JP2013171267A - 音響出力装置 - Google Patents

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康啓 鈴木
Takayuki Ito
孝幸 伊藤
Hiroaki Umemoto
浩章 梅本
Masahiro Yamaguchi
真広 山口
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Abstract

【課題】設置環境に応じて最適なサウンドマスキング効果を得ることが可能な音響出力装置を提供すること。
【解決手段】音響出力装置1は、マスキング音Mと、画像形成装置2の設置環境における残響情報B1および/または該設置環境の環境音情報B2とが格納された記憶手段11と、残響情報B1および/または環境音情報B2に基づき、マスキング音Mの再生制御を行う音響再生手段15と、音響再生手段15で再生されたマスキング音Mを出力する音響出力手段16と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、機器で発生する騒音をマスキングする音(以下、マスキング音という)を出力する音響出力装置に関する。
従来、画像形成装置における騒音対策としては、主として、騒音を低減する所謂「静音化技術」が採用されてきた。静音化技術により、騒音の音圧レベルは低減できたが、周辺作業者が騒音から受ける耳障り感や不快感という問題は解決し切れていない。
上記静音化技術とは別に、騒音を低減する(周辺作業者が騒音を気にならなくなるようにする)技術として、サウンドマスキング技術が提案されている。サウンドマスキングとは、耳に一定の音圧レベルの音が流れているときに、他の音が聞き取りにくくなる現象(サウンドマスキング効果)を利用した方法であり、主に周波数マスキングと時間マスキングとがある。より具体的には、主に周波数帯が騒音と似通ったマスキング音が騒音に合わせて出力される。このマスキング音により、騒音を聞こえにくくし、耳障り感や不快感を低減することができる。
従来、サウンドマスキング技術を応用した画像形成装置として、以下の特許文献1に記載された騒音マスキング装置がある。騒音マスキング装置は、各種駆動機構が発する動作音に対するマスキング音を発生する発音体と、前記発音体を制御し、前記動作音の主成分周波数を含む範囲の周波数のマスキング音を発生させるマスキング音制御手段と、を備えている。マスキング音制御手段は、前記動作音の主成分周波数の臨界帯域周波数の下限周波数から上限周波数までの範囲の周波数のマスキング音を発生させている。
特開平9−193506号公報
ところで、画像形成装置の設置環境が変わると、騒音の大きさ(響き)や聞こえ方が変わってくる。例えば、周辺に物が無く広い空間に画像形成装置が設置された場合、残響が小さいため、騒音およびマスキング音は増幅されにくい。それに対し、画像形成装置の周辺空間が狭いと、壁等からの反射の影響により残響が大きくなり、騒音およびマスキング音は増幅される。このとき、騒音およびマスキング音の残響による増幅度が異なるため、騒音とマスキング音との相対関係が変化する。その結果、サウンドマスキング効果が低下する場合があるという問題があった。なお、この問題は、画像形成装置に限らず、騒音を発生する機器で生じる。
それゆえに、本発明の目的は、設置環境に応じて最適なサウンドマスキング効果を得ることが可能な音響出力装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の一形態は、音響出力装置であって、機器で発生する騒音をマスキングする音響出力装置であって、マスキング音が格納された第1の記憶手段と、前記機器の設置環境における残響情報および/または該設置環境の環境音情報が格納された第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段内の残響情報および/または環境音情報に基づき、該マスキング音の再生制御を行う音響再生手段と、前記音響再生手段で再生されたマスキング音を出力する音響出力手段と、を備えている。
上記形態によれば、設置環境に応じた最適なサウンドマスキング効果を得ることが可能な音響出力装置を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る音響出力装置を備える画像形成装置と、該画像形成装置の周辺機器と、を模式的に示す斜視図である。 図1の画像形成装置に備わる音響出力装置の構成を示すブロック図である。 マスキングの基本的な概念を示す模式図である。 残響時間が互いに異なる設置環境における騒音およびマスキング音の周波数特性を示す図である。 残響時間に対する騒音およびマスキング音の音圧レベルの特性を示す図である。 図2の設定テーブルの詳細な内容を示す模式図である。 図2の音響出力装置の基本的な処理手順を示すフローチャートである。 図2の音響出力装置の代替的な処理手順を示すフローチャートである。 マスキング音のマニュアル調整画面を示す模式図である。 音響出力装置における残響情報B1および/または環境音情報B2の各種格納方法を示す模式図である。
(画像形成装置について)
以下、図1及び図2を参照して、音響出力装置が搭載される機器の一例としての画像形成装置2について説明する。まず、図1において、X軸、Y軸及びZ軸は、画像形成装置2の左右方向(横方向)、前後方向(奥行き方向)及び上下方向(高さ方向)を示す。
図1及び図2において、画像形成装置2は、例えば、電子写真方式及びタンデム方式を採用した複合機等であり、周囲に壁Wや様々な物がある設置環境Aに置かれる。この画像形成装置2は、大略的には、画像形成手段22と、制御手段23と、を備えている。
画像形成手段22では、入力画像データで変調された光ビームが、帯電した感光体ドラム周面に向けて照射される。これにより、感光体ドラム周面に静電潜像が形成される。ここで、画像データは、例えば、ADF3(後述)や、画像形成装置2に接続されたパーソナルコンピュータ(図示せず)から送信されてくる。
また、現像器は、静電潜像を担持する感光体ドラム周面にトナーを供給し、これにより、該周面にトナー画像が生成される。また、一次転写ローラは、感光体ドラム周面のトナー画像を転写ベルトに転写する。トナー画像としては、例えば、Y(黄)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色のものが生成される。転写ベルトには、各トナー画像が互いに重なり合うよう転写され、これにより、合成トナー画像が担持される。
また、画像形成手段22において、二次転写ローラには、供給トレイ(図示せず)から記録媒体(例えば用紙)が搬送されてくる。二次転写ローラは、搬送されてきた記録媒体に、転写ベルトに担持されている合成トナー画像を転写する。定着装置は、二次転写ローラから送られてくる記録媒体を加熱・加圧して、合成トナー画像を記録媒体に定着させる。定着処理済みの記録媒体は、フィニッシャー4を使用しない場合、画像形成装置2の排出トレイに排出され載置される。また、フィニッシャー4を使用する場合には、定着処理済みの記録媒体は、フィニッシャー4に向けて搬送される。
制御手段23は、画像形成手段22の構成各部や周辺機器の動作を制御する。
(画像形成装置の周辺機器について)
次に、画像形成装置2の周辺機器について説明する。本実施形態では、周辺機器として、図1および図2には、ADF(Automatic Document Feeder)3と、フィニッシャー4とが例示される。
ADF3は、画像形成装置2の上面に設けられ、制御手段23の制御下で動作する。具体的には、ADF3は、図示しないトレイ上の原稿画像を原稿読取り手段(図示せず)に搬送する。原稿読取り手段は、光学的なスキャナであり、搬送されてきた原稿画像を読み取り、RGBの画像データを生成して制御手段23に送信する。RGBの画像データは、制御手段23によりYMCKの画像データに変換される。
フィニッシャー4は、例えば、画像形成装置2の左側面に設けられ、制御手段23の制御下で動作する。具体的には、画像形成装置2から定着処理済みの記録媒体が送られてくると、該記録媒体は例えばステープル手段(図示せず)に搬送される。ステープル手段は、搬送されてきた記録媒体の束を形成し、ステープルを行う。なお、フィニッシャー4は、ステープル以外にも様々な後処理を行うことができるか、これらについては本発明の本旨ではないため、説明を省略する。
(記憶手段内のデータについて)
図2において、音響出力装置1は、記憶手段11を備えている。記憶手段11は、例えばフラッシュメモリからなり、マスキング音Mを表す音響データを格納している。この音響データの記憶領域が第1の記憶手段に相当する。マスキング音Mは、例えば環境音の周波数特性を加工した音であって、画像形成装置2自体、または画像形成装置2と周辺機器との組み合わせで発生する騒音の周波数特性と似た周波数特性を有する。また、マスキング音Mは、通常、ユーザにとって意味をなさない音である。マスキングの基本的な概念は周知ではあるが、以下、図3を参照して詳説する。
図3において、曲線C1は、画像形成装置2等で発生する騒音Nの周波数特性を示す。また、曲線C2は、所謂ホワイトノイズWNの周波数特性であり、周波数に関わらずほぼ一定のスペクトルレベルを有する。また、曲線Mfは、騒音Nに対するマスキング音Mの周波数特性である。
騒音NにホワイトノイズWNを重畳して人に聴かせた場合、騒音Nの耳障り感が残るのに対し、マスキング音Mを重畳した場合、耳障り感が大幅に軽減できる。マスキング音Mが騒音Nと同等以上の音圧レベルを有していれば、サウンドマスキング効果は得られる。このサウンドマスキング効果は、マスキング音Mを大きくすればするほど大きくなる。しかし、マスキング音Mを大きくすると、画像形成装置2から生じる音全体が増大するため、さらにはマスキング音M自体が耳障りになる。それゆえ、マスキング音Mは、騒音Nの音圧レベルと同等(例えば、騒音Nの音圧レベルに対し+1dB程度)とすることが好ましい。
画像形成装置2の設置環境Aは様々な広さ・形状を有し、また、画像形成装置2の周囲には様々な物(例えば、机等)が置かれる。それゆえ、設置環境A毎で残響時間は異なる。本願発明者は、残響時間が相違する設置環境Aで、画像形成装置2の騒音Nおよびマスキング音Mの周波数特性を実測し、図4に示すような結果を得た。
図4において、曲線C1a,C3aは、残響時間が短い場合の騒音Nおよびマスキング音Mの周波数特性を表す。曲線C1b,C3bは、残響時間が長い場合の騒音Nおよびマスキング音Mの周波数特性を表す。図4の例では、残響時間が長い設置環境Aは、短い設置環境Aと比較して、騒音Nおよびマスキング音Mをより増幅していることが分かる。
上記から分かるように、画像形成装置2が同じ音を発したとしても、設置環境Aの残響時間が異なれば、音の周波数特性(聞こえ方)が変わってくる。ここで、もし、残響時間に関わらず、騒音Nおよびマスキング音Mが一定の関係で変化するのであれば、上記の通り、画像形成装置2は、騒音Nと同等のマスキング音Mを出力すればよい。しかし、実際には、騒音Nおよびマスキング音Mの関係は残響時間によって変化する。より具体的には、図4に示すように、残響時間が短い設置環境Aでは、マスキング音Mの音圧レベル(曲線C3aに示す)が騒音Nのそれ(曲線C1aに示す)よりも大きい関係が保たれるため、サウンドマスキング効果が得られる。しかし、残響時間が長い設置環境Aでは、騒音Nの音圧レベル(曲線C1bに示す)がマスキング音M(曲線C3bに示す)のそれよりは小さくなってしまうので、サウンドマスキング効果が低減してしまう。
ここで図5を参照する。図5において、曲線C4,C5は、残響時間に対する騒音Nおよびマスキング音Mの音圧レベルの特性を示している。図5に示すように、残響時間が短い設置環境Aでは、騒音Nおよびマスキング音Mの音圧レベルは互いに同程度か、それらの音圧レベル差は小さい。しかし、残響時間が長くなればなるほど、騒音Nおよびマスキング音Mの増幅度が大きく異なり、その結果、騒音Nとマスキング音Mとの音圧レベル差が大きくなる。図5の場合、騒音Nの残響音による増幅度は相対的に大きく、残響時間が長い設置環境Aではサウンドマスキング効果が低減すると考えられる。この場合、適切なサウンドマスキング効果を得るために、マスキング音Mを画像形成装置2内で増幅して出力することが必要となる。
なお、図5の例では、残響時間が長い環境Aでは騒音Nが大きく増幅される。しかし、画像形成装置2やスピーカの構成等によっては、図5の例とは逆に、残響時間が長い環境Aであってもマスキング音Mの方が大きく増幅される場合もある。このような場合、マスキング音Mを画像形成装置2内で減衰して出力することが必要となる。
以上説明した通り、残響時間により増幅度が騒音Nおよびマスキング音Mで異なる場合、サウンドマスキング効果を得るには、残響時間に応じて、マスキング音Mの音圧レベルは適切に調整される必要がある。この音圧レベル調整のために、記憶装置61には、図6に示すように、残響時間tの範囲毎に、マスキング音Mの音圧レベル標準値Pが記述された設定テーブルTが予め格納される。この設定テーブルTの格納領域が第3の記憶手段に相当する。
また、図6の左側には、図5と同様の曲線C4が示されている。また、図6の例では、時間区間として、t≦t1の時間範囲T1と、t1<t≦t2の時間範囲T2と、t2<t≦t3の時間範囲T3との3つの範囲に区分される。ここで、t1,t2,t3は、例えば、400ms,800ms,1200msと予め設定される。また、時間範囲T1,T2,T3には音圧レベル標準値P1,P2,P3が割り当てられる。ここで、図6の例では、P1,P2,P3は、時刻t1,t2,t3における騒音N(曲線C4)の音圧レベルとされ、P1<P2<P3の関係を有する。
(音響出力装置の他の構成・動作について)
再度、図2を参照する。音響出力装置1は、上記記憶手段11に加え、操作手段12と、集音手段13と、制御手段23にソフトウェア的に組み込まれる測定手段14および音響再生手段15と、音響出力手段16と、を備えている。以下、このような構成の音響出力装置1の動作について、図7のフローチャートを参照して詳説する。
図7のS1において、残響情報および/または環境音情報の格納が行われる。以下、S1の具体例1,2を説明する。
具体例1では、操作手段12が用いられる。操作手段12は、画像形成装置2の前面上部等に設けられ、操作ボタンやタッチパネルを含んでいる。ユーザや、本画像形成装置2の保守等を行うサービスマンは、専用の測定機器を用いて、設置環境Aの残響時間および/または暗騒音の音圧レベルを測定する。その後、ユーザ等は、操作手段12を操作して、測定結果そのものを残響情報B1および/または環境音情報B2として入力する。この時操作される操作ボタン等が第1の操作手段に相当する。この入力情報は、制御手段23により記憶手段11内に格納される。
また、具体例2では、集音手段13、測定手段14および音響出力手段16が動作する。集音手段13および音響出力手段16は、例えば、画像形成装置2の前面パネル等に設けられたマイクおよびスピーカ等からなる。測定手段14は、まず、音響出力手段16および集音手段13を用いた周知の方法で残響時間を測定する。また、測定手段14は、画像形成装置2および音響出力手段16が駆動しない状況で、集音手段13を用いて、暗騒音の音圧レベルを測定する。残響時間および/または暗騒音の音圧レベルは、記憶手段11内に残響情報B1および/または環境音情報B2として格納される。この残響情報B1等の格納領域が第2の記憶手段に相当する。
ここで、残響情報B1および/または環境音情報B2は、好ましくは、画像形成装置2をユーザ側のオフィス等に設置した時に入力もしくは測定される。その後、予めプログラムされたタイミングもしくは、ユーザが登録した時刻、時間帯または時間間隔で、残響情報B1および/または環境音情報B2は測定または入力されても構わない。
S1の後、S2において、マスキング音の音圧レベルの決定が行われる。以下、S2の具体例1,2を説明する。具体例1では、音響再生手段15は、記憶手段11内の設定テーブルTから、S1で格納された残響情報B1(残響時間)に対応する音圧レベル標準値Pを読み出し、読み出した音圧レベル標準値Pそのものを、マスキング音の音圧レベルと決定する。
また、S2の具体例2では、音響再生手段15は、記憶手段11内の設定テーブルTから、S1で格納された残響情報B1(残響時間)に対応する音圧レベル標準値Pを読み出す。また、音響再生手段15は、環境音情報B2(暗騒音の音圧レベル)が所定値以下の小さい値の場合に限り、読み出した音圧レベル標準値Pに、S1で格納された環境音情報B2を減算して、この減算値を、マスキング音の音圧レベルとする。
S2の後、S3において、マスキング音の出力が行われる。具体的には、音響再生手段15は、記憶手段11内のマスキング音Mの音圧レベルを、S2で決定した音圧レベルとなるよう調整して、該マスキング音Mを再生する。音響出力手段16は、音響再生手段15によって再生されたマスキング音Mを出力する。
上記の通り、マスキング音Mの音圧レベルは、周辺作業者の感覚とは無関係に、音響出力装置1により自動的に決定される。したがって、周辺作業者はマスキング音Mを聴いた際に耳障りに感じることもある。これに対処すべく、音響出力装置1には、マスキング音Mのマニュアル調整機能が実装される。以下、このマニュアル調整機能について、図8のフローチャートを参照して説明する。
周辺作業者は、操作手段12を操作して、図9に示すマニュアル調整画面を呼び出す。図8のS81において、音響再生手段15は、操作手段12を構成するタッチパネル(表示手段)121にマニュアル調整画面を表示させる。図9の例では、マニュアル調整画面には、現在の音圧レベル等と共に、周辺作業者の操作に応答して、マスキング音Mの音圧レベルを上下させるアップダウンボタン(第2の操作手段)122が表示される。周辺作業者は、このアップダウンボタンを操作して、好みの音圧レベルを指定する。例えば、周辺作業者がアップボタンを1回操作するたびに、操作手段12は、現在の音圧レベルを所定量だけ上げるための指定情報を音響再生手段15に出力する。なお、表示手段121への表示情報は、現在の音圧レベル以外にも、残響時間、暗騒音の音圧レベル、マスキング音の種類等が表示されても構わない。
S82において、音響再生手段15は、指定情報が入力されると、S83において、再生中のマスキング音Mの音圧レベルを、操作手段12からの指定情報が示す所定量だけ調整して、該マスキング音Mを再生する。音響出力手段16は、音響再生手段15によって再生されたマスキング音Mを出力する。
(音響出力装置の作用・効果)
以上説明したように、音響出力装置1によれば、設置環境Aの残響情報B1そのもの、または残響情報B1および環境音情報B2に基づき決定した音圧レベルでマスキング音Mを再生するので、設置環境Aに応じて最適なサウンドマスキング効果を得ることが可能となる。
また、上記実施形態では、S2の具体例2では、音圧レベル標準値Pから、S1で格納された環境音情報B2(暗騒音の音圧レベル)が減算されていた。もし、単純に、音圧レベル標準値Pをそのまま用いると、以下の問題が想定される。つまり、図6から明らかなように、残響時間が長い設置環境A等では、マスキング音の音圧レベル標準値Pは大きな値になる。この時、設置環境Aの暗騒音が小さければ、暗騒音とマスキング音Mとの音圧レベル差が大きくなりすぎ、周辺作業者に耳障り感を与えてしまう。上記観点から、上記実施形態では、音響再生手段15は、上記のような減算処理を行っている。
(付記1)
上記実施形態では、残響情報B1として、残響時間そのものが記憶手段11に格納され、環境音情報B2として、暗騒音の音圧レベルそのものが記憶手段11に格納されていた。しかし、これに限らず、残響時間に関し複数の数値範囲が予め定められており、測定した残響時間が属する数値範囲が、残響情報B1として記憶手段11に格納されても構わない。また、残響情報B1として、測定された残響時間の度合い(よく響く、普通、あまり響かない)が操作手段12に入力され、記憶手段11に格納されても構わない。暗騒音の音圧レベルに関しても同様である。
(付記2)
上記実施形態では、設定テーブルTを参照して音圧レベル標準値Pが決定された。しかし、これに限らず、音響再生手段15は、図6の曲線C4を示す制御式を記憶手段11に保持しており、S1で格納された残響情報B1をこの制御式に代入して、マスキング音Mの音圧レベル標準値Pを求めても構わない。
(付記3)
上記実施形態では、音響再生手段15は、マスキング音Mの音圧レベルを決定するようにしていた。しかし、これに限らず、記憶手段11に、様々な設置環境Aに適切なマスキング音Mを予め格納しておき、音響再生手段15は、残響情報B1に基づき、最適な音圧レベルを有するマスキング音Mを選択し再生するようにしても構わない。また、音響再生手段15は、残響情報B1に基づき、最適なマスキング音Mを選択するとともに、選択したマスキング音Mの音圧レベルを決定し再生するようにしても構わない。
(付記4)
また、上記実施形態では、S2では、残響情報に基づきマスキング音の音圧レベルが決定されていた。しかし、これに限らず、音響再生手段15は、場合によっては、固定値である音圧レベル標準値Pから、S1で格納された環境音情報B2(暗騒音の音圧レベル)を減算等することで、マスキング音Mの音圧レベルを決定しても構わない。つまり、環境音情報B2に基づき、マスキング音Mの再生制御が行われても構わない。
(付記5)
上記実施形態では、図10の矢印Aに示すように、画像形成装置2が備える操作手段12を介して、残響情報B1および/または環境音情報B2が入力されていた。また、図10の矢印Bに示すように、周辺作業者は、画像形成装置2が表示するマスキング音Mの音圧レベルを参照して、マスキング音Mの音圧レベルを調整していた。しかし、これに限らず、図10の矢印Cに示すように、画像形成装置2に接続可能なノート型PC等の外部機器を介して、残響情報B1および/または環境音情報B2が入力されても構わない。他にも、矢印Dに示すように、USBメモリ等の外部メモリに予め格納された残響情報B1および/または環境音情報B2が記憶手段11に転送されても構わない。
(付記6)
また、上記実施形態では、音響再生手段15は、マスキング音Mの音圧レベルを制御するようにしていた。しかし、設置環境Aの壁W等は周波数により異なる反射率や吸収率を有するので、音響再生手段15は、残響情報B1および/または環境音情報B2に基づき、マスキング音Mの周波数を制御しても構わない。
(付記7)
また、上記実施形態では、測定により求めた残響情報B1および/または環境音情報B2が記憶手段11に格納されていた。しかし、これに限らず、設置環境Aにおいて残響の原因となる壁Wや物等の振動情報や、カメラ等により求めた設置環境Aの空間特性等に基づき、残響情報B1および/または環境音情報B2が求められ、記憶手段11に格納されても構わない。
(付記8)
また、上記実施形態では、アップダウンボタンにより、周辺作業者がマスキング音Mの音圧レベルを調整していた。しかし、これに限らず、周辺作業者は、操作手段12を操作して、音圧レベルの調整値を直接入力しても構わない。
(付記9)
また、上記実施形態では、音響出力装置1は画像形成装置2に備わるとして説明したが、これに限らず、ADF3やフィニッシャー4に備わっても構わない。
本発明に係る音響出力装置は、設置環境に応じた最適なサウンドマスキング効果を得ることが可能で、複合機以外にも、プリンタ、コピー機、ファクシミリ等として有用である。
1 音響出力装置
11 記憶手段
12 操作手段
13 集音手段
14 測定手段
15 音響再生手段
16 音響出力手段
2 画像形成装置
22 画像形成手段
23 制御手段
3 ADF(周辺機器)
4 フィニッシャー(周辺機器)

Claims (7)

  1. 機器で発生する騒音をマスキングする音響出力装置であって、
    マスキング音が格納された第1の記憶手段と、
    前記機器の設置環境における残響情報および/または該設置環境の環境音情報が格納された第2の記憶手段と、
    前記第2の記憶手段内の残響情報および/または環境音情報に基づき、該マスキング音の再生制御を行う音響再生手段と、
    前記音響再生手段で再生されたマスキング音を出力する音響出力手段と、を備える音響出力装置。
  2. 前記音響再生手段は、前記第1の記憶手段内のマスキング音を再生しつつ、前記第2の記憶手段内の残響情報および/または環境音情報に基づき、マスキング音の音圧レベルを調整する、請求項1に記載の音響出力装置。
  3. 前記設置環境における残響情報および/または該設置環境の環境音情報を計測して、前記第2の記憶手段に格納する計測手段を、さらに備える請求項1または2に記載の音響出力装置。
  4. ユーザ操作により、前記設置環境における残響情報および/または該設置環境の環境音情報が入力される第1の操作手段を、さらに備え、
    前記第1の操作手段に入力された残響情報および/または該設置環境の環境音情報が前記第1の記憶手段に格納される、請求項1〜3のいずれかに記載の音響出力装置。
  5. 残響情報ごとに、マスキング音の音圧レベル設定値が予め記述されている設定テーブルが格納された第3の記憶手段を、さらに備え、
    前記音響再生手段は、
    前記第3の記憶手段内の設定テーブルから、前記第2の記憶手段内の残響情報に対応する音圧レベルを取得し、
    前記第1の記憶手段内のマスキング音を再生するとともに、前記設定テーブルから取得した残響情報に基づき、該マスキング音の音圧レベルを制御する、請求項1〜4のいずれかに記載の音響出力装置。
  6. 前記第2の記憶手段内の残響情報および/または環境音情報に基づき、前記第1の記憶手段内のマスキング音の音圧レベルを表示する表示手段と、
    ユーザ操作により、マスキング音の音圧レベルを指定する指定情報を出力する第2の操作手段と、をさらに備え、
    前記音響再生手段は、前記第1の記憶手段内のマスキング音を再生するとともに、前記提示手段により提示された音圧レベルと、前記第2の操作手段から出力された指定情報とに基づき、該マスキング音の音圧レベルを制御する、請求項1〜5のいずれかに記載の音響出力装置。
  7. 前記音響再生手段は、前記取得手段で取得された残響情報および/または環境音情報に基づき、マスキング音の周波数をさらに制御する、請求項1〜6のいずれかに記載の音響出力装置。
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JP2016136189A (ja) * 2015-01-23 2016-07-28 三菱電機株式会社 意識制御用音放射装置

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JP2016136189A (ja) * 2015-01-23 2016-07-28 三菱電機株式会社 意識制御用音放射装置

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