JP2013116708A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Yosuke Matsuda
陽介 松田
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Abstract

【課題】雪上性能及び排水性能を維持しつつ、氷上性能を向上しうる。
【解決手段】回転方向Rが指定されたトレッド部2を有し、かつトレッド部2にクラウン主溝3及びクラウン陸部5Aが設けられた空気入りタイヤ1である。クラウン主溝3は、ジグザグの位相をタイヤ周方向にずらして設けられる。クラウン陸部5Aには、一方のクラウン横溝15Aと他方のクラウン横溝15Bとが隔設されることにより、一方のクラウンブロック17A及び他方のクラウンブロック17Bが交互に形成される。各クラウンブロック17A、17Bの先着コーナ部21aの角度θ1、後着コーナ部21bの角度θ2、及びクラウン横溝15Aの溝幅W4が、所定の範囲に限定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、雪上性能及び排水性能を維持しつつ、氷上性能を向上しうる空気入りタイヤに関する。
近年、トレッド部に配された複数のブロックの外面に、サイピングが設けられた空気入りタイヤが種々提案されている。このような空気入りタイヤは、サイピングのエッジによって、氷路でのグリップを得ることができ、氷上性能を向上しうる。
また、上記のような空気入りタイヤでは、雪路でのグリップや排水性能の向上も同時に求められる。このような性能をも満足させるためには、溝面積を大きくすることにより、大きな雪柱せん断力を得るとともに、トレッド部と路面との間の水膜を円滑に案内することが重要である。関連する技術として次のものがある。
特開平6−278412号公報
しかしながら、上記空気入りタイヤでは、溝面積を大きくすると、ブロックの剛性が低下して、制動時や旋回時に倒れ込みやすくなり、氷上性能が低下するという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、クラウン主溝をジグザグに形成するとともに、クラウン陸部に形成されるクラウンブロックの回転方向先着側に突出する先着コーナ部の角度θ1、回転方向後着側に突出する後着コーナ部の角度θ2、及びクラウン横溝の溝幅を、所定の範囲に限定することを基本として、雪上性能及び排水性能を維持しつつ、氷上性能を向上しうる空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、回転方向が指定されたトレッド部を有し、該トレッド部に、タイヤ赤道の両側にタイヤ周方向に連続してのびる一対のクラウン主溝を具えるとともに、該クラウン主溝間にクラウン陸部が区分された空気入りタイヤであって、前記クラウン主溝は、回転方向に向かってタイヤ軸方向内側に傾斜する傾斜部と、タイヤ周方向で隣り合う傾斜部間を該傾斜部よりも小さい長さの継ぎ部とを接続したジグザグであり、一方の前記クラウン主溝と他方のクラウン主溝とは、前記ジグザグの位相をタイヤ周方向にずらして設けられ、前記クラウン陸部には、前記一方のクラウン主溝の傾斜部と前記継ぎ部との接続部から回転方向に向かってタイヤ赤道側に傾斜するとともにタイヤ赤道を超えてのびる内端を有する一方のクラウン横溝と、前記他方のクラウン主溝の傾斜部と前記継ぎ部との接続部から回転方向に向かってタイヤ赤道側に傾斜するとともにタイヤ赤道を超えてのびる内端を有する他方のクラウン横溝とがタイヤ周方向に交互に隔設され、前記一方のクラウン主溝の内端は、前記他方のクラウン横溝の端部以外に連通して終端するとともに、前記他方のクラウン主溝の内端は、前記一方のクラウン横溝の端部以外に連通して終端することにより、前記クラウン陸部には、一方のクラウン主溝の傾斜部と、タイヤ周方向に隣り合う一対の一方のクラウン横溝と、他方のクラウン横溝とで区分される一方のクラウンブロック、及び、他方のクラウン主溝の傾斜部と、タイヤ周方向に隣り合う一対の他方のクラウン横溝と、一方のクラウン横溝とで区分される他方のクラウンブロックがタイヤ周方向交互に形成され、前記各クラウンブロックは、回転方向の先着側に突出する先着コーナ部の角度θ1、及び、回転方向の後着側に突出する後着コーナ部の角度θ2は、ともに90゜よりも小さく、かつθ1>θ2であり、しかも、前記クラウン横溝の溝幅が1.5〜4.0mmであることを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、前記クラウン陸部のタイヤ軸方向の最大幅が、トレッド接地幅の15〜25%である請求項1記載の空気入りタイヤである。
また、請求項3記載の発明は、前記各クラウンブロックには、タイヤ軸方向外側に向かって回転方向に傾斜するサイピングが複数本設けられる請求項1又は2記載の空気入りタイヤである。
また、請求項4記載の発明は、前記クラウン陸部のタイヤ軸方向外側に、ブロックが隔設されたブロック列が設けられ、前記ブロックのうち、少なくともクラウンブロックとタイヤ軸方向外側で隣接するブロックには、該クラウンブロックの前記サイピングとは逆方向に傾斜したサイピングが複数本設けられる請求項3に記載の空気入りタイヤである。
なお、タイヤの各部の寸法は、特に断りがない限り、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された正規状態において特定される値とする。
前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。
前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE"とするが、タイヤが乗用車用である場合には一律に180kPaとする。
本発明の空気入りタイヤは、回転方向が指定されたトレッド部を有し、該トレッド部に、タイヤ赤道の両側にタイヤ周方向に連続してのびる一対のクラウン主溝を具えるとともに、該クラウン主溝間にクラウン陸部が区分される。また、クラウン主溝は、回転方向に向かってタイヤ軸方向内側に傾斜する傾斜部と、タイヤ周方向で隣り合う傾斜部間を該傾斜部よりも小さい長さの継ぎ部で接続したジグザグである。
このようなクラウン主溝は、トレッド部と路面との間の水膜を切り裂くとともに、タイヤ周方向に円滑に案内できる。また、クラウン主溝は、ジグザグ形状によって大きな雪柱せん断力を得ることができ、排水性能及び雪上性能を向上しうる。さらに、クラウン主溝は、ストレート溝からなるものに比べて、エッジ成分を大きくできるため、氷上性能を向上しうる。
また、一方のクラウン主溝と他方のクラウン主溝とは、ジグザグの位相をタイヤ周方向にずらして設けられる。これにより、各クラウン主溝は、雪柱せん断力やエッジ成分を、タイヤ周方向で万遍なく得ることができ、雪上性能及び氷上性能を向上しうる。
さらに、クラウン陸部には、一方のクラウン主溝の傾斜部と継ぎ部との接続部から回転方向に向かってタイヤ赤道側に傾斜するとともにタイヤ赤道を超えてのびる内端を有する一方のクラウン横溝と、他方のクラウン主溝の傾斜部と前記継ぎ部との接続部から回転方向に向かってタイヤ赤道側に傾斜するとともにタイヤ赤道を超えてのびる内端を有する他方のクラウン横溝とがタイヤ周方向に交互に隔設される。
このような一方のクラウン横溝及び他方のクラウン横溝は、各クラウン主溝からタイヤ赤道を超えて、クラウン陸部に万遍なく配置されるため、該クラウン陸部と路面との間の水膜を円滑に案内でき、排水性能を向上しうる。また、各クラウン横溝は、クラウン陸部において、エッジ成分や雪柱せん断力をバランス良く高めることができ、氷上性能及び雪上性能を向上しうる。
また、一方のクラウン主溝の内端は、他方のクラウン主溝の端部以外に連通して終端するとともに、他方のクラウン主溝の内端は、一方のクラウン主溝の端部以外に連通して終端する。これにより、クラウン陸部には、一方のクラウン主溝の傾斜部と、タイヤ周方向に隣り合う一対の一方のクラウン横溝と、他方のクラウン横溝とで区分される一方のクラウンブロック、及び、他方のクラウン主溝の傾斜部と、タイヤ周方向に隣り合う一対の他方のクラウン横溝と、一方のクラウン横溝とで区分される他方のクラウンブロックがタイヤ周方向交互に形成される。これにより、一方のクラウンブロック及び他方のクラウンブロックのエッジ成分を、タイヤ周方向で交互に発揮させることができ、氷上性能を向上しうる。
さらに、各クラウンブロックは、回転方向の先着側に突出する先着コーナ部の角度θ1、及び、回転方向の後着側に突出する後着コーナ部の角度θ2は、ともに90゜よりも小さく、かつθ1>θ2である。
このような各クラウンブロックは、先着コーナ部及び後着コーナ部が鋭角に形成されるため、雪路に効果的に食い込んで大きな雪柱せん断力を得ることができ、雪上性能を向上しうる。さらに、クラウンブロックは、先着コーナ部の剛性が相対的に大きく設定されるため、氷路での制動時において、回転方向の先着側へのブロックの倒れ込みを抑制でき、接地面積減少による氷上性能の低下を防ぐことができる。
また、クラウン横溝の溝幅は、1.5〜4.0mmに設定される。これにより、各クラウンブロックは、制動時や旋回時において、クラウン横溝を介して隣り合うクラウンブロックと接して支え合い、各クラウンブロックの倒れ込みが効果的に抑制され、氷上性能を向上しうる。
本実施形態の空気入りタイヤのトレッド部の展開図である。 図1のA−A断面図である。 クラウン陸部の拡大図である。 ミドル陸部の拡大図である。 ショルダー陸部の拡大図である。 同方向に傾斜するサイピングを有するトレッド部の展開図である。 比較例1の空気入りタイヤのトレッド部の展開図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある)1は、該タイヤ1の回転方向Rが指定されたトレッド部2を有する乗用車用のスタッドレスタイヤとして構成される。また、回転方向Rは、例えばタイヤのサイドウォール部(図示省略)などに、絵記号等によって表示される。
本実施形態のトレッド部2には、タイヤ赤道の両側でタイヤ周方向に連続してのびる一対のクラウン主溝3と、該クラウン主溝3のタイヤ軸方向外側でタイヤ周方向に連続してのびる一対のショルダー主溝4とが設けられる。
これにより、トレッド部2は、一対のクラウン主溝3、3間のクラウン陸部5A、クラウン主溝3とショルダー主溝4との間のミドル陸部5B、及びショルダー主溝4とトレッド接地端2tとの間のショルダー陸部5Cに区分される。
本明細書において、前記「トレッド接地端2t」は、外観上、明瞭なエッジによって識別できるときには当該エッジとするが、識別不能の場合には、前記正規状態のタイヤ1に正規荷重を負荷してキャンバー角0度でトレッド部2を平面に接地させたときにおいて、最もタイヤ軸方向外側で平面に接地する接地端が、トレッド接地端2tとして定められる。
前記「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" とする。
前記クラウン主溝3は、タイヤ軸方向で隣り合う一方のクラウン主溝3Aと、他方のクラウン主溝3Bとを含む。図3に拡大して示されるように、各クラウン主溝3A、3Bは、回転方向Rに向かってタイヤ軸方向内側に傾斜する傾斜部7と、タイヤ周方向で隣り合う傾斜部7、7間を接続する継ぎ部8とを含む。これらの傾斜部7及び継ぎ部8がタイヤ周方向で交互に設けられることにより、クラウン主溝3はジグザグ状に形成される。
前記傾斜部7は、そのタイヤ軸方向の外端7oから内端7iに向かって、タイヤ周方向に対する角度α1aを滑らかに漸減させてのびている。ここで、前記外端7o、内端7i及び角度α1aは、クラウン主溝3の溝中心線3c上で特定されるものとする。
一方、前記継ぎ部8は、傾斜部7の内端7iと、該傾斜部7と回転方向Rで隣り合う傾斜部7の外端7oとの間を、タイヤ周方向に対して相対的に大きな角度α1bで、傾斜部7とは逆方向に傾斜してのびる。また、継ぎ部8のタイヤ周方向の長さL1bは、傾斜部7のタイヤ周方向の長さL1aよりも小に設定される。
このようなクラウン主溝3は、トレッド部2と路面との間の水膜を切り裂くとともに、タイヤ周方向に案内できるため、排水性能を向上しうる。また、クラウン主溝3は、傾斜部7と継ぎ部8との鋸刃状のジグザグ形状によって、大きな雪柱せん断力を得ることができ、雪上性能を向上しうる。さらに、クラウン主溝3は、ストレート溝からなるものに比べて、エッジ成分を大きくできるため、氷上性能を向上しうる。
上記作用を効果的に発揮させるために、クラウン主溝3は、その溝幅W1(図1に示す)が、トレッド接地端2t、2tのタイヤ軸方向の長さであるトレッド接地幅TW(図1に示す)の2〜6%程度、溝深さD1(図2に示す)がトレッド接地幅TWの3〜7%程度が望ましい。
また、傾斜部7の前記角度α1aは、0〜20度程度、継ぎ部8の前記角度α1bが40〜60度程度、及び継ぎ部8の前記長さL1bと傾斜部7の前記長さL1aとの比L1b/L1aが10〜30%程度が望ましい。
さらに、傾斜部7の内端7iと外端7oとの距離であるクラウン主溝3のジグザグ幅W10は、トレッド接地幅TW(図1に示す)の1〜4%が望ましい。なお、前記幅の比W10/TWが1%未満であると、雪柱せん断力や、エッジ成分を十分に得ることができないおそれがある。逆に、前記比W10/TWが4%を超えると、排水性能が低下するおそれがある。このような観点より、前記比W10/TWは、より好ましくは2%以上が望ましく、また、より好ましくは3%以下が望ましい。
図1に示されるように、本実施形態では、一方のクラウン主溝3Aと他方のクラウン主溝3Bとは、タイヤ赤道Cに関して対称形状をなすが、ジグザグの位相をタイヤ周方向にずらして配置される。これにより、各クラウン主溝3A、3Bは、雪柱せん断力やエッジ成分を、タイヤ周方向で万遍なく高めることができ、雪上性能及び氷上性能を向上しうる。
このような作用を効果的に発揮させるために、各クラウン主溝3A、3Bの位相差M1は、傾斜部7の前記長さL1a(図3に示す)の40〜60%程度が望ましい。なお、前記位相差M1は、各クラウン主溝3A、3Bの傾斜部7の外端7o、7o間で測定されるものとする。
前記ショルダー主溝4は、一方のクラウン主溝3Aのタイヤ軸方向外側に配される一方のショルダー主溝4Aと、他方のクラウン主溝3Bのタイヤ軸方向外側に配される他方のショルダー主溝4Bとを含む。
各ショルダー主溝4A、4Bは、回転方向Rに向かってタイヤ軸方向内側に傾斜する第1ショルダー傾斜部11と、タイヤ周方向で隣り合う第1ショルダー傾斜部11、11を接続し、かつタイヤ軸方向外側に傾斜する第2ショルダー傾斜部12とを含む。これらのショルダー傾斜部11、12がタイヤ周方向に交互に設けられることにより、各ショルダー主溝4A、4Bは、鋸刃状のジグザグ形状をなしている。
前記第1ショルダー傾斜部11及び前記第2ショルダー傾斜部12は、タイヤ周方向に対する角度α2a、α2bが15〜35度程度、かつタイヤ周方向の各長さL2a、L2bが同一に設定される。なお、前記各角度α2a、α2b、及び各長さL2a、L2bは、ショルダー主溝4の溝中心線4c上で測定されるものとする。
このようなショルダー主溝4は、クラウン主溝3と同様にジグザグ状に形成されるため、雪上性能及び排水性能を向上しうる。また、ショルダー主溝4は、第1ショルダー傾斜部11及び第2ショルダー傾斜部12の各長さL2a、L2bが同一に設定されるため、各傾斜部11、12のエッジ成分をバランスよく発揮でき、氷上性能を向上しうる。
上記作用を効果的に発揮させるために、ショルダー主溝4の溝幅W2は、トレッド接地幅TWの2〜6%程度、溝深さD2(図2に示す)がトレッド接地幅TWの2〜6%程度が望ましい。また、第1ショルダー傾斜部11及び第2ショルダー傾斜部12の各長さL2a、L2bは、トレッド接地幅TWの15〜23%程度が望ましい。
さらに、本実施形態では、一方のショルダー主溝4Aと他方のショルダー主溝4Bとは、タイヤ赤道Cに関して対称形状をなすが、ジグザグの位相をタイヤ周方向にずらして設けられる。これにより、各ショルダー主溝4A、4Bは、雪柱せん断力やエッジ成分を、タイヤ周方向で万遍なく高めることができる。
このような作用を効果的に発揮させるために、一方のショルダー主溝4Aと他方のショルダー主溝4Bとの位相差M2は、各ショルダー傾斜部11、12の前記長さL2a(図4に示す)の40〜60%が望ましい。なお、前記位相差M2は、各ショルダー主溝4A、4Bの各ショルダー傾斜部11、12の接続部13、13間で測定されるものとする。
図3に示されるように、前記クラウン陸部5Aには、一方のクラウン主溝3Aの傾斜部7と継ぎ部8との接続部をなす該傾斜部7の内端7iから、回転方向Rに向かってタイヤ赤道C側に傾斜する一方のクラウン横溝15Aと、他方のクラウン主溝3Bの傾斜部7と継ぎ部8との接続部をなす該傾斜部7の内端7iから、回転方向Rに向かってタイヤ赤道C側に傾斜する他方のクラウン横溝15Bとが設けられる。これらのクラウン横溝15A、15Bは、タイヤ周方向に交互に隔設される。
これにより、クラウン陸部5Aには、一方のクラウン主溝3Aの傾斜部7と、タイヤ周方向に隣り合う一対の一方のクラウン横溝15A、15Aと、他方のクラウン横溝15Bとで区分される一方のクラウンブロック17A、及び他方のクラウン主溝3Bの傾斜部7と、タイヤ周方向に隣り合う一対の他方のクラウン横溝15B、15Bと、一方のクラウン横溝15Aとで区分される他方のクラウンブロック17Bが形成される。そして、これらのクラウンブロック17A、17Bがタイヤ周方向に交互に配置されることにより、クラウン陸部5Aには、クラウンブロック列6Aが形成される。
図1に示されるように、クラウン陸部5Aは、タイヤ軸方向の最大幅W3が、トレッド接地幅TWの15〜25%に設定される。これにより、クラウン陸部5Aは、タイヤ軸方向の広範囲に亘って接地面を形成できるため、氷上性能を向上しうる。
なお、前記最大幅W3とトレッド接地幅TWとの比W3/TWが、15%未満であると、上記作用を十分に発揮できないおそれがある。逆に、前記比W3/TWが25%を超えると、クラウン陸部のランド比が過大となり、雪上性能及び排水性能を十分に向上できないおそれがある。このような観点より、前記比W3/TWは、より好ましくは18%以上が望ましく、また、より好ましくは22%以下が望ましい。
図3に示されるように、前記一方のクラウン横溝15Aは、タイヤ周方向に対する角度α4aを滑らかに漸減させて傾斜するとともに、タイヤ赤道Cを超えてのびる内端15Aiを有する。この内端15Aiは、他方のクラウン横溝15Bの各端部15Bi、15Bo以外、本実施形態では、該他方のクラウン横溝15Bの各端部15Bi、15Boの中点15Bmに連通して終端する。
また、前記他方のクラウン横溝15Bは、タイヤ周方向に対する角度α4bを滑らかに漸減させて傾斜するとともに、タイヤ赤道Cを超えてのびる内端15Biを有する。この内端15Biは、一方のクラウン横溝15Aの各端部15Ai、15Ao以外、本実施形態では、該一方のクラウン横溝15Aの各端部15Ai、15Aoの中点15Amに連通して終端する。
このような一方のクラウン横溝15A及び他方のクラウン横溝15Bは、各クラウン主溝3A、3Bからタイヤ赤道Cを超えて配置されるため、該クラウン陸部5Aと路面との間の水膜を円滑に案内でき、排水性能を向上しうる。また、各クラウン横溝15A、15Bは、エッジ成分や雪柱せん断力をバランス良く高めることができ、氷上性能及び雪上性能を向上しうる。なお、各クラウン横溝15A、15Bの各溝深さD4(図2に示す)は、トレッド接地幅TWの1〜5%程度、前記各角度α4a、α4bが20〜50度程度が望ましい。
さらに、図1に示されるように、各クラウン横溝15A、15Bの溝幅W4は、1.5〜4.0mmに設定される。このように、各クラウン横溝15A、15Bは、比較的細く形成されるため、制動時や旋回時において、各クラウン横溝15A、15Bを介して隣り合うクラウンブロック17A、17Bを接して支え合わせることができる。これにより、クラウンブロック17A、17Bの倒れ込みが効果的に抑制され、接地面積減少による氷上性能の低下を防ぐことができる。
なお、前記溝幅W4が4.0mmを超えると、上記作用を十分に発揮できないおそれがある。逆に、前記溝幅W4が1.5mm未満であると、溝容積が過度に小さくなり、雪上性能及び排水性能を十分に維持できなくなるおそれがある。このような観点より、前記溝幅W4は、より好ましくは3.0mm以下が望ましく、また、より好ましくは2.0mm以上が望ましい。
図3に示されるように、前記一方のクラウンブロック17A及び他方のクラウンブロック17Bは、タイヤ周方向の長さL5aが、タイヤ軸方向の幅W5aよりも大に形成される。さらに、各クラウンブロック17A、17Bは、回転方向Rの先着側に突出する先着コーナ部21aと後着側に突出する後着コーナ部21bとが設けられ、縦長菱形状に形成される。
このような各クラウンブロック17A、17Bは、タイヤ周方向の剛性を高めることができ、雪上性能を向上しうる。さらに、各クラウンブロック17A、17Bは、そのタイヤ周方向の接地長さを相対的に大きくすることができ、氷上性能を向上しうる。なお、各クラウンブロック17A、17Bの前記長さL5aは、トレッド接地幅TW(図1に示す)の20〜30%程度、前記幅W5aは、トレッド接地幅TWの8〜13%程度が望ましい。
また、各クラウンブロック17A、17Bは、前記先着コーナ部21aの角度θ1、及び前記後着コーナ部21bの角度θ2が、ともに90度よりも小に設定される。これにより、各クラウンブロック17A、17Bは、先着コーナ部21a及び後着コーナ部21bが鋭角に形成されるため、雪路に効果的に食い込んで大きな雪柱せん断力を得ることができるとともに、トレッド部2と路面との間の水膜を切り裂くことができ、雪上性能及び排水性能を向上しうる。
なお、前記角度θ1、θ2が90度以上であると、上記作用を十分に発揮できないおそれがある。逆に、前記角度θ1、θ2が20度以下であると、各クラウンブロック17A、17Bの周方向剛性が低下し、雪上性能及び氷上性能を十分に向上できないおそれがある。このような観点より、前記角度θ1、θ2は、より好ましくは70度以下が望ましく、また、より好ましくは25度以上が望ましい。
さらに、本実施形態では、先着コーナ部21aの前記角度θ1が、後着コーナ部21bの角度θ2よりも大に設定される。これにより、各クラウンブロック17A、17Bは、先着コーナ部21aの剛性が相対的に大きく設定されるため、氷路での制動時において、回転方向Rの後着側へのブロックの倒れ込みを抑制でき、接地面積減少による氷上性能の低下を防ぐことができる。
このような作用を効果的に発揮させるために、前記角度θ1と前記角度θ2との差θ1−θ2は、20〜40度が望ましい。なお、前記差θ1−θ2が20度未満であると、上記作用を十分に発揮できないおそれがある。逆に、前記差θ1−θ2が40度を超えると、先着コーナ部21aと後着コーナ部21bとの剛性差が過大となり、雪上性能及び氷上性能の低下や、偏磨耗が生じるおそれがある。このような観点より、前記差(θ1−θ2)は、より好ましくは25度以上が望ましく、また、より好ましくは35度以下が望ましい。
また、各クラウンブロック17A、17Bの踏面には、タイヤ軸方向の内側から外側に向かって、回転方向Rの先着側へ傾斜してのびる複数のサイピングS1が設けられる。このようなサイピングS1は、直進時から旋回初期時に亘って、各クラウンブロック17A、17Bの踏面のエッジ成分を高めることができ、氷上性能を向上しうる。なお、サイピングS1の深さ(図示省略)は、クラウン主溝3の溝深さD1(図2に示す)の70〜100%程度、タイヤ周方向に対する角度β1が50〜70度程度が望ましい。
本実施形態のサイピングS1は、その一端が各クラウンブロック17A、17Bの側縁で開口し、かつその他端が各クラウンブロック17A、17B内で終端するセミオープンサイプからなる。このようなセミオープンサイプは、エッジ成分を維持しつつ、各クラウンブロック17A、17Bの剛性を高めることができ、氷上性能及び耐偏摩耗性能を向上しうる。
また、サイピングS1は、各クラウンブロック17A、17Bのタイヤ軸方向内側で開口する第1セミオープンサイプS1aと、タイヤ軸方向外側で開口する第2セミオープンサイプS1bとを含み、これらのサイプS1a、S1bがタイヤ周方向に交互に設けられるのが望ましい。これにより、サイピングS1のエッジ成分をタイヤ軸方向にバランスよく形成することができ、氷上性能及び耐偏摩耗性能を向上しうる。
図1に示されるように、前記ミドル陸部5Bには、タイヤ周方向にのびるミドル副溝23、及びクラウン主溝3とショルダー主溝4との間をタイヤ軸方向にのびるミドル横溝24が設けられる。
これにより、図1及び図4に示されるように、ミドル陸部5Bには、クラウン主溝3の傾斜部7と、タイヤ周方向で隣り合う一対のミドル横溝24、24と、ミドル副溝23とで区分される内側ミドルブロック25、及びミドル副溝23と、タイヤ周方向で隣り合う一対のミドル横溝24、24と、ショルダー主溝4とで区分される外側ミドルブロック26が設けられる。そして、ミドル陸部5Bには、各内側ミドルブロック25及び外側ミドルブロック26が、タイヤ周方向に隔設されることにより、内側ミドルブロック列6B及び外側ミドルブロック列6Cが設けられる。
前記ミドル副溝23は、回転方向Rに向かって、タイヤ軸方向内側に傾斜する第1ミドル傾斜部23aと、タイヤ周方向で隣り合う第1ミドル傾斜部23a、23aを接続し、かつタイヤ軸方向外側に傾斜する第2ミドル傾斜部23bとを含む。これらのミドル傾斜部23a、23bは、タイヤ周方向に交互に設けられる。また、ミドル副溝23は、タイヤ軸方向外側で隣り合うショルダー主溝4と同一の位相で、タイヤ周方向にジグザグ状にのびる。
このようなミドル副溝23は、ミドル陸部5Bの剛性を維持しつつ、ミドル陸部5Bと路面との間の水膜をタイヤ周方向に案内しうるとともに、大きな雪柱せん断力やエッジ成分を得ることができ、排水性能、雪上性能及び氷上性能を向上しうる。なお、ミドル副溝23の溝幅W6(図1に示す)は、トレッド接地幅TWの1〜3%程度、溝深さD6(図2に示す)がトレッド接地幅TWの2〜5%程度が望ましい。
前記ミドル横溝24は、クラウン主溝3からショルダー主溝4に向かって、回転方向Rの後着側に傾斜してのびる。このようなミドル横溝24は、トレッド部2と路面との間の水膜をタイヤ軸方向へ円滑に案内しうるとともに、溝内で雪を押し固めて雪柱せん断力を得ることができ、排水性能及び雪上性能を高めるのに役立つ。なお、ミドル横溝24の溝幅W7(図1に示す)は、トレッド接地幅TWの2〜5%程度、溝深さD7(図2に示す)がトレッド接地幅TWの2〜5%程度が望ましい。
また、本実施形態のミドル横溝24は、クラウン主溝3の傾斜部7の外端7oからタイヤ周方向に対して50〜70度の角度α7aで傾斜してのびる急傾斜部24aと、該急傾斜部24aからタイヤ周方向に対して80〜90度の角度α7bで傾斜してのびる緩傾斜部24bとを含む。
このようなミドル横溝24は、急傾斜部24aが、クラウン主溝3内の水を効率的に取り込んで、タイヤ軸方向外側に円滑に案内できるため、排水性能を大幅に向上しうる。さらに、ミドル横溝24は、急傾斜部24aと緩傾斜部24bとの屈曲により、雪柱せん断力やエッジ成分を高めることができるため、雪上性能及び氷上性能を向上しうる。
このような作用を効果的に発揮させるために、前記急傾斜部24aは、緩傾斜部24bとの接続部24cからクラウン主溝3に向かって、その溝幅W7(図1に示す)が漸増するのが望ましい。これにより、急傾斜部24aは、クラウン主溝3内の水を、より効率的に取り込むことができるため、排水性能を向上しうる。
前記内側ミドルブロック25は、タイヤ軸方向の外側縁25Aoがタイヤ軸方向内側に凹む第1内側ミドルブロック25A、及び外側縁25Boがタイヤ軸方向外側に突出する第2内側ミドルブロック25Bを含む。これらの内側ミドルブロック25A、25Bは、タイヤ周方向に交互に配置される。また、各内側ミドルブロック25A、25Bは、タイヤ周方向の長さL5bが、タイヤ軸方向の幅W5bよりもやや大きい縦長状に形成される。
このような第1、第2内側ミドルブロック25A、25Bは、ブロックの剛性及び接地長さを、タイヤ周方向及びタイヤ軸方向でバランスよく大きくすることができ、雪上性能及び氷上性能を向上しうる。また、各内側ミドルブロック25A、25Bは、各外側縁25Ao、25Boによってエッジ成分を高めることができ、氷上性能をさらに向上しうる。なお、各内側ミドルブロック25A、25Bの前記長さL5bは、トレッド接地幅TWの15〜25%程度、前記幅W5bが、トレッド接地幅TWの5〜15%程度が望ましい。
また、第1、第2内側ミドルブロック25A、25Bの踏面には、複数のサイピングS2が設けられる。このようなサイピングS2は、各内側ミドルブロック25A、25Bの踏面のエッジ成分を高めることができ、氷上性能を向上しうる。なお、サイピングS2の深さ(図示省略)は、各クラウンブロック17A、17BのサイピングS1の深さと同一範囲が望ましい。
さらに、前記サイピングS2は、タイヤ軸方向内側で隣接する各クラウンブロック17A、17BのサイピングS1とは逆方向に傾斜している。これにより、サイピングS2は、クラウンブロック17A、17BのサイピングS1とは異なる方向のエッジ成分を形成でき、氷上性能をさらに向上しうる。なお、サイピングS2のタイヤ周方向に対する角度β2は、55〜75度が望ましい。
また、前記サイピングS2は、その一端がクラウン主溝3で開口し、かつその他端が、各内側ミドルブロック25A、25B内で終端するセミオープンサイプからなる。このようなセミオープンサイプは、旋回時に大きな横力がかかる各内側ミドルブロック25A、25Bの外側縁25Ao、25Bo側の剛性を維持することができ、雪上性能及び偏摩耗性能を向上しうる。
前記外側ミドルブロック26は、タイヤ軸方向内側にく字状に屈曲する第1外側ミドルブロック26Aと、タイヤ軸方向外側に逆く字状に屈曲する第2外側ミドルブロック26Bとを含む。これらの外側ミドルブロック26A、26Bは、タイヤ周方向に交互に配置される。また、外側ミドルブロック26A、26Bは、タイヤ周方向の長さL5cが、タイヤ軸方向の幅W5cよりも小さい縦長状に形成される
このような各外側ミドルブロック26A、26Bは、タイヤ周方向の剛性を向上させつつ、エッジ成分を高めることができるため、雪上性能及び氷上性能を向上しうる。なお、各外側ミドルブロック26A、26Bの前記長さL5cは、トレッド接地幅TW(図1に示す)の13〜23%程度、前記幅W5cが、トレッド接地幅TWの8〜18%程度が望ましい。
また、第1、第2外側ミドルブロック26A、26Bの踏面には、複数のサイピングS3が設けられる。このサイピングS3は、各クラウンブロック17A、17BのサイピングS1とは逆方向に傾斜している。このようなサイピングS3は、内側ミドルブロック25のサイピングS2と同様に、クラウンブロック17A、17BのサイピングS1とは異なる方向のエッジ成分を形成でき、氷上性能を向上しうる。なお、サイピングS3の深さ(図示省略)は、各クラウンブロック17A、17BのサイピングS1の深さと同一範囲が望ましい。
さらに、サイピングS3は、タイヤ周方向に対する角度β3が、内側ミドルブロック25のサイピングS2の前記角度β2よりも大に設定される。これにより、サイピングS3は、内側ミドルブロック25のサイピングS2とは異なる方向のエッジ成分を形成できるため、氷上性能を向上しうる。なお、前記角度β3は、70〜90度が望ましい。
また、本実施形態のサイピングS3は、各外側ミドルブロック26A、26Bのタイヤ軸方向内側で開口する第1セミオープンサイプS3aと、外側で開口する第2セミオープンサイプS3bと、タイヤ軸方向両側で開口するフルオープンサイプS3cとを含み、交互に配置される。このようなサイプS3a、S3b、S3cは、各外側ミドルブロック26A、26Bの踏面に、エッジ成分をタイヤ軸方向でバランスよく形成しうる。
図1に示されるように、前記ショルダー陸部5Cには、ショルダー主溝4とトレッド接地端2tとの間をタイヤ軸方向にのびるショルダー横溝31が設けられる。これにより、ショルダー陸部5Cには、ショルダー主溝4と、タイヤ周方向で隣り合う一対のショルダー横溝31、31と、トレッド接地端2tとで区分されるショルダーブロック32が設けられる。そして、ショルダー陸部5Cには、ショルダーブロック32がタイヤ周方向に隔設されることにより、ショルダーブロック列6Dが設けられる。
図5に拡大して示されるように、前記ショルダー横溝31は、ショルダー主溝からトレッド接地端2tに向かって、回転方向Rの後着側に傾斜してのびる。このようなショルダー横溝31は、ミドル横溝24と同様に、排水性能及び雪上性能を高めうる。
さらに、本実施形態のショルダー横溝31は、そのタイヤ周方向の角度α8が、ミドル横溝24の緩傾斜部24bの前記角度α7bと同一に設定され、かつ該緩傾斜部24bとショルダー主溝4を介して直線状に連続して配置される。
これにより、ショルダー横溝31は、トレッド部2と路面との間の水膜を、ミドル横溝24と共に、連続して案内することができ、排水性能を大幅に向上しうる。なお、ショルダー横溝31の溝幅W8及び溝深さD8(図2に示す)は、ミドル横溝24の溝幅W7及び溝深さD7と同一範囲が望ましい。
前記ショルダーブロック32は、そのタイヤ軸方向の内側縁32Aiがタイヤ軸方向の内側に突出する第1ショルダーブロック32Aと、外側に突出する第2ショルダーブロック32Bとを含む。これらのショルダーブロック32A、32Bは、タイヤ周方向に交互に配置される。また、各ショルダーブロック32A、32Bは、各タイヤ周方向の長さL5dが、タイヤ軸方向の幅W5dと略同一に設定される。
このような第1、第2ショルダーブロック32A、32Bは、ブロックの剛性や接地長さを、タイヤ周方向及びタイヤ軸方向でバランスよく大きくすることができ、氷上性能及び氷上性能を向上しうる。また、各ショルダーブロック32A、32Bは、各内側縁32Ai、32Biによってエッジ成分を高めることができ、氷上性能をさらに向上しうる。なお、各ショルダーブロック32A、32Bの前記長さL5dは、トレッド接地幅TW(図1に示す)の12〜22%程度、前記幅W5dが、トレッド接地幅TWの8〜18%程度が望ましい。
また、第1、第2ショルダーブロック32A、32Bの踏面には、各クラウンブロック17A、17BのサイピングS1とは逆方向に傾斜する複数のサイピングS4が設けられる。このようなサイピングS4は、前記サイピングS1とは異なる方向のエッジ成分を形成でき、氷上性能を高めうる。なお、サイピングS4の深さ(図示省略)は、各クラウンブロック17A、17BのサイピングS1の深さと同一範囲が望ましい。
さらに、サイピングS4は、タイヤ周方向に対する角度β4が、外側ミドルブロック26のサイピングS3の前記角度β3(図4に示す)と同一に設定される。これにより、ショルダーブロック32は、外側ミドルブロック26と同一方向のエッジを発揮しうるため、氷路における旋回性能を大幅に向上しうる。
また、前記サイピングS4は、その一端がショルダー主溝4で開口し、かつその他端が、各ショルダーブロック32A、32B内で終端するセミオープンサイプからなる。このようなサイピングS4は、旋回時に大きな横力がかかるトレッド接地端2t側の剛性を維持することができ、雪上性能及び偏摩耗性能を向上しうる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示す基本構造をなし、表1に示す主溝、陸部、及び横溝を有するタイヤが製造され、それらの性能が評価された。また、図6に示される各ブロックに設けられるサイピングが同方向に傾斜して配置されるタイヤや、図7に示される従来のタイヤ(比較例1)についても同様に評価された。なお、共通仕様は以下のとおりである。
タイヤサイズ:225/65 R17
リムサイズ:17×6.5J
トレッド接地幅TW:175mm
クラウン主溝:
溝幅W1:7.0mm、比W1/TW:4.0%
溝深さD1:11.0mm、比D1/TW:6.3%
傾斜部:
角度α1a:5〜10度、長さL1a:24mm
継ぎ部:
角度α1b:50度、長さL1b:2.5mm
比L1b/L1a:10.4%
位相差M1:17mm、比M1/L1a:70.8%
クラウン横溝:
溝深さD4:9.0mm、比D4/TW:5.1%
角度α4a、α4b:30〜40度
ミドル横溝:
溝幅W7:4.5mm、比W7/TW:2.6%
溝深さD7:11.0mm、比D7/TW:6.3%
急傾斜部の角度α7a:60度
緩傾斜部の角度α7b:85度
クラウンブロックのサイピングの角度β1:60度
内側ミドルブロックのサイピングの角度β2:65度
外側ミドルブロックのサイピングの角度β3:80度
ショルダーブロックのサイピングの角度β4:80度
テスト方法は、次の通りである。
<氷上性能>
各供試タイヤを上記リムにリム組みし、内圧210kPa充填して、国産四輪駆動車(排気量2400cc)の全輪に装着するとともに、気温−5℃の環境下にあるミラーバーン状の氷路において、速度30km/hからフルロックの急制動をかけ、車が停車するまでの制動距離が測定された。結果は、各制動距離の逆数に関し、比較例1を100とする指数で表示した。数値が大きいほど氷上性能が良好であることを示す。
<雪上性能>
各供試タイヤを上記リムに条件でリム組みし、上記車両の全輪に装着して、雪路タイヤテストコースを走行させ、ハンドル応答性、剛性感、グリップ等に関する特性をプロのドライバーの官能で評価された。結果は、比較例1を100とする評点で表示している。数値が大きいほど雪上性能が良好であることを示す。
<排水性能>
各供試タイヤを上記リムに条件でリム組みし、上記車両の全輪に装着して、水深5mmのアスファルト路面において、半径100mのアスファルト路面に、水深5mm、長さ20mの水たまりを設けたコース上を、速度を段階的に増加させながら前記車両を進入させ、横加速度(横G)を計測し、50〜80km/hの速度における前輪の平均横Gを算出した。結果は、比較例1を100とする指数で表示し、数値が大きいほど良好であることを示す。
テストの結果を表1に示す。
Figure 2013116708
Figure 2013116708
テストの結果、実施例のタイヤは、雪上性能及び排水性能を維持しつつ、氷上性能を向上しうることが確認できた。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 クラウン主溝
5A クラウン陸部
15A 一方のクラウン横溝
15B 他方のクラウン横溝
17A 一方のクラウンブロック
17B 他方のクラウンブロック
21a 先着コーナ部
21B 後着コーナ部

Claims (4)

  1. 回転方向が指定されたトレッド部を有し、該トレッド部に、タイヤ赤道の両側にタイヤ周方向に連続してのびる一対のクラウン主溝を具えるとともに、該クラウン主溝間にクラウン陸部が区分された空気入りタイヤであって、
    前記クラウン主溝は、回転方向に向かってタイヤ軸方向内側に傾斜する傾斜部と、タイヤ周方向で隣り合う傾斜部間を該傾斜部よりも小さい長さの継ぎ部とを接続したジグザグであり、
    一方の前記クラウン主溝と他方のクラウン主溝とは、前記ジグザグの位相をタイヤ周方向にずらして設けられ、
    前記クラウン陸部には、前記一方のクラウン主溝の傾斜部と前記継ぎ部との接続部から回転方向に向かってタイヤ赤道側に傾斜するとともにタイヤ赤道を超えてのびる内端を有する一方のクラウン横溝と、
    前記他方のクラウン主溝の傾斜部と前記継ぎ部との接続部から回転方向に向かってタイヤ赤道側に傾斜するとともにタイヤ赤道を超えてのびる内端を有する他方のクラウン横溝とがタイヤ周方向に交互に隔設され、
    前記一方のクラウン主溝の内端は、前記他方のクラウン横溝の端部以外に連通して終端するとともに、前記他方のクラウン主溝の内端は、前記一方のクラウン横溝の端部以外に連通して終端することにより、
    前記クラウン陸部には、一方のクラウン主溝の傾斜部と、タイヤ周方向に隣り合う一対の一方のクラウン横溝と、他方のクラウン横溝とで区分される一方のクラウンブロック、及び、他方のクラウン主溝の傾斜部と、タイヤ周方向に隣り合う一対の他方のクラウン横溝と、一方のクラウン横溝とで区分される他方のクラウンブロックがタイヤ周方向交互に形成され、
    前記各クラウンブロックは、回転方向の先着側に突出する先着コーナ部の角度θ1、及び、回転方向の後着側に突出する後着コーナ部の角度θ2は、ともに90゜よりも小さく、かつθ1>θ2であり、
    しかも、前記クラウン横溝の溝幅が1.5〜4.0mmであることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記クラウン陸部のタイヤ軸方向の最大幅が、トレッド接地幅の15〜25%である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記各クラウンブロックには、タイヤ軸方向外側に向かって回転方向に傾斜するサイピングが複数本設けられる請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記クラウン陸部のタイヤ軸方向外側に、ブロックが隔設されたブロック列が設けられ、
    前記ブロックのうち、少なくともクラウンブロックとタイヤ軸方向外側で隣接するブロックには、該クラウンブロックの前記サイピングとは逆方向に傾斜したサイピングが複数本設けられる請求項3に記載の空気入りタイヤ。
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