JP2013112867A - 蒸着重合膜形成装置及び蒸着重合膜の形成方法 - Google Patents

蒸着重合膜形成装置及び蒸着重合膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸着重合膜を連続形成しつつ、蒸着重合膜の組成や膜厚の変化を把握できる蒸着重合膜形成装置を提供する。
【解決手段】赤外光源88と分光手段と検出器90と光学系92とを有する反射型赤外分光光度計86を設置すると共に、分光手段により分光された赤外光を蒸着重合膜上に集光させる集光鏡124と、蒸着重合膜上の集光点での反射光を更に反射させて、検出器90に導く反射鏡126,122,118とを、光学系92に設け、更に、集光鏡124を、基材フィルムの移送に伴って、蒸着重合膜上での赤外光の集光点の位置を基材フィルムの長さ方向に変化させ得る位置に配置して構成した。
【選択図】図5

Description

本発明は、蒸着重合膜形成装置と蒸着重合膜の形成方法とに係り、特に、基材フィルムに対して、蒸着重合膜を真空蒸着重合法により連続的に形成する装置の新規な構造と、基材フィルムに対して、蒸着重合膜を真空蒸着重合法により連続的に形成する方法の改良とに関するものである。
従来から、樹脂フィルム等の基材フィルム上に、蒸着重合膜が真空蒸着重合法により積層形成されてなる積層構造体が、各種の用途に使用されている。例えば、酸素ガスや水蒸気等のガス透過を阻止するガスバリアフィルムや、有機エレクトロルミネッセンス素子等として用いられている。また、最近では、金属化フィルムに蒸着重合膜が積層形成されてなる積層構造体をフィルムコンデンサ素子として使用することも、検討されている。
ところで、基材フィルム上に蒸着重合膜を形成する装置には、種々の構造を有するものがあり、その中の一種として、例えば、特開2001−261867号公報(特許文献1)等に明らかにされる装置が知られている。この装置は、真空チャンバ内に、基材フィルムのロールから基材フィルムを巻き出す巻出し用ローラと、かかるロールから巻き出された基材フィルムを巻き取る巻取り用ローラと、巻出し用ローラから巻き出された基材フィルムが巻き掛けられて、回転駆動することにより、基材フィルムを巻取り用ローラに移送する成膜用ローラと、互いに異なる種類の原料モノマーをそれぞれ加熱して、蒸発させる二つの蒸発源とが、設置されている。
そして、そのような蒸着重合膜形成装置にあっては、巻出しロールから成膜用ローラの外周面上に巻き出された基材フィルムを、成膜用ローラの回転駆動に伴って成膜用ローラの周方向に走行させる一方、二つの蒸発源にて原料モノマーの蒸気をそれぞれ発生させて、それら2種類のモノマー蒸気を基材フィルム上で重合させることにより、蒸着重合膜を基材フィルム上に積層形成するようになっている。即ち、かかる装置では、二つの蒸発源が、蒸着重合膜を真空蒸着重合法により基材フィルム上に積層形成する蒸着重合手段として構成されている。かくの如き構造を有する蒸着重合膜形成装置によれば、蒸着重合膜を基材フィルム上に連続的に積層形成することができ、それによって、基材フィルム上に蒸着重合膜が積層形成された積層構造体の大量生産が可能となるのである。
ところが、かかる従来の蒸着重合膜形成装置を用いて基材フィルム上に蒸着重合膜を連続的に積層形成する際には、例えば、真空チャンバ内の圧力変動(真空度の変化)、或いは各蒸発源に収容される原料モノマー量の残量や加熱温度の変化等により、原料モノマーの蒸発速度(モノマー蒸気の蒸気圧)が変化することがある。そのような変化は、蒸着重合膜の組成や成膜レート(蒸着重合膜の形成速度)に大きく影響する。そのため、従来の蒸着重合膜形成装置を用いる場合には、基材フィルム上に蒸着重合膜を連続的に積層形成している途中で、蒸着重合膜の組成や膜厚が変化して、蒸着重合膜の組成や膜厚にバラツキが生じてしまう恐れがあった。
そこで、これまでは、蒸着重合膜形成装置を用いて、蒸着重合膜の形成操作を実施する際には、基材フィルム上に蒸着重合膜を積層形成して製造された積層構造体のロールの始端部から終端部までの間の複数箇所(積層構造体の長さ方向に間隔を隔てた複数箇所)からサンプルを採取して、それら各サンプルの蒸着重合膜の組成や膜厚を検出することにより、積層構造体のロールの品質管理を行っていた。具体的には、積層構造体のロールから採取した各サンプルの蒸着重合膜の赤外光吸収スペクトルを、例えば、フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)や分散型赤外分光光度計等の反射型赤外分光光度計にて測定し、そして、その測定結果に基づいて、各サンプルの蒸着重合膜の組成や膜厚を求めて、積層構造体のロールの品質評価を実施していたのである。
しかしながら、そのような従来の蒸着重合膜形成装置を用いて形成された蒸着重合膜の組成や膜厚の測定は、あくまでも、基材フィルム上に蒸着重合膜が形成されてなる積層構造体のロールが製造された後に実施されるものであった。そのため、従来では、基材フィルム上に蒸着重合膜を連続的に形成しながら、蒸着重合膜の組成や膜厚を測定することができなかった。それ故、蒸着重合膜を連続形成している途中で、蒸着重合膜の組成や膜厚が変化しても、それを把握することが、到底、不可能であったのである。
従って、従来の蒸着重合膜形成装置を用いる場合には、蒸着重合膜を形成しながら、かかる蒸着重合膜の組成や膜厚を連続的にモニタリングすることができず、そのため、例えば、完成した積層構造体のロールの中間部から終端部までの間の積層構造体における蒸着重合膜の組成や膜厚が一定の基準に達していないために、それらの部分、或いはロール全体を破棄しなければならない事態が生ずる可能性があったのである。
特開2001−261867号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、基材フィルム上に、蒸着重合膜を連続的に積層形成しながら、蒸着重合膜の組成や膜厚を連続的にモニタリングして、蒸着重合膜の組成や膜厚の変化を把握することができる蒸着重合膜形成装置と蒸着重合膜の形成方法とを提供することにある。
そして、本発明は、かかる課題の解決のために、基材フィルムのロールから巻き出された該基材フィルムに対して、蒸着重合膜を連続的に積層形成するための装置であって、排気手段による空気の排出により真空状態とされる真空チャンバを有すると共に、前記基材フィルムのロールから該基材フィルムを巻き出す巻出し用ローラと、該ロールから巻き出された該基材フィルムを巻き取る巻取り用ローラと、該巻出し用ローラから巻き出された該基材フィルムが巻き掛けられて、回転駆動することにより、該基材フィルムを該巻取り用ローラに移送する成膜用ローラと、該成膜用ローラに巻き掛けられて、移送される該基材フィルムに対して、回転駆動する該成膜用ローラの周面上で、前記蒸着重合膜を真空蒸着重合法により連続的に積層形成する蒸着重合手段とが、該真空チャンバ内に設置されてなるものにおいて、赤外光源と分光手段と検出器と光学系とを備えた反射型赤外分光光度計を有すると共に、該赤外光源から発射されて、該分光手段により分光された赤外光を、前記基材フィルムに積層形成された前記蒸着重合膜上に集光させる集光鏡と、該蒸着重合膜上の集光点での反射光を更に反射させて、該検出器に導く反射鏡とが、該光学系に設けられ、更に、該集光鏡が、該基材フィルムの移送に伴って、該蒸着重合膜上での該赤外光の集光点の位置を該基材フィルムの長さ方向に変化させ得る位置に配置されていることを特徴とする蒸着重合膜形成装置を、その要旨とするものである。
なお、本発明の好ましい態様の一つによれば、前記光学系が、前記真空チャンバの内部に設置される一方、前記赤外光源と前記分光手段と前記検出器が、該真空チャンバの外部に設置される。
また、本発明の有利な態様の一つによれば、前記光学系の前記集光鏡と前記反射鏡とが、それら集光鏡と反射鏡への前記蒸着重合膜の付着を阻止するカバーにて覆われると共に、該カバーのうち、少なくとも、前記赤外光源から発射された赤外光が、前記蒸着重合膜上の前記集光点で反射して、前記検出器に到達するまでの赤外光の光路上に位置する該カバー部分が、赤外光透過性部材にて構成される。
さらに、本発明の望ましい態様の一つによれば、前記光学系の前記集光鏡と前記反射鏡とを同期して動かすことができる可動機構が設けられて、前記蒸着重合膜上での前記集光点の位置が、該可動機構による該集光鏡の動きによって、該基材フィルムの幅方向に変化させられるように構成される。
更にまた、本発明の好適な態様の一つによれば、前記可動機構が、前記集光鏡と前記反射鏡とを前記基材フィルムの幅方向に同期して移動させる移動機構にて構成されて、前記蒸着重合膜上での前記集光点の位置が、該移動機構による該集光鏡の移動に伴って、該基材フィルムの幅方向に変化させられるように構成される。
また、本発明の別の有利な態様の一つによれば、前記蒸着重合膜が表面に積層形成された前記基材フィルムが、前記成膜用ローラから前記巻取り用ローラへの移送途中で巻き掛けられて、前記真空チャンバ内に設置される補助ローラと、該成膜用ローラのうちの何れか一方に、該基材フィルムが密接している状態下で、それら何れか一方のローラに密接している該基材フィルム部分に形成された該蒸着重合膜上に赤外光を集光させる位置に、前記集光鏡が配置されることとなる。
なお、上記の如き構造を有する蒸着重合膜形成装置は、積層構造体の製造装置として有利に用いられ、この積層構造体の製造装置は、基材フィルムのロールから巻き出された該基材フィルムに蒸着重合膜が積層形成されてなる積層構造体を連続的に製造するための装置であって、排気手段による空気の排出により真空状態とされる真空チャンバを有すると共に、前記基材フィルムのロールから該基材フィルムを巻き出す巻出し用ローラと、該ロールから巻き出された該基材フィルムを巻き取る巻取り用ローラと、該巻出し用ローラから巻き出された該基材フィルムが巻き掛けられて、回転駆動することにより、該基材フィルムを該巻取り用ローラに移送する成膜用ローラと、該成膜用ローラに巻き掛けられて、移送される該基材フィルムに対して、回転駆動する該成膜用ローラの周面上で、前記蒸着重合膜を真空蒸着重合法により連続的に積層形成する蒸着重合手段とが、該真空チャンバ内に設置されてなるものにおいて、赤外光源と分光手段と検出器と光学系とを備えた反射型赤外分光光度計を有すると共に、該赤外光源から発射されて、該分光手段により分光された赤外光を、前記基材フィルムに積層形成された前記蒸着重合膜上に集光させる集光鏡と、該蒸着重合膜上の集光点での反射光を更に反射させて、該検出器に導く反射鏡とが、該光学系に設けられ、更に、該集光鏡が、該基材フィルムの移送に伴って、該蒸着重合膜上での該赤外光の集光点の位置を該基材フィルムの長さ方向に変化させ得る位置に配置されていることを特徴としている。
また、そのような製造装置にて製造される積層構造体は、好適にはコンデンサ素子として利用される。
そして、本発明にあっては、上記の課題を解決するために、真空状態とされた真空チャンバ内で、基材フィルムのロールから巻き出された該基材フィルムを成膜用ローラに巻き掛けた状態で、該成膜用ローラを回転駆動させて、該基材フィルムを移送させつつ、真空蒸着重合法による成膜操作を実施することにより、該成膜用ローラの周面上で、該基材フィルムに蒸着重合膜を連続的に形成するに際して、前記基材フィルムに対する前記蒸着重合膜の連続的な形成操作を実施しながら、該基材フィルムの長さ方向の異なる箇所にそれぞれ位置する、該蒸着重合膜上の複数の測定点での該蒸着重合膜の赤外光吸収スペクトルを、反射型赤外分光光度計により、前記成膜用ローラによる該基材フィルムの移送に伴って、順次、測定することを特徴とする蒸着重合膜の形成方法をも、また、その要旨とするものである。
なお、本発明の好ましい態様の一つによれば、前記反射型赤外分光光度計の赤外光源からの赤外光の前記蒸着重合膜への照射位置が、前記基材フィルムの幅方向に変化させられることにより、該基材フィルムの幅方向の異なる箇所にそれぞれ位置する、該蒸着重合膜上の複数の測定点での該蒸着重合膜の赤外光吸収スペクトルが、該反射型赤外分光光度計を用いて更に測定される。
また、本発明の有利な態様の一つによれば、前記基材フィルムの長さ方向において互いに異なる箇所に位置する、前記蒸着重合膜上の複数の測定点で、前記成膜用ローラによる該基材フィルムの移送に伴って、順次、測定される赤外光吸収スペクトルが変化したときに、該赤外光吸収スペクトルが変化前の状態となるように、該基材フィルムの移送速度と該基材フィルムに対する該蒸着重合膜の連続的な形成操作の条件のうちの少なくとも何れか一方が変更されることとなる。
なお、上記の如き蒸着重合膜の形成方法は、積層構造体の製造方法として有利に適用され、この積層構造体の製造方法は、真空状態とされた真空チャンバ内で、基材フィルムのロールから巻き出された該基材フィルムを成膜用ローラに巻き掛けた状態で、該成膜用ローラを回転駆動させて、該基材フィルムを移送させつつ、真空蒸着重合法による成膜操作を実施することにより、該成膜用ローラの周面上で、該基材フィルムに蒸着重合膜を連続的に形成して、積層構造体を連続的に製造するに際して、前記基材フィルムに対する前記蒸着重合膜の連続的な形成操作を実施しながら、該基材フィルムの長さ方向の異なる箇所にそれぞれ位置する、該蒸着重合膜上の複数の測定点での該蒸着重合膜の赤外光吸収スペクトルを、反射型赤外分光光度計により、前記成膜用ローラによる該基材フィルムの移送に伴って、順次、測定することを特徴としている。
また、そのような積層構造体の製造方法は、好ましくはコンデンサ素子の製造方法として適用される。
すなわち、本発明に従う蒸着重合膜形成装置は、反射型赤外分光光度計を有して構成されており、そして、この反射型赤外分光光度計が、基材フィルムの移送に伴って、基材フィルム上に形成された蒸着重合膜上での赤外光の集光点の位置を基材フィルムの長さ方向に変化させ得る集光鏡と、それらの集光点での反射光を更に反射させて、検出器に導く反射鏡とを備えた光学系を含んで構成されている。それ故、基材フィルムの長さ方向において互いに異なる箇所に位置する、蒸着重合膜上の複数の集光点に対応した複数の測定点で、蒸着重合膜の赤外光吸収スペクトルを、基材フィルムの移送に伴って、逐次、測定することができる。
従って、かくの如き本発明に従う蒸着重合膜形成装置にあっては、蒸着重合膜を基材フィルム上に連続的に積層形成しながら、蒸着重合膜の組成や膜厚を連続的にモニタリングして、蒸着重合膜の組成や膜厚の変化やバラツキを把握することができる。
そして、それ故、本発明に従う蒸着重合膜形成装置を用いれば、例えば、蒸着重合膜を基材フィルム上に連続的に積層形成している途中で、蒸着重合膜の組成や膜厚の変化が把握されたときに、その時点で、蒸着重合膜の形成操作を終了することができる。これによって、蒸着重合膜の無駄な成膜を防止できる。また、蒸着重合膜の形成操作を連続的に実施しながら、逐次把握される蒸着重合膜の組成や膜厚の測定結果に基づいて、蒸着重合手段による蒸着重合膜の形成操作の条件や、巻出し用ローラや巻取り用ローラ、成膜用ローラの回転速度を種々変更することにより、ロールから巻き出される基材フィルムの全長に亘って、組成や膜厚のバラツキのない安定した品質を有する蒸着重合膜を連続的に形成することが可能となる。
そして、それらの結果として、基材フィルム上に、一定の基準を満たさない組成や膜厚を有する蒸着重合膜が形成されることが有利に解消され、以て、蒸着重合膜形成装置を用いて製造される積層構造体のロールの一部又は全部が、一定の基準を満たさない組成や膜厚を有する蒸着重合膜が基材フィルム上に形成されているために破棄される事態が生ずることが、効果的に回避され得ることとなる。
本発明に従う蒸着重合膜の形成方法にあっても、上記した蒸着重合膜形成装置において奏される作用・効果と実質的に同一の作用・効果が、有効に享受され得るのである。
本発明に従う構造を有する蒸着重合膜形成装置を用いて製造された積層構造体の一例を示す縦断面説明図である。 本発明に従う構造を有する蒸着重合膜形成装置の一実施形態を概略的に示す説明図である。 図2に示された蒸着重合膜形成装置に設けられる吹出口部材の内部構造を示す断面説明図である。 図3のIV矢視説明図である。 図2のV−V断面における部分拡大説明図である。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1には、本発明に従う構造を有する蒸着重合膜形成装置を用いて製造された積層構造体として、フィルムコンデンサを構成するフィルムコンデンサ素子に使用される積層構造体が、その縦断面形態において示されている。かかる図1から明らかなように、積層構造体10は、樹脂フィルム12の一方の面に金属蒸着膜14aが、他方の面に金属蒸着膜14bが、それぞれ積層されてなる、基材フィルムとしての金属化フィルム15を有している。そして、樹脂フィルム12の一方の面側に積層された金属蒸着膜14aの樹脂フィルム12側とは反対側の面上には、蒸着重合膜16が、積層形成されている。
より具体的には、樹脂フィルム12は、ここでは、ポリプロピレン製の二軸延伸フィルムからなり、2〜10μm程度の薄い厚さを有している。この樹脂フィルム12は、積層構造体10を用いて作製されるフィルムコンデンサの誘電体を構成するものである。なお、樹脂フィルム12には、従来のフィルムコンデンサの誘電体を構成する樹脂フィルムが、何れも使用可能である。例えば、ポリエチレンテレフタレート製の二軸延伸フィルムや、二軸延伸ポリフェニレンサルファイド系樹脂フィルム等の二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルム、或いは二軸延伸ポリエチレンナフタレート系樹脂フィルム等の二軸延伸ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムや、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィルム等が、樹脂フィルム12として、適宜に用いられ得るのである。また、積層構造体10の用途によっては、一軸延伸樹脂フィルムや無延伸樹脂フィルム等も、樹脂フィルム12として、勿論、使用可能である。
金属蒸着膜14a,14bは、ここでは、アルミニウムからなっている。この金属蒸着膜14a,14bは、積層構造体10を用いて作製されるフィルムコンデンサの内部電極を構成するものであって、公知の手法に従って、樹脂フィルム12の両面に積層形成される。即ち、金属蒸着膜14a,14bは、フィルムコンデンサの内部電極を形成する公知の金属材料(例えば、アルミニウムや亜鉛等)を蒸着材として用いて、PVDやCVDの範疇に属する、従来から公知の真空蒸着法を実施することにより、樹脂フィルム12の両面上に積層形成されるのである。このような金属蒸着膜14a,14bの膜抵抗値は1〜50Ω/cm2 程度とされ、また、その膜厚は、膜抵抗値等によって適宜に決定される。なお、積層構造体10の用途によっては、金属蒸着膜14a,14bの形成材料として、アルミニウムや亜鉛以外の金属材料も、勿論使用可能である。
また、ここでは、樹脂フィルム12の両面における幅方向(図1の左右方向)の両端部に、金属蒸着膜14a,14bが形成されていない金属非蒸着部分が、樹脂フィルム12の全長に亘って連続して延びるように設けられている。更に、樹脂フィルム12の金属蒸着膜14b形成面の幅方向中央部にも、金属蒸着膜14bが形成されていない金属非蒸着部分が、樹脂フィルム12の全長に亘って連続して延びるように設けられている。そして、そのような樹脂フィルム12の金属非蒸着部分が、それぞれ第一マージン部18とされている。
蒸着重合膜16は、積層構造体10を用いて作製されるフィルムコンデンサの誘電体を、樹脂フィルム12と共に構成するものであって、公知の真空蒸着重合法によって、金属蒸着膜14a上に積層形成される。この真空蒸着重合法によって形成される蒸着重合膜16は、その厚さが、樹脂フィルム12の厚さよりも十分に薄く、また、樹脂フィルム12と比べて、比誘電率が高い。そのため、積層構造体10の全体の厚さを有利に薄く為し得て、かかる積層構造体10を用いて作製されるフィルムコンデンサの小型・大容量化が図られ得る。
なお、蒸着重合膜16の膜厚は、特に限定されるものではないが、0.001〜10μm程度とされていることが望ましい。何故なら、蒸着重合膜16を0.001μm未満の膜厚で形成することは容易ではない。そのため、蒸着重合膜16の膜厚が、現実的には、0.001μm以上とされるからである。また、蒸着重合膜16の厚さが10μmを超える場合には、誘電体として蒸着重合膜16を有するフィルムコンデンサの小型・大容量化を促進することが困難となるからである。
また、蒸着重合膜16は、真空蒸着重合法によって成膜可能な樹脂膜であれば、その種類が特に限定されるものではない。蒸着重合膜16を構成する樹脂膜としては、ポリユリア樹脂膜や、ポリアミド樹脂膜、ポリイミド樹脂膜、ポリアミドイミド樹脂膜、ポリエステル樹脂膜、ポリアゾメチン樹脂膜、ポリウレタン樹脂膜等が挙げられる。そして、その中でも、樹脂フィルム12よりも高い誘電率を有する樹脂膜が、好適に採用される。そのような樹脂膜にて蒸着重合膜16を形成することによって、フィルムコンデンサの静電容量を効果的に増大させることが可能となる。
樹脂フィルム12の幅方向中央部には、蒸着重合膜16が形成されていない部分が、樹脂フィルム12の全長に亘って連続して延びるように設けられている。そして、そのような樹脂フィルム12における蒸着重合膜16の非形成部分が、金属蒸着膜14aの幅方向中央部位を剥き出しとした第二マージン部20とされている。更に、蒸着重合膜16の幅が、金属蒸着膜14aの幅よりも所定寸法大きくされている。これによって、金属蒸着膜14aの幅方向の両側端面が、蒸着重合膜16の幅方向両端部にて被覆されている。
そして、上記の如き構造とされた積層構造体10を用いて、フィルムコンデンサ素子を作製する際には、先ず、積層構造体10の幅方向両端部を、長さ方向にそれぞれ延びる二つの切断面:K1 ,K2 に沿って切断する。それによって、樹脂フィルム12の幅方向両側の端部と、金属蒸着膜14bの幅方向両側の端部とを、それぞれ切除する。また、積層構造体10を、その幅方向(図1の左右方向)の中央において長さ方向(図1の紙面に垂直な方向)に延びる切断面:K3 に沿って切断して、二つに分割する。
次に、二分割されて、幅方向両端部がそれぞれ切除された二つの積層構造体10,10を、金属蒸着膜14bと蒸着重合膜16とが重なり合うように、積層する。かかる積層状態下では、互いに重ね合わされる二つの積層構造体10,10のうちの一つ(例えば、図1に示された切断前の積層構造体10において、切断面:K3 よりも図1の左側に位置するもの)が、左右を反転させられた状態で配置される。これによって、積層型のフィルムコンデンサ素子を得る。その後、図示されてはいないものの、公知の手法によって、フィルムコンデンサ素子の幅方向の両端面に、メタリコン電極をそれぞれ形成する。このとき、フィルムコンデンサ素子の幅方向一端面(図1において切断面:K3 側に位置する端面)に形成されたメタリコン電極が、金属蒸着膜14aの第二マージン部20側(図1の切断面:K3 側)の端面に固着される。一方、フィルムコンデンサ素子の幅方向他端面(図1において切断面:K1 側に位置する端面)に形成されたメタリコン電極は、金属蒸着膜14bの第一マージン部18側(図1の切断面:K3 側)とは反対側の端面に固着される。そして、必要に応じて、各メタリコン電極に外部端子を接続して、フィルムコンデンサ素子を所定のケース内に封止する。これによって、積層型のフィルムコンデンサを得る。なお、このような積層型のフィルムコンデンサ素子及びフィルムコンデンサを得る場合には、上記のように二分割された積層構造体10を三つ以上積層しても良い。
また、二分割された積層構造体10を単独で、或いは複数のものを積層した状態で、巻回することにより、巻回型のフィルムコンデンサ素子を得ることもできる。このような巻回型のフィルムコンデンサ素子においても、従来手法によって、幅方向両端面にメタリコン電極が形成され、更に必要に応じて、各メタリコン電極に外部端子が接続されて、所定のケース内に封止されることにより、巻回型のフィルムコンデンサとして完成されるのである。
ところで、上記の如き積層構造体10は、例えば、図2に示される、本発明に従う構造を有する蒸着重合膜形成装置22を用いて、製造されることとなる。以下、本実施形態の蒸着重合膜形成装置22について詳述する。
図2から明らかなように、本実施形態の蒸着重合膜形成装置22は、所定大きさの真空チャンバ24を有している。この真空チャンバ24は、主室26と副室28とを更に有している。主室26は、第一周壁部30にて囲繞されている。副室28は、第一周壁部30の一部と第二周壁部32とにて囲繞されている。そして、それら主室26と副室28とは、第二周壁部32と共に副室28を囲繞する第一周壁部30部分に形成された窓部34を通じて、互いに連通している。
主室26内の中心部には、成膜用ローラとしてのキャンローラ35が回転可能に設置されている。また、主室26には、二つの隔壁36,36が、第一周壁部30の内面からキャンローラ35に向かって突設されている。そうして、キャンローラ35の周りを取り囲む主室26の内側空間が、それら二つの隔壁36,36によって二つに仕切られている。これによって、主室26内のキャンローラ35の周りに、第一真空室38と第二真空室40とが、画成されている。
主室26の第一真空室38及び第二真空室40と副室28とには、排気パイプ42,42,42が、それぞれ接続されている。また、各排気パイプ42,42,42上には、真空ポンプ44,44,44が、各々設けられている。かくして、第一真空室38内と第二真空室40内と副室28内とが、三つの真空ポンプ44,44,44の作動により、それぞれ真空状態とされるようになっている。ここでは、それら三つの真空ポンプ44,44,44の作動が、互いに独立して制御されるようになっている。それによって、第二真空室40内の真空度を、第一真空室38内と副室28内のそれぞれの真空度よりも低く設定することが可能となっている。これらのことから明らかなように、本実施形態では、排気パイプ42,42,42と真空ポンプ44,44,44とにて、排気手段が構成されている。
副室28内には、巻出し用ローラ46と巻取り用ローラ48とが、互いに所定距離を隔てた位置に、キャンローラ35の回転軸と平行な回転軸回りに回転可能に設置されている。巻出し用ローラ46は、前記した樹脂フィルム12の両面に金属蒸着膜14a,14bがそれぞれ積層形成されてなる金属化フィルム15が巻回されたフィルムロール50が取り付けられ、自身の回転に伴って、フィルムロール50を巻出し得るようになっている。巻取り用ローラ48は、巻出し用ローラ46によってフィルムロール50から巻き出された金属化フィルム15の先端部分が取り外し可能に取り付けられるようになっている。また、巻取り用ローラ48は、例えば、図示しない電動モータ等によって回転駆動するようになっている。
さらに、主室26内と副室28内における巻出し用ローラ46とキャンローラ35との間、及びキャンローラ35と巻取り用ローラ48との間には、補助ローラ49が、それぞれ複数個ずつ設置されている。それら各補助ローラ49は、巻出し用ローラ46や巻取りローラ48、キャンローラ35の回転軸と平行な回転軸回りに回転可能とされている。
主室26内に設置されたキャンローラ35は、鉄等の金属製の円筒体からなっており、主室26内において、第一真空室38と第二真空室40とに跨って配置されている。即ち、キャンローラ35は、その外周面の大部分が第二真空室40内に露呈される一方、その外周面の一部が第一真空室38内に露呈されて、主室26内に配置されているのである。
かかるキャンローラ35は、図示しない電動モータ等により、一方向(図2に矢印:Aにて示される方向)に回転駆動するようになっている。また、ここでは、キャンローラ35の外周面の表面粗さ(Rz)が、好適には0.6〜2.0μm程度の範囲内の値となるように調えてある。これによって、キャンローラ35に巻き掛けられた金属化フィルム15において、キャンローラ35の回転に伴う走行時に皺が生ずることが可及的に防止されるようになっている。
また、キャンローラ35は、公知の構造により電気的に絶縁状態とされており、その内部には、冷却機構52が設けられている。この冷却機構52は、例えば、冷却媒体の循環等によってキャンローラ35の外周面を冷却する公知の構造を有している。
そして、巻出し用ローラ46に取り付けられたフィルムロール50から巻き出された金属化フィルム15が、複数の補助ローラ49に巻き掛けられた状態で、窓部34を通じて、副室28内から主室26(第一真空室38)内に送り出されて、キャンローラ35に巻き掛けられるようになっている。また、キャンローラ35に巻き掛けられた金属化フィルム15の先端側が、複数の補助ローラ49に巻き掛けられつつ、主室26(第一真空室38)内から、窓部34を通じて、再び副室28内に戻されて、巻取り用ローラ48に取り付けられるようになっている。
これによって、フィルムロール50から巻き出された金属化フィルム15が、キャンローラ35の外周面に接触しつつ、キャンローラ35と巻取り用ローラ48の回転駆動に伴って、キャンローラ35の回転方向(図2に矢印:Aにて示される方向)に走行して、巻取り用ローラ48に移送されるようになっている。また、キャンローラ35に巻き掛けられた金属化フィルム15は、冷却機構52にて冷却されたキャンローラ35の外周面との接触によって冷却されるようになっている。そして、後述するように、キャンローラ35の周面上で蒸着重合膜16が積層形成されて、積層構造体10とされた後、巻取り用ローラ48にて巻き取られるようになっている。なお、ここでは、キャンローラ35の回転駆動による金属化フィルム15の走行速度と、巻取り用ローラ48の回転駆動による積層構造体10の巻取り速度とが同一速度となるように設定されている。また、巻出し用及び巻き取り用ローラ46,48とキャンローラ35と補助ローラ49が、何れも、回転駆動時の振れが実質的にゼロとなるように構成されている。
主室26の第二真空室40内には、吹出口部材54が、キャンローラ35の外周面上に配置されている。この吹出口部材54は、図3及び図4に示されるように、全体として、下方(図3の下方)に向かって開口する片側有底の筒体からなり、下方への開口部が、吹出口56とされている。また、吹出口部材54は、軸直角断面積が下方に向かって漸増する四角錐台形状の上側筒部58と、横長の直方体形状を呈する下側筒部60とを一体的に有している。
そして、下側筒部60の幅方向(図3の紙面に垂直な方向で、図4の上下方向)に延びる二つの第一側壁部61,61の下端面が、平坦面とされている一方、下側筒部60の長さ方向(図3と図4の左右方向)に延びる二つの第二側壁部62,62の下端面が、上方に向かって凸となる円弧状下端面63,63とされている。この第二側壁部62の円弧状下端面63の径は、前記キャンローラ35(図3に二点鎖線で示す)の外周面の径よりも僅かに大きな寸法とされている。これによって、吹出口部材54の下側筒部60の下端面とキャンローラ35の外周面との間の距離が、下側筒部60の全周に亘って略一定の大きさとされている。即ち、吹出口56とキャンローラ35の外周面との間に形成される隙間64の大きさが、吹出口56の全周に亘って略一定の大きさとされている。
なお、ここでは、そのような吹出口56とキャンローラ35の外周面との間の隙間64の大きさ、つまり、下側筒部60の円弧状下端面63,63を含む下端面とキャンローラ35の外周面との間の距離(図3にDにて示される寸法)が、好ましくは5mm以内とされている。これによって、吹出口56とのキャンローラ35の外周面との間の隙間64が、十分に狭くされている。
また、下側筒部60の上端側には、吹出口部材54の内側空間を上下に位置する二つの空間に仕切る仕切壁66が設けられている。これによって、吹出口部材54の仕切壁66よりも上側に位置する内側空間部分が、混合室68とされ、仕切壁66よりも下側に位置する内側空間部分が、成膜室70とされている。また、仕切壁66の中心部には、通孔72が、穿設されている。これによって、混合室68と成膜室70とが、通孔72を通じて、相互に連通している。
さらに、吹出口部材54の吹出口56には、防着バー74が配置されている。この防着バー74は、下側筒部60の円弧状下端面63の径と略同一の内径と、二つの第一側壁部61,61の対向面間距離と略同一の弦を有する円弧状の湾曲板材からなっている。そして、そのような防着バー74が、下側筒部60の幅方向中央において、その長さ方向に延びるように配置されて、二つの第一側壁部61,61の互いの対向面の下端部に固定されている。
なお、防着バー74は、後述するように、蒸着重合操作によって金属化フィルム15に積層される蒸着重合膜16に対して第二マージン部20を形成するものである。このため、ここでは、防着バー74の幅(図4にWにて示される寸法)が、第二マージン部20の幅と対応するように、一般的に、1〜20mm程度の大きさとされている。
そして、図2及び図3に示されるように、上記の構造を有して、主室26の第二真空室40内に、キャンローラ35の外周面上に配置された吹出口部材54が、吹出口56をキャンローラ35の外周面に向かって開口させ、且つ下側筒部60の円弧状下端面63,63をキャンローラ35の外周面に沿って延出させた状態で、第一周壁部30等に固定されている。これによって、各吹出口部材54に設けられた防着バー74が、吹出口56をキャンローラ35の周方向に延びるように配置されている。
一方、図2から明らかなように、真空チャンバ24の外部には、モノマー蒸気供給装置76が配置されている。このモノマー蒸気供給装置76は、第一蒸発源78aと第二蒸発源78bとを備えている。第一蒸発源78aは、蒸着重合膜16を形成する2種類の原料モノマーのうちの一方を液体状態で収容する第一モノマーポット80aと、この第一モノマーポット80a内に収容される原料モノマーを加熱して、蒸発させる第一ヒータ82aとを有している。第二蒸発源78bは、2種類の原料モノマーのうちの他方を液体状態で収容する第二モノマーポット80bと、この第二モノマーポット80b内に収容される原料モノマーを加熱して、蒸発させる第二ヒータ82bとを有している。
本実施形態では、蒸着重合膜16がポリユリア樹脂膜にて構成されるため、第一モノマーポット80a内には、ジイソシアネートの所定量が収容され、第二モノマーポット80b内には、ジアミンの所定量が収容される。また、第一及び第二ヒータ82a,82bは電熱ヒータにて構成されている。なお、蒸着重合膜16が、ポリユリア樹脂膜以外の樹脂膜にて構成される場合には、第一及び第二モノマーポット80a,80b内には、蒸着重合膜16を構成する樹脂膜の種類に応じて、ジイソシアネートやジアミン以外の原料モノマーが、それぞれ収容される。また、第一及び第二ヒータ82a,82bを、電熱ヒータ以外の公知のヒータ、例えば、赤外線式のヒータや電子照射式のヒータにて構成することも、勿論可能である。更に、蒸着重合膜16を構成する樹脂膜が3種類以上の原料モノマーの重合によって形成される場合、或いは蒸着重合膜16がポリユリア樹脂膜にて構成されて、原料モノマーとしてのジイソシアネートとジアミンのうちの少なくとも何れか一方が複数種類のものにて構成される場合等では、3個以上の蒸発源が用いられることとなる。
また、第一蒸発源78aの第一モノマーポット80aには、第一モノマー蒸気供給パイプ84aが、その一端部において連通状態で接続されている。一方、第二蒸発源78bの第二モノマーポット80bにも、第二モノマー蒸気供給パイプ84bが、その一端部において連通状態で接続されている。そして、図2乃至図4から明らかなように、それら第一モノマー蒸気供給パイプ84aと第二モノマー蒸気供給パイプ84bは、それぞれの他端部において、吹出口部材54に対して、その混合室68と連通状態で接続されている。これによって、各モノマー蒸気供給装置76と各吹出口部材54とが、第一及び第二モノマーポット80a,80bの内部空間と混合室68とを互いに連通させた状態で、相互に連結されている。
かくして、モノマー蒸気供給装置76の第一モノマーポット80a内と第二モノマーポット80b内とにそれぞれ収容されたジイソシアネートとジアミンとが、第一及び第二ヒータ82a,82bにて加熱され、蒸発させられて、モノマー蒸気とされた状態で、第一及び第二モノマー蒸気供給パイプ84a,84bを通じて、吹出口部材54の混合室68内に供給されるようになっている。また、それらジイソシアネート蒸気とジアミン蒸気とが、混合室68内で均一に混合された後、仕切壁66の通孔72を通じて、成膜室70内に導入されるようになっている。そして、ジイソシアネート蒸気とジアミン蒸気の混合ガスが、吹出口56から、第二真空室40内に設置されたキャンローラ35の外周面に向かって吹き出されるようになっているのである。
なお、本実施形態では、モノマー蒸気供給装置76の第一及び第二蒸発源78a,78bでのジイソシアネートとジアミンの加熱温度が、それぞれ独立して調節されて、ジイソシアネート蒸気とジアミン蒸気のそれぞれの蒸気圧が独立して制御可能とされている。即ち、第一及び第二蒸発源78a,78bの第一及び第二ヒータ82a,82bは、それらの温度を制御する、真空チャンバ24外に設置されたコントローラ79に対して電気的に接続されている。また、かかるコントローラ79には、第一ヒータ82aと第二ヒータ82bのそれぞれの加熱温度を検出する温度センサ(図示せず)も、電気的に接続されている。かくして、各温度センサからの検出信号に基づいて、第一及び第二ヒータ82a,82bの温度が、コントローラ79にて、それぞれ独立して制御されて、第一及び第二モノマーポット80a,80b内でのジイソシアネートとジアミンの加熱温度が、それぞれ独立して調節され得るようになっている。そして、それにより、モノマー蒸気供給装置76と連結した吹出口部材54の混合室68内に供給されるジイソシアネート蒸気とジアミン蒸気の蒸気圧が、それぞれ、所望の値となるように独立して制御可能とされているのである。
また、図示されてはいないものの、吹出口部材54には、それを加熱するヒータが取り付けられており、このヒータにて、吹出口部材54が、ジイソシアネート蒸気やジアミン蒸気の温度よりも高い温度(例えば、180℃程度)に加熱されている。これにより、吹出口部材54に対するジイソシアネート蒸気やジアミン蒸気の付着が防止されるようになっている。
そして、本実施形態の蒸着重合膜形成装置22においては、特に、真空チャンバ24の副室28を形成する第二周壁部32に対して、反射型赤外分光光度計86が設置されている。
より詳細には、図2及び図5に示されるように、反射型赤外分光光度計86は、赤外光源88と検出器90と光学系92とフーリエ変換器94とを備えたフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)にて構成されている。
図示されていないものの、赤外光源88は、ハロゲンランプやセラミック光源等の赤外光発射部と、この赤外光発射部から発射された赤外光から干渉光を作る、分光手段としてのマイケルソン干渉計とを内蔵している。また、そのような赤外光源88は、図5の上側に向かって開口する筐体96内に、その下側底部上に載置されて、収容されている。更に、赤外光源88を収容する筐体96は、第二周壁部32に対して、その外面により上側開口部が覆蓋された状態で、固設されている。これにより、赤外光源88が、真空チャンバ24の外部に設置されており、また、マイケルソン干渉計にて作られた、分光された赤外光としての赤外干渉光が、赤外光源88から発射されるようになっている。
そして、ここでは、赤外光源88から発射される赤外干渉光の光路上に位置する第二周壁部32部分に透孔98が設けられている。また、この透孔98には、例えば、ZnSe等の赤外光を透過可能な赤外光透過性部材100が、透孔98を流体密に閉塞するように嵌め込まれている。かくして、真空チャンバ24内の気密性が十分に確保された状態下で、赤外光源88から発射された赤外干渉光が、赤外光透過性部材100を透過して、透孔98から真空チャンバ24の副室28内に入射されるようになっているのである。
検出器90は、前記筐体96内に、赤外光源88と共に収容されて、真空チャンバ24の外部に設置されている。なお、ここでは、後述するように、真空チャンバ24の副室28内に設置された補助ローラ49に巻き掛けられて、密接している積層構造体10部分の蒸着重合膜16に対して、赤外光源88から発射された赤外干渉光が、光学系92により導かれて、かかる蒸着重合膜16上で反射されるようになっていると共に、そのような赤外干渉光の反射光が、光学系92によって、筐体96内の検出器90に更に導かれるようになっている。そして、検出器90は、導かれた赤外干渉光の反射光の強度を検出し得る構造を有しているのである。
また、検出器90を収容する筐体96の上側開口部を覆蓋する第二周壁部32のうち、検出器90まで導かれる赤外干渉光の反射光の光路上に位置する第二周壁部32部分には、透孔98が設けられ、この透孔98に対しても、例えば、ZnSe等の赤外光を透過可能な部材からなる赤外光透過性部材100が、透孔98を流体密に閉塞するように嵌め込まれている。これにより、真空チャンバ24内の気密性が十分に確保された状態下で、積層構造体10の蒸着重合膜16上での反射光が、赤外光透過性部材100とを透過し、透孔98を通じて、筐体96内の検出器90に到達し得るようになっている。
フーリエ変換器94は、例えば、フーリエ変換を実施可能なコンピュータにて構成されている。即ち、かかるフーリエ変換器94は、検出器90に対して電気的に接続されており、検出器90にて検出された反射光の強度を含む検出信号が、検出器90から入力されるようになっている。そして、検出器90から入力される検出信号を含む各種の信号のフーリエ変換を行うことにより、蒸着重合膜16上で反射した赤外干渉光の反射光の赤外光吸収スペクトルを測定し得るようになっている。また、このフーリエ変換器94は、ディスプレイやプリンタ等の公知の出力装置102に対して電気的に接続されている。これによって、上記のようにして測定された反射光の赤外光吸収スペクトルが、出力装置102において出力されるようになっている。そして、ここでは、かかる出力装置102で出力される赤外光吸収スペクトルから、赤外干渉光を反射させた積層構造体10の蒸着重合膜16部分の組成や膜厚が求められるようになっているのである。
一方、光学系92は、赤外光源88から発射される赤外干渉光を、真空チャンバ24の副室28内に設置された補助ローラ49に巻き掛けられて、接触している積層構造体10部分の蒸着重合膜16上に導くと共に、かかる蒸着重合膜16上で反射した赤外干渉光の反射光を検出器90に導き得るように構成されている。そして、ここでは、そのような光学系92が、従来には見られない特別な構造を有して、真空チャンバ24内に設置されているのである。
すなわち、光学系92は、カバー104を有している。このカバー104は、上側及び下側底壁部106,108と側壁部110とを備えた、外部から遮蔽された容器にて構成されて、真空チャンバ24の副室28内に収容されている。なお、カバー104の形成材料は、特に限定されるものではなく、ここでは、真空チャンバ24の第一及び第二周壁部30,32の形成材料と同一種類の材料が、カバー104の形成材料として用いられている。
そして、かかるカバー104は、真空チャンバ24の副室28内に設置された複数の補助ローラ49のうちの一つと、赤外光源88及び検出器90を内部に収容した筐体96の上側開口部を覆蓋する第二周壁部32部分との間に配置されている。つまり、カバー104の上側底壁部106が、一つの補助ローラ49の下方において、その周面に対して所定距離を隔てて対向配置されていると共に、下側底壁部108が、筐体96の上側開口部を覆蓋する第二周壁部32部分上に載置されている。
そのようなカバー104の上側底壁部106における補助ローラ49との周面との対向部位には、透孔112が設けられている。また、カバー104の下側底壁部108にも、二つの透孔112,112が、第二周壁部32に設けられた二つの透孔98,98に対応する部位に、それぞれ設けられている。そして、上側底壁部106に設けられた透孔112には、ZnSe等の赤外光を透過可能な部材からなる赤外光透過性部材114が、透孔112を流体密に閉塞するように嵌め込まれている。一方、下側底壁部108に設けられた二つの透孔112,112内には、第二周壁部32の二つの透孔98,98にそれぞれ嵌め込まれた赤外光透過性の赤外光透過性部材100,100が突入するように嵌め込まれている。
これにより、赤外光源88から発射される赤外干渉光や、後述するように、上側底壁部106の上方に位置する補助ローラ49に巻き掛けられた積層構造体10の蒸着重合膜16(図5には図示せず)上で反射した赤外干渉光の反射光が、第二周壁部32の透孔98,98とカバー104の下側底壁部108の透孔112,112に嵌め込まれた赤外光透過性部材100,100や、カバー104の上側底壁部106の透孔112に嵌め込まれた赤外光透過性部材114を透過して、カバー104内に入射、或いはカバー104内から出射されるようになっている。
そして、カバー104内には、第一及び第二固定平面ミラー116,118と、第一及び第二可動平面ミラー120,122と、第一及び第二ミラーレンズ124,126とが、それぞれ収容配置されている。
第一固定平面ミラー116と第二固定平面ミラー118は、何れも、反射面が平面とされている。そして、第一固定平面ミラー116は、赤外光源88から発射されて、第二周壁部32の透孔98とカバー104の下側底壁部108の透孔112に嵌め込まれた赤外光透過性部材100を透過する赤外干渉光を反射可能な位置に、所定の角度(ここでは45度)で傾斜して配置されている。また、第二固定平面ミラー118は、カバー104内に入射された赤外干渉光の反射光を更に反射して、第二周壁部32の透孔98とカバー104の下側底壁部108の透孔112に嵌め込まれた赤外光透過性部材100を通じて、検出器90に導き得る位置に、所定の角度(ここでは45度)で傾斜して配置されている。そして、それら第一及び第二固定平面ミラー116,118は、上記の如き配置状態下で、カバー104の下側底壁部108の内面上に固設された固定用支持部材128,128にて、それぞれ固定的に支持されている。
一方、第一可動平面ミラー120と第二可動平面ミラー122は、第一及び第二固定平面ミラー116,118と同様に、平面からなる反射面を有している。そして、第一可動平面ミラー120が、補助ローラ49に巻き掛けられた積層構造体10の幅方向(図5の左右方向で、補助ローラ49の幅方向に対応する方向)において第一固定平面ミラー116と所定距離を隔てて対向した状態で、所定の角度(ここでは、第一固定平面ミラー116の傾斜角度と同じ45度)で傾斜して配置されている。また、第二可動平面ミラー122は、積層構造体10の幅方向において第二固定平面ミラー118と所定距離を隔てて対向した状態で、所定の角度(ここでは、第二固定平面ミラー118の傾斜角度と同じ45度)で傾斜して配置されている。そして、そのような第一可動平面ミラー120が、第一固定平面ミラー116に対して、また、第二可動平面ミラー122が、第二固定平面ミラー118に対して、それぞれ、積層構造体10の幅方向において接近/離隔可能とされている。
すなわち、第一可動平面ミラー120は、積層構造体10の幅方向に第一固定平面ミラー116と離間配置された第一可動支持部材130の下側支持部131により、上記の如き配置状態において固定的に支持されている。また、第二可動平面ミラー122は、積層構造体10の幅方向に第二固定平面ミラー118と離間配置された第二可動支持部材132の下側支持部133により、上記の如き配置状態において固定的に支持されている。そして、それら第一及び第二可動平面ミラー120,122をそれぞれ支持する第一及び第二可動支持部材130,132が、カバー104の下側底壁部108上に設置された、可動機構及び移動機構としての第一移動装置134と第二移動装置136とによって、それぞれ、積層構造体10の幅方向に移動可能とされている。
第一移動装置134と第二移動装置136は、何れも、公知のねじ送り機構を備えている。即ち、第一及び第二移動装置134,136は、それぞれ、駆動モータ138と、この駆動モータ138の回転駆動に伴って軸方向に移動することなく、軸心回りに回転させられるねじ軸140と、ねじ軸に対して回転不能に螺合されて、ねじ軸140の回転に伴ってねじ軸140の軸方向に移動させられる雌ネジ部材142とを有している。そして、そのような第一移動装置134の雌ネジ部材142と第二移動装置136の雌ネジ部材142とに対して、第一可動支持部材130と第二可動支持部材132とが、それぞれ一体移動可能に固定されている。また、それら第一移動装置134の駆動モータ138と第二移動装置136の駆動モータ138は、同一方向に同一の速度で回転するように、互いに同期して回転駆動するようになっている。
かくして、ここでは、第一移動装置134の駆動モータ138と第二移動装置136の駆動モータ138とが、時計回りと反時計回りの何れか一方の方向に同期状態で回転駆動することにより、第一可動支持部材130と第二可動支持部材132とが、各雌ネジ部材142の移動に伴って、第一固定平面ミラー116と第二固定平面ミラー118に対して接近移動するようになっている。そして、それによって、第一可動支持部材130に支持された第一可動平面ミラー120が、第一固定平面ミラー116に対して、また、第二可動支持部材132に支持された第二可動平面ミラー122が、第二固定平面ミラー118に対して、同一速度で同一の距離だけ、それぞれ接近移動するようになっている。一方、そのような第一及び第二可動平面ミラー120,122の第一及び第二固定平面ミラー116,118への接近状態下において、第一移動装置134の駆動モータ138と第二移動装置136の駆動モータ138とが、上記とは反対方向に同期状態で回転駆動することにより、各雌ネジ部材142の移動に伴って、第一及び第二可動支持部材130,132が移動して、第一可動平面ミラー120が、第一固定平面ミラー116から、また、第二可動平面ミラー122が、第二固定平面ミラー118から、同一速度で同一の距離だけ、それぞれ離間移動するようになっているのである。
また、第一ミラーレンズ124と第二ミラーレンズ126は、凹状曲面からなる反射面を有している。第一ミラーレンズ124は、第一可動平面ミラー120の上方において第一可動平面ミラー120と斜めに対向配置されており、かかる配置状態下で、第一可動支持部材130に設けられた上側支持部144によって固定的に支持されている。そして、後述するように、ここでは、第一ミラーレンズ124が、第一可動平面ミラー120で反射した赤外干渉光を更に反射して、補助ロール49の周面上に位置する積層構造体10の蒸着重合膜16上において、集光させ得るようになっている。このことから明らかなように、本実施形態では、第一ミラーレンズ124によって集光鏡が構成されている。
また、第二ミラーレンズ126は、第二可動平面ミラー122の上方において第二可動平面ミラー122と斜めに対向配置されており、かかる配置状態下で、第二可動支持部材132に設けられた上側支持部146によって固定的に支持されている。そして、第二ミラーレンズ126は、後述するように、補助ローラ49の周面上に位置する積層構造体10の蒸着重合膜16上において反射した赤外干渉光の反射光を反射させて、第二可動平面ミラー122に向かって導くようになっている。
かくして、第一ミラーレンズ124にあっては、第一移動装置134による第一可動平面ミラー120の第一固定平面ミラー116との接近/離隔移動に伴って、第一可動平面ミラー120との相対位置が不変とされた状態で、第一可動平面ミラー120と一体移動するようになっている。また、第二ミラーレンズ126は、第二移動装置136による第二可動平面ミラー122の第二固定平面ミラー118との接近/離隔移動に伴って、第二可動平面ミラー122との相対位置が不変とされた状態で、第二可動平面ミラー122と一体移動するようになっている。
そして、第一移動装置134による第一可動平面ミラー120の移動により、第一可動平面ミラー120と第一固定平面ミラー116との間の距離が変化しても、第一可動平面ミラー120で反射した赤外干渉光が、常に、第一ミラーレンズ124にて、補助ロール49の周面上に位置する積層構造体10部分の蒸着重合膜16上に集光されるようになっている。また、第二移動装置136による第二可動平面ミラー122の移動により、第二可動平面ミラー122と第二固定平面ミラー118との間の距離が変化しても、補助ローラ49の周面上に位置する積層構造体10の蒸着重合膜16上で反射した赤外干渉光の反射光が、常に、第二ミラーレンズ126で反射して、第二可動平面ミラー122に導かれるようになっている。
そして、ここでは、第一可動平面ミラー120が第一固定平面ミラー116から最も離間した位置(図5に実線で示される位置)に配置されているときに、補助ローラ49に巻き掛けられて、補助ローラ49と密接している積層構造体10部分、つまり、補助ローラ49の周面上に位置する積層構造体10部分に形成された蒸着重合膜16の幅方向(積層構造体10の幅方向)一端側の一点:Aに、赤外光源88から発射された赤外干渉光が集光されるようになっている。
すなわち、第一可動平面ミラー120が第一固定平面ミラー116から最も離間した位置に配置されているときには、第一ミラーレンズ124が、補助ローラ49の周面上に位置する積層構造体10の幅方向での移動範囲のうちで、積層構造体10の幅方向一端側[蒸着重合膜16の幅方向における集光点(焦点):A]側の移動限度位置に配置される。そして、そのような第一可動平面ミラー120と第一ミラーレンズ124の配置状態下で、第二周壁部32とカバー104の下側底壁部108のそれぞれの透孔98,112に嵌め込まれた赤外光透過性部材100を透過した赤外干渉光が、第一固定平面ミラー116と第一可動平面ミラー120にて反射されて、第一ミラーレンズ124に導かれる。また、第一ミラーレンズ124に導かれた赤外干渉光は、第一ミラーレンズ124で更に反射された後、カバー104の上側底壁部106の透孔112に嵌め込まれた赤外光透過性部材114を透過して、補助ローラ49の周面上に位置する積層構造体10部分に形成された蒸着重合膜16の幅方向一端側の集光点:Aに集光されるようになっているのである。
さらに、第一可動平面ミラー120が第一固定平面ミラー116から最も離間した位置に配置されているときには、第二可動平面ミラー122も、第二固定平面ミラー118から最も離間した位置に配置されると共に、第二ミラーレンズ126が、補助ローラ49の周面上に位置する積層構造体10の幅方向での移動範囲のうちで、積層構造体10の幅方向一端側の移動限度位置に配置される。そして、そのような各ミラー116〜126の配置状態下では、蒸着重合膜16の集光点:Aに集光し、そこで反射した赤外干渉光の反射光が、カバー104の上側底壁部106の透孔112に嵌め込まれた赤外光透過性部材114を透過して、第二ミラーレンズ126に導かれ、そこで更に反射される。また、この第二ミラーレンズ126で反射された赤外干渉光の反射光は、第二可動平面ミラー122と第二固定平面ミラー118とにおいて反射された後、第二周壁部32とカバー104の下側底壁部108のそれぞれの透孔98,112に嵌め込まれた赤外光透過性部材100を透過して、検出器90に導かれるのである。
一方、第一可動平面ミラー120が、第一固定平面ミラー116から最も離間した位置(図5に実線で示される位置)から、第一移動装置134により、第一固定平面ミラー116と接近する方向(図5に矢印:アで示される方向)に移動するときには、それに伴って、第一ミラーレンズ124も、第一可動平面ミラー120と一体移動し、それによって、蒸着重合膜16上の赤外干渉光の集光点が、蒸着重合膜16の幅方向一端側から他端側に徐々に移動する。そして、やがて、第一可動平面ミラー120が、第一固定平面ミラー116に最も接近する位置(図5に二点鎖線で示される位置)に到達したときには、赤外光源88から発射された赤外干渉光が、補助ローラ49の周面上の積層構造体10部分に形成された蒸着重合膜16の幅方向他端に位置する集光点:Bに集光されるようになっている。
そして、ここでは、第一可動平面ミラー120と第一ミラーレンズ124が、第一移動装置134により、積層構造体10の幅方向に移動しているか否かに拘わらず、積層構造体10が補助ローラ49の周方向に走行している限り、蒸着重合膜16上の赤外干渉光の集光点は、積層構造体10の走行に伴って、積層構造体10の長さ方向に徐々に且つ継続的に変位するようになっている。
また、第一可動平面ミラー120が、第一固定平面ミラー116から最も離間した位置(図5に実線で示される位置)から、第一移動装置134により、第一固定平面ミラー116と接近する方向(図5に矢印:アで示される方向)に移動するときには、それに伴って、第二可動平面ミラー122と第二ミラーレンズ126とが、第二固定平面ミラー118と接近する方向(図5に矢印:イで示される方向)に一体移動する。そして、それにより、第一可動平面ミラー120と第一ミラーレンズ124の一体移動に伴って、赤外干渉光の集光点が蒸着重合膜16上で移動しても、かかる集光点での赤外干渉光の反射光が、常に、第二ミラーレンズ126と第二固定平面レンズ118にて反射されて、検出器90に対して正確に且つ安定的に導かれるようになっている。これらのことから明らかなように、本実施形態では、第二ミラーレンズ126と第二可動平面レンズ122と第二固定平面レンズ118とにて反射鏡が構成されている。
ところで、上記の如き構造とされた蒸着重合膜形成装置22を用いて、金属化フィルム15上に蒸着重合膜16を形成して、図1に示されるような積層構造体10を製造する際には、例えば、以下の手順に従って、その操作が進められる。
すなわち、先ず、図2に示されるように、フィルムロール50を巻出し用ローラ46に外挿して、セットする。次に、フィルムロール50から金属化フィルム15を巻き出して、キャンローラ35に巻き掛けた後、金属化フィルム15の先端部を巻取り用ローラ48に取り付ける。このとき、金属化フィルム15を、巻出し用ローラ46とキャンローラ35との間や、キャンローラ35と巻取り用ローラ48との間において、それらの間にそれぞれ設置された複数の補助ローラ49に密接するように巻き掛ける。これにより、巻出し用ローラ46とキャンローラ35との間での金属化フィルム15のテンションを高める。
なお、フィルムロール50を構成する金属化フィルム15としては、好ましくは5μm以下の厚さを有するものが用いられる。即ち、ここで用いられる金属化フィルム15は、樹脂フィルム12と、樹脂フィルム12の両面に積層形成された金属蒸着膜14a,14bのそれぞれの厚さの合計が5μm以下の範囲内の値とされているものであることが望ましい。それによって、最終的に得られる積層構造体10の厚さを十分に薄く、具体的には10μm以下程度の薄い厚さと為し得るからである。
一方、そのような金属化フィルム15のキャンローラ35への巻掛け操作と同時に、或いはその操作の前後に、キャンローラ35に内蔵の冷却機構52を作動させて、キャンローラ35の外周面を冷却する。これによって、キャンローラ35に巻き掛けられた金属化フィルム15を冷却する。この冷却機構52による金属化フィルム15の冷却温度は、特に限定されるものではなく、金属化フィルム15に対して実施される、後述の蒸着重合操作が安定的に実施可能な温度とされ、一般には、−15〜40℃程度とされる。
また、金属化フィルム15のキャンローラ35への巻掛け操作の終了後に、三つの真空ポンプ44,44,44を作動させて、主室26の第一及び第二真空室38,40内と副室28内とを減圧して、真空状態とする。このとき、第一真空室38と副室28内の圧力を10-4〜100Pa程度とする。また、第二真空室40内の圧力を第一真空室38と副室28内の圧力よりも低い圧力、例えば10-4〜10Pa程度とする。これにより、後述する真空蒸着重合操作の実施に際して、原料モノマー(ジイソシアネート蒸気とジアミン蒸気)が、第二真空室40内から第一真空室38に侵入することが有効に阻止されて、原料モノマーや蒸着重合膜16の第一真空室38の内壁面への付着が効果的に防止され得る。そして、その結果、第一真空室38の内壁面に付着した原料モノマーや蒸着重合膜16の除去作業から有利に開放され得ることとなる。
次に、キャンローラ35を回転させる駆動モータを回転駆動させて、キャンローラ35を図2の矢印:A方向に回転させる。それと同時に、巻取り用ローラ48も回転駆動させる。これにより、フィルムロール50から巻き出される金属化フィルム15を副室28内から主室26内に送り出して、金属化フィルム15を矢印:A方向に走行させる一方、キャンローラ35から送り出された金属化フィルム15の巻取り用ローラ48による巻取りを可能とする。このとき、キャンローラ35から送り出された金属化フィルム15は、複数の補助ローラ49の周面上を走行させられる。
そして、そのようにして金属化フィルム15を走行させる一方で、複数のモノマー蒸気供給装置76のそれぞれの第一蒸発源78aの第一モノマーポット80a内のジイソシアネートを第一ヒータ82aにて加熱し、蒸発させて、ジイソシアネート蒸気を発生させる。また、それと同時に、第二蒸発源78bの第二モノマーポット80b内のジアミンを第二ヒータ82bにて加熱し、蒸発させて、ジアミン蒸気を発生させる。
このとき、モノマー蒸気供給装置76の第一蒸発源78aと第二蒸発源78bにおいて発生させられるジイソシアネート蒸気とジアミン蒸気の蒸気圧が、それぞれ、予め設定された値となるように、第一ヒータ82aと第二ヒータ82bの加熱温度が、コントローラ79によって制御される。なお、ジイソシアネート蒸気とジアミン蒸気の蒸発量は、それらの蒸気圧によって大きく左右される。そのため、ここでは、コントローラ79による第一及び第二ヒータ82a,82bの温度制御が、好ましくは±0.01℃程度の範囲内で厳密に制御されることとなる。
そして、モノマー蒸気供給装置76の第一及び第二蒸発源78a,78bで発生したジイソシアネート蒸気とジアミン蒸気を、第一及び第二モノマー蒸気供給パイプ84a,84bを通じて吹出口部材54の混合室68内に送り込んで、均一に混合した後、成膜室70内に送り出す。その後、ジイソシアネート蒸気とジアミン蒸気の混合ガスを、成膜室70内から、吹出口56を通じて、キャンローラ35の外周面上に密接して走行する金属化フィルム15上に吹き出させる。
そして、吹出口部材54の吹出口56から吹き出されたジイソシアネート蒸気とジアミン蒸気とを、金属化フィルム15上に付着させて、それらを金属化フィルム15上で重合させる。これによって、金属化フィルム15の表面上に、ポリユリア樹脂膜からなる蒸着重合膜16を積層形成する。そうして、積層構造体10を得る。
なお、ここでは、吹出口部材54の幅方向に対向する二つの第二側壁部62,62の対向面間距離(キャンローラ35の外周面の幅方向に対応する方向の寸法)が、樹脂フィルム12における蒸着重合膜16の形成側の面に積層される金属蒸着膜14aの幅よりも所定寸法大きくされている。これによって、上記の蒸着重合操作で形成される蒸着重合膜16の幅が、金属蒸着膜14aの幅よりも大きくされて、金属蒸着膜14aの幅方向両端面が、蒸着重合膜16の幅方向両側端部にて被覆されるようになる。
また、金属化フィルム15がキャンローラ35の外周面に密接して巻き掛けられた状態下で、吹出口部材54の吹出口56を、キャンローラ35の周方向に横切って延びる防着バー74が、金属化フィルム15の幅方向中央部に対して、隙間64を隔てて対向配置される。つまり、防着バー74が、金属化フィルム15の幅方向中央部から僅かに離間した位置で、かかる幅方向中央部を被覆して、配置される。
そのため、各吹出口部材54の吹出口56から吹き出されたジイソシアネート蒸気とジアミン蒸気とが、金属化フィルム15の幅方向中央部に付着することが、防着バー74に邪魔されて、阻止される。これによって、金属化フィルム15の幅方向中央部上では、ジイソシアネート蒸気とジアミン蒸気との重合反応が殆ど惹起されない。その結果、金属化フィルム15の幅方向中央部には、ポリユリア樹脂膜からなる蒸着重合膜16が形成されない。そうして、そのような蒸着重合膜16の非形成部位たる金属化フィルム15の幅方向中央部に、第二マージン部20が形成されるのである。
また、ここでは、前記したように、吹出口部材54の吹出口56とキャンローラ35の外周面との間の隙間64の大きさ:Dが、吹出口56の全周に亘って5mm以内とされている。そのため、吹出口56から吹き出されたジイソシアネート蒸気とジアミン蒸気の混合ガスが、隙間64を通じて、出口部材54の成膜室70内から外部(第二真空室40内)に無駄に流出することが可及的に防止される。これによって、キャンローラ35の外周面上の金属化フィルム15以外の部位へのジイソシアネート蒸気とジアミン蒸気の付着が、効果的に抑制される。そして、ジイソシアネート蒸気とジアミン蒸気が、蒸着重合操作に無駄なく有効に使用される。その結果、蒸着重合膜16の成膜レートが、極めて有利に高められる。
次に、上記のような蒸着重合操作によって、金属化フィルム15上に蒸着重合膜16を積層形成してなる積層構造体10を、キャンローラ35の回転に伴って、第二真空室40内から第一真空室38内を経て、副室28内に送り出す。また、副室28内に送り出された積層構造体10を複数の補助ローラ49に密接状態で巻き掛けて、それら複数の補助ローラ49の回転により、巻取り用ローラ48側に移送する。そして、そのような複数の補助ローラ49の回転に伴う積層構造体10の移送途中で、かかる積層構造体10の蒸着重合膜16の赤外光吸収スペクトルを、反射型赤外分光光度計86にて連続的に測定する。
すなわち、副室28内に設置された複数の補助ローラ49のうち、反射型赤外分光光度計86の光学系92上に位置する補助ローラ49に、積層構造体10が密接状態で巻き掛けられて、巻取り用ローラ48側に移送されているときに、かかる補助ローラ49の周面に密接している積層構造体10部分に積層形成された蒸着重合膜16に対して、赤外光源88から発射された赤外干渉光を、上記のように、光学系92により集光させる。また、かかる蒸着重合膜16の集光点で反射した赤外干渉光の反射光を、光学系92にて、検出器90に導く。そして、検出器90にて検出された赤外干渉光の反射光の強度に基づいて、蒸着重合膜16の集光点(測定点)での赤外光吸収スペクトルを測定する。そして、補助ローラ49の回転による積層構造体10の巻取り用ローラ48側への移送に伴って、蒸着重合膜16の長さ方向(積層構造体10の長さ方向)の互いに異なる複数箇所に赤外干渉光をそれぞれ集光させる。これにより、蒸着重合膜16の長さ方向の互いに異なる箇所にそれぞれ位置する複数の測定点で、蒸着重合膜16の赤外光吸収スペクトルを、順次、測定する。
なお、このような反射型赤外分光光度計86による蒸着重合膜16の赤外光吸収スペクトルの測定操作を実施する際には、第一及び第二移動装置134,136による第一及び第二可動支持部材130,132の移動を何等行うことなく、それら第一及び第二可動支持部材130,132を所定の位置で停止させた状態で実施する方式と、第一及び第二移動装置134,136による第一及び第二可動支持部材130,132の移動を行いながら実施する方式とが、任意に選択できる。
前者の方式を採用する場合には、蒸着重合膜16の幅方向(積層構造体10の幅方向)における測定点の位置を、積層構造体10の全長に亘って固定した状態で、蒸着重合膜16の長さ方向の異なる複数箇所での赤外光吸収スペクトルが、順次、測定される。また、後者の方式を採用する場合には、積層構造体10の移送に伴って、蒸着重合膜16の幅方向における測定点の位置を次々と変化させながら、蒸着重合膜16の長さ方向の異なる複数箇所での赤外光吸収スペクトルが、順次、測定されることとなる。
そして、そのような赤外光吸収スペクトルの連続的な測定操作によって得られた赤外光吸収スペクトルに基づいて、蒸着重合膜16の長さ方向の異なる箇所での組成や膜厚を、順次、求めるのである。また、赤外光吸収スペクトルの連続的な測定操作が、第一及び第二移動装置134,136を作動を停止させた状態で実施される際には、積層構造体10の幅方向では同じであるものの、その長さ方向では互いに異なる箇所に積層形成された蒸着重合膜16部分の組成や膜厚が、順次、求められることとなる。一方、赤外光吸収スペクトルの連続的な測定操作が、第一及び第二移動装置134,136を作動させながら実施される際には、積層構造体10の幅方向と長さ方向の両方において互いに異なる箇所に積層形成された蒸着重合膜16部分の組成や膜厚が、順次、求められることとなる。
そして、上記のようにして連続的に測定された赤外光吸収スペクトルが、積層構造体10の長さ方向において変化している場合には、かかる赤外光吸収スペクトルが変化前の状態となるように、金属化フィルム15の移送速度や金属化フィルム15に対する蒸着重合膜16の連続的な形成操作の条件等を変更する。
具体的には、上記のようにして連続的に測定された赤外光吸収スペクトルから求められる蒸着重合膜16の組成が、積層構造体10の長さ方向において変化している場合には、かかる組成の変化に基づいて、例えば、ジイソシアネート蒸気とジアミン蒸気の何れか一方の蒸気圧が上昇するように、或いは低下するように、第一蒸発源78aの第一ヒータ82aの加熱温度や第二蒸発源78bの第二ヒータ82bの加熱温度を、コントローラ79にて制御する。これによって、吹出口部材54の成膜室70内でのジイソシアネート蒸気の量とジアミン蒸気の量を適宜に調節して、蒸着重合膜16の組成を所望の組成と為すのである。
また、上記のようにして連続的に測定された赤外光吸収スペクトルから求められる蒸着重合膜16の膜厚が、積層構造体10の長さ方向において増加している場合には、例えば、キャンローラ35や巻取り用ローラ48の回転駆動速度を上昇させる。それにより、キャンローラ35の周面上を走行する金属化フィルム15の走行速度を上昇させて、蒸着重合膜16の膜厚を減少させる。
一方、上記のようにして連続的に測定された赤外光吸収スペクトルから求められる蒸着重合膜16の膜厚が、積層構造体10の長さ方向において減少している場合には、例えば、キャンローラ35や巻取り用ローラ48の回転駆動速度を低下させる。それにより、キャンローラ35の周面上を走行する金属化フィルム15の走行速度を低下させて、蒸着重合膜16の膜厚を増加させるのである。
なお、上記のようにして連続的に測定された赤外光吸収スペクトルが、積層構造体10の長さ方向において変化している場合には、その変化量によっては、キャンローラ35の周面上での金属化フィルム15に対する蒸着重合膜16の形成操作を停止させることも可能である。
その後、複数の補助ローラ49から巻取り用ローラ48側に移送された積層構造体10を、巻取り用ローラ48にて巻き取る。これによって、図1に示される構造を有する積層構造体10を巻回したフィルムロール148を得るのである。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の蒸着重合膜形成装置22にあっては、キャンローラ35の周面上で、金属化フィルム15上に蒸着重合膜16を形成して、積層構造体10を連続的に製造することができる。また、積層構造体10を連続的に製造しながら、積層構造体10の長さ方向の異なる箇所での蒸着重合膜16の組成や膜厚を連続的に求めることができる。そして、それによって、積層構造体10を連続的に製造しながら、蒸着重合膜16の組成や膜厚を常にモニタリングすることができ、以て、積層構造体10を製造している途中で、蒸着重合膜16の組成や膜厚の変化や、積層構造体10の長さ方向での蒸着重合膜16の組成や膜厚のバラツキを把握することができる。
また、かかる蒸着重合膜形成装置22では、単に、第一移動装置134と第二移動装置136を作動させるだけで、積層構造体10を連続的に製造しながら、積層構造体10の長さ方向での蒸着重合膜16の組成や膜厚の変化やバラツキに加えて、積層構造体10の幅方向での蒸着重合膜16の組成や膜厚の変化やバラツキをも把握することもできる。
そして、そのような蒸着重合膜形成装置22を用いれば、反射型赤外分光光度計86にて測定される蒸着重合膜16の赤外光吸収スペクトルの変化に基づいて、第一及び第二蒸発源78a,78bの第一及び第二ヒータ82a,82bの加熱温度を制御したり、或いはキャンローラ35や巻取り用ローラ48の回転速度を調節することによって、積層構造体10の長さ方向での蒸着重合膜16の組成や膜厚の変化やバラツキを有利に是正することができる。その結果、金属化フィルム15に、所望の組成や膜厚を有する蒸着重合膜16を確実に積層形成することが可能となり、以て、高品質の積層構造体10を極めて安定的に得ることができる。また、それによって、積層構造体10の製造に際して、不良品の発生が効果的に回避乃至は解消され得ると共に、不良品を破棄する事態が生ずることも、効果的に防止され得ることとなるのである。
さらに、本実施形態の蒸着重合膜形成装置22においては、反射型赤外分光光度計86の光学系92が、真空チャンバ24内に設置されている。これによって、光学系92内での赤外干渉光の光路が真空中に形成され、以て、光学系92内の光路上での赤外干渉光の強度低下やノイズによる悪影響の発生が効果的に防止され得る。そして、その結果として、蒸着重合膜16の赤外光吸収スペクトルが、より正確に測定され得ることとなる。
また、光学系92のみが真空チャンバ24内に設置されているため、反射型赤外分光光度計86全体が真空チャンバ24内に設置されることによって、真空チャンバ24が大型化することがない。しかも、真空チャンバ24内の限られたスペースに反射型赤外分光光度計86全体が収容されることで、真空チャンバ24内に設置される他の部材や部品に干渉したり、更にはそのような他部材との干渉を回避するために真空チャンバ24、ひいては蒸着重合膜形成装置22の構造が複雑なものとなったりすることも、効果的に回避され得る。
そして、かかる蒸着重合膜形成装置22では、光学系92の第一及び第二可動平面ミラー120,122と第一及び第二ミラーレンズ124,126のみが移動可能とされていることで、蒸着重合膜16の集光点が、蒸着重合膜16の幅方向に変化するようになっている。これによって、蒸着重合膜16の幅方向の異なる位置での赤外光吸収スペクトルの測定が、比較的に簡略で且つコンパクトな構造により、有利に実現され得る。しかも、赤外光源88や検出器90は位置固定とされているため、蒸着重合膜16の幅方向の異なる位置での赤外光吸収スペクトルの測定精度の向上も、有利に図られ得る。
また、真空チャンバ24内に収容された光学系92の第一及び第二固定平面ミラー116,118と第一及び第二可動平面ミラー120,122と第一及び第二ミラーレンズ124,126とが、外部から遮蔽された構造を有するカバー104にて覆われている。このため、光学系92が真空チャンバ24内に収容されているにも拘わらず、各ミラー116〜126の反射面に、原料モノマーや蒸着重合膜16が付着することが有利に防止され得る。そして、それによって、それら各ミラー116〜126の反射面に付着した原料モノマーや蒸着重合膜16を除去するための作業から有利に開放され得ると共に、各ミラー116〜126の反射面への原料モノマーや蒸着重合膜16の付着による測定精度の低下が、未然に防止され得る。
さらに、本実施形態の蒸着重合膜形成装置22においては、補助ローラ49の周面に密接している積層構造体10部分に積層された蒸着重合膜16上の測定点で、赤外光吸収スペクトルが測定されるようになっている。これによって、積層構造体10の移送による蒸着重合膜16の振れがない状態で、蒸着重合膜16の赤外光吸収スペクトルが測定され、以て、測定精度が、有利に高められ得る。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、光学系92を構成する集光鏡と反射鏡の数は、特に限定されるものではなく、それら集光鏡と反射鏡の数が、それぞれ1個ずつであっても、或いは集光鏡と反射鏡のうちの少なくとも何れか一方の数が複数個であっても良い。
また、集光鏡と反射鏡とを動かす可動機構の構造も、何等限定されるものではない。例えば、集光鏡と反射鏡とをそれぞれ、一軸回りに回動させる回動機構にて、可動機構を構成し、それら集光鏡と反射鏡とを回動させて、それぞれの反射面の傾斜角度を種々変更することにより、蒸着重合膜16上の集光点(測定点)の位置を、蒸着重合膜16の幅方向に変化させても良い。
さらに、集光鏡と反射鏡とを積層構造体10の幅方向に同期して移動させる移動機構によって、可動機構を構成する場合にあっても、かかる移動機構の構造も、前記実施形態に示されるねじ送り機構を利用する構造のものに代えて、公知の構造が適宜に採用可能である。例えば、ピニオンとラックとからなるギア機構や、リンク機構、或いはシリンダ等のアクチュエータを利用した構造をもって、移動機構を構成することも可能である。
また、前記実施形態では、反射型赤外分光光度計86により測定された蒸着重合膜16の赤外光吸収スペクトルに基づいて、蒸着重合膜16の膜厚が求められるようになっていたが、反射型赤外分光光度計86とは別に、例えば、UV干渉法等により蒸着重合膜16の膜厚を測定する膜厚測定器を、蒸着重合膜形成装置22に設置しても良い。
さらに、反射型赤外分光光度計86の構造も、特に限定されるものではない。従って、反射型赤外分光光度計86として、例示のフーリエ変換型反射型赤外分光光度計に代えて、分散型反射型赤外分光光度計を採用することも可能である。
また、蒸着重合膜16の赤外光吸収スペクトルの測定点(赤外干渉光の集光点)の位置は、特に限定されるものではない。しかしながら、例えば、キャンローラ35と補助ローラ49との間や、補助ローラ49間、或いは補助ローラ49と巻取り用ローラ48との間に配置される積層構造体10部分では、積層構造体10の移送に伴って、蒸着重合膜16に振動が生ずる可能性があるため、そのような積層構造体10に積層形成された蒸着重合膜16上に測定点を位置させたときには、赤外光吸収スペクトルの測定精度を確保することが困難となる恐れがある。それ故、蒸着重合膜16の赤外光吸収スペクトルの測定点は、積層構造体10の移送に伴う振動の発生が実質的にゼロとされ得る蒸着重合膜16上、具体的には、補助ローラ49に密接している積層構造体10部分に積層形成された蒸着重合膜16上か、或いはキャンローラ35に密接している積層構造体10部分に積層形成された蒸着重合膜上に位置していることが、望ましいのである。
さらに、反射型赤外分光光度計86によって測定される赤外光吸収スペクトルの変化を検出する検出手段と、かかる検出手段によって赤外光吸収スペクトルの変化が検出されたときに、赤外光吸収スペクトルが変化する前の状態となるように、つまり、蒸着重合膜16の膜厚や組成が変化したことを検出したときに、それらが変化する前の状態となるように、例えば、巻取り用ローラ48やキャンローラ35の回転速度を調節したり、或いは第一及び第二蒸発源78a,78bの第一及び第二ヒータ82a,82bの加熱温度を調節したりして、蒸着重合膜16の膜厚や組成を常に一定となすべく制御する制御手段とを
設けることも可能である。
加えて、前記実施形態では、本発明を、フィルムコンデンサ素子に利用可能な積層構造体を製造するのに用いられる蒸着重合膜形成装置と蒸着重合膜の形成方法に適用したものの具体例を示したが、本発明は、基材フィルム上に、蒸着重合膜を真空蒸着重合法によって連続的に形成する蒸着重合膜形成装置と蒸着重合膜の形成方法の何れに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
10 積層構造体 15 金属化フィルム
16 蒸着重合膜 22 蒸着重合膜形成装置
24 真空チャンバ 35 キャンローラ
46 巻出し用ローラ 48 巻取り用ローラ
49 補助ローラ 54 吹出口部材
76 モノマー蒸気供給装置 78a 第一蒸発源
78b 第二蒸発源 86 反射型赤外分光光度計
88 赤外光源 90 検出器
92 光学系 94 フーリエ変換器
100,114 赤外光透過性部材 104 カバー
116 第一固定平面ミラー 118 第二固定平面ミラー
120 第一可動平面ミラー 122 第二可動平面ミラー
124 第一ミラーレンズ 126 第一ミラーレンズ
134 第一移動装置 136 第二移動装置

Claims (9)

  1. 基材フィルムのロールから巻き出された該基材フィルムに対して、蒸着重合膜を連続的に積層形成するための装置であって、排気手段による空気の排出により真空状態とされる真空チャンバを有すると共に、前記基材フィルムのロールから該基材フィルムを巻き出す巻出し用ローラと、該ロールから巻き出された該基材フィルムを巻き取る巻取り用ローラと、該巻出し用ローラから巻き出された該基材フィルムが巻き掛けられて、回転駆動することにより、該基材フィルムを該巻取り用ローラに移送する成膜用ローラと、該成膜用ローラに巻き掛けられて、移送される該基材フィルムに対して、回転駆動する該成膜用ローラの周面上で、前記蒸着重合膜を真空蒸着重合法により連続的に積層形成する蒸着重合手段とが、該真空チャンバ内に設置されてなるものにおいて、
    赤外光源と分光手段と検出器と光学系とを備えた反射型赤外分光光度計を有すると共に、該赤外光源から発射されて、該分光手段により分光された赤外光を、前記基材フィルムに積層形成された前記蒸着重合膜上に集光させる集光鏡と、該蒸着重合膜上の集光点での反射光を更に反射させて、該検出器に導く反射鏡とが、該光学系に設けられ、更に、該集光鏡が、該基材フィルムの移送に伴って、該蒸着重合膜上での該赤外光の集光点の位置を該基材フィルムの長さ方向に変化させ得る位置に配置されていることを特徴とする蒸着重合膜形成装置。
  2. 前記光学系が、前記真空チャンバの内部に設置されている一方、前記赤外光源と前記分光手段と前記検出器が、該真空チャンバの外部に設置されている請求項1に記載の蒸着重合膜形成装置。
  3. 前記光学系の前記集光鏡と前記反射鏡とが、それら集光鏡と反射鏡への前記蒸着重合膜の付着を阻止するカバーにて覆われていると共に、該カバーのうち、少なくとも、前記赤外光源から発射された赤外光が、前記蒸着重合膜上の前記集光点で反射して、前記検出器に到達するまでの赤外光の光路上に位置する該カバー部分が、赤外光透過性部材にて構成されている請求項1又は請求項2に記載の蒸着重合膜形成装置。
  4. 前記光学系の前記集光鏡と前記反射鏡とを同期して動かすことができる可動機構が設けられて、前記蒸着重合膜上での前記集光点の位置が、該可動機構による該集光鏡の動きによって、該基材フィルムの幅方向に変化させられるようになっている請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載の蒸着重合膜形成装置。
  5. 前記可動機構が、前記集光鏡と前記反射鏡とを前記基材フィルムの幅方向に同期して移動させる移動機構にて構成されて、前記蒸着重合膜上での前記集光点の位置が、該移動機構による該集光鏡の移動に伴って、該基材フィルムの幅方向に変化させられるようになっている請求項4に記載の蒸着重合膜形成装置。
  6. 前記蒸着重合膜が表面に積層形成された前記基材フィルムが、前記成膜用ローラから前記巻取り用ローラへの移送途中で巻き掛けられて、前記真空チャンバ内に設置される補助ローラと、該成膜用ローラのうちの何れか一方に、該基材フィルムが密接している状態下で、それら何れか一方のローラに密接している該基材フィルム部分に形成された該蒸着重合膜上に赤外光を集光させる位置に、前記集光鏡が配置されている請求項1乃至請求項5のうちの何れか1項に記載の蒸着重合膜形成装置。
  7. 真空状態とされた真空チャンバ内で、基材フィルムのロールから巻き出された該基材フィルムを成膜用ローラに巻き掛けた状態で、該成膜用ローラを回転駆動させて、該基材フィルムを移送させつつ、真空蒸着重合法による成膜操作を実施することにより、該成膜用ローラの周面上で、該基材フィルムに蒸着重合膜を連続的に形成するに際して、
    前記基材フィルムに対する前記蒸着重合膜の連続的な形成操作を実施しながら、該基材フィルムの長さ方向の異なる箇所にそれぞれ位置する、該蒸着重合膜上の複数の測定点での該蒸着重合膜の赤外光吸収スペクトルを、反射型赤外分光光度計により、前記成膜用ローラによる該基材フィルムの移送に伴って、順次、測定することを特徴とする蒸着重合膜の形成方法。
  8. 前記反射型赤外分光光度計の赤外光源からの赤外光の前記蒸着重合膜への照射位置を、前記基材フィルムの幅方向に変化させることにより、該基材フィルムの幅方向の異なる箇所にそれぞれ位置する、該蒸着重合膜上の複数の測定点での該蒸着重合膜の赤外光吸収スペクトルを、該反射型赤外分光光度計を用いて更に測定するようにした請求項7に記載の蒸着重合膜の形成方法。
  9. 前記基材フィルムの長さ方向において互いに異なる箇所に位置する、前記蒸着重合膜上の複数の測定点で、前記成膜用ローラによる該基材フィルムの移送に伴って、順次、測定される赤外光吸収スペクトルが変化したときに、該赤外光吸収スペクトルが変化前の状態となるように、該基材フィルムの移送速度と該基材フィルムに対する該蒸着重合膜の連続的な形成操作の条件のうちの少なくとも何れか一方を変更するようにした請求項7又は請求項8に記載の蒸着重合膜の形成方法。
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