JP4597782B2 - 流動層アンモ酸化触媒の製造方法 - Google Patents

流動層アンモ酸化触媒の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機化合物のアンモ酸化反応に用いる触媒の製造方法に関する。
有機化合物の流動層アンモ酸化反応は広く用いられている。例えばプロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、またはプロパン、イソブタン等のパラフィン類の流動層アンモ酸化によりアクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリルを製造する反応、メタノールの流動層アンモ酸化により青酸を製造する反応などが知られている。
有機化合物の流動層アンモ酸化反応に用いられる触媒としては、モリブデン含有酸化物触媒が有効であることが知られており、例えば、プロピレンの流動層アンモ酸化によりアクリロニトリルを製造する際に用いる触媒として、特許文献1記載のモリブデンおよびビスマス含有触媒、特許文献2記載のモリブデン、ビスマスおよび鉄含有触媒、特許文献3記載のモリブデン、ビスマス、鉄、コバルト、ニッケル等を含有する触媒、特許文献4〜6に記載の更に多成分が複合化した触媒等が知られており、これら触媒の製造方法についても特許文献7〜9等に開示されている。
これらの触媒では、担体としてシリカが用いられており、その原料としてシリカゾルが用いられている。また、触媒活性成分としてモリブデンの他にビスマス、鉄などが用いられるのが一般的であり、併せてカリウムが用いられる場合が多い。
また、これらの触媒の製造方法としては、所定の組成原子比率の水性スラリーを調製し、これを乾燥し、次いで焼成する方法が一般的であり、該水性スラリーの調製方法としては、水に対して所定の組成原子比率となるように各成分の塩類を溶解し、それらをシリカゾルと混合する方法が採られる。例えば、モリブデン酸アンモニウム水溶液、硝酸ビスマス、硝酸鉄、硝酸カリウムなどの混合水溶液およびシリカゾルを混合する方法が通常よく用いられている。
その際、例えば所望の触媒のカリウム/モリブデン原子比が0.2/10であれば、該水性スラリーを調製するに際し、硝酸カリウムおよびモリブデン酸アンモニウムについてカリウム/モリブデン原子比が0.2/10になるような量をそれぞれ秤量し、該水性スラリーを調製する方法が通常よく用いられる。
特公昭36−5870号公報 特公昭38−17967号公報 特公昭51−33888号公報 特開平6−9530号公報 特開平7−2899017号公報 特開平4−118051号公報 特公昭37−8568号公報 特公昭57−49253号公報 特公昭54−12913号公報
しかし、そのような方法で製造された触媒では、流動層アンモ酸化反応において目的生成物収率およびアンモニア燃焼性の点で不十分であり、工業触媒として更なる改良が望まれている。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、目的生成物収率が高く、アンモニア燃焼性の低い優れた流動層アンモ酸化触媒を実現する製造方法を目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために種々検討をした結果、モリブデンおよびカリウムを必須成分とする有機化合物の流動層アンモ酸化触媒の製造において、カリウム源として一部は硝酸カリウムを、また、一部はシリカゾル含有のカリウムをそれぞれ原料として触媒を製造した際に、目的生成物収率が高く、かつアンモニア燃焼性が低い優れた触媒が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の流動層アンモ酸化触媒の製造方法は、少なくともカリウムとモリブデンをその原子比として0.04/10〜0.4/10の割合で含有する流動層アンモ酸化触媒の製造方法であって、カリウム源として、硝酸カリウム由来のカリウムを20〜90%、かつ、カリウム含有シリカゾル由来のカリウムを10〜80%用いることを特徴とするものである。
ここで、流動層アンモ酸化触媒が、下記一般式(1)で示される組成を有することが望ましい。
Mo10BiFe(SiO ・・・一般式(1)
(式中、Mo、Bi、Fe、KおよびOは、それぞれモリブデン、ビスマス、鉄、カリウムおよび酸素を示し、Dはコバルト、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、錫、鉛、タリウム、タングステン、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、カドミウム、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、ニオブ、タンタル、アンチモン及びレニウムから選ばれる1種以上の元素、Eはリチウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムから選ばれる1種以上の元素、Fは金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金から選ばれる1種以上の元素、Gは燐、硼素、ヒ素、テルル、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド元素(例えば、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム)、アクチノイド元素(例えば、トリウム、ウラン)から選ばれる1種以上の元素を表し、SiOはシリカを表す。また、添字a、b、c、d、e、f、g及びhは各元素の原子比を示し、a=0.01〜9、b=0.01〜9、c=0.04〜0.4、d=0〜17、e=0〜4、f=0〜5、g=0〜5、i=20〜150であり、hは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。)
本発明の流動層アンモ酸化触媒の製造方法によれば、目的生成物収率が高く、かつアンモニア燃焼性の低い触媒を容易に得ることができ、その工業的価値は高い。
以下、本発明について詳細に説明する。
有機化合物のアンモ酸化反応の具体例としては、プロピレンのアンモ酸化反応によるアクリロニトリルの合成、イソブテンやターシャリーブタノールのアンモ酸化反応によるメタクリロニトリルの合成、トルエンのアンモ酸化反応によるベンゾニトリルの合成、キシレンのアンモ酸化反応によるフタロニトリルとフタルイミドの合成、ブタジエンのアンモ酸化反応によるフマロニトリル、マレオニトリルの合成、メタノールのアンモ酸化反応による青酸の合成等が挙げられる。
これらアンモ酸化反応では大きな発熱を伴うため、工業的には通常、流動層反応器にて実施される。
また、上記反応で用いる触媒としては種々挙げることができるが、目的生成物収率が高いこと、耐久性に優れていることなどから、モリブデン、ビスマス、鉄およびカリウムを含有する複合酸化物触媒がより好ましく、なかでも下記一般式(1)で示される組成を有するものが特に好ましい。
Mo10BiFe(SiO ・・・一般式(1)
(式中、Mo、Bi、Fe、KおよびOは、それぞれモリブデン、ビスマス、鉄、カリウムおよび酸素を示す。Dはコバルト、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、錫、鉛、タリウム、タングステン、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、カドミウム、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、ニオブ、タンタル、アンチモン及びレニウムから選ばれる1種以上の元素を表す。Eはリチウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムから選ばれる1種以上の元素を表す。Fは金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金から選ばれる1種以上の元素を表す。Gは燐、硼素、ヒ素、テルル、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド元素(例えば、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム)、アクチノイド元素(例えば、トリウム、ウラン)から選ばれる1種以上の元素を表す。SiOはシリカを表す。添字a、b、c、d、e、f、g及びhは各元素の原子比を示し、a=0.01〜9、b=0.01〜9、c=0.04〜0.4、d=0〜17、e=0〜4、f=0〜5、g=0〜5、i=20〜150であり、hは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。)
触媒の製造方法としては、所定の比率の各構成成分を有する水性スラリーを調合し、その後、該スラリーを乾燥し、次いで該乾燥物を焼成する方法が好ましいが、この際、カリウム源として20〜90%は硝酸カリウムを、また、10〜80%はシリカゾルに含有されているカリウムをそれぞれ原料として用いることが重要である。
一般に、シリカゾルは、珪砂をアルカリ溶融したカレットを水に溶解させて得られる水硝子を脱アルカリし、得られた珪酸液(珪酸モノマーを多く含む)を塩基性溶媒中で重合させることにより得られる。しかしながら、出発原料の珪砂中にはアルミニウム等の不純物が含まれており、また、珪砂の溶融に際してアルカリを用いるため、これらが最終的なシリカゾル中に不純物としていくらか残存することは避けられない。通常は、珪砂をアルカリ溶融する際に水酸化ナトリウムを用いるため、最終的にシリカゾル中に不純物として存在するアルカリ金属はナトリウムである。
本発明者らは、流動層アンモ酸化触媒の原料としてのシリカゾルについて鋭意検討した結果、シリカゾルの製造に際し、珪砂のアルカリ溶融工程で水酸化ナトリウムではなく、水酸化カリウムを用いて得られたシリカゾルを用いると、目的生成物収率が高く、かつアンモニア燃焼性が低いという優れた流動層アンモ酸化触媒が製造できることを見出した。特に、カリウム/モリブデン原子比が0.04/10〜0.4/10である流動層アンモ酸化触媒を製造するに際し、カリウム源として20〜90%は硝酸カリウムを、また、10〜80%はシリカゾル含有のカリウムをそれぞれ原料として用いたときにより優れた流動層アンモ酸化触媒が製造できることを見出した。
得られた触媒において、カリウム/モリブデン原子比が0.04/10未満であると、アンモニア燃焼性が高く、目的生成物収率は低くなり、0.4/10超であるとアンモニア燃焼性は低くなるが、目的生成物収率が低くなる。
また、カリウム源として硝酸カリウム由来のカリウムが20%未満、シリカゾル由来のカリウムが80%超であると、目的生成物収率が低く、活性も低くなり、硝酸カリウム由来のカリウムが90%超、シリカゾル由来のカリウムが10%未満であると、目的生成物収率が低く、アンモニア燃焼性が高くなる。
本発明におけるカリウム酸化物を含むシリカゾルとしては特に限定はないが、シリカゾルの製造に際し、珪砂のアルカリ溶融工程で水酸化カリウムを用いて調製されたシリカゾルがアンモニア燃焼性が低くなるので、好ましい。
シリカゾル中のシリカ濃度としては15〜50質量%が好ましく、18〜45質量%が特に好ましい。この範囲よりも少ないとゾルの安定性は高くなるが、得られる触媒の強度が低くなる傾向があり、また、輸送を考えると合理的でない。他方、高いと、ゾルの安定性が低くなる傾向がある。
シリカゾル中のカリウム濃度としては200〜1000ppmが好ましく、300〜900ppmが特に好ましい。この範囲よりも少ないとアンモニア燃焼性が高くなり易く、他方、高いと、目的生成物収率が低くなり易い。
シリカゾルにおけるシリカコロイド粒子径としては5〜100nmが好ましく、10〜80nmが特に好ましい。この範囲よりも小さいと、目的生成物収率が低くなり、大きいと得られる触媒の強度が低くなる。
また、シリカゾルのpHは7〜11が好ましく、8〜10.5が特に好ましい。ゾルが安定的に存在できる領域だからである。
本発明において、カリウムおよびシリカ以外の原料については特に限定はないが、酸化物または加熱焼成により酸化物になり得る化合物が好ましく、硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、塩化物、硫酸塩などが用いられる。例えば、モリブデン原料としては、パラモリブデン酸アンモニウム、ジモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、二酸化モリブデン等が好ましい。ビスマス原料としては、酸化ビスマス、硝酸ビスマス、次炭酸ビスマス等が好ましい。
水性スラリーの調製方法としては、特に限定はないが、最終的に製造しようとしている触媒の構成元素をすべて所定の原子比率で含んでいることが望ましい。ただし、それらの元素は溶解している状態であっても酸化物等の固形粒子として分散している状態であってもよい。
該水性スラリーのpHは、得られる触媒の結晶相(例えばα型の二価金属モリブデイト)の生成しやすさを好適な範囲内に制御できるので、0〜2の範囲内が好ましい。また、該水性スラリーは50〜105℃の範囲の温度にて加熱処理してもよいが、50℃以上に加温しない方がより好ましい。上記結晶相の生成しやすさを好適な範囲内に制御できるからである。
水性スラリーの乾燥方法としては特に限定はないが、得られる乾燥物の形状として球形が好ましいこと、また、その外径は1〜200μmが好ましく、5〜100μmが特に好ましいことから、このような乾燥物が得られ易い、回転円盤型スプレー乾燥機、圧力ノズル型スプレー乾燥機、二流体ノズル型スプレー乾燥機等のスプレー乾燥機を使用することが好ましい。この際、スプレー乾燥機の乾燥室内に流通させる熱風の温度は、乾燥室内への導入口付近における温度が130〜450℃であることが好ましく、140〜400℃がさらに好ましい。また、乾燥室出口付近における温度は100〜200℃が好ましく、110〜180℃がさらに好ましい。
ついで、得られた乾燥物を、通常500〜750℃の範囲の温度で焼成することにより、望ましい触媒活性構造を備えた触媒が得られる。焼成時間については特に限定はないが、短すぎると良好な触媒が得られない場合があるため、少なくとも1時間は焼成することが好ましい。焼成方法についても汎用の焼成炉を用いることができ制限はないが、特にロータリーキルン、流動焼成炉等が好ましい。
また、焼成に際しては、乾燥物をそのまま500〜750℃に加熱して焼成してもよいが、250〜400℃程度の温度および/または400〜500℃程度の温度で焼成する1〜2段の予備焼成を行ってから、500〜750℃で焼成する方法がより好ましい。
こうして製造された触媒の形状や大きさについては特に制限はないが、より良好な流動性を発揮するためには、球形であって、その外径が1〜200μm、さらには5〜100μmであることが好ましい。
本発明のアンモ酸化反応は、原料有機化合物/アンモニア/酸素=1/0.9〜1.3/1.6〜2.6(モル比)の範囲で行うのが好ましい。酸素源としては空気の利用が工業的に有利である。原料ガスは窒素、水蒸気等の活性ガスで希釈したり、純酸素の添加により酸素濃度を高めることもできる。反応温度は370〜500℃、反応圧力は常圧〜400kPaの範囲が好ましい。接触時間は0.1〜20秒に調節するのが好ましい。
本発明のアンモ酸化反応に用いることのできる原料有機化合物としてはプロピレン、イソブテン、第3級ブタノール、メチル第3級ブチルエーテルなどが挙げられ、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリルを生成する。
以下の実施例は、本発明をより更に詳細に説明するためのものである。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
触媒の活性試験はプロピレンのアンモ酸化反応を例として次のように行った。触媒を内径25mmφ、高さ40cmの流動層反応器に、プロピレン転化率が97〜99%になるように充填し、反応温度440℃になるように保持した。この反応器中にプロピレン:アンモニア:酸素:水のモル比が1:1.2:0.5であるプロピレン、アンモニア、空気および水蒸気の混合ガスを1時間当り6.5L(NTP換算)供給した。反応圧力は200kPaとした。反応試験分析はガスクロマトグラフィーにより行った。
実施例中のアクリロニトリル(AN)収率およびアンモニア燃焼率は下記の式により定義される。
アクリロニトリル収率(%)=(生成したアクリロニトリルのモル数)/(供給したプロピレンのモル数)×100
アンモニアの燃焼性の指標となるアンモニア燃焼率(%)は以下のように定義される。
アンモニア燃焼率(%)=100−[(生成物中の窒素の質量+未反応アンモニア中の窒素の質量)/供給アンモニア中の窒素の質量×100]
[実施例1]
触媒組成が、Mo10Bi0.5Fe1.350.17Ni5.2Mg1.1Cr0.5Ce0.6Rb0.0845.50(SiO35である触媒を以下の要領で調製した。
シリカ含量30質量%かつカリウム含量730ppmのコロイダルシリカ(スタルクヴイテック社製レバジル150N)1609.3質量部および純水1150質量部の混合液に、パラモリブデン酸アンモニウム405.3質量部を溶解した(A液)。
別に、17質量%硝酸水溶液420質量部に、硝酸鉄(III)125.2質量部、硝酸ニッケル347.2質量部、硝酸マグネシウム64.7質量部、硝酸クロム45.9質量部、硝酸セリウム59.8質量部、硝酸ビスマス55.7質量部、硝酸ルビジウム2.7質量部および硝酸カリウム0.9質量部を溶解させた(B液)。
A液をよく撹拌しながら、そこにB液を混合し、水性スラリーを得た。
得られたスラリーを噴霧乾燥機で、入口温度を330℃、出口温度を160℃として噴霧乾燥した。得られた乾燥粉を250℃で2時間、次いで450℃で3時間静置焼成した後、590℃で5時間静置焼成し、触媒を得た。
得られた触媒を接触時間3.0sec.で活性試験を行ったところ、アクリロニトリル収率83.1%、アンモニア燃焼率3.6%であった。
[実施例2]
触媒組成が、Mo10Bi0.3Fe1.50.04Ni3.5Co2.5Mg0.5Ce0.7Cs0.0540.91(SiO40である触媒を実施例1と同様の要領で調製した。
得られた触媒を接触時間2.5sec.で活性試験を行ったところ、アクリロニトリル収率82.8%、アンモニア燃焼率4.3%であった。
[実施例3]
触媒組成が、Mo10Bi1.1Fe2.10.35Ni3.8Co2.1Rb0.0435.51(SiO45である触媒を実施例1と同様の要領で調製した。
得られた触媒を接触時間2.2sec.で活性試験を行ったところ、アクリロニトリル収率82.6%、アンモニア燃焼率5.2%であった。
[実施例4]
触媒組成が、Mo10Bi0.6Fe0.60.2NiCs0.05Te0.2547.3(SiO35である触媒を実施例1と同様の要領で調製した。
得られた触媒を接触時間2.7sec.で活性試験を行ったところ、アクリロニトリル収率82.0%、アンモニア燃焼率4.0%であった。
[比較例1]
触媒組成が実施例1と同様で、コロイダルシリカとして、シリカ含量30質量%かつ実質的にカリウムを含まないコロイダルシリカ(スタルクヴイテック社製レバジル200CN)に変更して表1に示すように調製した。
得られた触媒を接触時間3.2sec.で活性試験を行ったところ、アクリロニトリル収率81.3%、アンモニア燃焼率16.1%であった。
[比較例2]
触媒組成が、Mo10Bi0.5Fe1.350.6Ni5.2Cr0.5Mg1.1Ce0.6Rb0.0845.07(SiO35である触媒を実施例1の要領で表1に示すように調製した。
得られた触媒を接触時間3.5sec.で活性試験を行ったところ、アクリロニトリル収率80.2%、アンモニア燃焼率8.9%であった。
[比較例3]
触媒組成が、Mo10Bi0.5Fe1.350.14Ni5.2Cr0.5Mg1.1Ce0.6Rb0.0845.53(SiO35である触媒を実施例1の要領で表1に示すように調製した。
得られた触媒を接触時間3.1sec.で活性試験を行ったところ、アクリロニトリル収率80.9%、アンモニア燃焼率9.2%であった。
[比較例4]
触媒組成が、実施例2と同様で、コロイダルシリカとして、シリカ含量20質量%かつ実質的にカリウムを含まないコロイダルシリカ(日産化学社製スノーテックスN)に変更して調製した。
得られた触媒を接触時間2.8sec.で活性試験を行ったところ、アクリロニトリル収率81.6%、アンモニア燃焼率10.2%であった。
[比較例5]
触媒組成が、Mo10Bi0.3Fe1.50.23Ni3.5Co2.5Mg0.5Ce0.7Cs0.0540.72(SiO40である触媒を実施例1の要領で表1に示すように調製した。
得られた触媒を接触時間3.0sec.で活性試験を行ったところ、アクリロニトリル収率81.0%、アンモニア燃焼率18.0%であった。
Figure 0004597782
表1から明らかなように、本実施例の触媒を使用すると、アクリロニトリルの収率が高く、かつ、アンモニア燃焼率が低いものであった。
しかしながら、カリウム源としてシリカゾルを使用していない比較例1、4、カリウム源として硝酸カリウムを使用していない比較例3、5、K/Moが0.6/10の比較例2では、いずれもアクリロニトリルの収率が低く、かつ、アンモニア燃焼率が高いものであった。

Claims (1)

  1. 少なくともカリウムとモリブデンをその原子比として0.04/10〜0.4/10の割合で含有する流動層アンモ酸化触媒の製造方法であって、
    カリウム源として、硝酸カリウム由来のカリウムを20〜90%、かつ、カリウム含有シリカゾル由来のカリウムを10〜80%用いることを特徴とする流動層アンモ酸化触媒の製造方法。
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