JP6492340B2 - 非常用防護装置 - Google Patents

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本発明は、非常用防護装置に関する。
海岸線に添ってあるいはそれより離れたところに配置された堤防(防波堤)や河川岸の堤防などに対してその堤防を津波や洪水時の水が越えないようにした非常用防護装置には種々のものが提案されてきているが、その中でも近年における非常用防護装置として下記のような技術(越水防止装置)が提案されている。
特開2011−179310
特許文献1に開示された越水防止装置(非常用防護装置)は、洪水時に迅速に越水防止機能を作動させることができるとともに、人々に河川に親しむ機会を与えることができる越水防止装置を提供することを目的とするもので、そのため、河川に沿って築造された堤防に設けられる越水防止装置において、前記堤防の天端に回動可能に取り付けられ、平常時に略水平な状態で前記天端に配されるデッキと、前記デッキの下面に取り付けられ、前記河川から浮力を受けて該河川の水位の変動に追随することで、前記デッキを回動させて前記天端上で起立させるフロートと、を備えることを特徴とするものである。
こうした越水防止装置(非常用防護装置)は、水位変動する河川流からフレームが浮力を受けてデッキを起立させるように作用することで洪水時の越水を防止することができるもので、この方式を海岸線の防波堤には適用して津波からの越水を防止するようにすることも可能であるが、この方式は津波流の襲来を待ってその浮力を利用してデッキを起立させるものであるので、例えば、津波流とともに流れ来る船舶やコンテナ、家屋などの大型漂流物が浮上前のデッキ上に先に乗り掛かってしまうと押さえ込みにより起立作動をしにくくするおそれがあり、津波襲来に対応できないおそれがある。
そこで、こうしたデッキを洪水や津波流などによる浮力のみで作動させる方式でなく油圧シリンダなどの直動式シリンダによって前以って起立させるようにすることで非常時の対応ができるように構成することが考えられる。しかし、直動式シリンダを利用する方式にしておくと、津波襲来前に常に正常作動が保障される訳ではなく、津波前の地震の影響を受けて駆動源や配管系統が断たれたときにシリンダが始動しなくなってデッキの起立が阻止され、その結果、越水を許してしまうおそれがある。
本発明は、このような問題を解決しようとするものであり、津波や高潮などの非常時の防護堰の起立がシリンダの装備によって確実化するようにする一方において、そのシリンダが津波襲来前に緊急作動途中で津波襲来に間に合いそうもない状況にあったり津波前の地震による影響を受けて作動不能な状況に陥ったりして起立できそうもない場合でも防護堰を確実に起立運動に導いて津波防護の可能な非常用防護装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、津波が襲来してくる前面と水平な上面とを有し河川や海洋に設置される堤防の上面前後間には、基部の支点軸回りに回動可能な中空型で浮上可能な防護堰が設置され、この防護堰は、堤防との間に設けられた流体圧式の直動式シリンダの作動により平時は前記上面上に倒伏した倒伏姿勢にまた津波・高潮・洪水などが襲来する非常時には起立姿勢となるように構成された非常用防護装置であって、前記防護堰は、平時において堤防上面より津波襲来側の前方へと張り出し状とされて津波・高潮・洪水などの襲来によって押し上げ力が作用するように設定され、前記防護堰と直動式シリンダおよび流体圧回路には、直動式シリンダの作動系統の動きが起立態勢にあるか否かに関係なく前記非常時に前記張り出し状の部分に作用する押し上げ力によって防護堰に独自に起立運動を許容させる起立安全誘導手段が構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のものにおいて、起立安全誘導手段は、直動式シリンダ内の起立時背圧側の流体を防護堰に作用する押し上げ力によりリリーフ可能な回路として構成されている。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のものにおいて、起立安全誘導手段は、防護堰および直動式シリンダの一方に設けられたローラーと、防護堰および直動式シリンダの他方に設けられていて防護堰が倒伏姿勢にあるときに前記ローラーが嵌め入れられる一方防護堰が津波・高潮・洪水などの襲来により押し上げられた際に離脱するローラー受とを備えてなっている
上述したように本発明は、津波が襲来してくる前面と水平な上面とを有し河川や海洋に設置される堤防の上面前後間には、基部の支点軸回りに回動可能な中空型で浮上可能な防護堰が設置され、この防護堰は、堤防との間に設けられた流体圧式の直動式シリンダの作動により平時は前記上面上に倒伏した倒伏姿勢にまた津波・高潮・洪水などが襲来する非常時には起立姿勢となるように構成された非常用防護装置であって、前記防護堰は、平時において堤防上面より津波襲来側の前方へと張り出し状とされて津波・高潮・洪水などの襲来によって押し上げ力が作用するように設定され、前記防護堰と直動式シリンダおよび流体圧回路には、直動式シリンダの作動系統の動きが起立態勢にあるか否かに関係なく前記非常時に前記張り出し状の部分に作用する押し上げ力によって防護堰に独自に起立運動を許容させる起立安全誘導手段が構成されていることを特徴とするので、津波や高潮などの非常時の防護堰の起立がシリンダの装備によって確実化するようにする一方において、そのシリンダが津波襲来前に緊急作動途中で津波襲来に間に合いそうもない状況にあったり津波前の地震による影響を受けて作動不能な状況に陥ったりして起立できそうもない場合でも防護堰を確実に起立運動に導いて津波防護の可能な非常用防護装置を提供することができる。
尚、前記流体圧式とは、油圧、水圧、空気圧などを含む。
本発明の一実施形態である平時の非常用防護装置を示す平面図。 図1のA−A線拡大断面図。 図2の実施形態の油圧回路を示す説明図。 他の実施形態を示す断面図。 他の実施形態を示す側断面図。 図5の要部拡大断面図。 図6のB−B線断面図。 他の実施形態を示す断面図。 他の実施形態を示す側断面模式図。 他の実施形態を示す側断面模式図。 他の実施形態を示す側断面模式図。 他の実施形態を示す側断面模式図。 図12の要部拡大斜視図。 他の実施形態を示す側断面模式図。 他の実施形態を示す側断面図。 他の実施形態を示す側断面図。 他の実施形態を示す側断面図。 他の実施形態を示す側断面図。 図18をC方向からみた矢視図。
各実施形態で説明する各案は関係する他の実施形態においても適用することができる。
図1ないし図3は本発明の一実施形態で、海岸線より少し沖合に離れたところに設置される防潮堤あるいは防波堤などの堤防aに付設されて津波(押し波X・引き波Y)や高潮などの襲来に対するものとして構成された非常用防護装置についてのものである。これらの図において堤防aの左が内湾側で海岸堤防や砂浜などがある海岸線側、右が沖合側である。堤防aとしては、図2に仮想線として付記される沿岸道路bに沿った形で設けられる海岸線の堤防や船舶類が接岸可能な岸壁のような臨海構造物を含むとともに河川岸の堤防をも対象とすることもある。堤防aは新設と既設のいずれでもよい。
この堤防aの上面前後間には、複数の軸受体1…が堤防長手方向に向けて配列されている。軸受体1は、それ自体は上下分割型で止着具により合体化できるとともに全体としては上アンカー2を介して堤防a側に固定されるものである。
3は金属(スチールやSUSなど)あるいは樹脂製などの防護堰で、上下に離間した壁板と前斜板および半丸状の後板ならびに左右幅方向の対向板などにより、前後が3m、左右幅が15m前後の横長状矩形でかつ厚みが30cm前後の中空型で浮上可能な構造になっている。この防護堰3は、その先端内部に発泡スチロールのような浮上装填材4を装備するとともに、基部両端には支点軸5が突設されて合体式の軸受体1により堤防a上に回転自在に支持されている。
6は底シール板で、堤防a上に固着されて堤防aと防護堰3との間から津波流が抜けないようにするものである。
尚、防護堰3の前端面3aは斜め下向き面とされて津波流Xによる下方からの持ち上げ力を先頭に立って受けやすくするものになっているが、垂直な面とされていてもよい。
防護堰3の後端部3bは少なくとも下回りの部分が丸くなって起立時の回転に支障がないようになっている。
さらに、防護堰3の尾端上には、回転ストッパ8が突設されており、この回転ストッパ8は、図2の左欄取出図のように、防護堰3が90度起き上がったところで堤防a上に当接することにより防護堰3を起立姿勢で止めるようになっている。
防護堰3の前端上部には、防護堰3の左右幅全体に亘るように長い前ガード9が突設されており、この前ガード9は前上がり状をなして設けられることで図2のような漂流物cが津波流Xとともに流れてきても図2のようにその前上がり部分で受け止めるようになっている。このように受け止めておくとあとで防護堰3上に漂流物cが乗り掛からないので防護堰3の浮上・起立運動に支障を与えないようにすることができる。前ガード9は、複数の支柱9aとそれらの間を横架バー9bによって上下段をなすように横架連結したものになっているが、防護堰3と同じような中空体状をなすものにしてもよい。
防護堰3の上面には、金属面あるいはメッキ面でなく堤防aと同様なモルタル施工の外装面10を施して防護堰3を含む堤防a全体がコンクリート仕上げで統一されて違和感のないものとして見られるようにしてもよい。
こうした防護堰3を、図2の側面図に示すように、その前半分が堤防aから前方へ張出状をなすようにしておくと、津波流Xによる浮上力をすぐに受けやすくなる。防護堰3の後半部は堤防aに対し間隔を空けておいて津波流Xが入り込みやすく浮力が作用しやすくなるようにしてある。
また、これら複数の防護堰3は、堤防aの長手方向に少しの間隔を置いて1列に並ぶように軸受体1で回転自在に固定配備してあり、そして、前記少しの間隔には、各防護堰3の左右両側辺に備えた側部シール材12が互いに密接するようにしてなっている。こうした防護堰3…は、前アンカー13により堤防aに固定されたブラケット11をもって中間トラニオン式に堤防aの前面に支持された直動式シリンダ14により倒伏と起立との間で昇降駆動されるようになっている。シリンダ14は、本体15とピストン16およびロッド17とを備えるとともにロッドエンド18にロッド軸19を通して防護堰3側底面に固定の底ブラケット20に連結されている。
シリンダ14は、1つの防護堰3に対し複数本(2本)をもって駆動自在に連結されている。このシリンダ14を駆動する駆動ユニット22は単一個として堤防aの上面部内に埋め込んだ金属製ユニットボックス23内に耐震強化された状態で収納密閉化してある。駆動ユニット22は、図3に例示するように、陸地からの商用電源や太陽光発電利用蓄電源あるいはエンジン(水素によおる燃料電池を含む)で駆動される1つの駆動源24と、この駆動源24により駆動される1つの油圧ポンプ25、および1つの切替弁26などにより構成され、切替弁26と各シリンダ14とが配管により繋がれている。シリンダ14において、d表示が起立時加圧(流入)側でe表示は起立時背圧(流出)側となっている。駆動源24は、津波警報に応動する陸側からの遠隔自動操作により始動するようになっている。
特に、前記シリンダ14から起立作動時に切替弁26に戻される経路となる配管上には図3に示すようにカウンタバランス弁(起立安全誘導手段)28が装備されている。
非常用防護装置は、平時は図1ないし図3の実線のように、シリンダ14が短縮されて防護堰3が水平で前半部が前方へ張り出した形として固定待機された状態とされる。津波流(押し波)Xの襲来が警報されると直動式シリンダ14が始動制御されて防護堰3は水平な待機状態から起立して垂直な防護態勢とされて津波流Xや漂流物の越流阻止がなされ陸側にまで持ち込まれないようにし、津波流Xが防護堰3を越えるようなことがあっても津波流Xは防護堰3の抵抗により大きく減衰された形になるとともに襲来時間を遅らせて避難時間を長くとることができるようになる。
前ガード9は図2に仮想線で示すように防護堰3の上端から陸側へ向けて伸びることになるので漂流物cがここに引っ掛かって陸側へ越えるおそれがなくなり、特に前ガード9が横架バー式や多孔式などの通水方式にしておけば漂流物cが越えようとしても底から水が抜けるため越えにくくなる。一方、引き波Yに伴って漂流物が防護堰3を越えようとしてもその前に前ガード9で引っ掛かり沖合に流出されてしまうのを防止することができる。
シリンダ14は正常に作動して津波前に完全に防護態勢を整えている場合もあるが、シリンダ14の始動が遅れたり作動時間が長く掛ったりしてその作動途上で津波流Xが襲来してしまうような場合も想定される。その場合でも防護堰3は堤防aから前向きに張り出して持ち上がるようにしてあるとともにe側の配管上にカウンタバランス弁28を起立安全誘導手段として装備してあるので防護堰3に加わる持ち上げ力Uによって作用するリリーフ機能で内部流体(オイル)が抜かれることになって防護堰3は容易に押し上げられて立ち上がり津波流Xを堰き止めることができるようになる。
このカウンタバランス弁28による防護堰3の起立安全誘導機能は、津波前に起きる地震によって駆動ユニット22が損害を受けることによりシリンダ14が作動不能に陥った際にも発揮される。起立安全誘導機能は、作動流体リリーフ制御方式とされる。
尚、図1の右欄および図2内に示すように、堤防a上に堤防aよりも高い突堤部29を一体形成しておき、それらの複数個所間に昇降可能な防護堰3を配備するようにしてもよい。防護堰3の側端部には側部シール材12を設け、突堤部29の背部に支点軸5の中間部を固定するようにする。
このようなカウンタバランス弁28による制御方式の他、図4に示す別の作動流体リリーフ制御方式によっても防護堰3の起立安全誘導が可能である。この方式は、図4の右欄に示すように、ピストン16の内部にバネ32付きのチェック弁(起立安全誘導手段)33を内蔵して起立時加圧(流入)側dが加圧されるときは閉止を保ち矢印Uのように防護堰3にかかる持ち上げ力により起立時背圧(流出)側eが加圧されたときに開いて内部流体(オイル)をd方向へ流すように制御する。
シリンダ14が地震などの事情で始動しない事態を招きその後の津波流Xにより引き上げ力Uを受けることになった場合とかシリンダ14が津波警報により作動は開始したがその途上で津波流Xが襲ってきて持ち上げ力Uが掛ったような場合、防護堰3は前記制御により浮力も手伝ってすぐに軽い力で持ち上げられることになって起立姿勢を得ることができるようになる。その結果、津波流Xおよび漂流物の越流が防止される。
尚、破線のようにロッド17は複ロッドタイプとしておけば、d側とe側の断面積が同一になるのでe側のオイルがd側に流れやすくなってロッド17が作動しやすくなり、防護堰3も途中で停止したりせず起立しやすくなる。
また、シリンダ14は、単動式にして試験時にはやや前傾姿勢で停止される防護堰3に作用する重量回転力などにより復帰するようにしてあるが、図4の左欄に示すように、単動式でバネ34を内蔵する強制復帰タイプのものにしてもよい。
さらに、図4のロッド軸19は一定の持ち上げ力Uにより切断するシェアーピンタイプとしておけば、例えば、ピストン16が非常時に作動不良を起こした場合でもロッド軸19の切断により防護堰3は力Uにより単独で持ち上げられ起立させられることになる。
図5ないし図7は機械式離脱方式とした起立安全誘導手段についての実施形態を示す。堤防a上に軸受体1を配備して同軸受体1に支点軸5を差し込んで防護堰3を昇降可能にしたもので、その昇降のための直動式シリンダ14はブラケット11で揺動可能に支持しておくとともに、そのロッドエンド18を通るロッド軸19の両側にローラー38を備え付ける一方、防護堰3の底面にはアングル型で一対対向型をなすローラー受39を設けて前記ローラー38が回転自在で下方へ抜け出し得るように嵌め入れられるようになっている。ローラー受39は、幅間が切欠状になっていてこの切欠き部分は図5のように防護堰3が起立した際にロッド17がローラー受39に当たらないようにするためである。シリンダ14は、図5に仮想線で示すように駆動モーターと同モーターで回転駆動されるボールねじおよび同ねじの回転により進退駆動されるボールねじナットなどで構成される電動シリンダ(アクチュエータ)に代えて構成してもよい。ローラー受39は、図6の右欄に示すように、コの字型枠状のものにしてもよい。また、図8に示すように、ローラー受3の内面にはゴム層材40を張り付けておくことによりローラー38側から防護堰3側が抜脱しやすくなるようにしてもよい。
尚、前記防護堰3上にはパネル受枠41を設置してソーラーパネル42を設置するようにしてもよい。この場合、パネル枠41内には蓄電制御装置を内装したりパネル受枠40に防護堰3が起立した際のストッパとしての機能を持たせたものにしてもよい。
図9は機械式離脱方式とした起立安全誘導手段についての他の実施形態を示す。同実施形態は、支点軸5に回転自在に支持した防護堰3の底部内に一体的にローラー受46を形成してその中にローラー47が嵌り込む関係にすることで、地震によりシリンダ14が作動しない場合あるいは作動はするがその前に津波が襲来してきたような場合に防護堰3が持ち上がってローラー47側であるシリンダ14から離脱して独立して起立するようにしたものである。尚、ローラー受46はコの字形の凹状であってもよいが、図示のような台形凹状にしておくと前記離脱がしやすくなる。
尚、48はロックスタンド、49はロック溝体であり、防護堰3が起立した姿勢を保つことから図9の左側から引き波が襲来してきても防護堰3が前倒れすることがなく防護機能を果たすものである。
図10は機械式離脱方式とした起立安全誘導手段についての他の実施形態を示す。同実施形態は、支点軸5に回転自在に支持した防護堰3側にローラー52を設け、シリンダ14側にローラー受53を設けたものである。
尚、防護堰3の前端には同堰3と同様の中空型をした前ガード54を立ち上げて強く浮力を発生しやすいガードとしたものである。この前ガード54は中空状ではあるが防護堰3とは別体で取付型をしたものにしてもよい。57は起立時ストッパである。
図11も他の実施形態を示す。同実施形態の防護堰3とシリンダ14側とがマグネット式脱着具56で連結しておくことで津波流による持ち上げ力が働くことで防護堰3が離脱して起立するようにしたものである。
尚、防護堰3の前端部には一体あるいは別体式で前下がり状に張り出す防護部3aが設けられ、この防護部3aが設けられていることにより津波流Xを抱え込みやすくしかも早い段階で浮力が作用しやすいようになる。
図12および図13は機械式離脱方式とした起立安全誘導手段についての他の実施形態を示す。同実施形態は、支点軸5に回転自在に設けた中空型で前張り出し状をした防護堰3の底部にブラケット59を設けて堤防a前側のシリンダ14のロッド60を連結したものにおいて、このシリンダ14を堤防a前面に固定したシリンダ受61に抜脱可能に差し込んでシリンダ14が地震などにより作動しなくなった際に持ち上げ力により抜脱することで防護堰3に起立運動をさせるようにしたものである。
尚、この実施形態では、駆動ユニット62とシリンダ14とを連絡する配管63がフレキシブルで前記抜脱時に引っ張り破損したりしないようにしたものである。
図12の右欄に示すように、シリンダ14側のローラー64に対し防護堰3側のローラー受65を嵌め合わせて離脱可能に構成してより安全性を高めるようにすることもできる。
図14は機械式離脱方式とした起立安全誘導手段についての他の実施形態を示す。同実施形態は、前部に前ガード54を有し後部に起立時ストッパ57を備えた防護堰3を堤防a上面に前方張り出し状をなして回転自在に設置して底部ブラケット59に連結したシリンダ14により昇降駆動可能にしたものにおいて、シリンダ14を堤防a側に支持する方式としてブラケット68とシリンダピン69により構成し、特に防護堰3へ加わる津波時の浮上力によってシリンダピン69がブラケット68から抜脱して防護堰3の起立を許し防護に備えるように構成したものである。従って、シリンダ14の作動系統が地震により作動しなくなったときでも防護堰3に浮上力が働けば自動で起立させるようにする。尚、図5から図14までに示す実施形態のように防護堰3が自動でシリンダ側から離脱し起立するようなタイプにおいては、起立後に襲来してくる津波流によるガレキなどが防護堰3の前方に堆積することから引き波襲来時に防護堰3が起立状態を維持して防護機能を発揮することが想定される。図14の右欄に示すように、シリンダ14側のローラー64に対し防護堰3側のローラー受65を嵌め合わせて離脱可能に構成してより安全性を高めるようにすることもできる。
図15は前記実施形態と同様に防護堰3が平坦な堤防aの上面に平行に設けられているなどの点で同じ内容の提案例であるが、特に異なるところは堤防aの前部に斜め下向きのシリンダ穴70を形成してシリンダ14をその中に挿通装備してある点である。シリンダ14を保護することができる。71はリンクチェーンなどの牽張材である引きストッパである。
図16は堤防aの上部前半部分が低くなった段差部73とされ、その段差部73内に防護堰3が装備された実施形態である。シリンダ14は堤防aの前面外部に設けられているが、図17に示すようにシリンダ穴70内に装備したものにしてもよい。尚、図16の左欄にも示すように、段差部73と堤防aの前面に添接するように立ち上がりリップ付きへの字形をした補強覆被フレーム74を固定して堤防aを地震から強固に護るようにしてもよく、この場合、フレーム74の後部アングル部分に軸受体1を一体化したり、蓋74a付きユニットボックス74bを一体化して収納した駆動ユニット75を地震から守ることにより始動性を確保することができる。補強覆被フレーム74は、堤防aの長手方向に長くしかも折り曲げフレームでなるので堤防aを非常に強力に防護する。同フレーム74は、上アンカー2や前アンカー13などで堤防a側に強力に固定する。
図18および図19は他の提案例を示し、この例は、堤防aの前面には前後面および上端が開放状になったガイド枠76が取り付けられているとともに、このガイド枠76内にはシリンダ77により上方へ伸びるような補助防護堰78が装備されている。補助防護堰78は浮上力が発生するように中空状であるが前面に補助浮上促進板79が設けられていて、シリンダ77が始動しないときあるいは浮上途中のときに前記カウンタバランス弁などの作用で補助防護堰78が勝手に持ち上げられるようにすることで確実に津波流Xや漂流物の捕捉ができるようになる。尚、前記ガイド枠76は、I形鋼である縦枠材と溝形鋼である底枠材との組み合わせで構築されて堤防a前面に取り付けられる。
尚、ここでシリンダ77は図3あるいは図4のようなリリーフ制御可能に構成したり、シリンダ77の自動離脱方式としては図5ないし図14に示す各例を採用することができる。
a…堤防 3…防護堰 5…支点軸 14…直動式シリンダ。

Claims (3)

  1. 津波が襲来してくる前面と水平な上面とを有し河川や海洋に設置される堤防の上面前後間には、基部の支点軸回りに回動可能な中空型で浮上可能な防護堰が設置され、この防護堰は、堤防との間に設けられた流体圧式の直動式シリンダの作動により平時は前記上面上に倒伏した倒伏姿勢にまた津波・高潮・洪水などが襲来する非常時には起立姿勢となるように構成された非常用防護装置であって、前記防護堰は、平時において堤防上面より津波襲来側の前方へと張り出し状とされて津波・高潮・洪水などの襲来によって押し上げ力が作用するように設定され、前記防護堰と直動式シリンダおよび流体圧回路には、直動式シリンダの作動系統の動きが起立態勢にあるか否かに関係なく前記非常時に前記張り出し状の部分に作用する押し上げ力によって防護堰に独自に起立運動を許容させる起立安全誘導手段が構成されていることを特徴とする非常用防護装置。
  2. 請求項1に記載のものにおいて、起立安全誘導手段は、直動式シリンダ内の起立時背圧側の流体を防護堰に作用する押し上げ力によりリリーフ可能な回路として構成されている非常用防護装置。
  3. 請求項1に記載のものにおいて、起立安全誘導手段は、防護堰および直動式シリンダの一方に設けられたローラーと、防護堰および直動式シリンダの他方に設けられていて防護堰が倒伏姿勢にあるときに前記ローラーが嵌め入れられる一方防護堰が津波・高潮・洪水などの襲来により押し上げられた際に離脱するローラー受とを備えてなっている非常用防護装置。
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