JP2013127034A - シート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた電子部品装置 - Google Patents

シート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた電子部品装置 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な保存安定性を備えるとともに、硬化時のアウトガス発生量が低減されてなるシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)エラストマー、(D)無機質充填剤及び(E)5−ニトロイソフタル酸と2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジメチロールイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−メチロールイミダゾールから選ばれた1種のイミダゾール化合物からなる包摂錯体を含有するシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化時のアウトガスの発生が低減され、かつ常温保存性に優れたシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた電子部品装置に関するものである。
従来から、各種半導体素子をはじめとする電子部品(電子デバイス)は、エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂組成物を用いて樹脂封止され装置化されている。上記熱硬化性樹脂組成物中には、一般的に硬化促進剤が含まれており、この硬化促進剤を用いることにより熱硬化反応を短時間でスムースに進行させることが可能となる。しかしながら、上記硬化促進剤を用いた結果、保存性との両立が問題となっている。このため、通常、熱硬化性樹脂組成物は、冷蔵あるいは冷凍による保管が必要であり、このことがコストおよび品質管理の観点から課題となっていた。
このような技術的背景の下、近年では、反応性と保存性を両立させるために、各種硬化促進剤の検討が行なわれている(特許文献1〜3参照)。中でも、ホスホニウム・ボレート塩系硬化促進剤は、非常に優れた硬化性と熱潜在性を有することが見出されている。しかしながら、これらホスホニウム・ボレート塩系硬化促進剤は、反応時に分解しアウトガスを生じることがわかっており、この発生したアウトガス成分は、成形物中のボイド形成の原因となる可能性があり、さらにはこれらアウトガス成分が電子デバイスの素子表面に付着することにより、ある種の電子デバイスにおいては、その特性に悪影響を及ぼす懸念もある。
特に、シート形成用のワニスを塗工することにより作製する封止用のエポキシ樹脂組成物シートの場合は、一度、原料をワニス状態にする必要があるため、エポキシ樹脂組成物シートのポットライフへの影響が大きい。このポットライフの観点から、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートが用いられているが、アウトガスの発生によるアウトガス成分の悪影響の発生という懸念がある(特許文献4参照)。
特開2000−174045号公報 特開2008−285592号公報 特開2009−13309号公報 特開2008−260845号公報
このように、封止材料であるエポキシ樹脂組成物中に従来から配合されている硬化促進剤に関しては、硬化促進作用はもちろんであるが、保存性およびアウトガスの発生等に関して問題を有しており、これらが改善され硬化反応性に優れたエポキシ樹脂組成物が強く要望されている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、良好な保存安定性を備えるとともに、硬化時のアウトガス発生量が低減されてなるシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた電子部品装置の提供をその目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、電子部品を封止する際に用いられるシート状エポキシ樹脂組成物であって、シートの厚みが150μm〜1mmであり、上記エポキシ樹脂組成物が、下記の(A)〜(D)成分とともに、下記の(E)成分を含有するシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を第1の要旨とする。
(A)エポキシ樹脂。
(B)フェノール樹脂。
(C)エラストマー。
(D)無機質充填剤。
(E)5−ニトロイソフタル酸と下記の式(1)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体、5−ニトロイソフタル酸と下記の式(2)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体、および、5−ニトロイソフタル酸と下記の式(3)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体からなる群から選ばれた少なくとも一つの包摂錯体。
Figure 2013127034
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そして、本発明は、上記シート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、電子部品を樹脂封止してなる電子部品装置を第2の要旨とする。
本発明者らは、硬化反応性はもちろん、常温での保存性に優れ、しかも硬化時のアウトガスの発生を抑制することのできる封止材料からなるシート状のエポキシ樹脂組成物を得るために鋭意検討を重ねた。その結果、封止材料に配合する硬化促進剤として、従来使用されている硬化促進剤ではなく、上記特定の包摂錯体〔(E)成分〕を用いると所期の目的が達成されることを突き止めた。すなわち、上記特定の包摂錯体〔(E)成分〕は、ホスト化合物である5−ニトロイソフタル酸に、ゲスト化合物である特定のイミダゾール化合物が包摂されており、化合物同士が化学結合ではなく分子間力等の物理的力により包摂されていることから、常温では硬化促進剤として作用せず、高温下(成形温度)にて包摂が外れることにより硬化促進剤として活性化することとなり、その結果、良好な常温保存性とともにアウトガス発生の抑制効果に優れた封止用のエポキシ樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
このように、本発明は、エポキシ樹脂〔(A)成分〕と、フェノール樹脂〔(B)成分〕と、エラストマー〔(C)成分〕と、無機質充填剤〔(D)成分〕とともに、前記特定の包摂錯体〔(E)成分〕を含有する、特定の厚みを有するシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物である。このため、常温での保存においても粘度上昇が抑制されて良好な保存安定性を備えるとともに、硬化時のアウトガスの発生も抑制される。したがって、このシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を用いて電子部品を封止することにより信頼性の高い電子部品装置を得ることができる。
上記特定の包摂錯体〔(E)成分〕が、5−ニトロイソフタル酸と上記式(1)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体、および、5−ニトロイソフタル酸と上記式(2)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体の少なくとも一方からなる包摂錯体であると、保存性およびアウトガス発生の抑制の向上に関して、より一層効果的である。
上記(D)成分の含有量が、エポキシ樹脂組成物全体の60〜80重量%であると、硬化体の反りの発生低減効果や、流動性,接着性の向上効果により一層優れる。
(E)成分の含有量が、エポキシ樹脂組成物中の有機成分に対して0.3〜5重量%であると、硬化反応性および保存安定性の両立という観点から一層優れた効果を奏するようになる。
上記(C)成分であるエラストマーが、(A)成分であるエポキシ樹脂と反応する官能基を有するものであると、硬化後に封止材として耐熱性、強度(強靱性)、接着性に優れた性能が発揮され、結果として信頼性の高い電子部品装置を得ることができる。
つぎに、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明のシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物(以下、「シート状エポキシ樹脂組成物」と略すことがある)は、エポキシ樹脂(A成分)と、フェノール樹脂(B成分)と、エラストマー(C)成分と、無機質充填剤(D成分)と、特定の包摂錯体(E成分)とを用いて得られるエポキシ樹脂組成物をシート状に形成し得られるものである。なお、本発明において、シート状とは、電子部品の封止用途に用いられることを考慮した場合、封止対象となる電子部品等に応じて適宜設定されるが、後述にて記載したように、通常、総厚み150μm〜1mmのものをいう。
〈A:エポキシ樹脂〉
上記エポキシ樹脂(A成分)は、例えば、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、エポキシ樹脂の反応性およびエポキシ樹脂組成物の硬化体の靱性を確保する観点からは、エポキシ当量150〜250、軟化点もしくは融点が50〜130℃の常温で固形のものが好ましく、中でも信頼性の観点から、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。また、低応力性の観点から、アセタール基やポリオキシアルキレン基等の柔軟性骨格を有する変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いることが好ましく、上記アセタール基を有する変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、液状を示すことから取り扱い性が良好であり、特に好適に用いられる。
上記エポキシ樹脂(A成分)の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体に対して3〜20重量%の範囲に設定することが好ましい。
〈B:フェノール樹脂〉
上記エポキシ樹脂(A成分)とともに用いられるフェノール樹脂(B成分)は、上記エポキシ樹脂(A成分)との間において硬化反応を生起させるものであればよく、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、レゾール樹脂等があげられる。これらフェノール樹脂は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、これらフェノール樹脂の中でも、上記エポキシ樹脂(A成分)との反応性の観点から、水酸基当量が70〜250、軟化点が50〜110℃のものを用いることが好ましく、中でも硬化反応性が高いという観点から、フェノールノボラック樹脂を好適に用いることができる。また、信頼性の観点から、フェノールアラルキル樹脂やビフェニルアラルキル樹脂のような低吸湿性のものを好適に用いることができる。
上記エポキシ樹脂(A成分)とフェノール樹脂(B成分)の配合割合は、硬化反応性という観点から、エポキシ樹脂(A成分)中のエポキシ基1当量に対して、フェノール樹脂(B成分)中の水酸基の合計が0.5〜1.3当量となるように配合することが好ましく、より好ましくは0.7〜1.1当量である。
〈C:エラストマー〉
上記A成分およびB成分とともに用いられるエラストマー(C成分)は、シート状エポキシ樹脂組成物に柔軟性および可撓性を付与するものであり、このような作用を奏する各種エラストマーが用いられる。例えば、ポリアクリル酸エステル等の各種アクリル系重合体、スチレンアクリレート系共重合体、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、イソプレンゴム、アクリロニトリルゴム等のゴム質重合体等を用いることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。中でも、上記エポキシ樹脂(A成分)に対して分散させやすく、かつ上記エポキシ樹脂(A成分)と反応する官能基を有するものが好適に用いられる。すなわち、エポキシ樹脂(A成分)中のエポキシ基と反応することにより、エラストマー(C成分)がエポキシ樹脂組成物の硬化物中の3次元ネットワークに取り込まれることで、硬化後に封止材として耐熱性、強度(強靱性)、接着性に優れた性能が発揮され、結果として信頼性の高い電子部品装置を得ることができる。
上記エポキシ樹脂(A成分)と反応する官能基としては、例えば、エポキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、イミダゾール基、フェノキシ基、メルカプト基、酸無水物基等があげられる。また、上記エポキシ樹脂(A成分)と反応する官能基が、エポキシ基、アミノ基等、触媒ホストのカルボキシル基との反応性を有する官能基である場合、触媒ホストのカルボキシル基とエポキシ樹脂(A成分)との反応によって、本来あるべきエポキシ樹脂(A成分)−フェノール樹脂(B成分)間の硬化反応が阻害されるのを防止することができる。
上記アクリル系重合体は、例えば、所定の混合比に設定したアクリルモノマー混合物を、常法によってラジカル重合することにより合成することができる。上記ラジカル重合の方法としては、有機溶剤を溶媒にして行なう溶液重合法や、水中に原料モノマーを分散させながら重合を行なう懸濁重合法が用いられる。その際に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、その他のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイドおよびメチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤等が用いられる。なお、上記懸濁重合法の場合は、例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等のような分散剤を加えることが好ましい。
上記エラストマー(C成分)の含有量は、好ましくはエポキシ樹脂組成物全体の5〜40重量%であり、より好ましくは10〜35重量%、特に好ましくは15〜30重量%である。すなわち、エラストマー(C成分)の含有量が少な過ぎると、エポキシ樹脂組成物の柔軟性および可撓性を得るのが困難となるとともに、電子部品の周端部上にあるエポキシ樹脂組成物の硬化体が凸状に形成されにくくなる傾向がみられる。また、エラストマー(C成分)の含有量が多過ぎると、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が高くなるため、電子部品と実装基板の間のギャップにエポキシ樹脂組成物が充填され難くなるとともに、エポキシ樹脂組成物の硬化体の強度が不足する傾向がみられ、耐熱性が低下する傾向がみられる。さらには、電子部品の周端部上にあるエポキシ樹脂組成物の硬化体が凸状に形成されるが、この凸部の段差が大きくなりすぎるために、ダイシング後の電子部品装置のピックアップや搬送に支障が生じる場合がある。
〈D:無機質充填剤〉
上記A〜C成分とともに用いられる無機質充填剤(D成分)としては、例えば、石英ガラス、タルク、シリカ粉末(溶融シリカ粉末や結晶性シリカ粉末等)、アルミナ粉末、窒化アルミニウム粉末、窒化珪素粉末等の各種粉末があげられる。これら無機質充填剤は、破砕状、球状、あるいは摩砕処理したもの等いずれのものでも使用可能である。そして、これら無機質充填剤は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、得られるエポキシ樹脂組成物の硬化体の線膨張係数が低減することにより内部応力を低減することができ、その結果、封止後の基板の反りを抑制することができるという点から、上記シリカ粉末を用いることが好ましく、上記シリカ粉末の中でも溶融シリカ粉末を用いることが、高充填性、高流動性という点から特に好ましい。上記溶融シリカ粉末としては、球状溶融シリカ粉末、破砕溶融シリカ粉末があげられるが、流動性という観点から、球状溶融シリカ粉末を用いることが好ましい。
また、無機質充填剤(D成分)の平均粒径は、1〜30μmの範囲であることが好ましく、特に好ましくは0.3〜15μmの範囲である。なお、上記無機質充填剤(D成分)の平均粒径は、例えば、母集団から任意に抽出される測定試料を用い、市販のレーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
そして、上記無機質充填剤(D成分)の含有量は、好ましくはエポキシ樹脂組成物全体の50〜85重量%であり、より好ましくは55〜85重量%であり、特に好ましくは60〜80重量%である。すなわち、無機質充填剤(D成分)の含有量が少な過ぎると、エポキシ樹脂組成物の硬化体の線膨張係数が大きくなるために、硬化体の反りが大きくなる傾向がみられる。一方、無機質充填剤(D成分)の含有量が多過ぎると、エポキシ樹脂組成物の柔軟性や流動性が低下するために、電子部品や実装基板との接着性が低下する傾向がみられるからである。
〈E:特定の包摂錯体〉
上記A〜D成分とともに用いられる特定の包摂錯体(E成分)とは、5−ニトロイソフタル酸と下記の式(1)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体、5−ニトロイソフタル酸と下記の式(2)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体、5−ニトロイソフタル酸と下記の式(3)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体である。そして、これら包摂錯体は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
Figure 2013127034
Figure 2013127034
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上記包摂錯体とは、ゲスト化合物(本発明における上記式(1)〜(3)で表されるイミダゾール化合物)が、ホスト化合物(本発明における5−ニトロイソフタル酸)に包摂されて(取り込まれて)生じた複合体をいう。そして、本発明において上記ホスト化合物とは、上記ゲスト化合物と共有結合以外(化学結合以外)の結合である分子間力により結合して化合物を形成するものであり、このような化合物において包摂格子を形成する化合物をいう。また、上記包接格子とは、ホスト化合物同士が共有結合以外の結合により結合し、結合したホスト化合物の2分子以上の空間(隙間)に、ゲスト化合物を共有結合以外の結合(分子間力)により包接している化合物をいう。
そして、上記特定の包摂錯体(E成分)の中でも、保存安定性およびアウトガス発生の抑制効果という観点から、5−ニトロイソフタル酸と上記式(1)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体、5−ニトロイソフタル酸と上記式(2)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体を用いることが好ましく、これらはそれぞれ単独で用いてもよいし二つを併用してもよい。さらには、初期粘度をより低くでき、封止時の凹凸追従性に有利であるという点から、5−ニトロイソフタル酸と上記式(2)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体を用いることが特に好ましい。
上記特定の包摂錯体(E成分)は、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、本発明の特定の包摂錯体は、5−ニトロイソフタル酸、および、上記式(1)〜式(3)で表されるイミダゾール化合物からなる群から選ばれた少なくとも一つのイミダゾール化合物を溶媒に添加した後、適宜撹拌しながら、加熱処理あるいは加熱還流処理を行ない、目的の包摂錯体を析出させることにより作製することができる。
なお、溶媒に対する溶解の容易を考慮した場合、5−ニトロイソフタル酸および上記式(1)〜式(3)で表されるイミダゾール化合物をそれぞれ個別に溶媒に溶解した後、これら溶解液同士を混合することが好ましい。上記溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、酢酸エチル、酢酸メチル、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル等を用いることができる。
また、上記特定の包摂錯体(E成分)の製造に際して、5−ニトロイソフタル酸および式(1)〜(3)で表されるイミダゾール化合物の添加割合としては、例えば、5−ニトロイソフタル酸(ホスト化合物)1モルに対して、式(1)〜式(3)で表されるイミダゾール化合物(ゲスト化合物)を0.1〜5.0モルの割合に設定することが好ましく、より好ましくは0.5〜3.0モルである。
上記特定の包摂錯体(E成分)を製造する際の加熱条件としては、少なくとも5−ニトロイソフタル酸と、式(1)〜式(3)で表されるイミダゾール化合物とを溶媒に溶解して加熱した後、目的とする特定の包摂錯体(E成分)が得られる温度範囲であればよく、例えば、40〜120℃の範囲で加熱することが好ましく、より好ましくは50〜90℃の範囲内にて加熱することである。
また、上記特定の包摂錯体(E成分)を製造する際の加熱は、5−ニトロイソフタル酸と、式(1)〜式(3)で表されるイミダゾール化合物とを含有する溶液または懸濁液を撹拌しながら行うことが好ましく、加熱還流することがより好ましい。
上記特定の包摂錯体(E成分)の製造する際における、5−ニトロイソフタル酸と、式(1)〜式(3)で表されるイミダゾール化合物とを溶媒に溶解または懸濁して加熱した後の工程としては、例えば、5−ニトロイソフタル酸と、式(1)〜式(3)で表されるイミダゾール化合物とを溶媒に溶解して加熱した後で、加熱を終了することにより包摂錯体である固体化合物を析出させてもよいが、加熱した後、室温で一晩放置することが好ましい。そして、包摂錯体である固体化合物を析出させた後、例えば、濾過して乾燥することにより、目的とする包摂錯体が得られる。
上記特定の包摂錯体(E成分)の含有量は、エポキシ樹脂組成物中の有機成分に対して0.3〜5.0重量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3.0重量%である。すなわち、上記特定の包摂錯体(E成分)の含有量が少な過ぎると、充分な硬化促進作用を得ることが困難となる傾向がみられ、逆に含有量が多過ぎると、シート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物の常温安定性が悪化する傾向がみられるからである。
〈各種添加剤〉
また、本発明におけるエポキシ樹脂組成物には、上記A〜E成分以外に、必要に応じて、上記エポキシ樹脂組成物の機能を損なわない範囲で各種添加剤を配合することができる。例えば、離型剤、難燃剤、顔料、ハイドロタルサイト類化合物等のイオン捕捉剤、酸化防止剤、流動性付与剤、吸湿剤等があげられる。
上記離型剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸カルシウム等の化合物があげられ、例えば、カルナバワックスや酸化ポリエチレン系ワックス等が用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記難燃剤としては、有機リン系化合物、酸化アンチモン、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の金属水酸化物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記顔料には、静電除去効果を有するカーボンブラック等を用いることができる。
さらに、上記各種添加剤以外に、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の各種カップリング剤を適宜用いることができる。
〈シート状エポキシ樹脂組成物の作製〉
本発明のシート状エポキシ樹脂組成物は、例えば、つぎのようにして作製することができる。まず、各配合成分を混合することによりエポキシ樹脂組成物を調製するが、各配合成分が均一に分散混合される方法であれば特に限定するものではない。そして、必要に応じて各配合成分を溶剤等に溶解しワニス塗工により製膜する。あるいは、各配合成分を直接ニーダー等で混練することにより固形樹脂を調製し、このようにして得られた固形樹脂をシート状に押し出して製膜形成してもよい。中でも、簡便に均一な厚みのシートを得ることができるという点から、上記ワニス塗工法が好適に用いられる。
上記ワニス塗工法による本発明のシート状電子部品封止用エポキシ樹脂の作製について述べる。すなわち、上記A〜E成分および必要に応じて他の添加剤を常法に準じて適宜混合し、有機溶剤に均一に溶解あるいは分散させ、塗工用ワニスを調製する。ついで、上記ワニスをポリエステルフィルム等の基材上に塗布し乾燥させ、ポリエステルフィルム等のフィルムで貼り合わせることにより、形成されたワニス層をフィルムとともに巻き取る。
上記有機溶剤としては、特に限定するものではなく従来公知の各種有機溶剤、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、ジオキサン、ジエチルケトン、トルエン、酢酸エチル等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。また、有機溶剤における濃度は、通常、30〜60重量%の範囲とすることが好ましい。
塗工した後、乾燥して有機溶剤を飛ばした後の層(シート)の厚みは、厚みの均一性と残存溶剤量の観点から、例えば、5〜100μm、好ましくは50〜70μmである。このようにして得られたシートを、厚み150μm〜1mm、好ましくは200μm〜600μmとなるように積層して、本発明のシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物が得られる。
〈電子部品装置〉
本発明のシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を用いて硬化反応により得られる硬化物は、耐熱性等に優れることから、各種電子部品、例えば、半導体封止材料等に好適に用いられる。
上記シート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物の加熱硬化条件としては、一般に、150〜190℃の範囲にて行なわれる。
つぎに、本発明のシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を用いた封止方法の一例について述べる。すなわち、本発明のシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を用いての基板上に搭載されたチップ型デバイスの封止は、例えば、つぎのようにして行なわれる。まず、基板上の所定位置にチップ型デバイスが搭載された封止対象製品を準備した後、上記搭載されたチップ型デバイス表面を覆うようにシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物をチップ型デバイス表面に配置し、所定の封止条件にて、シートを加熱硬化することにより、基板と、この基板上に搭載したチップ型デバイスとの空間を中空に保持した状態でチップ型デバイスを樹脂封止する。
上記封止条件としては、例えば、温度80〜100℃、圧力100〜500kPaにて0.5〜5分間真空プレスを行なった後、大気開放して、温度150〜190℃にて30〜120分間加熱するという封止条件があげられる。
このようにして得られる電子部品装置の構成の一例として、例えば、チップ型デバイスに設けられた接続用電極部(バンプ)と、配線回路基板に設けられた接続用電極部を対向させた状態で、配線回路基板上にチップ型デバイスが搭載され、上記配線回路基板上に搭載されたチップ型デバイスを覆うように、配線回路基板上に封止樹脂層が形成され樹脂封止された電子部品装置があげられる。なお、この電子部品装置では、チップ型デバイスと配線回路基板との間の空間部分となるチップ型デバイスの下部は、中空部分に形成される。
上記チップ型デバイスと配線回路基板との空隙(中空部分)間距離は、上記チップ型デバイスに設けられた接続用電極部の大きさ等によって適宜設定されるが、一般に、10〜100μm程度である。また、上記接続用電極部(バンプ)間同士の距離は、一般に、150〜500μm程度に設定することが好ましい。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、エポキシ樹脂組成物の作製に先立って、下記に示す各成分を準備した。
〔エポキシ樹脂〕
ビスフェノール型エポキシ樹脂(エポキシ当量173:DIC社製、EPICRON EXA−850CRP)
〔フェノール樹脂〕
ノボラック型フェノール樹脂(水酸基当量105:昭和高分子社製、ショウノール ND−564)
〔エラストマーc1〕
アクリル系共重合体(ブチルアクリレート:アクリロニトリル:グリシジルメタクリレート=85重量%:8重量%:7重量%からなる共重合体、重量平均分子量80万)
上記アクリル系共重合体は、つぎのようにして合成した。すなわち、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリルを用い、ブチルアクリレート,アクリロニトリル,グリシジルメタクリレートを85:8:7の仕込み重量比率にて配合し、メチルエチルケトン中にて窒素気流下、70℃で5時間、さらに80℃で1時間のラジカル重合を行なうことにより、目的とするアクリル系共重合体を合成した。
〔エラストマーc2〕
アクリル系共重合体(ブチルアクリレート:エチルアクリレート:アクリロニトリル=25重量%:65重量%:10重量%からなる共重合体、重量平均分子量70万)
上記アクリル系共重合体は、つぎのようにして合成した。すなわち、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリルを用い、ブチルアクリレート,エチルアクリレート,アクリロニトリルを25:65:10の仕込み重量比率にて配合し、メチルエチルケトン中にて窒素気流下、70℃で5時間、さらに80℃で1時間のラジカル重合を行なうことにより、目的とするアクリル系共重合体を合成した。
〔包摂錯体e1〕(実施例)
5−ニトロイソフタル酸と前記式(1)で表される2−エチル−4−メチルイミダゾールからなる包摂錯体
〔包摂錯体e2〕(実施例)
5−ニトロイソフタル酸と前記式(2)で表される2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールからなる包摂錯体
〔包摂錯体e3〕(実施例)
5−ニトロイソフタル酸と前記式(3)で表される2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールからなる包摂錯体
〔包摂錯体e4〕(比較例)
5−ヒドロキシイソフタル酸と前記式(1)で表される2−エチル−4−メチルイミダゾールからなる包摂錯体
〔イミダゾール化合物1〕
前記式(1)で表される2−エチル−4−メチルイミダゾール
〔イミダゾール化合物2〕
前記式(2)で表される2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール
〔イミダゾール化合物3〕
前記式(3)で表される2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール
〔リン系錯体1〕
テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート
〔リン系錯体2〕
テトラフェニルホスホニウム・テトラ−p−トリルボレート
〔無機質充填剤〕
球状溶融シリカ粉末(平均粒径0.5μm)
〔顔料〕
カーボンブラック(三菱化学社製、カーボンブラック #20)
〔実施例1〜10、比較例1〜6〕
《シート状エポキシ樹脂組成物の作製》
後記の表1〜表2に示す各成分を同表に示す割合にて分散混合し、これに各成分の合計量と同量のメチルエチルケトンを加えることにより塗工用ワニスを調製した。
つぎに、コンマコーターを用いて厚み38μmのポリエステルフィルム(三菱樹脂社製、MRF−38)の剥離処理面上に上記ワニスを塗工し、乾燥することにより厚みが50μmとなるシート状エポキシ樹脂組成物からなる樹脂層を形成した。
ついで、別途準備したポリエステルフィルムの剥離処理面を、上記樹脂層(シート状エポキシ樹脂組成物)に貼り合わせて巻き取った。その後、ポリエステルフィルムを適宜剥離しながら、ロールラミネーターを用いて上記シート状エポキシ樹脂組成物(厚み50μm)を12枚積層することにより、総厚み600μmの電子部品封止用のシート状エポキシ樹脂組成物を作製した。
このようにして得られた実施例および比較例のシート状エポキシ樹脂組成物を用い、下記に示す方法に従って、特性を測定・評価した。これらの結果を後記の表1〜表2に併せて示す。
〔保存安定性〕
得られたシート状エポキシ樹脂組成物の最低溶融粘度を、レオメーター(HAKKE社製、レオストレスRS1)を用いて測定した(条件:ギャップ100μm、回転コーン直径20mm、回転速度:10秒-1)。つぎに、上記シート状エポキシ樹脂組成物を20℃で30日間保存した後に、上記と同様の条件にて粘度を測定し、保存前後での粘度の上昇率を算出した。その結果、保存前後での粘度の上昇率が3倍未満のものを◎、3〜10倍のものを○、10倍を超えたもの、または硬化してしまい測定不能となったものを×として評価した。
〔アウトガス発生量〕
得られたシート状エポキシ樹脂組成物を175℃で1時間加熱した際の発生ガス量を、アジレントテクノロジー社製のGC−MS装置(ガスクロマトグラフィー−質量分析装置)にて分析した(GC部装置型式:Agilent 6890,MS部装置型式:Agilent 5973N)。その測定結果を示すとともに、発生ガス量が400ppm以下のものを○、発生ガス量が400ppmを超えるものを×として評価した。
GC部測定条件としては、カラム注入温度250℃、カラム温度:40℃から10℃/分の昇温速度にて300℃まで昇温、キャリアガス流量:Heガス1.0ml/分とした。
また、MS測定部では、EI法にてエミッション電流35μA、電子エネルギー70eV、検出質量範囲:m/z 10〜800にて分析を行なった。
なお、発生アウトガスの定量については、n−ブタノール換算による発生ガス量として算出した。
Figure 2013127034
Figure 2013127034
上記結果から、全ての実施例品は、粘度変化倍率が低く保存安定性に優れていることがわかる。また、アウトガス発生量も低いことから、常温での保存安定性およびアウトガス発生の低減効果の双方ともに優れたものであることは明らかである。なかでも、5−ニトロイソフタル酸と式(1)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体、および、5−ニトロイソフタル酸と式(2)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体を用いた実施例1〜4は、粘度変化倍率が一層低く、常温での保存安定性に特に優れたものであった。
これに対して、通常用いられる硬化促進剤であるイミダゾール化合物を用いた比較例1〜3は、アウトガス発生量は少なかったが、粘度変化倍率が高い、もしくは常温での保存にて硬化してしまい保存安定性に劣る結果となった。
また、硬化促進剤としてリン系錯体1を用いた比較例4は、粘度変化倍率は低く常温での保存安定性に関しては良好な結果が得られたが、アウトガスが多量に発生した。
そして、硬化促進剤としてリン系錯体2を用いた比較例5は、常温での保存にて硬化してしまい、またアウトガスが多量に発生した。
さらに、5−ヒドロキシイソフタル酸と前記式(1)で表される2−エチル−4−メチルイミダゾールからなる包摂錯体e4を用いた比較例6は、アウトガスの発生は抑制されたが、常温での保存にて硬化してしまった。
本発明のシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物は、各種半導体素子をはじめとする電子部品(電子デバイス)を樹脂封止する際に用いられるシート状封止材料として有用である。

Claims (6)

  1. 電子部品を封止する際に用いられるシート状エポキシ樹脂組成物であって、シートの厚みが150μm〜1mmであり、上記エポキシ樹脂組成物が、下記の(A)〜(D)成分とともに、下記の(E)成分を含有することを特徴とするシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物。
    (A)エポキシ樹脂。
    (B)フェノール樹脂。
    (C)エラストマー。
    (D)無機質充填剤。
    (E)5−ニトロイソフタル酸と下記の式(1)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体、5−ニトロイソフタル酸と下記の式(2)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体、および、5−ニトロイソフタル酸と下記の式(3)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体からなる群から選ばれた少なくとも一つの包摂錯体。
    Figure 2013127034
    Figure 2013127034
    Figure 2013127034
  2. (E)成分が、5−ニトロイソフタル酸と上記式(1)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体、および、5−ニトロイソフタル酸と上記式(2)で表されるイミダゾール化合物からなる包摂錯体の少なくとも一方からなる包摂錯体である請求項1記載のシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. (D)成分の含有量が、エポキシ樹脂組成物全体の60〜80重量%である請求項1または2記載のシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. (E)成分の含有量が、エポキシ樹脂組成物中の有機成分に対して0.3〜5重量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載のシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. (C)成分であるエラストマーが、(A)成分であるエポキシ樹脂と反応する官能基を有するものである請求項1〜4のいずれか一項に記載のシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のシート状電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、電子部品を樹脂封止してなる電子部品装置。
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