JP6013954B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、乾燥路での走行性能を確保しつつ、氷路でのブレーキ性能及び旋回性能を向上させた空気入りタイヤに関する。
近年では、冬用の空気入りタイヤにおいて、氷路・雪路などの他、乾燥路等も走行する機会が増加している。従って、このような冬用の空気入りタイヤでは、氷路・雪路性能だけでなく、乾燥路での走行性能を含めて、高次元でバランス良く向上させることが求められている。
タイヤ赤道上に設けられたセンター陸部、接地端近傍に設けられたショルダー陸部、センター陸部とショルダー陸部との間に設けられたミドル陸部を具えた空気入りタイヤが提案されている。このような空気入りタイヤの氷路性能を向上させるために、例えば、下記特許文献1には、各陸部にサイピングを設けることが提案されている。サイピングは、エッジ成分を増加させ、駆動・制動力を向上させる。
しかしながら、上述のような空気入りタイヤでは、氷路性能及び乾燥路性能をバランス良く高めるためには、さらなる改善の余地があった。
特開2008−308010号公報
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、センター主溝、ショルダー主溝の形状を特定し、ミドル横溝及びショルダー横溝の配設位置を改善するとともに、サイピングの角度を特定することを基本として、乾燥路での走行性能を確保しつつ、氷路でのブレーキ性能及び旋回性能を向上させた空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部に、タイヤ赤道の両側をタイヤ周方向に連続してのびる1対のセンター主溝と、該センター主溝のタイヤ軸方向外側をタイヤ周方向に連続してのびる1対のショルダー主溝と、前記センター主溝と前記ショルダー主溝との間を継ぐ複数本のミドル横溝と、前記ショルダー主溝と接地端との間を継ぐ複数本のショルダー横溝とが設けられることにより、前記センター主溝間で区分されたセンター陸部、前記センター主溝と前記ショルダー主溝と前記ミドル横溝とで区分されたミドルブロックがタイヤ周方向に隔設された一対のミドルブロック列、及び、前記ショルダー主溝と前記接地端と前記ショルダー横溝とで区分されたショルダーブロックがタイヤ周方向に隔設された一対のショルダーブロック列を具えた空気入りタイヤであって、前記各センター主溝は、タイヤ軸方向の内側をタイヤ周方向にのびるセンター内側部、該センター内側部よりもタイヤ軸方向の外側をタイヤ周方向にのびるセンター外側部、及び、前記センター内側部と前記センター外側部とを継ぐセンター継部を有するジグザグ状であり、前記各ショルダー主溝は、タイヤ軸方向の内側をタイヤ周方向にのびるショルダー内側部、該ショルダー内側部よりもタイヤ軸方向の外側をタイヤ周方向にのびるショルダー外側部、及び、前記ショルダー内側部と前記ショルダー外側部とを継ぐショルダー継部を有するジグザグ状であり、前記ミドル横溝は、前記センター継部と前記ショルダー継部との間を接続し、前記ショルダー横溝は、前記ショルダー継部と前記接地端との間を接続し、前記ショルダーブロックは、タイヤ周方向にのびるショルダー細溝が設けられることにより、前記ショルダー細溝と前記接地端との間に配される外側片と、該外側片よりもタイヤ赤道側に配される内側片とに区分され、前記センター陸部及び前記外側片には、タイヤ軸方向に対して0〜5°の角度でのびる軸方向サイピングが設けられ、前記ミドルブロック及び前記内側片には、タイヤ軸方向に対して10〜20°の角度でのびる傾斜サイピングが設けられることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記ミドルブロックの前記傾斜サイピングは、タイヤ軸方向に対して一方側に傾斜し、前記内側片の前記傾斜サイピングは、タイヤ軸方向に対して他方側に傾斜する請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記内側片の前記傾斜サイピングは、一端が前記ショルダー細溝で開口し他端が前記ショルダー主溝に達することなく前記内側片内で終端するセミオープンタイプである請求項1又は2記載の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記ミドルブロックの前記傾斜サイピングは、一端が前記ショルダー主溝で開口し他端が前記センター主溝に達することなく前記ミドルブロック内で終端するセミオープンタイプの複数本の外側サイプを含み、前記全ての外側サイプの前記一端は、前記ショルダー主溝の前記ショルダー内側部で開口する請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記ミドルブロックの前記傾斜サイピングは、一端が前記センター主溝で開口し他端が前記ショルダー主溝に達することなく前記ミドルブロック内で終端するセミオープンタイプの複数本の内側サイプを含み、前記全ての内側サイプの前記一端は、前記センター主溝の前記センター外側部で開口する請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤでは、センター主溝間で区分されたセンター陸部、センター主溝とショルダー主溝とミドル横溝とで区分されたミドルブロックがタイヤ周方向に隔設された一対のミドルブロック列、及び、ショルダー主溝と接地端とショルダー横溝とで区分されたショルダーブロックがタイヤ周方向に隔設された一対のショルダーブロック列を具える。
各センター主溝は、タイヤ軸方向の内側をタイヤ周方向にのびるセンター内側部、該センター内側部よりもタイヤ軸方向の外側をタイヤ周方向にのびるセンター外側部、及び、センター内側部とセンター外側部とを継ぐセンター継部を有するジグザグ状である。また、各ショルダー主溝は、タイヤ軸方向の内側をタイヤ周方向にのびるショルダー内側部、該ショルダー内側部よりもタイヤ軸方向の外側をタイヤ周方向にのびるショルダー外側部、及び、ショルダー内側部とショルダー外側部とを継ぐショルダー継部を有するジグザグ状である。このようにジグザグ状にのびるセンター主溝及びショルダー主溝は、大きなタイヤ軸方向のエッジ成分を含むため、氷路での制動力を高める。従って、氷路でのブレーキ性能が向上する。また、センター内側部、センター外側部を有するセンター主溝、及びショルダー内側部、ショルダー外側部を有するショルダー主溝は、大きなタイヤ周方向のエッジ成分を含むため、氷路での旋回力を高める。従って、氷路での旋回性能が向上する。
ミドル横溝は、センター継部とショルダー継部との間を接続する。これにより、ミドル横溝、センター継部及びショルダー継部で、大きなタイヤ軸方向のエッジ成分が確保される。また、ショルダー横溝は、ショルダー継部と接地端との間を接続する。これにより、ショルダー横溝及びショルダー継部で、大きなタイヤ軸方向のエッジ成分が確保される。従って、氷路でのブレーキ性能が向上する。
ショルダーブロックは、タイヤ周方向にのびるショルダー細溝が設けられることにより、ショルダー細溝と接地端との間に配される外側片と、該外側片よりもタイヤ赤道側に配される内側片とに区分される。センター陸部及び外側片には、タイヤ軸方向に対して0〜5°の角度でのびる軸方向サイピングが設けられる。センター陸部には、直進走行時、大きな荷重が作用する。外側片には、旋回時、大きな荷重が作用する。従って、センター陸部及び外側片に軸方向サイピングを設けることにより、直進走行時及び旋回時での制動力が高められ、氷路でのブレーキ性能が向上する。
ミドルブロック及び内側片には、タイヤ軸方向に対して10〜20°の角度でのびる傾斜サイピングが設けられる。ミドルブロック及び内側片は、直進走行時、センター陸部に比べて小さな荷重が作用する。また、ミドルブロック及び内側片は、旋回時、外側片に比べて小さな荷重が作用する。このため、ミドルブロック及び内側片に大きなタイヤ周方向のエッジ成分を含む傾斜サイピングを設けることにより、氷路での旋回性能が向上する。従って、本発明の空気入りタイヤでは、センター陸部及び外側片の軸方向サイピングと、ミドルブロック及び内側片の傾斜サイピングによって、氷路でのブレーキ性能及び旋回性能がバランス良く向上する。
本発明の一実施形態を示すトレッド部の展開図である。 図1の右側のセンター主溝の拡大図である。 図1の右側のショルダー主溝の拡大図である。 図1のX−X断面図である。 図1の右側のトレッド部の拡大図である。 図1の右側のトレッド部の拡大図である。 図1のY−Y断面図である。 比較例の実施形態を示すトレッド部の展開図である。 本発明の他の実施形態を示すトレッド部の展開図である。 本発明のさらに他の実施形態を示すトレッド部の展開図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)は、例えば冬用タイヤとして好適に利用でき、そのトレッド部2には、タイヤ赤道Cのタイヤ軸方向両側をタイヤ周方向に連続してのびる一対のセンター主溝3と、該センター主溝3のタイヤ軸方向外側をタイヤ周方向に連続してのびる一対のショルダー主溝4とが設けられる。また、本実施形態では、トレッド部2に、センター主溝3とショルダー主溝4との間を継ぐ複数本のミドル横溝5、及び、ショルダー主溝4と接地端Teとの間を継ぐ複数本のショルダー横溝6が設けられる。
これにより、本実施形態のトレッド部2には、一対のセンター主溝3、3間で区分されたセンター陸部7、センター主溝3とショルダー主溝4とミドル横溝5とで区分された複数個のミドルブロック8がタイヤ周方向に隔設された一対のミドルブロック列8R、及び、ショルダー主溝4と接地端Teとショルダー横溝6とで区分された複数個のショルダーブロック9がタイヤ周方向に隔設された一対のショルダーブロック列9Rが配される。
本実施形態のトレッドパターンは、タイヤ赤道C上の任意の点を中心としてバリアブルピッチを除いて実質的な点対称パターンで形成されている。
ここで、「接地端」Teは、正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷である正規状態のタイヤに、正規荷重を負荷してキャンバー角0度で平面に接地させたときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置として定められる。そして、正規状態において、接地端Te、Te間のタイヤ軸方向の距離がトレッド接地幅TWとして定められる。また、タイヤの各部の寸法等は、特に断りがない場合、前記正規状態での値である。
また、「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
また、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaである。
さらに「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" であるが、タイヤが乗用車用の場合には前記荷重の88%に相当する荷重である。
図2には、図1の右側のセンター主溝3の拡大図が示される。図2に示されるように、本実施形態のセンター主溝3は、タイヤ軸方向の内側をタイヤ周方向に直線状にのびるセンター内側部10a、該センター内側部10aよりもタイヤ軸方向の外側をタイヤ周方向に直線状にのびるセンター外側部10b、及び、センター内側部10aとセンター外側部10bとを継ぐセンター継部11を有するジグザグ状である。このようなセンター主溝3は、タイヤ軸方向のエッジ成分を含むため、氷路での制動力を高める。従って、氷路でのブレーキ性能が向上する。また、センター内側部10a、センター外側部10bを有するセンター主溝3は、大きなタイヤ周方向のエッジ成分を含むため、氷路での旋回力を高める。従って、氷路での旋回性能が向上する。
センター主溝3は、タイヤ軸方向内側をタイヤ周方向にのびる内側溝縁3iと、タイヤ軸方向の外側をタイヤ周方向にのびる外側溝縁3oとを有する。内側溝縁3iは、タイヤ軸方向の最も内側をタイヤ周方向に沿ってのびる内側内縁3aと、タイヤ軸方向の最も外側をタイヤ周方向に沿ってのびる内側外縁3bとを含む。また、外側溝縁3oは、タイヤ軸方向の最も内側をタイヤ周方向に沿ってのびる外側内縁3cと、タイヤ軸方向の最も外側をタイヤ周方向に沿ってのびる外側外縁3dとを含む。なお、本明細書では、タイヤ周方向に沿ってのびるとは、溝縁のタイヤ周方向に対する角度α1が0〜5°のものをいう。
センター内側部10aは、本実施形態では、内側内縁3aと外側内縁3cとで形成される溝をいう。また、センター外側部10bは、内側外縁3bと外側外縁3dとで形成される溝をいう。
また、センター継部11は、溝中心線12aがタイヤ軸方向の一方側に傾斜(図2では左上がりに傾斜)する第1センター部11aと、溝中心線12bがタイヤ軸方向の他方側に傾斜(図2では右上がりに傾斜)する第2センター部11bとを有する。このように、本実施形態のセンター主溝3は、センター内側部10a、第1センター部11a、センター外側部10b、及び、第2センター部11bがタイヤ周方向の一方側に連続して形成される。なお、図2では、センター内側部10a、第1センター部11a、センター外側部10b、及び、第2センター部11bが、仮想線で示される。
センター主溝3の溝中心線12は、内側内縁3aの一端a1と外側内縁3cの一端a2との中間点s1、内側外縁3bの他端a3と外側外縁3dの他端a4との中間点s2、内側外縁3bの一端a5と外側外縁3dの一端a6との中間点s3、及び、内側内縁3aの他端a7と外側内縁3cの他端a8との中間点s4を順に継いだ直線で形成される。
図3には、図1の右側のショルダー主溝4の拡大図が示される。図3に示されるように、本実施形態のショルダー主溝4は、タイヤ軸方向の内側をタイヤ周方向にのびるショルダー内側部14a、該ショルダー内側部14aよりもタイヤ軸方向の外側をタイヤ周方向にのびるショルダー外側部14b、及び、ショルダー内側部14aとショルダー外側部14bとを継ぐショルダー継部15を有するジグザグ状である。このようなショルダー主溝4は、氷路での制動力と旋回力とを、さらに、向上させる。
ショルダー主溝4は、タイヤ軸方向内側をタイヤ周方向にのびる内側溝縁4iと、タイヤ軸方向の外側をタイヤ周方向にのびる外側溝縁4oとを有する。内側溝縁4iは、タイヤ軸方向の最も内側をタイヤ周方向に沿ってのびる内側内縁4aと、タイヤ軸方向の最も外側をタイヤ周方向に沿ってのびる内側外縁4bとを含む。また、外側溝縁4oは、タイヤ軸方向の最も内側をタイヤ周方向に沿ってのびる外側内縁4cと、タイヤ軸方向の最も外側をタイヤ周方向に沿ってのびる外側外縁4dとを含む。なお、ショルダー主溝4の溝縁についても、タイヤ周方向に沿ってのびるとは、溝縁のタイヤ周方向に対する角度α2が0〜5°のものをいう。
本実施形態のショルダー内側部14aは、内側内縁4aと外側内縁4cとで形成される溝をいう。また、ショルダー外側部14bは、内側外縁4bと外側外縁4dとで形成される溝をいう。
ショルダー継部15は、本実施形態では、溝中心線16aがタイヤ軸方向の一方側に傾斜(図3では左上がりに傾斜)する第1ショルダー部15aと、溝中心線16bがタイヤ軸方向の他方側に傾斜(図2では右上がりに傾斜)する第2ショルダー部15bとを有する。このように、本実施形態のショルダー主溝4は、ショルダー内側部14a、第1ショルダー部15a、ショルダー外側部14b、及び、第2ショルダー部15bがタイヤ周方向の一方側(図2では、下側)に連続して形成される。なお、ショルダー主溝4の溝中心線16は、センター主溝3の溝中心線12と同様に、内側溝縁4iと外側溝縁4oとによって定義される。図3には、本実施形態のショルダー内側部14a、第1ショルダー部15a、ショルダー外側部14b、及び、第2ショルダー部15bが仮想線で示される。
図2に示されるように、センター主溝3の溝中心線12は、振幅λ1を有する。振幅λ1は、溝中心線12のタイヤ軸方向のピークトウピークの振れ幅である。望ましくは、振幅λ1は、センター陸部7のタイヤ軸方向の最大幅Wc(図1に示す)の5%以上である。これにより、大きなタイヤ軸方向のエッジ成分が得られ、氷路での制動力が高まる。また、センター主溝3が、大きな雪柱せん断力を確保し、雪路での走行性能が向上する。他方、センター主溝3の振幅λ1が大きい場合、センター主溝3近傍のセンター陸部7及びミドルブロック8の剛性が小さくなり、制動力が悪化するおそれがある。このため、振幅λ1は、センター陸部7のタイヤ軸方向の最大幅Wcの15%以下が望ましい。同様の観点より、図3に示されるように、ショルダー主溝4の溝中心線16の振幅λ2は、ミドルブロック8のタイヤ軸方向の最大幅Wm(図1に示す)の5〜15%が望ましい。
上述の作用をより効果的に発揮させるために、図2及び図3に示されるように、センター内側部10aのタイヤ周方向の長さL1は、センター外側部10bのタイヤ周方向の長さL2の80〜120%が望ましい。また、ショルダー内側部14aのタイヤ周方向の長さL3は、ショルダー外側部14bのタイヤ周方向の長さL4の80〜120%が望ましい。
センター継部11のタイヤ周方向の長さL5が大きい場合、雪柱せん断力が小さくなるおそれがある。センター継部11の長さL5が小さい場合、センター主溝3の排雪性能が悪化するおそれがある。このため、センター継部11の長さL5は、センター内側部10aの長さL1の10〜40%が望ましい。同様の観点より、ショルダー継部15のタイヤ周方向の長さL6は、ショルダー内側部14aの長さL3の10〜40%が望ましい。
センター主溝3、ショルダー主溝4の平均の溝幅W1、W2(溝の面積を溝中心線の長さで除した溝幅)は、好ましくはトレッド接地幅TWの1.5%以上、より好ましくは2.0%以上であり、好ましくは5.5%以下、より好ましくは5.0%以下である。また、センター主溝3及びショルダー主溝4の溝深さD1、D2(図4に示す)は、例えば、10.5〜11.5mmが望ましい。このようなセンター主溝3及びショルダー主溝4は、溝容積を確保して、センター陸部7、各ブロック8、9の剛性を高める。このため、雪路での駆動性能、乾燥路での走行性能ならびに氷路でのブレーキ性能及び旋回性能がバランス良く向上する。
図1に示されるように、センター主溝3とタイヤ赤道Cとの間のタイヤ軸方向の距離Laは、トレッド接地幅TWの5〜13%が望ましい。ショルダー主溝4とタイヤ赤道Cとの間のタイヤ軸方向の距離Lbは、トレッド接地幅TWの24〜32%が望ましい。これにより、上述の作用がより効果的に発揮される。なお、主溝の位置は、各溝中心線12、16の振幅の中心線1G、2Gが用いられる。
図5には、図1のトレッド部2の右側半分が示される。図5に示されるように、ミドル横溝5は、センター継部11とショルダー継部15との間を接続する。これにより、ミドル横溝5、センター継部11及びショルダー継部15で、大きなタイヤ軸方向のエッジ成分が確保される。従って、氷路でのブレーキ性能が向上する。また、ミドル横溝5、センター継部11及びショルダー継部15で、タイヤ軸方向にのびる大きな雪柱が形成される。このため、雪路性能が向上する。本実施形態では、ミドル横溝5は、第1センター部11aと第2ショルダー部15bとの間を接続する。
ミドル横溝5は、本実施形態では、長手方向の両側に配される一対のミドル外側部5aと、該一対のミドル外側部5a、5a間を継ぐミドル内側部5bとを含むクランク状である。ミドル外側部5aは、タイヤ軸方向に対し一方側に傾斜(図5では、左上がりに傾斜)して直線状にのびる。ミドル内側部5bは、ミドル外側部5aよりも大きな角度で傾斜する。このようなミドル横溝5は、大きなタイヤ周方向のエッジ成分を有し、氷路での旋回性能を向上させる。上述の作用を効果的に発揮させるため、ミドル内側部5bのタイヤ軸方向に対する角度α3は、好ましくは55〜75°である。
ミドル横溝5の溝幅W3は、好ましくはミドルブロック8のタイヤ周方向の最大長さLm(図1に示す)の7%以上、より好ましくは8%以上であり、また好ましくは11%以下、より好ましくは10%以下である。このようなミドル横溝5は、ミドルブロック8のタイヤ周方向の剛性を確保し、ミドル横溝5による大きな雪柱せん断力を確保する。
ショルダー横溝6は、ショルダー継部15と接地端Teとの間を接続する。これにより、ショルダー横溝6及びショルダー継部15で、大きなタイヤ軸方向のエッジ成分が確保される。また、ショルダー横溝6とショルダー継部15とで、大きな雪柱が形成される。従って、氷路でのブレーキ性能と雪路性能とが向上する。ショルダー横溝6は、本実施形態では、第1ショルダー部15aに接続される。このように、ミドル横溝5とショルダー横溝6とは、夫々異なるショルダー継部15に接続されるため、ミドルブロック8及びショルダーブロック9のタイヤ周方向の両端部分の剛性が高められる。従って、操縦安定性能や氷路での旋回性能が向上する。
ショルダー横溝6は、本実施形態では、ショルダー主溝4から接地端Te側に向かう狭幅部6Aと、狭幅部6Aと接地端Teとの間を継ぐ広幅部6Bとを含む。このようなショルダー横溝6は、ショルダーブロック9の剛性と旋回時の排雪性能とをバランス良く高める。
狭幅部6Aの溝幅W4aは、好ましくはショルダーブロック9のタイヤ周方向の最大長さLs(図1に示す)の11%以上、より好ましくは12%以上であり、好ましくは15%以下、より好ましくは14%以下である。狭幅部6Aの溝幅W4aがショルダーブロック9の最大長さLsの15%を超える場合、ショルダーブロック9の剛性が低下するおそれがある。狭幅部6Aの溝幅W4aがショルダーブロック9の最大長さLsの11%未満の場合、雪路性能が悪化するおそれがある。
広幅部6Bの溝幅W4bは、旋回時、狭幅部6Aからの雪をスムーズに接地端Te側に排出しつつ、ショルダーブロック9の剛性を確保するため、狭幅部6Aの溝幅W4aの好ましくは1.2倍以上、より好ましくは1.3倍以上であり、好ましくは2.4倍以下、より好ましくは2.3倍以下である。
ミドル横溝5及びショルダー横溝6の溝深さD3、D4(図4に示す)は、雪路性能、氷路性能及び乾燥路での操縦安定性能をバランスよく高めるため、好ましくは11.7mm以上、より好ましくは12.0mm以上であり、好ましくは12.8mm以下、より好ましくは12.5mm以下である。
センター陸部7は、センター主溝3からタイヤ軸方向の内方にのびかつセンター陸部7内で終端するセンターラグ溝20が設けられる。このようなセンターラグ溝20は、大きな雪柱を形成して、雪路性能を向上させる。また、センターラグ溝20は、大きなエッジ成分を有し、氷路性能を向上させる。
センターラグ溝20は、第2センター部11bに接続される。これにより、センターラグ溝20と第2センター部11bとで、さらに大きな雪柱が形成される。また、センターラグ溝20と第2センター部11bとで、さらに大きなエッジ効果が発揮される。従って、雪路性能及び氷路性能が、さらに向上する。
センターラグ溝20のタイヤ軸方向の最大長さL8が大きい場合、センター陸部7のタイヤ軸方向の剛性が低下し、乾燥路での走行性能が悪化するおそれがある。このため、センターラグ溝20のタイヤ軸方向の最大長さL8は、センター陸部7のタイヤ軸方向の最大幅Wc(図1に示す)の好ましくは20〜40%である。
上述の作用をより効果的に発揮させる観点より、センターラグ溝20のタイヤ周方向線上の最大幅W5は、センター陸部7のタイヤ軸方向の最大幅Wcの15〜25%である。同様の観点より、センターラグ溝20の溝深さ(図4に示す)D5は、好ましくはセンター主溝3の溝深さD1の60〜70%である。
ミドルブロック8は、センター内側部10aに面してミドルブロック8の外方に突出する内凸部21aと、ショルダー外側部14bに面してミドルブロック8の外方に突出する外凸部21bとを有する。このようなミドルブロック8は、雪柱せん断力を高める。また、ミドルブロック8は、大きなタイヤ軸方向のエッジ成分を有し、氷路でのブレーキ性能を高める。
ショルダーブロック9は、タイヤ周方向にのびるショルダー細溝22が設けられる。これにより、ショルダーブロック9は、ショルダー細溝22と接地端Teとの間に配される外側片9Aと、該外側片9Aよりもタイヤ赤道C側に配される内側片9Bとに区分される。
ショルダー細溝22は、本実施形態では、直線状にのびる。このようなショルダー細溝22は、タイヤ周方向のエッジ成分を増加させ、氷路での旋回性能を向上させる。また、外側片9A及び内側片9Bのタイヤ周方向の剛性が大きく確保されるため、乾燥路での走行性能が向上する。
外側片9Aと内側片9Bとのタイヤ軸方向の剛性をバランス良く確保する観点より、ショルダー細溝22の溝中心線3Gと接地端Teとのタイヤ軸方向の距離Lcは、ショルダーブロック9のタイヤ軸方向の最大幅Ws(図1に示す)の45〜55%が望ましい。
外側片9A及び内側片9Bの剛性とタイヤ周方向のエッジ成分とをバランス良く確保する観点より、ショルダー細溝22の溝幅W6は、1.0〜1.5mmが望ましい。同様の観点より、ショルダー細溝22の溝深さ(図4に示す)D6は、ショルダー主溝4の溝深さD2の45〜55%が望ましい。
図6には、図1のトレッド部2の右側半分が示される。図6に示されるように、センター陸部7及び外側片9Aには、タイヤ軸方向に対して0〜5°の角度θ1でのびる軸方向サイピング25が設けられる。センター陸部7には、直進走行時、大きな荷重が作用する。外側片9Aには、旋回時、大きな荷重が作用する。従って、センター陸部7及び外側片9Aに軸方向サイピング25を設けることにより、氷路での直進走行時及び旋回時での制動力が高められ、ブレーキ性能が向上する。軸方向サイピング25の角度θ1が5°を超える場合、タイヤ軸方向のエッジ成分が小さくなり、ブレーキ性能が悪化する。このため、軸方向サイピング25の角度θ1は、好ましくは3°以下である。
また、ミドルブロック8及び内側片9Bには、タイヤ軸方向に対して10〜20°の角度θ2でのびる傾斜サイピング26が設けられる。ミドルブロック8及び内側片9Bは、直進走行時、センター陸部7に比べて小さな荷重が作用する。また、ミドルブロック8及び内側片9Bは、旋回時、外側片9Aに比べて小さな荷重が作用する。このため、ミドルブロック8及び内側片9Bに相対的に大きなタイヤ周方向のエッジ成分を含む傾斜サイピング26を設けることにより、氷路での旋回性能が向上する。傾斜サイピング26の角度θ2が10°未満の場合、タイヤ周方向のエッジ成分が小さくなり、旋回性能が悪化する。他方、傾斜サイピング26の角度θ2が20°を超える場合、タイヤ軸方向のエッジ成分が小さくなり、ブレーキ性能が悪化する。このため、傾斜サイピング26の角度θ2は、好ましくは12°以上であり、好ましくは18°以下である。なお、内側片9Bは、ミドルブロック8に比して、旋回性能への寄与率が大きい。このため、内側片9Bの傾斜サイピング26Aの角度θ2aをミドルブロック8の傾斜サイピング26Bの角度θ2bよりも3〜7°大きくした場合には、旋回性を高めることができる。
本実施形態の傾斜サイピング26は、ミドルブロック8の傾斜サイピング26Bが、タイヤ軸方向に対して一方側(図6では右下がり)に傾斜している。他方、内側片9Bの傾斜サイピング26Aは、タイヤ軸方向に対して他方側(図6では左下がり)に傾斜している。ミドルブロック8の傾斜サイピング26Bと内側片9Bの傾斜サイピング26Aとの傾斜方向を互いに逆向きとすることにより、直進時、各傾斜サイピング26A、26Bによる横方向の力が相殺される。このため、氷路での直進安定性能やブレーキ性能が向上する。
内側片9Bの傾斜サイピング26Aは、一端e1がショルダー細溝22で開口し、他端i1がショルダー主溝4に達することなく内側片9B内で終端するセミオープンタイプである。このような傾斜サイピング26Aは、内側片9Bの剛性とエッジ成分とをバランス良く確保し、氷路での旋回性能と乾燥路での走行性能とを向上させる。
上述の作用を効果的に発揮させる観点より、内側片9Bの傾斜サイピング26Aの他端i1とショルダー主溝4とのタイヤ軸方向の距離Ldは、ショルダーブロック9のタイヤ軸方向の最大幅Ws(図1に示す)の5〜15%が望ましい。
ミドルブロック8の傾斜サイピング26Bは、タイヤ軸方向の外側に配される複数本の外側サイプ28Aと、タイヤ軸方向の内側に配される複数本の内側サイプ28Bとを含む。外側サイプ28Aは、一端e2がショルダー主溝4で開口し、他端i2がセンター主溝3に達することなくミドルブロック8内で終端する。内側サイプ28Bは、一端e3がセンター主溝3で開口し、他端i3がショルダー主溝4に達することなくミドルブロック8内で終端する。このように、外側サイプ28A及び内側サイプ28Bは、セミオープンタイプである。これにより、ミドルブロック8の剛性がタイヤ軸方向の両側でバランス良く高められる。従って、乾燥路での走行性能が、さらに向上する。
本実施形態では、全ての外側サイプ28Aの一端は、ショルダー主溝4のショルダー内側部14aで開口する。また、全ての内側サイプの一端は、センター主溝3のセンター外側部10bで開口する。これにより、ミドルブロック8の内凸部21a及び外凸部21bの剛性が高く確保され、より強固な雪柱が形成される。このため、雪路性能が、一層向上する。また、氷路での制動力を高めることができる。このため、ブレーキ性能が向上する。
上述の作用を効果的に発揮させるため、外側サイプ28Aの他端i2と内凸部21aのブロック縁とのタイヤ軸方向の距離Lf及び内側サイプ28Bの他端i3と外凸部21bのブロック縁とのタイヤ軸方向の距離Lfは、ミドルブロック8の最大幅Wmの5〜15%が望ましい。
図7には、外側片9Aの軸方向サイピング25及び内側片9Bの傾斜サイピング26の断面図が示される。図7に示されるように、軸方向サイピング25及び傾斜サイピング26は、深さが大きい深底部30と、該深底部30よりも深さが小さい浅底部31とを含む。浅底部31は、ショルダー細溝22への開口端に設けられる外側浅底部31aと、軸方向サイピング25又は傾斜サイピング26のタイヤ軸方向の中間に設けられる中間浅底部31bとを有する。このような浅底部31は、外側片9A及び内側片9Bの剛性を高く確保して、操縦安定性能を向上させる。
上述の作用を効果的に発揮させるため、外側浅底部31aのタイヤ軸方向の長さL9は、各サイピング25、26のタイヤ軸方向の長さLe(図6に示す)の3〜5%が望ましい。中間浅底部31bのタイヤ軸方向の長さL10は、各サイピング25、26のタイヤ軸方向の長さLeの10〜15%が望ましい。
外側片9Aは、内側片9Bよりも旋回走行時に大きな接地圧が作用する。このため、軸方向サイピング25の浅底部31Aの深さD8aを、傾斜サイピング26の浅底部31Bの深さD8bよりも小さくして、外側片9Aの剛性を内側片9Bの剛性よりも高く維持するのが望ましい。従って、外側片9Aの軸方向サイピング25の浅底部31の深さD8aは、外側片9Aの軸方向サイピング25の深底部30の深さD7aの60〜70%が望ましい。内側片9Bの傾斜サイピング26の浅底部31の深さD8bは、内側片9Bの傾斜サイピング26の深底部30の深さD7bの80〜90%が望ましい。
なお、センター陸部7の軸方向サイピング25及びミドルブロック8の傾斜サイピング26も、上述のような中間浅底部31b、外側浅底部31a及び深底部30を有する態様が望ましい。
センター陸部7は、ミドルブロック8よりも直進走行時に大きな接地圧が作用する。このため、センター陸部7のサイピングの底部の剛性を、ミドルブロック8のサイピングの底部の剛性よりも高くするのが望ましい。このような観点より、センター陸部7の軸方向サイピング25の浅底部の深さは、センター陸部7の軸方向サイピング25の深底部の深さの60〜70%であるのが望ましい。また、ミドルブロック8の傾斜サイピング26の浅底部の深さは、ミドルブロック8の傾斜サイピング26の深底部の深さの80〜90%が望ましい。
本実施形態では、冬用タイヤとして、ランド比が、68〜72%に設定されるのが望ましい。これにより、氷路性能、耐偏摩耗性能及び排水性能がバランスよく高められる。ランド比は、全ての陸部5及びブロック8、9の踏面の全表面積Mbと、トレッド部2の全ての溝3乃至6、20、22、及び、各サイピング25乃至26を埋めて得られる仮想踏面の仮想表面積Maとの比(Mb/Ma)である。
本明細書では、センター陸部7及び各ブロック8、9の陸部縁、ブロック縁及びサイピング25乃至26の長さの総計をエッジ合計長さと定義する。そして、前記正規荷重を負荷してキャンバー角0°で平面に接地させた接地面(図示せず)に含まれるエッジ合計長さは、好ましくは2800〜3200mmである。即ち、エッジ合計長さが大きい場合、センター陸部7及び各ブロック8、9の剛性が小さくなり、乾燥路での走行性能が悪化するおそれがある。逆に、エッジ合計長さが小さい場合、雪柱せん断力やエッジ効果が発揮されず、氷路性能や雪路性能が悪化するおそれがある。
以上、本発明の実施形態が詳細に説明されたが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されるものでなく、種々の態様に変更して実施される。
本発明の効果を確認するために、図1の基本パターン並びに図4及び図7の断面形状を有し、表1の仕様に基づいた195/80R15の空気入りタイヤがテストされた。表1に記載された溝の仕様を除き、各溝の溝幅及び角度等は、図1、図4及び図7に示される通りである。なお、各タイヤの主な共通仕様やテスト方法は以下の通りである。
トレッド接地幅TW:162mm
センター主溝の溝深さ:12.5mm
ショルダー主溝の溝深さ:12.5mm
ミドル横溝の溝深さ:10.0mm
ミドル横溝の溝幅/ミドルブロックのタイヤ周方向の最大長さ:9%
ショルダー横溝の溝深さ:9.5mm
ショルダー横溝の溝幅/ショルダーブロックのタイヤ周方向の最大長さ:13%
ショルダー細溝の溝深さ:9.0mm
サイピングの深さ:9.0mm(軸方向サイピングと傾斜サイピングとは同一の深さ)
サイピングの溝底形状:同一
ランド比:70%
接地面に含まれるエッジ合計長さ:3000mm
<乾燥路及び雪路での走行性能>
各テストタイヤが、下記の条件で、四輪駆動の乗用車(排気量:2700cc)の全輪に装着された。そして、テストドライバーが、乾燥アスファルト路面のテストコース及び雪路(圧雪)のテストコースを夫々走行させ、このときの旋回・減速時のグリップ力に関する走行特性がテストドライバーの官能により評価された。結果は、従来例の値を100とする評点で表示されている。数値が大きいほど良好である。
リム(全輪):15×6.0J
内圧(フロント):350kPa
内圧(リア):425kPa
<氷路性能(ブレーキ及び旋回)>
テストドライバーが、上記テスト車両を、氷路(アイスバーン)のテストコース(1周、1200m)を10周走行させ、そのときの走行時間が測定された。また、同じテストコースの直線部分を用いて、上記テスト車両を40km/hの速度からフルブレーキを作動させ、停止するまでの制動距離が測定された。結果は、従来例の走行時間の逆数を50とする指数、及び従来例の制動距離の逆数を50とする指数の合計(従来例は100)で表示されている。数値が大きいほど良好である。
テストの結果が表1に示される。
Figure 0006013954
Figure 0006013954
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例に比べて上記各性能がバランス良く有意に向上していることが確認できた。また、サイピングの深さ及び各主溝の振幅を好ましい値の範囲内で変化させてテストが行われたが、このテスト結果と同じ傾向が示された。
3 センター主溝
4 ショルダー主溝
5 ミドル横溝
6 ショルダー横溝
7 センター陸部
8 ミドルブロック
8R ミドルブロック列
9A 外側片
9B 内側片
10a センター内側部
10b センター外側部
11 センター継部
14a ショルダー内側部
14b ショルダー外側部
15 ショルダー継部
25 軸方向サイピング
26 傾斜サイピング

Claims (5)

  1. トレッド部に、タイヤ赤道の両側をタイヤ周方向に連続してのびる1対のセンター主溝と、該センター主溝のタイヤ軸方向外側をタイヤ周方向に連続してのびる1対のショルダー主溝と、前記センター主溝と前記ショルダー主溝との間を継ぐ複数本のミドル横溝と、前記ショルダー主溝と接地端との間を継ぐ複数本のショルダー横溝とが設けられることにより、
    前記センター主溝間で区分されたセンター陸部、前記センター主溝と前記ショルダー主溝と前記ミドル横溝とで区分されたミドルブロックがタイヤ周方向に隔設された一対のミドルブロック列、及び、前記ショルダー主溝と前記接地端と前記ショルダー横溝とで区分されたショルダーブロックがタイヤ周方向に隔設された一対のショルダーブロック列を具えた空気入りタイヤであって、
    前記各センター主溝は、タイヤ軸方向の内側をタイヤ周方向にのびるセンター内側部、該センター内側部よりもタイヤ軸方向の外側をタイヤ周方向にのびるセンター外側部、及び、前記センター内側部と前記センター外側部とを継ぐセンター継部を有するジグザグ状であり、
    前記各ショルダー主溝は、タイヤ軸方向の内側をタイヤ周方向にのびるショルダー内側部、該ショルダー内側部よりもタイヤ軸方向の外側をタイヤ周方向にのびるショルダー外側部、及び、前記ショルダー内側部と前記ショルダー外側部とを継ぐショルダー継部を有するジグザグ状であり、
    前記ミドル横溝は、前記センター継部と前記ショルダー継部との間を接続し、
    前記ショルダー横溝は、前記ショルダー継部と前記接地端との間を接続し、
    前記ショルダーブロックは、タイヤ周方向にのびるショルダー細溝が設けられることにより、前記ショルダー細溝と前記接地端との間に配される外側片と、該外側片よりもタイヤ赤道側に配される内側片とに区分され、
    前記センター陸部及び前記外側片には、タイヤ軸方向に対して0〜5°の角度でのびる軸方向サイピングが設けられ、
    前記ミドルブロック及び前記内側片には、タイヤ軸方向に対して10〜20°の角度でのびる傾斜サイピングが設けられることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ミドルブロックの前記傾斜サイピングは、タイヤ軸方向に対して一方側に傾斜し、
    前記内側片の前記傾斜サイピングは、タイヤ軸方向に対して他方側に傾斜する請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記内側片の前記傾斜サイピングは、一端が前記ショルダー細溝で開口し他端が前記ショルダー主溝に達することなく前記内側片内で終端するセミオープンタイプである請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ミドルブロックの前記傾斜サイピングは、一端が前記ショルダー主溝で開口し他端が前記センター主溝に達することなく前記ミドルブロック内で終端するセミオープンタイプの複数本の外側サイプを含み、
    前記全ての外側サイプの前記一端は、前記ショルダー主溝の前記ショルダー内側部で開口する請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ミドルブロックの前記傾斜サイピングは、一端が前記センター主溝で開口し他端が前記ショルダー主溝に達することなく前記ミドルブロック内で終端するセミオープンタイプの複数本の内側サイプを含み、
    前記全ての内側サイプの前記一端は、前記センター主溝の前記センター外側部で開口する請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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