JP2013129628A - 1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも、工程(A):酸化反応触媒の存在下、少なくともn−ブテン及びiso−ブテンと分子状酸素とを300〜500℃で反応し、1,3−ブタジエン及びメタクロレインを反応生成ガスとして製造する工程、工程(B):得られた反応生成ガスと水性媒体とを直接接触し、メタクロレイン水溶液と1,3−ブタジエンを含むガス分とに分離する工程、工程(C):工程(B)で得られたメタクロレイン水溶液からメタクロレインを分離・回収する工程、工程(D):工程(B)で得られたガス分から1,3−ブタジエンを分離・回収する工程、を経てなる1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
【選択図】 図1
Description
工程(A):酸化反応触媒の存在下、少なくともn−ブテン及びiso−ブテンと分子状酸素とを300〜500℃で反応し、1,3−ブタジエン及びメタクロレインを反応生成ガスとして製造する工程。
工程(B):工程(A)で得られた反応生成ガスと水性媒体とを直接接触し、メタクロレイン水溶液と1,3−ブタジエンを含むガス分とに分離する工程。
工程(C):工程(B)で得られたメタクロレイン水溶液からメタクロレインを分離・回収する工程。
工程(D):工程(B)で得られたガス分から1,3−ブタジエンを分離・回収する工程。
(反応評価)
ガスクロマトグラフ(島津製作所製、(商品名)GC−14A)で行い、キャピラリーカラム(GLサイエンス社製、(商品名)TC−FFAP)、キャピラリーカラム(GLサイエンス社製、(商品名)Al2O3/KCl)を使用し、水素炎イオン化検出器(FID)、及び、パックドカラム(GLサイエンス社製、(商品名)MS−5A)、パックドカラム(GLサイエンス社製、(商品名)Porapak Q)を使用し、熱伝導度型検出器(TCD)を用い、各工程の生成物(1,3−ブタジエン、メタクロレイン、副生物)を定量した。
1,3−ブタジエン生成量、n−ブテン由来副生成物量、未反応n−ブテンから下記式(1)より算出した。
蒸留水48mlに七モリブデン酸六アンモニウム四水和物(和光純薬製)33.9gを加え、85℃に加熱し撹拌、溶解した。次に48mlの蒸留水に硝酸タリウム(和光純薬製)1.3g、硝酸コバルト六水和物(和光純薬製)26.7g、硝酸鉄九水和物(和光純薬製)24.5gを加え、85℃に加熱して溶解した後、七モリブデン酸六アンモニウム水溶液に添加した。次に、蒸留水8mlに比重1.38の硝酸1ml(和光純薬製)を加え、硝酸ビスマス六水和物(和光純薬製)4.1gを添加し溶解した溶液を準備しておき添加した。更に、蒸留水8mlに硝酸セリウム六水和物(和光純薬製)0.4gを添加し溶解した溶液を準備し、添加した。
蒸留水48mlに七モリブデン酸六アンモニウム四水和物(和光純薬製)33.9gを加え、85℃に加熱し撹拌、溶解した。次に48mlの蒸留水に硝酸タリウム(和光純薬製)2.5g、硝酸コバルト六水和物(和光純薬製)25.4g、硝酸鉄九水和物(和光純薬製)23.3gを加え、85℃に加熱して溶解した後、七モリブデン酸六アンモニウム水溶液に添加した。次に、蒸留水8mlに比重1.38の硝酸(和光純薬製)1mlを加え、硝酸ビスマス六水和物(和光純薬製)7.7gを添加し溶解した溶液を準備しておき添加した。更に、蒸留水8mlに硝酸セリウム六水和物(和光純薬製)0.7gを添加し溶解させた溶液も準備し、添加した。
(工程(A))
調製例1により得られた酸化反応触媒10mlに、直径3mm×長さ3mmの筒状のラシヒリング10mlを加え、ステンレス製の酸化反応器に充填した。
工程(A)で得られた1,3−ブタジエンとメタクロレインを含む反応生成ガスを200℃とし、該反応生成ガスを内径23mm、長さ1mのステンレスパイプに直径3mm×長さ3mmの筒状のラシヒリングを充填したメタクロレイン吸収塔に供給した。このときメタクロレインの生成量は0.5g/hであり、10℃の蒸留水を120ml/hでメタクロレイン吸収塔の塔頂部から供給した。メタクロレインの単位時間の生成重量に対し蒸留水の供給量は、240倍であり、生成ガスの供給は、充填剤に対し気体時空間速度(GHSV)は43h−1であった。また、このときの全蒸留水の量は1リットルであり、この蒸留水を循環供給した。65時間後、1リットルの蒸留水は3.3wt.%メタクロレインを含む水溶液となった。メタクロレイン吸収塔の塔頂部からは、1,3−ブタジエン濃度が10.6容量%と1,3−ブタジエンが主生成物であるガスを296ml/minで得、メタクロレイン濃度は0.1%であった。
工程(B)で得られた3.3wt.%のメタクロレイン水溶液1リットルを充填式の蒸留塔(柴田科学社製、(製品名)HP−1000、理論段数35段)に供給し、釜温度102℃、塔頂温度62℃、常圧で蒸留した。メタクロレインと水の共沸液40gを得、その共沸液を10℃に冷却し、デカンターにてメタクロレイン相と水相を分離し、メタクロレイン34gを得た。
工程(B)で得られた1,3−ブタジエンを含むガス分をダイヤフラム式の圧縮機に導入し、ゲージ圧0.8MPaまで圧縮し圧縮ガスとした。該圧縮ガスを35℃まで冷却し、内径23mm、長さ50cmのステンレスパイプに直径3mm×長さ3mmの筒状のラシヒリングを充填した1,3−ブタジエン吸収塔に供給すると共に、吸収溶剤として10℃に冷却した混合キシレンを16ml/minで供給し、1,3−ブタジエンと未反応のC4炭化水素ガス(1−ブテン、iso−ブテン)を含むガス流とを向流接触させた。
(工程(A))
調製例1により得られた酸化反応触媒の代わりに、調製例2により得られた酸化反応触媒を用いた以外は、実施例1の工程(A)と同様の方法により1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造を行った。
実施例1と同様の方法により、(A)工程で得られた反応生成ガスから、メタクロレイン水溶液と1,3−ブタジエンを含むガス分との分離を行った。
工程(B)で得られた3.3wt.%のメタクロレイン水溶液1リットルを充填式の蒸留塔(柴田科学社製、(製品名)HP−1000、理論段数35段)に供給し、釜温度102℃、塔頂温度62℃、常圧で蒸留した。メタクロレインと水の共沸液40gを得、その共沸液を10℃に冷却し、デカンターにてメタクロレイン相と水相を分離し、メタクロレイン34gを得た。
工程(B)で得られた1,3−ブタジエンを含むガスをダイヤフラム式の圧縮機に導入し、ゲージ圧0.8MPaまで圧縮し圧縮ガスとした。該圧縮ガスを35℃まで冷却し、内径23mm、長さ50cmのステンレスパイプに直径3mm×長さ3mmの筒状のラシヒリングを充填した1,3−ブタジエン吸収塔に供給すると共に、吸収溶剤として10℃に冷却した混合キシレンを16ml/minで供給し、1,3−ブタジエンと未反応のC4炭化水素ガスを含むガス流とを向流接触させた。
工程(B)でメタクロレイン吸収塔に蒸留水を供給した代わりに、メタクロレイン吸収塔に混合キシレンを供給した以外は、実施例1と同様の方法により、1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造を試みた。
2;メタクロレイン吸収塔
3;メタクロレイン蒸留塔
4;デカンター
5:圧縮機
6:1,3−ブタジエン吸収塔
7:放散塔
8〜11;熱交換器又は凝集器
12〜25;配管
Claims (9)
- 少なくとも下記の工程(A)〜(D)を経ることを特徴とする1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
工程(A):酸化反応触媒の存在下、少なくともn−ブテン及びiso−ブテンと分子状酸素とを300〜500℃で反応し、1,3−ブタジエン及びメタクロレインを反応生成ガスとして製造する工程。
工程(B):工程(A)で得られた反応生成ガスと水性媒体とを直接接触し、メタクロレイン水溶液と1,3−ブタジエンを含むガス分とに分離する工程。
工程(C):工程(B)で得られたメタクロレイン水溶液からメタクロレインを分離・回収する工程。
工程(D):工程(B)で得られたガス分から1,3−ブタジエンを分離・回収する工程。 - 工程(A)において、n−ブテン及びiso−ブテンを含むC4炭化水素として反応することを特徴とする請求項1に記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
- 工程(A)におけるC4炭化水素のiso−ブテン濃度が7〜50容量%であることを特徴とする請求項2に記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
- 工程(A)におけるiso−ブテン/n−ブテン比(容量比)=0.1〜1.5の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
- 工程(A)における酸化反応触媒が、一般式Mo12CobFecBidCeeTlfSbgOj(ここで、b=3〜15、c=0.4〜5、d=0.01〜3、e=0.01〜2、f=0.01〜2、g=0.01〜3、j=40〜79であり、c/b=0.3〜1.2)で示される多元素系複合酸化物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
- 工程(A)における酸化反応触媒が、多元素系複合酸化物に、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ及びシリコンカーバイドからなる群より選択される少なくとも1種類以上の不活性担体を含んでなる酸化反応触媒であることを特徴とする請求項5に記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
- 工程(B)における水性媒体の温度が−5〜50℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
- 工程(C)におけるメタクロレインを分離・回収する工程が、メタクロレイン水溶液を蒸留し、留出液をメタクロレイン相と水性媒体相に二相分離し、メタクロレインを分離・回収する工程であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
- 工程(D)における1,3−ブタジエンを分離・回収する工程が、ガス分を圧縮ガスとした後に、該圧縮ガスを吸収溶剤と接触し、1,3−ブタジエンを吸収した溶剤より1,3−ブタジエンを含有するガス分として分離・回収することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法。
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