JP7481850B2 - 浮上式建物 - Google Patents

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Description

本発明は、浮上式建物に関する。
地震による津波や豪雨による洪水といった水害対策として、建物の開口部や通気層を含めて、シール性を高めることにより完全に密閉した空間を形成する方策が考えられるが、このような密閉空間の形成には重量のあるサッシや通気層の無い外壁の適用等が挙げられる。しかしながら、このように重量のあるサッシを適用することにより窓やドアの開閉性が阻害され、通気層の無い外壁を適用することにより断熱性や除湿性等が阻害されることが懸念され、いずれも日常生活に支障を来たす恐れがあり、好ましい方策とは言い難い。
また、サッシ等のシール性を担保するに当たり、ゴム製のシール部品を適用することが一般に想定されるが、ゴム製のシール部品は経年劣化が比較的早く、防水性能の低下が懸念されることから、頻繁なメンテナンスを要するといった課題を内包している。
そこで、密閉空間を形成することにより防水性を高めるといった発想を転換し、水害時に建物を浮上させることにより、水害時の水没や損壊を防ぐことを可能とした建物が提案されている。具体的には、建物本体に収縮状態で連結され、膨張することにより建物本体に対して浮力を付与するエアバッグと、エアバッグを膨張させる膨張手段とを備えている建物用浮力付与装置を有し、エアバッグが建物本体の周囲に複数配設されている建物である。エアバッグの浮力によって上昇する建物本体と地盤は、ロープからなる連結手段を介して相互に連結されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013-32686号公報
特許文献1に記載の建物用浮力付与装置を用いた建物においては、耐圧盤の上面にアンカーピンが固定され、アンカーピンに繋がれている所定長さの第1のロープが建物本体の土台に繋がれている。そして、アンカーピンは、所定の大きさ以上の張力(例えば、各エアバッグの浮力による張力)が加わることにより、耐圧盤から抜けるようになっている。また、各エアバッグには、エアバッグを膨張させる膨張手段としてのインフレータと、所定水位以上の水を検知する水検知手段としてのフロートスイッチがそれぞれ設けられている。フロートスイッチは、水位の上昇によってフロートが所定位置まで上方へ移動するとスイッチがオンになる機器であり、インフレータに接続されている。フロートスイッチは収縮状態のエアバッグの上に配置されており、津波や洪水により到来した水の水位が所定水位以上になるとフロートスイッチがオンされ、インフレータが作動して各エアバッグが膨張され、水位が更に上昇した際には、各エアバッグの浮力によって建物本体の土台が布基礎から分離し、建物本体が各エアバッグの浮力によって水面に浮かび上がるようになっている。
しかしながら、このように、水位を検知してフロートスイッチをオンし、フロートスイッチをオンすることによりインフレータを作動して各エアバッグを膨張させる構成故に、突如として建物を襲う津波や洪水の際にフロートスイッチやインフレータが作動不能であってエアバッグが膨張しない場合に、建物本体をこれらの水害から守ることはできなくなる。
また、特許文献1に記載の建物用浮力付与装置を用いた建物では、第1のロープに対して第2のロープを介して錨が連結されていることにより、建物本体の漂流を防止できるとしている。しかしながら、洪水等が引いてエアバッグに作用している浮力が解消した際に、浮上している建物本体が元の耐圧盤の上に自動的に着地できる可能性は極めて低く、従って、水害後に建物本体を元の場所に戻す施工が余儀なくされる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、日常生活に支障を来たす防水構造を不要としながら、水害時に建物を確実に浮上させて水害から守ることができ、さらに、浮力が解消した際に浮上している建物を元の平面位置に自動的に戻すことのできる、浮上式建物を提供することを目的としている。
本発明による浮上式建物の一態様は、
建物と、該建物が載置される定型の浮力体と、ガイド手段と、を有し、
前記浮力体の一部もしくは全部が水没した際に生じる浮力により前記建物及び該浮力体が浮上するように、前記建物及び前記浮力体の合計重量と該浮力体の寸法が設定されており、
前記ガイド手段により、該建物及び前記浮力体が前記浮力を受けて浮上した際の浮上平面位置と、該浮力が解消されて着地した際の着地平面位置とが同じ位置となるように規制されていることを特徴とする。
本態様によれば、建物が定型の浮力体の上に載置されていることにより、日常生活に支障を来たす防水構造を不要にしながら、突如襲ってくる水害に対して建物を臨機かつ確実に浮上させることができる。また、ガイド手段により、建物及び浮力体が浮力を受けて浮上した際の浮上平面位置と、浮力が解消されて着地した際の着地平面位置とが同じ位置となるように規制されていることにより、水が引いて浮力が解消した際に、浮上している建物を元の平面位置に自動的に戻すことができる。本態様においては、浮力体の一部もしくは全部が水没した際に生じる浮力により、建物と浮力体が浮上するように、建物と浮力体の合計重量と浮力体の寸法が設定されている。例えば、建物の平面寸法に対して浮力体の平面寸法が大きく設定されている形態や、浮力体の厚み(高さ)が大きく設定されていることにより、浮力が得られ易くなる。さらに、浮力体の重量軽減の観点から、浮力体が発泡性樹脂により形成されるのが好ましい。
浮力体は、例えば地盤上に施工された基礎の上に載置され、常時においては、例えばこの基礎や地盤に固定されるガイド手段によって、建物と浮力体が強風(台風を含む)等にて押し倒されないように構成されている。また、地下水が高いエリアでは、浮力体を地上に露出させておくことにより、地下水の変動によって浮力体に浮力が作用することを防止するのが好ましい。すなわち、例えばコンクリート基礎等の上面を地上に露出させ、この基礎の上面に浮力体を載置し、浮力体の上に建物を載置した構成が適用されるのがよい。
また、本発明による浮上式建物の他の態様において、前記ガイド手段は、地上に突出しているガイド軸体と、前記建物に取り付けられて該ガイド軸体に沿って昇降する昇降体と、を備えていることを特徴とする。
本態様によれば、ガイド手段が、地上に突出しているガイド軸体と、建物に取り付けられてガイド軸体に沿って昇降する昇降体とを有することにより、浮力体に浮力が作用した際にガイド軸体に沿って昇降体が上昇し、建物を安定的に浮上させることができる。ここで、ガイド軸体の下方領域もしくは下端は、地盤やコンクリート基礎等に固定されるのがよい。また、ガイド軸体の地上からの突出長は、水害の際に想定される地表面からの設計水深以上に設定されるのがよく、この設計水深以上の高さまで昇降体が上昇することにより、建物の水没を防止することができる。尚、昇降体としては、ガイド軸体に遊嵌するガイド筒(ガイド筒の内壁にベアリングが取り付けられていてもよい)や、ガイド車輪等が一例として挙げられる。
また、本発明による浮上式建物の他の態様において、前記建物には複数の前記昇降体が取り付けられており、
複数の前記昇降体が連結部材を介して相互に連結されていることを特徴とする。
本態様によれば、複数の昇降体が連結部材を介して相互に連結され、各昇降体が固有のガイド軸体に沿って上昇することにより、全ての昇降体を同期して上昇させることができ、建物をより一層安定的(建物の水平を保持)かつスムーズに浮上させることができる。例えば、建物が複数の隅角部にそれぞれコーナーカバーを備えている場合には、各コーナーカバーの内側に昇降体を固定しておき、昇降体同士を壁に沿う連結部材で連結することができる。より詳細には、建物が平屋建てと二、三階建てのいずれの形態であっても、一階のコーナーカバーの床近傍に昇降体を設置しておき、ガイド軸体が基礎から上方に突出して昇降体に遊嵌しつつ、建物の一階の天井付近まで延設している形態などが挙げられる。この形態では、天井高に相当する2m乃至3m程度の高さ範囲において昇降体が移動することができ、これが建物の浮上高さ範囲となることから、この浮上高さ範囲内に設計浮上高さ(想定される水害時における地上における水深深さ)が設定されていればよい。
また、本発明による浮上式建物の他の態様において、耐圧盤と、該耐圧盤から立設する立ち上がり部と、を有する基礎をさらに備え、
前記立ち上がり部は、無端状で内部に中空を備え、該中空と外部とを連通する注水孔を備えている、第一立ち上がり部であり、
前記中空に前記浮力体が収容され、前記建物が前記第一立ち上がり部にて支持されていることを特徴とする。
本態様によれば、基礎を構成する無端状の立ち上がり部の内側の中空に浮力体が収容され、建物は浮力体ではなくて基礎の立ち上がり部を介して耐圧盤にて支持されることにより、常時における建物の自重を基礎により安定的に支持することができる。さらに、立ち上がり部が備えている注水孔を介して水害時の水が無端状の立ち上がり部の内側に注水され、中空に収容されている浮力体に速やかに浮力を生じさせることができる。尚、建物の浮上を阻害しないように、建物は立ち上がり部の上端に載置されているのみであり、ガイド手段によって建物の水平移動等が防止されるようになっている。
また、本発明による浮上式建物の他の態様において、耐圧盤と、該耐圧盤から立設する立ち上がり部と、を有する基礎をさらに備え、前記立ち上がり部は、平面視無端状のラインに沿って間隔を置いて配設されている複数の独立した第二立ち上がり部を備え、複数の該第二立ち上がり部により中空が形成され、該間隔は該中空と外部とを連通する注水孔を形成しており、
前記中空に前記浮力体が収容され、前記建物が複数の前記第二立ち上がり部にて支持されていることを特徴とする。
本態様によれば、複数の独立した第二立ち上がり部の内側の中空に浮力体を収容しながら、複数の第二立ち上がり部を介して耐圧盤にて建物を支持することにより、基礎が例えばコンクリート基礎である場合には、連続した無端状の立ち上がり部(例えば布基礎)に比べて立ち上がり部のコンクリート量を低減しながら、建物を安定的に支持することができる。そして、各第二立ち上がり部の間の間隔が水害時の注水孔となるため、浮力体に速やかに浮力を生じさせることができる。
また、本発明による浮上式建物の他の態様は、地中に埋設されるインフラ配管に対して、前記浮力により前記浮力体及び前記建物が浮上する際の設計浮上高さを少なくとも備える浮上追随ホースが取り付けられ、該浮上追随ホースに各種の建物設備が取り付けられていることを特徴とする。
本態様によれば、地中に埋設される各種インフラ配管(上水道管、下水道管、電気配管等)と、各種インフラ配管に対応する建物設備(給水設備、排水設備、配電盤等)が、浮力体と建物が浮上する際の設計浮上高さ以上の長さを有する浮上追随ホース(スパイラルチューブを含む)を介して相互に接続されていることにより、建物が浮上した場合でも、上下水道や電気等の各種インフラ設備を使用できるため、建物が水上に浮遊している状態においても居住者は通常の生活を維持することができる。そして、水が引いた際には、建物はガイド手段によって元の場所に自動的に戻されることから、水害による建物の浮上から水害後に亘り、通常の生活を維持することが可能になる。
以上の説明から理解できるように、本発明の浮上式建物によれば、日常生活に支障を来たす防水構造を不要としながら、水害時に建物を確実に浮上させて水害から守ることができ、さらに、浮力が解消した際に浮上している建物を元の平面位置に自動的に戻すことができる。
第1の実施形態に係る浮上式建物の一例を、建物の内部が視認できる態様で示す図である。 図1のII-II矢視図である。 ガイド手段の一例を示す斜視図である。 ガイド手段の他例を示す斜視図である。 第1の実施形態に係る浮上式建物において、水害時に建物と浮力体が浮上している状態を示す図である。 第2の実施形態に係る浮上式建物の一例を、建物の内部が視認できる態様で示す図である。 図6のVII-VII矢視図である。 第2の実施形態に係る浮上式建物において、水害時に建物と浮力体が浮上している状態を示す図である。 基礎の他例を示す平面図である。
以下、各実施形態に係る浮上式建物にて形成された梁筋について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[第1の実施形態に係る浮上式建物]
はじめに、図1乃至図5を参照して、第1の実施形態に係る浮上式建物の一例について説明する。ここで、図1は、第1の実施形態に係る浮上式建物の一例を、建物の内部が視認できる態様で示す図であり、図2は、図1のII-II矢視図である。また、図3は、ガイド手段の一例を示す斜視図である。さらに、図5は、第1の実施形態に係る浮上式建物において、水害時に建物と浮力体が浮上している状態を示す図である。
浮上式建物60は、建物10と、建物10が載置される定型の浮力体20と、ガイド手段40とを有する。図示例の建物10は軽量鉄骨造もしくは木造で平屋建ての戸建て住宅であるが、建物10が二階建てや三階建ての戸建て住宅や集合住宅等であってもよい。
建物10は、外壁11、天井の梁12、床の梁14、天井面材13、床材15、屋根16を備え、さらに、一点鎖線で示す玄関ドア17や窓18を備え、地盤Gの上方に載置される浮力体20を包囲するようにして外側のアプローチから玄関ドア17へのアクセスを可能とするステップ19を備えている。
地盤Gの表層部が掘削されて砕石31が敷設され、砕石31上には、鉄筋コンクリート製の基礎30(耐圧盤)が施工され、基礎30の上に浮力体20が載置されている。
図2に示すように、外壁11は、隅角部に位置するコーナーカバー11Aと、外壁一般部11Bとにより形成されている。外壁11の具体的な構成の図示は省略するが、サイディングボード等の外装材、グラスウールボード等の下張材、パネルフレーム、グラスウールやロックウール等の断熱材等を有する。
コーナーカバー11Aの内側であって床材15の上方には、ガイド手段40を構成する昇降体42が固定されている。図示例においては、四つの隅角部にあるコーナーカバー11Aの内側にそれぞれ昇降体42が固定されている。さらに、各昇降体42は、連結部材45により相互に連結されている。尚、図1では、連結部材45の図示を省略している。
浮力体20は、扁平な直方体状を呈し、その平面寸法は図2に示すようにs1×s2で、高さは図1に示すs3である。
また、浮力体20は、可及的に軽量であることと、建物10を支持できる剛性を有することの双方の観点から、例えば、ポリスチレンを主成分とする発泡性樹脂により形成されている。
さらに、浮力体20は定型の部材であり、例えば特許文献1に示すエアバッグのように、水害時に膨張手段によりを膨張される部材ではない。そのため、突如として建物を襲う津波や洪水の際に膨張手段が作動不能であってエアバッグが膨張せず、建物が水没するといった問題は生じない。すなわち、定型の浮力体20の上に建物10が載置されていることにより、水害に対して建物10を臨機かつ確実に浮上させることができる。尚、建物10と浮力体20は常に一体となっていることから、アンカーやピン等の固定手段(いずれも図示せず)により、双方が強固に固定されている。
図1に示すように、建物10と浮力体20の合計重量はWであり、図1に示すように、水害時において浮力体20の一部(もしくは全部)が水没した際に生じる浮力Fにより、建物10と浮力体20が浮上するように、合計重量はWと浮力体20の寸法が設定されている。図示例では、水害時の水位FWLが水深t1となった際に生じる浮力Fが合計重量Wを上回り、建物10と浮力体20が浮上するように設計されている。
また、図1に示すように、ガイド手段40を構成するガイド軸体41は、その下端の支圧版41bが基礎30内に埋設され、浮力体20を貫通し、その上端にあるストッパー41cが天井面材13の近傍まで達している。
図示例においては、水害の際に想定される地表面からの設計水深がt2であり、ガイド軸体41の地表面からの高さがこの設計水深がt2よりも高いt3に設定されている。このことにより、図5に示すように、水害時の水位FWLが設計水深t2まで上昇した場合でも、各昇降体42が水位FWLよりも高い位置に位置決めされ、建物10の水没を防止することができる。
ここで、図3に示すように、ガイド手段40は、ガイド軸体41と昇降体42により構成され、ガイド軸体41は、鋼管等からなる軸部材41aと、支圧版41bと、昇降体42の脱落を防止するストッパー41cとを有する。
昇降体42は、例えば鋼管等により形成されるガイド筒42aと、その貫通孔42bの内壁面において例えば二条のベアリング42cと、を有し、二条のベアリング42cの内側に軸部材41aが挿通されている。図示例のようにガイド筒42aが内部にベアリング42cを有することにより、ガイド軸体41に対する昇降体42のスムーズな昇降が実現される。尚、ガイド筒42aの内部にベアリング42cが設けられていない形態であってもよい。
図1に示すように浮力体20に浮力Fが生じた際に、昇降体42がガイド軸体41に沿って上方のY1方向に上昇する。一方、水害時の水が引くにつれて、昇降体42がガイド軸体41に沿って下方のY2方向に降下し、浮力体20と建物10も同様に降下する。
また、図2及び図3に示すように、各昇降体42が例えば鋼管等により形成される連結部材45を介して相互に連結されていることにより、全ての昇降体42を同期して上昇させることができ、建物10をより一層安定的(建物の水平を保持)かつスムーズに浮上させることができる。また、水が引いた際には、全ての昇降体42を同期して降下させることができ、建物10をより一層安定的(建物の水平を保持)かつスムーズに降下させることができる。
尚、図4は、ガイド手段の他例を示す図である。図4に示すガイド手段40Aは昇降体42Aを備え、昇降体42Aは、角筒状のガイド筒42dの貫通孔42eにおいて、対向する一対の側面に回転自在に一対の車輪42fを備えている。そして、これら一対の車輪42fの間に軸部材41aが挿通されている。ガイド手段40Aにおいても、各昇降体42Aが連結部材45を介して相互に連結されている。
このように、ガイド手段には様々な形態があり、図示例以外にも、かさ歯車機構を備える形態、ラックピニオン機構を備える形態などがある。
図1に戻り、建物10に対して、例えば強風等が作用した場合でも、建物10は、基礎30に固定されている複数のガイド手段40により、その水平方向であるX2方向への移動が規制される。すなわち、複数のガイド手段40により、建物10は、上下方向への昇降(Y1方向、Y2方向)は許容される一方で、水平方向(X2方向)への移動が防止されるようになっており、常時においては地盤Gに対して安定的に支持されることになる。
また、図1に示すように、地下水位UWLが高い地域においては、地下水の変動がある。しかしながら、浮力体20が地上に載置されていることにより、水害時でなくて地下水変動時に浮力を生じ、建物10が浮上されるのを抑止することができる。
また、地盤G内には、上水道管、下水道管、電気配管等の各種インフラ配管50が埋設されており、建物10内にある建物設備58(給水設備、排水設備、配電盤等)が、各種インフラ配管50と接続されている。ここで、図示例は、建物設備58としてトイレを示しており、トイレが下水配管に繋がっている状態を示している。
仮に、インフラ配管50と建物設備58を余裕代のない直管等で繋いだ場合には、水害時に建物10が浮上した際に、インフラ配管50と建物設備58の接続が切断され、建物10内にいる居住者等が建物設備58を使用できなくなる。
そこで、図1に示すように、インフラ配管50の近傍にホース収容孔52を造成し、このホース収容孔52に浮上追随ホース55を収容し、浮上追随ホース55を介してインフラ配管50と建物設備58を繋いでいる。ここで、浮上追随ホース55は、浮力体20と建物10が浮上する際の設計浮上高さ以上の長さを有している。
この構成により、図5に示すように水害時に建物10が浮上した場合でも、浮上追随ホース55が巻き出されることにより、建物10の浮上に追随して、インフラ配管50と建物設備58の接続を維持することができる。このため、建物10が浮上した場合でも、上下水道や電気等の各種インフラ設備を使用できることとなり、建物10が水上に浮遊している状態においても居住者は通常の生活を維持することができる。
尚、浮上追随ホース55は、ホース収容孔52に収容される以外にも、浮力体20内に収容される形態や、建物10の内部の床材15の上に載置される形態であってもよい。
浮上式建物60によれば、建物10が定型の浮力体20の上に載置されていることにより、日常生活に支障を来たす防水構造を不要にしながら、突如襲ってくる水害に対して建物10を臨機かつ確実に浮上させることができる。
また、図2は、建物10の常時の平面位置を示すものでもあるが、ガイド手段40,40Aにより、建物10及び浮力体20が浮力Fを受けて浮上した際の浮上平面位置と、浮力Fが解消されて着地した際の着地平面位置とが同じ位置となるように規制されている。すなわち、建物10の浮上平面位置も図2に示す平面位置となる。そのため、水が引いて浮力Fが解消した際に、浮上している建物10を元の平面位置に自動的に戻すことができる。
[第2の実施形態に係る浮上式建物]
次に、図6乃至図9を参照して、第2の実施形態に係る浮上式建物の一例について説明する。ここで、図6は、第2の実施形態に係る浮上式建物の一例を、建物の内部が視認できる態様で示す図であり、図7は、図6のVII-VII矢視図である。また、図8は、第2の実施形態に係る浮上式建物において、水害時に建物と浮力体が浮上している状態を示す図である。尚、図6等において、浮上追随ホース55等の図示は省略しているが、本実施形態においても、インフラ配管50と建物設備58は浮上追随ホース55を介して相互に接続されている。
図示する浮上式建物60Aは、既に説明した浮上式建物60と異なる基礎を有する点で相違している。図6及び図7に示すように、基礎30Aは、鉄筋コンクリート製の耐圧盤30aと、耐圧盤30aから立設する鉄筋コンクリート製の第一立ち上がり部30bとを有する。第一立ち上がり部30bは、無端状(図示例は矩形枠状)で内部に中空30cを備え、中空30cと外部とを連通する複数の注水孔30dを備えている。
そして、浮上式建物60Aにおいては、中空30cに浮力体20が収容され、建物10が第一立ち上がり部30bに支持されている。
図6及び図7に示すように、ガイド軸体41を構成する支圧版41bが耐圧盤30a内に埋設され、軸部材41aの下方部分が第一立ち上がり部30bに埋設され、軸部材41aの上方部分は第一立ち上がり部30bから上方に突出して、コーナーカバー11Aの内側において天井付近まで延びている。
図6に示すように、水害時には、水が注水孔30dをZ1方向に流れて中空30cに入ることにより、浮力体20に浮力Fが生じる。そして、図8に示すように、建物10を水位FWLよりも高い位置に浮上させることができ、建物10の水没を防止することができる。
また、浮上式建物60Aにおいても、ガイド手段40により、建物10及び浮力体20が浮力Fを受けて浮上した際の浮上平面位置と、浮力Fが解消されて着地した際の着地平面位置とが同じ位置となるように規制されているため、水が引いて浮力Fが解消した際に、浮上している建物10を元の平面位置に自動的に戻すことができる。
浮上式建物60Aにおいては、基礎30Aを構成する無端状の第一立ち上がり部30bの内側の中空30cに浮力体20が収容され、建物10は浮力体20ではなくて第一立ち上がり部30bを介して耐圧盤30aにて支持されることにより、常時における建物10の自重を基礎30Aにより安定的に支持することができる。
図9は、基礎のさらに他の形態を図7に対応する態様で示している。図示する基礎30Bは、平面視無端状のラインL(図示例は、矩形枠状のライン)に沿って、間隔30fを置いて配設されている複数の独立した第二立ち上がり部30eを備え、複数の第二立ち上がり部30eにより中空30cが形成されている。基礎30Bでは、複数の間隔30fが、中空30cと外部とを連通する注水孔を形成している。
基礎30Bによれば、複数の独立した第二立ち上がり部30eの内側の中空30cに浮力体20を収容しながら、複数の第二立ち上がり部30eを介して耐圧盤30aにて建物10を支持することにより、基礎30Bがコンクリート基礎(鉄筋コンクリート製の基礎)である場合には、図7に示す連続した無端状の第一立ち上がり部30bに比べて、第二立ち上がり部30eのコンクリート量を低減しながら、建物10を安定的に支持することが可能になる。
上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:建物
11:外壁
11A:コーナーカバー
11B:外壁一般部
12,14:梁
13:天井面材
15:床材
16:屋根
19:ステップ
20:浮力体
30,30A:基礎
30a:耐圧盤
30b:第一立ち上がり部
30c:中空
30d:注水孔
30e:第二立ち上がり部
30f:間隔(注水孔)
31:砕石
40,40A:ガイド手段
41:ガイド軸体
41a:軸部材
41b:支圧版
41c:ストッパー
42,42A:昇降体
42a:ガイド筒
42b:貫通孔
42c:ベアリング
42d:ガイド筒
42e:貫通孔
42f:車輪
45:連結部材
50:インフラ配管
52:ホース収容孔
55:浮上追随ホース
58:建物設備
60,60A:浮上式建物
G:地盤

Claims (4)

  1. 建物と、該建物が載置される定型の浮力体と、ガイド手段と、を有し、
    前記浮力体の一部もしくは全部が水没した際に生じる浮力により前記建物及び該浮力体が浮上するように、前記建物及び前記浮力体の合計重量と該浮力体の寸法が設定されており、
    前記ガイド手段により、該建物及び前記浮力体が前記浮力を受けて浮上した際の浮上平面位置と、該浮力が解消されて着地した際の着地平面位置とが同じ位置となるように規制されており、
    耐圧盤と、該耐圧盤から立設する立ち上がり部と、を有する基礎をさらに備え、
    前記立ち上がり部は、平面視無端状のラインに沿って間隔を置いて配設されている複数の独立した第二立ち上がり部を備え、複数の該第二立ち上がり部により中空が形成され、該間隔は該中空と外部とを連通する注水孔を形成しており、
    前記中空に前記浮力体が収容され、前記建物が複数の前記第二立ち上がり部にて支持されていることを特徴とする、浮上式建物。
  2. 前記ガイド手段は、地上に突出しているガイド軸体と、前記建物に取り付けられて該ガイド軸体に沿って昇降する昇降体と、を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の浮上式建物。
  3. 前記建物には複数の前記昇降体が取り付けられており、
    複数の前記昇降体が連結部材を介して相互に連結されていることを特徴とする、請求項2に記載の浮上式建物。
  4. 地中に埋設されるインフラ配管に対して、前記浮力により前記浮力体及び前記建物が浮上する際の設計浮上高さを少なくとも備える浮上追随ホースが取り付けられ、該浮上追随ホースに各種の建物設備が取り付けられていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の浮上式建物。
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