JP2011164079A - 地絡故障検出システム、モノレールの安全運転システムおよびレールが地向に接している電車の安全運転システム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は直流電気鉄道き電回路に発生した地絡故障を検出する地絡故障検出システム、モノレールの安全運転システムおよびレールが地面に接している電車の安全運転システムに関するものである。
方法が主として用いられ、直流高速度遮断器の自動選択遮断などで行われている。ここで、き電回路とは、電車に電力を送る回路のことをいう。しかし、これらの方法は検出条件として故障点抵抗が0.5Ω程度であり、高抵抗地絡故障と呼ぶ地絡現象での碍子破損や、飛来物に起因する構造物への地絡故障などに対して、故障電流が運転電流よりも小さくなる為、高抵抗地絡故障をほとんど検出保護することができない。よって、高抵抗地絡故障がいったん発生すると、長時間故障が継続してしまい、レールの締結装置及び信号・通信ケーブルなどの弱電装置の絶縁破壊を引き起こす。また、支持物・高架橋など構造物の溶損も引き起こす。その結果、事故復旧までに多くの時間を要してしまう(非特許文献1参照)。
特許文献1には、地絡した箇所の電圧振動により放電管を用いたトリガ信号を発生させて故障を検出するという方式が開示されている。しかし、この方式では装置が複雑となり、機器の高い信頼度が求められる。更に、連係線を必要とし、特定の保護区間にしか適用できないこともあり、新たな装置整備が必要となるなど、制約条件が多く、また、装置やメンテナンスコストが高くなってしまうという問題点がある。
また、特許文献2には、地絡した場合に変電所の接地マットとレール間においてあらわれる電位差の増加現象と電流の増加現象との時間的な一致性を64Pと呼ばれる装置により検出する方式が開示されている。しかし、この方式では、故障時以外でも通常の運転電流による電位差を検出する場合があり、高抵抗故障の場合の判別問題や接地マットとは別に基準点を設けることが必要となってしまうという問題点がある。
電気学会技術報告第II−542号、1995年5月「直流電気鉄道における保護および保護協調に関する調査」(発行所:社団法人電気学会、1995年5月9日発行、p.54〜55) 特開2006−234461 特開2007−282337
電気学会技術報告第II−542号、1995年5月「直流電気鉄道における保護および保護協調に関する調査」(発行所:社団法人電気学会、1995年5月9日発行、p.54〜55)
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は簡単な構造で経済的安価に高抵抗地絡故障を検出することができる地絡故障検出装置を提供することである。
本発明による地絡故障検出装置は、上記の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段をとった。
本発明の地絡故障検出システムは、直流電気鉄道き電回路において地絡故障検出装置8と演算処理装置18からなる地絡故障検出システムであって、前記地絡故障検出装置8は対地間電圧に振動を起こさせてコンデンサ接続点電圧とする振動発生用コンデンサ6と、
出用フィルタ7とを備え、前記演算処理装置18は前記地絡故障検出装置8から出力され
を要旨とする。
出用フィルタ7とを備え、前記演算処理装置18は前記地絡故障検出装置8から出力され
を要旨とする。
また、本発明の地絡故障検出システムにおいて、前記演算処理装置18は、少なくとも2か所の変電所における最大フィルタ出力電圧比と故障距離とを対応付けた第二テーブル
演算した最大フィルタ出力電圧比を前記第二テーブルに照合して故障距離を特定することを特徴とすることもできる。
演算した最大フィルタ出力電圧比を前記第二テーブルに照合して故障距離を特定することを特徴とすることもできる。
また、本発明のモノレールの安全運転システムにおいて、上記地絡故障検出システムのいずれかを有することを特徴とすることもできる。
また、本発明のレールが地面に接している電車の安全運転システムにおいて、上記地絡故障検出システムのいずれかを有することを特徴とすることもできる。
本発明の地絡故障検出装置8は、コンデンサと抵抗、計側機器だけという簡単な構造であり経済的に安価なものである。この地絡故障検出装置8を既存の回路に加えることによ
障を検出することができる。したがって、地絡故障検出装置8を用いれば、これまでは連係線などを必要として高コストであった高抵抗地絡故障の検知を経済的安価に実現することができる。さらに、従来は約0.1mSであった故障の検出速度を、本発明では0.01mSにまで早めることもできる。
障を検出することができる。したがって、地絡故障検出装置8を用いれば、これまでは連係線などを必要として高コストであった高抵抗地絡故障の検知を経済的安価に実現することができる。さらに、従来は約0.1mSであった故障の検出速度を、本発明では0.01mSにまで早めることもできる。
本発明の地路故障検出システムは、地絡故障検出装置8と演算処理装置18からなる。図1は本発明の地絡故障検出装置8をモノレールの安全運転システムに適用した際の説明図である。地絡故障検出装置8は、振動発生用コンデンサ6、検出電圧取出用フィルタ7、フィルタ出力電圧計測用電圧計9からなる。変電所16内の直流正極母線4から接続ケーブルを介して直流正極き電線2に、直流負極母線5から接続ケーブルを介して直流負極き電線3に接続されている。また、地絡故障検出装置8は直流正極母線4と直流正極き電線2の間に配置される。地絡故障検出装置8は対地に対して振動発生用コンデンサ6が接続
ンデンサ6に並列に接続される。フィルタ出力電圧計測用電圧計9は検出電圧取出用フィ
Vは外部の故障判定装置18へ出力される。演算処理装置18は図9に示すように最大フ
18の故障判定手段が第一テーブルを用いて故障が起きたかどうかの故障判定を行う。具
は図5に示すように最大フィルタ出力電圧比と故障距離とを対応付けた第二テーブルをも備え、演算処理装置18の故障点標定手段が第二テーブルを用いて故障距離を特定する故障点標定を行う。具体的には、演算処理装置18の電圧比演算手段が地絡故障検出装置8
点標定手段が演算された最大フィルタ出力電圧比を第二テーブルに照合して故障距離を特定する。
次に、コンデンサ接続点19は直流正極き電線2と接続線17との交点である。通信手段20は、あるき電区分内に存在するそれぞれの変電所における各演算処理装置18を通信ケーブルなどで接続し、各演算処理装置18内部で故障判定又は故障点標定を行う。本発明では演算処理装置18自身で故障判定又は故障点標定を行ったが、通信手段20が図示していない別の装置に各演算処理装置18で得られたデータを送信し、故障判定及び故障点標定を行わせることもできる。なお、軌道桁1はき電線を支持するための土台である。また、電流が直流正極母線4から接続線17を介して直流正極き電線2へ伝わり、その後電車を通して、直流負極き電線3から接続線17を介して直流負極母線5へ伝わる。
ンデンサ6に並列に接続される。フィルタ出力電圧計測用電圧計9は検出電圧取出用フィ
Vは外部の故障判定装置18へ出力される。演算処理装置18は図9に示すように最大フ
18の故障判定手段が第一テーブルを用いて故障が起きたかどうかの故障判定を行う。具
は図5に示すように最大フィルタ出力電圧比と故障距離とを対応付けた第二テーブルをも備え、演算処理装置18の故障点標定手段が第二テーブルを用いて故障距離を特定する故障点標定を行う。具体的には、演算処理装置18の電圧比演算手段が地絡故障検出装置8
点標定手段が演算された最大フィルタ出力電圧比を第二テーブルに照合して故障距離を特定する。
次に、コンデンサ接続点19は直流正極き電線2と接続線17との交点である。通信手段20は、あるき電区分内に存在するそれぞれの変電所における各演算処理装置18を通信ケーブルなどで接続し、各演算処理装置18内部で故障判定又は故障点標定を行う。本発明では演算処理装置18自身で故障判定又は故障点標定を行ったが、通信手段20が図示していない別の装置に各演算処理装置18で得られたデータを送信し、故障判定及び故障点標定を行わせることもできる。なお、軌道桁1はき電線を支持するための土台である。また、電流が直流正極母線4から接続線17を介して直流正極き電線2へ伝わり、その後電車を通して、直流負極き電線3から接続線17を介して直流負極母線5へ伝わる。
振動発生用コンデンサ6は、下記式(1)および(2)により定める容量にすることができる。
これにより、通常の運転に支障を及ぼさず、且つ、微細な故障による異常を見逃すこともなくなる。通常振動発生用コンデンサ6の容量は好ましくは0.05μF、更に好ましくは0.1〜0.05μFである。
故障時の対地間電圧に振動を引き起こさせたコンデンサ接続点電圧の電圧降下の振動周波数を取り出す装置として、本発明では検出電圧取出用フィルタ7を使用する。検出電圧取出用フィルタ7は、図3に示すように、ローパスフィルタ(a)とハイパスフィルタ(b)を組み合わせたバンドフィルタ(c)で構成され、単純なRC回路で構成することで低コスト性で経済的にも優れたものにできる。抵抗R、コンデンサCの値についてはき電系統に現れるインバータ車両からのノイズを取り除くように遮断周波数を考慮して検出電圧取出用フィルタの回路を構成する事が必要である。整流器によるリップルの周波数720Hzと高々4kHzとみられるインバータのノイズ周波数よりも高い周波数にするために振
なる。従って、故障シグナル(60kHz)の検出に不要となる振動をカットする為に、ハイパスフィルタ遮断周波数(FCH)を58.5kHzに、ローパスフィルタ遮断周波数(FCL)を66.5kHzにした。このローパスフィルタを形成する抵抗(RL)及びハイパスフィルタを形成する抵抗(RH)をそれぞれ1kΩとすると、
なる。従って、故障シグナル(60kHz)の検出に不要となる振動をカットする為に、ハイパスフィルタ遮断周波数(FCH)を58.5kHzに、ローパスフィルタ遮断周波数(FCL)を66.5kHzにした。このローパスフィルタを形成する抵抗(RL)及びハイパスフィルタを形成する抵抗(RH)をそれぞれ1kΩとすると、
5V、更に好ましくは3Vである。以上のようにして、検出電圧取出用フィルタ7はコン
用コンデンサ6の付加により対地間電圧に振動が発生し、この振動するコンデンサ接続点
する。演算処理装置18の故障判定手段は、検出電圧取出用フィルタ7から出力されたフ
に故障があったと判定する。また、演算処理装置18の電圧比演算手段が地絡故障検出装
故障点標定手段が演算された最大フィルタ出力電圧比を上記第二テーブルに照合して故障距離を特定する。
する。演算処理装置18の故障判定手段は、検出電圧取出用フィルタ7から出力されたフ
に故障があったと判定する。また、演算処理装置18の電圧比演算手段が地絡故障検出装
故障点標定手段が演算された最大フィルタ出力電圧比を上記第二テーブルに照合して故障距離を特定する。
次に地絡故障検出装置8の動作状態について説明する。まず直流正極き電線2において碍子の破損や飛来物などにより地絡故障が発生すると、故障点において図2のような電圧降下が引き起こされる。(a)は故障点の抵抗がほぼない状態(b)は故障点の抵抗がある状態である。この電圧降下によって振動発生用コンデンサ6と故障点の間に過渡現象が起
フィルタ出力電圧計測用電圧計9によって計測することで故障を検出する。発明者は沖縄モノレールを対象とするき電回路にみたてて、解析し研究を行なった。通常コンデンサの容量としては0.05〜0.1μFが使用される。振動発生用コンデンサ6の値を0.05μFに選定し、シミュレーションを行った結果を図6、図7に示す。図6は比較の為に振動発生用コンデンサ6を付加しない場合の結果である。急峻な電圧変化が起こっているが信号の振動が少なくノイズとの判別ができない。図7は本発明の一実施態様を示すものである。故障はA変電所とB変電所の間で起こることを想定している。10はA変電所の
用コンデンサ6を用いることにより、図7の波形12に先ほどの電圧降下に対して十分な
はこの故障時の振動波形のみを振動発生用コンデンサ6を用いて取り出す。図11にフィ
フィルタ出力電圧計測用電圧計9によって計測することで故障を検出する。発明者は沖縄モノレールを対象とするき電回路にみたてて、解析し研究を行なった。通常コンデンサの容量としては0.05〜0.1μFが使用される。振動発生用コンデンサ6の値を0.05μFに選定し、シミュレーションを行った結果を図6、図7に示す。図6は比較の為に振動発生用コンデンサ6を付加しない場合の結果である。急峻な電圧変化が起こっているが信号の振動が少なくノイズとの判別ができない。図7は本発明の一実施態様を示すものである。故障はA変電所とB変電所の間で起こることを想定している。10はA変電所の
用コンデンサ6を用いることにより、図7の波形12に先ほどの電圧降下に対して十分な
はこの故障時の振動波形のみを振動発生用コンデンサ6を用いて取り出す。図11にフィ
Vmaxと故障点における抵抗値である故障抵抗との関係を示す。最大フィルタ出力電圧
xは、故障距離が大きくなるにつれて小さくなることが分かる。さらに、図10に、故障
依存しないことが分かる。したがって、故障抵抗と故障距離に依存している最大フィルタ
xは、故障距離が大きくなるにつれて小さくなることが分かる。さらに、図10に、故障
依存しないことが分かる。したがって、故障抵抗と故障距離に依存している最大フィルタ
を検知すれば、その変電所間に故障点があると判断することもできる。図4に示すように、隣り合う二つの変電所間の距離(5.792km)の中間(2.896km)に故障点が
比である最大フィルタ出力電圧比は1に近くなる。ここで、最大フィルタ出力電圧比と故障距離との関係を予め対応付けた第二テーブルを利用すれば、検出した最大フィルタ出力電圧比から故障距離を求めて故障点標定をすることができる。測定点を2カ所にすることで、複数の情報からより精確に故障点標定をすることができる。また、測定点を3か所以上にすれば、さらに精確に故障点標定をすることができる。
比である最大フィルタ出力電圧比は1に近くなる。ここで、最大フィルタ出力電圧比と故障距離との関係を予め対応付けた第二テーブルを利用すれば、検出した最大フィルタ出力電圧比から故障距離を求めて故障点標定をすることができる。測定点を2カ所にすることで、複数の情報からより精確に故障点標定をすることができる。また、測定点を3か所以上にすれば、さらに精確に故障点標定をすることができる。
またモノレールの実施形態を例にしたが一般的なレールが地面に接している直流電気鉄道のき電回路も変電所の構成やシステムは同様であり、本発明の地絡故障検出装置8は適用可能である。この方式をモノレールではなく、一般的なレールが地面に接している電気鉄道き電回路に導入する際には振動発生用コンデンサ6を対地間ではなく図12のように正き電線2と負き電線3の間に入れることで図13に示すような、レールが地面から浮いているき電回路のときと同様な効果を得ることができる。故障がC変電所とD変電所の間
を42.9kHzに、ローパスフィルタ遮断周波数(FCL)を43.6kHzに、このローパスフィルタを形成する抵抗(RL)及びハイパスフィルタを形成する抵抗(RH)をそれぞれ1kΩとすると、
を42.9kHzに、ローパスフィルタ遮断周波数(FCL)を43.6kHzに、このローパスフィルタを形成する抵抗(RL)及びハイパスフィルタを形成する抵抗(RH)をそれぞれ1kΩとすると、
Claims (6)
- 請求項1乃至4のいずれかの地絡故障検出システムを有する、モノレールの安全運転システム。
- 請求項1乃至4のいずれかの地絡故障検出システムを有する、レールが地面に接している電車の安全運転システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010047085A JP2011164079A (ja) | 2010-02-12 | 2010-02-12 | 地絡故障検出システム、モノレールの安全運転システムおよびレールが地向に接している電車の安全運転システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2010047085A JP2011164079A (ja) | 2010-02-12 | 2010-02-12 | 地絡故障検出システム、モノレールの安全運転システムおよびレールが地向に接している電車の安全運転システム |
Publications (1)
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JP2011164079A true JP2011164079A (ja) | 2011-08-25 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2011164079A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013077152A1 (ja) * | 2011-11-21 | 2013-05-30 | 株式会社 東芝 | 直流き電保護継電装置及び故障検出方法 |
CN109470980A (zh) * | 2018-03-12 | 2019-03-15 | 国家电网公司 | 电缆检修安全检测装置 |
CN110780155A (zh) * | 2019-11-12 | 2020-02-11 | 国网新疆电力有限公司经济技术研究院 | 基于零序有功分量的10kV配电网单相接地定位方法 |
-
2010
- 2010-02-12 JP JP2010047085A patent/JP2011164079A/ja active Pending
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WO2013077152A1 (ja) * | 2011-11-21 | 2013-05-30 | 株式会社 東芝 | 直流き電保護継電装置及び故障検出方法 |
JP2013110869A (ja) * | 2011-11-21 | 2013-06-06 | Toshiba Corp | 直流き電保護継電装置及び故障検出方法 |
CN109470980A (zh) * | 2018-03-12 | 2019-03-15 | 国家电网公司 | 电缆检修安全检测装置 |
CN110780155A (zh) * | 2019-11-12 | 2020-02-11 | 国网新疆电力有限公司经济技术研究院 | 基于零序有功分量的10kV配电网单相接地定位方法 |
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A711 | Notification of change in applicant |
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