JP2013121559A - 1,3−ブタジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒、並びにそれを用いた1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法 - Google Patents

1,3−ブタジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒、並びにそれを用いた1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 n−ブテンおよびiso−ブテンを原料とし、合成ゴムの原料として工業的に有用な1,3−ブタジエンとメタクリル酸、メタクリル酸メチル(MMA)およびMMA樹脂の原料として工業的に有用なメタクロレインとを生産効率よく同時に製造することが可能となる1,3−ブタジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒、それを用いた1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法を提供する。
【解決手段】 一般式Mo12CoFeBiCeTlfSb(ここで、b=3〜15、c=0.4〜5、d=0.01〜3、e=0.01〜2、f=0.01〜2、g=0.01〜3、j=40〜79であり、c/b=0.3〜1.2)で示される多元素系複合酸化物である1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒。
【選択図】 なし

Description

本発明は、1,3−ブタジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒、それを用いた1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法に関するものであり、さらに詳細には、n−ブテンおよびiso−ブテンを原料とし、合成ゴムの原料として工業的に有用な1,3−ブタジエンとメタクリル酸、メタクリル酸メチル(MMA)およびMMA樹脂の原料として工業的に有用なメタクロレインとを生産効率よく同時に製造することが可能となる1,3−ブタジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒、それを用いた1,3−ブタジエン及びメタクロレインの製造方法に関するものある。
n−ブテンおよびiso−ブテンを含むC4炭化水素と分子状酸素を、酸化反応触媒に接触させ、1,3−ブタジエンおよびメタクロレインを製造する方法については、いくつかの酸化反応触媒を用いる方法が知られている。
例えば、Mo、Bi、Ni、Co、Feに加え、P、As、Bの中から選ばれた少なくとも1種類の元素およびK、Rb、Csの中から選ばれた少なくとも1種類の元素からなる複合酸化物である酸化反応触媒(例えば特許文献1参照。)、Mo、Bi、Fe、Co、Ni、Ce、Beと、P、As、Bより選ばれる少なくとも一種類の元素およびK、Rb,Cs,Tlより選ばれる少なくとも一種類の元素を加えた複合酸化物である酸化反応触媒(例えば特許文献2参照。)、Mo、Bi、Co、Fe、Sbに、Li、Na、K、Cs、Tlより選ばれる少なくとも一種類の元素を加えた複合酸化物である酸化反応触媒(例えば特許文献3、4参照。)、等が提案されている。
特公昭49−004441号公報(例えば第1頁参照。) 特開昭52−111506号公報(例えば第1頁参照。) 特開昭50−130709号公報(例えば第1頁参照。) 特開昭58−074622号公報(例えば第1頁参照。)
一般的な工業触媒では、活性が低いと未反応の原料を回収しリサイクルする工程が必要となり、選択性が低いと原料の無駄が多い、生産性が低いと必要な生産量を得るために反応器の規模が大きくなる、触媒寿命が短いと触媒の交換の頻度が高くなり、安定的に生産できない等の課題を生じる事から、高い活性、選択性、生産性(空時収率:STY)および、長い触媒寿命を有することが求められる。
しかし、特許文献1に提案された酸化反応触媒においては、高い活性、選択率を有するものではあるが、1,3−ブタジエンの生産性が低いために、反応器の規模を大きくする必要がある、触媒寿命は不明である、という課題を有するものであり、特許文献2に提案された酸化反応触媒においては、1,3−ブタジエンの生産性は必要以上に高いものではあるが、活性が極めて低くいために、原料を回収しリサイクルすることが必要となる、という課題を有するものであり、特許文献3,4に提案された酸化反応触媒においては、2000時間の長い触媒寿命を有するものではあるが、活性が低く原料の回収、リサイクルが必要となる、1,3−ブタジエンの生産性が低いために反応器の規模を大きくする必要がある、という課題を有するものであった。
このように何れの提案においても、触媒としての活性及び/又は1,3−ブタジエンの生産性が低いために、原料の回収とリサイクルの工程が必要であったり、反応器の規模を大きくする必要がある、等の課題を有し、効率的に1,3−ブタジエンを生産することができず、工業的生産性に満足のいくものではなく、触媒としての活性が高く、1,3−ブタジエンの選択性および生産性が高く、効率的に1,3−ブタジエンを得ることが可能で、かつ長寿命を有する触媒、特に1,3−ブタジエンおよびメタクロレインを同時に製造できる触媒の出現が望まれていた。
そこで、本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の金属元素からなる複合酸化物が、n−ブテン、iso−ブテン及び分子状酸素から1,3−ブタジエンおよびメタクロレインを同時に効率良く製造することができ、しかも高選択性、長寿命を有する1,3−ブタジエンおよびメタクロレイン同時製造用触媒となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一般式Mo12CoFeBiCeTlfSb(ここで、b=3〜15、c=0.4〜5、d=0.01〜3、e=0.01〜2、f=0.01〜2、g=0.01〜3、j=40〜79であり、c/b=0.3〜1.2)で示される多元素系複合酸化物であることを特徴とする1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒、それを用いてなる1,3−ブタンジエン及びメタクロレインの同時製造方法に関するものである。
本発明の1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒は、一般式Mo12CoFeBiCeTlfSbで示される多元素系複合酸化物からなるものであり、特に多元素系複合酸化物としてCe及びTlを含むことから、1,3−ブタジエンおよびメタクロレインを高活性、高選択性で製造することが可能となる触媒となるものである。
そして、b〜gは、多元素系複合酸化物を構成する金属元素(Mo、Co、Fe、Bi、Ce、Tl、Sb)のMoに対する構成比(Mo基準;12)であり、jは、多元素系複合酸化物を構成する酸素の構成比(Mo基準;12)である。ここで、b〜gはそれぞれ、b=3〜15、c=0.4〜6、d=0.01〜3、e=0.01〜2、f=0.01〜2、g=0.01〜3、また、j=40〜79であり、これら範囲を外れた多元素系複合酸化物は、高活性、高選択性、高生産性、長寿命を有する触媒とすることができない。また、本発明の1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒においては、特に高活性、高選択性を示す触媒となることから、b=4〜10、c=1〜5、d=0.1〜2、e=0.05〜1、f=0.05〜1、g=0.01〜2、また、j=40〜79であることが好ましい。
また、本発明の1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒は、多元素系複合酸化物におけるFeとCoの構成比であるc/b=0.3〜1.2にあるものであり、該範囲を外れた多元素系複合酸化物は、高活性、高選択性、高生産性、長寿命を有する触媒とすることができない。また、本発明の1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒においては、特に高活性、高選択性を示す触媒となることから、c/b=0.4〜1.1にあるものが好ましい。
本発明の1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒においては、特に高活性、高選択性、高効率性に優れる触媒となることから、コバルト、鉄、ビスマスの構成比がd/(b+c×1.5)=0.01〜1の関係にあ多元素系複合酸化物からなることが好ましく、特に0.02〜0.5の関係にある多元素系複合酸化物からなることが好ましい。
また、本発明の1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒においては、より高活性、高選択性を示す触媒となることから、さらにバナジウム、ニオブ、ランタン、サマリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選択される1種以上の元素の酸化物を含む多元素系複合酸化物からなることが好ましく、その際の構成比はMoを基準12として0.01〜2であることが好ましい。
本発明の1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒は、上記一般式で示される多元素系複合酸化物からなるものであればそのままでも触媒とすることが可能であり、その中でも、特に触媒としての取り扱い性、活性の持続性に優れたものとなることから不活性担体に担持したもの、又は不活性担体で希釈したものとすることが好ましく、該不活性担体としては、例えばシリカ、アルミナ、シリカアルミナ、シリコンカーバイト等の不活性担体を挙げることができ、その中でも特に触媒とする際の成形性に優れることからシリカが好ましい。また、不活性担体を用いる際の添加量に特に制限はなく、その中でも多元素系複合酸化物に対し1〜50wt.%であることが好ましく、特に5〜30wt.%であることが好ましい。
本発明の1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒の製造方法としては、該一般式で示されるモリブデン、コバルト、鉄、ビスマス、セリウム、タリウム及びアンチモンを金属元素として含む多元素系複合酸化物を製造することが可能であれば如何なる方法をも用いることが可能であり、例えばそれぞれの金属元素の硝酸塩、アンモニウム塩、有機酸塩、ハロゲン化物、水酸化物等の塩類、酸化物、または、その塩類を組み合わせて製造することが可能であり、それぞれを組み合わせて用い、蒸発乾固法により製造することも可能である。
そして、より詳細な製造方法としては、例えば、加熱した蒸留水に七モリブデン酸六アンモニウム四水和物を溶解した後に、純水に硝酸タリウム、硝酸コバルト六水和物、硝酸鉄(III)九水和物を溶解した水溶液、硝酸ビスマス六水和物を溶解した硝酸水溶液、硝酸セリウム六水和物を溶解した水溶液及び酸化アンチモンとを順次攪拌しながら添加し、最後にシリカの一種であるハイフロスーパーセルを加え、撹拌しながら加熱濃縮し、スラリーとし、該スラリーを乾燥、熱処理、焼成を行う方法を挙げることができる。
加熱濃縮を行う際の濃縮時間は任意であり、その中でも、特に高活性の1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒が得られることから、1〜24時間であることが好ましく、さらに2〜12時間であることが好ましい。また、乾燥を行う際の乾燥方法としては、例えば噴霧乾燥、恒温槽、環状炉、マッフル炉等による乾燥などがあげられ、乾燥温度としては、好ましくは90〜150℃、特に100〜120℃であることが好ましい。
そして、乾燥後の固体の熱処理は、塩などを分解するものであり、その際には、空気気流中で熱処理を行うことも可能であり、該熱処理方法は、例えばマッフル炉、環状炉、ロータリーキルン等を用いて行うことが可能であり、その際の熱処理温度としては、特に制限はなく、その中でも高活性、高選択性を有する1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒が得られることから、200〜400℃であることが好ましく、特に250〜350℃であることが好ましい。また、熱処理時間にも特に制限はなく、特に高活性、高選択性を有する1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒が得られることから、0.5〜12時間が好ましく、特に1〜6時間であることが好ましい。さらに、熱処理後の焼成については、空気気流中で行うことも可能であり、例えばマッフル炉、環状炉、ロータリーキルン等を使用し焼成することができる。その際の焼成温度としては、特に高活性、高選択性を有する1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒が得られることから、400〜600℃が好ましく、特に450〜550℃であることが好ましい。
本発明の1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒の形状に制限はなく、如何なる形状を有するものであってもよく、例えば球状、楕円状、円柱状、筒状、ハニカム状、粉体、顆粒状等の形状を挙げることができ、その中でも、高効率的で1,3−ブタジエンを製造する触媒となることから、球状、円柱状、筒状、ハニカム状、顆粒状の形状を有するものであることが好ましい。また、その際の成型方法は、例えば打錠成型、押出成型、スラリーを乾燥後熱処理し、粉砕してふるい分けする方法が挙げられる。そして、成型の際には、必要に応じ、シリカ、シリカゾル、アルミナ、アルミナゾル、グラファイト、セルロース等の成型助剤を混在させても良い。
本発明の1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒は、n−ブテン、iso−ブテン及び分子状酸素を反応する際の触媒として作用させることにより、1,3−ブタジエン及びメタクロレインを同時に製造することが可能となり、その際の触媒作用としては、高活性、高選択性、高生産性および長触媒寿命を示すものである。そして、n−ブテンとしては、1−ブテン、2−ブテンが知られており、該n−ブテンとしては、例えば1−ブテン、2−ブテン、1−ブテンと2−ブテンの混合物を挙げることができる。なお、1,3−ブタジエンはn−ブテンを原料として生成するものであり、メタクロレインはiso−ブテンを原料として生成するものである。
その際のn−ブテンとiso−ブテンとしては、n−ブテンとiso−ブテンの混合物でも、n−ブテンとiso−ブテンとを含むC4炭化水素であってもよく、該C4炭化水素として、例えばナフサのクラッキングより生成したC4留分から、ブタジエンを抜いたS−C4留分、更にスペントC4留分からiso−ブテンの一部を抜いたSS−C4留分等が挙げられる。また、n−ブテンとiso−ブテンの比率は任意であり、その中でも特に1,3−ブタジエンが効率よく得られる製造方法となることから、iso−ブテン/n−ブテン比(容量比)が0.1〜1.5であることが好ましく、C4炭化水素である場合、その組成比は、n−ブテンが50〜93容量%、iso−ブテンが7〜50容量%、n−ブタンとiso−ブタンの和が0〜30容量%の範囲であり、iso−ブテン/n−ブテン比(容量比)が0.1〜1.5であるC4炭化水素であることが好ましい。
また、分子状酸素源としては、特に制限はなく、例えば純酸素、空気が挙げられる。
そして、1,3−ブタンジエン及びメタクロレインの同時製造方法は、その反応効率に優れることから、反応を気相法で実施することが好ましく、その際の反応形式としては、例えば固定床流通式、流動床等が挙げられる。また、気相法で製造を行う際の反応場における原料ガス中のn−ブテンとiso−ブテンの混合ガス濃度(C4炭化水素のガス濃度)は、爆発範囲外であれば良く、その中でも効率的な1,3−ブタジエンおよびメタクロレインの製造が可能となることから1〜20容量%が好ましく、3〜15容量%であることが特に好ましい。そして、該原料ガス中の分子状酸素の濃度についても、爆発範囲外であれば良く、その中でも効率的な1,3−ブタジエンおよびメタクロレインの製造方法となることから、1〜30容量%であることが好ましく、特に3〜20容量%であることが好ましい。さらに、該原料ガスには、必要で有れば、窒素、水蒸気、炭酸ガス等の不活性ガスを加えて希釈してもよい。
また、1,3−ブタンジエン及びメタクロレインの同時製造方法を気相法にて行う場合の原料ガスの気体時空間速度(GHSV)に制限はなく、その中でも特に効率的な1,3−ブタジエンおよびメタクロレインの製造が可能となることから、気体時空間速度100〜10000h−1が好ましく、特に200〜5000h−1であることが好ましい。その際の反応圧力にも制限はなく、その中でも効率的な1,3−ブタジエンおよびメタクロレインの製造が可能となることから、0.05〜1.0MPaが好ましく、特に0.1〜0.5MPaであることが好ましい。また、反応温度にも制限はなく、その中でも効率的な1,3−ブタジエンおよびメタクロレインの製造が可能となることから、300〜500℃が好ましく、特に触媒寿命が長くなる製造方法となることから300〜450℃であることが好ましい。
n−ブテンおよびiso−ブテンと分子状酸素とを反応することにより、高活性、高選択率で、1,3−ブタジエンおよびメタクロレインを同時に製造でき、長寿命を有する1,3−ブタジエンおよびメタクロレイン同時製造用触媒を提供するものである。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例で実施した1,3−ブタジエンおよびメタクロレイン同時製造の反応評価方法を以下に示す。
(反応生成物の定量)
ガスクロマトグラフ(島津製作所製、(商品名)GC−14A)で行い、キャピラリーカラム(GLサイエンス社製、(商品名)TC−FFAP)、キャピラリーカラム(GLサイエンス社製、(商品名)Al/KCl)を使用し、水素炎イオン化検出器(FID)、および、パックドカラム(GLサイエンス社製、(商品名)MS−5A)、パックドカラム(GLサイエンス社製、(商品名)Porapak Q)を使用し、熱伝導度型検出器(TCD)を用い反応生成物(1,3−ブタジエン、メタクロレイン、副生物)を定量した。
(n−ブテン転化率)
1,3−ブタジエン生成量、n−ブテン由来副生成物量、未反応n−ブテン量から下記式(1)より算出した。
Figure 2013121559
(1,3−ブタジエン選択率)
1,3−ブタジエン生成量、n−ブテン由来副生成物量から下記式(2)より算出した。
Figure 2013121559
(1,3−ブタジエン収率)
1,3−ブタジエン生成量、n−ブテン由来副生成物量、未反応n−ブテン量から下記式(3)より算出した。
Figure 2013121559
(1,3−ブタジエンの空時収率(STY))
1−ブテン供給量、1,3−ブタジエン収率、触媒量から下記式(4)より算出した。
Figure 2013121559
(iso−ブテン転化率)
メタクロレイン生成量、iso−ブテン由来副生成物量、未反応iso−ブテン量から下記式(5)より算出した。
Figure 2013121559
(メタクロレイン選択率)
メタクロレイン生成量、iso−ブテン由来副生成物量から下記式(6)より算出した。
Figure 2013121559
(メタクロレイン収率)
メタクロレイン生成量、iso−ブテン由来副生成物量、未反応iso−ブテン量から下記式(7)より算出した。
Figure 2013121559
実施例1
蒸留水48mlに七モリブデン酸六アンモニウム四水和物(和光純薬製)33.9gを加え、85℃に加熱し撹拌、溶解した。次に48mlの蒸留水に硝酸タリウム(和光純薬製)2.5g、硝酸コバルト六水和物(和光純薬製)25.4g、硝酸鉄九水和物(和光純薬製)23.3gを加え、85℃に加熱して溶解した後、七モリブデン酸六アンモニウム水溶液に添加した。次に、蒸留水8mlに比重1.38の硝酸(和光純薬製)1mlを加え、硝酸ビスマス六水和物(和光純薬製)7.7gを添加し溶解した溶液を準備しておき添加した。更に、蒸留水8mlに硝酸セリウム六水和物(和光純薬製)0.7gを添加し溶解させた溶液も準備し、添加した。
そして、三酸化アンチモン(東京化成製)2.1g、シリカの一種であるハイフロスーパーセル(和光純薬製)4.6gを添加し、85℃で5時間加熱撹拌し、スラリーを得た。
得られたスラリーを、110℃で18時間乾燥した後、粉砕し、グラファイト(和光純薬製)0.6gを添加し、直径3mm×長さ3mmの円柱状に成型した。
得られた成型物を、空気200ml/minで通気しながら、300℃で2時間、500℃で5時間焼成を行い、1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒を得た。
得られた1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒は、Mo12Co5.4Fe3.6Bi1.0Ce0.1Tl0.6Sb0.950.1(c/b=0.67、d/(b+c×1.5)=0.09)である多元素系複合酸化物からなり、SiOを10wt.%含むものであった。
得られた1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒10mlに、希釈剤として直径3mm×長さ3mmの筒状の磁性のラシヒリング10mlを加え、ステンレス製の反応管に充填した。
そして、n−ブテンとして1−ブテン31.2ml/min、iso−ブテン5.3ml/min(iso−ブテン/n−ブテン(容積比)=0.17)、分子状酸素46ml/min、窒素253ml/min、水蒸気144ml/minを反応管に通気し、反応温度380℃で反応を行い、1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造を行った。その結果を表1に示す。
比較例1
硝酸コバルト六水和物25.4g、硝酸鉄九水和物23.3g、ハイフロスーパーセル4.6gの代わりに、硝酸コバルト六水和物42.3g、硝酸鉄九水和物7.8g、ハイフロスーパーセル4.8gとした以外は、実施例1と同様の方法により触媒の調製を行った。
得られた触媒は、Mo12CoFe1.2Bi1.0Ce0.1Tl0.6Sb0.950.1(c/b=0.13、d/(b+c×1.5)=0.09)である多元素系複合酸化物からなり、SiOを10wt.%含むものであった。
得られた触媒を実施例1と同様の方法に用い、1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造を行った。その結果を表1に示す。
得られた触媒はc/dが、0.13と低いことからn−ブテン転化率、1,3−ブタジエン収率に劣るものであった。
比較例2
硝酸コバルト六水和物25.4g、硝酸鉄九水和物23.3g、ハイフロスーパーセル4.6gの代わりに、硝酸コバルト六水和物16.9g、硝酸鉄九水和物31.0g、ハイフロスーパーセル4.6gとした以外は、実施例1と同様の方法により触媒の調製を行った。
得られた触媒は、Mo12Co3.6Fe4.8Bi1.0Ce0.1Tl0.6Sb0.950.1(c/b=1.3、d/(b+c×1.5)=0.09)である多元素系複合酸化物からなり、SiOを10wt.%含むものであった。
得られた触媒を実施例1と同様の方法に用い、1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造を行った。その結果を表1に示す。
得られた触媒はc/dが、1.3と高いことからn−ブテン転化率、1,3−ブタジエン収率、メタクロレイン収率に劣るものであった。
実施例2
硝酸タリウム2.5g、硝酸コバルト六水和物25.4g、硝酸鉄九水和物23.3g、硝酸ビスマス六水和物7.7g、硝酸セリウム六水和物0.7g、三酸化アンチモン2.1g、ハイフロスーパーセル4.6gの代わりに、硝酸タリウム1.3g、硝酸コバルト六水和物26.7g、硝酸鉄九水和物24.5g、硝酸ビスマス六水和物4.1g、硝酸セリウム六水和物0.4g、三酸化アンチモン1.1g、ハイフロスーパーセル4.3gにした以外は、実施例1と同様の方法により1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒を得た。
得られた1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒は、Mo12Co5.7Fe3.8Bi0.5Ce0.1Tl0.3Sb0.549.1(c/b=0.67、d/(b+c×1.5)=0.04)である多元素系複合酸化物からなり、SiOを10wt.%含むものであった。
得られた触媒を実施例1と同様の方法に用い、1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造を行った。その結果を表1に示す。1000時間の製造後も、高活性、高選択性を有する長寿命な触媒であることを確認した。
比較例3
硝酸タリウム2.5g、硝酸コバルト六水和物25.4g、硝酸鉄九水和物23.3g、硝酸ビスマス六水和物7.7g、硝酸セリウム六水和物0.7g、三酸化アンチモン2.1g、ハイフロスーパーセル4.6gの代わりに、硝酸タリウム1.3g、硝酸コバルト六水和物44.6g、硝酸鉄九水和物8.1g、硝酸ビスマス六水和物4.1g、硝酸セリウム六水和物0.4g、三酸化アンチモン1.1g、ハイフロスーパーセル4.4gとした以外は、実施例1と同様と方法によりに触媒の調製を行った。
得られた触媒は、Mo12Co9.5Fe1.3Bi0.5Ce0.1Tl0.3Sb0.549.4(c/b=0.14、d/(b+c×1.5)=0.04)である多元素系複合酸化物からなり、SiOを10wt.%含むものであった。
得られた触媒を実施例1と同様の方法に用い、1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造を行った。その結果を表1に示す。
得られた触媒はc/dが、1.4と高いことから1,3−ブタジエン収率に劣るものであった。
Figure 2013121559
本発明の1,3−ブタジエンおよびメタクロレイン同時製造用触媒は、n−ブテンおよびiso−ブテンと分子状酸素とを反応することにより、高活性、高選択率、高効率で、合成ゴムの原料として工業的に有用な1,3−ブタジエンおよびメタクリル酸、メタクリル酸メチル(MMA)およびMMA樹脂の原料として工業的に有用なメタクロレインを同時に製造でき、その産業上の利用可能性は極めて高いものである。

Claims (8)

  1. 一般式Mo12CoFeBiCeTlfSb(ここで、b=3〜15、c=0.4〜5、d=0.01〜3、e=0.01〜2、f=0.01〜2、g=0.01〜3、j=40〜79であり、c/b=0.3〜1.2)で示される多元素系複合酸化物であることを特徴とする1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒。
  2. 請求項1に記載の一般式で示される多元素系複合酸化物であって、さらに、バナジウム、ニオブ、ランタン、サマリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選択される少なくとも1種以上の元素の酸化物を含む多元素系複合酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒。
  3. コバルト、鉄、ビスマスの元素含有量がd/(b+c×1.5)=0.01〜1の関係にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒。
  4. さらに、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ及びシリコンカーバイトからなる群より選択される少なくとも1種以上の不活性担体を含んでなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の1,3−ブタンジエン及びメタクロレイン同時製造用触媒の存在下、n−ブテン、iso−ブテン及び分子状酸素を反応することを特徴とする1,3−ブタジエン及びメタクロレインの同時製造方法。
  6. n−ブテン及びiso−ブテンを含むC4炭化水素として反応することを特徴とする請求項5に記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの同時製造方法。
  7. C4炭化水素中のiso−ブテン濃度が7〜50容量%であることを特徴とする請求項6に記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの同時製造方法。
  8. iso−ブテン/n−ブテン比(容量比)=0.1〜1.5の範囲で反応することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の1,3−ブタジエン及びメタクロレインの同時製造方法。
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