JP2013129628A - 1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法 - Google Patents

1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 n−ブテンとiso−ブテンを含むC4炭化水素を原料に、1,3−ブタジエン及びメタクロレインを製造する際に、特定の工程を経ることにより、実質的に且つ効率的に1,3−ブタジエン及びメタクロレインを製造する方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも、工程(A):酸化反応触媒の存在下、少なくともn−ブテン及びiso−ブテンと分子状酸素とを300〜500℃で反応し、1,3−ブタジエン及びメタクロレインを反応生成ガスとして製造する工程、工程(B):得られた反応生成ガスと水性媒体とを直接接触し、メタクロレイン水溶液と1,3−ブタジエンを含むガス分とに分離する工程、工程(C):工程(B)で得られたメタクロレイン水溶液からメタクロレインを分離・回収する工程、工程(D):工程(B)で得られたガス分から1,3−ブタジエンを分離・回収する工程、を経てなる1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法に関するものであり、さらに詳細には、n−ブテン及びiso−ブテン、さらにそれらを含むC4炭化水素を原料とし、合成ゴムの原料として工業的に有用な1,3−ブタジエンとメタクリル酸、メタクリル酸メチル(MMA)及びMMA樹脂の原料として工業的に有用なメタクロレインとを、実質的に効率良く製造することが可能となる1,3−ブタジエンとメタクロレインの製造方法に関するものである。
1,3−ブタジエンの製造法は、工業的にはナフサ分解からのn−ブテン、iso−ブテン及び1,3−ブタジエンを含むC4留分からジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等の抽出溶剤を用いた抽出蒸留プロセスによる製造方法が一般的に知られている。
また、酸化反応触媒の存在下、n−ブテンと分子状酸素を原料とし酸化脱水素反応を行い、得られた1,3−ブタジエンを含む反応生成ガスから、副生成物及び窒素、分子状酸素及び炭酸ガスを除去した後、上記の抽出分離プロセスにより1,3−ブタジエンを製造する方法も知られている。
一方、メタクロレインは、iso−ブテンまたはtert−ブチルアルコールと分子状酸素を原料とし、酸化反応触媒の存在下で、部分酸化によるメタクロレインの製造方法が知られている。
しかし、何れの方法も、1,3−ブタジエンまたはメタクロレインをそれぞれ単独で製造する方法であり、1,3−ブタジエン及びメタクロレインを同時に製造する方法ではない。
そして、1,3−ブタジエン及びメタクロレインを同時に製造する方法としては、いくつかの方法が提案されており、例えばn−ブテン及びiso−ブテンを含むC4炭化水素と分子状酸素を、特定の酸化反応触媒と接触させ、1,3−ブタジエンとメタクロレインを製造する方法(例えば特許文献1〜4参照。)、また、n−ブテン、iso−ブテン及びn−ブタン、iso−ブタンを含むC4炭化水素から、n−ブタン及びiso−ブタンを除去したn−ブテン及びiso−ブテンの混合ガスと分子状酸素を酸化反応触媒に接触させ、1,3−ブタジエンとメタクロレインを生成し、メタクロレインを回収した後、1,3−ブタジエンを含むガスを溶媒抽出により、1,3−ブタジエンを回収する1,3−ブタジエンとメタクロレインを製造する方法(例えば特許文献5参照。)、等が提案されている。
特公昭49−004441号公報(例えば第1頁参照。) 特開昭52−111506号公報(例えば第1頁参照。) 特開昭50−130709号公報(例えば第1頁参照。) 特開昭58−074622号公報(例えば第1頁参照。) 特開昭49−026206号公報(例えば第1頁参照。)
しかしながら、特許文献1〜4に提案された方法は、1,3−ブタジエン及びメタクロレインを製造する触媒組成を提案するものであり、分離、回収を含めた1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法については提案されていない。
また、特許文献5に提案された方法においては、メタクロレインはメタクロレイン分離工程で分離する、とのみ記載されているにとどまり、具体的記載はなく、不純物の除去方法も記載されておらず、1,3−ブタジエン及びメタクロレインの具体的な製造方法とは言い難いものである。
このように、何れの提案も工業的な製造方法としては満足できるものではないことが現状であり、n−ブテンとiso−ブテン、それらを含むC4炭化水素と分子状酸素を酸化反応触媒の存在下で接触し、1,3−ブタジエンとメタクロレインを生成し、実質的に且つ効率良く1,3−ブタジエン及びメタクロレインを製造する方法が望まれていた。
そこで、本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、n−ブテンとiso−ブテン及び分子状酸素を原料とし、特定の工程、特に1,3−ブタジエン及びメタクロレインを含む反応生成ガスと水性媒体とを接触し、メタクロレイン水溶液と1,3−ブタジエンを含むガス分とに分離する工程を経てなることにより、実質的に且つ効率良く1,3−ブタジエン及びメタクロレインを製造する方法となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、少なくとも下記の工程(A)〜(D)を経ることを特徴とする1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法に関するものである。
工程(A):酸化反応触媒の存在下、少なくともn−ブテン及びiso−ブテンと分子状酸素とを300〜500℃で反応し、1,3−ブタジエン及びメタクロレインを反応生成ガスとして製造する工程。
工程(B):工程(A)で得られた反応生成ガスと水性媒体とを直接接触し、メタクロレイン水溶液と1,3−ブタジエンを含むガス分とに分離する工程。
工程(C):工程(B)で得られたメタクロレイン水溶液からメタクロレインを分離・回収する工程。
工程(D):工程(B)で得られたガス分から1,3−ブタジエンを分離・回収する工程。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法は、少なくとも上記の工程(A)〜(D)、特に1,3−ブタジエン及びメタクロレインを含む反応生成ガスと水性媒体とを直接接触し、メタクロレイン水溶液と1,3−ブタジエンを含むガス分とに分離する工程、を経てなることにより、実質的に且つ効率良く1,3−ブタジエン及びメタクロレインを製造する方法となるものである。
本発明の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法における工程(A)は、酸化反応触媒の存在下、少なくともn−ブテン及びiso−ブテンと分子状酸素とを300〜500℃で反応し、1,3−ブタジエン及びメタクロレインを生成し、該1,3−ブタジエン及び該メタクロレインを含む反応生成ガスとして製造する工程である。
該工程(A)における酸化反応触媒としては、n−ブテン、iso−ブテン及び分子状酸素から1,3−ブタジエン及びメタクロレインを生成することが可能な酸化反応触媒であれば如何なる触媒をも用いることは可能であり、例えば特公昭49−004441号公報、特開昭52−111506号公報、特開昭50−130709号公報、特開昭58−074622号公報、等に提案の酸化反応触媒、一般式Mo12CoFeBiCeeTlSb(ここで、b〜gはそれぞれ、b=3〜15、c=0.4〜6、d=0.01〜3、e=0.01〜2、f=0.01〜2、g=0.01〜3、j=40〜79である。)で示される多元素系複合酸化物からなる酸化反応触媒、等を挙げることができ、その中でも特に1,3−ブタジエン及びメタクロレインの生産性に優れることから、一般式Mo12CoFeBiCeeTlSb(ここで、b〜gはそれぞれ、b=3〜15、c=0.4〜6、d=0.01〜3、e=0.01〜2、f=0.01〜2、g=0.01〜3、j=40〜79である。)で示される多元素系複合酸化物からなる酸化反応触媒であることが好ましい。
ここで、一般式Mo12CoFeBiCeeTlSbで示される多元素系複合酸化物からなる酸化反応触媒は、多元素系複合酸化物としてCe及びTlを含むことから、特に1,3−ブタジエン及びメタクロレインを高活性、高選択性で製造することが可能となるものである。そして、b〜gは、多元素系複合酸化物を構成する金属元素(Mo、Co、Fe、Bi、Ce、Tl、Sb)のMoに対する構成比(Mo基準;12)であり、jは、多元素系複合酸化物を構成する酸素の構成比(Mo基準;12)であり、b〜gはそれぞれ、b=3〜15、c=0.4〜6、d=0.01〜3、e=0.01〜2、f=0.01〜2、g=0.01〜3、j=40〜79となることにより、高活性、高選択性、高生産性、長寿命を有する触媒となるものであり、特に、高活性、高選択性を示す触媒となることから、b=4〜10、c=1〜5、d=0.1〜2、e=0.05〜1、f=0.05〜1、g=0.01〜2、j=40〜79であることが好ましい。また、該多元素系複合酸化物におけるFeとCoの構成比がc/b=0.3〜1.2であることにより、高活性、高選択性、高生産性、長寿命を有する触媒となるものであり、特に、高活性、高選択性を示す触媒となることから、c/b=0.4〜1.1にあるものが特に好ましい。
該多元素系複合酸化物におけるCo、Fe、Biの構成比に制限はなく、その中でも、特に高活性、高選択性、高生産性に優れる触媒となることから、Co、Fe、Biの構成比が、d/(b+c×1.5)=0.01〜1の関係にある多元素系複合酸化物からなることが好ましく、さらに0.02〜0.5の関係にある多元素系複合酸化物からなることが好ましい。
さらに、該多元素系複合酸化物においては、より高活性、高選択性を示す酸化反応触媒となることから、さらにバナジウム、ニオブ、ランタン、サマリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選択される1種以上の元素の酸化物を含む多元素系複合酸化物であることが好ましく、その際の構成比は(Mo基準:12)0.01〜2であることが好ましい。
また、該多元素系複合酸化物からなる酸化反応触媒は、上記一般式で示される多元素系複合酸化物からなる物であれば、そのままでも触媒とすることが可能であり、その中でも、特に触媒として取り扱い性、活性、持続性に優れたものとなることから、不活性担体に担持したもの、または不活性担体で希釈したものとすることが好ましく、該不活性担体として、例えばシリカ、アルミナ、シリカアルミナ、シリコンカーバイド等を挙げることができ、その中でも、特に触媒とする際の成型性に優れることからシリカが好ましい。また、不活性担体を用いる際の添加量は、特に制限はなく、その中でも多元素系複合酸化物に対し1〜50wt.%であることが好ましく、特に5〜30wt.%であることが好ましい。
該多元素系複合酸化物からなる酸化反応触媒の調製方法としては、該一般式で示されるモリブデン、コバルト、鉄、ビスマス、セリウム、タリウム及びアンチモンを金属元素として含む多元素系複合酸化物を製造することが可能であれば如何なる方法をも用いることが可能であり、例えば各金属元素の硝酸塩、アンモニウム塩、有機酸塩、ハロゲン化物、水酸化物等の塩類、酸化物、または、その塩類を組み合わせて使用することが可能であり、それぞれを組み合わせて用い、蒸発乾固法により調製することも可能である。
そして、より詳細な調製方法としては、例えば、加熱した蒸留水に七モリブデン酸六アンモニウム四水和物を溶解した後に、純水に硝酸タリウム、硝酸コバルト六水和物、硝酸鉄(III)九水和物を溶解させた水溶液、硝酸ビスマス六水和物を溶解させた硝酸水溶液、硝酸セリウム六水和物を溶解させた水溶液、及び、酸化アンチモンを順次撹拌しながら添加し、最後にシリカの一種であるハイフロスーパーセルを加え、撹拌しながら加熱濃縮し、スラリーとし、該スラリーを乾燥、熱処理、焼成を行う方法を挙げることができる。加熱濃縮を行う際の濃縮時間は任意であり、その中でも、特に高活性の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造触媒が得られることから、1〜24時間であることが好ましく、さらに2〜12時間であることが好ましい。また、乾燥を行う際の乾燥方法としては、例えば、噴霧乾燥、恒温槽、環状炉、マッフル炉等による乾燥等があげられ、乾燥温度としては、90〜150℃が好ましく、特に100〜120℃であることが好ましい。そして、乾燥後の固体の熱処理は、塩等を分解するものであり、その際には、空気気流中で熱処理を行うことも可能であり、該熱処理方法は、例えばマッフル炉、環状炉、ロータリーキルン等を用いて行うことが可能であり、その際の熱処理温度としては、特に制限はなく、その中でも高活性、高選択性を有する触媒が得られることから、200〜400℃であることが好ましく、特に250〜350℃であることが好ましい。また、熱処理時間にも特に制限はなく、高活性、高選択性を有する触媒が得られることから、0.5〜12時間が好ましく、特に1〜6時間が好ましい。さらに、熱処理後の焼成については、空気気流中で行うことも可能であり、例えばマッフル炉、環状炉、ロータリーキルン等を使用し焼成することができる。その際の焼成温度としては、高活性、高選択性を有する触媒が得られることから、400〜600℃が好ましく、特に450〜550℃であることが好ましい。
該工程(A)における酸化反応触媒の形状に限定はなく如何なる形状を有するものであっても良く、例えば球状、楕円状、円柱状、筒状、ハニカム状、粉体、顆粒状等の形状を挙げることができ、その中でも、特に効率的に1,3−ブタジエン及びメタクロレインを製造する触媒となることから、球状、円柱状、筒状、ハニカム状、顆粒状の形状を有するものであることが好ましい。また、その際の成型方法は、例えば打錠成型、押出成型、スラリーを乾燥後熱処理し、粉砕してふるい分けする方法が挙げられる。そして、成型の際には、必要に応じシリカ、シリカゾル、アルミナ、アルミナゾル、グラファイト、セルロース等の成型助剤を混在させても良い。
該工程(A)は、少なくともn−ブテン及びiso−ブテンと分子状酸素とを反応することにより1,3−ブタンジエン及びメタクロレインを反応生成ガスとして製造する工程であり、その際のn−ブテンとしては、1−ブテン、2−ブテン及び1−ブテンと2―ブテンの混合物を挙げることができる。尚、1,3−ブタジエンはn−ブテンを原料として生成するものであり、メタクロレインはiso−ブテンを原料として生成するものである。そして、n−ブテンとiso−ブテンとしては、n−ブテンとiso−ブテンの混合物でも、n−ブテンとiso−ブテンを含むC4炭化水素であっても良く、該C4炭化水素として、例えばナフサのクラッキングより生成したC4留分から、1,3−ブタジエンを抜いたS−C4留分、更に、S−C4留分からiso−ブテンの一部を抜いたSS−C4留分等が挙げられる。また、n−ブテンとiso−ブテンの比率は、1,3−ブタジエンが効率良く得られる製造方法になることから、特にiso−ブテン/n−ブテン比(容量比)が0.1〜1.5であることが好ましく、C4炭化水素である場合、その組成比は、n−ブテンが50〜93容量%、iso−ブテンが7〜50容量%、n−ブタンとiso−ブタンの和が0〜30容量%の範囲であり、iso−ブテン/n−ブテン比(容量比)が0.1〜1.5であるC4炭化水素であることが好ましい。
該工程(A)は、効率的に1,3−ブタジエン及びメタクロレインを製造することが可能となり、1,3−ブタジエン及びメタクロレインを反応生成ガスとすることが可能となることから反応温度300〜500℃で反応を行うものであり、特に酸化反応触媒の寿命が長くなる製造方法となることから300〜450℃であることが好ましい。
工程(A)の実施に際し、その際の反応形式としては、例えば固定床流通式、流動床等が挙げられる。また、気相法で実施する際の反応場におけるn−ブテンとiso−ブテンを含む混合ガス濃度(C4炭化水素のガス濃度)は、爆発範囲外であれば良く、その中でも効率的な1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造が可能になることから、1〜20容量%が好ましく、特に3〜15容量%が好ましい。そして、該原料ガス中の分子状酸素の濃度についても、爆発範囲外であれば良く、その中でも効率的な1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法となるから、1〜30容量%であることが好ましく、特に3〜20容量%であることが好ましい。さらに、該原料ガスには、必要で有れば、窒素、水蒸気、炭酸ガス等の不活性ガスを加えて希釈してもよい。
また、工程(A)を実施する際の原料ガスの気体時空間速度(GHSV)は、制限はなく、その中でも特に効率的に1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造が可能となることから、気体時空間速度100〜10000h−1が好ましく、特に200〜5000h−1であることが好ましい。その際の反応圧力も制限がなく、その中でも効率的に1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造が可能となることから、0.05〜1.0MPaが好ましく、特には0.1〜0.5MPaであることが好ましい。
本発明の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法における工程(B)は、工程(A)で得られた反応生成ガスと水性媒体とを直接接触し、メタクロレイン水溶液と1,3−ブタジエンを含むガス分とに分離する工程であり、本発明の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法は、該工程(B)を経てなることにより、実質的に且つ効率良く1,3−ブタジエン及びメタクロレインを製造する方法となるものである。
ここで、反応生成ガスは工程(A)による生成ガスであり、反応生成物である1,3−ブタジエン及びメタクロレインを含むガスであり、さらに未反応原料であるn−ブテン、iso−ブテンを含むものであってもよく、さらに反応原料に含まれる場合もあるn−ブタン、iso−ブタンはもとより、反応副生成物を含むものであってもよい。
また、水性媒体としては、例えば蒸留水、イオン交換水、上水、飲料水、工業用水等を挙げることができる。
そして、該工程(B)は、工程(A)で得られた1,3−ブタジエン及びメタクロレインを含む反応生成ガスと水性媒体とを直接接触することにより、メタクロレイン水溶液と1,3−ブタジエンを含むガス分とに分離する工程であり、その際の反応生成ガスと水性媒体との直接接触法に制限はなく、その中でもメタクロレインの水性媒体への溶解性が優れることから、例えば充填塔、棚段塔、スプレー塔、ぬれ壁塔、気泡塔等の吸収塔による直接接触が好ましく、特に充填塔、棚段塔、スプレー塔が好ましく、さらに充填塔が好ましい。
充填塔を用いる場合、充填塔の充填物には限定はなく、単位容量当たりの比表面積が大きく、空隙率が大きくガスの流れに対する抵抗が小さく、耐食性、耐熱性、機械的強度の高い物が好ましいことから、その中でも磁製、金属製またはプラスチック製のラシヒリング、レッシングリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ポールリング等が挙げられ、耐食性、耐熱性から、特に磁製のラシヒリング、レッシングリング、ベルルサドル、インタロックスサドルが好ましい。
反応生成ガスと水性媒体との接触方法は、直接接触が可能であれば如何なる制限はなく、例えば並流接触、向流接触等が挙げられ、特にメタクロレインの水性媒体への吸収効率が優れることから特に向流接触が好ましい。また、直接接触を行う際の水性媒体の温度には制限はなく、その中でもメタクロレインの吸収効率がよいことから、−5〜50℃が好ましく、特に0〜20℃が好ましい。
1,3−ブタジエンとメタクロレインを含む反応生成ガスと直接接触を行う際の単位時間の水性媒体の量には特に制限はなく、その中でもメタクロレインの吸収効率がよいことから、メタクロレインの単位時間の生成重量に対し、20〜500倍が好ましく、特に30〜300倍が好ましい。
1,3−ブタジエンとメタクロレインを含む反応生成ガスと水性媒体との接触時間に制限はなく、その中でもメタクロレインの吸収効率がよいことから、充填塔の充填容量に対し気体時空間速度(GHSV)で0.1〜1000h−1が好ましく、特に1〜500h−1が好ましい。また、圧力にも制限はなく、その中でも常圧〜0.2MPaであることが好ましい。
工程(B)の一例としては、充填塔の塔下部より1,3−ブタジエン及びメタクロレインを含む反応生成ガスを供給し、塔頂部より水性媒体を供給し、向流直接接触で吸収剤である水性媒体と接触しメタクロレインを吸収し、塔底部よりメタクロレイン水溶液に、塔頂部からは1,3−ブタジエンを含むガス分に分離する方法等が挙げられる。その際の1,3−ブタジエンを含むガス分中のメタクロレイン濃度には、制限はなく、1,3−ブタジエンの回収率が良くなることから、1モル%以下が好ましく、特に0.5モル%以下、さらには0.3モル%以下が好ましい。
また、工程(A)から工程(B)の間、必要で有れば、得られた1,3−ブタジエンとメタクロレインを含む反応生成ガスを除熱しても良い。ここで反応生成ガスの除熱温度に制限はなく、その中でも反応生成ガス中の生成物及び副生成物が凝集されないことから、150〜250℃が好ましく、特に170〜200℃が好ましい。
本発明の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法における工程(C)は、工程(B)で得られたメタクロレイン水溶液からメタクロレインを分離・回収する工程である。
その際に、メタクロレイン水溶液からメタクロレインを分離・回収する方法としては、メタクロレインの分離・回収が可能であれば如何なる方法を用いることも可能であり、その中でも、メタクロレイン水溶液からメタクロレインを容易に分離・回収することが可能となることから、蒸留塔による蒸留操作によりメタクロレインを分離・回収することが好ましい。その際の蒸留塔の種類には限定はなく、例えば充填式、棚段式等が挙げられる。また、蒸留操作の方法としては、例えば、メタクロレインと水性媒体の共沸混合物を塔頂から留出液として留出させ、塔底部から得られる缶出液は、前記のメタクロレインの吸収液として再循環させる方法を挙げることができる。蒸留操作の圧力は、減圧、常圧の何れでもかまわず、その際の温度にも制限はなく、その中でもメタクロレインを効率的に得ることができることから、110℃以下が好ましく、特に80℃以下が好ましい。蒸留塔の段数にも制限はなく、その中でも効率的にメタクロレインと水性媒体の共沸混合物を得ることが可能であることから、20〜50段が好ましく、特に、25〜40段が好ましい。
蒸留によって得られたメタクロレインと水性媒体の共沸混合物を分離する方法としては、メタクロレイン相と水性媒体相の二相分離が好ましい。二相分離の方法には限定が無く、例えば、デカンター、分液ロート、遠心分離等が挙げられ、効率的なメタクロレイン相と水性媒体相との分離が可能となることから、デカンターが好ましく用いられる。メタクロレイン相と水性媒体相の二相分離の際の液温には特に制限はなく、その中でも液温が低いほどメタクロレイン相への水性媒体の溶解性が劣り、効率的な分離・回収が可能となることから、−5〜45℃が好ましく、特に−5〜15℃が好ましい。
本発明の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法における工程(D)は、工程(B)で得られたガス分から1,3−ブタジエンを分離・回収する工程である。その際のガス分としては、生成物である1,3−ブタジエン、未反応のC4炭化水素の他にオフガスとして分子状酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素等を含むものである。
その際に、該ガス分から1,3−ブタジエンを分離・回収する方法としては、1,3−ブタジエンの分離・回収が可能であれば如何なる方法を用いることも可能であり、その中でも、該ガス分から1,3−ブタジエンを容易に分離・回収することが可能となることから、該ガス分を圧縮機に移送し、0.5MPa以上に圧縮した後に、直冷式または間冷式の熱交換器等で冷却した後、1,3−ブタジエン及び未反応のC4炭化水素を回収するための吸収塔に移送し、更に1,3−ブタジエン及びC4炭化水素を吸収溶剤と接触させ、塔底部から1,3−ブタジエンを含む吸収液を回収し、更に、1,3−ブタジエンを含む吸収液を放散塔に移送し、塔頂部から1,3−ブタジエンを主成分とするガス分を回収する方法が好ましい。その際の吸収塔での吸収溶剤としては、C5〜C20の飽和炭化水素類であるペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等やC6〜C9の芳香族炭化水素類であるベンゼン、トルエン、キシレン、キュメン等を挙げることができる。また、吸収塔の塔頂部から分子状酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素等のオフガスが回収される。
そして、必要であれば、1,3−ブタジエンを主成分とするガスを精製しても良い。1,3−ブタジエンの精製方法に限定はなく、公知の方法で行うことができる。例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等の抽出溶剤を用い抽出蒸留により1,3−ブタジエンを精製する方法が挙げられる。
本発明の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法を実施する際のフローの具体的一例示を図1に示す。
ここで、1は酸化反応器、2はメタクロレイン吸収塔、3はメタクロレイン蒸留塔、4はデカンター、5は圧縮機、6は1,3−ブタジエン吸収塔、7は放散塔、8〜11は熱交換器又は凝集器、12〜25は配管を示す。
配管12より、n−ブテン及びiso−ブテン、それらを含むC4炭化水素、分子状酸素、窒素、スチームを含む原料ガスを酸化反応器1に供給し、酸化反応触媒と接触させることにより、1,3−ブタジエン及びメタクロレインを生成し、これらを含む反応生成ガスを製造する。
得られた1,3−ブタジエンとメタクロレインを含む反応生成ガスは、配管13からメタクロレイン吸収塔2に移送される。この際、反応生成ガスは、熱交換機8により除熱される。そして、メタクロレイン吸収塔2においては、配管16より水性媒体を供給し、配管18からは後述のメタクロレイン蒸留塔3の塔底部からの管出液を供給することにより、メタクロレインを水性媒体に吸収する。メタクロレイン吸収塔2の塔底部からはメタクロレイン水溶液、塔頂部からは1,3−ブタジエン及び未反応のC4炭化水素を含むガス分が得られる。
得られたメタクロレイン水溶液は、配管15を経てメタクロレイン蒸留塔3に移送され、蒸留を行う。該メタクロレイン蒸留塔3の塔底部の缶出液は、配管18を経てメタクロレイン吸収塔2に再循環される。また、塔頂部からはメタクロレインと水性媒体との共沸混合物の留出液が得られ、配管17を経て、デカンター4に移送され、デカンテーションを行い、配管19からメタクロレインが得られる。配管20の液は、メタクロレイン蒸留塔3に再循環される。
1,3−ブタジエンを含むガス分は、メタクロレイン吸収塔2の塔頂部から、配管14を経て圧縮機5に送られ、配管21を経て1,3−ブタジエン吸収塔6に送られ、塔底部から1,3−ブタジエンを含む吸収液が、塔頂部からは分子状酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素等のオフガスが得られる。オフガスは、配管22をへてオフガスの処理工程(図1には未記載。)に移送してもよいし、また、必要で有れば、オフガスの一部を酸化反応器1の前に再循環しても良い。
そして、1,3−ブタジエン吸収塔6の塔底部からの1,3−ブタジエンを含む吸収液は、配管23を経て放散塔7に送られ、塔頂部の配管24からは1,3−ブタジエンを主成分とするガス分が得られる。必要であれば、配管24を経て1,3−ブタジエン精製工程(図1には未記載。)に移送し、さらに精製しても良い。放散塔7の塔底部から得られる吸収液は1,3−ブタジエン吸収塔6の塔上部に再循環される。
本発明によれば、n−ブテン及びiso−ブテン、さらにそれらを含むC4炭化水素を原料とし、合成ゴムの原料として工業的に有用な1,3−ブタジエンとメタクリル酸、メタクリル酸メチル(MMA)及びMMA樹脂の原料として工業的に有用なメタクロレインとを、実質的に効率良く製造することが可能となる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(反応評価)
ガスクロマトグラフ(島津製作所製、(商品名)GC−14A)で行い、キャピラリーカラム(GLサイエンス社製、(商品名)TC−FFAP)、キャピラリーカラム(GLサイエンス社製、(商品名)Al/KCl)を使用し、水素炎イオン化検出器(FID)、及び、パックドカラム(GLサイエンス社製、(商品名)MS−5A)、パックドカラム(GLサイエンス社製、(商品名)Porapak Q)を使用し、熱伝導度型検出器(TCD)を用い、各工程の生成物(1,3−ブタジエン、メタクロレイン、副生物)を定量した。
(n−ブテン転化率)
1,3−ブタジエン生成量、n−ブテン由来副生成物量、未反応n−ブテンから下記式(1)より算出した。
Figure 2013129628
(1,3−ブタジエン収率)
1,3−ブタジエン生成量、n−ブテン由来副生成物量、未反応n−ブテンから下記式(2)より算出した。
Figure 2013129628
(iso−ブテン転化率)
メタクロレイン生成量、iso−ブテン由来副生成物量、未反応iso−ブテンから下記式(3)より算出した。
Figure 2013129628
(メタクロレイン収率)
メタクロレイン生成量、iso−ブテン由来副生成物量、未反応iso−ブテンから下記式(4)より算出した。
Figure 2013129628
調製例1(酸化反応触媒の調製)
蒸留水48mlに七モリブデン酸六アンモニウム四水和物(和光純薬製)33.9gを加え、85℃に加熱し撹拌、溶解した。次に48mlの蒸留水に硝酸タリウム(和光純薬製)1.3g、硝酸コバルト六水和物(和光純薬製)26.7g、硝酸鉄九水和物(和光純薬製)24.5gを加え、85℃に加熱して溶解した後、七モリブデン酸六アンモニウム水溶液に添加した。次に、蒸留水8mlに比重1.38の硝酸1ml(和光純薬製)を加え、硝酸ビスマス六水和物(和光純薬製)4.1gを添加し溶解した溶液を準備しておき添加した。更に、蒸留水8mlに硝酸セリウム六水和物(和光純薬製)0.4gを添加し溶解した溶液を準備し、添加した。
そして、三酸化アンチモン(東京化成製)1.1g、シリカの一種であるハイフロスーパーセル(和光純薬製)4.3gを添加し、85℃で5時間加熱撹拌し、スラリーを得た。
得られたスラリーを、110℃で18時間乾燥した後、粉砕し、グラファイト(和光純薬製)0.6gを添加し、直径3mm×長さ3mmの円柱状に成型した。
得られた成型物を、空気200ml/minで通気しながら、300℃で2時間、500℃で5時間焼成を行い、酸化反応触媒を得た。
得られた酸化反応触媒の組成は、Mo12Co5.7Fe3.8Bi0.5Ce0.1Tl0.3Sb0.549.1(c/b=0.67、d/(b+c×1.5)=0.04)である多元素系複合酸化物からなり、SiOを10wt.%含むものであった。
調製例2(酸化反応触媒の調製)
蒸留水48mlに七モリブデン酸六アンモニウム四水和物(和光純薬製)33.9gを加え、85℃に加熱し撹拌、溶解した。次に48mlの蒸留水に硝酸タリウム(和光純薬製)2.5g、硝酸コバルト六水和物(和光純薬製)25.4g、硝酸鉄九水和物(和光純薬製)23.3gを加え、85℃に加熱して溶解した後、七モリブデン酸六アンモニウム水溶液に添加した。次に、蒸留水8mlに比重1.38の硝酸(和光純薬製)1mlを加え、硝酸ビスマス六水和物(和光純薬製)7.7gを添加し溶解した溶液を準備しておき添加した。更に、蒸留水8mlに硝酸セリウム六水和物(和光純薬製)0.7gを添加し溶解させた溶液も準備し、添加した。
そして、三酸化アンチモン(東京化成製)2.1g、シリカの一種であるハイフロスーパーセル(和光純薬製)4.6gを添加し、85℃で5時間加熱撹拌し、スラリーを得た。
得られたスラリーを、110℃で18時間乾燥した後、粉砕し、グラファイト(和光純薬製)0.6gを添加し、直径3mm×長さ3mmの円柱状に成型した。
得られた成型物を、空気200ml/minで通気しながら、300℃で2時間、500℃で5時間焼成を行い、酸化反応触媒を得た。
得られた酸化反応触媒は、Mo12Co5.4Fe3.6Bi1.0Ce0.1Tl0.6Sb0.950.1(c/b=0.67、d/(b+c×1.5)=0.09)である多元素系複合酸化物からなり、SiOを10wt.%含むものであった。
実施例1
(工程(A))
調製例1により得られた酸化反応触媒10mlに、直径3mm×長さ3mmの筒状のラシヒリング10mlを加え、ステンレス製の酸化反応器に充填した。
そして、n−ブテンとして1−ブテンを使用し、1−ブテン31.2ml/min、iso−ブテン5.3ml/min(iso−ブテン/n−ブテン=0.17)、分子状酸素46ml/min、窒素253ml/min、水蒸気144ml/minを酸化反応器に通気させ、反応温度380℃で反応を行い、1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造を行った。
反応開始5時間目で、n−ブテン転化率95%、iso−ブテン転化率97%、1,3−ブタジエン収率91%、メタクロレイン収率64%、反応開始1000時間目でn−ブテン転化率93%、iso−ブテン転化率96%、1,3−ブタジエン収率89%、メタクロレイン収率65%で反応が進行した。
(工程(B))
工程(A)で得られた1,3−ブタジエンとメタクロレインを含む反応生成ガスを200℃とし、該反応生成ガスを内径23mm、長さ1mのステンレスパイプに直径3mm×長さ3mmの筒状のラシヒリングを充填したメタクロレイン吸収塔に供給した。このときメタクロレインの生成量は0.5g/hであり、10℃の蒸留水を120ml/hでメタクロレイン吸収塔の塔頂部から供給した。メタクロレインの単位時間の生成重量に対し蒸留水の供給量は、240倍であり、生成ガスの供給は、充填剤に対し気体時空間速度(GHSV)は43h−1であった。また、このときの全蒸留水の量は1リットルであり、この蒸留水を循環供給した。65時間後、1リットルの蒸留水は3.3wt.%メタクロレインを含む水溶液となった。メタクロレイン吸収塔の塔頂部からは、1,3−ブタジエン濃度が10.6容量%と1,3−ブタジエンが主生成物であるガスを296ml/minで得、メタクロレイン濃度は0.1%であった。
(工程(C))
工程(B)で得られた3.3wt.%のメタクロレイン水溶液1リットルを充填式の蒸留塔(柴田科学社製、(製品名)HP−1000、理論段数35段)に供給し、釜温度102℃、塔頂温度62℃、常圧で蒸留した。メタクロレインと水の共沸液40gを得、その共沸液を10℃に冷却し、デカンターにてメタクロレイン相と水相を分離し、メタクロレイン34gを得た。
(工程(D))
工程(B)で得られた1,3−ブタジエンを含むガス分をダイヤフラム式の圧縮機に導入し、ゲージ圧0.8MPaまで圧縮し圧縮ガスとした。該圧縮ガスを35℃まで冷却し、内径23mm、長さ50cmのステンレスパイプに直径3mm×長さ3mmの筒状のラシヒリングを充填した1,3−ブタジエン吸収塔に供給すると共に、吸収溶剤として10℃に冷却した混合キシレンを16ml/minで供給し、1,3−ブタジエンと未反応のC4炭化水素ガス(1−ブテン、iso−ブテン)を含むガス流とを向流接触させた。
ガス流中の99%が吸収され、この液を放散塔に導き、塔頂部から95容量%の1,3−ブタジエンを主成分とするガスを33ml/minで得た。
実施例2
(工程(A))
調製例1により得られた酸化反応触媒の代わりに、調製例2により得られた酸化反応触媒を用いた以外は、実施例1の工程(A)と同様の方法により1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造を行った。
反応開始5時間目で、n−ブテン転化率94%、iso−ブテン転化率97%、1,3−ブタジエン収率89%、メタクロレイン収率66%、反応開始100時間目でn−ブテン転化率93%、iso−ブテン転化率96%、1,3−ブタジエン収率88%、メタクロレイン収率65%で反応が進行した。
(工程(B))
実施例1と同様の方法により、(A)工程で得られた反応生成ガスから、メタクロレイン水溶液と1,3−ブタジエンを含むガス分との分離を行った。
65時間後、1リットルの蒸留水は3.3wt.%メタクロレインを含む水溶液となった。メタクロレイン吸収塔の塔頂部からは、1,3−ブタジエン濃度が8.5容量%と1,3−ブタジエンが主生成物であるガスを309ml/minで得、メタクロレイン濃度は0.1%であった。
(工程(C))
工程(B)で得られた3.3wt.%のメタクロレイン水溶液1リットルを充填式の蒸留塔(柴田科学社製、(製品名)HP−1000、理論段数35段)に供給し、釜温度102℃、塔頂温度62℃、常圧で蒸留した。メタクロレインと水の共沸液40gを得、その共沸液を10℃に冷却し、デカンターにてメタクロレイン相と水相を分離し、メタクロレイン34gを得た。
(工程(D))
工程(B)で得られた1,3−ブタジエンを含むガスをダイヤフラム式の圧縮機に導入し、ゲージ圧0.8MPaまで圧縮し圧縮ガスとした。該圧縮ガスを35℃まで冷却し、内径23mm、長さ50cmのステンレスパイプに直径3mm×長さ3mmの筒状のラシヒリングを充填した1,3−ブタジエン吸収塔に供給すると共に、吸収溶剤として10℃に冷却した混合キシレンを16ml/minで供給し、1,3−ブタジエンと未反応のC4炭化水素ガスを含むガス流とを向流接触させた。
ガス流中の99%が吸収され、この液を放散塔に導き、塔頂部から93容量%の1,3−ブタジエンを主成分とするガスを29ml/minで得た。
比較例1
工程(B)でメタクロレイン吸収塔に蒸留水を供給した代わりに、メタクロレイン吸収塔に混合キシレンを供給した以外は、実施例1と同様の方法により、1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造を試みた。
5時間後、メタクロレイン吸収塔の塔頂部からは、0.6容量%の1,3−ブタジエン、0.05容量%のメタクロレインを含むガス265ml/minが得られ、混合キシレン溶液1リットル中には、メタクロレイン0.3wt.%、1,3−ブタジエン2.5wt.%が含まれており、メタクロレインと1,3−ブタジエンは分離はできいないことが確認されたため、以降の検討は中断した。
本発明の製造方法によれば少なくともn−ブテンおよびiso−ブテンと分子状酸素とを反応することにより、高活性、高選択率、高効率で、合成ゴムの原料として工業的に有用な1,3−ブタジエンおよびメタクリル酸、メタクリル酸メチル(MMA)およびMMA樹脂の原料として工業的に有用なメタクロレインを同時に製造でき、その産業上の利用可能性は極めて高いものである。
;本発明の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法を実施する際のフローの具体的一例示を示す図。
1;酸化反応器
2;メタクロレイン吸収塔
3;メタクロレイン蒸留塔
4;デカンター
5:圧縮機
6:1,3−ブタジエン吸収塔
7:放散塔
8〜11;熱交換器又は凝集器
12〜25;配管

Claims (9)

  1. 少なくとも下記の工程(A)〜(D)を経ることを特徴とする1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
    工程(A):酸化反応触媒の存在下、少なくともn−ブテン及びiso−ブテンと分子状酸素とを300〜500℃で反応し、1,3−ブタジエン及びメタクロレインを反応生成ガスとして製造する工程。
    工程(B):工程(A)で得られた反応生成ガスと水性媒体とを直接接触し、メタクロレイン水溶液と1,3−ブタジエンを含むガス分とに分離する工程。
    工程(C):工程(B)で得られたメタクロレイン水溶液からメタクロレインを分離・回収する工程。
    工程(D):工程(B)で得られたガス分から1,3−ブタジエンを分離・回収する工程。
  2. 工程(A)において、n−ブテン及びiso−ブテンを含むC4炭化水素として反応することを特徴とする請求項1に記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
  3. 工程(A)におけるC4炭化水素のiso−ブテン濃度が7〜50容量%であることを特徴とする請求項2に記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
  4. 工程(A)におけるiso−ブテン/n−ブテン比(容量比)=0.1〜1.5の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
  5. 工程(A)における酸化反応触媒が、一般式Mo12CoFeBiCeeTlSb(ここで、b=3〜15、c=0.4〜5、d=0.01〜3、e=0.01〜2、f=0.01〜2、g=0.01〜3、j=40〜79であり、c/b=0.3〜1.2)で示される多元素系複合酸化物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
  6. 工程(A)における酸化反応触媒が、多元素系複合酸化物に、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ及びシリコンカーバイドからなる群より選択される少なくとも1種類以上の不活性担体を含んでなる酸化反応触媒であることを特徴とする請求項5に記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
  7. 工程(B)における水性媒体の温度が−5〜50℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
  8. 工程(C)におけるメタクロレインを分離・回収する工程が、メタクロレイン水溶液を蒸留し、留出液をメタクロレイン相と水性媒体相に二相分離し、メタクロレインを分離・回収する工程であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
  9. 工程(D)における1,3−ブタジエンを分離・回収する工程が、ガス分を圧縮ガスとした後に、該圧縮ガスを吸収溶剤と接触し、1,3−ブタジエンを吸収した溶剤より1,3−ブタジエンを含有するガス分として分離・回収することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
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