JP2014061511A - アクリロニトリル製造用触媒、その製造方法及びアクリロニトリルの製造方法 - Google Patents

アクリロニトリル製造用触媒、その製造方法及びアクリロニトリルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い収率でアクリロニトリルを製造することができるアクリロニトリル製造用触媒、その製造方法及びアクリロニトリルの製造方法。
【解決手段】次式で表されるアクリロニトリル製造用触媒。FeSbTeCr(SiO (式中、Cは銅、ニッケル又はコバルト、Dはモリブデン、タングステン又はバナジウム、Gはリン又はホウ素、Xはスズ、チタン、ジルコニウム等、Yはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム等。a=10のとき、b=5〜60、c=0.1〜8、d=0.1〜4、e=0.1〜5、f=0.1〜4.5、g=0.1〜5、x=0〜5、y=0〜5、i=10〜200、0.50≦(a+f)/b≦0.60)
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレンを分子状酸素およびアンモニアにより気相接触アンモ酸化してアクリロニトリルを製造するためのアクリロニトリル製造用触媒、その製造方法及び該触媒を用いたアクリロニトリルの製造方法に関する。
アクリロニトリルの製造方法として、触媒の存在下、プロピレンを分子状酸素およびアンモニアにより気相接触アンモ酸化する方法が広く知られており、その際に使用する触媒としてこれまでに種々の触媒が開示されている。
例えば特許文献1にはアンチモンと鉄およびコバルト、ニッケルよりなる群から選ばれた少なくとも一種の元素との複合酸化物触媒が、特許文献2〜9には鉄、アンチモン、テルル、さらにバナジウム、モリブデン、タングステン等を含有する複合酸化物触媒が、特許文献10〜12にはこれら鉄、アンチモンを含有する触媒の調製法が開示されている。
また、特許文献13〜20にはモリブデン、ビスマスと鉄等を含有する複合酸化物触媒が開示されている。
特公昭38−19111号公報 特公昭46−2804号公報 特公昭47−19765号公報 特公昭47−19766号公報 特公昭47−19767号公報 特開昭50−108219号公報 特開昭52−125124号公報 特開平4−118051号公報 特開2009−220008号公報 特公昭47−18722号公報 特公昭47−18723号公報 特公昭59−139938号公報 特公昭38−17967号公報 特開昭59−204163号公報 特公昭61−13701号公報 特開平1−228950号公報 特開平07−047272号公報 特開平10−043595号公報 特開平11−169715号公報 特開2001−114740号公報
しかしながら、これらの触媒は、アクリロニトリル収率の点でまだ不十分であり、工業的見地から触媒の更なる改良が望まれている。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、従来の触媒に比べて高い収率でアクリロニトリルを製造することができるアクリロニトリル製造用触媒、その製造方法及びアクリロニトリルの製造方法を目的とする。
本発明者らは、鉄、アンチモンおよびテルルを含有するアクリロニトリル製造用触媒に関して鋭意検討した結果、これらの成分にさらに特定の成分を、特定の比率で複合させることでアクリロニトリル収率の高い触媒を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のアクリロニトリル製造用触媒は、下記一般式で表される組成を有することを特徴とする。
FeSbTeCr(SiO
式中、Feは鉄、Sbはアンチモン、Teはテルル、Crはクロム、
Cは銅、ニッケルおよびコバルトからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
Dはモリブデン、タングステンおよびバナジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
Gはリンおよびホウ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
Xはスズ、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、ルテニウム、パラジウム、銀、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、ヒ素、ビスマス、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジムおよびサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
Yはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、マンガン、亜鉛および鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
Oは酸素、(SiO)はシリカを表す。
a、b、c、d、e、f、g、x、y、hおよびiは各元素(シリカの場合はケイ素)の原子比を表し、a=10のとき、b=5〜60、c=0.1〜8、d=0.1〜4、e=0.1〜5、f=0.1〜4.5、g=0.1〜5、x=0〜5、y=0〜5、i=10〜200、hはケイ素を除く前記各元素の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比であり、かつ、0.50≦(a+f)/b≦0.60である。
また、鉄の原子比aとクロムの原子比fの比が、0.01≦f/a≦0.25であることが好ましい。
更に、本発明のアクリロニトリル製造用触媒は、アンチモン酸鉄を結晶相として含有することが好ましい。
上記アクリロニトリル製造用触媒の製造方法としては、少なくとも、鉄原料、アンチモン原料及びシリカ原料を含有するスラリーをpH1.0〜7.0に調整後、加熱処理し、そのpH調整した加熱処理後のスラリーにCr原料を添加する方法が望ましい。
また、本発明のアクリロニトリルの製造方法は、前記アクリロニトリル製造用触媒の存在下、プロピレンと分子状酸素およびアンモニアとを反応させてアクリロニトリルを製造することを特徴とする。
本発明のアクリロニトリル製造用触媒によれば、従来の触媒と比較して副生成物の生成が抑制され、高い収率でアクリロニトリルを製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は下記一般式で表される組成を有する、アクリロニトリル製造用触媒である。
FeSbTeCr(SiO
式中、各記号は次の通り。
Feは鉄、
Sbはアンチモン、
Teはテルル、
Crはクロム、
Cは銅、ニッケルおよびコバルトからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
Dはモリブデン、タングステンおよびバナジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
Gはリンおよびホウ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
Xはスズ、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、ルテニウム、パラジウム、銀、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、ヒ素、ビスマス、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジムおよびサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
Yはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、マンガン、亜鉛および鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
Oは酸素、(SiO)はシリカを表す。
また、a、b、c、d、e、f、g、x、y、hおよびiは各元素(シリカの場合はケイ素)の原子比を表す。そして、a=10のとき、
b=5〜60、好ましくは10〜55であり、
c=0.1〜8、好ましくは0.3〜7であり、
d=0.1〜4、好ましくは0.3〜3であり、
e=0.1〜5、好ましくは0.3〜4.5であり、
f=0.1〜4.5、好ましくは0.2〜3.5であり、
g=0.1〜5、好ましくは0.3〜4であり、
x=0〜5、好ましくは0〜4.5であり、
y=0〜5、好ましくは0〜4.5であり、
i=10〜200、好ましくは20〜180であり、
hはケイ素を除く前記各元素の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。
かつ、0.50≦(a+f)/b≦0.60、を満たす。下限は好ましくは、0.52、上限は好ましくは、0.57である。
触媒に含有される各元素の原子比が上記の範囲外となると、アクリロニトリル収率が低下するなどして、本発明の効果が十分に発現せず、本発明の目的を達成することが困難となる。
また、鉄の原子比aとクロムの原子比fの比が、0.01≦f/a≦0.25であることが好ましい。f/aの下限は、更に好ましくは、0.03、上限は更に好ましくは、0.23である。このf/aが前記範囲内にあると、アクリロニトリルの収率がより高くなる。
本発明において、アクリロニトリル製造用触媒の組成とは触媒のバルク組成を指すが、著しく揮発性の高い成分を用いない限りは、触媒を構成する各元素の原料の仕込み量から触媒の組成(原子比)を算出してもよい。
また、本発明の触媒はアンチモン酸鉄を結晶相として含有することが好ましい。アンチモン酸鉄の組成は数種類存在するが(前述の特許文献8参照)、FeSbOが最も一般的であり、X線回折によりその結晶相の存在を確認することができる。アンチモン酸鉄は純粋なアンチモン酸鉄の他、これに種々の元素が固溶していてもよい。
アンチモン酸鉄を結晶相として含有することで、触媒活性が向上すると共に、粒子強度や嵩密度等の物性を好ましいものとすることができる。
本発明のアクリロニトリル製造用触媒の製造方法としては、例えば、触媒を構成する各元素の原料を含有する水性スラリーを調合し、得られた水性スラリーを乾燥後、焼成する方法が好ましい。
水性スラリーには、触媒を構成する所望の元素の全てが、所望の原子比で含有されていてもよく、一部の元素を乾燥後あるいは焼成後の触媒組成物に含浸等の方法により添加してもよい。
特に、少なくとも、鉄原料、アンチモン原料及びシリカ原料を含有するスラリーをpH1.0〜7.0に調整後、加熱処理し、そのpH調整した加熱処理後のスラリーにCr原料を添加することが望ましい。
スラリーのpHの値としては、下限として1.5がより好ましく、上限として4.0がより好ましい。
pHを調整する方法としては、例えば、スラリーの酸性を強める方法として、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸や、これらの触媒原料に用いられる鉱酸塩を添加する方法、また、これらを組合わせる方法などが挙げられる。スラリーの酸性を弱める方法として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等のアルカリを添加する方法、また、これらを組合わせる方法などが挙げられる。
pH調整後のスラリーの加熱処理に関して、加熱処理温度は、40〜150℃が好ましい。加熱処理温度の下限は70℃がより好ましく、95℃が更に好ましい。上限は110℃がより好ましく、105℃が更に好ましい。加熱処理時間は、0.5時間以上が好ましく、1時間以上がより好ましい。加熱処理時間は、長いほど触媒原料同士の反応を充分に進行できる。但し、必要以上に長時間の加熱を行なっても一定以上の効果は得られないので、48時間以下で充分であり、24時間以内が好ましい。
また、アンチモン酸鉄を結晶相として含有する触媒を調製する場合には、例えば特許文献10あるいは特許文献11に記載の方法を用いることができる。
すなわち、アンチモン原料、3価の鉄化合物および硝酸イオンを含有する水性スラリーを調合し、このスラリーのpHを7以下に調整した後に40〜150℃の範囲の温度で加熱処理し、得られたスラリーを乾燥、焼成する方法で、アンチモン酸鉄を結晶相として含有する触媒を調製できる。
各元素の原料としては特に制限はなく、各元素の酸化物、または加熱により容易に酸化物になり得る硝酸塩、炭酸塩、有機酸塩、アンモニウム塩、水酸化物、ハロゲン化物等を用いることができる。また、これらを複数種、組み合わせて使用してもよい。例えば、鉄成分の原料としては、容易に酸化物に変換し得るものであれば特に制限されない。また、アンチモン酸鉄を結晶相として含有する触媒を調製する場合には、溶液またはスラリー中において鉄は3価のイオンとして存在することが好ましく、例えば硝酸第二鉄、硫酸第二鉄等の無機酸塩類、クエン酸鉄等の有機酸塩類や、電解鉄粉等の金属鉄を硝酸等に溶解したものが好ましく用いられる。
アンチモン成分としては特に制限はなく、三酸化アンチモンや五酸化アンチモン等の酸化物、塩化アンチモンや硫酸アンチモン等を用いることができる。
テルル成分の原料としては特に制限はなく、二酸化テルルやテルル酸の他、金属テルルを硝酸や過酸化水素水に溶解した溶液を用いることができる。
クロム成分の原料としては特に制限はなく、酸化クロムや三酸化クロム等の酸化物、塩化クロムなどの塩化物、硝酸クロム等を用いることができる。
シリカ原料としては特に制限はないが、コロイダルシリカを用いることが好ましい。コロイダルシリカは市販のものから適宜選択して用いることができる。尚、アルカリ金属が触媒中に含まれると活性が低下することが知られているので、その混入はできるだけ排除することが望ましい。シリカ原料には極微量のアルカリ金属が含まれていることがあるが、実質的には無視し得る範囲内である。
コロイダルシリカにおけるコロイド粒子の大きさは特に制限はないが、平均直径が2〜100nmであることが好ましく、5〜75nmであることがより好ましい。コロイダルシリカはコロイド粒子の大きさが均一のものでも良く、数種類の大きさのコロイド粒子が混ざったものでもよい。また、平均直径やpHなどの異なる複数種のコロイダルシリカを混合して用いてもよい。
水性スラリーの乾燥方法としては特に制限はなく、公知の方法から任意に選択して用いればよい。
尚、本発明の触媒は固定層反応器、流動層反応器のいずれにも適用できる。即ち、固定層触媒として、或いは流動層触媒として使用できるが、特に流動層触媒として使用することが好ましい。
本発明のアクリロニトリル製造用触媒を流動層触媒として用いる場合には、噴霧乾燥機を用いて球状の乾燥粒子を得ることが好ましい。噴霧乾燥機としては回転円盤式、ノズル式等公知のものを用いることができる。噴霧乾燥に際しては、粒径分布や粒子強度等、流動層触媒として好ましい物性を有する触媒が得られるよう、噴霧乾燥条件を適宜調整する。
また、流動層で用いる場合には、その形状は球形が好ましい。その外径は、1〜200μmの範囲にあることが好ましく、5〜150μmの範囲にあることが特に好ましい。
得られた乾燥物を550〜1000℃の範囲の温度で焼成することにより、望ましい触媒構造が形成され、触媒としての活性が発現する。焼成時間には特に制限はないが、短すぎると良好な触媒が得られないため0.5時間以上であることが好ましく、1時間以上であることがさらに好ましい。上限は特に制限はないが、必要以上に長時間の焼成を行っても一定以上の効果は得られないため、通常20時間以内である。焼成の方法についても特に制限はなく、汎用の焼成炉を用いることができる。流動層触媒を製造する場合にはロータリーキルン、流動焼成炉等が特に好ましく用いられる。
焼成に際しては、乾燥物を即座に550〜1000℃の範囲の温度で焼成してもよいが、250〜500の温度範囲で1〜2段階の予備焼成を行った後、550〜1000℃の範囲の温度で焼成を行うことで触媒の物性や活性が向上する場合がある。
本発明のアクリロニトリルの製造方法は、前述のアクリロニトリル製造用触媒を用いることに特徴があり、既知の通り、プロピレンを分子状酸素(以下、単に酸素と記す。)およびアンモニアにより気相接触アンモ酸化反応させればよい。
この際、流動層反応器を用いることが好ましい。
気相接触アンモ酸化反応を行う際の原料ガス中のプロピレン濃度は、広い範囲で変えることができ、1〜20容量%が好ましく、3〜15容量%が更に好ましい。
原料ガス中のプロピレンと酸素のモル比(プロピレン:酸素)は1:1.5〜1:3が好ましい。酸素源としては空気を用いることが工業的に有利であるが、必要に応じて純酸素を加えることによって酸素富化した空気を用いてもよい。
また、反応ガス中のプロピレンとアンモニアのモル比(プロピレン:アンモニア)は、1:1〜1:1.5が好ましい。
原料ガスは不活性ガスや水蒸気等で希釈してもよい。
気相接触アンモ酸化反応は、通常、反応温度を370〜500℃、反応圧力を常圧〜500kPa、触媒と原料ガスの見掛け接触時間を1〜20秒として実施される。なお、本発明において「見掛け接触時間」とは、下記式より求められる値のことである。
見掛け接触時間(秒)=見掛け嵩密度基準の触媒容積(mL)/反応条件に換算した原料ガス量(mL/秒)。
以下、本発明の効果を実施例および比較例により具体的に示すが、本発明は下記の実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(触媒の製造)
表1に示す組成を有する触媒を、以下の手順で調製した。
63質量%の硝酸1850質量部に銅粉末51.2質量部を溶解した。この溶液に純水1800質量部を添加してから60℃に加熱し、電解鉄粉150質量部、テルル粉末24.0質量部を少量ずつ添加し、溶解した。溶解を確認した後、硝酸マンガン15.4質量部を順次添加し、溶解した(A液)。
別途、純水1400質量部にパラタングステン酸アンモニウム28.1質量部を溶解した溶液(B液)、純水150質量部、35質量%過酸化水素水75質量部にパラモリブデン酸アンモニウム23.7質量部、テルル粉末24.0質量部を溶解した溶液(C液)を調製した。
攪拌しながらA液に20質量%コロイダルシリカ4841質量部、三酸化アンチモン粉末865.6質量部、B液、C液を順次添加して水性スラリーを得た。
この水性スラリーに15質量%アンモニア水を滴下してpHを2.0に調整し、得られた水性スラリーを還流下、沸点で3時間加熱処理した。
加熱処理後の水性スラリーを80℃まで冷却し、85質量%リン酸9.3質量部、ホウ酸31.6質量部、硝酸クロム161.2質量部を順次添加した。
得られた水性スラリーを、噴霧乾燥機により、乾燥空気の温度を乾燥機入口で330℃、乾燥機出口で160℃として噴霧乾燥し、球状の乾燥粒子を得た。次いで、得られた乾燥粒子を250℃で2時間、400℃で2時間焼成し、最終的に流動焼成炉を用いて795℃で3時間流動焼成し、アンチモン酸鉄を結晶相として含有する触媒を得た。
(触媒性能試験)
得られた触媒を用い、以下の要領でプロピレンの気相接触アンモ酸化反応によるアクリロニトリル製造反応を実施し、触媒性能試験を実施した。
触媒流動部の内径が55mm、高さが2000mmの流動層反応器に、触媒と原料ガスの見掛け接触時間が表2の通りになるように触媒を充填した。
酸素源として空気を用い、組成がプロピレン:アンモニア:酸素=1:1.1:2.3(モル比)である原料ガスを、ガス線速度17cm/秒で触媒層に送入した。反応圧力は200kPa、反応温度は460℃とした。
反応生成物の定量はガスクロマトグラフィーにて行い、反応開始4時間後のプロピレン転化率およびアクリロニトリル収率を求めた。その際のプロピレン転化率、アクリロニトリル収率は下記の式により求めた。
プロピレン転化率(%)=(反応消費されたプロピレンのモル数/原料ガスとして供給したプロピレンのモル数)×100
アクリロニトリル収率(%)=(生成したアクリロニトリルのモル数/原料ガスとして供給したプロピレンのモル数)×100
(実施例2)
実施例1において、硝酸クロム161.2質量部の添加をホウ酸添加後から硝酸マンガン添加後に変更した点以外は、実施例1と同様の手順で、表1に示す組成を有する触媒の調製を行った。
得られた触媒について実施例1と同様に触媒性能試験を実施した。結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1において、硝酸クロムの仕込み量を43.0質量部に変更し、硝酸クロムの添加をホウ酸添加後から硝酸マンガン添加後に変更、三酸化アンチモンの粉末の仕込み量を747.6質量部に変更した点以外は、実施例1と同様の手順で、表1に示す組成を有する触媒の調製を行った。
得られた触媒について実施例1と同様に触媒性能試験を実施した。結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例1において、硝酸クロムの仕込み量を236.4質量部に変更し、硝酸クロムの添加をホウ酸添加後から硝酸マンガン添加後に変更した点以外は、実施例1と同様の手順で、表1に示す組成を有する触媒の調製を行った。
得られた触媒について実施例1と同様に触媒性能試験を実施した。結果を表2に示す。
(実施例5)
表1に示す組成を有する触媒を、以下の手順で調製した。
63質量%の硝酸1800質量部に銅粉末34.1質量部を溶解した。この溶液に純水1750質量部を添加してから60℃に加熱し、電解鉄粉150質量部、テルル粉末51.4質量部を少量ずつ添加し、溶解した。溶解を確認した後、硝酸ニッケル15.6質量部、硝酸ジルコニル7.2質量部を順次添加し、溶解した(A液)。
別途、純水700質量部にパラタングステン酸アンモニウム14.0質量部を溶解した溶液(B液)、純水300質量部、35質量%過酸化水素水160質量部にパラモリブデン酸アンモニウム47.4質量部、テルル粉末51.4質量部を溶解した溶液(C液)を調製した。
攪拌しながらA液に20質量%コロイダルシリカ4437質量部、三酸化アンチモン粉末826.2質量部、B液、C液を順次添加して水性スラリーを得た。
この水性スラリーに15質量%アンモニア水を滴下してpHを2.0に調整し、得られた水性スラリーを還流下、沸点で3時間加熱処理した。
加熱処理後の水性スラリーを80℃まで冷却し、硝酸クロム161.2質量部、85質量%リン酸15.5質量部、ホウ酸26.6質量部を順次添加した。
得られた水性スラリーを、噴霧乾燥機により、乾燥空気の温度を乾燥機入口で330℃、乾燥機出口で160℃として噴霧乾燥し、球状の乾燥粒子を得た。次いで、得られた乾燥粒子を250℃で2時間、400℃で2時間焼成し、最終的に流動焼成炉を用いて785℃で3時間流動焼成し、アンチモン酸鉄を結晶相として含有する触媒を得た。
得られた触媒について実施例1と同様に触媒性能試験を実施した。結果を表2に示す。
(実施例6)
実施例5において、硝酸クロム161.2質量部の添加を、加熱処理後80℃に冷却したスラリーへの添加から硝酸ジルコニル添加後に変更した点以外は、実施例5と同様の手順で、表1に示す組成を有する触媒の調製を行った。
得られた触媒について実施例1と同様に触媒性能試験を実施した。結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例5において、硝酸クロムの仕込み量を107.5質量部に変更し、加熱処理後80℃に冷却したスラリーへの添加から硝酸ジルコニル添加後に変更した点以外は、実施例5と同様の手順で、表1に示す組成を有する触媒の調製を行った。
得られた触媒について実施例1と同様に触媒性能試験を実施した。結果を表2に示す。
(実施例8)
表1に示す組成を有する触媒を、以下の手順で調製した。
63質量%の硝酸1850質量部に銅粉末42.7質量部を溶解した。この溶液に純水1800質量部を添加してから60℃に加熱し、電解鉄粉150質量部、テルル粉末68.5質量部を少量ずつ添加し、溶解した。溶解を確認した後、硝酸クロム257.9質量部、硝酸ニッケル39.1質量部、硝酸カルシウム3.2質量部、硝酸ランタン11.6質量部を順次添加し、溶解した(A液)。
別途、純水1750質量部にパラタングステン酸アンモニウム35.1質量部を溶解した溶液(B液)、純水350質量部、35質量%過酸化水素水210質量部にパラモリブデン酸アンモニウム47.4質量部、テルル粉末68.5質量部を溶解した溶液(C液)を調製した。
攪拌しながらA液に20質量%コロイダルシリカ4600質量部、三酸化アンチモン粉末865.6質量部、B液、C液を順次添加して水性スラリーを得た。
この水性スラリーに15質量%アンモニア水を滴下してpHを2.0に調整し、得られた水性スラリーを還流下、沸点で3時間加熱処理した。
加熱処理後の水性スラリーを80℃まで冷却し、85質量%リン酸31.0質量部を添加した。
得られた水性スラリーを、噴霧乾燥機により、乾燥空気の温度を乾燥機入口で330℃、乾燥機出口で160℃として噴霧乾燥し、球状の乾燥粒子を得た。次いで、得られた乾燥粒子を250℃で2時間、400℃で2時間焼成し、最終的に流動焼成炉を用いて780℃で3時間流動焼成し、アンチモン酸鉄を結晶相として含有する触媒を得た。
得られた触媒について実施例1と同様に触媒性能試験を実施した。結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1において、硝酸クロムの仕込み量を53.7質量部に変更し、硝酸クロムの添加をホウ酸添加後から硝酸マンガン添加後に変更、三酸化アンチモンの粉末の仕込み量を983.6質量部に変更した点以外は、実施例1と同様の手順で、表1に示す組成を有する触媒の調製を行った。
得られた触媒について実施例1と同様に触媒性能試験を実施した。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1において、硝酸クロムの仕込み量を322.4質量部に変更し、硝酸クロムの添加をホウ酸添加後から硝酸マンガン添加後に変更、三酸化アンチモンの粉末の仕込み量を826.2質量部に変更した点以外は、実施例1と同様の手順で、表1に示す組成を有する触媒の調製を行った。
得られた触媒について実施例1と同様に触媒性能試験を実施した。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例1において、硝酸クロムを添加しない点以外は、実施例1と同様の手順で、表1に示す組成を有する触媒の調製を行った。
得られた触媒について実施例1と同様に触媒性能試験を実施した。結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例5において、硝酸クロムを添加しない点以外は、実施例5と同様の手順で、表1に示す組成を有する触媒の調製を行った。
得られた触媒について実施例1と同様に触媒性能試験を実施した。結果を表2に示す。
(比較例5)
実施例5において、硝酸クロムの仕込み量を376.6質量部に変更し、加熱処理後80℃に冷却したスラリーへの添加から硝酸ジルコニル添加後に変更した点以外は、実施例5と同様の手順で、表1に示す組成を有する触媒の調製を行った。
得られた触媒について実施例1と同様に触媒性能試験を実施した。結果を表2に示す。
(比較例6)
実施例8において、三酸化アンチモン粉末の仕込み量を708.2質量部に変更した以外は、実施例8と同様の手順で、表1に示す組成を有する触媒の調製を行った。
得られた触媒について実施例1と同様に触媒性能試験を実施した。結果を表2に示す。
Figure 2014061511
Figure 2014061511
表2から明らかなように、実施例に係る触媒であれば、0.50≦(a+f)/b≦0.60の要件を満たさない比較例に比して、アクリロニトリル収率を高められるものであった。
本発明のアクリロニトリル製造用触媒によれば、プロピレンを気相接触アンモ酸化してアクリロニトリルを製造するに際し、高いアクリロニトリル収率を達成できる。すなわち、本発明のアクリロニトリル製造用触媒を用いることによって、工業的に有利にアクリロニトリルを製造でき、その工業的価値は高い。

Claims (5)

  1. 下記一般式で表される組成を有する、アクリロニトリル製造用触媒。
    FeSbTeCr(SiO
    (式中、Feは鉄、Sbはアンチモン、Teはテルル、Crはクロム、Cは銅、ニッケルおよびコバルトからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Dはモリブデン、タングステンおよびバナジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Gはリンおよびホウ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Xはスズ、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、ルテニウム、パラジウム、銀、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、ヒ素、ビスマス、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジムおよびサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Yはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、マンガン、亜鉛および鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Oは酸素、(SiO)はシリカを表す。
    a、b、c、d、e、f、g、x、y、hおよびiは各元素(シリカの場合はケイ素)の原子比を表し、a=10のとき、b=5〜60、c=0.1〜8、d=0.1〜4、e=0.1〜5、f=0.1〜4.5、g=0.1〜5、x=0〜5、y=0〜5、i=10〜200、hはケイ素を除く前記各元素の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比であり、かつ、0.50≦(a+f)/b≦0.60である。)
  2. 鉄の原子比aとクロムの原子比fの比が、0.01≦f/a≦0.25であることを特徴とする請求項1に記載のアクリロニトリル製造用触媒。
  3. アンチモン酸鉄を結晶相として含有することを特徴とする請求項1または2に記載のアクリロニトリル製造用触媒。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクリロニトリル製造用触媒の製造方法であって、
    少なくとも、鉄原料、アンチモン原料及びシリカ原料を含有するスラリーをpH1.0〜7.0に調整後、加熱処理し、そのpH調整した加熱処理後のスラリーにCr原料を添加することを特徴とするアクリロニトリル製造用触媒の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクリロニトリル製造用触媒の存在下、プロピレンと分子状酸素およびアンモニアとを反応させてアクリロニトリルを製造することを特徴とするアクリロニトリルの製造方法。
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JP2016010769A (ja) * 2014-06-30 2016-01-21 三菱レイヨン株式会社 流動層触媒の製造方法およびニトリル化合物の製造方法

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