JP2013112974A - 建築物 - Google Patents

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啓二 中西
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Abstract

【課題】津波から受ける水平荷重の増大を防ぎつつ、箱型構造物の内部への浸水を防ぐ。
【解決手段】内部に所望の空間を有し、少なくとも底面から前記所望の空間への浸水を防ぎかつ自身の浮力により水に浮くよう構成した箱型構造物1と、地盤2に固定した支持構造物4と、を備え、前記支持構造物4は、前記箱型構造物1の上下方向の移動を許容しかつ水平方向への移動を抑止するよう前記箱型構造物1を支持する建築物である。
【選択図】図2

Description

本発明は、建築物に関し、特に、津波による被害を小さくする建築物に関する。
従来、海岸沿いに建設された建築物には、津波による被害を防ぐ対策が望まれている。対策が望まれている被害の1つは、居住空間などの所望の屋内空間を有する略箱型の構造物(以下、箱型構造物という。)における内部空間への浸水による被害である。箱型構造物の内部が浸水すると、設備が使用不可能になる、物資や資材が流失するという被害が生じる。
箱型構造物の内部への浸水を防ぐ方法の1つとして、箱型構造物の外壁の入出口に海水などの浸入を防ぐ手段を施す方法がある(たとえば、特許文献1を参照。)。
また、箱型構造物の内部への浸水を防ぐ方法には、建築物の一階部分に屋内空間を設けない高架式の構造にする方法もある(たとえば、特許文献2を参照。)。
実開平07−021928号公報 特開平09−184323号公報
特許文献1に記載された方法では、到来する津波の高さに比例して、箱型構造物が津波により受ける水平荷重が大きくなる。すなわち、特許文献1に記載された方法は、箱型構造物の内部への浸水を防ぐことができるものの、到来する津波が高い場合に箱型構造物が損壊または倒壊する虞がある。
特許文献2に記載された高架式の構造は、床の高さを越える水位の津波に襲われると屋内空間が浸水する虞がある。また、特許文献2に記載された高架式の構造も、到来する津波の高さに比例して、箱型構造物が津波により受ける水平荷重が大きくなる。すなわち、特許文献2に記載された高架式の構造は、到来する津波が高い場合、箱型構造物の内部が浸水する虞がある上、箱型構造物が損壊または倒壊する虞がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、津波から受ける水平荷重の増大を防ぎつつ、箱型構造物の内部への浸水を防ぐことが可能な建築物を提供することを目的とするものである。
上述した目的を達成するために、本発明の請求項1に係る建築物は、内部に所望の空間を有し、少なくとも底面から前記空間への浸水を防ぎかつ自身の浮力により水に浮くよう構成した箱型構造物と、地盤に固定した支持構造物と、を備え、前記支持構造物は、前記箱型構造物の上下方向の移動を許容しかつ水平方向への移動を抑止するよう前記箱型構造物を支持することを特徴とする。
本発明の請求項2に係る建築物は、請求項1に係る建築物において、前記支持構造物は、前記箱型構造物の荷重を受ける荷重受け部を備えることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る建築物は、請求項1または請求項2に係る建築物において、前記箱型構造物は、前記上下方向に貫通した開口を有し、前記支持構造物は、前記開口を通り前記箱型構造物の前記上下方向および前記水平方向への移動を規制する規制部を有し、前記箱型構造物は、前記規制部の側面と対向する壁面から当該規制部に向かって突出した突出部を有し、前記規制部は、前記突出部と係合する係合部を有し、前記突出部は、下方に向かうにつれて当該規制部から遠ざかる方向に傾斜した斜面を有し、前記係合部は、前記突出部の斜面と略平行であり前記突出部に対して楔状に係合する斜面を有することを特徴とする。
本発明に係る建築物は、ある高さ以上の津波に対しては、箱型構造物が海水に浮くよう構成している。箱型構造物が海水に浮くと、当該箱型構造物のうちの海水に浸かる部分の高さは津波の高さによらずほぼ一定になる。そのため、本発明に係る建築物では、箱型構造物が津波から受ける水平荷重の増大を抑えることができる。また、本発明に係る建築物は、箱型構造物の少なくとも底面から所望の空間への浸水を防ぐよう構成している。それに加え、本発明にかかる建築物では、箱型構造物のうちの海水に浸かる部分の高さの増大を抑えることができる。そのため、本発明に係る建築物は、箱型構造物の内部への浸水を防ぐことが容易である。したがって、本発明に係る建築物によれば、箱型構造物が津波から受ける水平荷重の増大を防ぎつつ、箱型構造物の内部への浸水を防ぐことができる。
図1は、本発明の一実施形態である建築物を上から見た図である。 図2は、図1のA−A線で見た箱型構造物の内部の構成を示す側断面図である。 図3は、支持構造物を上から見たときの内部構成の一例を示す図である。 図4は、支持構造物による箱型構造物の支持方法の一例を示す側断面図である。 図5は、箱型構造物に上向きの大きな力が作用したときのコアシャフトおよびその周辺の様子を示す側断面図である。 図6は、箱型構造物の底面より低い津波が来たときの建築物の状態を模式的に示す図である。 図7は、箱型構造物の底面以上であり箱型構造物が浮上する高さ以下の津波が来たときの建築物の状態を模式的に示す図である。 図8は、箱型構造物が浮上する高さよりも高い津波が来たときの建築物の状態を模式的に示す図である。 図9は、支持構造物4の第1の変形例を示す側断面図である。 図10は、支持構造物4の第2の変形例を示す側断面図である。
以下に、本発明に係る建築物の構造についての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図5は、本発明の一実施形態である建築物を模式的に示す図である。図1は、本発明の一実施形態である建築物を上から見た図である。図2は、図1のA−A線で見た箱型構造物1の内部の構成を示す側断面図である。図3は、支持構造物4を上から見たときの内部構成の一例を示す図である。図4は、支持構造物4による箱型構造物1の支持方法の一例を示す側断面図である。図5は、箱型構造物1に上向きの大きな力が作用したときの支持構造物およびその周辺の様子を示す側断面図である。
本発明に係る建築物は、図1および図2に示すように、内部に居住空間などの所望の空間を有する箱型構造物1と、基礎2を介して地盤3に固定された支持構造物4とを備える。
箱型構造物1は、図示しないメガ架構およびサブ架構とで構成されるメガ架構形式の構造物である。箱型構造物1には、支持構造物4を通すための開口1aを設ける。この開口1aは、支持構造物4を囲む箱型構造物1の壁1bと支持構造物4との間に所定の間隙が生じるように設ける。
また、箱型構造物1は、外部から内部への浸水を防ぐために、最下階(最下層)を倉庫などの窓が不要な用途にし、底面から高さH1までの外周壁1cおよび支持構造物4を囲む壁を防水性の高い鉄筋コンクリート壁(RC壁)で構成する。またさらに、箱型構造物1は、底面から高さH0(<H1)までの部分の体積と同じ体積の海水の重量が当該箱型構造物1の重量とほぼ等しくなる構造にする。すなわち、箱型構造物1は、高さH0以上の水位の海水に対して、自身の浮力により浮くように構成する。
基礎2は、箱型構造物1および支持構造物4の荷重を地盤3に伝える構造物であり、基礎スラブ2aと、杭2bとからなる。
支持構造物4は、基礎2から鉛直上方に延出した鉄筋コンクリート構造の構造物であり、地震対策に用いられるコアウォールなどと呼ばれる構造物に相当する。支持構造物4の外周側面には、箱型構造物1の荷重を受ける荷重受け部4aを設ける。荷重受け部4aは、箱型構造物1の底面(最下階の床面)が地盤3の表面から高さHaの位置になるように設ける。この高さHaは、箱型構造物1の一階高分(たとえば、3m〜4m)にする。このとき箱型構造物1は、高さHb(=Ha+H0)の水位以上の海水で囲まれると、自身の浮力が重力よりも大きくなる。
また、支持構造物4は、図3に示すように、底面が長方形であり、内部に空間を有する構造にする。本実施形態のように1つの箱型構造物1に対して2つの支持構造物4を設ける場合、当該2つの支持構造物4は、底面における短辺方向が同じ方向になり、かつ当該短辺方向に並べて配置する。
支持構造物4の1階に相当する部分(地盤3と荷重受け部4aとの間)の壁4bには、当該支持構造物4の外部と内部とをつなぐ入出口4cを設ける。入出口4cは、壁4bのうちの底面における長辺部分に設ける。支持構造物4の内部には、箱型構造物1に入るための階段4dやエレベータ4e、図示しない各種配管などを設置する。また、支持構造物4の壁4bにおける箱型構造物1の各階と対応する位置には、支持構造物4の内部と箱型構造物1の内部とをつなぐ入出口を設ける。支持構造物4の内部と箱型構造物1の内部とをつなぐ入出口を設ける場合、たとえば、当該入出口の周囲のみに支持構造物4と箱型構造物1の壁1bとの隙間を埋める部材を設ける。
また、本実施形態の建築物における支持構造物4は、箱型構造物1の上下方向の移動を許容し、かつ水平方向の移動を抑止するように箱型構造物1を支持する。そのため、図4に示すように、支持構造物4を囲む箱型構造物1の壁1bには、支持構造物4に向かって突出した突出部1dを設ける。突出部1dは、支持構造物4を囲むように設ける。突出部1dの先端(支持構造物4に近い端部)は、鉛直下方に向かうにつれて支持構造物4から遠ざかる方向に傾斜した斜面にする。一方、支持構造物4のうちの開口1aを通る部分(以下、規制部という。)には、荷重受け部4aで箱型構造物1の荷重を受けているときに突出部1bと係合する係合部4dを設ける。係合部4fは、突出部1dの斜面と略平行であり突出部1dに対して楔状(下がり楔)に係合する斜面を有する形状にする。
荷重受け部4aが箱型構造物1の荷重を受けているとき、係合部4fは突出部1dと係合(接触)しているので、箱型構造物1の水平方向の移動は阻止される。また、係合部4fと突出部1dとは、鉛直下方に向かうにつれて支持構造物4から遠ざかる方向に傾斜した斜面同士を接触させることで係合している。そのため、図5に示すように、箱型構造物1に作用する浮力Fbが箱型構造物1に作用する重力Fgよりも大きくなると、係合部4fと突出部1dとの係合が解除され、箱型構造物1が浮上する。さらに、浮上した箱型構造物1が下降するときには、突出部1dの先端部分が係合部4fの斜面に沿うように下降する。そのため、箱型構造物1が下降すると、係合部4fは再び突出部1dと楔状に係合し、荷重受け部4aは箱型構造物1の荷重を受ける。すなわち、本実施形態の建築物では、箱型構造物1が浮上した場合、浮上の前後における箱型構造物1の水平方向の位置のずれがほとんど無い。
このような構成の建築物は、たとえば、津波による水平荷重の増大を防ぎつつ、箱型構造物1の内部への浸水を防ぐのに適している。また、このような構成の建築物は、たとえば、津波の主要な発生要因である地震に対しても有効である。
本実施形態の建築物の構成を津波対策として用いる場合は、図1に示した支持構造物4の短辺方向を津波の進行方向と直交させる。また、支持構造物4の1階部分に設ける入出口4aには、防水扉を設けることが好ましい。
津波が来ていないときの箱型構造物1と支持構造物4とは、図4に示したように、突出部1dと係合部4fとが楔状に係合し、箱型構造物1の水平方向への移動を阻止している。そのため、箱型構造物1と支持構造物4とは一体的なラーメン架構を構成しているとみなせる。したがって、本実施形態の建築物は、たとえば、地震や風などにより受ける水平荷重により箱型構造物1や支持構造物4が壊れるのを防げる。
一方、津波が来たときは、その津波の高さによって本実施形態の建築物の状態が変わる。
図6乃至図8は、津波が来たときの本実施形態の建築物の挙動を模式的に示す図である。図6は、箱型構造物の底面より低い津波が来たときの建築物の状態を模式的に示す図である。図7は、箱型構造物の底面以上であり箱型構造物が浮上する高さ以下の津波が来たときの建築物の状態を模式的に示す図である。図8は、箱型構造物が浮上する高さよりも高い津波が来たときの建築物の状態を模式的に示す図である。
まず、箱型構造物1の底面よりも低い津波(高さHa未満の海水5)が来たときには、図6に示すように、津波による水平荷重は支持構造物4のみで受けることになる。支持構造物4は、上記のように短辺が津波の進行方向と略垂直になるように基礎2に固定するので、津波による水平荷重を受ける面積が小さい。また、支持構造物4が津波から水平荷重を受けた場合、箱型構造物1と支持構造物4とによるラーメン架構で当該水平荷重に抵抗する。そのため、高さHa未満の津波による箱型構造物1および支持構造物4の被害は小さい。また、高さHa未満の津波の場合、箱型構造物1の内部に海水5が入り込むことはない。また、津波が来るとわかった時点で支持構造物4の入出口4aを上記の防水扉で塞げば、支持構造物4の内部に海水5が入り込むのを防げる。
次に、箱型構造物1の底面以上であり箱型構造物1が浮上する高さ以下の津波(高さHa以上Hb未満の海水5)が来たときには、図7に示すように、箱型構造物1の底面およびその近傍が海水5に浸かる。しかしながら、箱型構造物1は、高さH1までは鉄筋コンクリート壁で覆われているので、箱型構造物1の内部への浸水を防げる。また、このとき箱型構造物1が津波から受ける水平荷重は、津波全体から受ける水平荷重に比べて小さく、かつその水平荷重は鉄筋コンクリート壁で受ける。さらに、支持構造物4も上記のように津波による水平荷重を受ける面積が小さい。そのため、箱型構造物1の底面以上であり箱型構造物1が浮上する高さ以下の津波が来た場合も、津波からの水平荷重による箱型構造物1および支持構造物4の被害は小さい。また、津波が来るとわかった時点で支持構造物4の入出口4aを上記の防水扉で塞げば、支持構造物4の内部に海水5が入り込むのを防げる。
最後に、箱型構造物1が浮上する高さ以上の津波(高さHb以上の海水5)が来たときには、図8に示すように、箱型構造物1は浮上する。このとき箱型構造物1は、作用する浮力Fbが自身に作用する重力とつりあう高さまで浮上する。そのため、箱型構造物1において海水5に浸かるのは、底面から高さH0までの部分のみである。なお、箱型構造物1の内部(所望の空間)に種々の設備や物資がある場合、箱型構造物1に作用する重力にはそれらの重量も加わる。そのため、箱型構造物1において海水5に浸かるのは、実際には、高さH0以上H1未満の高さH2までになる。しかしながら、箱型構造物1は、高さH1までは鉄筋コンクリート壁で覆われている。そのため、箱型構造物1が浮上する高さ以下の津波が来ても、箱型構造物1の内部への浸水を防げる。また、箱型構造物1が浮上した場合、当該箱型構造物1が津波から受ける水平荷重は津波の高さによらずほぼ一定になり、かつその水平荷重は鉄筋コンクリート壁で受ける。さらに、支持構造物4も上記のように津波による水平荷重を受ける面積が小さい。そのため、箱型構造物1が浮上する高さ以上の津波の場合も、津波からの水平荷重による箱型構造物1および支持構造物4の被害は小さい。また、津波が来るとわかった時点で支持構造物4の入出口4aを上記の防水扉で塞げば、支持構造物4の内部に海水5が入り込むのを防げる。
このように、本実施形態の建築物は、津波から受ける水平荷重の増大を防ぎつつ、箱型構造物の内部への浸水を防ぐことができる。
また、箱型構造物1が浮上する高さ以上の津波が来た場合、当該津波が引くと、箱型構造物1は下降し、図6に示したように、底面が地盤2から高さHaの位置になるように支持構造物4で支持される。このとき、支持構造物4の係合部4fは、箱型構造物1の突出部1dと再び楔状に係合する。そのため、本実施形態の建築物は、津波が引いた後も、たとえば、地震(余震)による水平荷重で箱型構造物1や支持構造物4が壊れるのを防げる。
図9は、支持構造物4の第1の変形例を示す側断面図である。
本実施形態の建築物における荷重受け部4aは、たとえば、図9に示すように、支持構造物4に設ける複数の係合部4fのそれぞれの下側に設けてもよい。また、係合部4fと突出部1dとの係合は、図9に示すように、若干の隙間が生じる係合であってもよい。この場合、係合部4fと突出部1dとの間には、接触による摩擦力が生じない。そのため、高さHb以上の津波が来たときに箱型構造物1が確実に浮上する。また、係合部4fの斜面と突出部1dの斜面との隙間が1cm〜2cm程度であれば、地震などによる水平荷重を受けたときに両斜面が接触する。そのため、係合部4fと突出部1dとに隙間があっても、水平荷重を受けることで突出部1dおよび支持構造物4が変形し一体的なラーメン架構になり、水平荷重に抵抗できる。
図10は、支持構造物4の第2の変形例を示す側断面図である。
本実施形態の建築物における係合部4fおよび突出部1dは、たとえば、図10に示すように、箱型構造物1の二階分の高さHd2ごとに設けてもよい。こうすることで、一階分の高さHd1ごとに係合部4fおよび突出部1dを設けた場合(図3に示した場合)に比べて箱型構造物1の浮上可能な高さ範囲が増し、被害を小さくできる津波の高さ範囲が増す。
以上説明したように、本実施形態の建築物の構造は、ある高さ以上の津波に対しては、箱型構造物1が海水5に浮くよう構成しているので、箱型構造物1が津波から受ける水平荷重の増大を抑えることができる。また、本実施形態の建築物は、箱型構造物1の底面から高さH1までの部分を内部への浸水を防ぐよう構成している。それに加え、本実施形態の建築物では、高さH1よりも低い高さH0まで海水に浸かると浮くように箱型構造物1を構成している。そのため、本実施形態の建築物は、津波による箱型構造物1の内部への浸水を防げる。したがって、本実施形態の建築物によれば、箱型構造物1が津波から受ける水平荷重の増大を防ぎつつ、箱型構造物1の内部への浸水を防ぐことができる。さらに、本実施形態の建築物の構造によれば、津波の前後に発生する地震による箱型構造物1の被害も小さくすることができる。
なお、本発明に係る建築物は、前記実施の形態であげた構造に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であることはもちろんである。
たとえば、本発明に係る建築物では、津波が来たときに、十分な浮力を箱型構造物1に作用させることができるだけの海水5が箱型構造物1の底面と地盤2との間に流れ込めばよい。そのため、平常時における箱型構造物1の底面の高さHaは、数十cmから数mの範囲で適宜選択すればよい。
また、本発明に係る建築物における箱型構造物1は、底面から高さH0までの水位の海水に囲まれたときに当該箱型構造物1の内部への浸水を防げ、かつ自身の浮力により海水に浮くように構成されていればよい。そのため、本発明に係る建築物における箱型構造物1は、メガ架構形式に限らず、他の構造、たとえば、吊り構造などであってもよい。
1 箱型構造物
1a 開口
1b 壁
1c 外周壁
1d 突出部
2 地盤
3 基礎
3a 基礎スラブ
3b 杭
4 支持構造物
4a 荷重受け部
4b 壁
4c 入出口
4d 階段
4e エレベータ
4f 係合部
5 海水

Claims (3)

  1. 内部に所望の空間を有し、少なくとも底面から前記空間への浸水を防ぎかつ自身の浮力により水に浮くよう構成した箱型構造物と、
    地盤に固定した支持構造物と、を備え、
    前記支持構造物は、前記箱型構造物の上下方向の移動を許容しかつ水平方向への移動を抑止するよう前記箱型構造物を支持することを特徴とする建築物。
  2. 前記支持構造物は、前記箱型構造物の荷重を受ける荷重受け部を備えることを特徴とする請求項1に記載の建築物。
  3. 前記箱型構造物は、前記上下方向に貫通した開口を有し、
    前記支持構造物は、前記開口を通り前記箱型構造物の前記上下方向および前記水平方向への移動を規制する規制部を有し、
    前記箱型構造物は、前記規制部の側面と対向する壁面から当該規制部に向かって突出した突出部を有し、
    前記規制部は、前記突出部と係合する係合部を有し、
    前記突出部は、下方に向かうにつれて当該規制部から遠ざかる方向に傾斜した斜面を有し、
    前記係合部は、前記突出部の斜面と略平行であり前記突出部に対して楔状に係合する斜面を有することを特徴とする建築物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015034374A (ja) * 2013-08-07 2015-02-19 株式会社竹中工務店 浮体構造建築物

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