JP2013132809A - インクリボンおよびそれを用いた熱転写システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ポストキレート染料からなるインクリボンを用いた場合であっても、印画された文字情報や画像情報が漏洩するのを防ぐことができるとともに、インク転写済のインクリボンから巻取部の再利用を可能とする熱転写システムおよびそれに用いられるインクリボンを提供する。
【解決手段】基材層10と、前記基材層の一方の面に設けられたインク層12と、前記基材層のインク層が設けられた面とは反対側の面に設けられた背面層11と、を備えたインクリボン13であって、前記インク層はポストキレート染料を含んでなり、前記背面層は、前記ポストキレート染料とキレート錯体を形成し得る金属イオン含有化合物を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクリボンに関し、さらに詳細には、印画された文字情報や画像情報が漏洩するのを防ぐことができるとともに、インク転写済のインクリボンから巻取部の再利用を可能とする熱転写システムに使用されるインクリボンに関する。
インクリボンを用いて、カードなどの被転写体に文字などの像を印画する転写システムが、広く普及している。インクリボンは、帯状に延びるリボン(基材層)と、リボン上に形成され、染料等を含んだインク層と、を有している。インクリボンを用いた印画においては、印画されるべき所望の像に対応したパターンで、インクが被転写体に転写される。この場合、インク転写済のインクリボンには、被転写体への転写によりインクが抜けた部分が、印画された像に対応したパターンで存在している。このため、インク転写済のインクリボンから、印画された像を特定することが可能である。従って、インクリボンを用いて、被転写体に顔写真や住所等のID情報などの秘匿すべき情報を印画する場合、インク転写済のインクリボンの取り扱いに注意が必要となる。
このような問題に対応するため、例えば特開2008−49663号公報において、巻取部に巻き取られた最外周のインクリボンを、最外周のインクリボンの内側に位置するインクリボンに接着させる熱転写システムが提案されている。特許文献1に記載の熱転写システムによれば、巻取部に巻き取られたインク転写済のインクリボンを一体化させることができ、これによって、インク転写済のインクリボンから、印画された文字情報や画像情報が漏洩するのを防ぐことができる。
ところで、近年、画像の濃淡を表現でき、かつ優れた画像耐久性を実現できる、いわゆるポストキレート方式による熱転写方法が提案されている。ポストキレート方式とは、受像層中に特定の金属イオン化合物を含有させた被転写体に、その特定金属イオンとキレート錯体を形成し得る染料を含むインクリボンを用いて染料を熱転写した後、熱エネルギーによってそれらを反応させてキレート錯体を形成させることにより画像を形成する方法である(例えば、特開平4−89292号公報や特開平4−292989号公報等)。このポストキレート方式により形成された画像は、染料の褪色や滲みが生じにくく耐光性にも優れることから、上記したようなカード類等の情報記録体にも適用され始めている。
特開2008−49663号公報 特開平4−89292号公報 特開平4−292989号公報
しかしながら、特許文献1に記載の熱転写システムにおいては、巻取部が、巻取部に巻き取られたインク転写済のインクリボンと一体化されるため、巻取部に巻き取られたインク転写済のインクリボンを廃棄する際、巻取部もともに廃棄される。そのため、巻取部を繰り返し利用することができず、このため、インク転写済のインクリボンを処理するためのコストが高くなってしまう。
上記のような問題に対して、本出願人は、印画された文字情報や画像情報が漏洩するのを防ぐことができるとともに、インク転写済のインクリボンから巻取部の再利用を可能とする熱転写システムを提案している。すわなち、基材層とインク層とを有するインクリボンを用いて被転写体にインクを転写する熱転写システムにおいて、使用済みのインクリボンの基材側から再度熱転写を行うことにより、インク層に形成されていた印刷された像のパターンを特定できなくする熱転写システムを提案した。
ところで、上記したポストキレート染料は、被転写体へ転写(即ち、画像形成)された後、反応によりキレート錯体が形成されることにより所望の色に発色するように設計されている。したがって、転写前のインクリボンのインク層の色と、ポストキレート反応を行った後の画像の色とは相違する。
このようなインクリボンを用いて被転写体に画像形成を行うと、被転写体の受像層中に含まれていた金属イオン化合物が、バックトラップの影響によりインクリボン側に移行して、インクリボン中の染料とポストキレート反応を起こす。その結果、使用済みインクリボンでは、画像形成部分に相当する部分の色と、画像形成されなかった部分に相当する部分との色とが相違することになり、例えば、ポストキレート染料のシアン色が、ポストキレート反応前ではマゼンタ色を呈しているが、ポストキレート反応後にはシアン色を呈するような場合、使用済みインクリボンに残存する印画された文字情報や画像情報が非常に視認しやすくなる。したがって、上記した熱転写システムのみによっては、印画された文字情報や画像情報の漏洩防止が不十分となることも想定される。
したがって、本発明の目的は、ポストキレート染料からなるインクリボンを用いた場合であっても、印画された文字情報や画像情報が漏洩するのを防ぐことができるとともに、インク転写済のインクリボンから巻取部の再利用を可能とする熱転写システムおよびそれに用いられるインクリボンを提供することである。
本発明によるインクリボンは、基材層と、前記基材層の一方の面に設けられたインク層と、前記基材層のインク層が設けられた面とは反対側の面に設けられた背面層と、を備えたインクリボンであって、
前記インク層はポストキレート染料を含んでなり、
前記背面層は、前記ポストキレート染料とキレート錯体を形成し得る金属イオン含有化合物を含んでなる、ことを特徴とするものである。
本発明の別の態様による熱転写システムは、上記インクリボンを用いて被転写体にインクを転写する熱転写システムにおいて、
前記インクリボンを送り出す送出部と、
前記送出部の下流側に配置され、前記インクリボンの背面層側に設けられた第1加熱体を有し、前記インクリボンのインク層のインクを前記被転写体に対して第1パターンで転写する第1転写装置と、
前記第1転写装置の下流側に配置され、インク転写済の前記インクリボンをその背面層がインク層よりも外側に位置するように巻き取る巻取部と、
前記巻取部の近傍に設けられ、インク転写済の前記インクリボンを背面層側から加熱する第2加熱体を有する第2転写装置と、を備え、
前記第2転写装置において、前記第2加熱体により加熱されて、外側のインクリボンのインク層のポストキレート染料を、前記インクリボンの内側に位置するインクリボンの背面層に移行させて、前記背面層中の金属イオン含有化合物と前記ポストキレート染料とのキレート錯体を形成させる、ことを特徴とするものである。
また、本発明の好ましい実施態様による熱転写システムは、前記第2転写装置において、前記第2加熱体により加熱されて、内側のインクリボンの背面層中の金属イオン含有化合物を、前記インクリボンの外側に位置するインクリボンのインク層に移行させて、前記インク層中のポストキレート染料と前記金属イオン含有化合物とのキレート錯体を形成させる。
また、本発明の好ましい実施態様による熱転写システムは、前記第2転写装置において、前記第2加熱体により加熱されて、前記外側のインクリボンのインク層のポストキレート染料を、前記第1パターンと異なる第2パターンで、前記インクリボンの内側に位置するインクリボンの背面層に移行させる。
また、本発明の好ましい実施態様による熱転写システムは、前記第2加熱体は、外周に所定パターンで配置された突起部を有する。
また、本発明の好ましい実施態様による熱転写システムは、前記第2加熱体がサーマルプリントヘッドである
本発明によれば、上記したような第2転写装置を備えた熱転写システムに、背面層にポストキレート染料とキレート錯体を形成し得る金属イオン含有化合物を含有させたインクリボンを適用することにより、インク転写済のインクリボン13から、第1転写装置17における第1パターン、すなわち被転写体14に印画された顔画像等のID情報が特定されるのを防ぐことができる。また、第2転写装置の第2加熱体として、外周に所定パターンで配置された突起部を有するロール状の加熱体やサーマルプリントヘッドを使用することにより、攪乱パターンをインク転写済のインクリボン13に付与することができるため、たとえ、転写されずに残存しているインク12aとインク抜け部分12bとが色が異なったような場合であっても、インク抜け部分12bのパターンに基づいて被転写体14に印画された顔画像等のID情報が特定されるのを防ぐことができる。
本発明の実施形態によるインクリボンの断面模式図。 本発明の別の実施の形態によるインクリボンの斜視図。 本発明の実施形態による熱転写システムを示した概略図。 図4(a)は、本発明の実施形態において、インク転写済のインクリボンのインク層側の面を示す図であり、図4(b)は、本発明の実施形態において、インクリボンのインクが転写された被転写体を示す図である。 図4(a)に示すインク転写済のインクリボンのV−V線に沿った断面図。 図6(a)は、第1加熱体によりインク転写済のインクリボンを加熱した後のインクリボンのインク層側の面を示す図であり、図6(b)は、b−b線に沿った断面図。 本発明の実施形態において、巻取部に巻き取られた転写済みのインクリボンの最外周面から、第2加熱体により加熱したインクリボンの断面図。 本発明の実施形態において、巻取部に巻き取られた転写済みのインクリボンの最外周面から、第2加熱体により加熱したインクリボンの断面図であり、内側の行くリボン13Bの背面層11から、外側インクリボン13Aのインク層12に金属イオン含有化合物が移行することを示した模式断面図である。 第2加熱体により、ポストキレート反応(キレート錯体を形成)した後の使用済みインクリボンのインク層側の面を示す図。 本発明の実施形態において、巻取部に巻き取られた転写済みのインクリボンの最外周面から、第2加熱体により加熱したインクリボンの断面図であり、外側インクリボン13Aのインク層12から、内側インクリボン13Bの背面層11にインクが移行することを示した模式断面図である。 第2加熱体により加熱された後の内側のインクリボンの背面層側の面を示す図。 図7に示す巻取装置の第2転写装置の第2加熱体を矢印Vで示す方向から見た場合を示す図。 図12に示す第2加熱体およびインクリボンのXIII−XIII線に沿った断面図であり、内側インクリボン13Bの背面層11から、外側インクリボン13Aのインク層12に、金属イオン含有化合物が移行することを示した模式断面図である。 第2転写装置22による転写が行われた後の外側インクリボン13Aをインク層12側から見た場合を示す図。 図12に示す第2加熱体およびインクリボンのXIII−XIII線に沿った断面図であり、外側インクリボン13Aのインク層12から、内側インクリボン13Bの背面層11にインクが移行することを示した模式断面図である。 図16(a)(b)は、巻取装置の第2転写装置により実施される転写のパターン(攪乱パターン)の変形例を示す図。
<インクリボン>
本発明によるインクリボンを、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態によるインクリボンの断面模式図である。本発明によるインクリボン13は、基材層10と、基材層10の一方の面に設けられたインク層12と、基材層10のインク層12が設けられた面とは反対側の面に設けられた背面層11とを少なくとも備えている。また、基材層10上にインク層12を直接設けてもよいが、基材層10とインク層12との間に接着層(図示せず)を設けてもよい。また、この接着層はインク層12上に設けられていてもよい。先ず、本発明によるインクリボンを構成する各層について説明する。
基材層10は、後記するインク層12を支持するための層であり、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであれば制限なく使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルム等が挙げられる。
基材層は、厚さが一般に約0.5〜50μmであり、好ましくは約3〜10μmである。
基材層には、必要に応じ、その一方の面又は両面に接着処理を施していてもよい。基材上に染料層を形成するための染料インクを塗布して形成する場合、塗工液の濡れ性、接着性等が不足しやすいので、接着処理を施すことが好ましい。上記接着処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等、公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用することができる。また、それらの処理を二種以上併用することもできる。
インク層12は、上記した基材層10上に、ポストキレート昇華性色素を適当なバインダーに溶解ないし分散させた塗工液を塗布し乾燥させることにより形成される。例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、基材層の一方の面に塗工液を塗布し、乾燥することによりインク層を形成することができる。色材層の厚さは、通常0.2〜10μmであり、好ましくは、0.3〜3μmである。インク層12は、図2に示すように、イエロー染料インク層(M)、マゼンタ染料インク層(M)およびシアン染料インク層(C)が面順次に設けられている構成であってもよい。
上記したようなポストキレート昇華性色素としては、従来公知のものを使用することができ、このようなキレート形成可能な昇華性色素としては、例えば特開昭59−78893号、同59−109349号、特願平2−213303号、同2−214719号、同2−203742号に記載されている、少なくとも2座のキレートを形成することができるシアン色素、マゼンタ色素およびイエロー色素を挙げることができる。キレートの形成可能な好ましい昇華性色素は、下記一般式で表わすことができる。
X1−N=N−X2−G
(式中、X1は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族の炭素環、または複素環を完成するのに必要な原子の集まりを表わし、アゾ結合に結合する炭素原子の隣接位の少なくとも一つが、窒素原子またはキレート化基で置換された炭素原子であり、X2は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族複素環または、芳香族炭素環を表わし、Gはキレート化基を表わす。)
上記したようなポストキレート昇華性色素の使用量は、通常、基材層1m当たり0.1〜20g、好ましくは0.2〜5gである。
色材層を構成するバインダーとしては、特に制限がなく従来から公知のものを使用することができる。さらに前記インク層には、従来から公知の各種添加剤を適宜に添加することができる。
次に、本発明によるインクリボン13の背面層11について説明する。背面層は、熱転写時の熱でインクリボンが変形しないように耐熱性を向上させるとともに、また熱転写時のサーマルプリントヘッドの走行性を改善してスティッキング等を抑制する機能を有する。背面層は、一般的に、バインダー樹脂に滑性剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加したものを塗布、乾燥することにより形成できるが、本発明においては、この背面層に、上記したポストキレート昇華性色素と反応してキレート錯体を形成し得る金属イオン含有化合物が含有されている。
背面層中に含有させる金属イオン含有化合物としては、従来公知のものを使用することができ、第I、第VIII族に属する2価および多価の金属の無機または有機の塩および金属錯体を使用することができる。例えば、Ni2+、Cu、Co2+、Cr2+およびZn2+を含有する、下記一般式:
[M(Q1)k(Q2)m (Q3)n]pp(L
(式中、Mは金属イオンを表し、Q1、Q2、Q3は各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な配位化合物を表わし、Lは錯体を形成しうる対アニオンを表し、kは1、2または3の整数を表し、mは1、2または0を表し、nは1または0を表すが、これらは前記一般式で表される錯体が4座配位か、6座配位かによって決定されるか、あるいはQ1、Q2、Q3の配位子の数によって決定され、pは1、2または3を表す。)で表される錯体を用いることができるが、滑剤としての機能も持つ金属石鹸を使用することが望ましい。金属石鹸の特に好ましい具体例としては、アルキルリン酸エステルの多価金属塩、脂肪酸の多価金属塩、アルキルカルボン酸の金属塩等が挙げられる。
上記金属イオン含有化合物または滑剤としての機能も持つ金属石鹸の背面層における含有量としては、特に限定されるものではないが、後述するバインダー樹脂に対して5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましい。また、背面層の滑り性を調整する観点からは、金属石鹸と他の金属イオン含有化合物を併用することが好ましい。
背面層に使用されるバインダー樹脂としては、従来公知のものを使用でき、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂等のビニル系樹脂、セルロース樹脂やヒドロキシエチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂やポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、シリコーン変性樹脂、長鎖アルキル変性樹脂等が挙げられる。
また、背面層に含まれていてもよい滑性剤としては、リン酸エステル系界面活性剤、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、脂肪酸アミド、脂肪酸エステルや、アルキルリン酸エステルの多価金属塩、アルキルカルボン酸の金属塩等の金属石鹸、長鎖脂肪族化合物、低分子量ポリプロピレン、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合体、脂肪酸塩類とポリエーテル化合物との縮合物、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、長鎖アルキルスルホン酸ナトリウム塩、ソルビタン酸エステル系化合物、高級アルコール及び/又は高級アミンとイソシアネート類との反応物など、一種または二種以上の混合物などが使用できる。上記した滑性剤の添加量は、バインダーの樹脂100質量部に対して、1〜100質量部の範囲であり、2〜50質量部が好ましい。滑性剤の添加量が1質量部未満であると、サーマルヘッドに対する滑性が十分に得られない場合があり、熱転写シートがサーマルヘッドにスティッキングし印画のシワなどが発生することがある。背面層の厚みは、熱伝導性の観点から、0.05〜2.0μm程度、好ましくは0.2〜2.0μmである。
<熱転写システム>
次に、上記したインクリボンを用いた本発明による熱転写システムについて説明する。なお、上記したようにインクリボン13は、基材層10とインク層12と背面層11とを備えているが、発明の理解を容易にするため、以下の図では、インク層12と背面層11との間に設けられる基材層10は省略して図示した。図3に示すように、インクリボン13を用いて被転写体14に所望のパターンでインク12aを転写する熱転写システム1は、矢印Rで示す方向にインクリボン13を送り出す送出部16と、送出部16の下流側に配置された第1転写装置17と、第1転写装置17の下流側に配置され、矢印Rで示す方向にインク転写済のインクリボン13を巻き取る巻取部21と、巻取部21の近傍に設けられ、インク転写済のインクリボン13を背面層11側から加熱する第2転写装置22と、を備えている。図3に示すように、インクリボン13は、複数のガイドロール15に沿って搬送される。ここで、図3に示す巻取部21と第2転写装置22とにより、巻取装置20が構成されている。
図3に示すように、第1転写装置17は、被転写体14を支持するプラテンロール19、および、インクリボン13および被転写体14を挟んでプラテンロール19と対向するよう設けられた第1加熱体18、例えばサーマルプリントヘッド、を有している。供給された被転写体14は、第1転写装置17に向けて搬送される。一方、図3に示すように、インクリボン13は、送出部16から第1転写装置17に向けて送り出される。第1加熱体18は、インクリボン13の背面層11側に設けられている。被転写体14が第1転写装置17の第1加熱体18とプラテンロール19との間に到達すると、第1加熱体18がインクリボン13を、顔画像等のID情報に対応する第1パターンで加熱しながら被転写体14に対して押し付ける。これによって、第1加熱体18によりインクリボン13のインク層12のインク12aが、顔画像等のID情報に対応する所定のパターン(第1パターン)で加熱され、インクリボン13のインク層12のインク12aが被転写体14に対して第1パターンで転写される。また、インクリボン13のインク層12には、顔画像等のID情報に対応したインク抜け部分12bが形成される。
図4(a)は、インク12aが被転写体14に第1パターンで転写された後のインクリボン13をインク層12側から見た場合を示す図であり、図4(b)は、インクリボン13のインク12aが第1パターンで転写された被転写体14を示す図である。図5は、図4(a)に示すインク転写済のインクリボン13のV−V線に沿った断面図である。昇華性染料インクを用いた場合、インク転写済のインクリボン13のインク層12は、図4(a)および図5に示すように、被転写体14に転写されずに昇華性染料インクが残存している部分12aと、一部の昇華性染料が移行しために昇華性染料が残存している部分12aよりも染料濃度が低くなっている部分12b(被転写体14に印画された顔写真等のID情報に対応する部分)とからなる。なお、染料濃度が低くなっている部分12bは、上述の第1加熱体18における第1パターンに対応している。
インクとしてポストキレート染料を用いて画像形成された被転写体14は、第1加熱体18からの加熱によって、被転写体の受像層(図示せず)中の金属イオン含有化合物と転写されたポストキレート染料とが反応してキレート錯体を形成することにより所望の色に発色する。例えば、シアン染料を用いた場合でも、キレート錯体が形成される前の色は、マゼンタ色(赤)に近い色である場合がある。
インク転写済のインクリボン13において、インク抜け部分12bは、第1加熱体18からの加熱によってインクが転写された部分であるが、転写時の加熱によって、被転写体14側から、受像層中の金属イオン含有化合物がインク抜け部分12bにも移行することがある。その結果、インク抜け部分12bに残存したインクと被転写体14から移行した金属イオン含有化合物とが反応してキレート錯体を形成することで発色が変化し、図6(a)に示すように、インク抜け部分12b’の色とインクが転写されなかった部分12の色とが相違する。図6(b)は、図6(a)に示すインクリボン13のV−V線に沿った断面図である。このため、インクリボン13のインク抜け部分12b’のパターンに基づいて、被転写体14に印画された顔写真等のID情報を特定することが可能となってしまう。本発明による熱転写システムは、上記のような問題を解消できるものである。以下、詳細に説明する。
次に、図7を参照して、熱転写システム10の巻取装置20について詳細に説明する。上述のとおり、巻取装置20は、インク転写済のインクリボン13を巻き取るロール状の巻取部21と、巻取部20の近傍に設けられ、インク転写済のインクリボン13を背面層11側から加熱する第2転写装置(巻取装置用転写装置)22と、を有している。このうち第2転写装置22は、ロール形状の発熱体からなる第2加熱体23と、第2加熱体23を矢印Rで示す方向において回動可能に支持する支持機構(図示せず)と、を含んでいる。
なお、巻取部21においては、巻き取りが進むにつれて、巻取部21により巻き取られているインクリボン13により構成されるロール体の外径が増加していく。このようなロール体の外径の増加に対応するため、第2加熱体23は、ロール体の半径方向(図7において矢印Dで示す方向)において移動可能となるよう支持機構(図示せず)により支持されている。また、このような支持機構によって第2加熱体23を支持することにより、巻取り駆動が停止されている場合や、第2加熱体23による加熱が不要な場合に、第2加熱体23を矢印D方向に移動させて、巻取部21に巻き取られているインクリボン13との接触を任意に中止することが可能となる。
また、巻取部21により巻き取られているインクリボン13により構成されるロール体の外径が変化しても、常に一定の接圧で加熱体がインクリボン13の最表面に摺接するように、サスペンション機構(図示せず)を有していてもよい。
図7に示すように、本実施の形態の巻取部21においては、インクリボン13の背面層11がインク層12よりも外側に位置するようインクリボン13が巻き取られる。なお図7に示すように、本実施の形態において、巻取部21に巻き取られているインクリボン13のうち最外周に位置するインクリボン13が外側インクリボン13Aと称され、外側インクリボン13Aよりも内側で巻取部21に巻き取られ、外側インクリボン13Aに隣接しているインクリボン13が内側インクリボン13Bと称される。
次に、図8〜11を参酌して、本発明の熱転写システムにより、使用済みインクリボンから、どのようにして顔画像等のID情報の漏洩を防止することができるかについて説明する。図8は、図7に示した第2加熱体23に接したインク転写済インクリボン13の一部を拡大した断面図である。なお、巻取部21にインクリボン13が巻き取られる際、巻き取られたインクリボン13は、実際には巻取部21のロール面に沿って湾曲するが、図8においては、便宜上、湾曲状態を無視してインクリボン13が描かれている。また図8においては、外側インクリボン13Aが第2加熱体23により押圧されて外側インクリボン13Aのインク層12の一部のインク12aが内側インクリボン13Bの基材層11に押し付けられる様子を説明するため、便宜上、外側インクリボン13Aと内側インクリボン13Bとの間に若干の隙間が描かれている。しかしながら、これに限られることはなく、外側インクリボン13Aと内側インクリボン13Bとが全面にわたって隙間無く接していてもよい。
図9は、第2加熱体によりポストキレート反応(キレート錯体の形成)した後の使用済みインクリボンのインク層側の面を示す図である。巻取部21に巻き取られたインク転写済インクリボン13は、その最外周表面のインクリボン13Aの背面層側から、第2加熱体23により加熱されると、その内層にあるインクリボン13Bにも熱が伝わる。その結果、内層のインクリボン13Bの背面層11中の金属イオン含有化合物の一部が、外層のインクリボン13Aのインク層12の第1の熱転写によってインクが転写されなかった部分12aおよびインク抜け部分12b’に移行する。このインク抜け部分12b’は、上記したように、インクが転写されなかった部分12aよりも染料濃度が低く、また、第1の熱転写の際に、被転写体の受像層(図示せず)中の金属イオン含有化合物がインクリボンのインク層に移行することもあり、その場合、上記したように、ポストキレート反応を起こした部分12b’はインクが転写されなかった部分12aとは異なる色を呈している(図6参照)。第2加熱体で加熱することにより、上記のようにインクが転写されなかった部分12aのポストキレート染料も、背面層11から移行した金属イオン含有化合物とポストキレート反応を起こして発色が変化する(12a’)。その結果、図9に示すように、インク抜け部分12b’の色とポストキレート反応後のインクが転写されなかった部分12a’の色との違いが少なくなる。したがって、図6に示したようなインク抜け部分12b’の色とインクが転写されなかった部分12aの色との相違が識別されにくくなり、視認によってインクリボンから被転写体14に印画された顔写真等のID情報を特定することが不可能になる。
また、巻取部21に巻き取られたインク転写済インクリボン13は、その最外周表面のインクリボン13Aの背面層11側から、第2加熱体23により加熱されると、外層のインクリボン13Aのインク層12から一部のインクが、内層のインクリボン13Bの背面層11に移行する。図10に示すように、外層のインクリボン13Aのインク層12から一部のポストキレート染料が内層のインクリボン13Bの背面層11に移行する。
図11は、外層のインクリボン13Aのインク層11から、内層のインクリボン13Bの背面層12に一部のポストキレート染料が移行した後の、内層のインクリボン13Bの背面層11を示した図である。内層のインクリボン13Bの背面層12へ移行したポストキレート染料は、背面層12中の金属イオン含有化合物とのポストキレート反応により発色するが、第1の熱転写によってポストキレート染料が移行しなかった部分11a’’と、ポストキレート染料が移行してインク抜けとなった部分11b’’との発色の違いが少なくなるため、視認によってインクリボンから被転写体14に印画された顔写真等のID情報を特定することが不可能になる。
次に、図12および図13を参照して、第2転写装置22の第2加熱体23の好ましい実施形態について詳細に説明する。図12は、図7の第2加熱体23を矢印Vで示す方向から見た場合を示す図であり、図13は、図12に示す第2加熱体23およびインクリボン13のXIII−XIII線に沿った断面図である。図12および図13に示すように、第2加熱体23は、その外周に所定パターン(第2パターン)で配置された突起部23aを含んでいる。また、第2加熱体23の突起部23aにおける第2パターンは、第1加熱体18における第1パターンとは異なるよう設定されている。図13に示すように、第2の加熱体23により外側インクリボン13Aが押圧されると、外側インクリボン13Aの、突起部23aが接触した部分のみが加熱されため、上記したように、外側インクリボン13Aのインク層12のうち、加熱された部分に対応する部分のみに内側インクリボン13Bの背面層11から金属イオン含有化合物が移行する。その結果、金属イオン含有化合物が移行した部分のみ発色が変化する。したがって、外層のインクリボン13Aのインク層12の第1の熱転写によってインクが転写されなかった部分において、金属イオン含有化合物が移行しなかった部分12aと、金属イオン含有化合物が移行した部分12a’とでは発色が変化する。同様に、外層のインクリボン13Aのインク層12の第1の熱転写によってインクが転写された部分(インク抜け部分)においても、金属イオン含有化合物が移行しなかった部分12bと、金属イオン含有化合物が移行した部分12b’とでは発色が変化する。そのため、ID情報に対応する第1パターンからなるインク抜け部分のパターンの読み取りを防止することができる。このような攪乱パターン(第2パターン)を使用済みインクリボンに加えることにより、より一層、インク抜け部分のパターンに基づいて被転写体14に印画されたID情報が、インク層12から特定されるのを防ぐことができる。なお、第2加熱体23の温度は、外側インクリボン13Aのインク層12のインク12aが全域にわたって溶融され、これによって外側インクリボン13Aと内側インクリボン13Bとが接着されるという現象が生じない程度に、低く設定されている。
図14は、上記のようにして、第2転写装置22による転写が行われた後の外側インクリボン13Aをインク層12側から見た場合を示す図である。外側インクリボン13Aのインク層12には、第1転写装置17におけるID情報の印画パターンに基づく第1パターンを有するインク抜け部分12bと、第2転写装置22における第2加熱体23の突起部23aの配列パターンに基づく第2パターン25を有するインク抜け部分12b’とが形成されている。また、インク抜け部分以外の部分12aにも、第2転写装置22における第2加熱体23の突起部23aの配列パターンに基づく第2パターン25を有する部分12a’が形成されている。これら4種のそれぞれの部分は、上記したように発色が異なるため、発色の違う第1パターンと第2パターン25とが混在することになり、その結果、顔画像等のID情報に対応する第1パターンからなるインク抜け部分(12bおよび12b’)のパターンが、認識不可能な程度に攪乱される。したがって、たとえ、転写されずに残存しているインク12aとインク抜け部分12bとが色が異なったような場合であっても、インク抜け部分12bのパターンに基づいて被転写体14に印画された顔画像等のID情報が特定されるのを防ぐことができる。
一方、内側インクリボン13Bの背面層11には、上記したように、外側インクリボン13Aのインク層12からポストキレート染料が移行するが、図12に示すような第2加熱体によって、所定パターンで加熱することにより、加熱した部分のみ、インク層12から背面層11にポストキレート染料が移行する。図15は、第2転写装置22により、外側インクリボン13Aのインク層12から、内側インクリボン13Bの背面層11にインクが移行することを示した模式断面図である。内側インクリボン13Bの背面層11へ移行するポストキレート染料の量は、外側インクリボン13Aのインク層12の第1の熱転写によってポストキレート染料が移行した部分12bとそれ以外の部分12aとで異なってくる。そのため、インク抜け部分であって且つ加熱された部分11b’’と加熱されなかった部分11b’とで発色度合いが異なり、さらに、第1の熱転写によってインクが転写されなかった部分であって且つ加熱された部分11a’’と加熱されなかった部分11a’とで発色度合いが異なることになる。このような攪乱パターン(第2パターン)を使用済みインクリボンに加えることにより、より一層、インク抜け部分のパターンに基づいて被転写体14に印画されたID情報が、背面層11から特定されるのを防ぐことができる。
図14では、第2転写装置22の第2加熱体23により外側インクリボン13Aのインク層12のインク12aの一部を内側インクリボン13Bの背面層11上に転写する際の第2パターン25が、インクリボン13の搬送方向に直交する方向に延びる複数のラインからなる場合を示したが、これに限られることはなく、第2パターン25として、第1転写装置17における第1パターンを適切に破壊(錯乱)することができる任意のパターンを用いることができる。例えば、図16(a)に示すように、第2パターン25が、インクリボン13の搬送方向(図15のR)の方向と平行な方向に配列した複数の複数の矩形模様が一定間隔を空けて配列したようなパターンであってもよく、また、任意の文字等がランダムに配列したようなパターンであってもよい。
上述のようにして、巻取装置20の巻取部21により巻き取られたインク転写済のインクリボン13が、第2転写装置22により第2パターンで外側から加熱される。そして、一連のインク転写済のインクリボン13を巻取部21により巻き取るとともに、第2転写装置22により第2パターン25で外側から加熱した後、当該インクリボン13を巻取部21から取り外して廃棄する。この際、巻取部21に巻き取られているインクリボン13の間、例えば外側インクリボン13Aと内側インクリボン13Bとの間には接着処理が施されておらず、このため、インクリボン13を巻取部21から容易に取り外すことができる。従って、巻取部21を繰り返し利用することが可能である。このことにより、巻取部21がインク転写済のインクリボン13とともに廃棄される場合に比べて、インク転写済のインクリボン13を処理するためのコストを低くすることができる。
これまで説明したように、上記したような第2転写装置を備えた熱転写システムに、背面層にポストキレート染料とキレート錯体を形成し得る金属イオン含有化合物を含有させたインクリボンを適用することにより、インク転写済のインクリボン13から、第1転写装置17における第1パターン、すなわち被転写体14に印画されたID情報が特定されるのを防ぐことができる。また、第2転写装置の第2加熱体として、外周に所定パターンで配置された突起部を有するロール状の加熱体を使用することにより、攪乱パターンをインク転写済のインクリボン13に付与することができるため、たとえ、転写されずに残存しているインク12aとインク抜け部分12bとが色が異なったような場合であっても、インク抜け部分12bのパターンに基づいて被転写体14に印画されたID情報が特定されるのを防ぐことができる。
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準である。
実施例1
厚さ6μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムの基材シートの一方の面に、下記組成の背面層用塗工液1を、厚みが固形分換算で1.0g/mの割合となるように塗布し、乾燥させることにより背面層を形成した。また、基材の他方の面(易接着処理面)に下記組成のイエロー染料層用塗工液、マゼンタ染料層用塗工液、シアン染料層用塗工液を、この順に面順次に各々の厚みが固形分換算で1.0g/mの割合となる様に塗布し、乾燥させることで、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクリボンを得た。
<背面層用塗工液1>
・ポリビニルブチラール樹脂(水酸基価20質量%) 6.00部
(#3000−4、電気化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート(固形分100質量%、NCO=17.3質量%) 8.00部
(バーノックD750−45、大日本インキ化学工業(株)製)
・下記式の金属イオン含有化合物 3.00部
・ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 3.00部
・ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 3.00部
・フィラー(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 1.50部
・ポリエチレンワックス(融点110〜118℃、平均粒径10μm) 3.00部
(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製)
・メチルエチルケトン 12.58部
・トルエン 59.92部
<イエロー染料層用塗工液>
・イエロー染料(下記式の化合物Y−1) 3.0部
・ポリビニルアセタール 5.5部
(デンカブチラールKY−24、電気化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 70.0部
・トルエン 20.0部
<マゼンタ染料層用塗工液>
・マゼンタ染料(下記式の化合物M−1) 3.0部
・ポリビニルアセタール 5.5部
(デンカブチラールKY−24、電気化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 70.0部
・トルエン 20.0部
<シアン染料層用塗工液>
・シアン染料(下記式の化合物C−1) 3.0部
・ポリビニルアセタール 5.5部
(デンカブチラールKY−24、電気化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 70.0部
・トルエン 20.0部
実施例2
背面層用塗工液1を背面層用塗工液2に変更した以外は、全て実施例1と同様にしてインクリボンを得た。
<背面層用塗工液2>
・ポリメチルメタクリレート(BR−85、三菱レイヨン(株)製) 11.1部
・メラミンアルデヒド縮合物(エポスターS、日本触媒(株)製) 2.9部
・ポリエステル樹脂(エリーテルUE−3200、ユニチカ(株)製) 0.3部
・下記式の金属イオン化合物 3.00部
・ジンクステアリルホスフェート(LBT−1830、堺化学社製) 5.7部
・トルエン 0.6部
・メチルエチルケトン 79.2部
比較例1
背面層用塗工液1を背面層用塗工液3に変更した以外は、全て実施例1と同様にしてインクリボンを得た。
<背面層用塗工液3>
・ポリメチルメタクリレート(BR−85、三菱レイヨン(株)製) 11.1部
・メラミンアルデヒド縮合物(エポスターS、日本触媒(株)製) 2.9部
・ポリエステル樹脂(エリーテルUE−3200、ユニチカ(株)製) 0.3部
・トルエン 0.6部
・メチルエチルケトン 79.2部
被転写体の作製
市販の塩化ビニル製カードに、下記組成の被転写層用塗工液を、乾燥後の塗付量が4g/mになるようにワイヤーバーコーティングにより塗付し、乾燥させることにより被転写体を作製した。
<被転写層用塗工液>
・塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(電気化学工業製) 50部
・下記式の金属イオン化合物 50部
<印画条件>
日本データカード社製SP75plusカードプリンターに実施例1,2および比較例1で作製したインクリボンをセットし、上記被転写体へ顔画像パターンを印画することで、発色したインク抜け部分を有するインクリボンを作製した。次に、ゼブラ社製 zebra140Xiii バーコードプリンターの、バーコード印字用リボンをセットする部分に、上記インク抜け部分を有するインクリボンAを、背面層側から加熱されるようセットし、バーコード印字用ラベルをセットする部分に、上記インク抜け部分を有するインクリボンBを、背面層側から加熱されるようセットし、セットした2つの、同種の、インク抜け部分を有するインクリボンを重ね合わせた状態で加熱した。その後、インクリボンの視認性評価を行った。評価基準は以下の通りであった。
○:インクリボンAおよびBよりID情報(顔画像)が特定できない
×:インクリボンAおよびBよりID情報(顔画像)が特定できる
評価結果は、下記表1に示される通りであった。
表1の評価結果から明らかなように、本発明によるインクリボンを用いた熱転写システムによって、インクリボンからID情報が漏洩するのを防ぐことができることが確認できた。
1 熱転写システム
10 基材層
11 背面層
12 インク層
12a、12a’、12a’’ インク
12b、12b’、12b’’ インク抜け部分
12c 第2転写装置により背面層上に転写されたインク
13 インクリボン
13A 外側インクリボン
13B 内側インクリボン
13C 外側インクリボン
13D 内側インクリボン
14 被転写体
15 ガイドロール
16 送出部
17 第1転写装置
18 第1加熱体
19 プラテンロール
20 巻取装置
21 巻取部
22 第2転写装置
23 第2加熱体
23a 突起部
24 支持ロール
25 案内ロール

Claims (6)

  1. 基材層と、前記基材層の一方の面に設けられたインク層と、前記基材層のインク層が設けられた面とは反対側の面に設けられた背面層と、を備えたインクリボンであって、
    前記インク層はポストキレート染料を含んでなり、
    前記背面層は、前記ポストキレート染料とキレート錯体を形成し得る金属イオン含有化合物を含んでなる、
    ことを特徴とする、インクリボン。
  2. 請求項1に記載のインクリボンを用いて被転写体にインクを転写する熱転写システムにおいて、
    前記インクリボンを送り出す送出部と、
    前記送出部の下流側に配置され、前記インクリボンの背面層側に設けられた第1加熱体を有し、前記インクリボンのインク層のインクを前記被転写体に対して第1パターンで転写する第1転写装置と、
    前記第1転写装置の下流側に配置され、インク転写済の前記インクリボンをその背面層がインク層よりも外側に位置するように巻き取る巻取部と、
    前記巻取部の近傍に設けられ、インク転写済の前記インクリボンを背面層側から加熱する第2加熱体を有する第2転写装置と、を備え、
    前記第2転写装置において、前記第2加熱体により加熱されて、外側のインクリボンのインク層のポストキレート染料を、前記インクリボンの内側に位置するインクリボンの背面層に移行させて、前記背面層中の金属イオン含有化合物と前記ポストキレート染料とのキレート錯体を形成させる、ことを特徴とする、熱転写システム。
  3. 前記第2転写装置において、前記第2加熱体により加熱されて、内側のインクリボンの背面層中の金属イオン含有化合物を、前記インクリボンの外側に位置するインクリボンのインク層に移行させて、前記インク層中のポストキレート染料と前記金属イオン含有化合物とのキレート錯体を形成させる、請求項2に記載の熱転写システム。
  4. 前記第2転写装置において、前記第2加熱体により加熱されて、前記外側のインクリボンのインク層のポストキレート染料を、前記第1パターンと異なる第2パターンで、前記インクリボンの内側に位置するインクリボンの背面層に移行させる、請求項2または3に記載の熱転写システム。
  5. 前記第2加熱体が、外周に所定パターンで配置された突起部を有する、請求項2〜4のいずれか一項に記載の熱転写システム。
  6. 前記第2加熱体がサーマルプリントヘッドである、請求項2〜5のいずれか一項に記載の熱転写システム。
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