JP6176534B2 - 洪水用止水装置 - Google Patents

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Description

本発明は、建物等の出入口に配置され、洪水や豪雨等の増水時に、水が出入口から建物内に浸入するのを防ぐ止水装置に関するものである。
日本は台風の上陸個数も多く、従来から豪雨による浸水被害を受けることが数多く見られたが、さらに近年では、地球規模の温暖化が進行するなかで、都市部では、地表面の透水率が低下して集中豪雨等による浸水被害が新たな問題となっている。
このような状況の中で、都市部では土地が狭いため、浸水被害を受けやすい地下(半地下駐車場等)を活用した住宅が多く建築されるようになり、社会全体が浸水災害に対して脆弱化するといった現象が見られ、このため地下施設等を浸水被害から守るための有効な手段として、安価で高性能な止水扉が求められている。
各種施設において、地下への出入口や通路といった人間が通行しなければならない場所は、浸水の際の弱点となっている。これまで、このような箇所で異常な水位の上昇が疑われる場合には、多くの場合、土嚢を積み上げ応急的に浸水対策を行ってきた。また、浸水に対する日頃の備えがなされているケースでは、構造が簡単で安価な止水板を通路のガイド溝に嵌め込み浸水の侵入を防いできた。
しかしながら、集中豪雨等による高水位は長時間に及ぶので、このような土嚢や止水板等による浸水対策では隙間から水が浸入するため、効果的に浸水を封止することが困難であり、浸水被害を防止できない場合があった。
さらに、止水用の設備が備わっている建物においても、地下の建物等に浸水の恐れがある場合には止水させるための処置を講ずるため止水作業に従事できる人間がいなければならないが、このような作業においては的確な判断力と能力が求められるため、止水用の設備が備わっているにも係らず対応が遅れて浸水を阻止することが出来ない場合があった。
洪水や豪雨等による増水が地下室、建物等に侵水するのを防ぐための防水装置は、例えば特許文献1により提案されている。
特開2001−241261
特許文献1に記載されている可動防水装置は、洪水等の水が地下室に浸水するのを堰き止める防水板と、その防水板を地下から上方へガイド装置に沿って持ち上げる駆動装置から構成されている。防水板は地下室の入口の地下に配置され、駆動装置は水道水が供給される水圧式のピストンシリンダユニットで構成され、地下室に洪水等の水が浸水する恐れが発生した場合には、ピストンシリンダユニットに水道水を供給することにより地下室の入口の地下に配置している防水板が地下から所定の高さまで上昇し、洪水等の水が地下室に浸水するのを堰き止める。
しかし、このような水道水を利用した可動防水装置では、人間が防水装置を作動(水道水を供給)させなければならず、外出中に豪雨等により川が氾濫して洪水が発生した場合においては防水装置を作動させることは不可能であった。
さらに、洪水や豪雨等の場合、人間が操作せず増水した水の力により自立的に止水板が起立し、建物等に侵水するのを防ぐための止水装置は、例えば特許文献2により提案されている。
特開2006−299574
特許文献2に記載されている止水扉は、止水板に浮力体(発泡体)を取り付け、止水板が起立状態にある時に下辺となる側に揺動支点を設け、この止水板を止水板側揺動支点と結合する揺動支点を設けた基礎の上に置き、止水板両側部および止水板下部の隙間を封止する止水板隙間封止機構を持つ止水扉とし、平時は倒伏して格納され、止水板の前方より高水位が現れると、止水板に浮力が発生して止水板側揺動支点を軸として揺動浮上し、止水扉には、止水板両側部および止水板下部の隙間を封止する止水板隙間封止機構があるので、水流が漏れることなく高水位を効果的に遮断できる、と記載されている。
しかしながら、このような止水板に浮力体(発泡体)を利用した止水装置では、止水板を完全に90度の位置まで起立状態にするためには、洪水の高さが止水板が起立状態の高さまで達することが必要であり、さらに、洪水が発生した初期の段階では止水板が起立状態にならず、さらに、洪水が発生した初期の段階では止水板が洪水の波の力により揺すられ、姿勢が安定しないため、止水板と横壁との隙間等から水が浸入したり、水流が強い場合には水が止水板を乗り越えて浸水してしまうといった問題点が発生した。
さらに、洪水や豪雨等の増水時に、人間が操作せず増水した水の力で自立的に止水板が起立して、建物等に侵水するのを防ぐための止水装置は、例えば特許文献3により提案されている。
特開2003−214049
止水板は全体で水に浮く比重とし、浮力による止水板設置を必要とする排水溝の両端にガイドを立て、排水溝の蓋を兼ねる止水板トップを豪雨等の侵入水が入るように排水溝の上縁よりリブフレームで上げる。排水溝は平時の雨に対しては排水されている為に止水板は浮上しないが、豪雨時に排水管では排水しきれなくなると、排水溝に水が溢れ出し、止水板を浮力で浮上させて浸水を防御する、と記載されている。
しかしながら、このような止水板に発泡体を取付け、止水板を上下させる止水装置において、半地下駐車場等の車の出入口に設置する場合、止水板を自動車の走行に耐える構造にしなければならず、止水板が重くなり、そのため重い止水板を垂直に持ち上げようとすると浮力材を大きく成形しなければならないといった問題が発生すると共に、洪水による水の強い圧力により止水板を両側で支えている溝(凹部)と止水板の凸部が擦れて固着し、止水板の上下動作がスムーズに行われないため止水板の上部から浸水してしまうといった問題が発生した。
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決すべくなされたもので、半地下駐車場等の出入口に配置され、洪水や豪雨等の増水時に、増水した水が止水板の収納槽に流入することにより止水板が自動的に回動して起立状態となり、水が出入口から地下内に浸入するのを防ぐ止水装置を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、建物を洪水等の浸水から守るための止水装置において、止水板収納槽の上部の水が浸入する側に、回動式の止水板の前方部分を乗せるための浮動置台を成形し、他方に止水板の回動支点を支える支点置台を取付け、止水板収納槽の中に浮力体を収納すると共に、止水板収納槽の内部側面に浮力体を誘導するための誘導バーを取付け、止水板の下側に浮力体を誘導するための当り板を取付け、止水板が起立状態にある時に下辺となる側に回動支点を取付けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構造に加え、浮力体に当接する当り板を、概ね、ひょうたんを縦半部に切断した断面形状で成形したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2のいずれか1項に記載の構造に加え、浮力体を当り板に誘導するための誘導バーを、湾曲した鋼材で形成したことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、建物を洪水等の浸水から守るための止水装置において、止水板収納槽の上部の水が浸入する側に、回動式の止水板の前方部分を乗せるための浮動置台を成形し、他方に止水板の回動支点を支える支点置台を取付け、止水板収納槽の中に浮力体を収納すると共に、止水板収納槽の内部側面に浮力体を誘導するための誘導バーを取付け、止水板の下側に浮力体を誘導するための当り板を取付け、止水板が起立状態にある時に下辺となる側に回動支点を取付けたことにより、洪水や大雨等で増水を始めた、初期の時点において、止水板収納槽に流入した増水した水により止水板が自動的に起立状態になるまで回動して起き上がり固定化し、水が出入口から建物内に浸入するのを防ぐ止水装置を提供することが可能となった。
請求項2に記載の発明によれば、浮力体に当接する当り板を、概ね、ひょうたんを縦半部に切断した断面形状で成形したことにより、止水板収納槽の中の浮力体が増水により浮び上がるにつれて、止水板が増水量に応じて少しづつスムーズに回動し、さらに浮力体が最上部に達する際には、ひょうたんの下部のアール形状をした部分を浮力体が押し上げることにより、確実に安定した状態で止水板を起立状態に保持することが可能となった。
請求項3に記載の発明によれば、浮力体を当り板に誘導するための誘導バーを、湾曲した鋼材で形成したことにより、止水板収納庫の中の浮力体が水の力で持ち上がる際、浮力体を当り板の回転支点方向に押し付けながら、浮力体を上昇させることが可能となった。
以下、この発明の実施の形態1について説明する。
[発明の実施の形態1]
図1乃至図9には、この発明の実施の形態1を示す。
図1は、住宅1の半地下駐車場3の駐車場出入口5の地表面6に、洪水用止水装置4を設置した状態を示す。洪水や豪雨等の時に、駐車場出入口5の地表面6に設置した洪水用止水装置4の中の浮力体が増水した水で浮上し、浮上した浮力体により止水板8が自動的に持ち上げられて(回動して)起立状態となることにより、人間が介在することなく洪水や豪雨等で増水した水の浸水を確実に阻止することが出来るようになった。さらに止水板8が起立状態になったときの止水可能な有効高さを、想定する洪水や豪雨等の最大水位を上回る寸法にすることにより、洪水や豪雨等による高水位に対する有効な止水扉として機能させることが可能となった。
図2は、洪水用止水装置4の各部品を分解した状態を立体図で示す。洪水用止水装置4の止水板8には滑り止め効果のある縞鋼板を使用し、止水板8の裏面には自動車が進入して来る方向に角形鋼材12を取付け、他方にZ形の形状をしたZ形鋼材14を取付け、さらに角形鋼材12とZ形鋼材14を連結して補強するため、止水板8の裏側の両側に鋼板で形成した側面鋼板13を取付けると共に、止水板8と角形鋼材12とZ形鋼材14に複数のL形の形状をしたL形補強板11を取付けて止水板8を補強し、さらに両側の側面鋼材13から同一長さの2箇所のL形補強板11に、ひょうたんを縦半分に切断した断面形状の当り板18(鋼板)を溶接で固定し、さらにZ形鋼材14には、止水板8を回動させるため、略、扇形をして中央部に穴10を開けた複数個の回動支持部材16を取付ける。
浮力体19は、一辺約73cmのステンレス鋼板を折り曲げ正八角形状に溶接して成形し、両端を八角形の鋼板を溶接して塞ぎ、内部に水が浸入しないように中空状の浮力体19として構成することにより、長期にわたり浮力材として安定した機能を維持し、洪水や豪雨等の増水時には止水板8を持ち上げる(回動させる)ための浮力体としての役目を果たす。
止水板収納槽31は、ステンレス鋼板を折り曲げ溶接して成形し、上部の止水板8を支える部分に、略L形の形状をしたL形鋼材28で支点置台27を成形し、L形鋼材28の支点置台27には止水板8の固定支持部材16を受け止めるため、固動支持部材16を逆さにし、2個横並び状態に配置した回動受部材25が取付けられる。さらに止水板収納槽31の上部の他方には、止水板8が閉じた状態において止水板8の角形鋼材12を受け止めるため、略Z形の形状をしたZ形鋼材35が浮動置台34を成形する。このように構成した止水板収納槽31のL形鋼材28の下部には平板状の斜め鋼板29が斜めに取付けられ、斜め鋼板29の下部には平板状の側面鋼板30が取付けられる。またZ形鋼材35の浮動置台34の下部には平板状の側面鋼板33が取付けられ、側面鋼板33には誘導バー21を固定するための穴36が開けられ、さらに側面鋼板33の両端方向には止水板8を持ち上げる(回動させる)際に補助力として作動する補助力棒38が取付けられ、さらに側面鋼板30と側面鋼板33の下部には、幅約250cmの平板状の底部鋼板32が取付けられ、このように構成したL形鋼材28、斜め鋼板29、側面鋼板30、底部鋼板32、側面鋼板33の両端には平板状の側板9が取付けられる。なお、図2に示した洪水用止水装置4では、図示した左手前側を一部カットした断面図で示すことにより止水板収納槽31の形状を詳細に分りやすく示す。なお洪水用止水装置4に使用する各部品の鋼材、ボルト等は、長期にわたり錆び等が発生せずメンテナンスが不要のステンレス鋼材を使用する。
図3は、図2で説明した、L形鋼材28の支点置台27に2個横並び状態に配置した回動受部材25に止水板8の回動支持部材16を挟み込み、止水板8が止水板収納槽31に対して回動することが出来るようにボルト17とナット15で取付けると共に、誘導バー21の取付板22を側面鋼板33の穴36にボルト24とナット37で固定した状態を立体図で示す。
図4は、洪水用止水装置4の止水板8が閉じた状態を断面図で示す。図2、図3で説明した止水板8に取付けられた回動支持部材16を、止水板収納槽31の支点置台27の2個横並び状態に配置した回動受部材25に挟み込むようにボルト17とナット15で取付けた状態を、図4の回動支点51で示すと共に、止水板8の先端部の角形鋼材12が浮動置台34の上部に乗り、止水板8の先端部と土間46との間に、洪水や豪雨等により増水した水が止水板収納槽31の中に流れ込むように隙間(浸水部44)を開口し、止水板収納槽31の側面鋼板33には誘導バー21の取付板22がボルト24とナット37で取付けられ、底部鋼材32の上部に浮力体19を置き、止水板収納槽31の底部に排水口47を設置し排水口47には、呼び径VPW25(外径32.0mm)の排水管48が接続され、排水管48は下水管49に接続される。このように構成することにより、平時の雨の時に止水板収納槽31に流れ込んだ雨水は、排水口47から排水管48を経由して下水管49に排水されるため、止水板収納槽31の中に水が溜まらず浮力体19は浮上しないが、洪水や豪雨時に大量の水が止水板収納槽31に流れ込み、排水管48が水を排水し切れなくなると、止水板収納槽31の中に水が溜まり、浮力体19が水の力で浮上することにより、図5で示すように止水板8が回動して起立状態となる。さらに洪水や豪雨等による増水が終了し、平時に戻ると、止水板収納槽31の中に溜まった水は、底部に設置した排水口47より排水管48を経由して下水管49に排水されるため、止水板8は人手を介することなく自動的に元の状態に戻ることが可能となった。
図5は、洪水用止水装置4の止水板収納槽31に洪水45で増水した水が流入したことにより浮力体19が浮上し、浮力体19が当り板18を持ち上げる(回動させる)ことにより止水板8が起立した状態を断面図で示す。洪水45により増水した水が止水板収納槽31に流れ込むことにより、浮力体19が誘導バー21の湾曲鋼材20の曲面に沿って(押されて)回動支点51方向に上昇し、上昇した浮力体19は当り板18を押し上げることにより止水板8は回動支点51を支点として上方向に回動し、さらに止水板収納槽31の中の水が上昇することにより浮力体19が当て板18の、ひょうたん形をした下部の丸い膨らみ部分を持ち上げ(回動させ)、止水板8を起立状態になるまで回動させ固定化することが可能になった。このように止水板収納槽31の側面鋼板33を側面鋼板30に対して高く構成し、側面鋼板30の上部に斜めに斜め鋼板29を配置することにより、洪水等の増水により水が止水板収納槽31に流れ込み浮力体19が浮上する際、止水板8が閉じた初期の時点では、浮力体19が止水板収納槽31の中を真上に上昇し、浮力体19が当り板18の前後中間部に相当する当り板中部52に当接して止水板8を持ち上げる(回動させる)ことにより、常に浮力体19が当り板中部52の同位置を同一浮力で持ち上げる(回動させる)ことが可能となったため浮力体19の形状(サイズ)を必要以上に大きくすることが無くなると共に、さらに止水板収納槽31の中に水が流れ込み浮力体19が上昇すると、浮力体19は誘導レバー21の湾曲鋼材20に沿って回動支点51方向に上昇するため、浮力体19が当り板18の、ひょうたん形をした下部の丸い膨らみ部分(当り板後部53)を押し上げ(回動させ)、止水板8を起立状態(90度)まで回動させることが可能となった。このように当り板18の、ひょうたん形をした下部の丸い膨らみ部分(当り板後部53)を丸くお椀形状に成形することにより、止水板8を起立状態(90度)まで回動させることが出来るようになった。なお浮力体19が止水板収納槽31の中で最上部の位置に浮び上がった際、当り板18のひょうたん形をした下部の当り板後部53の回動支点51側と、湾曲鋼材20の上部と斜め鋼板29が全て当接するように構成することにより、図5の水位50で示したように、増水により水面が止水板8の最大水位に達した場合でも、浮力体19が浮き上がろうとする力により当り板18を起立状態に固定化させることが可能となった。
図6は、図2と図3で説明した止水板8の回転支持部材16を、止水板収納槽31の支点置台27に2個横並び状態に配置した回動受部材25に挟み込むようにボルト17とナット15で取付けると共に、浮力体19を止水板収納槽31の中に入れ、洪水等で増水した水が止水板収納槽31に流れ込み、水が水位55の位置まで上昇したことにより浮力体19が浮き上がった状態を示す。このように洪水や豪雨等の増水により止水板収納槽31に水が侵入して浮力体19が持ち上げられ、浮力体19が湾曲鋼材20の曲面に沿って上昇することにより、当り板18を押し上げ止水板8が回動して起立状況となった状態を示す。このように洪水や豪雨等による増水により止水板収納槽31の中に水が浸入する、初期の浸水状態においても、止水板収納槽31が満水になることにより止水板8が完全に起立状態(垂直状態)になるため、止水板8が起立状態になった時の有効高さを、想定する洪水の最大水位を上回る寸法にすることにより、洪水や豪雨等による増水時に有効な止水扉として人間が介在することなく確実に浸水を阻止できる。
図7は、図6で説明した洪水用止水装置4の止水板8が閉じた状態を立体図で示す。止水板8の上部両端には長方形の鋼板で水流遮蔽板58が取付けられ、建物の出入口の止水壁56には、水流遮蔽板58を収納するための凹状の遮蔽板受部57が設けられ遮蔽板受部57の内部には、遮蔽板受部57に水流遮蔽板58を収納した際に水を遮蔽するため防水ゴム(図示せず)が取付けられる。このように水流遮蔽板58と遮蔽板受部57を構成することにより、止水板8が起立状態になった場合、水流遮蔽板58が遮蔽板受部57に挿入され止水板8の横側からの浸水を防ぐことが可能となった。
図8、図9は、止水板8が閉じた状態から、洪水や豪雨等で増水した水が止水板収納槽31に流れ込み浮力体19が上昇して止水板8を持ち上げる(回動させる)際に、止水板8を持ち上げる(回動させる)手助けをする補助力棒38の機能を説明する。図4で説明したように、止水板8を持ち上げる(回動させる)ために要する力は、止水板8が閉じている状態から持ち上げ(回動させる)ようとする時が最大で、止水板8が起立状態に近づくに従って減少する。本発明による止水板8の場合も同様で、車が出入りすることが出来るように止水板8を鋼材で補強した場合の重さは、幅約45cm、長さ約4mの止水板8でも約100Kgの重さになってしまった。そのため浮力体19の浮力だけで止水板8を持ち上げ(回動させる)ようとした場合は、非常に大きな容量の浮力体19が必要であり、現実的ではないため、止水板8が閉じた状態から少し持ち上げられる状態(止水板8を約15度〜20度まで回動させる)まで、止水板8を持ち上げる(回動させる)ための補助力として作用するスプリングの力を利用した補助力棒38を考案した。なお、図4、図5と図8、図9は、本発明の実施の形態1における、同一の洪水用止水装置4を示しているが、図4、図5の断面図では、誘導バー21の機能を明確に説明するため補助力棒38を削除した状態を断面図で示した。また、図8、図9の断面図では、補助力棒38の機能を明確に説明するため誘導バー21を削除した状態を断面図で示した。
補助力棒38は、図2、図3、図6で示すように止水板収納槽31の両側2箇所の側面鋼板33に取付けられ、図8、図9に示すように、スプリング60と、円筒形の棒収納筒61と、その棒収納筒61に挿入するため上端に半球状の押し板59が取付けられた棒62と、棒収納筒61を止水板収納槽31の側面鋼板33の内側に固定するための取付板63で構成され、スプリング60に棒62を挿入した後、そのスプリング60に挿入した棒62を、さらにスプリング60の外径と概ね同一の鋼管状の棒収納筒61に挿入し、図9で示すように、スプリング60が基準荷重時高さに達した場合に押し板59が止水板8と当接した状態(止水板8の角度が地表面に対して約15度〜20度となる位置)で、棒収納筒61が側面鋼板33に対して約10度傾くように取付板63を斜めに成形し側面鋼板33に取付ける。
このように止水板収納槽31の側面鋼板33に補助力棒38を取付け、図8に示すように、止水板8が閉じた状態において、スプリング60の下端が棒収納筒61の上端に接してスプリング60が荷重時高さとなるように構成することにより、図9に示すように、洪水や豪雨等の増水により水が止水板収納槽31に流れ込み止水板収納槽31の中の水位64が上昇して浮力体19が浮び上がる際に、浮力体19が浮き上がろうとする浮力と合わせて補助力棒38のスプリング60が基準荷重時高さまで伸びて止水板8を持ち上げる(回動させる)ための補助力として作用し、増水初期の増水した水の量が少なく、止水板収納槽31が洪水や豪雨等の水で満水にならない状態でも容易に止水板8を持ち上げることが出来るようになり、洪水や豪雨等の増水初期の状態から浸水を防ぐことが可能となった。なお、補助力棒38のスプリング60の外径、線径、自由高さ、荷重時高さ等については、止水板8のサイズ(重さ)を考慮して決定する。
以下、この発明の実施の形態2について説明する。
[発明の実施の形態2]
図10には、この発明の実施の形態2を示す。上記発明の実施の形態1では、図2乃至図9において浮力体19を中空状の八角形で構成していたが、この発明の実施の形態2では、浮力体79を中空状の筒状で構成した。このように浮力体19の形状に関しては、筒状で中空状の四角形、六角形等の形状をしたステンレス製の浮力体を用いることも可能である。その他の構造に関しては、この発明の実施の形態1と同様である。
以上、実施の形態に基づいて、本発明に係る洪水用止水装置について詳細に説明してきたが、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の改変をなしても、本発明の技術的範囲に属するのはもちろんである。
図2において、当り板18の形状を、ひょうたんを縦半分に切断した断面形状と説明したが、ひょうたん形の形状に限定せず、三角形の形状、又は牛刀等の形状で成形した、当り板を用いることも、もちろん可能である。
図2において、誘導バー21の湾曲鋼材20を湾曲した鋼材で形成したと説明したが、この形状に限定せず、ブーメラン形状、への字形の形状等で形成することも、もちろん可能である。
図2において、浮力体19を八角形の形状で形成すると説明したが、八角形に限定せず、六角形、四角形、丸筒等で成形することも、もちろん可能である。
図2において、浮力体19の材質をステンレス板で成形すると説明したが、ステンレス板に限定せず、発泡スチロール等の軽くて水に浮く樹脂材料で作成し、当り板18と湾曲鋼材に当接する部分に、合板、ステンレス板等を貼り付けて構成することも、もちろん可能である。
この発明の実施の形態1に係る、住宅の半地下駐車場の出入口に、洪水用止水装置を設置した状態を住宅の立体図で示す。 同実施の形態に係る、洪水用止水装置の各部品を分解して立体図で示す。 同実施の形態に係る、洪水用止水装置の各部品を分解して立体図で示す。 同実施の形態に係る、洪水用止水装置が閉じた状態を断面図で示す。 同実施の形態に係る、洪水用止水装置の止水板収納槽が洪水により浸水し、止水板が起立状態となった状態を断面図で示す。 同実施の形態に係る、図3で示した洪水用止水装置の各部品を組立てた状態を立体図で示す。 同実施の形態に係る、図6で説明した洪水用止水装置の止水板が閉じた状態を立体図で示す。 同実施の形態に係る、止水板収納槽と補助力棒と止水板との関係を断面図で示す。 同実施の形態に係る、洪水用止水装置の止水板収納槽が洪水により浸水し、止水板が浮力体と補助力棒の力により少し回動して起き上がった状態を断面図で示す。 この発明の実施の形態2に係る、円筒状の浮力体を利用した洪水用止水装置を立体図で示す。
1 住宅
2 庇
3 半地下駐車場
4 洪水用止水装置
5 駐車場出入口
6 地表面
7 玄関ドア
8 止水板
9 側板
11 L形補強板
12 角形鋼材
13 側面鋼板
14 Z形鋼材
15 ナット
16 回動支持部材
17 ボルト
18 当り板
19 浮力体
20 湾曲鋼材
21 誘導バー
22 取付板
23 穴
24 ボルト
25 回動受部材
26 穴
27 支点置台
28 L形鋼材
29 斜め鋼板
30 側面鋼板
31 止水板収納槽
32 底部鋼板
33 側面鋼板
34 浮動置台
35 Z形鋼材
36 穴
37 ナット
38 補助力棒
44 浸水部
45 洪水
46 土間
47 排水口
48 排水管
49 下水管
50 水位
51 回動支点
52 当り板中部
53 当り板後部
55 水位
56 止水壁
57 遮蔽板受部
58 水流遮蔽板
59 押し板
60 スプリング
61 棒収納筒
62 棒
63 取付板
64 水位
65 当り板
66 止水板
67 L形補強板
68 角形鋼材
69 側面鋼板
70 湾曲鋼材
71 ボルト
72 ナット
73 Z形鋼材
74 浮動置台
75 側面鋼板
76 底部鋼板
77 側面鋼板
78 斜め鋼板
79 浮力体
80 補助力棒
81 水位
82 洪水用止水装置

Claims (3)

  1. 建物を洪水等の浸水から守るための止水装置において、止水板収納槽の上部の水が浸入する側に、回動式の止水板の前方部分を乗せるための浮動置台を成形し、他方に止水板の回動支点を支える支点置台を取付け、止水板収納槽の中に浮力体を収納すると共に、止水板収納槽の内部側面に浮力体を誘導するための誘導バーを取付け、止水板の下側に浮力体を誘導するための当り板を取付け、止水板が起立状態にある時に下辺となる側に回動支点を取付けたことを特徴とする洪水用止水装置。
  2. 浮力体に当接する当り板を、概ね、ひょうたんを縦半部に切断した断面形状で成形したことを特徴とする請求項1に記載の洪水用止水装置。
  3. 浮力体を当り板に誘導するための誘導バーを、湾曲した鋼材で形成したことを特徴とする請求項1と2に記載の洪水用止水装置。
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