JP2013131392A - リチウムイオン二次電池製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】広いSOC範囲のハイレート充放電に対する耐久性に優れたリチウムイオン二次電池を製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明のリチウムイオン二次電池製造方法は、正極活物質を有する正極を作製する工程と、該正極と負極と非水電解液とを用いてリチウムイオン二次電池を構築する工程とを包含する。上記正極を作製する工程では、上記正極活物質として、組成外にLiOHを0.032質量%以上0.050質量%以下の割合で含むリチウム遷移金属酸化物を使用する。
【選択図】図4

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、正極および負極と、それら両電極間に介在された電解質とを備え、該電解質中のリチウムイオンが両電極間を行き来することにより充放電を行うものであって、軽量で高エネルギー密度が得られるため各種分野において需要が高まっている。各電極は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出する活物質を備える。正極活物質の代表例としてリチウム遷移金属酸化物が挙げられる。特許文献1には、正極活物質の一次粒子の粒径と二次粒子の粒径との関係を規定することにより、大電流充放電特性やサイクル特性を改良する技術が記載されている。
特開2000−243394号公報
ところで、リチウムイオン二次電池の使用時におけるSOC(充電深度;State of Charge)の範囲をより広くすることは、該電池のさらなる高エネルギー密度化に役立ち得る。しかしながら、リチウム遷移金属酸化物を正極活物質とする二次電池は、幅広いSOCの範囲において多数回の充放電を行うような態様で使用されると、該電池の性能が劣化(例えば、初期状態に比べて電池容量が大きく低下)する場合があった。特に、比較的ハイレートでの充放電を繰り返し得る使用態様では上記性能劣化が起こりやすかった。本発明の一つの目的は、幅広いSOC範囲で充放電される使用態様においても性能劣化が低減されたリチウムイオン二次電池を製造する方法の提供である。関連する他の目的は、かかる製造方法を適用してなるリチウムイオン二次電池の提供である。
本発明によると、正極と負極と非水電解液とを備えたリチウムイオン二次電池を製造する方法が提供される。上記正極は正極活物質を有し、上記負極は負極活物質を有する。この製造方法は、上記正極を作製する工程と、該正極と上記負極と上記非水電解液とを用いてリチウムイオン二次電池を構築する工程と、を包含する。上記正極を作製する工程は、上記正極活物質として、組成外にLiOHを0.032質量%以上0.050質量%以下の割合で含むリチウム遷移金属酸化物を用意することを包含する。典型的には、さらに、上記正極活物質を用いて正極ペーストを調製することを包含し得る。この正極作製工程は、さらに、上記正極ペーストを乾燥させる(例えば、該ペーストを集電体に塗付して乾燥させることにより上記集電体上に正極活物質層を形成する)ことを包含し得る。
かかる方法によると、上記所定の割合でLiOHを含む正極活物質を用いるので、充放電の繰り返しによる正極活物質層の劣化が抑制され、広いSOC範囲でハイレート充放電を繰り返しても優れた耐久性を発揮し得る(例えば、かかる充放電サイクルによる性能劣化が少ない)リチウムイオン二次電池を製造することができる。
好ましい一態様では、上記正極活物質として、組成外にLiOHおよびLiCOを合計で0.120質量%以上0.210質量%以下の割合で含むリチウム遷移金属酸化物を使用する。かかる態様によると、広いSOC範囲での充放電サイクルに対する耐久性により優れたリチウムイオン二次電池が実現され得る。
好ましい他の一態様では、前記正極活物質が、Ni,Co,およびMnを含む組成を有するリチウム遷移金属酸化物(典型的には、該リチウム遷移金属酸化物の一次粒子が集まった二次粒子の形態をなす粉末状の正極活物質)である。かかる態様では、ここに開示される製造方法を採用することによる効果が特に有利に発揮され得る。
好ましい他の一態様では、前記リチウムイオン二次電池を構築する工程において、ジフルオロリン酸塩およびモノフルオロリン酸塩の少なくともいずれかを添加剤として含む非水電解液を使用する。かかる態様によると、上記添加剤の効果をよりよく発揮させ得る電池を製造することができる。したがって、上記非水電解液を用いるリチウム二次電池の製造においては、ここに開示される製造方法を採用することが特に有意義である。
前記リチウムイオン二次電池を構築する工程は、例えば、前記正極活物質の総表面積(m)当たり0.10g〜1.00gの前記添加剤を含む前記非水電解液を用いて好ましく実施することができる。かかる態様によると、上記添加剤の効果を特によく発揮させ得る電池を製造することができる。
本発明の他の側面として、ここに開示されるいずれかの方法によって製造されたリチウムイオン二次電池が提供される。このリチウムイオン二次電池は、広範囲のSOCにおいて比較的ハイレートでの充放電を繰り返しても性能低下が少ない(例えば、容量維持率の高い)ものであり得る。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池(ここに開示されるいずれかの方法により製造されたリチウムイオン二次電池であり得る。)は、広範囲のSOCでの充放電サイクルに対する耐久性に優れることから、車両用電源等の用途に適している。例えば、車両(典型的には、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)等のような、電動機を備えた車両)に搭載されるモータ用の動力源(駆動電源)として好ましく使用され得る。したがって、本発明によると、例えば図3に示すように、ここに開示されるいずれかのリチウムイオン二次電池100を搭載した車両1が提供される。かかるリチウムイオン二次電池100は、単独で使用されてもよく、直列および/または並列に複数接続されてなる組電池の形態で使用されてもよい。
一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 本発明のリチウムイオン二次電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。 例1〜7において構築された各電池について、組成外LiOH量に対して容量維持率をプロットしたグラフである。 例1〜7において構築された各電池について、組成外Li塩量に対して容量維持率をプロットしたグラフである。 例8〜10において構築された電池について、組成外Li塩量に対して容量維持率をプロットしたグラフである。 例11〜13において構築された電池について、組成外Li塩量に対して容量維持率をプロットしたグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本明細書に開示される製造方法では、リチウム遷移金属酸化物の組成外にLiOHを0.032質量%以上0.050質量%以下の割合で含む正極活物質を使用する。かかる正極活物質は、例えば、リチウム遷移金属酸化物の粒子表面の少なくとも一部が、少なくともLiOHを含む一種または二種以上のリチウム塩によって被覆されたものであり得る。この組成外LiOH量が少なすぎると、広範囲のSOCに亘る充放電サイクル(以下、「広SOCサイクル」ということもある。)に対する耐久性(例えば容量維持率)を改善する効果が十分に発揮され難くなる場合がある。上記組成外LiOH量が多すぎても、広SOCサイクルに対する耐久性を改善する効果が小さくなる傾向にある。好ましい一態様では、組成外LiOHを0.035質量%以上(例えば0.035質量%以上)の割合で含む正極活物質を使用する。他の好ましい一態様では、組成外LiOHを0.045質量%以下(例えば0.044質量%以下)の割合で含む正極活物質を使用する。かかる態様によると、広SOCサイクルに対する耐久性(例えば容量維持率)が特に良好なリチウムイオン二次電池が実現され得る。
上記組成外LiOHは、当該正極活物質の調製工程(製造過程)において使用したリチウム源化合物(例えば、LiCO、LiOH等)に由来するものであり得る。例えば、前駆体としての遷移金属水酸化物と上記リチウム源化合物とを混合して該混合物を加熱(焼成)することによりリチウム遷移金属酸化物を生成させる場合において、該リチウム源化合物の余剰分、未反応分、副反応生成物、もしくはこれらが雰囲気中の水分等と反応して生じたLiOHであり得る。あるいは、組成外LiOH量を調整するために、上記混合物を焼成した後に添加(追加)したLiOHであってもよい。上記組成外LiOHは、リチウム遷移金属酸化物の組成に含まれず、主として該酸化物の粒子(一次粒子)表面に存在し得る。
ここに開示される製造方法における正極活物質としては、リチウム遷移金属酸化物の組成外に、LiOHに加えてLiCOを含む正極活物質を好ましく使用し得る。上記正極活物質における組成外LiOHと組成外LiCOとの合計量(以下、「組成外Li塩量」ともいう。)は、通常、0.110質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.120質量%以上である。組成外Li塩量が少なすぎると、広SOCサイクルに対する耐久性を改善する効果が十分に発揮され難くなる場合があり得る。また、上記正極活物質の組成外Li塩量は、通常、0.500質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.220質量%以下(例えば、0.210質量%以下)である。組成外Li塩量が多すぎると、初期反応抵抗の値が上昇傾向となることがあり得る。
上記正極活物質に含まれる組成外LiCOは、当該正極活物質の調製工程において使用したリチウム源化合物(LiCO等)に由来するものであり得る。例えば、前駆体としての遷移金属水酸化物と上記リチウム源化合物とを混合して該混合物を加熱(焼成)することによりリチウム遷移金属酸化物を生成させる場合において、該リチウム源化合物の余剰分、未反応分、副反応生成物、もしくはこれらが雰囲気中のCO等と反応して生じたLiCOであり得る。あるいは、組成外Li塩量を上記好ましい割合とするために、上記混合物を焼成した後に添加(追加)したLiCOであってもよい。かかる組成外LiCOは、リチウム遷移金属酸化物の組成に含まれず、主として該酸化物の粒子(一次粒子)表面に存在し得る。
正極活物質に含まれる組成外LiOH量は、中和滴定法によって求めることができる。好ましい一態様では、上記中和滴定法を次のようにして実施する。すなわち、所定量の正極活物質を水に分散させ、これに塩化バリウムを加えて炭酸系イオンを炭酸バリウムとして除去した後、塩酸で中和滴定してpH9付近の第一中和点(変曲点)までの滴定量を判断することによって、上記所定量の正極活物質に含まれる水溶性LiOH量(質量%)を求めることができる。具体的には以下の計算式(1)を用いて求めることができる。
LiOH(質量%)=D×F×K×C÷S×100% (1)
D:第一中和点までの塩酸滴定量(L)
F:塩酸のファクター(濃度補正係数)
K:LiOHの化学式量(23.948g/mol)
C:塩酸のモル濃度(mol/L)
S:正極活物質の質量(g)
自動滴定装置としては、例えば、平沼産業株式会社製の型式「COM−1600」またはその相当品を使用することができる。上記滴定方法において、塩化バリウム溶液の添加は、上記正極活物質がLiOHに加えて炭酸リチウムを含む場合にその残留分を除去する目的を有する。pH9近傍の第一中和点は、電位差計を用いて決定することができる。
上記正極活物質に含まれる組成外のLiCO量は、燃焼−赤外線吸収法に従い、炭素硫黄分析装置を用いて求めることができる。炭素硫黄分析装置としては、例えば、LECO社製の型式「CS−600」またはその相当品を使用することができる。より具体的には、例えば、後述する実施例の記載を参照して組成外LiCO量を定量することができる。
上記組成外Li塩量は、例えば、リチウム源化合物の使用量(例えば炭酸リチウムの使用量)、正極活物質を調製(製造)する際の焼成温度、焼成時の炉内雰囲気やその湿度等を変えることによって調整することができる。例えば、Li源化合物としてのLiCOの使用量および焼成温度を調整することにより、LiOHの量、LiOH量とLiCO量とのバランス、ならびに組成外Li塩量を調整することができる。
ここに開示される方法によって製造されるリチウムイオン二次電池は、組成外LiOHを上記所定量含む正極活物質を用いてなることにより、広範囲のSOCに亘って優れたハイレート充放電特性を発揮し得るものであり得る。かかる効果が発揮される理由は、例えば次のように考えられる。すなわち、正極活物質として粉末状のリチウム遷移金属酸化物(典型的には、主として該リチウム遷移金属酸化物の一次粒子が集まった二次粒子)を用いてなるリチウムイオン二次電池をハイレートで充放電させると、Liの吸蔵および放出に伴って、リチウム遷移金属酸化物の結晶が急速な体積変化(膨張および収縮)を起こす。かかる体積変化に起因する応力によって、正極活物質粉末の内部(典型的にはリチウム遷移金属酸化物の結晶界面、すなわち一次粒子間)に割れが生じ、該正極活物質粉末の一部が外部との導電パス(導電経路)の切れた状態となり得る。外部(例えば、隣接する正極活物質粉末や集電体)との導電パスの切れた部分は電池容量に寄与することができないため、かかる部分が増えるにつれて電池容量が低下する。電池が広範囲のSOCに亘ってハイレートでの充放電を繰り返す態様で使用される場合には、充放電に伴ってリチウムイオン遷移金属の体積が大きく且つ急速に変化することとなるため、上記導電パス切れによる電池容量の低下が特に起こりやすい。
ここに開示される技術によると、組成外LiOHが正極活物質の一次粒子間において、正極活物質の体積変化に伴う内部応力を緩和するバネ機能(クッション機能)または一次粒子間の接着強度を高める接着機能を果たすことができる。このことによって、ハイレート充放電時にも一次粒子間の割れが防止されて、導電パス切れが抑制され得る。これらLi塩は、さらに、正極活物質の粒界におけるLi伝導性を向上させ得る。換言すれば、これら組成外LiOHが正極活物質の一次粒子表面に適当量付着した正極活物質では、当該正極活物質の一次粒子間において上記組成外LiOHが「Li伝導性を有する応力緩和層(クッション)」として機能し得る。これにより正極活物質の劣化が抑制され得る。ハイレートでの充放電を繰り返す態様で使用される電池においては、組成外LiOHを利用して正極活物質の劣化(導電パス切れ等)を抑制することが特に有意義である。組成外LiOHに加えて組成外LiCOを、それらの合計量(Li塩量)が所定範囲となる割合で含む正極活物質によると、組成外LiOHによる上記の効果と相俟って、正極活物質の劣化がよりよく防止されるものと考えられる。
ここに開示される技術におけるリチウム遷移金属酸化物の組成は、従来からリチウムイオン二次電池の正極活物質に用いられるリチウム遷移金属酸化物と同様であり得る。例えば、リチウムニッケル系酸化物、リチウムコバルト系酸化物、リチウムマンガン系酸化物等のリチウム含有酸化物(典型的には、層状岩塩型の結晶構造を有するリチウム遷移金属酸化物)が挙げられる。
ここで、リチウムニッケル系酸化物とは、リチウム(Li)とニッケル(Ni)とを構成金属元素とする酸化物のほか、リチウムおよびニッケル以外に他の少なくとも一種の金属元素(すなわち、LiとNi以外の遷移金属元素および/または典型金属元素)を、原子数換算でニッケルと同程度またはニッケルよりも少ない割合(典型的にはニッケルよりも少ない割合)で構成金属元素として含む酸化物をも包含する意味である。上記LiおよびNi以外の金属元素は、例えば、Co,Mn,Al,Cr,Fe,V,Mg,Ca,Na,Ti,Zr,Nb,Mo,W,Cu,Zn,Ga,In,Sn,LaおよびCeからなる群から選択される一種または二種以上の金属元素であり得る。リチウムコバルト系酸化物およびリチウムマンガン系酸化物についても同様の意味である。
ここに開示される技術は、上記リチウム遷移金属酸化物が少なくともNi、Co、およびMnを含むリチウム遷移金属酸化物(以下、LiNiCoMn酸化物ともいう。)である正極活物質を用いる態様で好ましく実施され得る。上記LiNiCoMn酸化物の好適例として、例えば、一般式(I):Li1+xNiCoMn(1−y−z) ;で表される層状構造を有するリチウム遷移金属酸化物が挙げられる。ここで、式(I)中のMは、例えば、Al,Cr,Fe,V,Mg,Ca,Na,Ti,Zr,Nb,Mo,W,Cu,Zn,Ga,In,Sn,La,Ce,BおよびFからなる群から選択される一種または二種以上であり得る。式(I)中のaは、0<a<0.05であり得る。式(I)中のx,y,およびzは、それぞれ、0.05≦x≦0.2;0.3≦y<0.9;および、0.1<z<0.4;を満たすことが好ましい。例えば、Ni、Co、およびMnを概ね同量づつ含むLiNiCoMn酸化物を好ましく使用することができる。かかる正極活物質は、充放電による膨張収縮がより大きいので、組成外LiOHによる効果(例えば、上述の正極活物質粒子の割れを防ぐ効果)が特に有意義である。
ここに開示される技術における正極活物質は、例えば、湿式法によって調製した水酸化物(前駆体)をリチウム源(例えば、LiCO,LiOH等のリチウム塩)と混合し、適切な温度で焼成することにより形成することができる。例えば、上記リチウム遷移金属酸化物がLiNi1/3Co1/3Mn1/3で表される組成を有する正極活物質を主な例として、該正極活物質の製造方法を説明する。上記湿式法による水酸化物の調製は、例えば、該正極活物質に含まれるLi以外の金属元素の塩(ここでは、Ni塩、Co塩およびMn塩)を含む水溶液から、これらの金属元素を含む複合水酸化物を析出(晶析)させることにより実施することができる。上記複合水酸化物(前駆体)は、晶析終了後、水洗・濾過して乾燥させ、所望の粒径を有する粒子状に調製するとよい。該前駆体は、温度100〜300℃の大気雰囲気中で所定時間(例えば5〜24時間)加熱した後、次の工程に供することが好ましい。
上記正極活物質は、上記前駆体とリチウム源とを適切な量比で混合し、その混合物を、典型的には空気中で焼成することにより形成することができる。このときのリチウム源化合物の使用量、上記混合物の焼成温度、焼成時の炉内雰囲気やその湿度等を変えることによって、焼成物におけるLiOHの量、LiOH量とLiCO量とのバランス、ならびに組成外Li塩量を調整することができる。通常は、焼成温度を凡そ700〜1000℃の範囲とすることが適当である。焼成は、一定の温度で一度に行ってもよく、異なる温度で段階的に行ってもよい。焼成時間は、適宜選択することができる。例えば、700〜800℃程度で1〜12時間程度焼成した後、800〜1000℃程度で2〜24時間程度焼成することができる。その焼成物を、好適には粉砕した後、必要に応じて所望の粒径に篩い分けしたものを、ここに開示される技術における正極活物質として好ましく用いることができる。上記正極活物質の平均粒径(レーザ散乱・回折法に基づく50%体積平均粒子径をいう。)は、通常、3μm〜10μm程度であることが好ましい。上記正極活物質の比表面積は、0.5〜5.0m/g(例えば0.7〜2.0m/g)の範囲にあることが好ましい。
上記製造方法の好ましい一態様では、上記正極活物質を、導電材および結着剤とともに、適当な有機溶媒(分散媒)と混練することによって正極ペーストを調製することができる。正極ペーストに含まれる固形成分を添加する順番は特に制限されない。
導電材としては、カーボン粉末やカーボンファイバー等の導電性粉末材料が好ましく用いられる。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、グラファイト粉末等が好ましい。導電材は、一種のみを単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。導電材の一次粒子の粒径は、比較的小さいものほど接触面積が広いため正極活物質層層内の導電パス(すなわち、正極活物質と導電材との接触面積)を保つのに有利である。例えば、カーボン粉末を使用する場合、該粉末を構成する一次粒子の平均粒径が、凡そ10nm〜200nm(典型的には凡そ15nm〜100nm)の範囲にあることが好ましい。正極ペーストに含まれる導電材の量は、適宜選択すればよく、例えば、全固形成分の例えば2〜12質量%程度とすることができる。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体(PEO−PPO)等、有機溶媒に溶解するポリマーを、一種、または二種以上を併せて使用することができる。特に好ましい結着剤として、PVDFが例示される。正極ペーストに含まれる結着剤の量は、全固形成分の例えば1〜10質量%程度とすることができる。
分散媒として使用する有機溶媒は、正極ペーストの固形成分の物性に応じて適宜選択すればよい。例えば、上記結着剤が可溶な有機溶媒が好ましく使用され得る。特に好ましい分散媒として、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)が例示される。該有機溶媒に含まれる水分量は所定値以下に抑えることが好ましい。この水分量が多すぎると、正極活物質の組成外Li塩の溶出量が多くなり、これら組成外Li塩による正極の劣化抑制効果が十分に得られない場合があり得る。
ここに開示される方法において用いる非水電解液は、非水溶媒(非プロトン性溶媒)中に支持塩(支持電解質)を含む。該支持塩としては、一般的なリチウムイオン二次電池に電解質として用いられるリチウム塩を、適宜選択して使用することができる。かかるリチウム塩として、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、Li(CFSON、LiCFSO等が例示される。これらリチウム塩は、一種のみを単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。特に好ましい例として、LiPFが挙げられる。
上記非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池に用いられる非プロトン性溶媒を適宜選択して使用することができる。特に好ましい非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ビニレンカーボネート(VC)、プロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類が例示される。これら有機溶媒は、一種のみを単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、ECおよびDECの混合溶媒を好ましく使用することができる。
好ましい一態様では、支持塩に加えて、添加剤としてのジフルオロリン酸塩およびモノフルオロリン酸塩の少なくともいずれかをさらに含む非水電解液を用いる。かかる添加剤は、正極に吸着(例えば、正極活物質との物理的・化学的相互作用による吸着、もしくは正極表面で酸化分解して皮膜を形成)することによって、組成外LiOH(好ましくは、LiOHおよびLiCO)により発揮される上述の効果をより高める機能を発揮し得る。また、上記添加剤は、正極に吸着することにより、電池の反応抵抗を低減する効果を発揮し得る。このことは、電池の入出力性能の向上に寄与し得るので好ましい。
上記添加剤としては、ジフルオロリン酸塩およびモノフルオロリン酸塩のいずれか一方のみを用いてもよく、これらの混合物を用いてもよい。ジフルオロリン酸塩としては、ジフルオロリン酸アニオン(PO )を有する各種の塩を用いることができる。モノフルオロリン酸塩としては、モノフルオロリン酸アニオン(PO2−)を有する各種の塩を用いることができる。かかるジフルオロリン酸塩またはモノフルオロリン酸におけるカチオン(カウンターカチオン)は、無機カチオンおよび有機カチオンのいずれでもよい。無機カチオンの具体例としては、Li,Na,K等のアルカリ金属のカチオン;Be,Mg,Ca等のアルカリ土類金属のカチオン;等が挙げられる。有機カチオンの具体例としては、テトラアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウム等のアンモニウムカチオンが挙げられる。このようなジフルオロリン酸塩やモノフルオロリン酸塩は、公知の方法により作成することができ、あるいは市販品の購入等により入手することができる。通常は、無機カチオン(例えばアルカリ金属のカチオン)との塩を好ましく用いることができる。ここに開示される技術における添加剤の好適例として、ジフルオロリン酸リチウム(LiPO)およびモノフルオロリン酸リチウム(LiPOF)が挙げられる。なかでもLiPOの使用が好ましい。
上記添加剤の濃度は、例えば、正極活物質粒子の総表面積に応じて選択することができる。例えば、電池内に含まれる上記添加剤の総量M(g)を該電池内に含まれる正極活物質の総表面積ACM(m)で除して求められるB値(すなわち、B値(g/m)=M(g)/ACM(m))が凡そ0.10〜1.00g/mの範囲となるように、上記非水電解液に含まれる添加剤の濃度および該非水電解液の使用量(電池ケースへの注液量)を設定するとよい。B値を0.14〜0.88g/m(例えば0.15〜0.50g/m)とすることがより好ましい。通常は、上記添加剤濃度が0.001モル/L以上0.50モル/以下(好ましくは0.005モル/L以上0.20モル/以下、例えば0.010モル/L以上0.10モル/以下)の電解液を好ましく用いることができる。
ここに開示される方法では、少なくともリチウムイオン二次電池の構築工程を、露点−30℃以下の乾燥環境下において実施することが好ましい。これにより、上記組成外Li塩の効果が好適に実現され得る。
本発明によると、ここに開示されるいずれかの方法により製造されるリチウムイオン二次電池が提供される。かかるリチウムイオン二次電池の一実施形態について、電極体および非水電解液を角型形状の電池ケースに収容した構成のリチウムイオン二次電池100(図1)を例にして詳細に説明するが、ここに開示される技術はかかる実施形態に限定されない。すなわち、ここに開示されるリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されず、その電池ケース、電極体等は、用途や容量に応じて、素材、形状、大きさ等を適宜選択することができる。例えば、電池ケースは、直方体状、扁平形状、円筒形状等であり得る。なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
リチウムイオン二次電池100は、図1および図2に示されるように、捲回電極体20を、非水電解液90とともに、該電極体20の形状に対応した扁平な箱状の電池ケース10の開口部12より内部に収容し、該ケース10の開口部12を蓋体14で塞ぐことによって構築することができる。また、蓋体14には、外部接続用の正極端子38および負極端子48が、それら端子の一部が蓋体14の表面側に突出するように設けられている。
上記電極体20は、長尺シート状の正極集電体32の表面に正極活物質層34が形成された正極シート30と、長尺シート状の負極集電体42の表面に負極活物質層44が形成された負極シート40とを、2枚の長尺シート状のセパレータ50と共に重ね合わせて捲回し、得られた捲回体を側面方向から押圧して拉げさせることによって扁平形状に成形されている。
正極シート30は、その長手方向に沿う一方の端部において、正極活物質層34が設けられておらず(あるいは除去されて)、正極集電体32が露出するよう形成されている。同様に、捲回される負極シート40は、その長手方向に沿う一方の端部において、負極活物質層44が設けられておらず(あるいは除去されて)、負極集電体42が露出するように形成されている。そして、正極集電体32の該露出端部に正極端子38が、負極集電体42の該露出端部には負極端子48がそれぞれ接合され、上記扁平形状に形成された捲回電極体20の正極シート30または負極シート40と電気的に接続されている。正負極端子38,48と正負極集電体32,42とは、例えば超音波溶接、抵抗溶接等によりそれぞれ接合することができる。
上記正極シート30は、例えば、上述のようにして調製した正極ペーストを正極集電体32に付与し、該組成物を乾燥させることにより好ましく作製することができる。
正極集電体32としては、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。例えば、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金を用いることができる。正極集電体32の形状は、リチウムイオン二次電池の形状等に応じて異なり得るため、特に制限はなく、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であり得る。本実施形態ではシート状のアルミニウム製の正極集電体32が用いられ、捲回電極体20を備えるリチウムイオン二次電池100に好ましく使用され得る。かかる実施形態では、例えば、厚みが5μm〜200μm(より好ましくは10μm〜30μm)程度のアルミニウムシートが好ましく使用され得る。
負極シート40は、例えば、負極活物質を、必要に応じて結着剤(バインダ)等とともに適当な溶媒に分散させたペーストまたはスラリー状の組成物(負極ペースト)を負極集電体42に付与し、該組成物を乾燥させることにより好ましく作製することができる。
負極活物質としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、好適な負極活物質としてカーボン粒子が挙げられる。少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(カーボン粒子)が好ましく用いられる。いわゆる黒鉛質のもの(グラファイト)、難黒鉛化炭素質のもの(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質のもの(ソフトカーボン)、これらを組み合わせた構造を有するもののいずれの炭素材料も好適に使用され得る。
負極形成用の結着剤としては、例えば、水に溶解する水溶性ポリマーや、水に分散するポリマー、非水溶媒(有機溶媒)に溶解するポリマー等から適宜選択して用いることができる。また、一種のみを単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
水溶性ポリマーとしては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。
水分散性ポリマーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重含体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂、酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)、アラビアゴム等のゴム類等が挙げられる。
非水溶媒(有機溶媒)に溶解するポリマーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体(PEO−PPO)等が挙げられる。負極活物質層に含まれる結着剤の量は、適宜選択すればよく、例えば1〜5質量%程度とすることができる。
負極集電体42としては、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。例えば、銅または銅を主成分とする合金を用いることができる。また、負極集電体42の形状は、リチウムイオン二次電池の形状等に応じて異なり得るため、特に制限はなく、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であり得る。本実施形態ではシート状の銅製の負極集電体42が用いられ、捲回電極体20を備えるリチウムイオン二次電池100に好ましく使用され得る。かかる実施形態では、例えば、厚み5μm〜200μm(より好ましくは10μm〜50μm)程度の銅製シートを好ましく使用し得る。
非水電解液90としては、上述のような非水電解液を用いる。その支持塩(電解質)濃度は、例えば0.7〜1.5モル/Lの範囲内となるように調製することが好ましい。
上記セパレータ50は、正極シート30および負極シート40の間に介在する層であって、典型的にはシート状をなし、正極シート30の正極活物質層34と、負極シート40の負極活物質層44にそれぞれ接するように配置される。そして、正極シート30と負極シート40における両電極活物質層34,44の接触に伴う短絡防止や、該セパレータ50の空孔内に上記電解液を含浸させることにより電極間の伝導パス(導電経路)を形成する役割を担っている。かかるセパレータ50としては、従来公知のものを特に制限なく使用することができる。例えば、樹脂からなる多孔性シート(微多孔質樹脂シート)を好ましく用いることができる。ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン等の多孔質ポリオレフィン系樹脂シートが好ましい。かかる多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複数構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータの厚みは、例えば、凡そ10μm〜40μmの範囲内で設定することが好ましい。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、上記添加剤に由来する化合物を含む被膜を正極表面に有するものであり得る。上記被膜は、組み立て後の電池に対してコンディショニング処理等を施す工程において、電池を初期充電させる際、上記添加剤が正極の表面またはその近傍において電気的に分解されて生成した化合物および他の電気分解生成物(例えば、電解液を構成する非水溶媒の分解生成物)によって形成され得る。したがって、ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、適当なコンディショニング処理が施された後や、電池の使用開始後においては、その非水電解液中の上記添加剤の実質的に全てが電気分解された状態であり得る。すなわち、その非水電解液が上記添加剤を実質的に含まない組成のものであり得る。
なお、ジフルオロリン酸塩およびモノフルオロリン酸塩の少なくとも一方を含む電解液を用いて構築された電池であることは、例えば、該電池の構成部材(正負極活物質層の表面等)から測定試料を採取し、ICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分析、イオンクロマトグラフィ、マススペクトロメトリー(質量分析法;MS)等によりP元素を検出することによって把握することができる。かかる分析によると、支持電解質(支持塩)としてLiPFを含む非水電解液を用いた電池であっても、LiPFに由来するP元素とは区別して、ジフルオロリン酸塩(例えばLiPO)またはモノフルオロリン酸塩(例えばLiPOF)に由来するP元素の存在を認識することができる。また、上記電池の構築に用いられた電解液中のジフルオロリン酸塩およびモノフルオロリン酸塩の量(換言すれば、電池ケース内に供給された量)は、例えば、イオンクロマトグラフィにより正負極活物質層表面のPOイオン、POFイオン、POイオンの量を定量する;該電池の容器内に溜まった非水電解液をイオンクロマトグラフィにより分析してジフルオロリン酸塩、モノフルオロリン酸塩およびそれらの分解物に起因する化学種を定量する;等の方法により把握することができる。
なお、一般的なハイブリット自動車(HV)は、動力源としてエンジン(内燃機関)とモータ駆動用の電池とを併用し、モータ駆動用電池の充電容量が少なくなるとエンジンを駆動させて該電池を自動的に充電する。一方、プラグインハイブリッド自動車(PHV)は、上記HVモード(ハイブリッド自動車モード)に加え、あらかじめ家庭用電源など外部電源に接続して充電した該電池のみを用いるEVモード(電気自動車モード)を備えており、いずれかのモードで走行可能なように設計されている。このようにPHV用の電池は従来のHV用の電池と使用方法が異なるため、要求される性能も従来の電池とは大きく異なる。例えば、PHV用の電池ではEVモードでの使用(すなわち、あらかじめ充電した電気のみで走行すること)を考慮しなければならない。またPHV用の電池やEV用の電池は、充電容量が少なくなっても自動的に充電が行われることはない。このため、SOCが低い領域においても、例えば自動車の加速の際等に、ハイレート(急速)放電が頻繁に行われ得る。また、充電のために外部電源への接続を要することから、ハイレートで充電して充電時間を短縮することが求められる。したがって、幅広いSOC範囲でのハイレート充電にも対応し得る必要がある。上記のように、PHV用またはEV用の電池には、従来にない厳しい使用態様における耐久性の向上が求められている。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池(ここに開示されるいずれかの方法により製造されたリチウムイオン二次電池であり得る。)は、比較的ハイレート(典型的には2C以上、例えば4C程度)で、かつ広範囲(例えばSOC0%〜100%の範囲)での充放電サイクルに対しても、優れた耐久性を示すものであり得る。したがって、かかる特徴を活かして、プラグインハイブリッド自動車(PHV)または電気自動車(EV)の駆動電源として特に好適に利用され得る。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明において「部」および「%」は、特に断りがない限り質量基準である。
≪組成外LiOH量の定量≫
後述する各例において使用した正極活物質のサンプルにつき、以下の手順に従い、自動滴定装置(平沼産業株式会社製の型式「COM−1600」)を用いてLiOHの中和滴定を実施した。
(1)攪拌子を入れた200mLビーカーに、正極活物質サンプルS(g)(典型的には2.01g〜2.04g程度)を0.0001gの桁まで秤量する。
(2)上記ビーカーに容積が100mLとなるまでイオン交換水を加える。
(3)10%塩化バリウム溶液2mLをさらに加える。
(4)スターラーにより1分間程度攪拌する。
(5)自動滴定装置を用い、pH9近傍の変曲点を第一中和点として、塩酸溶液で中和滴定を行い、第一中和点までの塩酸滴定量D(L)を求める。
なお、使用した塩酸溶液の濃度は1モル/Lとした。
他の滴定条件は次のとおりとした。
滴定速度: 400μL/秒
最大滴下量: 50μL
最小滴下量: 2μL
滴下待ち時間: 1秒
安定待ち係数: 10mpH
安定待ち時間: 1秒
各例に係る正極活物質サンプルについて、上記で得られた中和滴定の結果から、上記計算式(1)を用いて、組成外LiOHの量を求めた。
≪組成外LiCO量の定量≫
後述する各例において使用した正極活物質について、燃焼‐赤外線吸収法に従い、炭素硫黄分析装置(LECO社製の型式「CS−600」)を用いて組成外LiCO量(%)を測定した。
測定条件は次のとおりとした。
キャリアガス: 酸素(>99.5%)
ルツボ: LECO社製セラミックルツボ
標準試料: 社団法人日本鉄鋼連盟 JSS 061−1(C:0.63%)
JSS 173−7(C:0.038%)
分析操作は次の手順で実施した。
(1)ルツボを精密天秤に載せてゼロ点設定をし、5秒間質量が変動しないことを確認する。
(2)試料0.2〜0.3gを0.1mgの桁まで秤量し、ルツボに入れる。
(3)助燃剤としてWおよびSnを添加し、LiCO量を測定する
≪組成外Li塩量≫
後述する各例において使用した正極活物質につき、上記で測定されたLiOH量とLiCO量との和を組成外Li塩量(%)として算出した。
≪比表面積の測定およびB値の算出≫
後述する各例において使用した正極活物質につき、窒素吸着法(BET法)に従って比表面積(m/g)を測定した。下記の各例に係る電池について次の計算式(2)に基づきB値を求めた。
B値(g/m)=M(g)/ACM(m) (2)
: 電池内の添加剤の総量(g)
CM: 電池内の正極活物質の総表面積(m
CM=電池内の正極活物質の総量(g)×比表面積(m/g)
≪リチウムイオン二次電池の構築≫
<例1>
組成外LiOH量0.049%、組成外LiCO量0.076%、組成外Li塩量0.125%、比表面積1.02m/gのLiNi1/3Co1/3Mn1/3粉末(正極活物質粉末S1)を用意した。この正極活物質粉末S1と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、これら材料の質量比率が93:4:3となり、かつNVが凡そ60%となるようにN−メチルピロリドン(NMP)で混練し、正極活物質層形成用のペースト状組成物(正極ペースト)を調製した。この正極ペーストを、厚み凡そ15μmの長尺状アルミニウム箔(正極集電体)の両面に、目付量(固形分換算の塗付量、すなわち正極活物質層の乾燥質量)が両面の合計で30mg/cmとなるように塗付し、80℃の熱風で約5分間乾燥させて正極活物質層を形成した。次いで、該正極活物質層の密度が2.55g/cmとなるようにプレスして、正極シートを作製した。
負極活物質としてのグラファイト(粉末)とスチレンブタジエンゴム(SBR)と、カルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これら材料の質量比が98:1:1であり、且つNVが45質量%となるようにイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用のペースト状組成物(負極ペースト)を調製した。この負極ペーストを、厚み凡そ10μmの長尺状銅箔(負極集電体)の両面に、目付量が両面の合計で17mg/cmとなるように塗付し、80℃の熱風で約5分間乾燥させて負極活物質層を形成した。次いで、該負極活物質層の密度が1.4g/cmとなるようにプレスして、負極シートを作製した。
露点−30℃の環境下において、上記で作製した正極シートと負極シートとを、2枚のセパレータ(ここでは多孔質ポリエチレンシート(PE)を用いた。)を介して重ね合わせて捲回し、電極体を作製した。この電極体を非水電解液とともに円筒型の電池ケースに収容した。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7の体積比で含む混合溶媒に、支持電解質としてのLiPFを凡そ1mol/Lの濃度で溶解し、さらにリチウムジフルオロリン酸(LiPO)を0.05mol/Lの濃度で溶解した溶液を使用した。該電解液の使用量(注液量)は、B値が0.31となるように調整した。このようにして、18650型(直径18mm、高さ65mm)のリチウムイオン二次電池を構築した。
<例2>
正極活物質粉末S1に代えて、S1と同程度の比表面積であって表1に示す組成外LiOH量、組成外LiCO量、組成外Li塩量を有し、正極活物質粉末S2を用意した。この正極活物質粉末S2を使用した他は例1と同様にして、本例に係るリチウムイオン二次電池を構築した。
<例3>
比表面積がS1と同程度であって表1に示す組成外LiOH量、組成外LiCO量、組成外Li塩量を有する正極活物質粉末S3を用意した。この正極活物質粉末S3を使用した他は例1と同様にして、本例に係るリチウムイオン二次電池を構築した。
<例4>
比表面積がS1と同程度であって表1に示す組成外LiOH量、組成外LiCO量、組成外Li塩量を有する正極活物質粉末S4を用意した。この正極活物質粉末S4を使用した他は例1と同様にして、本例に係るリチウムイオン二次電池を構築した。
<例5>
比表面積が1.96m/gであって表1に示す組成外LiOH量、組成外LiCO量、組成外Li塩量を有する正極活物質粉末S5を用意した。この正極活物質粉末S5を使用した他は例1と同様にして、本例に係るリチウムイオン二次電池を構築した。この電池のB値は0.16であった。
<例6>
比表面積がS1と同程度であって表1に示す組成外LiOH量、組成外LiCO量、組成外Li塩量を有する正極活物質粉末S6を用意した。この正極活物質粉末S6を使用した他は例1と同様にして、本例に係るリチウムイオン二次電池を構築した。
<例7>
比表面積がS1と同程度であって表1に示す組成外LiOH量、組成外LiCO量、組成外Li塩量を有する正極活物質粉末S7を用意した。この正極活物質粉末S7を使用した他は例1と同様にして、本例に係るリチウムイオン二次電池を構築した。
≪コンディショニング処理≫
例1〜7に係る各電池に対し、1/10C(1Cは、当該電池を1時間で満充放電可能な電流値)のレートで3時間の定電流(CC)充電を行った。次いで、1/3Cのレートで4.1Vまで充電する操作と、1/3Cのレートで3Vまで放電させる操作とを3回繰り返した。
≪サイクル特性評価≫
上記コンディショニング処理を施した電池に対し、60℃の温度下において、500サイクルの充放電サイクル試験を行った。1サイクルは、4Cのレートで両端子間の電圧が4.1Vとなるまで定電流(CC)で充電する(CC充電)操作と、4Cのレートで電圧が3.0VとなるまでCC放電させる操作とした。1サイクル目の放電容量(初期容量)に対する500サイクル目の放電容量の百分率を容量維持率として算出した。なお、当該充放電サイクルにおける電圧幅3.0V〜4.1Vは、SOC範囲では0%〜100%に相当する。得られた結果を、各例に係る電池の特徴と併せて表1および図4に示す。
Figure 2013131392
これらの図表に示されるように、LiOH量が0.032〜0.050%の範囲にある正極活物質粉末S1〜S5を用いて製造された例1〜5の電池によると、LiOH量が低い正極活物質粉末S6、S7を用いた例6、例7の電池に比べて、顕著な高い容量維持率向上効果が得られることが確認された。LiOH量が0.035〜0.044%の範囲にある正極活物質粉末S2〜S4を用いた例2〜4では、特に良好な結果が得られた。
なお、LiOH量が耐久性に及ぼす効果をより明らかにするために、例2で使用した正極活物質粉末S2を水洗して組成外LiOHを除去した。水洗後の正極活物質粉末の組成外Li塩量は、0.97%(そのほとんどはLiCOであり、LiOH量は概ね0%)であった。この正極活物質粉末を用いて例2と同様にリチウムイオン二次電池を作製し、上記と同様の評価試験を行ったところ、例2(水洗前)は89.9%であった容量維持率が、水洗後は81.1%にまで低下したことが認められた。この結果は、LiOHとLiCOとの合計量とは区別して、LiOH単独の量を管理することの意義を示すものである。
<例8>
本例では、非水電解液として、例1〜7に使用した電解液におけるLiPOの濃度を0.012mol/Lに変更した溶液を使用した。該電解液の使用量(注液量)は、B値が0.074となるように調整した。その他の点については例2と同様にして、本例に係るリチウムイオン二次電池を構築した。
<例9>
正極活物質粉末S3を用いた点を除いては例8と同様にして、本例に係るリチウムイオン二次電池を構築した。
<例10>
正極活物質粉末S7を用いた点を除いては例8と同様にして、本例に係るリチウムイオン二次電池を構築した。
<例11>
本例では、非水電解液として、例1〜7に使用した電解液からLiPOを省略した組成の溶液を使用した。その他の点については例2と同様にして、本例に係るリチウムイオン二次電池を構築した。
<例12>
正極活物質粉末S3を用いた点を除いては例11と同様にして、本例に係るリチウムイオン二次電池を構築した。
<例13>
正極活物質粉末S7を用いた点を除いては例11と同様にして、本例に係るリチウムイオン二次電池を構築した。
例8〜13に係る電池につき、上記と同様のコンディショニング処理を施した後、同様に充放電サイクル試験を行った。その結果を表2および表3に示す。
Figure 2013131392
Figure 2013131392
表2に示されるように、LiOH量が0.032〜0.050%の範囲にある正極活物質粉末を用いてなる例8、例9の電池は、LiOH量が低い正極活物質粉末を用いた例10の電池に比べて、明らかに高い容量維持率を示すことが確認された。また、表3に示されるように、LiOH量が0.032〜0.050%の範囲にある正極活物質粉末を用いてなる例11、例12の電池は、LiOH量が低い正極活物質粉末を用いた例13の電池に比べて、明らかに高い容量維持率を示すことが確認された。
例1〜7に係る電池の容量維持率を組成外Li塩量(LiOH量+LiCO量)に対してプロットしたグラフを図5に示す。また、例8〜10に係る電池についての同様のグラフを図6に、例11〜13に係る電池についての同様のグラフを図7に示す。これらのグラフに示されるように、組成外Li塩量が0.120%以上である正極活物質粉末を用いることにより、組成外Li塩量が0.120%に満たない正極活物質粉末を用いる場合に比べて、より高い容量維持率が実現された。
なお、B値が0.10〜1.00g/mの範囲にある例1〜7の電池に比べて、B値が0.10g/mに満たない例8〜10の電池の容量維持率は、全般的な傾向として低めであった。また、LiPOを含む電解液を用いた例1〜10の電池に比べて、LiPOを含まない電解液を用いた例11〜13の電池の容量維持率は、全般的な傾向として低めであった。これらの結果は、LiOH量(より好ましくは、LiOH量およびLi塩量)と添加剤(ここではLiPO)との相乗効果により、ハイレート充放電に対してより優れた耐久性を示すリチウムイオン二次電池が実現されることを示すものである。
≪反応抵抗の測定≫
正極活物質粉末の組成外Li塩量について、さらに以下の検討を行った。
すなわち、組成外Li塩量が0.221%である正極活物質粉末S8を用いた他は例1と同様にして、例14に係るリチウムイオン二次電池を構築した。例2〜4および例14に係る電池に上記のコンディショニング処理を施した後、SOC30%に調整した。これらの電池を温度25℃の環境下にて20Cの放電レートで放電させた。放電開始から10秒後の電圧降下から当該温度における反応抵抗値(IV抵抗値)(mΩ)を求めた。得られた結果を表4に示す。
Figure 2013131392
表4に示されるように、組成外Li塩量が0.210%を超える正極活物質粉末S8を用いた例14の電池は、例2〜4の電池と同等以上の容量維持率を示すものの、反応抵抗値は明らかに上昇した。この結果は、容量維持率(充放電サイクルに対する耐久性)に加えて反応抵抗値を重視する場合には、組成外Li塩量を0.210%以下とすることが望ましいことを示している。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 車両
20 捲回電極体
30 正極シート
32 正極集電体
34 正極活物質層
38 正極端子
40 負極シート
42 負極集電体
44 負極活物質層
48 負極端子
50 セパレータ
90 非水電解液
100 リチウムイオン二次電池

Claims (6)

  1. 正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、非水電解液と、を備えたリチウムイオン二次電池を製造する方法であって、
    前記正極を作製する工程と、
    該正極と前記負極と前記非水電解液とを用いてリチウムイオン二次電池を構築する工程と、を包含し、
    前記正極を作製する工程は:
    前記正極活物質として、組成外にLiOHを0.032質量%以上0.050質量%以下の割合で含むリチウム遷移金属酸化物を用意すること;および、
    前記正極活物質を用いて正極ペーストを調製すること;
    を包含する、リチウムイオン二次電池製造方法。
  2. 前記リチウム遷移金属酸化物は、組成外にLiOHおよびLiCOを合計で0.120質量%以上0.210質量%以下の割合で含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記正極活物質が、Ni,Co,およびMnを含む組成を有するリチウム遷移金属酸化物である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記リチウムイオン二次電池を構築する工程では、ジフルオロリン酸塩およびモノフルオロリン酸塩の少なくともいずれかを添加剤として含む非水電解液を使用する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記リチウムイオン二次電池を構築する工程では、ジフルオロリン酸塩およびモノフルオロリン酸塩の少なくともいずれかを添加剤として含む非水電解液を、前記正極活物質の総表面積(m)当たりの前記添加剤量が0.10g〜1.00gとなるように使用する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の方法によって製造された、リチウムイオン二次電池。
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