JP2013110869A - 直流き電保護継電装置及び故障検出方法 - Google Patents

直流き電保護継電装置及び故障検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高抵抗地絡故障を検出することが可能な直流き電保護継電装置及び故障検出方法を提供することにある。
【解決手段】入力手段は、変電所から供給される電流を、単位時間毎に入力する。第1の算出手段は、単位時間毎に入力された電流に基づいて単位時間当たりの電流変化量を算出する。保持手段は、算出された電流変化量の最大値を単位時間毎に保持する。第2の算出手段は、単位時間毎に保持手段に保持された電流変化量の最大値を積算することによって動作量を算出する。検出手段は、算出された動作量に基づいて変電所から電流が供給される区間内の故障を検出する。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、直流き電保護継電装置及び故障検出方法に関する。
一般的に、一定時間毎の電流変化量(ΔI)を検出する故障選択リレーを用いて、故障電流(き電回路における故障に応じて生じる電流)と負荷電流(電気車の走行電流)とを判別することによって、直流電気鉄道のき電回路の故障を検出して保護する方式(保護方式)が知られている。
特開昭57−13924号公報 特開2007−49858号公報
電気鉄道ハンドブック編集委員会編「電気鉄道ハンドブック」,コロナ社,2007 電気学会技術報告 第542号,「直流電気鉄道における保護および保護協調に関する調査」,電気学会,1995
しかしながら、直流き電回路において、き電線または電車線が当該き電線または電車線を支持する構造物に接触するような故障(高抵抗地絡故障)が発生した場合、当該故障に応じて生じる故障電流は、他の故障の場合と比較して小さい。このため、このような故障電流を負荷電流と区別することは困難である。従って、上記した方式では、高抵抗地絡故障を検出することは困難である。
なお、上記した方式で検出できる故障点抵抗の限界値は0.5Ω程度であるが、上記した構造物には、数十〜数千Ω程度の接地抵抗がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、高抵抗地絡故障を検出することが可能な直流き電保護継電装置及び故障検出方法を提供することにある。
実施形態に係る直流き電保護継電装置は、入力手段と、第1の算出手段と、保持手段と、第2の算出手段と、検出手段とを具備する。
入力手段は、変電所から供給される電流を、単位時間毎に入力する。
第1の算出手段は、前記単位時間毎に入力された電流に基づいて、前記単位時間当たりの電流変化量を算出する。
保持手段は、前記第1の算出手段によって算出された電流変化量の最大値を前記単位時間毎に保持する。
第2の算出手段は、前記単位時間毎に前記保持手段に保持された電流変化量の最大値を積算することによって動作量を算出する。
検出手段は、前記第2の算出手段よって算出された動作量に基づいて前記変電所から電流が供給される区間内の故障を検出する。
第1の実施形態に係る直流き電保護継電装置を備える直流電気鉄道の直流き電回路の構成を示す図。 本実施形態に係る直流き電保護継電装置7の動作について説明するための図。 本実施形態に係る直流き電保護継電装置7による高抵抗地絡故障の検出について具体的に説明するための図。 高抵抗地絡故障Rfが発生した場合の各変電所SS1〜SS4におけるき電電流I1〜I4の一例を示す図。 高抵抗地絡故障Rfが発生した場合の各変電所SS1〜SS4におけるレール電圧Ep1〜Ep4の一例を示す図。 図5に示すレール電圧Ep1〜Ep4の電圧値のスケールを拡大した図。 図4に示すき電電流I1〜I4における単位時間当たりの電流変化量ΔIsp1〜ΔIsp4の一例を示す図。 第1〜第4の直流き電保護継電装置7において単位時間毎に保持される電流変化量の最大値MAXdI1〜MAXdI4の一例を示す図。 第1〜第4の直流き電保護継電装置7において算出された動作量ΣMAXdI1〜ΣMAXdI4の一例を示す図。 第2の実施形態に係る直流き電保護継電装置7の動作について説明するための図。 第3の実施形態に係る直流き電保護継電装置を備える直流電気鉄道の直流き電回路の構成を示す図。 本実施形態に係る直流き電保護継電装置70の動作について説明するための図。 第4の実施形態に係る直流き電保護継電装置を備える直流電気鉄道の直流き電回路の構成を示す図。 本実施形態に係る直流き電保護継電装置700の動作について説明するための図。
以下、図面を参照して、各実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る直流き電保護継電装置を備える直流電気鉄道の直流き電回路の構成を示す。
図1に示す直流き電回路は、変電所から送り出された電力(電流及び電圧)を電気車に供給するための回路である。なお、変電所は、電気車が走行する区間において例えば数十km間隔で設けられている。各変電所は、当該変電所に対応する区間に対して電力を供給する。
図1に示すように、直流き電回路は、電源1、整流器(SR)2、トロリ線3、レール4、電流センサ(CT)5、電圧センサ(VT)6、直流き電保護継電装置(保護リレー)7及び直流高速度遮断器(HSCB)8を含む。なお、直流き電回路に含まれる電源1、整流器2及び直流高速度遮断器8は、上記した各変電所の構内に設けられている。
このような直流き電回路において、変電所は、電源(三相交流電源)1を整流器2で直流に変換して電気車に供給する。
このように変電所から供給される電流(き電電流)は、トロリ線4からレール5を経由して変電所に帰還する。
このとき、き電電流は、電流センサ5でレベル変換されて、直流き電保護継電装置7に取り込まれる。また、変電所から電力が供給される区間における大地及びレール間の電圧(レール電圧)は、電圧センサ6でレベル変換されて、直流き電保護継電装置7に取り込まれる。なお、この電流センサ5でレベル変換されたき電電流(I)及び電圧センサ6でレベル変換されたレール電圧(Ep)は、単位時間毎に直流き電保護継電装置7に取り込まれる。
直流き電保護継電装置7は、上記した変電所から電力が供給される区間における故障(特に、高抵抗地絡故障)を検出するために用いられる。なお、本実施形態においては、対応する変電所の構外での高抵抗地絡故障を検出対象としている。
なお、図1においては省略されているが、直流き電回路において、直流き電保護継電装置7は、各変電所に対応して設けられている。以下、直流き電保護継電装置7によって故障が検出される区間(つまり、直流き電保護継電装置7に対応する変電所から電力が供給される区間)を便宜的に保護区間と称する。
直流き電保護継電装置7は、入力部71、動作量演算部72及び判定処理部73を含む。
入力部71は、入力変換器及びアナログ/ディジタル変換器を含む。入力変換器は、直流き電保護継電装置7に取り込まれたき電電流(I)及びレール電圧(Ep)のレベル変換を行う。アナログ/ディジタル変換器は、入力変換器によってレベル変換が行われたき電電流及びレール電圧のディジタル量への変換(量子化)が行われる。
動作量演算部72は、入力部71に含まれるアナログ/ディジタル変換器によって量子化されたき電電流(量)及びレール電圧(量)に基づいて演算を実施し、動作量(保護区間における動作量)を算出する。
判定処理部73は、動作量演算部72によって算出された動作量に基づいて、直流き電回路の故障を判定(検出)する。
判定処理部73によって故障が検出された場合、直流高速度遮断器8に対してトリップ指令が送出される。
直流高速度遮断器8は、トリップ指令に応じて、整流器2からのき電電流を遮断する機能を有する。
次に、図2を参照して、本実施形態に係る直流き電保護継電装置7の動作について説明する。
まず、入力部71は、電流センサ5でレベル変換されたき電電流(I)及び電圧センサ6でレベル変換されたレール電圧(Ep)を入力する。なお、き電電流I及びレール電圧Epは、単位時間毎に入力される。
入力部71によって入力されたき電電流I及びレール電圧Epは、入力部71に含まれる入力変換器でレベル変換された後に、当該入力部71に含まれるアナログ/ディジタル変換器で量子化され、動作量演算部72に渡される。つまり、動作量演算部72では、単位時間毎に、き電電流(量)及びレール電圧(量)が取得される。
以下、直流き電保護継電装置7に含まれる動作量演算部72によって行われる処理について説明する。ここでは、き電電流I及びレール電圧Epが取得されたものとして説明する。なお、以下に説明する処理は、き電電流及びレール電圧が取得される度(つまり、単位時間毎)に実行される。
この場合、動作量演算部72は、単位時間当たりの電流変化量(ΔIsp)を算出する。この単位時間当たりの電流変化量ΔIspは、以下の式(1)により算出される。
Figure 2013110869
なお、この式(1)において、Im−1は、過去の電流、すなわち、き電電流Iの直前(単位時間前)に取得された電流(量)を示す。
なお、例えば回生失効時の不要動作を防止するために、負領域の電流変化量は零とするように処理がされても構わない。
一方、動作量演算部72は、以下の式(2)に示すように、レール電圧Epが予め定められた値(kEp)以上であるか否かを判定する。
Figure 2013110869
なお、kEpは、例えば定常のレール電圧より高い値であり、故障判定のために適切な値が設定されているものとする。
式(2)を満たさない、すなわち、レール電圧EpがkEp以上でないと判定された場合には、以降の処理は実行されない。
一方、式(2)を満たす、すなわち、レール電圧EpがkEp以上であると判定された場合、動作量演算部72は、算出された単位時間当たりの電流変化量(ΔIsp、ΔIspm−1、ΔIspm−2…)のうち、電流変化量の最大値(MAXdI)を例えば内部に保持する。
ここで、上記したように、本実施形態に係る直流き電保護継電装置7に含まれる動作量演算部72の処理は、き電電流及びレール電圧が取得される度(つまり、単位時間毎)に実行される。つまり、き電電流I及びレール電圧Epが取得される直前のき電電流Im−1及びレール電圧Epm−1が取得された際の動作量演算部72の処理によって、当該動作量演算部72には、き電電流I及びレール電圧Epが取得されるまでの過去の電流変化量(ΔIspm−1、ΔIspm−2…)の最大値(MAXdIm−1)が保持されている。
つまり、動作量演算部72において保持される単位時間当たりの電流変化量ΔIsp、ΔIspm−1、ΔIspm−2…のうちの電流変化量の最大値MAXdIは、上記したように算出された電流変化量ΔIsp及び過去の電流変化量の最大値MAXdIm−1のうち、値が大きい方となる。
したがって、動作量演算部72は、電流変化量ΔIsp及び過去の電流変化量の最大値MAXdIm−1を比較し、値が大きい方を電流変化量の最大値MAXdIとして保持する。
このように動作量演算部72の処理がき電電流及びレール電圧が取得される度(単位時間毎)に実行されることによって、動作量演算部72では、単位時間毎に、その時点での電流変化量の最大値が保持される。
上記したように電流変化量の最大値MAXdIが保持されると、動作量演算部72は、単位時間毎の当該電流変化量の最大値(MAXdI、MAXdIm−1、…)を積算することによって、直流き電回路の保護区間における動作量(ΣMAXdI)を算出する。具体的には、この動作量ΣMAXdIは、以下の式(3)によって算出される。
Figure 2013110869
この式(3)におけるkΣIは、動作量のレベル調整に用いられる係数であり、直流き電回路の条件や動作時間等によって定められる。
判定処理部73は、動作量演算部72によって算出された動作量ΣMAXdIを予め定められた値(k)と比較する。この場合、判定処理部73は、以下の式(4)に示すように、動作量ΣMAXdIがk以上であるか否かを判定する。
Figure 2013110869
式(4)を満たす、すなわち、動作量ΣMAXdIがk以上であると判定された場合、保護区間(つまり、変電所から電流が供給される区間)内での故障が検出され、直流高速度遮断器8に対してトリップ指令が送出される。これにより、直流き電保護継電装置7に対応する変電所からの故障が検出された区間へのき電電流の供給が切断される。
ここでは、単位時間当たりの電流変化量ΔIspが式(1)によって算出されるものとして説明したが、他の方法、例えば微分演算等による方法によって当該電流変化量が算出される構成であっても構わない。
ここで、本実施形態に係る直流き電保護継電装置7による高抵抗地絡故障の検出について具体的に説明する。
ここでは、図3に示すように、例えば数十km間隔で変電所SS1〜SS4が設けられているものとする。また、変電所SS1及びSS2間の区間を区間1、変電所SS2及びSS3間の区間を区間2、変電所SS3及びSS4間の区間を区間3とする。
なお、区間1には変電所SS1及びSS2から電力が供給され、区間2には変電所SS2及びSS3から電力が供給され、区間3には変電所SS3及びSS4から電力が供給される。
ここで、区間2(つまり、変電所SS2及びSS3の間)において高抵抗地絡故障Rfが発生した場合を想定する。なお、変電所SS2から高抵抗地絡故障Rfが発生した地点(以下、単に故障点と表記)までの区間長比率は0.4であるものとする。つまり、故障点は、変電所SS2及びSS3の中間点よりも変電所SS2に近い地点である。
以下、変電所SS1〜SS4から供給されるき電電流をそれぞれき電電流I1〜I4とする。また、変電所SS1〜SS4におけるレール電圧をそれぞれレール電圧Ep1〜Ep4とする。
なお、図3においては図示しないが、直流き電回路においては、各変電所SS1〜SS4の各々に対応する直流き電保護継電装置(以下、第1〜第4の直流き電保護継電装置と表記)7が設けられている。
ここで、図4は、上記した高抵抗地絡故障Rfが発生した場合の各変電所SS1〜SS4におけるき電電流I1〜I4(の電流値)の一例を示す。
ここでは、図3に示すように、電気車L1は、変電所SS1の直下に在線して、高抵抗地絡故障時(経過時間0)に力行を開始したものとする。また、電気車L3は、高抵抗地絡故障時に変電所SS3の直下を一定速度で走行しているものとする。
この場合、変電所SS1〜SS4の各々におけるき電電流I1〜I4は、図4に示すように単位時間毎に変化する。
具体的には、上記したように変電所SS1の直下に在線している電気車L1が高抵抗地絡故障時Rfに力行を開始しているため、き電電流I1は、経過時間0から徐々に上昇している。
また、上記したように高抵抗地絡故障Rfは区間2において発生しているため、当該高抵抗地絡故障Rfに応じて生じる電流(故障電流)の影響により、き電電流I2及びI3は、経過時間0(つまり、高抵抗地絡故障時)で急峻に上昇している。なお、上記したように電気車L3が高抵抗地絡故障時に変電所SS3の直下を一定速度で走行しているため、き電電流I2は、他のき電電流と比べて高い値となっている。
一方、区間3においては高抵抗地絡故障Rfが発生していないため、き電電流I4には、故障電流の影響はない。
また、図5は、上記した高抵抗地絡故障Rfが発生した場合の各変電所SS1〜SS4におけるレール電圧Ep1〜Ep4(の電圧値)の一例を示す。
上記したように変電所SS2に近い地点で高抵抗地絡故障Rfが発生した場合、各変電所SS1〜SS4におけるレール電圧Ep1〜Ep4は、図5に示すように当該高抵抗地絡故障Rfが発生した時点(経過時間0の時点)から上昇する。
なお、図5に示すレール電圧Ep1〜Ep4の電圧値のスケールを拡大すると、図6のようになる。図6を参照すると、第1〜第4のレール電圧Epは、故障点までの距離に応じて差がある。
なお、図4に示すき電電流I1〜I4及び図5(図6)に示すレール電圧Ep1〜Ep4は、単位時間毎に第1〜第4の直流き電保護継電装置7において取り込まれる。
また、図7は、図4に示すき電電流I1〜I4における単位時間当たりの電流変化量ΔIsp1〜ΔIsp4の一例を示す。故障電流は、図4に示すように高抵抗地絡故障時から100ms前後で一定となる。このため、電流変化量ΔIsp2及びΔIsp3は、高抵抗地絡故障時から数msの間に上昇し、その後徐々に減少し、当該故障電流が一定となる高抵抗地絡故障時から100ms後の時点ではほぼ0となる。
一方、図7に示す電流変化量ΔIsp1は図4に示すき電電流I1の緩やかな上昇に応じた値となっている。また、図4に示すようにき電電流I4は変化がないため、図7に示す電流変化量ΔIsp4はほぼ0である。
なお、図7に示す電流変化量ΔIsp1〜ΔIsp4は、第1〜第4の直流き電保護継電装置7の各々に含まれる動作量演算部72によって単位時間毎に算出されるが、その詳しい説明について上記した通りであるため省略する。
ここで、高抵抗地絡故障Rfが発生すると、上記した図5及び図6に示すようにレール電圧Ep1〜Ep4は上昇するため、第1〜第4の直流き電保護継電装置7(に含まれる動作演算部72)においては、当該レール電圧Ep1〜Ep4がkEp以上であると判定されるが、この場合、第1〜第4の直流き電保護継電装置7の各々では、電流変化量の最大値が保持される。
ここで、図8は、第1〜第4の直流き電保護継電装置7において単位時間毎に保持される電流変化量の最大値MAXdI1〜MAXdI4の一例を示す。図7に示す電流変化量ΔIsp1〜ΔIsp3のように高抵抗地絡故障Rfが発生した後に電流変化量が上昇している場合には、図8に示すように電流変化量の最大値MAXdI1〜MAXdI3もそれに伴って上昇する(単位時間毎に更新される)。一方、図7に示す電流変化量ΔIsp1〜ΔIsp3のように電流変化量が下降し始めた場合には、図8に示すように当該下降前の電流変化量の最大値(つまり、過去の電流変化量の最大値)がMAXdI1〜MAXdI3として継続して保持されることになる。なお、図7に示す電流変化量ΔIsp4については変化がないため、図8に示すように、電流変化量の最大値MAXdI4についても変化はない。
図9は、第1〜第4の直流き電保護継電装置7において算出された動作量ΣMAXdI1〜ΣMAXdI4の一例を示す。
図9に示す動作量ΣMAXdI1は、単位時間毎に保持された図8に示す電流変化量の最大値MAXdI1を積算することによって算出された単位時間毎の動作量である。なお、他の動作量ΣMAXdI2〜ΣMAXdI4についても同様であるため、その詳しい説明を省略する。
図9に示すように、故障点に最も近い変電所SS2に対応する第2の直流き電保護継電装置7における動作量ΣMAXdI2の値が最も早く所定の値(k)を超過する。
このように動作量ΣMAXdI2がkを超過した場合には、第2の直流き電保護継電装置7において、直流き電回路における故障を検出することができる。更に、kを超過した動作量ΣMAXdI2を算出した第2の直流き電保護継電装置7の位置によって、直流き電回路における故障箇所(故障区間)を判別することができる。
上記したように本実施形態においては、変電所から供給される電流(き電電流)を単位時間毎に入力し、当該単位時間毎に入力された電流に基づいて当該単位時間当たりの電流変化量を算出し、当該算出された単位時間当たりの電流変化量の最大値を単位時間毎に保持し、当該単位時間毎に保持された電流変化量の最大値を積算することによって動作量を算出し、当該算出された動作量に基づいて変電所から電流が供給される区間内の故障を検出する構成により、高抵抗地絡故障を検出することが可能となる。
具体的には、高抵抗地絡故障による故障電流の電流変化量は小さいが、本実施形態においては、電流変化量の最大値を単位時間毎に保持し、当該電流変化量の最大値を加算することによって動作量を算出することで、故障点に近い変電所の電気量から算出された動作量が所定の値kに最も早く到達するため、高抵抗地絡故障を検出するとともに、故障区間を判別することができる。
また、本実施形態においては、故障発生から100ms前後の電気量(電流変化量)に着目すればよいため、故障検出のために必要とされる時間は数百msあるいは数s程度であり、非常に短い時間で地絡故障を検出することができる。
更に、本実施形態においては、放電ギャップ等の他の設備を必要としないため、故障検出のためのコストを抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る直流き電保護継電装置を備える直流電気鉄道の直流き電回路の構成は、前述した第1の実施形態と同様であるため、適宜、図1を用いて説明する。
以下、図10を参照して、本実施形態に係る直流き電保護継電装置7の動作について説明する。なお、前述した図2と同様の部分についてはその詳しい説明を省略する。ここでは、図2と異なる部分について主に述べる。
前述した第1の実施形態に係る直流き電保護継電装置7おいては、動作量演算部72に渡されるレール電圧(量)及び動作量演算部72によって算出される電流変化量には高周波ノイズが重畳している可能性がある。
このため、本実施形態においては、図10に示すように、移動平均により動作量演算部72においてレール電圧及び電流変化量の高周波ノイズが除去される。なお、移動平均においては、例えば連続した複数個のサンプリングデータが加算されればよい。
また、本実施形態においては、変電所間(つまり、直流き電保護継電装置7の各々において算出される動作量)の差異を明確にするために、動作量演算部72は、電流変化量の最大値とレール電圧との積を積算(加算)することによって直流き電回路の保護区間における動作量(ΣMAXdI)を算出する。具体的には、この動作量ΣMAXdIは、以下の式(5)によって算出される。
Figure 2013110869
また、本実施形態において、動作量算出部72は、以下の式(6)に示すように、レール電圧Epが予め定められた値(k´Ep)より小さいか否かを判定する。
Figure 2013110869
なお、k´Epは、前述したkEpと異なる値であってもよいし、同じ値であっても構わない。
式(6)を満たす、すなわち、レール電圧Epがk´Epより小さいと判定された場合、動作量演算部72は、前述したように算出された動作量をリセットする。
一方、式(6)を満たさない、すなわち、レール電圧Epがk´Ep以上であると判定された場合には、動作量はリセットされない。
換言すれば、このようにレール電圧Epがk´Epより小さいと判定された場合、保護区間においては故障が発生していないものとし、動作量がリセットされる。この場合、動作量演算部72において保持されている電流変化量の最大値もリセットされることが好ましい。
上記したように本実施形態においては、変電所から供給される電流(き電電流)とともに電圧(レール電圧)を入力し、当該レール電圧が予め定められた値(k´Ep)より小さい場合に動作量をリセットする構成により、例えば故障が復帰したにもかかわらず故障が検出され、トリップ指令が送出されることを回避することができる。
また、本実施形態においては、変電所から供給される電流(き電電流)とともに電圧(レール電圧)を入力し、保持された電流変化量の最大値と当該入力されたレール電圧との積を積算することによって動作量を算出する構成により、前述した図6に示すように故障点までの距離に応じて各変電所のレール電圧には差があるため、各変電所に対応する直流き電保護継電装置7によって算出される動作量の差異をより明確にすることができる。
また、本実施形態においては、上記したように移動平均によりレール電圧及び電流変化量の高周波ノイズを除去することにより、より正確に高抵抗地絡故障を検出することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図11は、本実施形態に係る直流き電保護継電装置を備える直流電気鉄道の直流き電回路の構成を示す。なお、前述した図1と同様の部分には同一参照符号を付してその詳しい説明を省略する。ここでは、図1と異なる部分について主に述べる。
本実施形態においては、同一区間に電流を供給する2つの変電所(つまり、保護区間両翼の変電所)の各々から供給される電流及びレール電圧が直流き電保護継電装置に取り込まれる点が、前述した第1の実施形態とは異なる。以下、同一区間に電流を供給する2つの変電所のうちの一方を第1の変電所、他方を第2の変電所と称する。
図11に示す直流き電回路においては、電源11、整流器21及び直流高速度遮断器81は、第1の変電所の構内に設けられているものとする。また、電源12、整流器22及び直流高速度遮断器82は、第2の変電所の構内に設けられているものとする。
なお、電源11及び12は、前述した図1に示す電源1と同様であるため、その詳しい説明を省略する。また、整流器21及び22は前述した図1に示す整流器2と同様であり、直流高速度遮断器81及び82は前述した図1に示す直流高速度遮断器8と同様であるため、その詳しい説明を省略する。
第1の変電所から供給されるき電電流は、電流センサ51でレベル変換されて、直流き電保護継電装置70に取り込まれる。また、第2の変電所から供給されるき電電流は、電流センサ52でレベル変換されて、直流き電保護継電装置70に取り込まれる。なお、電流センサ51及び52でレベル変換されたき電電流(Im1及びIm2)は、単位時間毎に直流き電保護継電装置70に取り込まれる。
また、第1の変電所におけるレール電圧は、電圧センサ61でレベル変換されて、直流き電保護継電装置70に取り込まれる。また、第2の変電所におけるレール電圧は、電圧センサ62でレベル変換されて、直流き電保護継電装置70に取り込まれる。なお、電圧センサ61及び62でレベル変換されたレール電圧(Epm1及びEpm2)は、上記したき電電流Im1及びIm2とともに、単位時間毎に直流き電保護継電装置70に取り込まれる。
直流き電保護継電装置70は、上記した第1及び第2の変電所から電力が供給される区間(つまり、第1及び第2の変電所間)における故障(高抵抗地絡故障)を検出するために用いられる。以下、直流き電保護継電装置70によって故障が検出される区間(つまり、第1及び第2の変電所から電力が供給される区間)を便宜的に保護区間と称する。
なお、図11においては省略されているが、直流き電保護継電装置70は、前述した第1の実施形態に係る直流き電保護継電装置7と同様に、入力部、動作量演算部及び判定処理部を含む。以下の説明では、直流き電保護継電装置70に含まれる入力部、動作量演算部及び判定処理部を便宜的に入力部71、動作量演算部72及び判定処理部73と表記する。
入力部71は、電流センサ51及び52でレベル変換されたき電電流(Im1及びIm2)と電圧センサ61及び62でレベル変換されたレール電圧(Epm1及びEpm2)とを入力する。なお、入力部71によって入力されたき電電流Im1及びIm2とレール電圧Epm1及びEpm2とは、前述した第1の実施形態と同様に、当該入力部71に含まれる入力変換器によってレベル変換が行われ、当該入力部71に含まれるアナログ/ディジタル変換器によって量子化される。
動作量演算部72は、入力部71に含まれるアナログ/ディジタル変換器によって量子化されたき電電流Im1及びIm2に基づいて合成電流を算出する。また、動作量演算部72は、入力部71に含まれるアナログ/ディジタル変換器によって量子化されたレール電圧Epm1及びEpm2に基づいて合成電圧を算出する。
なお、本実施形態においては、判定処理部73によって故障が検出された場合、直流高速度遮断器81及び82に対してトリップ指令が送出される。
以下、図12を参照して、本実施形態に係る直流き電保護継電装置70の動作について説明する。なお、前述した図2と同様の部分についてはその詳しい説明を省略する。ここでは、図2と異なる部分について主に述べる。
まず、入力部71は、電流センサ51及び52でレベル変換されたき電電流(Im1及びIm2)と電圧センサ61及び62でレベル変換されたレール電圧(Epm1及びEpm2)を入力する。なお、き電電流Im1及びIm2とレール電圧Epm1及びEpm2とは、単位時間毎に入力される。
入力部71によって入力されたき電電流Im1及びIm2と各レール電圧Epm1及びEpm2は、入力部71に含まれる入力変換器でレベル変換された後に、当該入力部71に含まれるアナログ/ディジタル変換器で量子化され、動作量演算部72に渡される。
次に、動作量演算部72は、以下の式(7)に示すように、入力部71から渡されたき電電流Im1及びIm2を加算することによって合成電流Iを算出する。
Figure 2013110869
また、動作量演算部72は、以下の式(8)に示すように、入力部71から渡されたレール電圧Epm1及びEpm2を加算することによって合成電圧Epを算出する。
Figure 2013110869
以下、直流き電保護継電装置70では、得られた合成電流I及び合成電圧Epを用いて前述した第1または第2の実施形態において説明した処理と同様の処理が実行されるが、本実施形態においては、動作量ΣMAXdIがk以上であると判定された場合、上述した図11に示す直流高速度遮断器81及び82に対してトリップ指令が送出される。
上記したように本実施形態においては、同一区間に電流を供給する2つの変電所の各々から供給される電流(き電電流)を単位時間毎に入力し、当該2つの変電所の各々から供給される電流を加算することによって単位時間毎に合成電流を算出し、当該単位時間毎に算出された合成電流に基づいて単位時間当たりの電流変化量を算出する構成により、保護区間内において高抵抗地絡故障が発生した場合に、当該保護区間両翼の変電所から取り込まれたき電電流(電気量)の合成処理が行われ、故障電流による変化量が増幅されるため、動作量演算部72において算出される動作量は前述した第1の実施形態と比較して大きくなり、より速く高抵抗地絡故障を検出することができる(つまり、高感度となる)。
また、本実施形態においては、保護区間内において高抵抗地絡故障が発生した場合、当該区間両翼の変電所に設けられている直流高速度遮断器81及び82にトリップ指令が送出されるため、当該区間両翼の故障検出感度が等しくなり、故障点までの距離による感度差が生じない。したがって、保護区間両翼の電気量の合成処理により、故障を高感度で検出することができ、かつ当該区間両翼で同時に検出することが可能となる。
なお、本実施形態においては、保護区間外で故障が発生した場合には、故障電流が区間両翼を通過するため、直流き電保護継電装置70における合成処理により故障電流分の電流変化量は相殺される。このため、本実施形態においては、より正確に保護区間内で発生した故障を検出することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。図13は、本実施形態に係る直流き電保護継電装置を備える直流電気鉄道の直流き電回路の構成を示す。なお、前述した図1と同様の部分には同一参照符号を付してその詳しい説明を省略する。ここでは、図1と異なる部分について主に述べる。
本実施形態においては、変電所から電流が供給される区間に設けられているトロリ線に供給されている電流(トロリ電流)及び当該区間に設けられているレールに供給されている電流(レール電流)が直流き電保護継電装置に取り込まれる点が、前述した第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態においては、直流き電保護継電装置に対応する変電所の構内において故障(高抵抗地絡故障)が発生する場合を想定している。
図13に示す直流き電回路は、トロリ電流センサ(CTt)501及びレール電流センサ(CTr)502を含む。
本実施形態において、トロリ線3に供給されているトロリ電流は、トロリ電流センサ501でレベル変換されて、直流き電保護継電装置700に取り込まれる。
また、本実施形態において、レール4に供給されているレール電流は、レール電流センサ502でレベル変換されて、直流き電保護継電装置700に取り込まれる。
直流き電保護継電装置700は、変電所から電力が供給される区間における故障(高抵抗地絡故障)を検出するために用いられる。以下、直流き電保護継電装置700によって故障が検出される区間(つまり、変電所から電力が供給される区間)を便宜的に保護区間と称する。
なお、図13においては省略されているが、直流き電保護継電装置700は、前述した第1の実施形態に係る直流き電保護継電装置7と同様に、入力部、動作量演算部及び判定処理部を含む。以下の説明では、直流き電保護継電装置700に含まれる入力部、動作量演算部及び判定処理部を便宜的に入力部71、動作量演算部72及び判定処理部73と表記する。
入力部71は、トロリ電流センサ501でレベル変換されたトロリ電流(Imt)及びレール電流センサ502でレベル変換されたレール電流(Imr)を入力する。入力部71によって入力されたき電電流Imt及びImrは、前述した第1の実施形態と同様に、当該入力部71に含まれる入力変換器によってレベル変換が行われ、当該入力部71に含まれるアナログ/ディジタル変換器によって量子化される。
動作量演算部72は、入力部71に含まれるアナログ/ディジタル変換器によって量子化されたトロリ電流Imt及びレール電流Imrに基づいて合成電流を算出する。
以下、図14を参照して、本実施形態に係る直流き電保護継電装置700の動作について説明する。なお、前述した図2と同様の部分いついてはその詳しい説明を省略する。ここでは、図2と異なる部分について主に述べる。
まず、入力部71は、トロリ電流センサ501でレベル変換されたトロリ電流(Imt)及びレール電流センサ502でレベル変換されたレール電流(Imr)を入力する。なお、トロリ電流Imt及びレール電流Imrは、単位時間毎に入力される。
入力部71によって入力されたトロリ電流Imt及びレール電流Imrは、入力部71に含まれる入力変換器でレベル変換された後に、当該入力部71に含まれるアナログ/ディジタル変換器で量子化され、動作量演算部72に渡される。
次に、動作量演算部72は、以下の式(9)に示すように、入力部71から渡されたトロリ電流Imtからレール電流Imrを減算することによって合成電流Imを算出する。
Figure 2013110869
以下、直流き電保護継電装置700では、得られた合成電流Iを用いて前述した第1または第2の実施形態において説明した処理と同様の処理が実行される。
上記したように本実施形態においては、変電所から電流が供給される区間に設けられているトロリ線に供給されているトロリ電流(第1の電流)及び当該区間に設けられているレールに供給されているレール電流(第2の電流)を単位時間毎に入力し、当該入力されたトロリ電流からレール電流を減算することによって単位時間毎に合成電流を算出し、当該単位時間毎に算出された合成電流に基づいて単位時間当たりの電流変化量を算出する構成により、変電所の構内における高抵抗地絡故障を検出することが可能となる。
直流き電回路において、変電所の構内、つまり、トロリ電流を取り込むトロリ電流センサより手前(変電所側)で高抵抗地絡故障が発生した場合、トロリ電流センサ501には故障電流は流れない。一方、高抵抗地絡故障が発生した場合における故障電流は、故障点からレール漏れ抵抗を経由して整流器2に帰還するため、レール電流センサ502には流れる。
したがって、本実施形態に係る直流き電保護継電装置700では、故障電流が重畳しないトロリ電流と故障電流が重畳したレール電流の差分(つまり、故障電流)の電流変化量が演算され、故障を検出することができる。
なお、トロリ電流には保護区間の負荷電流、レール電流には全区間総和の負荷電流が重畳しており、電流差を生じている可能性がある。この場合、例えば負荷電流及び故障電流の変化時定数と変化量比較時間差に応じて負荷電流差を圧縮することで、故障電流の変化分を抽出することが可能である。上述した負荷電流は緩やかに立ち上がり、故障電流は急峻に立ち上がる、つまり、負荷電流の変化時定数は大きく、故障電流の変化時定数は小さいという点に着眼し、変化量比較時間差を故障電流の変化時定数より大きく、かつ、負荷電流の変化時定数よりも小さくすることで、負荷電流差を圧縮することができる。
なお、本実施形態において、保護区間内に故障電流が流出した場合、トロリ電流とレール電流との減算により故障電流分が相殺される。また、例えば保護区間内あるいは区間外の電車線で故障が発生した場合も、トロリ電流とレール電流との減算により故障電流分が相殺される。したがって、本実施形態によれば、変電所の構内における高抵抗地絡故障のみを検出することができる。
前述した第1の実施形態に係る直流き電保護継電装置7における構成によれば変電所の構外における高抵抗地絡故障を検出することができるため、本実施形態に係る直流き電保護継電装置700における構成と当該第1の実施形態に係る直流き電保護継電装置7における構成とを組み合わせることで、変電所の構内及び構外における高抵抗地絡故障を検出可能な直流き電保護継電装置とすることも可能である。
以上説明した実施形態によれば、高抵抗地絡故障を検出することが可能な直流き電保護継電装置及び故障検出方法を提供することができる。
なお、本願発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。
1,11,12…電源、2,21,22…整流器、3…トロリ線、4…レール、5,51,52…電流センサ、6,61,62…電圧センサ、7,70,700…直流き電保護継電装置、8,81,82…直流高速度遮断器、71…入力部、72…動作演算部、73…判定処理部、501…トロリ電流センサ、502…レール電流センサ。

Claims (6)

  1. 変電所から供給される電流を、単位時間毎に入力する入力手段と、
    前記単位時間毎に入力された電流に基づいて、前記単位時間当たりの電流変化量を算出する第1の算出手段と、
    前記第1の算出手段によって算出された電流変化量の最大値を前記単位時間毎に保持する保持手段と、
    前記単位時間毎に前記保持手段に保持された電流変化量の最大値を積算することによって動作量を算出する第2の算出手段と、
    前記第2の算出手段によって算出された動作量に基づいて前記変電所から電流が供給される区間内の故障を検出する検出手段と
    を具備することを特徴とする直流き電保護継電装置。
  2. 判定手段及びリセット手段を更に具備し、
    前記入力手段は、前記変電所から供給される電流とともに電圧を入力し、
    前記判定手段は、前記入力された電圧が予め定められた値より小さいかを判定し、
    前記リセット手段は、前記入力された電圧が前記予め定められた値より小さいと判定された場合、前記第2の算出手段によって算出された動作量をリセットする
    ことを特徴とする請求項1記載の直流き電保護継電装置。
  3. 前記入力手段は、前記変電所から供給される電流とともに電圧を入力し、
    前記第2の算出手段は、前記単位時間毎に前記保持手段に保持された電流変化量の最大値と前記単位時間毎に入力された電圧との積を積算することによって前記動作量を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の直流き電保護継電装置。
  4. 第3の算出手段を更に具備し、
    前記入力手段は、同一区間に電流を供給する2つの変電所の各々から供給される電流を、前記単位時間毎に入力し、
    前記第3の算出手段は、前記入力された前記2つの変電所の各々から供給される電流を加算することによって前記単位時間毎に合成電流を算出し、
    前記第1の算出手段は、前記単位時間毎に算出された合成電流に基づいて、前記単位時間当たりの電流変化量を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の直流き電保護継電装置。
  5. 第3の算出手段を更に具備し、
    前記入力手段は、前記変電所から電流が供給される区間に設けられているトロリ線に供給されている第1の電流及び当該区間に設けられているレールに供給されている第2の電流を、前記単位時間毎に入力し、
    前記第3の算出手段は、前記入力された第1の電流から第2の電流を減算することによって前記単位時間毎に合成電流を算出し、
    前記第1の算出手段は、前記単位時間毎に算出された合成電流に基づいて、前記単位時間当たりの電流変化量を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の直流き電保護継電装置。
  6. 直流き電保護継電装置が実行する故障検出方法であって、
    変電所から供給される電流を、単位時間毎に入力するステップと、
    前記単位時間毎に入力された電流に基づいて、前記単位時間当たりの電流変化量を算出するステップと、
    前記算出された電流変化量の最大値を前記単位時間毎に保持手段に保持するステップと、
    前記単位時間毎に前記保持手段に保持された電流変化量の最大値を積算することによって動作量を算出するステップと、
    前記算出された動作量に基づいて前記変電所から電流が供給される区間内の故障を検出するステップと
    を具備することを特徴とする故障検出方法。
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