JP2023030749A - 免震建物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、浸水深さが擁壁23の高さを超えても、免震ピット30への浸水を防ぐことができる免震建物1を提供する。【解決手段】本発明に係る免震建物1は、基礎構造20と、免震機構22と、上部構造10と、を備える。基礎構造20は擁壁23を備える。上部構造10は、第1壁部16と、第1壁部16の内部に収容された第2壁部18と、第1壁部16の上端より高い位置で開口する開口部11と、を備える。擁壁23は、免震ピット30の周囲を囲み、かつ、上端23aが第1壁部16の下端16aより高い位置にある。第1壁部16の第1流路16cは、第1流路16cに外部から流入した水により押し上げられた第2壁部18が、上部構造10の開口部11へ外部から水が流入することを防止する防水壁180の少なくとも一部を形成する。【選択図】図4
Description
本発明は、基礎構造と上部構造との間に免震機構を備えた免震建物に関する。
免震建物は、基礎構造と、基礎構造の上に配置された免震機構と、免震機構に支持された上部構造とを含み、免震機構によって地震等の水平方向の揺れが上部構造に伝わることを抑制する。
一般に、免震建物は、上部構造の側面と擁壁との間に上部構造の水平移動を許容するクリアランスが設けられている。そして、免震装置として積層ゴムを設置する免震ピットには排水設備が備えられ、水が入り込まないあるいは水がたまらない構造になっている。
ところが近年、異常気象にともなう浸水被害や土砂災害などが後を絶たず、たとえ排水設備を備えた免震ピットでも、工事中や供用開始後に豪雨や川の氾濫による水没や、土砂災害などによる土砂の埋設などにより水や土が浸入する恐れがある。
免震機構の防水構造としては、積層ゴム本体の外周を覆うように着脱可能に設けられる防水シートからなる防水被覆部等が提案されている(特許文献1)。
また、地下駐車場や機械室等の出入口からの雨水の浸入を防止する目的で、自動操作機構を備えた防水板を出入口に設置する発明が提案されている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献1の発明は、特殊形状の防水シートからなる防水被覆部及び発泡プラスチック製のクッション材を免震機構の形状に合わせて製作する必要がある。また、特許文献2の発明は、地下施設の出入口に設置するものであり、免震ピットへの応用は検討されていない。
そこで、本発明は、浸水深さが免震ピットの高さを超えても、免震ピットへの浸水を防ぐことができると共に、上部構造の開口部へ外部から水が流入することを防止することができる免震建物を提供することを目的とする。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[1]本発明に係る免震建物の一態様は、
基礎構造と、前記基礎構造の免震ピット内に設置された複数の免震機構と、前記複数の免震機構に支持された上部構造と、を備え、
前記基礎構造は、前記基礎構造から上方へ向かって延びる擁壁を備え、
前記上部構造は、前記上部構造から下方へ向かって延びる第1壁部と、前記第1壁部の
内部に収容された第2壁部と、前記第1壁部の上端より高い位置で開口する開口部と、を備え、
前記擁壁は、前記免震ピットの周囲を囲むように設けられ、かつ、前記擁壁の上端が前記第1壁部の下端より高い位置にあると共に前記上部構造に対して間隔を隔てて配置され、
前記第1壁部は、前記擁壁の外側を囲むと共に、前記擁壁に対して間隔を隔てて配置され、かつ、前記内部に水が流れる流路を備え、
前記流路は、外部に連通し、
前記流路に前記外部から流入した水により押し上げられた前記第2壁部が、前記上部構造の前記開口部へ前記外部から水が流入することを防止する防水壁の少なくとも一部を形成することを特徴とする。
基礎構造と、前記基礎構造の免震ピット内に設置された複数の免震機構と、前記複数の免震機構に支持された上部構造と、を備え、
前記基礎構造は、前記基礎構造から上方へ向かって延びる擁壁を備え、
前記上部構造は、前記上部構造から下方へ向かって延びる第1壁部と、前記第1壁部の
内部に収容された第2壁部と、前記第1壁部の上端より高い位置で開口する開口部と、を備え、
前記擁壁は、前記免震ピットの周囲を囲むように設けられ、かつ、前記擁壁の上端が前記第1壁部の下端より高い位置にあると共に前記上部構造に対して間隔を隔てて配置され、
前記第1壁部は、前記擁壁の外側を囲むと共に、前記擁壁に対して間隔を隔てて配置され、かつ、前記内部に水が流れる流路を備え、
前記流路は、外部に連通し、
前記流路に前記外部から流入した水により押し上げられた前記第2壁部が、前記上部構造の前記開口部へ前記外部から水が流入することを防止する防水壁の少なくとも一部を形成することを特徴とする。
[2]上記免震建物の一態様において、
前記防水壁は、連続する前記第2壁部により形成されることができる。
前記防水壁は、連続する前記第2壁部により形成されることができる。
[3]上記免震建物の一態様において、
前記免震建物は、前記上部構造の周囲に間隔を隔てて配置された複数のガイド板をさらに備え、
前記防水壁は、押し上げられた前記第2壁部の両端が隣接する前記ガイド板に接触して連続することができる。
前記免震建物は、前記上部構造の周囲に間隔を隔てて配置された複数のガイド板をさらに備え、
前記防水壁は、押し上げられた前記第2壁部の両端が隣接する前記ガイド板に接触して連続することができる。
[4]上記免震建物の一態様において、
前記複数のガイド板は、前記上部構造の外壁に接続する少なくとも2つの前記ガイド板を含んでもよい。
前記複数のガイド板は、前記上部構造の外壁に接続する少なくとも2つの前記ガイド板を含んでもよい。
[5]上記免震建物の一態様において、
前記防水壁は、前記上部構造の全周を囲むことができる。
前記防水壁は、前記上部構造の全周を囲むことができる。
[6]上記免震建物の一態様において、
前記擁壁は、前記上端に沿って固定された止水ゴムをさらに備え、
前記上部構造は、前記止水ゴムと対向する平滑面を有し、
前記止水ゴムは、前記擁壁に固定される固定部と、前記固定部から突出するシール部とを備え、
前記シール部は、前記シール部の自由端が前記平滑面と接触することで前記外部から前記免震ピット内へ水が流入するのを防止することができる。
前記擁壁は、前記上端に沿って固定された止水ゴムをさらに備え、
前記上部構造は、前記止水ゴムと対向する平滑面を有し、
前記止水ゴムは、前記擁壁に固定される固定部と、前記固定部から突出するシール部とを備え、
前記シール部は、前記シール部の自由端が前記平滑面と接触することで前記外部から前記免震ピット内へ水が流入するのを防止することができる。
[7]上記免震建物の一態様において、
前記第1壁部は、前記第2壁部に一端が固定されたワイヤと、前記第1壁部に固定された滑車と、前記滑車を経由した前記ワイヤの他端に吊下げられたカウンタウエイトと、をさらに備え、
前記カウンタウエイトは、前記第1壁部の内部に収容されることができる。
前記第1壁部は、前記第2壁部に一端が固定されたワイヤと、前記第1壁部に固定された滑車と、前記滑車を経由した前記ワイヤの他端に吊下げられたカウンタウエイトと、をさらに備え、
前記カウンタウエイトは、前記第1壁部の内部に収容されることができる。
本発明に係る免震建物の一態様によれば、浸水深さが免震ピットの高さを超えても、免震ピットへの浸水を防ぐことができると共に、上部構造の開口部へ外部から水が流入することを防止することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
本実施形態に係る免震建物の一態様は、基礎構造と、前記基礎構造の免震ピット内に設置された複数の免震機構と、前記複数の免震機構に支持された上部構造と、を備え、前記基礎構造は、前記基礎構造から上方へ向かって延びる擁壁を備え、前記上部構造は、前記上部構造から下方へ向かって延びる第1壁部と、前記第1壁部の内部に収容された第2壁部と、前記第1壁部の上端より高い位置で開口する開口部と、を備え、前記擁壁は、前記免震ピットの周囲を囲むように設けられ、かつ、前記擁壁の上端が前記第1壁部の下端より高い位置にあると共に前記上部構造に対して間隔を隔てて配置され、前記第1壁部は、前記擁壁の外側を囲むと共に、前記擁壁に対して間隔を隔てて配置され、かつ、前記内部に水が流れる流路を備え、前記流路は、外部に連通し、前記流路に前記外部から流入した水により押し上げられた前記第2壁部が、前記上部構造の前記開口部へ前記外部から水が流入することを防止する防水壁の少なくとも一部を形成することを特徴とする。
1.免震建物の概要
図1及び図2を用いて、本発明の一実施形態に係る免震建物1の概要を説明する。図1は本実施形態に係る免震建物1の正面図であり、図2は本実施形態に係る免震建物1の平面図である。図1の左側は免震ピット30を超える高さに水面がある洪水等の状態を示し、水50は網掛けで示し、図1の右側は平常時の状態を示す。
図1及び図2を用いて、本発明の一実施形態に係る免震建物1の概要を説明する。図1は本実施形態に係る免震建物1の正面図であり、図2は本実施形態に係る免震建物1の平面図である。図1の左側は免震ピット30を超える高さに水面がある洪水等の状態を示し、水50は網掛けで示し、図1の右側は平常時の状態を示す。
図1に示すように、免震建物1は、基礎構造20と、基礎構造20の免震ピット30内に設置された複数の免震機構22と、複数の免震機構22に支持された上部構造10と、を備える。
上部構造10は、下端が免震機構22に支持された例えば鉄骨構造の構造躯体を有する。上部構造10は、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造等であってもよい。上部構造10は、2階建て以上であることができ、特に高層ビルに適用可能である。上部構造10は、免震ピット30のある免震層の直上層である1Fがフーチングを介して複数の免震機構22に支持される。上部構造10は、免震層の直上層の外壁12に開口する少なくとも1つの開口部11を有し、開口部11は例えば当該直上層の出入口である。
図1及び図2に示すように、上部構造10は、外壁12の下端から外側へ向かって水平方向(X軸及びY軸の存在する面に沿った方向)に突出する犬走り状の上部スラブ13を有する。上部スラブ13は、例えば鉄筋コンクリート造である。上部スラブ13は、上部構造10の全周にわたって連続して形成される。上部スラブ13は、水平方向において擁壁23を超えて擁壁23の外側まで延びて形成され、水平クリアランス(擁壁23と上部
構造10との水平方向の間隔)を覆うように構成される。当該水平クリアランスは、免震建物1に想定される地震時における擁壁23と上部構造10との相対水平移動を許容する距離に設定される。そのため、地震によって当該水平クリアランスが変化しても上部スラブ13によって常に当該水平クリアランスの上方が覆われるため平面視で免震ピット30が見えることはない。上部スラブ13は、エプロンと呼ぶことがある。上部スラブ13は、外壁12に接続する基端部から自由端へ延びる板状のフランジ形状であるが、これに限らず、上部スラブ13の上に室内空間が設けられてもよい。
構造10との水平方向の間隔)を覆うように構成される。当該水平クリアランスは、免震建物1に想定される地震時における擁壁23と上部構造10との相対水平移動を許容する距離に設定される。そのため、地震によって当該水平クリアランスが変化しても上部スラブ13によって常に当該水平クリアランスの上方が覆われるため平面視で免震ピット30が見えることはない。上部スラブ13は、エプロンと呼ぶことがある。上部スラブ13は、外壁12に接続する基端部から自由端へ延びる板状のフランジ形状であるが、これに限らず、上部スラブ13の上に室内空間が設けられてもよい。
上部構造10は、上部構造10から下方へ向かって延びる第1壁部16と、第1壁部16の内部に収容された第2壁部18と、第1壁部16の上端より高い位置で開口する開口部11と、を備える。本実施形態では、第1壁部16は、上部スラブ13の外周縁から垂下するように取り付けられる。第1壁部16の上端は、上部スラブ13の上面と略同じ高さとすることができる。開口部11が1Fへの出入口である場合、開口部11の下端は上部スラブ13の上面とほぼ同じ高さにあり、第2壁部18(防水壁180)がなければ開口部11から上部構造10への水が流入しやすい。また、開口部11が出入口でない場合(例えば窓)であっても開口部11の下端が低い位置にあれば、第2壁部18(防水壁180)がなければ開口部11から上部構造10への水が流入しやすい。一般に、免震建物1には免震ピット30とその直上層とを連絡する階段が設けられるので、開口部11からの浸水は免震ピット30の浸水へと繋がる。第2壁部18は、平常時には図1の右側のように第1壁部16の内部に収容され、洪水時には図1の左側のように第1壁部16の上方に移動して防水壁180の少なくとも一部を形成する。したがって、平常時には上部スラブ13上に防水壁180が無いので、水平方向における上部構造10の1F、例えば開口部11へのアクセスを妨げない。免震建物1は、例えば上部構造10が倉庫に採用されてもよく、その場合、トラックバースの高さが上部スラブ13及び1Fの床スラブになる。
基礎構造20は、上部構造10の下方にあって、地盤上に構築された構造物である。基礎構造20は、免震機構22を介して上部構造10の荷重を地盤に伝える。基礎構造20の下方には、複数の杭26(図3及び図4)を設けてもよいし、安定した地盤であれば基礎構造20を地盤上に直接構築してもよい。基礎構造20を構成する例えば梁及びスラブは、鉄筋コンクリート造である。基礎構造20のスラブ上に鉄筋コンクリート造のフーチングを介して免震機構22が固定される。基礎構造20は、基礎構造20から上方へ向かって延びる擁壁23を備える。
免震機構22は、免震建物1に対して複数設けられる。複数の免震機構22は、免震ピット30内の複数個所に相互に間隔を空けて設置される。免震機構22は、基礎構造20の上にフーチングを介して固定される。免震機構22は、上部構造10を支え、上部構造10に伝わる地震等の水平方向の揺れを低減させ、かつ、上部構造10の相対位置の変化を元に戻す力を付与する機構であり、いわゆるアイソレータである。免震機構22は、上下方向の変化が少ない積層ゴムまたはすべり支承であることが好ましく、図1では免震機構22が積層ゴムである例を示す。免震機構22は、減衰を付与するダンパーをさらに備えてもよい。
図2に示すように、免震建物1は、上部構造10の周囲には上部スラブ13がフランジ状に延在し、上部スラブ13の外周縁に沿って第1壁部16及び第2壁部18が延在する。防水壁180は、連続する第2壁部18により形成されることが好ましい。防水壁180は、上部スラブ13より高い高さの連続する壁であり、本実施形態では上部構造10の周囲を完全に囲う。上部スラブ13より高い位置では第2壁部18により形成された防水壁180に囲まれることで確実に上部構造10への浸水を防ぐことができる。なお、上部スラブ13の上に設けられた既存の塀などと上昇した第2壁部18とが水密に一体化できれば、防水壁180の一部を第2壁部18以外の既存の塀などを用いてもよい。
また、免震建物1は、上部スラブ13の下方に破線で示す連続する擁壁23で囲まれた免震ピット30が形成される。そのため、上部スラブ13より低い位置では第1壁部16と擁壁23により免震ピット30への浸水を防ぐことができる。
2.擁壁、第1壁部及び第2壁部
図1~図4を用いて、擁壁23、第1壁部16及び第2壁部18について説明する。図3は平常時における図1の破線で囲まれた部分を拡大して示す断面図であり、図4は洪水時における図1の破線で囲まれた部分を拡大して示す断面図である。
図1~図4を用いて、擁壁23、第1壁部16及び第2壁部18について説明する。図3は平常時における図1の破線で囲まれた部分を拡大して示す断面図であり、図4は洪水時における図1の破線で囲まれた部分を拡大して示す断面図である。
図1及び図2に示すように、擁壁23は、免震ピット30の周囲を囲むように設けられる。擁壁23は、基礎構造20の一部であり、基礎構造20のスラブと一体に形成される。擁壁23は、鉄筋コンクリート造である。擁壁23は、基礎構造20の全周にわたって連続して設けられ、基礎構造20の外周縁から上方へ向かって立ち上がり、擁壁23の内側が免震ピット30として構成される。擁壁23が免震ピット30を囲むことにより、擁壁23の外側にある土砂及び水50が免震ピット30内へ流入することを擁壁23が防止する。本実施形態の擁壁23は、地盤面GLより高い位置まで延びるが、免震ピット30が地下に設けられる場合には地盤面GLの高さに合わせてもよい。
図3及び図4に示すように、擁壁23は、その上端23aが第1壁部16の下端16aより高い位置にあると共に上部構造10に対して第1間隔L1を隔てて配置される。擁壁23の上端23aが擁壁23の外側を囲んでいる第1壁部16の下端16aより高い位置に設定されることで、免震ピット30内の空気圧によって水50の上昇を防ぐように作用し、擁壁23を超えて浸水することを防止する。
擁壁23は、上端23aに沿って固定された止水ゴム40をさらに備える。上部構造10は、止水ゴム40と対向する平滑面13aを有する。平滑面13aは、上部スラブ13の下面に形成される。止水ゴム40は、平滑面13aに接触して第1間隔L1から免震ピット30への水の浸入を防止する。なお、止水ゴム40の詳細については、後述する。
第1間隔L1は、擁壁23の上端23aと、当該上端23aと対向する上部スラブ13の下面である平滑面13aとの間に形成される鉛直方向(Z軸に沿った方向)の隙間である。第1間隔L1は、免震建物1に想定される地震による上部構造10に対する擁壁23の相対的な水平移動において、擁壁23の上端23aと上部構造10との非接触状態を保つことができる。第1間隔L1の最小値は、例えば50mm程度に設定される。
第1壁部16は、擁壁23の外側を囲むと共に、擁壁に対して第2間隔L2を隔てて配置される。第1壁部16と擁壁23の間の第2間隔L2は、上方を上部スラブ13で塞がれる。そのため、第1壁部16と上部スラブ13により形成された空間は、その内部の空気圧により第2間隔L2における水50の水位がほとんど上昇しない。このように第1壁部16が擁壁23の外側を囲むことにより、第1壁部16と擁壁23との間を洪水時に水50が上昇することを防止できるので、免震ピット30への浸水を防ぐことができる。第2間隔L2は、例えば基礎構造20に対して上部構造10の水平方向への移動が許容される距離であり、免震建物1において想定される地震に応じて設定される。
第1壁部16は、内部に水が流れる第1流路16cを備える。第1流路16cは、例えば第2壁部18の下方にあって、第1壁部16の全周に水を流通させることができる。第1流路16cは、第2壁部18の下方に水を溜めることで第2壁部18を浮力で上昇させるように構成してもよいし、第2壁部18の下端をピストンとした場合に第1流路16cをシリンダとして構成して水圧により上昇させるようにしてもよい。第1流路16cは、
第2流路16dを介して第1壁部16の外側面に開口する取水口16bで外部に連通する。取水口16bは、洪水時に取水して第1流路16cに水を溜めるために上部スラブ13の高さより低い位置に開口することが好ましいく、洪水時に想定される増水の速度を考慮して開口面積や開口高さを設定することができる。
第2流路16dを介して第1壁部16の外側面に開口する取水口16bで外部に連通する。取水口16bは、洪水時に取水して第1流路16cに水を溜めるために上部スラブ13の高さより低い位置に開口することが好ましいく、洪水時に想定される増水の速度を考慮して開口面積や開口高さを設定することができる。
第1壁部16は、内部に第1流路16c及び第2流路16dを形成する仕切り板16eを備えてもよい。仕切り板16eは、第1壁部16の内側(第1流路16c)と外側(第2流路16d)を隔てるように設けられる。仕切り板16eには、第1流路16cと第2流路16dとを連通する貫通孔16fが形成される。貫通孔16fは、例えば下端16a付近に設けられる。貫通孔16fは、複数設けられてもよいし、下端16aに沿って延びる1つの孔として設けられてもよい。取水口16bから第2流路16d内に流れ込んだ水は、貫通孔16fから第1流路16cへと流入する。
第2壁部18は、平常時は図3に示すように第1壁部16の内部に収容され、第2壁部18の上面が上部スラブ13の上面と面一である。本実施形態では第2壁部18は、第1壁部16の内側の壁と仕切り板16eとの間であって、第1流路16cの上に収容される。第2壁部18は、第2壁部18の下端によって第1流路16c及び貫通孔16fが閉塞されない高さで収容される。洪水時は図4に示すように、第2壁部18は、第1流路16cに外部から流入した水により押し上げられる。上部スラブ13より高い位置まで水に押し上げられた第2壁部18は、上部構造10の開口部11へ外部から水が流入することを防止する防水壁180の少なくとも一部、好ましくは全部を形成する。洪水等による浸水深さが免震ピット30の高さを超えても、防水壁180により開口部11へ外部から水が流入することを防止することで上部構造10に設けられた免震ピット30への入口(図示しない)から免震ピット30への浸水を防ぐことができる。防水壁180は、図2に示すように上部構造10の全周を囲んでもよいし、後述する変形例3(図10)のように外壁12との間で開口部11を囲むように設けてもよい。また、複数の開口部11がある場合には、開口部11ごとに防水壁180を設けてもよい。
第2壁部18は、第1流路16cの水により押し上げられるほど軽量な材質が好ましい。第2壁部18は、外部からの水の浸入を防ぐため防水性に優れる。第2壁部18は、例えば内部に空気層を有するアルミニウム製である。第2壁部18の下端は、第1流路16cの水により浮力を得るための構造を採用することができる。第2壁部18は、取水口16bから流入した水により押し上げられる構造が望ましいが、第2壁部18の上昇を補助する動力をさらに有してもよい。
近年の異常気象などの大雨による河川氾濫などは、建築時の予想を超えるケースも多い。免震ピット30の水没は、免震機構22の機能を阻害する要因となる可能性があり、また、免震機構22を劣化させる可能性もある。そのため、免震ピット30内には排水設備が設けられるが、本発明の構成を採用して免震ピット30内への浸水を防止または抑制できることがより好ましい。
3.止水ゴム
図5を用いて止水ゴム40を説明する。図5は、止水ゴム40を拡大して示す断面図である。
図5を用いて止水ゴム40を説明する。図5は、止水ゴム40を拡大して示す断面図である。
図5に示すように、止水ゴム40は、擁壁23の全周にわたって上端23a付近に固定され、第1間隔L1からの浸水を防ぐ。
止水ゴム40は、擁壁23に固定される固定部40aと、固定部40aから突出するシール部40cとを備える。固定部40aは、擁壁23の上端23a付近の外表面に例えば
複数のボルト40bにより固定される。シール部40cは、第1間隔L1を塞ぐ高さを有する。シール部40cは、シール部40cの自由端40dが平滑面13aと接触することで外部から免震ピット30内へ水が流入するのを防止することができる。図5では自由端40dが平滑面13aに接触しているが、自由端40dは、平常時には平滑面13aと接触していなくてもよく、その場合には、洪水時の水圧(矢印で示す)でシール部40cが変形することにより自由端40dが平滑面13aに接触すればよい。
複数のボルト40bにより固定される。シール部40cは、第1間隔L1を塞ぐ高さを有する。シール部40cは、シール部40cの自由端40dが平滑面13aと接触することで外部から免震ピット30内へ水が流入するのを防止することができる。図5では自由端40dが平滑面13aに接触しているが、自由端40dは、平常時には平滑面13aと接触していなくてもよく、その場合には、洪水時の水圧(矢印で示す)でシール部40cが変形することにより自由端40dが平滑面13aに接触すればよい。
また、止水ゴム40の自由端40dが平滑面13aに接触したまま上部構造10が水平移動可能なように、平滑面13aは凹凸の少ない平坦な面で構成される。平滑面13aは、上部スラブ13の下面に固定された滑り板であってもよく、例えば鋼板やプラスチック板等の摩擦係数の小さい板を採用できる。
徐々に水位が上がる洪水等であれば第1壁部16と擁壁23の間を水が上昇することはないが、例えば免震建物1の一方から急激に増水した場合には擁壁23の上まで水位が上昇する可能性があり、その場合には止水ゴム40が免震ピット30への浸水を防ぐことができる。
止水ゴム40は、防水性を備える公知の加硫したゴム製である。止水ゴム40の材質としては、例えば天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン・プロピレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどを挙げることができ、これらを複数種類選択してブレンドしたゴムとしてもよいし、複数種類の部材を接着した複合材としてもよい。
4.変形例1
図6~図8を用いて、変形例1に係る免震建物1aについて説明する。図6は、変形例1に係る免震建物1aの第1壁部16及び第2壁部18の断面図であり、図7は、変形例1に係る免震建物1aの第1壁部16及び第2壁部18の平面図であり、図8は、変形例1に係る免震建物1aの第1壁部16及び第2壁部18の正面図である。ここで、図6は、(a)が収容状態を示し、(b)が作動状態を示し、(c)が全閉状態を示し、図7は、蓋18aを省略して各流路の内部を示し、図8は、左側が収容状態を示し、右側が全閉状態を示す。また、変形例1に係る免震建物1aは、上記実施形態に係る免震建物1と基本的な構成は同じであるので、重複する説明は省略する。
図6~図8を用いて、変形例1に係る免震建物1aについて説明する。図6は、変形例1に係る免震建物1aの第1壁部16及び第2壁部18の断面図であり、図7は、変形例1に係る免震建物1aの第1壁部16及び第2壁部18の平面図であり、図8は、変形例1に係る免震建物1aの第1壁部16及び第2壁部18の正面図である。ここで、図6は、(a)が収容状態を示し、(b)が作動状態を示し、(c)が全閉状態を示し、図7は、蓋18aを省略して各流路の内部を示し、図8は、左側が収容状態を示し、右側が全閉状態を示す。また、変形例1に係る免震建物1aは、上記実施形態に係る免震建物1と基本的な構成は同じであるので、重複する説明は省略する。
図6~図8に示す第1壁部16は、第2壁部18に一端が固定されたワイヤ62(破線で示す)と、第1壁部16に固定された滑車61と、滑車61を経由したワイヤ62の他端に吊下げられたカウンタウエイト60と、を備える。滑車61は、例えば仕切り板16eの上部であって第2流路16d側の面に固定される。ワイヤ62の一端は、例えば第2壁部18の下端に固定される。ワイヤ62は、滑車61から仕切り板16eに開口した孔を通ってローラ65付近の第2壁部18に固定され、カウンタウエイト60の重さによって第2壁部18には常に上方への力が作用する。カウンタウエイト60は、第1壁部16の内部、例えば第2流路16dに収容される。カウンタウエイト60が第1壁部16の内部に収容されることで、カウンタウエイト60を含め第2壁部18等をまとめて第1壁部16の組立体として工場で組み立てることができ、その組立体を現場へ搬入及び取付を行うことができるため、施工が容易である。また、カウンタウエイト60が第1壁部16の内部に収容されることで、洪水による水50の流れの影響でカウンタウエイト60が揺れることを防げる。なお、第1壁部16及び第2壁部18等は施工現場で組み立ててもよい。
図6の(a)に示すように、第2壁部18が第1壁部16内に収容された状態において、第2壁部18よりも低い位置に貫通孔16f及び取水口16bが形成される。第2壁部18の上端に固定された蓋18aは、第1壁部16(第1流路16c)の上部開口を塞ぐ
と共に、第2壁部18の下降限を定めるストッパとして機能する。第2壁部18の下端にはローラ65が固定され、仕切り板16eの第1流路16c側の面を鉛直方向にローラ65が転がり第2壁部18の昇降移動を案内する。
と共に、第2壁部18の下降限を定めるストッパとして機能する。第2壁部18の下端にはローラ65が固定され、仕切り板16eの第1流路16c側の面を鉛直方向にローラ65が転がり第2壁部18の昇降移動を案内する。
図6~図8に示すように、第2壁部18は、第2壁部18の下端に沿って固定された下部シール67と、第2壁部18の左右両端に鉛直方向に沿って固定された少なくとも一対の側部シール68と、を有する。下部シール67と側部シール68は、第1壁部16の擁壁23(図3及び図4)側の内面に接触し、第1壁部16の内面との間に水が入り込むことを防止する。免震建物1aは、上部構造10の周囲に間隔を隔てて配置された複数のガイド板64をさらに備えてもよい。ガイド板64は、第2壁部18が上昇した状態で側部シール68と接触する位置に第1壁部16の上端または上部スラブ13の外縁から鉛直方向に延びるように設けられる。複数のガイド板64を備えることにより、短い第2壁部18により防水壁180を構成することができるので、第2壁部18の取り扱いが容易となり施工性が向上する。第2壁部18が上昇してガイド板64に水密に接触することにより、連続する防水壁180が形成される。したがって、図6の(b)及び(c)に示すように、第2壁部18より内側(図の右側)へは水50が浸入しない。ガイド板64は、第1壁部16または上部スラブ13と一体に形成される。ガイド板64は、第2壁部18の上端と上部スラブ13との間にあって、第2壁部18が上部スラブ13より上昇した状態で第2壁部18を案内しかつ上部スラブ13側への倒れ込みを防止する。ガイド板64は、防水性に優れた材質であることが好ましく、例えば金属製である。ガイド板64は、第1壁部16の上端内周(上部スラブ13の外周)に沿って間隔を空けて複数設けられる。ガイド板64は、図7のようにX方向の直線部分に設けられてもよいし、X方向とY方向の角部に設けられてもよい。
図7及び図8に示すように、第2壁部18は、複数の中空部材18bが連結されて水平方向へ延在してもよい。図7の例では、複数の中空部材18bがX方向に延在して1つの第2壁部18を構成し、また図の下端では、Y方向にも中空部材18b及び第2壁部18が配置される。そして、防水壁180は、押し上げられた第2壁部18の両端が隣接するガイド板64,64に接触して連続する構造を形成する。すなわち、ガイド板64は、隣接する第2壁部18の間隔を埋めることにより、防水性を確保する。中空部材18bは、内部に空気層を有する軽量な金属(例えばアルミニウム)製であり、隣り合う中空部材18b同士は水密にシールされた状態で結合する。第2壁部18は、互いに結合した複数の中空部材18bにより構成される。隣り合う第2壁部18同士は連結されてもよいし、本例のように独立してもよい。第2壁部18の左右両端の側部シール68とガイド板64とが接触することによって、隣り合う第2壁部18の間も上部スラブ13側へ水の浸入を防ぐことができる。また、隣り合う第2壁部18同士が連結される場合には、上記実施形態のように上部構造10の周囲を囲む連続した防水壁180を形成することができる。
次に、図6の(a)~(c)を用いて第2壁部18の動作について説明する。(a)に示すように、収容状態では第2壁部18よりカウンタウエイト60の方が軽いため第2壁部18を第1壁部16内に収容された状態を維持することができ、蓋18aが第1壁部16上端の開口を塞いで第1壁部16の内部に第2壁部18が完全に収容された状態を維持する。そして、洪水時には(b)に示すように、取水口16bから第2流路16dへ流入した水50が貫通孔16fを通って第1流路16cへと流入し、水50の浮力とカウンタウエイト60の重さによって第2壁部18を押し上げる。このとき、下部シール67及び側部シール68が第1壁部16の内面に押し付けられるため、第2壁部18より上部スラブ13側へは水50が入り込まない。どの程度の浮力により第2壁部18が上昇するかは、カウンタウエイト60の重さ変更することで調節できる。最後に(c)に示すように、全閉状態ではカウンタウエイト60が第2流路16dの内部で下降限度まで下降し、第2壁部18が上昇限度まで上昇する。そして、洪水が解消されると、第2流路16d内の水
50が排水されることで第2壁部18の浮力が消失して第2壁部18とカウンタウエイト60との自重差によって(a)の収容状態に戻る。
50が排水されることで第2壁部18の浮力が消失して第2壁部18とカウンタウエイト60との自重差によって(a)の収容状態に戻る。
5.変形例2
図9を用いて、変形例2に係る免震建物1bについて詳細に説明する。図9は、変形例2に係る免震建物1bの平面図である。なお、変形例2に係る免震建物1bは、上記実施形態に係る免震建物1と基本的な構成は同じであるので、重複する説明は省略する。
図9を用いて、変形例2に係る免震建物1bについて詳細に説明する。図9は、変形例2に係る免震建物1bの平面図である。なお、変形例2に係る免震建物1bは、上記実施形態に係る免震建物1と基本的な構成は同じであるので、重複する説明は省略する。
図9に示す免震建物1bは、平面視で防水壁180の各角部にガイド板64が設けられる点で免震建物1と異なる。防水壁180は、上部構造10の全周を囲む。防水壁180は、X方向及びY方向に直線状に延びる4つの第2壁部18と、各角部に設けられた4つのガイド板64と、を備える。角部にガイド板64を設けることで、第2壁部18が直線状となって構造が簡単になり、第2壁部18の単価を下げることができると共に施工性が向上する。
第2壁部18は、変形例1のように複数の中空部材18bを連結して構成してもよい。また、図9では平面視で四角形の上部構造10であるが、より複雑な例えばL字型やコの字型の上部構造10であってもよく、その場合にも直線部分は第2壁部18とし、各角部をガイド板64とすることで、部品の共通化を図ることができる。
6.変形例3
図10及び図11を用いて、変形例3に係る免震建物1cについて詳細に説明する。図10は、変形例3に係る免震建物1cの平面図であり、図11は、変形例3に係る止水ゴムの断面図である。なお、変形例3に係る免震建物1cは、上記実施形態に係る免震建物1と基本的な構成は同じであるので、重複する説明は省略する。
図10及び図11を用いて、変形例3に係る免震建物1cについて詳細に説明する。図10は、変形例3に係る免震建物1cの平面図であり、図11は、変形例3に係る止水ゴムの断面図である。なお、変形例3に係る免震建物1cは、上記実施形態に係る免震建物1と基本的な構成は同じであるので、重複する説明は省略する。
図10に示す免震建物1cは、上部構造10の外壁12の一方の面に開口部11aを備える。免震建物1cが例えば倉庫である場合、開口部11aの前に延びる上部スラブ13がトラックバースとして用いられることがあり、その場合、外壁12の他の面には出入口が設けられない場合がある。このような免震建物1cにおいては、開口部11aに対応する箇所にのみ防水壁180を設けることが効率的である。なお、開口部11aが1か所の場合だけでなくても、開口部11aのそれぞれの外壁12の面に対応する独立した複数の防水壁180を設けてもよい。
免震建物1cは、上部構造10の周囲に間隔を隔てて配置された2つのガイド板64を備える。防水壁180は、隣接するガイド板64の間に押し上げられた第2壁部18によって連続する。2つのガイド板64は、上部構造10の外壁12に接続する。ガイド板64は、外壁12に一端が水密に固定され、他端が上部スラブ13の外縁付近にあって第2壁部18と水密に接触可能に配置される。開口部11aがない外壁12は、少なくとも上昇した第2壁部18の高さまで防水性の高い建材で施工される。そのような建材としては例えばサンドイッチパネル等を採用できる。外壁12とガイド板64とは一体化され、その接続部から内側へ浸水することはない。ガイド板64は平面視でL型に形成されるが、外壁12との接続位置や第2壁部18との接触状態を考慮して他の形状であってもよい。
図11に示す止水ゴム40は、図5と異なり、擁壁23との間に板バネ42を有する。擁壁23の上端23aの外側に板バネ42がボルト42aで固定され、板バネ42の上端側に止水ゴム40がボルト40bで固定される。板バネ42は、上端23aに沿って延びる。板バネ42は、例えば金属製であり、止水ゴム40よりも柔軟性に優れる。板バネ42を設けることにより、例えば第1間隔L1の施工誤差が大きい場合や稼働による変化がある場合でも、止水ゴム40を平滑面13aに十分に接触させることができる。
また、免震建物1cは、上部スラブ13の下面にステンレス板13bが固定され、ステンレス板13bの下面が平滑面13aを形成する。止水ゴム40の摺動性及び止水性(平坦であること)に優れるのであればステンレス板13b以外の材質であってもよい。図11の板バネ42及びステンレス板13bは、上記実施形態及び上記変形例に適用してもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1,1a,1b,1c…免震建物、10…上部構造、11,11a…開口部、12…外壁、13…上部スラブ、13a…平滑面、13b…ステンレス板、16…第1壁部、16a…下端、16b…取水口、16c…第1流路、16d…第2流路、16e…仕切り板、16f…貫通孔、18…第2壁部、18a…蓋、18b…中空部材、180…防水壁、20…基礎構造、22…免震機構、23…擁壁、23a…上端、26…杭、30…免震ピット、40…止水ゴム、40a…固定部、40b…ボルト、40c…シール部、40d…自由端、42…板バネ、42a…ボルト、50…水、60…カウンタウエイト、61…滑車、62…ワイヤ、64…ガイド板、65…ローラ、67…下部シール、68…側部シール、L1…第1間隔、L2…第2間隔
Claims (7)
- 基礎構造と、前記基礎構造の免震ピット内に設置された複数の免震機構と、前記複数の免震機構に支持された上部構造と、を備え、
前記基礎構造は、前記基礎構造から上方へ向かって延びる擁壁を備え、
前記上部構造は、前記上部構造から下方へ向かって延びる第1壁部と、前記第1壁部の内部に収容された第2壁部と、前記第1壁部の上端より高い位置で開口する開口部と、を備え、
前記擁壁は、前記免震ピットの周囲を囲むように設けられ、かつ、前記擁壁の上端が前記第1壁部の下端より高い位置にあると共に前記上部構造に対して間隔を隔てて配置され、
前記第1壁部は、前記擁壁の外側を囲むと共に、前記擁壁に対して間隔を隔てて配置され、かつ、前記内部に水が流れる流路を備え、
前記流路は、外部に連通し、
前記流路に前記外部から流入した水により押し上げられた前記第2壁部が、前記上部構造の前記開口部へ前記外部から水が流入することを防止する防水壁の少なくとも一部を形成することを特徴とする、免震建物。 - 請求項1において、
前記防水壁は、連続する前記第2壁部により形成されることを特徴とする、免震建物。 - 請求項1において、
前記免震建物は、前記上部構造の周囲に間隔を隔てて配置された複数のガイド板をさらに備え、
前記防水壁は、押し上げられた前記第2壁部の両端が隣接する前記ガイド板に接触して連続することを特徴とする、免震建物。 - 請求項3において、
前記複数のガイド板は、前記上部構造の外壁に接続する少なくとも2つの前記ガイド板を含むことを特徴とする、免震建物。 - 請求項1~請求項3のいずれか一項において、
前記防水壁は、前記上部構造の全周を囲むことを特徴とする、免震建物。 - 請求項1~請求項5のいずれか一項において、
前記擁壁は、前記上端に沿って固定された止水ゴムをさらに備え、
前記上部構造は、前記止水ゴムと対向する平滑面を有し、
前記止水ゴムは、前記擁壁に固定される固定部と、前記固定部から突出するシール部とを備え、
前記シール部は、前記シール部の自由端が前記平滑面と接触することで前記外部から前記免震ピット内へ水が流入するのを防止することを特徴とする、免震建物。 - 請求項1~請求項6のいずれか一項において、
前記第1壁部は、前記第2壁部に一端が固定されたワイヤと、前記第1壁部に固定された滑車と、前記滑車を経由した前記ワイヤの他端に吊下げられたカウンタウエイトと、をさらに備え、
前記カウンタウエイトは、前記第1壁部の内部に収容されることを特徴とする、免震建物。
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