JP2013129590A - ゼオライト及びその製造方法並びにパラフィンの接触分解触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒活性が高く、かつ失活しにくいベータ型ゼオライトを提供すること。
【解決手段】本発明のベータ型ゼオライトは、略八面体の形状を有し、Si/Al比が5以上であり、プロトン型であることを特徴とする。Si/Al比が40以上であることが好適である。このベータ型ゼオライトは、構造規定剤を用いずに合成された原料ベータ型ゼオライトをイオン交換によってアンモニウム型となし、次いで該ベータ型ゼオライトを水蒸気に曝露し、曝露後の該ベータ型ゼオライトを酸処理に付すことで得られたものであることが好適である。
【選択図】図2

Description

本発明はベータ型ゼオライト及びMSE型ゼオライトに関する。本発明のベータ型ゼオライト及びMSE型ゼオライトは、固体酸触媒や吸着剤として有望なものであり、更に詳細にはパラフィンの接触分解触媒、例えば石油化学工業における長鎖炭化水素のクラッキング触媒として特に有望であり、また、内燃機関の排気ガス浄化用ハイドロカーボントラップとしても有望なものである。また本発明は、原料としてのベータ型ゼオライト又はMSE型ゼオライトから、Si/Al比が高められたベータ型ゼオライト又はMSE型ゼオライトを製造する方法に関する。
ベータ型ゼオライトは、固体酸触媒や吸着剤として有用なものであり、石油化学工業における触媒として、また内燃機関の排気ガス浄化用ハイドロカーボントラップとして、現在世界中で多量に使用されている。ベータ型ゼオライトの合成法は種々提案されている。一般的な方法はテトラエチルアンモニウムイオンを含む化合物を構造規定剤(以下「有機SDA」と略称する。)として用いる方法である。そのような方法は例えば以下の特許文献1に記載されている。しかしながら、テトラエチルアンモニウムイオンを含む化合物は高価である上に、ベータ型ゼオライトの結晶化終了後は過剰分のほとんどが分解してしまい、結晶に取り込まれた分も分解以外の方法で除去できないため、回収して再利用することは不可能である。そのために、この方法により製造したベータ型ゼオライトは高価である。更に、結晶中にテトラエチルアンモニウムイオンが取り込まれるため、吸着剤や触媒として使用する際には焼成により除去する必要がある。その際の排ガスは環境汚染の原因となり、また、合成母液の無害化処理のためにも多くの薬剤を必要とする。このように、テトラエチルアンモニウムイオンを用いるベータ型ゼオライトの合成方法は高価であるばかりでなく、環境負荷の大きい製造方法であることから、有機SDAを用いない製造方法の実現が望まれていた。
このような状況の中で、最近、有機SDAを使用しないベータ型ゼオライトの合成方法が特許文献2において提案された。同文献においては、特定の組成の反応混合物となるように、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源、及び水を混合し;SiO2/Al23比が8〜30であり、かつ平均粒子径が150nm以上である有機化合物を含まないベータ型ゼオライトを種結晶として用い、これを、前記反応混合物中のシリカ成分に対して0.1〜20質量%の割合で該反応混合物に添加し;前記種結晶が添加された前記反応混合物を100〜200℃で密閉加熱することで、有機SDAを使用せずにベータ型ゼオライトを合成している。
ところで、ベータ型ゼオライトを、石油化学工業における触媒として用いる場合や、内燃機関の排気ガス浄化用ハイドロカーボントラップとして用いる場合には、そのSi/Al比を高めることが、性能向上の観点から有利である。ベータ型ゼオライトにおけるSi/Al比を高めるための手法としては、例えば特許文献3に記載されているとおり、水蒸気処理及び酸処理をこの順で行う方法が知られている。
米国特許第3,308,069号明細書 国際公開2011/013560号パンフレット 特開2010−215434号公報
しかし、ベータ型ゼオライトのSi/Al比を高めただけでは、高温での使用時にベータ型ゼオライトの触媒活性が低下してしまうことがある。また、ベータ型セオライトと骨格と触媒特性等の諸物性が類似するMSE型ゼオライトについても同様の課題がある。
本発明の課題は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得るゼオライト及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、略八面体の形状を有し、Si/Al比が5以上であり、プロトン型であることを特徴とするベータ型ゼオライトを提供することによって、前記の課題を解決したものである。
また本発明は、Si/Al比が5以上であり、プロトン型であり、
構造規定剤を用いずに合成された原料MSE型ゼオライトをイオン交換によってアンモニウム型となし、次いで該MSE型ゼオライトを水蒸気に曝露し、曝露後の該MSE型ゼオライトを酸処理に付すことで得られたものであることを特徴とするMSE型ゼオライトを提供するものである。
また本発明は、前記のベータ型ゼオライト又はMSE型ゼオライトを含むパラフィンの接触分解触媒を提供するものである。
また本発明は、原料ベータ型ゼオライトをイオン交換によってアンモニウム型となし、次いで該ベータ型ゼオライトを水蒸気に曝露し、曝露後の該ベータ型ゼオライトを酸処理に付して、Si/Al比が高められたベータ型ゼオライトを得るベータ型ゼオライトの製造方法であって、イオン交換に付される原料ベータ型ゼオライトとして、構造規定剤を用いずに合成されたものを用いるベータ型ゼオライトの製造方法を提供するものである。
更に本発明は、原料MSE型ゼオライトをイオン交換によってアンモニウム型となし、次いで該MSE型ゼオライトを水蒸気に曝露し、曝露後の該MSE型ゼオライトを酸処理に付して、Si/Al比が高められたMSE型ゼオライトを得るMSE型ゼオライトの製造方法であって、イオン交換に付される原料MSE型ゼオライトとして、構造規定剤を用いずに合成されたものを用いるMSE型ゼオライトの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、触媒活性が高く、かつ失活しにくいベータ型ゼオライト及びMSE型ゼオライトが提供される。また本発明によれば、ゼオライトの結晶構造を破壊することなく、Si/Al比の高いベータ型ゼオライト及びMSE型ゼオライトを容易に製造することができる。
図1は、ベータ型ゼオライトの水蒸気曝露に用いられる装置を示す模式図である。 図2(a)は、有機構造規定剤を用いずに合成されたベータ型ゼオライトの走査型電子顕微鏡像であり、図2(b)は、図2(a)に示すベータ型ゼオライトを脱アルミニウム化した後(実施例1)の走査型電子顕微鏡像である。 図3は、実施例1ないし5及び比較例1で得られたベータ型ゼオライトのX線回折図である。 図4(a)は、有機構造規定剤を用いて合成されたベータ型ゼオライトの走査型電子顕微鏡像であり、図4(b)は、図4(a)に示すベータ型ゼオライトを脱アルミニウム化した後(比較例3)の走査型電子顕微鏡像である。 図5は、比較例2及び3で得られたベータ型ゼオライトのX線回折図である。 図6は、ベータ型ゼオライトの触媒活性を評価するための装置の概略図である。 図7は、実施例及び比較例で得られたベータ型ゼオライトを触媒として、ヘキサンのクラッキングを行ったときの転化率の温度依存性を表すグラフである。 図8は、実施例及び比較例で得られたベータ型ゼオライトを触媒として、ヘキサンのクラッキングを行ったときの転化率の時間依存性を表すグラフである。 図9は、実施例6ないし8で得られたベータ型ゼオライトのX線回折図である。 図10は、実施例9ないし16で得られたベータ型ゼオライトのX線回折図である。 図11は、実施例17及び18で得られたベータ型ゼオライトのX線回折図である。 図12は、実施例19並びに比較例4及び5で得られたMSE型ゼオライトのX線回折図である。 図13は、実施例及び比較例で得られたMSE型ゼオライトを触媒として、ヘキサンのクラッキングを行ったときの転化率の時間依存性を表すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。以下の説明において単に「ゼオライト」というときは、文脈に応じ「ベータ型ゼオライト」若しくは「MSE型ゼオライト」のいずれか一方を指すか、又は両方を指す。本発明のベータ型ゼオライト及びMSE型ゼオライトのうち、ベータ型ゼオライトは、その外観形状が略八面体をしている。従来、Si/Al比の低いベータ型ゼオライトでは、その外観形状が略八面体であるものが知られているが、Si/Al比の高いベータ型ゼオライトでは、その外観形状が略八面体であるものは知られていなかった。この理由は、Si/Al比の高いベータ型ゼオライトは、有機SDAを用いて得る場合が多いところ、有機SDAに誘起された核生成に起因して、略八面体結晶の成長モードに入れないためであると考えられる。
本発明のベータ型ゼオライト及びMSE型ゼオライトは、そのSi/Al比が5以上であるハイシリカゼオライトである。このようなSi/Al比を有することで、本発明のベータ型ゼオライト及びMSE型ゼオライトは、石油化学工業における長鎖炭化水素(例えばヘキサン)のクラッキング触媒や、内燃機関の排気ガス浄化用触媒など、高温で使用される触媒として有用なものとなる。Si/Al比が5以上であるベータ型ゼオライトやMSE型ゼオライトはこれまでにも知られていたが、そのようなゼオライトの外観形状は不規則なものであり、特に本発明のような略八面体の形状を有するベータ型ゼオライトは、これまで知られていなかった。本発明のベータ型ゼオライト及びMSE型ゼオライトは、触媒活性等の観点から、Si/Al比は高ければ高いほど好ましい。具体的には、Si/Al比は、14以上であることが好ましく、40以上であることが更に好ましく、55以上であることが特に好ましい。Si/Al比の上限値に特に制限はないが、200、更に190、特に150であれば、十分満足し得る触媒活性等が得られる。
以上のとおり、本発明のベータ型ゼオライトは、(i)外観形状が略八面体であること、及び(ii)Si/Al比が5以上であることの双方によって特徴付けられる。これまで知られているベータ型ゼオライトは、上述のとおり、(i)及び(ii)のいずれか一方のみを具備するものであり、双方を具備するものはなかった。そして本発明者は、(i)及び(ii)の双方を具備するベータ型ゼオライトが、触媒活性が高く、かつその活性が高温でも失活しにくいことを知見し、本発明の完成に至った。一方、本発明のMSE型ゼオライトは、Si/Al比が5以上であることによって特徴付けられる。このようなSi/Al比を有するMSE型ゼオライトは、前記のベータ型ゼオライトと同様に触媒活性が高く、かつその活性が高温でも失活しにくいものである。
本発明のベータ型ゼオライト及びMSE型ゼオライトを各種の触媒として用いるためには、該ゼオライトはブレンステッド酸点を有することが有利である。この観点から、本発明のゼオライトはプロトン型のものとする。尤も、本発明の効果を損なわない範囲で、微量のアンモニウムイオンやアルカリ金属イオンが含まれていても差し支えない。
本発明のベータ型ゼオライト及びMSE型ゼオライトは、その平均粒子径が好ましくは0.2〜2.0μm、更に好ましくは0.5〜1.0μmである。また、BET比表面積は、400〜650m2/g、好ましくは500〜650m2/g、550〜650m2/gであることが更に好ましい。更に、ミクロ孔容積は、0.10〜0.28cm3/gであることが好ましく、0.15〜0.25cm3/gであることが更に好ましい。これらの比表面積や容積は、BET表面積測定装置を用いて測定される。
本発明のベータ型ゼオライトは、CuKα1線を用いたX線回折によって得られる回折パターンが、好ましくは、少なくとも以下の表1及び表2に記載の位置に回折ピークを有するものである。なお表1は、回析パターンを示し、表2は好ましいピーク強度比を示す。表1中の「vs」は相対強度が非常に強い(80〜100%)、「s」は相対強度が強い(60〜80%)、「m」は相対強度が中程度に強い(40〜60%)、「w」は相対強度が弱い(0〜40%)ことを示し、表2中のピーク強度(%)は、回折パターン中の最大ピークのピーク強度を100としたときの相対強度である。
本発明のMSE型ゼオライトは、CuKα1線を用いたX線回折によって得られる回折パターンが、好ましくは、少なくとも以下の表3及び表4に記載の位置に回折ピークを有するものである。なお表3は、回析パターンを示し、表4は好ましいピーク強度比を示す。表3中の「vs」は相対強度が非常に強い(80〜100%)、「s」は相対強度が強い(60〜80%)、「m」は相対強度が中程度に強い(40〜60%)、「w」は相対強度が弱い(0〜40%)ことを示し、表4中のピーク強度(%)は、回折パターン中の最大ピークのピーク強度を100としたときの相対強度である。
本発明のベータ型ゼオライトは、略八面体の形状を有し、かつSi/Al比が低いベータ型ゼオライトを脱アルミニウム化することで好適に製造される。一方、本発明のMSE型ゼオライトは、Si/Al比が低いMSE型ゼオライトを脱アルミニウム化することで好適に製造される。具体的には、本発明のベータ型ゼオライトの好ましい製造方法は、(1)原料ベータ型ゼオライトのイオン交換処理工程、(2)イオン交換された原料ベータ型ゼオライトを水蒸気に曝露する工程及び(3)水蒸気に曝露された原料ベータ型ゼオライトの酸処理工程の3つの工程を含んでいる。本発明のMSE型ゼオライトの好ましい製造方法も、これと同様である。そこで、以下には、ベータ型ゼオライトの好ましい製造方法を例に挙げて、本発明のゼオライトの製造方法を説明する。
(1)原料ベータ型ゼオライトのイオン交換処理工程
原料ベータ型ゼオライトは、一般にナトリウム等のアルカリ金属を含んでいる。アルカリ金属を含むベータ型ゼオライトは、これを石油化学工業における触媒として用いる場合や、内燃機関の排気ガス浄化用ハイドロカーボントラップとして用いる場合に、所期の特性を発揮しにくいので、イオン交換によって除去し、アンモニウム型のベータ型ゼオライトとなす。
イオン交換処理に付す原料ベータ型ゼオライトとしては、例えばSi/Al比が4〜100、好ましくは4〜8、更に好ましくは5〜7である低Si/Al比のものを用いる。このような低Si/Al比のベータ型ゼオライトは、略八面体の形状のものとして合成しやすいからである。
原料ベータ型ゼオライトとしては、有機SDAを用いずに合成されたもの(以下「OSDAフリーベータ型ゼオライト」とも言う。)を用いることが有利であることが、本発明者の検討の結果判明した。原料ベータ型ゼオライトとして、OSDAフリーベータ型ゼオライトを用いると、略八面体の形状のベータ型ゼオライトを合成しやすい。また、低Si/Al比のOSDAフリーベータ型ゼオライトは、これを脱アルミニウム化しても、略八面体の形状が維持されるともに、得られる高Si/Al比のベータ型ゼオライトの触媒活性が失活しづらい。更に、OSDAフリーベータ型ゼオライトを用いることは、有機SDAを用いないという点で、経済性の観点及び環境負荷の観点からも有利である。
なお、OSDAフリーベータ型ゼオライトは、従来の手法、例えば先に述べた特許文献3に記載の方法によってSi/Alを高めると、ゼオライトの結晶構造が破壊されやすいことが本発明者らの検討の結果判明している。しかし、本製造方法によってOSDAフリーベータ型ゼオライトを処理すると、結晶構造の破壊を極力抑えた上で、Si/Alを高めることが可能である。
OSDAフリーベータ型ゼオライトの合成方法としては、例えば国際公開2011/013560号パンフレットに記載の方法を採用することができる。また、中国特許出願公開第101249968A号明細書に記載の方法も採用することができる。更に、Chemistry of Materials, Vol.20, No.14, p.4533-4535 (2008)に記載の方法を採用することもできる。
OSDAフリーベータ型ゼオライトの合成方法の一例を挙げるならば、以下のとおりである。
(i)以下に示すモル比で表される組成の反応混合物となるように、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源、及び水を混合し、
SiO2/Al23=40〜200、特に44〜200
Na2O/SiO2=0.22〜0.4、特に0.24〜0.35
2O/SiO2=10〜50、特に15〜25
(ii)SiO2/Al23比が8〜30であり、かつ平均粒子径が150nm以上、特に150〜1000nm、とりわけ200〜600nmである、有機化合物を含まないベータ型ゼオライトを種結晶として用い、これを、前記反応混合物中のシリカ成分に対して0.1〜20質量%の割合で該反応混合物に添加し、
(iii)前記種結晶が添加された前記反応混合物を100〜200℃、特に120〜180℃で密閉加熱する。
原料ベータ型ゼオライトのイオン交換には、アンモニウム化合物が用いられ、特に硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウムを用いることが好ましい。硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム等のアンモニウム化合物によってイオン交換を行う場合、原料ベータ型ゼオライト10gに対して、アンモニウムイオンの濃度が0.1〜10mol/Lである水溶液を、25〜1000mL、好ましくは100〜1000mL、特に400〜600mL添加することが好ましい。イオン交換は、アンモニウムイオンを含む水溶液を加熱した状態下に、又は非加熱の状態下に行うことができる。アンモニウムイオンを含む水溶液を加熱する場合、加熱温度は40〜100℃、特に70〜90℃とすることが好ましい。原料ベータ型ゼオライトを、アンモニウムイオンを含む水溶液に分散させて分散液となし、この状態を所定時間保持してイオン交換を行う。保持時間は1〜48時間、特に12〜24時間とすることが好ましい。分散液は静置状態としてもよく、あるいは撹拌状態としてもよい。
前記分散液を所定時間保持したら、該分散液を濾過し、原料ベータ型ゼオライトを分離し、水洗を行う。必要に応じ、前記のイオン交換処理と水洗との組み合わせを複数回行ってもよい。このようにしてイオン交換処理を行った後、原料ベータ型ゼオライトを乾燥させて、アンモニウム型のベータ型ゼオライトを得る。このアンモニウム型のベータ型ゼオライトは、それよってアルカリ金属イオンの含有量が極めて低減したものとなる。
(2)イオン交換された原料ベータ型ゼオライトを水蒸気に曝露する工程
アンモニウム型の原料ベータ型ゼオライトを水蒸気に曝露するには、例えば、水蒸気雰囲気下に原料ベータ型ゼオライトを静置したり、水蒸気流中に原料ベータ型ゼオライトを配置したりすればよい。具体的には、図1に示す装置を用いて、原料ベータ型ゼオライトを水蒸気に曝露することができる。同図に示す装置10は、原料ベータ型ゼオライトが保持された保持管11を有している。保持管11の両端は開口している。下方の端部11aは大気に開放されている。保持管11の上方の端部11bは、水蒸気の流入口となっており、水蒸気の供給源12及び不活性ガスの供給源13と接続している。水蒸気の供給源12は、上方の端部が開口した有底筒体12aからなる。この筒体12a内には不活性ガスのバブリング管12bの一方の端部が挿入されている。バブリング管12bの他方の端部は、不活性ガスの供給源(図示せず)に接続されている。更に、この筒体12a内には水14が入れられている。水面の高さは、有底筒体12a内に挿入されているバブリング管12bの端部の位置よりも高くなっている。保持管11の周囲には加熱手段15が設置されている。加熱手段15は、保持管11内に保持された原料ベータ型ゼオライト及び保持管11内を流通する水蒸気の加熱が可能になっている。不活性ガスの供給源13からアルゴン等の不活性ガスを供給しつつ、水蒸気の供給源12におけるバブリング管12bを通じて不活性ガスをバブリングすることで、所定量の水蒸気が保持管11内に供給される。水蒸気の供給量は、不活性ガスの供給源13及び水蒸気の供給源12における不活性ガスの供給量のバランスで決定される。保持管11内に供給された水蒸気は、原料ベータ型ゼオライトとともに加熱手段15によって加熱される。そして、原料ベータ型ゼオライトは、所定温度に加熱された水蒸気に曝露される。この曝露によって、原料ベータ型ゼオライトを構成するアルミニウム原子が結晶格子内の所定のサイトから脱離し、脱離したサイトにケイ素原子がマイグレーションしてくると考えられる。しかし、水蒸気に曝露した時点では、原料ベータ型ゼオライトにおけるSi/Al比には変化は生じていない。また、原料ベータ型ゼオライトが水蒸気に曝露されることによって、該ゼオライトは、アンモニウム型からプロトン型に変換される。
原料ベータ型ゼオライトの曝露に用いられる水蒸気の温度は、150〜1000℃、更に500〜900℃、特に500〜800℃とすることが、ゼオライトの結晶構造の破壊を抑制しつつ、アルミニウムの脱離を促進し得る点から好ましい。同様の理由によって、水蒸気の曝露時間は、水蒸気の温度は上述の範囲内である場合には、1〜48時間、更に1〜24時間、特に12〜24時間であることが好ましい。原料ベータ型ゼオライトと水蒸気とが接触する時点における水蒸気の圧力(分圧)は、保持管11内の下方の端部が開放になっていることから大気圧又はそれ以下になっている。好ましい水蒸気の分圧は1〜101.3kPaである。
(3)水蒸気に曝露された原料ベータ型ゼオライトの酸処理工程
水蒸気に曝露された原料ベータ型ゼオライトは、酸処理に付され、それによってベータ型ゼオライトからの脱アルミニウムが生じる。酸処理に用いられる酸としては、各種の鉱酸を用いることが好ましい。例えば硝酸、硫酸及び塩酸などを用いることができる。酸処理を行うときの酸の濃度が高いほど、脱アルミニウム化が進行してベータ型ゼオライトのSi/Al比が高くなる。したがって、所望のSi/Al比を有するベータ型ゼオライトを得るためには、酸の濃度を調整することが簡便である。この観点から、酸の濃度は、使用する酸の種類により異なるが、多くの場合、0.1〜100質量%、特に0.1〜60質量%であることが好ましい。例えば、鉱酸として硝酸を用いる場合、硝酸濃度は、0.1〜70質量%、特に0.5〜5質量%であることが好ましい。鉱酸として硝酸を用いる場合には、硝酸濃度が、モル濃度として、0.01〜21mol/L、特に、0.05〜14mol/Lであることも好ましい。なお、酸の濃度が高ければ脱アルミニウム化が進行することは、上述のとおりであるところ、それに伴いゼオライトの結晶構造の破壊が起こりやすい。特に原料としてOSDAフリーベータ型ゼオライトを用いた場合には、結晶構造の破壊が起こりやすい。しかし本発明においては、酸処理に先立ち、上述の水蒸気曝露処理を行っていることに起因して、OSDAフリーベータ型ゼオライトを原料として用い、高濃度の酸で処理を行った場合であっても、ゼオライトの結晶構造の破壊が起こりにくくなっている。
酸処理における酸の量は、原料ベータ型ゼオライト1g当たり、上述の濃度の酸を5〜500mL、好ましくは10〜500mL、特に100〜200mL用いることが、効率的な脱アルミニウム化が生じる点から好ましい。酸処理は、加熱下に行ってもよく、あるいは非加熱下に行ってもよい。加熱下に酸処理を行う場合、酸の温度は40〜100℃、特に70〜90℃に設定することが、効率的な脱アルミニウム化の点から好ましい。鉱酸として硝酸を用いる場合には、その濃度にもよるが、硝酸の温度は40〜130℃、特に70〜130℃、とりわけ70〜90℃に設定することが好ましい。また、酸処理を加熱下に行う場合には、酸を環流させた状態にしてもよい。酸処理の時間は、酸の濃度及び温度が上述した範囲である場合、1〜24時間、特に2〜24時間とすることが、ゼオライトの結晶構造の破壊を抑制しつつ、効率的な脱アルミニウム化を行う点から好ましい。
酸処理が完了したら固液分離を行い、濾別されたベータ型ゼオライトを1回又は複数回水洗し、その後乾燥させる。このようにして、目的とするベータ型ゼオライトが得られる。このベータ型ゼオライトは、原料として用いたOSDAフリーベータ型ゼオライトに比べてSi/Al比が高められたものになっている。このようなSi/Al比が高められたものでありながらも、このベータ型ゼオライトは、該ゼオライトの結晶構造が維持されたものになっている。しかも、OSDAフリーベータ型ゼオライトが有していた略八面体の形状を維持したものになっている。このベータ型ゼオライトは、先に述べたとおりプロトン型のものに変換されている。
本発明のMSE型ゼオライトの好ましい製造方法は、上述したベータ型ゼオライトの好ましい製造方法において、原料ベータ型ゼオライトに代えて原料MSE型ゼオライトを用い、該原料MSE型ゼオライトとして、有機SDAを用いずに合成されたもの(以下「OSDAフリーMSE型ゼオライト」とも言う。)を用いる点以外は、上述したベータ型ゼオライトの好ましい製造方法と同様である。
OSDAフリーMSE型ゼオライトの合成方法としては、例えば国際公開2012/002367号パンフレットに記載の方法を採用することができる。OSDAフリーベータ型ゼオライトの合成方法の一例を挙げるならば、以下のとおりである。
(i)以下の(a)又は(b)に示すモル比で表される組成の反応混合物となるように、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源、及び水を混合し、
(a)
SiO2/Al23=40〜200、特に44〜200
(Na2O+K2O)/SiO2=0.24〜0.4、特に0.25〜0.35
2O/(Na2O+K2O)=0〜0.7、特に0.01〜0.65
2O/SiO2=10〜50、特に15〜25、
(b)
SiO2/Al23=10〜40、特に12〜40
(Na2O+K2O)/SiO2=0.05〜0.25、特に0.1〜0.25
2O/(Na2O+K2O)=0〜0.7、特に0.01〜0.65
2O/SiO2=5〜50、特に10〜25
(ii)SiO2/Al23比が好ましくは10〜50、特に15〜40であり、かつ平均粒子径が好ましくは100〜2000nm、更に好ましくは200〜1000nmである、有機化合物を含まないMSE型ゼオライトを種結晶として用い、これを、前記反応混合物中のシリカ成分に対して好ましくは0.1〜30質量%、更に好ましくは1〜20質量%、一層好ましくは1〜10質量%の割合で該反応混合物に添加し、
(iii)前記種結晶が添加された前記反応混合物を100〜200℃、特に120〜180℃で密閉加熱する。
前記の(a)及び(b)の組成から明らかなとおり、MSE型ゼオライトを製造するために用いるゲルは、アルカリ金属として、ナトリウムイオンのみを含んでいてもよいし、ナトリウムイオン及びカリウムイオンの双方を含んでいてもよい。ナトリウムイオン及びカリウムイオンを含むゲルを用いてゼオライトを合成すると、ナトリウムイオンのみを含むゲルを用いて合成する場合に比べて、不純物の副生、特に副生微量ゼオライトの発生を一層防止ができるので有利である。カリウムイオンのみを含むゲルからでもMSE型ゼオライトの合成は可能であるが、カリウムイオンの比率が高くなると、結晶化速度が遅くなり、得られるMSE型ゼオライトの結晶度が低くなる傾向にある。カリウムイオン源としては例えば水酸化カリウムを用いることが好ましい。また、K2O/(Na2O+K2O)比を調整するために、それ以外のカリウムイオン源として、塩化カリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウムなどのカリウム塩を用いてもよい。
このようにして得られた本発明のベータ型ゼオライト及びMSE型ゼオライトは、固体酸触媒や吸着剤として有望なものであり、更に詳細にはパラフィンを接触分解する触媒、例えば石油化学工業における長鎖炭化水素(例えばヘキサン)のクラッキング触媒として特に有望であり、また、ガソリンエンジン及びディーゼルエンジン等の各種内燃機関の排気ガス浄化用ハイドロカーボントラップとしても有望なものである。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、上述した製造方法によれば、本発明のベータ型ゼオライト及びMSE型ゼオライトを好適に製造することができるが、該製造方法によって、本発明のベータ型ゼオライト及びMSE型ゼオライト以外のベータ型ゼオライト及びMSE型ゼオライトを製造することも可能である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
(1)種結晶の合成
水酸化テトラエチルアンモニウムを有機SDAとして用い、アルミン酸ナトリウムをアルミナ源、微粉状シリカ(Mizukasil P707)をシリカ源とする従来公知の方法により、165℃、96時間、攪拌加熱を行って、SiO2/Al23比が24.0のベータ型ゼオライトを合成した。これを電気炉中で空気を流通しながら550℃で10時間焼成して、有機物を含まない結晶を製造した。この結晶を走査型電子顕微鏡により観察した結果、平均粒子径は280nmであった。この有機物を含まないベータ型ゼオライトの結晶を、種結晶として使用した。
(2)OSDAフリーベータ型ゼオライトの合成
純水13.9gに、アルミン酸ナトリウム0.235gと、36%水酸化ナトリウム1.828gを溶解した。微粉状シリカ(Cab−O−sil、M−5)2.024gと、前記の種結晶0.202gを混合したものを、少しずつ前記の水溶液に添加して攪拌混合し、反応混合物を得た。この反応混合物におけるSiO2/Al23比は70、Na2O/SiO2比は0.3、H2O/SiO2比は20であった。この反応混合物を60mLのステンレス製密閉容器に入れて、熟成及び攪拌することなしに140℃で34時間、自生圧力下で静置加熱した。密閉容器を冷却後、生成物を濾過、温水洗浄して白色粉末を得た。この生成物についてX線回折測定を行ったところ、不純物を含まないベータ型ゼオライトであることが確認された。組成分析の結果、そのSi/Alは6.4であった。このベータ型ゼオライトの走査型電子顕微鏡像を図2(a)に示す。同図に示すとおり、このベータ型ゼオライトは略八面体の形状を有するものであることが判る。
(3)イオン交換処理
得られたOSDAフリーベータ型ゼオライトを原料として用い、これを硝酸アンモニウム水溶液中に分散させた。OSDAフリーベータ型ゼオライトと硝酸アンモニウムと水との質量比は1:2:50とした。この分散液を80℃に加熱した状態下に24時間にわたって静置してイオン交換を行った。その後、濾過を行い、ベータ型ゼオライトを濾別した。イオン交換及び濾過の操作をもう一度繰り返した後、水洗して80℃で乾燥して、アンモニウム型のベータ型ゼオライトを得た。
(4)水蒸気による曝露
アンモニウム型のベータ型ゼオライトを図1に示す装置に充填した。充填量は1gとした。同図に示す加熱手段15によって700℃に加熱した状態下に、アルゴン−水蒸気の混合ガスを24時間にわたって連続して流通させた。水蒸気の分圧は12.2kPaとした。水蒸気による曝露で、ベータ型ゼオライトはアンモニウム型からプロトン型に変換された。
(5)酸処理
水蒸気曝露後のベータ型ゼオライトを、0.1mol/Lの硝酸水溶液で酸処理した。硝酸水溶液の温度は80℃とした。硝酸水溶液は、ベータ型ゼオライト0.1gに対して10mL添加した。マグネチックスターラーで液を撹拌しながら2時間にわたって処理を行った。このようにして、目的とするベータ型ゼオライトを得た。得られたベータ型ゼオライトの走査型電子顕微鏡像を図2(b)に示す。また、X線回折図を図3に示す。更に、元素分析から求めたSi/Al比を図3中に記載した。図2(b)に示すとおり、このベータ型ゼオライトは略八面体の形状を有するものであることが判る。
〔実施例2ないし5〕
実施例1において、酸処理に用いた硝酸水溶液の濃度を0.5mol/L(実施例2)、1.0mol/L(実施例3)、2.0mol/L(実施例4)及び8.0mol/L(実施例5)とした。これ以外は実施例1と同様にして、Si/Al比が高められたベータ型ゼオライトを得た。得られたベータ型ゼオライトのX線回折図を図3に示す。また、元素分析から求めたSi/Al比を同図中に記載した。なお、図示していないが、これらの実施例で得られたベータ型ゼオライトは略八面体の形状を有するものであった。また、実施例3で得られたベータ型ゼオライトに関しては、BET比表面積及びミクロ孔容積を以下の条件で測定した。測定によって得られたBET比表面積は617m2/gであり、ミクロ孔容積は0.17cm3/gであった。
〔BET比表面積及びミクロ孔容積の測定条件〕
使用装置:日本ベル社製全自動吸着測定装置 Belsorp−max−1−N
測定温度:−196oC(窒素),空気恒温槽温度:40oC
平衡吸着時間:300s
サンプル前処理条件:真空下(1.33×10-4Pa)の加熱処理(400oC,2h)
〔比較例1〕
実施例1において、OSDAフリーベータ型ゼオライトをイオン交換した後、水蒸気による曝露及び酸処理を行わず、直接熱処理してプロトン型のベータ型ゼオライトを得た。熱処理の条件は、温度650℃、時間60分、空気の流通量40cm3/minとした。得られたベータ型ゼオライトのX線回折図を図3に示す。また、元素分析から求めたSi/Al比を同図中に記載した。ベータ型ゼオライトは、熱処理によって八面体の形状を失っていた。
〔比較例2〕
(1)有機SDA(OSDA)を用いたベータ型ゼオライトの合成
有機構造規定剤(OSDA)としての水酸化テトラエチルアンモニウム及び水酸化ナトリウムを含む水溶液を室温下に撹拌し、そこにコロイダルシリカを添加した。コロイダルシリカとしては、Ludox HS-40(シリカ分40%)を用いた。コロイダルシリカを添加してから30分間にわたり撹拌を行った後、硫酸アルミニウム水溶液を添加し、更に30分間にわたり撹拌を行い、ゲルを得た。このゲルの組成は、SiO21モルに対して、Al23が0.033モル、水酸化ナトリウムが0.24モル、水酸化テトラエチルアンモニウムが0.50モル、水が20モルであった。このゲルをオートクレーブ中に入れて、150℃に加熱した状態下に7日間にわたり反応を行った。このようにしてベータ型ゼオライトを得た。このゼオライトを、大気雰囲気下に550℃で6時間にわたり加熱して、OSDAである水酸化テトラエチルアンモニウムを分解除去した。この生成物についてX線回折測定を行ったところ、不純物を含まないベータ型ゼオライトであることが確認された。組成分析の結果、そのSi/Alは13.1であった。このベータ型ゼオライトの走査型電子顕微鏡像を図4(a)に示す。同図に示すとおり、このベータ型ゼオライトは不規則な形状を有するものであることが判る。
(2)イオン交換
実施例1と同様の条件で、イオン交換を行った。水蒸気による曝露及び酸処理は行わなかった。イオン交換の後、温度650℃、時間60分、空気の流通量40cm3/minで熱処理を行い、ベータ型ゼオライトをプロトン型に変換した。このようにして、ベータ型ゼオライトを得た。得られたベータ型ゼオライトのX線回折図を図5に示す。また、元素分析から求めたSi/Al比を同図中に記載した。
〔比較例3〕
比較例2において、イオン交換の後に、実施例3と同様の条件で、水蒸気による曝露及び酸処理を行った。このようにして、ベータ型ゼオライトを得た。得られたベータ型ゼオライトの走査型電子顕微鏡像を図4(b)に示す。また、X線回折図を図5に示す。また、元素分析から求めたSi/Al比を図5中に記載した。図4(b)に示すとおり、このベータ型ゼオライトは不規則な形状を有するものであることが判る。
〔評価〕
実施例3及び比較例1ないし3で得られたベータ型ゼオライトについて、ヘキサンのクラッキング反応における触媒活性の評価1及び評価2を以下の手順で行った。評価1及び評価2を行うのに先立ち、粉末状のベータ型ゼオライトを成型・整粒した。具体的には、ベータ型ゼオライト粉末1〜2gを、内径20mmの錠剤成型器に詰めたのち、油圧プレスにて0.4MPaで加圧成型し、径が20mmのペレットを得た。このペレットをふるいの上で適度に粉砕し、500〜600μmに整粒してこれを触媒として用いた。
〔評価1〕
触媒反応は固定床常圧流通反応装置を用いて行った。装置の概略図を図6に示す。反応物であるヘキサンはシリンジポンプを用いてシリンジから供給し、キャリアガスである窒素(1%)−アルゴン混合ガスに導入した。シリンジポンプから供給されたヘキサンは、あらかじめ加熱した気化室に導入されるため蒸発して気体となり、この気体をキャリアガスに同伴した。反応装置のガスラインには内径2mmのステンレスパイプを用いて、ヒーターで外側から適温に加熱することで気化したヘキサンの凝縮を防いだ。反応管は内径8mmの石英管を用い、これに、先に整粒したベータ型ゼオライト触媒を100mg詰め、石英ウールで触媒層を反応管中央部に保持した。反応前処理として、空気流通下で約7℃/minの昇温速度で650℃まで昇温し、この雰囲気で1時間保持した。その後、ヘリウム流通に切り替えてから5℃/minで450℃まで反応管温度を下げた。450℃で安定したのを確認してから、ヘキサンを同伴したメタン−ヘリウム混合ガスを触媒層に供給し、触媒反応を開始した。ヘキサンの分圧は5.0kPaであった。反応開始から5分経過後に六方バルブを切り替えて、サンプリングループに溜めた反応後の生成物をガスクロマトグラフへ導入し、キャピラリーカラムで分離後、水素炎検出器(FID)にて各生成物・未反応物の定性・定量を行った。所定時間(70分)経過後、触媒層へのヘキサンの供給をやめ、ヘリウム流通に切り替えた。その後で、1〜2℃/minで500℃まで昇温して温度が安定したところで、再びヘキサンを供給し、触媒反応を行った。同様の操作を550及び600℃でも続けて行った。触媒反応時のW/Fはいずれの反応温度でも、19.8g−catalyst h(mol−hexane)-1とした。600℃での触媒反応を停止した後には、ヘリウム流通下で自然放冷した。結果を、以下の表5及び図7に示す。各生成物への選択率はカーボンベース(炭素原子換算)で求めた。プロピレン(C3=)収率は、「転化率×プロピレン(C3=)への選択率」から求めた。なお、反応温度は、固定床常圧流通反応装置の石英製反応管を外側から加熱するように設置したヒーターと、反応管との間で測定したものである。
〔評価2〕
評価1において、反応温度を600℃に固定し、反応開始から5分経過後、55分経過後、105分経過後及び155分経過後に、反応後の生成物をガスクロマトグラフへ導入し、キャピラリーカラムで分離後、水素炎検出器(FID)にて各生成物・未反応物の定性・定量を行った。これ以外は評価1と同様とした。そして、転化率の時間依存性を求めた。結果を図8に示す。
表5並びに図7及び図8に示す結果から明らかなように、実施例3で得られたベータ型ゼオライトを触媒として用い、ヘキサンのクラッキングを行うと、化学原料として有用な物質であるC3=(プロピレン)が、高収率で生成することが判る。また、ベータ型ゼオライトの失活が観察されないことも判る。これに対して、略八面体の形状を有するものの、低Si/Al比である比較例1のベータ型ゼオライトや、高Si/Al比であるものの、不規則な形状を有する比較例2のベータ型ゼオライトは、C3=(プロピレン)の収率が、実施例3よりも低いものであった。しかも、失活が観察された。Si/Al比が非常に高いものの、不規則な形状を有する比較例3のベータ型ゼオライトは、C3=(プロピレン)の収率は良好であるが、600℃での反応において経時的な失活が観察された。
〔実施例6ないし18〕
以下の表6に記載の製造条件を採用した以外は実施例1と同様にして、ベータ型ゼオライトを得た。実施例6ないし8で得られたベータ型ゼオライトのX線回折図を図9に示す。実施例9ないし16で得られたベータ型ゼオライトのX線回折図を図10に示す。実施例17及び18で得られたベータ型ゼオライトのX線回折図を図11に示す。また、元素分析から求めたSi/Al比をこれらの図中に記載した。なお、図示していないが、実施例6ないし18で得られたベータ型ゼオライトは略八面体の形状を有するものであった。以下の表6には、前記の実施例1ないし5で採用した製造条件についても併せて記載されている。
図3及び図9に示す実施例1ないし8のX線回折図の結果から、酸処理工程において、酸濃度を高くしたり、酸処理の時間を長くしたりすると、ベータ型ゼオライトのSi/Al比が高まることが判る。一方で、酸濃度を13.4mol/Lまで高め、かつ酸処理の時間を24時間まで長くしても、ベータ型ゼオライトの結晶構造の破壊が起こっていないことが判る。また、図10における実施例9ないし16のX線回折図の結果から、特に、水蒸気曝露工程における水蒸気温度が550〜750℃の場合(実施例13ないし15)は、それよりも低温である150〜450℃の場合(実施例9ないし12)に比べて、ベータ型ゼオライトの結晶構造がより維持されていることが判る。また、図3及び図11に示す実施例3、17及び18のX線回折図の結果から、水蒸気曝露時間を、24時間(実施例3)から、2時間(実施例17)又は6時間(実施例18)と短くした場合は、ベータ型ゼオライトのSi/Al比は低下するものの、結晶性に変化がないことが判る。
〔実施例19〕
(1)種結晶の合成
有機SDAとしてN,N,N’,N’−テトラエチルビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3:5,6−ジピロリジニウムジアイオダイドを用いた。米国特許第6049018号明細書の記載にしたがって、水酸化アルミニウムをアルミナ源、コロイダルシリカをシリカ源、水酸化カリウムをアルカリ源として反応混合物を調製し、160℃で16日間静置法で加熱した。生成物を空気中で540℃で8時間加熱して焼成して得られたMSE型ゼオライトを種結晶とした。そのSi/Al比は12.0であった。この有機物を含まないMSE型ゼオライトの結晶を、種結晶として使用した。
(2)OSDAフリーMSE型ゼオライトの合成
純水10.74gに、アルミン酸ナトリウム0.096gと、36%水酸化ナトリウム2.147gを溶解して水溶液を得た。微粉状シリカ(Cab−O−Sil、M−5)2.022gと、0.202gの種結晶とを混合したものを、前記の水溶液に少しずつ添加して攪拌混合して反応混合物を得た。この反応混合物におけるSiO2/Al23比は100、(Na2O+K2O)/SiO2比は0.3、K2O/(Na2O+K2O)比は0、H2O/SiO2比は20であった。この反応混合物と種結晶の混合物を60ccのステンレス製密閉容器に入れて、熟成及び攪拌することなしに140℃で60時間、自生圧力下で静置加熱した。密閉容器を冷却後、生成物を濾過、温水洗浄して白色粉末を得た。この生成物についてX線回折測定を行ったところ、MSE型ゼオライトであることが確認された。組成分析の結果、そのSi/Alは6.8であった。
(3)イオン交換処理
得られたOSDAフリーMSE型ゼオライトを原料として用い、これを硝酸アンモニウム水溶液中に分散させた。OSDAフリーベータ型ゼオライトと硝酸アンモニウムと水との質量比は1:2:50とした。この分散液を80℃に加熱した状態下に24時間にわたって静置してイオン交換を行った。その後、濾過を行い、ベータ型ゼオライトを濾別した。イオン交換及び濾過の操作をもう一度繰り返した後、水洗して80℃で乾燥して、アンモニウム型のMSE型ゼオライトを得た。
(4)水蒸気による曝露
アンモニウム型のMSE型ゼオライトを図1に示す装置に充填した。充填量は1gとした。同図に示す加熱手段15によって700℃に加熱した状態下に、アルゴン−水蒸気の混合ガスを24時間にわたって連続して流通させた。水蒸気の分圧は12.2kPaとした。水蒸気による曝露で、MSE型ゼオライトはアンモニウム型からプロトン型に変換された。
(5)酸処理
水蒸気曝露後のベータ型ゼオライトを、6.0mol/Lの硝酸水溶液で酸処理した。硝酸水溶液の温度は80℃とした。硝酸水溶液は、MSE型ゼオライト0.1gに対して10mL添加した。マグネチックスターラーで液を撹拌しながら2時間にわたって処理を行った。このようにして、目的とするMSE型ゼオライトを得た。得られたベータ型ゼオライトのX線回折図を図12に示す。元素分析から求めたSi/Al比は62.9であった。
〔比較例4〕
実施例19において、OSDAフリーMSE型ゼオライトをイオン交換した後、水蒸気による曝露及び酸処理を行わず、直接熱処理してプロトン型のMSE型ゼオライトを得た。熱処理の条件は、温度650℃、時間60分、空気の流通量40cm3/minとした。得られたMSE型ゼオライトのX線回折図を図12に示す。また、元素分析から求めたSi/Al比は6.5であった。
〔比較例5〕
実施例19において、OSDAフリーMSE型ゼオライトをイオン交換し、次いで水蒸気で曝露した後、酸処理を行わず、直接熱処理してプロトン型のMSE型ゼオライトを得た。熱処理の条件は、温度650℃、時間60分、空気の流通量40cm3/minとした。得られたMSE型ゼオライトのX線回折図を図12に示す。また、元素分析から求めたSi/Al比は6.8であった。
〔評価〕
実施例19並びに比較例4及び5で得られたMSE型ゼオライトについて、ヘキサンのクラッキング反応における触媒活性の評価を、上述した評価2に従い行った。転化率の時間依存性を図13に示す。また、各生成物への選択率及びプロピレンの収率を表7に示す。
図13及び表7に示す結果から明らかなように、実施例19で得られたMSE型ゼオライトを触媒として用い、ヘキサンのクラッキングを行うと、化学原料として有用な物質であるC3=(プロピレン)が、高収率で生成することが判る。また、MSE型ゼオライトの失活が観察されないことも判る。これに対して、イオン交換処理のみを行った比較例4のMSE型ゼオライトや、イオン交換処理及び水蒸気暴露処理のみを行い酸処理を行わなかった比較例5のMSE型ゼオライトでは、プロピレンの収率が低く、しかも失活が観察された。
10 水蒸気曝露装置
11 保持管
12 水蒸気の供給源
13 不活性ガスの供給源
14 水
15 加熱手段

Claims (15)

  1. 略八面体の形状を有し、Si/Al比が5以上であり、プロトン型であることを特徴とするベータ型ゼオライト。
  2. Si/Al比が40以上である請求項1に記載のベータ型ゼオライト。
  3. 構造規定剤を用いずに合成された原料ベータ型ゼオライトをイオン交換によってアンモニウム型となし、次いで該ベータ型ゼオライトを水蒸気に曝露し、曝露後の該ベータ型ゼオライトを酸処理に付すことで得られたものである請求項1又は2に記載のベータ型ゼオライト。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載のベータ型ゼオライトを含むパラフィンの接触分解触媒。
  5. Si/Al比が5以上であり、プロトン型であり、
    構造規定剤を用いずに合成された原料MSE型ゼオライトをイオン交換によってアンモニウム型となし、次いで該MSE型ゼオライトを水蒸気に曝露し、曝露後の該MSE型ゼオライトを酸処理に付すことで得られたものであることを特徴とするMSE型ゼオライト。
  6. Si/Al比が40以上である請求項5に記載のMSE型ゼオライト。
  7. 請求項5又は6に記載のMSE型ゼオライトを含むパラフィンの接触分解触媒。
  8. 原料ベータ型ゼオライトをイオン交換によってアンモニウム型となし、次いで該ベータ型ゼオライトを水蒸気に曝露し、曝露後の該ベータ型ゼオライトを酸処理に付して、Si/Al比が高められたベータ型ゼオライトを得るベータ型ゼオライトの製造方法であって、イオン交換に付される原料ベータ型ゼオライトとして、構造規定剤を用いずに合成されたものを用いるベータ型ゼオライトの製造方法。
  9. イオン交換後の原料ベータ型ゼオライトを、150〜1000℃の水蒸気に、1〜48時間曝露する請求項8に記載の製造方法。
  10. 水蒸気に曝露した後の原料ベータ型ゼオライトを、鉱酸を用い、40〜100℃下に1〜24時間にわたり酸処理に付す請求項8又は9に記載の製造方法。
  11. Si/Al比が5以上のベータ型ゼオライトを得る請求項8ないし10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 原料MSE型ゼオライトをイオン交換によってアンモニウム型となし、次いで該MSE型ゼオライトを水蒸気に曝露し、曝露後の該MSE型ゼオライトを酸処理に付して、Si/Al比が高められたMSE型ゼオライトを得るMSE型ゼオライトの製造方法であって、イオン交換に付される原料MSE型ゼオライトとして、構造規定剤を用いずに合成されたものを用いるMSE型ゼオライトの製造方法。
  13. イオン交換後の原料MSE型ゼオライトを、150〜1000℃の水蒸気に、1〜48時間曝露する請求項12に記載の製造方法。
  14. 水蒸気に曝露した後の原料MSE型ゼオライトを、鉱酸を用い、40〜100℃下に1〜24時間にわたり酸処理に付す請求項12又は13に記載の製造方法。
  15. Si/Al比が5以上のMSE型ゼオライトを得る請求項12ないし14のいずれか一項に記載の製造方法。
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