JP6599802B2 - 直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法 - Google Patents

直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法 Download PDF

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Description

本発明は直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法に関するものであり、詳細には、直流電鉄用変電所の整流器用変圧器と整流器との間の接続線での地絡故障が発生したときにそれを検出する直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法に関する。
従来より直流電鉄用変電所において、直流母線の地絡故障が発生した場合にはその多大な地絡電流により変電所機器の焼損等の障害が発生する。そこで、本出願人は鋭意研究により、下記特許文献(特開2010−42784号公報)に示すように、変電所の接地マットと帰線間の電圧を検知し、できる限り速やかに変電所を停電し、変電所設備への損傷を抑え、変電所を保護する地絡故障検出方法を実現する直流高圧接地継電器を発明し、実用化されるに至っている。
図6は従来の直流高圧接地継電器の構成を示す図である。図6に示す直流高圧接地継電器90は、変電所の接地マット91と帰線92の間に設置され、その間の電位差を測定する電位差測定部93を有し、この電位差測定部93が閾値以上の電圧を検出するときに交流遮断器95Aおよび直流高速度遮断器95に遮断信号を送って直流母線94への電力供給を遮断させるものである。なお、96は整流器用変圧器、97は整流器、98は接地線、99は真の大地、96Aは整流器用変圧器96と整流器97を接続する接続線、96Bはこの接続線96Aの遮蔽層、98Rは接続線96Aと遮蔽層96Bの間の絶縁抵抗である。
前記構成の直流高圧接地継電器90を用いた地絡故障検出方法は、接地マット91と帰線92の間の電圧を検出する電位差測定部93を設けて、変電所内での直流母線94の地絡故障を検出する。つまり、直流母線94に地絡故障が発生すると、帰線92に対して接地マット91が正(+)極性の電位となるため、電位差測定部93でこれを検出し、交流遮断器95Aに遮断信号を出力する。交流遮断器95Aはこの遮断信号によって電力供給を遮断することにより、速やかに変電所を停電し、変電所設備等を保護することができる。
特開2010−42784号公報
しかしながら、従来の直流高圧接地継電器90における地絡故障検出方法では、直流変電所用変電所の整流器97の2次側電路(直流側)の地絡故障だけでなく、整流器用変圧器96と整流器97の間の1次側電路(交流側)の地絡故障によっても動作する特性があり、これらを判別できないという問題があった。
その背景として、直流電鉄用変電所に設けられている直流高圧接地継電器90では整流器用変圧器96と整流器97は変電所機器の配置上、近接して配置されることが多いため、ブスバーやアルミより線等の裸導体で接続されることが多かったが、近年は安全上の理由により裸導体で接続されることは少なくなり、遮蔽層96B付ケーブル等により接続されるようになったという状況がある。この為、ケーブルの端末処理の劣化等により雨水等が侵入し、ケーブルが絶縁劣化を起こし、これにより地絡故障につながる場合がある。また、ケーブルのこのような地絡故障は裸導体の場合に比べて目視で発見しにくく、故障点を速やかに見いだすことは困難であった。
このため、直流高圧接地継電器90が動作した場合に、復旧担当の作業員は整流器97の2次側の直流回路における地絡故障を重点的に探索するため、整流器97の1次側電路が地絡故障した場合には前記の状況と重なり故障点の探索・除去や変電所の復電に多くの時間が必要となり、列車の運行に多大な影響を与えるという問題があった。
なお、図7は健全状態での整流器用変圧器96と整流器97の間の接続線の遮蔽層が接続された接地線98に流れる電流の高調波成分を示す図である。送配電線などの一般の3相交流において故障が発生していない健全状態では、3相一括接地されていれば接地線98にはほとんど電流が流れないが、本箇所は帰線92と整流器97のダイオードを介して真の大地と電気的に接続された特殊な接地系となっているため対地電位は正負非対称の歪み波形となる。このため健全状態においても整流器97の1次側に起因する基本波電流や第5次高調波電流や第7次高調波電流、2次側の整流リップルに起因する第6次高調波電流の整数倍の高調波電流など様々な電流が流れる。加えて、変電所機器および支持金物は近接する電路等からの誘導の影響を受けるため、これによる電流も前記に加えて接地線に流れることになる。
本発明は上述の事柄を考慮に入れてなされたものであり、その目的は、直流電鉄用変電所の整流器用変圧器と整流器の間の接続線で地絡故障が発生した場合と直流母線での地絡故障を切り分ける方法を提供し、故障点の探索を容易とし、変電所の復電を速やかに実施させ、列車の運行への影響を最小限に抑えることができる直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法を提供することにある。
前記課題を解決するため、第1発明は、直流母線とレール等の帰線の間に直流電力を供給する直流電鉄用変電所において、この直流電鉄用変電所の整流器用変圧器と整流器の間の接続線の電路支持具あるいは接続線の遮蔽層が接続された接地線に流れる電流を測定し、この電流の商用周波数に対する高調波成分の内、第3次高調波成分を抽出し、この第3次高調波成分の大きさの変化によって、直流電鉄用変電所の整流器用変圧器と整流器との間の接続線における地絡故障を検出することを特徴とする直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法を提供する。(請求項1)
一般的に直流高圧接地継電器は直流電鉄用変電所において、整流器の2次側電路(直流側)の地絡故障の保護を目的とするものであるが、整流器用変圧器と整流器の間の整流器の1次側電路(交流側)の地絡故障によっても動作する。
図8は、図6に示す整流器の1次側電路(交流側)で地絡故障が発生した場合に流れる電流の流れを示す図である。図8に示されるように、整流器97の1次側電路(交流側)で地絡故障が発生した場合には、地絡抵抗98R’および接地線98を通って接地マット91、さらに接地抵抗91Rと真の大地99、レール漏れ抵抗92Rとレール、そして、帰線92、整流器97に戻る電流の回路が構成される。この為、整流器97の各整流素子の方向から接地マット91が正(+)極性の電位となるので整流器の交流側電路の地絡故障であっても直流高圧接地継電器90が動作する特性がある。
図9は、図8における整流器用変圧器96と整流器97の間の接続線の遮蔽層が接続された接地線98に流れる電流の周波数分析の結果を示すものであり、この結果から接地線98に流れる電流には商用周波数の電流(基本波電流)の他に第3次高調波成分の電流や整流器97の整流作用に付随する高調波電流等が流れることが分かる。そして、図7と比較すると明らかなように、第3次高調波電流は整流器の1次側で地絡故障がなければ、ほとんど存在しない電流である。
第1発明の直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法は第3次高調波成分に着目し、この第3次高調波成分を指標として、整流器の1次側電路(交流側)の地絡故障を検出することに利用するものであり、これによって整流器の1次側の地絡故障を高精度に判別することができる。
整流器用変圧器と整流器の間の接続線の電路支持具あるいは接続線の遮蔽層が接続された接地線に流れる電流を計測し、この電流の第3次高調波成分の大きさの変化(閾値を超えて大きくなる)によって、整流器用変圧器と整流器との間の接続線における地絡故障を検出することができる。また、直流高圧接地継電器が動作した場合の原因が整流器の直流側にあるのか、交流側(すなわち、整流器用変圧器と整流器の間の接続線)にあるのかが判別できることにより、故障点探索時間を短縮し、変電所の復電を速やかに行い、列車の運行への影響を低減することができる。また、第1発明の地絡故障検出方法により整流器用変圧器と整流器の間の接続線の地絡故障を検知した場合に、整流器用変圧器の1次側の交流遮断器のみを遮断させ、かつ直流高圧接地継電器よりも早く遮断信号を発信するように連動を構成することで、同故障発生時の停電範囲を必要最小限にするとともに変電所の鎖錠を防止することができるため列車運行への影響を最小限に留めることができる。
第2発明は、直流母線とレール等の帰線の間に直流電力を供給する直流電鉄用変電所において、この直流電鉄用変電所の整流器用変圧器と整流器の間の接続線の電路支持具あるいは接続線の遮蔽層が接続された接地線に流れる電流を測定し、この電流の商用周波数に対する高調波成分を解析し、少なくとも一つの高調波成分の前記接地線に流れる電流の実効値に対する含有率の変化によって、直流電鉄用変電所の整流器用変圧器と整流器との間の接続線における地絡故障を検出することを特徴とする直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法を提供する。(請求項2)
第2発明は地絡故障時に整流器用変圧器と整流器の間の接続線の電路支持具あるいは接続線の遮蔽層が接続された接地線に流れる電流の高調波成分の含有率に着目し、この高調波成分の含有率の変化を指標として、整流器の1次側電路(交流側)の地絡故障を検出することに利用するものであり、これによって整流器の1次側電路の地絡故障を高精度に判別することができる。
整流器用変圧器と整流器の間の接続線の電路支持具あるいは接続線の遮蔽層が接続された接地線に流れる電流を計測し、この電流の高調波成分を解析し、少なくとも一つの高調波成分の接地線に流れる電流の実効値に対する含有率の変化によって、整流器用変圧器と整流器の間の接続線における地絡故障が発生していることを検出できる。なお、健全状態では接地線に流れる電流の実効値に対する第3次高調波成分の含有率はきわめて少なく、第6高調波成分の含有率は基本波成分より大きいが、地絡故障が発生すると、第3次高調波成分の含有率が増大し、第6次高調波成分の含有率は減少するので、この含有率の変化を用いて整流器用変圧器と整流器の間の接続線における地絡故障を検知できる。また、第2発明の地絡故障検出方法により整流器用変圧器と整流器の間の接続線の地絡故障を検知した場合に、整流器用変圧器の1次側の交流遮断器のみを遮断させ、かつ直流高圧接地継電器よりも早く遮断信号を発信するように連動を構成することで、同故障発生時の停電範囲を必要最小限にするとともに変電所の鎖錠を防止することができるため列車運行への影響を最小限に留めることができる。
前述したように、第1発明の直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法によれば、整流器の1次側電路(交流側)で回路が地絡故障を起こした場合に接地線に流れる地絡電流に特徴的に含まれる第3次高調波成分を用いて地絡故障が整流器の交流側電路において生じたことを高精度に検出することができる。これにより整流器の1次側電路での地絡故障における故障点の探索および除去を容易とし、変電所の復電を速やかに行い、列車の運行への影響を最小限に抑えることができる。
第2発明の直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法によれば、整流器の1次側電路(交流側)の地絡故障によって生じる各高調波成分の地絡電流の実効値に対する含有率の変化をとらえて、整流器用変圧器と整流器の間の接続線における地絡故障の発生を、精度良く検出することができるので、整流器の交流側電路での地絡故障における故障点の探索および除去を容易とし、変電所の復電を速やかに行い、列車の運行への影響を最小限に抑えることができる。また、第1発明または第2発明の地絡故障検出方法により整流器用変圧器と整流器の間の接続線の地絡故障を検知した場合に、変電所の配電盤に故障検知情報を伝送することで、変電所の連動に本故障情報を考慮した制御を組み込むことができる。これにより健全部分(例えば、他の整流回路等)に対する復電操作を抑止しないように連動構成を行えば早期の復電を達成することができる。
第1実施形態の直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法を実施する電鉄直流変電所の構成を示す図である。 第1実施形態の直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法を実施する地絡故障検出装置の構成を示す図である。 第1実施形態の直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法を説明する図である。 第2実施形態の直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法を実施する地絡故障検出装置の構成を示す図である。 第2実施形態の直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法を説明する図である。 従来の直流高圧接地継電器が設置される直流電鉄用変電所の構成を示す図である。 健全状態体時に接地線に流れる電流の高調波成分を示す図である。(接地線電流の実効値に対する各高周波成分の含有率を示す。) 直流電鉄用変電所の整流器用変圧器と整流器間の接続線(交流側)で地絡故障が発生したときの電流の流れを説明する図である。 直流電鉄用変電所の整流器用変圧器と整流器間の接続線(交流側)で地絡故障が発生したときに接地線に流れる電流の高調波成分を示す図である。(接地線電流の実効値に対する各高調波成分の含有率を示す。)
以下、図1〜図3を用いて、本発明の第1実施形態に係る直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法の具体的な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に示すように、直流高圧接地継電器Rは、変電所2の接地マット3と帰線4の間に設けられ、接地マット3と帰線4の間の電位差を測定する電位差測定部5と、測定された電位差を用いて地絡故障を判定する地絡判定出力部6を有するものである。なお、3rは接地マット3の接地抵抗、4rは帰線4およびレールと真の大地Gの間にあるレール漏れ抵抗である。
また、7は整流器用変圧器、7Aは前記地絡判定出力部6が地絡故障を判定するときに整流器用変圧器7への給電を停止させる交流遮断器、8は整流器、9は整流器用変圧器7と整流器8の間の接続線、10は接続線9の遮蔽層9sが接続された接地線である。なお、前記接続線9は芯線となる導体と、この導体を保護する絶縁物からなる被覆9iと、この被覆9iの外側を覆うように設けた前記遮蔽層9sとこの遮蔽層9sを保護する高分子材料からなる外装被覆9pを備えるケーブルである。したがって、導体と遮蔽層9sの間は被覆9iによる大きな絶縁抵抗10rを介して接続されるが、接続線9に地絡故障が発生したときには導体と遮蔽層9sの間はより小さい地絡抵抗10r’によって接続される。
図2に示すように、本発明の直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法に係る地絡故障検出装置1は、前記接地線10に流れる電流を測定する電流測定部11と、この電流測定部11に接続された例えばフィルタ回路からなる第3次高調波抽出部12と、この第3次高調波抽出部12に接続された交流側地絡判定出力部13と、この交流側地絡判定出力部13が接続された交流側地絡表示部14とを備え、本実施形態における各部材12〜14は一つの地絡故障ユニット1a内に形成されている。また、15は直流母線、16は直流高速度遮断器である。
図3に示すように、本実施形態の直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法は、まず前記接地線10に流れる電流を電流測定部11によって測定する(ステップS1)。なお、電流測定部11は例えば交流変流器のようなものを用いて形成されることが好ましく、以下のステップS2〜が時系列的に実行されるとしても連続的に電流測定するものであることが好ましい。
次に、前記第3次高調波抽出部12を用いて測定した電流の商用周波数に対する高調波成分の内、第3次高調波成分を抽出する(ステップS2)。第3次高調波成分は例えばフィルタ回路などハードウェアを用いて行なうことにより電流の測定と同時にリアルタイムに行なうことができるので好ましいが、電流の測定値を一端デジタル信号に変換して演算処理部に取り込み、この演算処理部によって実行可能なソフトウェア処理によって実現してもよく、この場合、第3次高調波抽出部12は演算処理部および第3次高調波抽出プログラムからなる。
さらに、交流側地絡判定出力部13によって第3次高調波成分が閾値を超過するときを検知することにより、第3次高調波成分の大きさの変化によって、変電所2の整流器用変圧器7と整流器8との間の接続線9における地絡故障を検出する(ステップS3)、このステップS3において、第3次高調波成分が閾値以上でないと判定したときには、前記ステップS1に戻って、閾値以上となるまでステップS1〜S3を繰り返す。なお、このステップS3の処理も比較器のようなハードウェアを用いて同時に連続的に行なうことが好ましいが、前記演算処理部によって実行可能なソフトウェア処理によって実現してもよく、この場合、交流側地絡判定出力部13は演算処理部および交流側地絡判定出力プログラムからなる。
前記ステップS3において第3次高調波成分が閾値以上であると判定したときには、整流器の1次側(交流側)における地絡故障を交流側地絡表示器14に表示する(ステップS4)。なお、交流側地絡表示器14は変電所の制御電源が失われた際にも表示内容を保持可能なものであることが好ましい。
上述のように直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法を実施することにより、整流器8の1次側(整流器用変圧器7と整流器8の間)において地絡故障が発生したときに、これを表示器14に表示させることができるので、交流遮断器7Aならびに直流高速度遮断器16が遮断した後に、この遮断の原因となる地絡故障の発生位置が整流器8の1次側電路であることを確認できる。
すなわち、前記整流器8の1次側電路で地絡故障が発生した場合、地絡電流が地絡抵抗10r’および接地線10を介して接地マット3に流れ、さらに接地抵抗3rを介して真の大地Gに、そしてレール漏れ抵抗4rを介して帰線4、整流器8という回路で地絡電流が流れるため、接地マット3と帰線4の間に接続される電位差測定部5の両端には接地マット3から帰線4までのインピーダンスによって接地マット3が正(+)極性の電位となって直流高圧接地継電器Rが動作するので、交流遮断器7Aおよび直流高速度遮断器16が遮断して変電所2の直流母線への給電が停止する。
また、地絡電流には第3次高調波電流が含まれるので、この第3次高調波成分があらかじめ設定された閾値を超過することにより、本発明の直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法によって整流器用変圧器と整流器間の電路(交流側)の地絡故障が検出されて、交流側地絡表示部14に表示される。したがって、復旧を行なう作業者は交流側地絡表示部14の表示を確認するときに地絡故障が整流器8の1次側(変圧器7と整流器8の間、すなわち交流側)における地絡故障であることを容易に判別できるので、早期復電を達成することができる。
他方、整流器8の2次側電路(直流側)が地絡した場合には電流測定部による電流測定値に第3次高調波成分の電流はほとんど存在せず、第3次高調波抽出部12からの出力がほとんどないので、交流側地絡判定出力部13が交流側地絡判定を行うこともなく、交流側地絡表示部14への表示も行われることがない。したがって、復旧担当の作業員は交流側地絡表示部14の表示がないことから、地絡故障が整流器8の2次側(直流側)で発生したことを確認でき、直流側回路の故障探索に集中することができる。
図4、図5は第2実施形態の直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法を説明する図であり、図4は本発明の第2実施形態の直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法を実施する地絡故障検出装置20の構成を示す図、図5は第2実施形態の直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法の一例を説明する図である。なお、これらの図において、図1〜図3と同じ符号を付した部材は同一または同等の部分であるから、その詳細な説明を省略する。
図4に示す地絡故障検出装置20は電流測定部11によって測定された電流の高調波成分を解析するFFT部(高速フーリエ変換:Fast Fourier Transform)21と、このFFT部21によって解析された高調波成分の接地線電流の実効値に対する含有率の変化を検知して整流器用変圧器と整流器間の電路(交流側)の地絡故障を判定する交流側地絡判定部22とを備える。なお、これらの部材21,22,14は地絡判定ユニット20aを構成するものであり、その大部分をワンチップマイコンなどの演算処理部によって実現してもよい。この場合、例えばFFT部21と交流側地絡判定部22は演算処理部とこの演算処理部によって実行可能な交流側地絡判定プログラムによって実現される。
図5において、ステップS1によって測定された電流は、FFTなどの周波数解析を実施することにより高調波成分の含有率を明らかにする(ステップS5)。なお、本発明はマイコン等を用いたFFTに限定されるものではなく、少なくとも交流側地絡によって飛躍的に増加する第3次高調波成分および/または交流側地絡によって減少する第6次高調波成分を抽出するフィルタ回路などのハードウェアによって形成することも考えられる。
次いで、解析された高調波成分の接地線電流の実効値に対する含有率が、交流側地絡故障を特徴づけるような変化を示すかどうかによって、交流側地絡故障の発生を検出する(ステップS6)。なお、このステップS6において変化なしと判定した場合は、ステップS1に戻って、ステップS1,S5,S6の処理を繰り返し、変化ありと判定した場合には、次のステップS4を実行する。
また、判定基準は種々の変形が考えられるが、例えば、交流側の接続線で地絡故障が起こると接地線電流には基本波成分が最も多くなり、次いで第3次高調波成分が多くなるので、基本波成分と第3次高調波成分の含有率が共に大きくなることを指標とする、または、接地線電流に含まれる整流リップルの割合が相対的に減少するとため、第3次高調波成分、第5次高調波成分の含有率が第6次高調波成分の含有率より大きくなることを指標とする、あるいは高調波電流の含有率の評価を接地線電流の実効値に対する割合ではなく、接地線電流の基本波成分に対する割合でおこなうなどが考えられる。
上述のように、第2実施形態の直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法によっても交流側における地絡故障発生を精度よく判定することができるので、速やかな復電に貢献できる。
1,20 直流き電用整流器の地絡故障検出装置
2 変電所
3 接地マット
4 帰線
7 整流器用変圧器
8 整流器
9 接続線
9s 遮蔽層
10 接地線
11 電流測定部
12 第3次高調波抽出部
14 交流側地絡表示部

Claims (2)

  1. 直流母線とレール等の帰線の間に直流電力を供給する直流電鉄用変電所において、この直流電鉄用変電所の整流器用変圧器と整流器の間の接続線の電路支持具あるいは接続線の遮蔽層が接続された接地線に流れる電流を測定し、この電流の商用周波数に対する高調波成分の内、第3次高調波成分を抽出し、この第3次高調波成分の大きさの変化によって、直流電鉄用変電所の整流器用変圧器と整流器との間の接続線における地絡故障を検出することを特徴とする直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法。
  2. 直流母線とレール等の帰線の間に直流電力を供給する直流電鉄用変電所において、この直流電鉄用変電所の整流器用変圧器と整流器の間の接続線の電路支持具あるいは接続線の遮蔽層が接続された接地線に流れる電流を測定し、この電流の商用周波数に対する高調波成分を周波数解析し、少なくとも一つの高調波成分の前記接地線に流れる電流の実効値に対する含有率の変化によって、直流電鉄用変電所の整流器用変圧器と整流器との間の接続線における地絡故障を検出することを特徴とする直流き電用整流器の交流側接続線の地絡故障検出方法。
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