JP2013131987A - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子機器において音響エコーの発生を抑制することが可能な技術を提供する。
【解決手段】電子機器100の前面にはカバーパネル1が設けられている。カバーパネル1の内側主面上には圧電振動素子55が設けられている。圧電振動素子55は、駆動部によって音信号に基づいて振動させられる。マイク穴は、電子機器100における、カバーパネル1以外の部分に設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、使用者に音を伝達する電子機器に関する。
従来から電子機器に関して様々な技術が提案されている。例えば特許文献1には、携帯電話機や固定電話機などの電話機の筐体の外面に対して弾性部材を介して圧電振動素子を取り付け、当該圧電振動素子を振動させることによって、当該電話機のユーザに対して音を伝達する技術が記載されている。
特開2005−348193号公報
携帯電話機等の電子機器においては、当該電子機器が出力する音が、当該電子機器に設けられたマイクに入力されて、音響エコーが発生することがある。
そこで、本発明は上述の点に鑑みて成されたものであり、電子機器において音響エコーの発生を抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る電子機器は、前記電子機器の前面に設けられたカバーパネルと、前記カバーパネルの内側主面上に設けられた圧電振動素子と、音信号に基づいて前記圧電振動素子を振動させる駆動部と、前記電子機器における、前記カバーパネル以外の部分に設けられたマイク穴とを備える。
また、本発明に係る電子機器の一態様では、前記マイク穴は、前記電子機器の裏面に設けられている。
また、本発明に係る電子機器の一態様では、前記マイク穴は、前記電子機器の裏面の上下方向に沿った中央領域あるいは左右方向に沿った中央領域に設けられている。
また、本発明に係る電子機器の一態様では、前記マイク穴は、前記電子機器の裏面の中心部に設けられている。
また、本発明に係る電子機器の一態様では、前記カバーパネルの前記内側主面上に設けられたタッチパネルがさらに設けられている。
また、本発明に係る電子機器の一態様では、前記圧電振動素子が前記カバーパネルを振動させることによって、当該カバーパネルから気導音及び伝導音が使用者に伝達される。
本発明によれば、音響エコーの発生を抑制することができる。
電子機器の外観を示す斜視図である。 電子機器の外観を示す前面図である。 電子機器の外観を示す裏面図である。 電子機器の電気的構成を示すブロック図である。 圧電振動素子を示す平面図である。 圧電振動素子を示す側面図である。 圧電振動素子が撓む様子を示す図である。 圧電振動素子が撓む様子を示す図である。 電子機器を示す断面図である。 カバーパネルを示す平面図である。 気導音及び伝導音を説明するための図である。 電子機器の変形例を示す断面図である。 電子機器の変形例を示す前面図である。 電子機器の変形例を示す側面図である。 電子機器の変形例を示す裏面図である。 電子機器の変形例を示す裏面図である。 電子機器の変形例を示す裏面図である。
<電子機器の外観>
図1〜3は、それぞれ、実施の形態に係る電子機器100の外観を示す斜視図、前面図及び裏面図である。本実施の形態に係る電子機器100は、例えば携帯電話機である。
図1に示されるように、電子機器100は、カバーパネル1とケース部分2を備えており、カバーパネル1とケース部分2とが組み合わされることによって、平面視で略長方形の板状を成す機器ケース3が構成されている。
カバーパネル1は、平面視において略長方形を成しており、電子機器100の前面部分における、周縁部分以外の部分を構成している。カバーパネル1は、例えば、透明のガラスあるいは透明のアクリル樹脂で形成されている。ケース部分2は、電子機器100の前面部分の周縁部分、側面部分及び裏面部分を構成している。ケース部分2は、例えばポリカーボネート樹脂で形成されている。
カバーパネル1には、文字、記号、図形等の各種情報が表示される表示部分1aが設けられている。表示部分1aは例えば平面視で長方形を成している。カバーパネル1における、表示部分1aを取り囲む周縁部分1bは、例えばフィルム等が貼られることによって黒色となっており、情報が表示されない非表示部分となっている。カバーパネル1の内側主面には後述するタッチパネル53が貼り付けられており、使用者は、カバーパネル1の表示部分1aを指等で操作することによって、電子機器100に対して各種指示を与えることができる。
機器ケース3の内部には、複数の操作ボタン54aを備える操作部54が設けられている。各操作ボタン54aは、いわゆる「ハードキー」であって、その表面が、カバーパネル1の外側主面10の下側端部から露出している。カバーパネル1の下側端部には、複数の操作ボタン54aを露出させるための穴があけられている。また、図2に示されるように、機器ケース3の内部には、後述する圧電振動素子55が設けられている。なお、本実施の形態に係る電子機器100では、「ハードキー」である複数の操作ボタン54aが設けられているが、当該複数の操作ボタン54aの個数を適宜変更しても良いし、当該複数の操作ボタン54aを設けなくても良い。
図3に示されるように、電子機器100の裏面101、言い換えれば機器ケース3の裏面には、スピーカ穴20及びマイク穴21があけられている。また電子機器100の裏面101からは、後述する撮像部58が有する撮像レンズ58aが露出している。
<電子機器の電気的構成>
図4は電子機器100の電気的構成を示すブロック図である。図4に示されるように、電子機器100は、制御部50、無線通信部51、表示パネル52、タッチパネル53、操作部54、圧電振動素子55、外部スピーカ56、マイク57、撮像部58及び電池59を備えており、これらの構成要素は、機器ケース3内に収められている。
制御部50は、CPU50a及び記憶部50b等を備えており、電子機器100の他の構成要素を制御することによって、電子機器100の動作を統括的に管理する。記憶部50bは、ROM及びRAM等で構成されている。制御部50には、CPU50aが記憶部50b内の各種プログラムを実行することによって、様々な機能ブロックが形成される。
無線通信部51は、電子機器100とは別の携帯電話機あるいはインターネットに接続されたウェブサーバ等の通信装置からの信号を基地局を介してアンテナ51aで受信する。無線通信部51は、受信信号に対して増幅処理及びダウンコンバートを行って制御部50に出力する。制御部50は、入力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる、音声や音楽などを示す音信号などを取得する。また無線通信部51は、制御部50で生成された、音信号等を含む送信信号に対してアップコンバート及び増幅処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ51aから無線送信する。アンテナ51aからの送信信号は、基地局を通じて、電子機器100とは別の携帯電話機あるいはインターネットに接続された通信装置で受信される。
表示パネル52は、例えば、液晶表示パネルあるいは有機ELパネルであって、制御部50によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を表示する。表示パネル52に表示される情報は、カバーパネル1の表示部分1aに表示されることによって、当該情報は電子機器100の使用者に視認可能となる。
タッチパネル53は、例えば、投影型静電量容量方式のタッチパネルであって、カバーパネル1の表示部分1aに対する使用者の操作を検出する。タッチパネル53は、カバーパネル1の内側主面に貼り付けられており、互いに対向配置されたシート状の2つの電極センサーを備えている。2つの電極センサーは透明粘着性シートによって貼り合わされている。
一方の電極センサーには、それぞれがX軸方向(例えば電子機器100の左右方向)に沿って延在し、かつ互いに平行に配置された複数の細長いX電極が形成されている。他方の電極センサーには、それぞれがY軸方向(例えば電子機器100の上下方向)に沿って延在し、かつ互いに平行に配置された複数の細長いY電極が形成されている。カバーパネル1の表示部分1aに対して使用者の指が接触すると、その接触箇所の下にあるX電極及びY電極の間の静電容量が変化することによって、タッチパネル53においてカバーパネル1の表示部分1aに対する操作が検出される。タッチパネル53において生じる、X電極及びY電極の間の静電容量変化は制御部50に伝達され、制御部50は当該静電容量変化に基づいてカバーパネル1の表示部分1aに対して行われた操作の内容を特定し、それに応じた動作を行う。
操作部54は、複数の操作ボタン54aのそれぞれについて、当該操作ボタン54aが使用者によって押下されると、当該操作ボタン54aが押下されたことを示す操作信号を制御部50に出力する。制御部50は、入力される操作信号に基づいて、複数の操作ボタン54aのうちのどの操作ボタン54aが操作されたかを特定し、操作された操作ボタン54aに応じた動作を行う。
圧電振動素子55は、受話音を電子機器100の使用者に伝えるためのものである。圧電振動素子55は、制御部50から与えられる駆動電圧によって振動させられる。制御部50は、受話音を示す音信号に基づいて駆動電圧を生成し、当該駆動電圧を圧電振動素子55に印加する。圧電振動素子55が、制御部50によって受話音を示す音信号に基づいて振動させられることによって、電子機器100の使用者には受話音が伝達される。このように、制御部50は、音信号に基づいて圧電振動素子55を振動させる駆動部として機能する。圧電振動素子55については後で詳細に説明する。
外部スピーカ56は、制御部50からの電気的な音信号を音に変換して出力する。外部スピーカ56から出力される音は、電子機器100の裏面101に設けられたスピーカ穴20から外部に出力される。
マイク57は、電子機器100の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制御部50に出力する。電子機器100の外部からの音は、当該電子機器100の裏面101に設けられたマイク穴21から当該電子機器100の内部に取り込まれて、マイク57に入力される。
撮像部58は、撮像レンズ58a及び撮像素子などで構成されており、制御部50による制御に基づいて、静止画像及び動画像を撮像する。
電池59は、電子機器100の電源を出力する。電池59から出力された電源は、電子機器100が備える制御部50や無線通信部51などに含まれる各電子部品に対して供給される。
<圧電振動素子の詳細>
図5,6は、それぞれ、圧電振動素子55の構造を示す上面図及び側面図である。図5,6に示されるように、圧電振動素子55は一方向に長い形状を成している。具体的には、圧電振動素子55は、平面視で長方形の細長い板状を成している。圧電振動素子55は、例えばバイモルフ構造を有しており、シム材55cを介して互いに貼り合わされた第1圧電セラミック板55a及び第2圧電セラミック板55bを備えている。
圧電振動素子55では、第1圧電セラミック板55aに対して正の電圧を印加し、第2圧電セラミック板55bに対して負の電圧を印加すると、第1圧電セラミック板55aは長手方向に沿って伸び、第2圧電セラミック板55bは長手方向に沿って縮むようになる。これにより、図7に示されるように、圧電振動素子55は、第1圧電セラミック板55aを外側にして山状に撓むようになる。
一方で、圧電振動素子55では、第1圧電セラミック板55aに対して負の電圧を印加し、第2圧電セラミック板55bに対して正の電圧を印加すると、第1圧電セラミック板55aは長手方向に沿って縮み、第2圧電セラミック板55bは長手方向に沿って伸びるようになる。これにより、図8に示されるように、圧電振動素子55は、第2圧電セラミック板55bを外側にして山状に撓むようになる。
圧電振動素子55は、図7の状態と図8の状態とを交互にとることによって、撓み振動を行う。制御部50は、第1圧電セラミック板55aと第2圧電セラミック板55bとの間に、正の電圧と負の電圧とが交互に現れる交流電圧を印加することによって、圧電振動素子55を撓み振動させる。
なお、図5〜7に示される圧電振動素子55では、シム材55cを間に挟んで貼り合わされた第1圧電セラミック板55a及び第2圧電セラミック板55bから成る構造が一つだけ設けられていたが、複数の当該構造を積層させても良い。
<圧電振動素子の配置位置>
図9は電子機器100の上下方向(長手方向)における断面構造を示す図である。また図10は、カバーパネル1をその内側主面11側から見た際の平面図である。
図9,10に示されるように、カバーパネル1の内側主面11には、当該カバーパネル1の表示部分1aと対向するようにタッチパネル53が貼り付けられている。そして、表示部材である表示パネル52は、カバーパネル1及びタッチパネル53に対向するように配置されている。したがって、カバーパネル1と表示パネル52との間にはタッチパネル53が存在している。カバーパネル1では、表示パネル52と対向している部分が表示部分1aとなる。
また、機器ケース3の内部には、CPU50a及びマイク57などの各種部品が搭載されるプリント基板70が設けられている。プリント基板70は、表示パネル52よりも電子機器100の裏面101側において当該表示パネル52と対向するように配置されている。また、図10に示されるように、カバーパネル1の下側端部には、複数の操作ボタン54aをそれぞれ露出させる複数の穴12があけられている。
圧電振動素子55は、両面テープ等の接着剤60によって、カバーパネル1の内側主面11に貼り付けられている。圧電振動素子55は、カバーパネル1の内側主面11上において、当該カバーパネル1を当該内側主面11側から見た平面視で表示パネル52及びタッチパネル53とは重ならない位置に配置されている。言い換えれば、圧電振動素子55は、カバーパネル1をその厚み方向において内側主面11側から見た際に、当該内側主面11上において、表示パネル52及びタッチパネル53とは重ならない位置に配置されている。したがって、カバーパネル1と圧電振動素子55との間には、タッチパネル53及び表示パネル52は存在していない。
また、圧電振動素子55は、カバーパネル1の内側主面11の上側端部11a上に設けられている。具体的には、圧電振動素子55は、図10に示されるように、カバーパネル1の内側主面11の上側端部11aにおける左右方向(長手方向に垂直な短手方向)の中央部11aa上に設けられている。
また、圧電振動素子55は、その長手方向がカバーパネル1の左右方向に一致するように配置されている。そして、圧電振動素子55は、その長手方向の中心が、カバーパネル1の内側主面11の上側端部11aにおける左右方向の中心と一致するように、当該上側端部11aの中央部11aaに配置されている。
ここで、上述の図7,8に示されるように、撓み振動を行う圧電振動素子55では、その長手方向の中心が最も変位量が大きくなる。したがって、圧電振動素子55を、その長手方向の中心が、カバーパネル1の内側主面11の上側端部11aにおける左右方向の中心と一致するように、当該上側端部11aに配置することによって、圧電振動素子55における、撓み振動での変位量が最大となる箇所が、カバーパネル1の内側主面11の上側端部11aにおける左右方向の中心に一致するようになる。
<圧電振動素子の振動による受話音の発生について>
本実施の形態では、圧電振動素子55がカバーパネル1を振動させることによって、当該カバーパネル1から気導音及び伝導音が使用者に伝達されるようになっている。言い換えれば、圧電振動素子55自身の振動がカバーパネル1に伝わることにより、当該カバーパネル1から気導音及び伝導音が使用者に伝達されるようになっている。
ここで、気道音とは、外耳道孔(いわゆる「耳の穴」)に入った音波(空気振動)が鼓膜を振動させることによって、人の脳で認識される音である。一方で、伝導音とは、耳介軟骨が振動させられ、その耳介軟骨の振動が鼓膜に伝わって当該鼓膜が振動することによって、人の脳で認識される音である。以下に、気導音及び伝導音について詳細に説明する。
図11は気導音及び伝導音を説明するための図である。図11には、電子機器100の使用者の耳の構造が示されている。図11においては、波線400は気道音が脳で認識される際の音信号(音情報)の伝導経路を示しており、実線410が伝導音が脳で認識される際の音信号の伝導経路を示している。
カバーパネル1に取り付けられた圧電振動素子55が、受話音を示す電気的な音信号に基づいて振動させられると、カバーパネル1が振動して、当該カバーパネル1から音波が出力される。使用者が、電子機器100を手に持って、当該電子機器100のカバーパネル1を当該使用者の耳介200に近づけると、あるいは当該電子機器100のカバーパネル1を当該使用者の耳介200に当てると、当該カバーパネル1から出力される音波が外耳道孔210に入る。カバーパネル1からの音波は、外耳道孔210内を進み、鼓膜220を振動させる。鼓膜220の振動は耳小骨230に伝わり、耳小骨230が振動する。そして、耳小骨230の振動は蝸牛240に伝わって、蝸牛240において電気信号に変換される。この電気信号は、聴神経250を通って脳に伝達され、脳において受話音が認識される。このようにして、カバーパネル1から使用者に対して気導音が伝達される。
また、使用者が、電子機器100を手に持って、当該電子機器100のカバーパネル1を当該使用者の耳介200に当てると、耳介軟骨200aが、圧電振動素子55によって振動させられているカバーパネル1によって振動させられる。耳介軟骨200aの振動は鼓膜220に伝わり、鼓膜220が振動する。鼓膜220の振動は耳小骨230に伝わり、耳小骨230が振動する。そして、耳小骨230の振動は蝸牛240に伝伝わり、蝸牛240において電気信号に変換される。この電気信号は、聴神経250を通って脳に伝達され、脳において受話音が認識される。このようにして、カバーパネル1から使用者に対して伝導音が伝達される。
なお、ここでの伝導音は、骨導音(「骨伝導音」とも呼ばれる)とは異なるものである。骨導音は、頭蓋骨を振動させて、頭蓋骨の振動が直接蝸牛などの内耳を刺激することによって、人の脳で認識される音である。図11においては、例えば下顎骨300を振動させた場合において、骨伝導音が脳で認識される際の音信号の伝達経路を複数の円弧420で示している。
このように、本実施の形態に係る電子機器100では、圧電振動素子55が前面のカバーパネル1を適切に振動させることによって、言い換えれば圧電振動素子55自身の振動を前面のカバーパネル1に適切に伝えることによって、カバーパネル1から電子機器100の使用者に対して気導音及び伝導音を伝えることができる。本実施の形態に係る圧電振動素子55では、使用者に対して適切に気導音及び伝導音を伝達できるように、その構造が工夫されている。使用者に対して気導音及び伝導音を伝えることができるように電子機器100を構成することによって様々メリットが発生する。
例えば、使用者は、カバーパネル1を耳に当てれば音が聞こえることから、電子機器100において耳を当てる位置をそれほど気にすることなく通話を行うことができる。
また、使用者は、周囲の騒音が大きい場合には、耳をカバーパネル1に強く押し当てることによって、伝導音の音量を大きくしつつ、周囲の騒音を聞こえにくくすることができる。よって、使用者は、周囲の騒音が大きい場合であっても、適切に通話を行うことができる。
また、使用者は、耳栓やイヤホンを耳に取り付けた状態であっても、カバーパネル1を耳(より詳細には耳介)に当てることによって、電子機器100からの受話音を認識することができる。また、使用者は、耳にヘッドホンを取り付けた状態であっても、当該ヘッドホンにカバーパネル1を当てることによって、電子機器100からの受話音を認識することができる。
なお、上記の例では、図9に示されるように、タッチパネル53と表示パネル52との間に隙間を設けているが、タッチパネル53と表示パネル52とを接触させても良い。本実施の形態のように、タッチパネル53と表示パネル52との間に隙間を設ける場合には、カバーパネル1が使用者によって指等で押されて、当該カバーパネル1が表示パネル52側に撓み、当該カバーパネル1が表示パネル52に当たって(より正確にはタッチパネル53が表示パネル52に当たって)当該表示パネル52の表示が乱れることを抑制することができる。
また、図12に示されるように、タッチパネル53がカバーパネル1の内側主面11の全面に渡って存在する場合には、カバーパネル1の内側主面11上にタッチパネル53を介して圧電振動素子55を配置しても良い。
また、電子機器100に対してタッチパネル53を設けずに、ハードキーだけで電子機器100に対して入力を行っても良い。この場合には、電子機器100の前面等に、操作ボタン54a以外のハードキーをさらに設けても良い。また、この場合には、カバーパネル1と表示パネル52とを間隔をあけて対向配置しても良いし、互いに接触させて対向配置しても良い。
以上のように、本実施の形態に係る電子機器100では、圧電振動素子55が、カバーパネル1の内側主面11上において、当該カバーパネル1を当該内側主面11側から見た平面視で表示パネル52とは重ならない位置に配置されていることから、カバーパネル1と圧電振動素子55との間には表示パネル52が存在しない。したがって、圧電振動素子55の振動をカバーパネル1に伝えやすくすることができる。よって、カバーパネル1から使用者に対して適切に音を伝達することができる。
また、本実施の形態のように、カバーパネル1と表示パネル52との間にタッチパネル53が存在する場合には、カバーパネル1において表示パネル52と対向する部分、つまり表示部分1aについては、使用者によって指等で頻繁に押されることになる。カバーパネル1が押されると、当該カバーパネル1が撓むことがあることから、カバーパネル1において使用者によって押される可能性が高い部分に圧電振動素子55を配置した場合には、当該圧電振動素子55が破損する可能性がある。本実施の形態では、カバーパネル1の内側主面11上において、当該カバーパネル1を当該内側主面11側から見た平面視で表示パネル52とは重ならない位置に配置されていることから、言い換えれば、カバーパネル1における表示部分1a以外の部分に配置されていることから、カバーパネル1において押される可能性が低い部分に圧電振動素子55を配置することができる。よって、カバーパネル1が押されて圧電振動素子55が破損することを抑制することができる。
また、本実施の形態のように、カバーパネル1と表示パネル52との間にタッチパネル53が存在する場合には、上述の図9に示されるように、圧電振動素子55を、カバーパネル1の内側主面11上において、当該カバーパネル1を当該内側主面11側から見た平面視で表示パネル52及びタッチパネル53とは重ならない位置に配置することによって、カバーパネル1と圧電振動素子55との間に表示パネル52だけではなくタッチパネル53も存在しないようにすることができる。したがって、圧電振動素子55の振動をカバーパネル1にさらに伝えやすくすることができ、カバーパネル1から使用者に対してより適切に音を伝達することができる。
また、使用者が電子機器100を通話で使用する場合には、使用者は、電子機器100の前面の上側端部に耳を当てる可能性が高いことから、本実施の形態のように、圧電振動素子55を、カバーパネル1の内側主面11の上側端部上に設けて、カバーパネル1の前面の上側端部での振動を大きくすることによって、使用者に対して伝導音を伝えやすくすることができる。特に、使用者は、電子機器100の前面の上側端部における左右方向の中心に耳を当てる可能性が高いことから、圧電振動素子55を、カバーパネル1の内側主面11の上側端部における左右方向の中央部上に設けて、カバーパネル1の前面の上側端部における左右方向の中央部での振動を大きくすることによって、使用者に対して伝導音をさらに伝えやすくすることができる。また、本実施の形態のように、圧電振動素子55が撓み振動を行う場合には、圧電振動素子55における、撓み振動での変位量が最大となる箇所(圧電振動素子55の長手方向の中心)と、カバーパネル1の内側主面11の上側端部における左右方向の中心とを一致させることによって、カバーパネル1の前面の上側端部における左右方向の中央での振動をさらに大きくすることができる。その結果、使用者に対して伝導音をさらに伝えやすくすることができる。
また、本実施の形態のように、圧電振動素子55が一方向に長い形状を成す場合には、上述の図2,10に示されるように、圧電振動素子55を、その長手方向がカバーパネル1の左右方向に一致するように配置されることが望ましい。圧電振動素子55が、その長手方向がカバーパネル1の上下方向に一致するように配置される場合においては、表示パネル52を圧電振動素子55と重ならないようにするために、当該表示パネル52の位置を下方に下げる必要がある。そのため、電子機器100を上下方向に長くするか、カバーパネル1の表示部分1aを上下方向に小さくする必要がある。本実施の形態のように、圧電振動素子55を、その長手方向がカバーパネル1の左右方向に一致するように配置することによって、電子機器100の上下方向の長さを抑えつつ、カバーパネル1の表示部分1aを上下方向に大きくすることができる。
<受話口の穴(レシーバ用の穴)について>
携帯電話機などの電子機器では、当該電子機器の内部に設けられたレシーバ(受話用スピーカ)から出力される音を当該電子機器の外部に取り出すために、前面のカバーパネル1に受話口の穴があけられることがある。
本実施の形態に係る電子機器100では、音を出力するカバーパネル1には、受話口の穴(レシーバ用の穴)があけられていない。つまり、電子機器100の表面においては受話口の穴が設けられていない。したがって、カバーパネル1に受話口の穴をあける加工が不要となる。その結果、電子機器100の製造コストを低減することができ、電子機器100のコストダウンを図ることが可能となる。特に、カバーパネル1がガラスで形成されている場合には、カバーパネル1に対する穴加工は困難であることから、カバーパネル1に受話口の穴をあけないことによって、電子機器100の製造コストをさらに低減することができる。また、カバーパネル1に受話口の穴をあけないことによって、カバーパネル1の強度を向上することができる。また、カバーパネル1に受話口の穴をあけないことによって、カバーパネル1の前面のデザイン性の自由度が向上する。特に、本実施の形態のように、電子機器100の前面の大部分をカバーパネル1が占める場合には、カバーパネル1に受話口の穴を設けないことはデザイン性の観点から非常に有効である。また、本実施の形態では、電子機器100の表面に受話口の穴がないことから、受話口の穴から水やほこり等が入るといった問題が発生しない。よって、電子機器100では、この問題に対する防水構造や防塵構造が不要となり、電子機器100のさらなるコストダウンを図ることができる。
なお、本実施の形態では、カバーパネル1が振動することによって受話音が発生することから、電子機器100に受話口の穴が無くても、受話音を適切に使用者に伝えることができる。
また、本実施の形態に係るカバーパネル1には、操作ボタン54aを露出させる穴12があけられているが、操作ボタン54aを露出させる穴をケース部分2にあけて、カバーパネル1に穴12を設けなくても良い。また、操作ボタン54aを無くして、カバーパネル1に穴12を設けなくても良い。これにより、カバーパネル1には穴が全く存在しなくなり、電子機器100のさらなるコストダウンとカバーパネル1の前面のデザイン性の自由度のさらなる向上が可能となる。
<マイク穴の位置について>
携帯電話機などの電子機器においては、当該電子機器が発生する音(携帯電話機では受話音)がマイクに入力されて、音響エコーを発生することがある。電子機器100において、カバーパネル1に対して仮にマイク穴21をあけると、音を出力する部分にマイク穴21が設けられることになることから、マイク穴21に音が入りやすくなり、マイク57に音が入力されやすくなる。その結果、音響エコーを発生しやすくなる。
本実施の形態では、図3に示されるように、音を出力するカバーパネル1以外の部分にマイク穴21が設けられているため、電子機器100において、音を出力する部分の位置と、マイク穴21の位置とを離すことができる。よって、カバーパネル1が出力する受話音がマイク穴21に入力されることを抑制することができ、その結果、音響エコーの発生を抑制することができる。
本実施の形態では、マイク穴21を電子機器100の裏面101に設けているが、カバーパネル1以外の部分であれば、電子機器100の前面あるいは側面に設けても良い。図13は、電子機器100の前面のケース部分2にマイク穴21を設けた場合の当該電子機器100を示す前面図である。図14は、電子機器100の側面のケース部分2にマイク穴21を設けた場合の当該電子機器100を示す側面図である。図14の例では、電子機器100の側面のうちの下方側面102(底面)にマイク穴21が設けられている。
電子機器100の前面のカバーパネル1から出力される音は電子機器100の裏面101にはまわりにくいことから、本実施の形態のように、マイク穴21を電子機器100の裏面101にあけることによって、音響エコーの発生をさらに抑制することができる。
また、図15に示されるように、電子機器100の裏面101における上下方向に沿った中央領域101aにマイク穴21をあけても良い。これにより、電子機器100の左右方向から裏面101にまわりこむ音がマイク穴21に入りにくくなるため、音響エコーの発生をさらに抑制することができる。さらに、使用者が電子機器100を片手で持ってカバーパネル1に耳を当てて通話を行う場合においては、中央領域101aに設けられたマイク穴21は使用者の手のひらで塞がれにくいことから、使用者が発する音声(送話音)をマイク57に入力しやすくなる。
また、図16に示されるように、電子機器100の裏面101における左右方向に沿った中央領域101bにマイク穴21をあけても良い。これにより、電子機器100の上下方向から裏面101にまわりこむ音がマイク穴21に入りにくくなるため、音響エコーの発生をさらに抑制することができる。さらに、使用者が電子機器100を片手で持ってカバーパネル1に耳を当てて通話を行う場合においては、中央領域101bに設けられたマイク穴21は使用者の手のひらで塞がれにくいことから、使用者が発する音声をマイク57に入力しやすくなる。
また、図17に示されるように、マイク穴21を、電子機器100の裏面101の中心部101c(上下方向に沿った中央領域101aと左右方向に沿った中央領域101bとが重なる部分)にあけることによって、電子機器100の裏面101にまわりこむ音がマイク穴21にさらに入りにくくなることから、音響エコーの発生をさらに抑制することができる。
なお、上述の例では、本願発明を携帯電話機に適用する場合を例にあげて説明したが、本願発明は携帯電話機以外の電子機器にも適用することができる。例えば、本願発明は、ゲーム機、ノートパソコン、ポータブルナビゲーションシステムなどに適用することができる。
1 カバーパネル
11 内側主面
21 マイク穴
50 制御部
53 タッチパネル
55 圧電振動素子
100 電子機器

Claims (6)

  1. 電子機器であって、
    前記電子機器の前面に設けられたカバーパネルと、
    前記カバーパネルの内側主面上に設けられた圧電振動素子と、
    音信号に基づいて前記圧電振動素子を振動させる駆動部と、
    前記電子機器における、前記カバーパネル以外の部分に設けられたマイク穴と
    を備える、電子機器。
  2. 請求項1に記載の電子機器であって、
    前記マイク穴は、前記電子機器の裏面に設けられている、電子機器。
  3. 請求項2に記載の電子機器であって、
    前記マイク穴は、前記電子機器の裏面の上下方向に沿った中央領域あるいは左右方向に沿った中央領域に設けられている、電子機器。
  4. 請求項3に記載の電子機器であって、
    前記マイク穴は、前記電子機器の裏面の中心部に設けられている、電子機器。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の電子機器であって、
    前記カバーパネルの前記内側主面上に設けられたタッチパネルをさらに備える、電子機器。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の電子機器であって、
    前記圧電振動素子が前記カバーパネルを振動させることによって、当該カバーパネルから気導音及び伝導音が使用者に伝達される、電子機器。
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