローラ13、レジストローラ対21または再供給位置Pにて、他の第二画像形成装置2Bの第二印刷ジョブに含まれる現在位置および到達タイミングに、第二シート材Sbの搬送タイミングを合わせることが好ましい。この時、他の第二画像形成装置2Bにおける第二シート材Sbの到達タイミングに対し、自装置Bの第二シート材Sbの到達タイミングと125ミリ秒以上ずれていると、継時マスキング効果を得ることが難しくなる。それゆえ、125ミリ秒以上のずれがある場合に、第二シート材Sbの搬送タイミングが合わせられることが、効率的な処理の観点で好ましい。
また、第二画像形成装置Bにおいて、制御部43Bは、複数個の第二印刷ジョブを受信している場合がある。もし、後に実行すべき第二印刷ジョブの中に、図13のS138で選択された他の第二画像形成装置Bの第二印刷ジョブと同じ両面・片面印刷モード、第二シート材の種類、第二シート材の搬送速度、および生産性の少なくとも一つが同じものがある場合、制御部43Bは、第二印刷ジョブを先に実行する。そして、その後、第二シート材Sbの搬送速度または生産性を、他の第二画像形成装置Bにおける第二シート材Sbの搬送速度または生産性に調整するようにしても構わない。
(第二実施形態)
次に、第二実施形態に係る画像形成システムについて説明する。第二実施形態の画像形成システムは、構成面で第一実施形態のそれと同様であるが、動作面で相違する。それゆえ、以下の説明では、第一実施形態で参照した図面を適宜援用すると共に、第二実施形態の画像形成システムにおいて、第一実施形態の画像形成システムの構成に相当するものには、同一の参照符号を付け、それぞれの説明を省略する。
次に、第二実施形態に係る画像形成システムについて説明する。第二実施形態の画像形成システムは、構成面で第一実施形態のそれと同様であるが、動作面で相違する。それゆえ、以下の説明では、第一実施形態で参照した図面を適宜援用すると共に、第二実施形態の画像形成システムにおいて、第一実施形態の画像形成システムの構成に相当するものには、同一の参照符号を付け、それぞれの説明を省略する。
(第二画像形成装置の動作)
以下、図25を参照して、第二画像形成装置Bの動作について説明する。図25のS251において、制御部43Bは、第二画像形成装置Bが第二印刷ジョブの実行を開始するか否かを判断する。
以下、図25を参照して、第二画像形成装置Bの動作について説明する。図25のS251において、制御部43Bは、第二画像形成装置Bが第二印刷ジョブの実行を開始するか否かを判断する。
S251でNoと判断した場合、制御部43Bは図25の処理を終了する。それに対し、Yesと判断した場合、S252において、制御部43Bは、図13のS132と同様にして、第二画像形成装置Bの周囲に設置された印刷動作中の第一画像形成装置Aを検出する。
次のS253において、制御部43Bは、対象となる第一画像形成装置Aを検出できたか否かを判断する。
S253でNoと判断した場合、制御部43Bは、S257において第二印刷ジョブに基づく印刷動作を実行し、その後、S258において第二印刷ジョブが終了したか否かを判断する。Yesと判断した場合、制御部43Bは、図25の処理を終了する。それに対し、Noと判断した場合、制御部43Bは、S252に戻る。
また、S253でYesと判断した場合、制御部43Bは、S254において、検出された第一画像形成装置Aを、自装置Bにおけるシート材Sの搬送タイミングを合わせるものとして決定する。
その後、制御部43Bは、S255において、通信部41Bを介して、S254で決定した第一画像形成装置Aに対し要求を送信して、その後、該装置Aで実行されている第一印刷ジョブを受信する。
制御部43Bは、S256において、S255で受信した第一印刷ジョブから現在位置および通過タイミングを取り出し、自装置Bの第二シート材Sbの現在位置および通過タイミングが第一画像形成装置Aのそれに合うように調整する。S256が完了すると、制御部43BはS257に進む。
(第一画像形成装置の動作)
以下、図26を参照して、第一画像形成装置Aの動作について説明する。図26のS261で、音響出力装置4の印刷モード判別部61は、自装置Aで発生した第一印刷ジョブの実行を開始するか否か、を判断する。Noと判断した場合、音響出力装置4は図26の処理を終了する。
以下、図26を参照して、第一画像形成装置Aの動作について説明する。図26のS261で、音響出力装置4の印刷モード判別部61は、自装置Aで発生した第一印刷ジョブの実行を開始するか否か、を判断する。Noと判断した場合、音響出力装置4は図26の処理を終了する。
それに対し、S261でYesと判断した場合、制御部43Aは、第一実施形態と同様にして、自装置Aにおける第一シート材Saの位置管理を実施する。制御部43Aにおいて音響再生部62はさらに、S262において、各第一シート材Saの現在位置およびずれ量を導出する。次のS263において、音響再生部62は、自装置A内を搬送中の第一シート材Saが各第二所定位置に到達したか否かを判断する。
S263でNoと判断されると、処理はS262に戻る。それに対し、Yesと判断されると、S264において、制御部43Aは、図25のS255での要求に対し、通信部41Aを介して、自装置Aの第一印刷ジョブを第二画像形成装置Bに送信する。
その後、音響再生部62は、S265において、第一実施形態と同様にして、マスキング音M2〜M6の中から、第一所定位置に応じて今回出力すべきものを選択する。次のS266において、音響再生部62は、第一実施形態と同様にして、S265で選択したマスキング音の出力タイミング、出力時間幅、音圧レベルおよび周波数を決定する。次のS267において、音響再生部62は、S266で決定した出力タイミング等で、S265で選択したマスキング音を再生し、音響出力部44Aから放射させる。
次に、音響再生部62は、S268において、第一印刷ジョブが終了したか否かを判断する。S268でYesと判断した場合、音響再生部62は、図26の処理を終了する。それに対し、Noと判断した場合、音響再生部62は、S262に戻る。
(第二実施形態の効果)
以上の説明から分かるように、第二実施形態によれば、第一対策音を放射中の第二画像形成装置Bにおける印刷動作(特に、第二シート材Sbの搬送タイミング)が、第一画像形成装置Aの印刷動作(特に、第一シート材Saの搬送タイミング)に合わせられる。その結果、第二画像形成装置Bで発生する騒音は、第一画像形成装置Aから放射される第一対策音によってマスキングまたは消音される。また、これによって、第二画像形成装置Bには、第一画像形成装置A内の音響出力装置4を備える必要が無くなるため、第一および第二画像形成装置A,Bを少なくとも一台ずつ備える画像形成システムを導入時の費用負担を低減することが可能となる。
以上の説明から分かるように、第二実施形態によれば、第一対策音を放射中の第二画像形成装置Bにおける印刷動作(特に、第二シート材Sbの搬送タイミング)が、第一画像形成装置Aの印刷動作(特に、第一シート材Saの搬送タイミング)に合わせられる。その結果、第二画像形成装置Bで発生する騒音は、第一画像形成装置Aから放射される第一対策音によってマスキングまたは消音される。また、これによって、第二画像形成装置Bには、第一画像形成装置A内の音響出力装置4を備える必要が無くなるため、第一および第二画像形成装置A,Bを少なくとも一台ずつ備える画像形成システムを導入時の費用負担を低減することが可能となる。
本発明に係る画像形成システムおよび画像形成装置は、複数台の画像形成装置の近接設置時にかかる費用負担を低減可能であり、MFP以外にも、複写機、ファクシミリ、プリンタ等に適用可能である。
A 第一画像形成装置
2A 印刷部
4 音響出力装置
41A 通信部
42A 記憶部
43A 制御部
44A 音響出力部
B 第二画像形成装置
2B 印刷部
41B 通信部
42B 記憶部
43B 制御部
5 ADF
2A 印刷部
4 音響出力装置
41A 通信部
42A 記憶部
43A 制御部
44A 音響出力部
B 第二画像形成装置
2B 印刷部
41B 通信部
42B 記憶部
43B 制御部
5 ADF
Claims (12)
- 第一画像形成装置および第二画像形成装置を少なくとも一台ずつ備えた画像形成システムであって、
前記第一画像形成装置は、
第一印刷ジョブを実行して、第一シート材に印刷を行う第一印刷部と、
前記第一印刷部で発生する騒音の耳障り感を低減可能な第一対策音を出力する音響出力部と、
第一通信部と、を備え、
前記第二画像形成装置は、
第二印刷ジョブを実行して、第二シート材に印刷を行う第二印刷部と、
自装置の周囲に設置された第一画像形成装置を検出する装置検出部と、
前記装置検出部によって検出された第一画像形成装置の第一通信部に、前記第二印刷部が実行すべき第二印刷ジョブを送信する第二通信部と、を備え、
前記第一通信部は、前記第二通信部によって送信された第二印刷ジョブを受信し、
前記音響出力部はさらに、前記第一通信部によって受信された第二印刷ジョブに基づき、前記第二印刷部で発生する騒音の耳障り感を低減可能な第二対策音を出力する、画像形成システム。 - 前記第二通信部が送信する第二印刷ジョブは、前記第二画像形成装置内を搬送される第二シート材の現在位置を含んでおり、
前記音響出力部は、前記第一通信部によって受信された第二印刷ジョブに含まれる現在位置に基づき、前記第二印刷部で発生する騒音の耳障り感を低減可能な第二対策音を出力する、請求項1に記載の画像形成システム。 - 複数台の前記第二画像形成装置を備えており、
各前記第二通信部はさらに、自装置で実行すべき第二印刷ジョブを開始する場合、他の第二画像形成装置からの第二印刷ジョブを受信し、
各前記第二画像形成装置はさらに、自装置で実行すべき第二印刷ジョブと、前記第二通信部で受信された第二印刷ジョブとの中から、少なくとも一つを選択するジョブ選択手段を備え、
各前記第二通信部はさらに、自装置の第二印刷ジョブが前記ジョブ選択手段により選択された場合、前記第一通信部に該第二印刷ジョブを送信し、
各前記第二印刷部は、自装置のジョブ選択手段により選択された第二印刷ジョブに基づき、前記第二シート材を搬送して、自装置の第二印刷ジョブを実行し、
各前記第二通信部はさらに、自装置の第二印刷ジョブが前記ジョブ選択手段により選択されない場合、他の第二画像形成装置から第二印刷ジョブを受信し、
各前記第二印刷部は、自装置の前記第二通信部により受信された第二印刷ジョブに基づき、前記第二シート材を搬送して、自装置の第二印刷ジョブを実行し、
前記音響出力部は、前記第一通信部によって受信された第二印刷ジョブに基づき、各前記第二画像形成装置における前記第二印刷部で発生する騒音の耳障り感を低減可能な第二対策音を出力する、請求項1または2に記載の画像形成システム。 - 前記ジョブ選択手段は、自装置で実行すべき第二印刷ジョブと、前記第二通信部で受信された第二印刷ジョブとの中から、最後に印刷ジョブが終了するものを選択する、請求項3に記載の画像形成システム。
- 前記ジョブ選択手段は、自装置で実行すべき第二印刷ジョブと、前記第二通信部で受信された第二印刷ジョブとの中から、両面・片面印刷モード、第二シート材の種類、第二シート材の搬送速度、および生産性の少なくとも一つが同じものを選択する、請求項3に記載の画像形成システム。
- 各前記第二画像形成装置において、前記第二印刷部における第二シート材の搬送速度または生産性は、他の第二画像形成装置における第二シート材の搬送速度または生産性に調整可能である、請求項3に記載の画像形成システム。
- 各前記第二印刷部は、自身または他の第二画像形成装置の第二印刷ジョブに基づき、前記第二印刷部に備わる供給ローラ、レジストローラ対または再供給位置にて、前記第二シート材の搬送タイミングを調整して、自装置の第二印刷ジョブを実行する、請求項3に記載の画像形成システム。
- 各前記第二印刷部は、他の第二画像形成装置の第二印刷ジョブに基づき、前記第二印刷部に備わる供給ローラ、レジストローラ対または再供給位置にて、該他の第二画像形成装置における第二シート材の到達タイミングと比較して、自装置の前記第二シート材の到達タイミングが125ミリ秒以上ずれていると、該第二シート材の搬送タイミングを調整して、自装置の第二印刷ジョブを実行する、請求項3に記載の画像形成システム。
- 各前記第二画像形成装置において、前記第二印刷部は、
後に実行すべき第二印刷ジョブの中に、前記ジョブ選択手段で選択された他の第二画像形成装置の第二印刷ジョブと同じ両面・片面印刷モード、第二シート材の種類、第二シート材の搬送速度、および生産性の少なくとも一つが同じものがある場合、該第二印刷ジョブを先に実行し、
その後、第二シート材の搬送速度または生産性を、前記他の第二画像形成装置における第二シート材の搬送速度または生産性に調整する、請求項3に記載の画像形成システム。 - 前記第二対策音は、前記第二画像形成装置で発生する騒音に対するマスキング音である、請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成システム。
- 前記第二対策音は、前記第二画像形成装置で発生する騒音と逆位相の音である、請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成システム。
- 第一画像形成装置および第二画像形成装置を少なくとも一台ずつ備えた画像形成システムであって、
前記第一画像形成装置は、
第一印刷ジョブを実行して、第一シート材に印刷を行う第一印刷部と、
前記第一印刷部で発生する騒音の耳障り感を低減可能な第一対策音を出力する音響出力部と、
前記第一印刷部で実行すべき第一印刷ジョブを送信する第一通信部と、を備え、
前記第二画像形成装置は、
第二印刷ジョブを実行して、第二シート材に印刷を行う第二印刷部と、
自装置の周囲に設置された第一画像形成装置を検出する装置検出部と、
前記装置検出部によって検出された第一画像形成装置の第一通信部から、前記第一印刷部が実行すべき第一印刷ジョブを受信する第二通信部と、を備え、
前記第二印刷部は、前記第二通信部によって受信された第一印刷ジョブに基づき、前記第二シート材を搬送して、自装置の第二印刷ジョブを実行する、画像形成システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012134527A JP2013256088A (ja) | 2012-06-14 | 2012-06-14 | 画像形成システム |
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JP2012134527A Pending JP2013256088A (ja) | 2012-06-14 | 2012-06-14 | 画像形成システム |
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