JP2018036054A - 地絡検出装置、地絡保護装置、及び、地絡検出方法。 - Google Patents

地絡検出装置、地絡保護装置、及び、地絡検出方法。 Download PDF

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一 井上
正和 田口
Masakazu Taguchi
正和 田口
充洋 長谷川
Mitsuhiro Hasegawa
充洋 長谷川
美知男 小池
Michio Koike
美知男 小池
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Abstract

【課題】高抵抗地絡の事故が発生した場合に、地絡事故の発生を迅速に検出する装置を提供する。【解決手段】直流電気鉄道のき電回路の地絡検出装置101であって、レール電位と大地電位間の電位差値を検出する電位差検出器121と、き電回路の電流値を検出する電流検出器111と、電位差検出器121で検出された電位差値と、電流検出器111で検出された電流値とから電位差値/電流値の演算値を算出する演算器133と、演算器133の演算値を、所定のしきい値と比較し、演算値がしきい値よりも大きくなった場合に、異常検出信号135を送出する比較器134とを含む地絡検出装置。【選択図】図2

Description

本発明は、直流電気鉄道の給電回路の保護技術に係り、特に、給電回路に高抵抗地絡が発生した場合の検出装置に関する。
<<直流電気鉄道の直流給電(き電)方式について>>
直流方式の電気鉄道の場合は、交流方式の電気鉄道(2万Vや2.5万V等)に比べて一般的に電圧が低い600V〜1500V等である。従って、電車が走るために必要な電力を給電するためには交流方式よりも多くの電流を流す必要があるので、各変電所の間隔も狭く(5―10km程度)なり、相対的に変電所の数も多くなる。また、給電方式の中のき電方式とは、電気鉄道の架線(又は電車線(トロリー線))に電力を供給するために、主に架線と並行して設けられる電力線(き電線:吊架線を兼ねる場合もあり)を用いる方式であり、整流器からの給電出力は、き電線、き電分岐線(250m毎等)を介して電車線に給電される。そして、給電されて電車(負荷)で使用された電流は、そのほとんどがレールから帰線を経由して変電所の整流器の負極(−)に環流する。また、各変電所の間はき電線と電車線により並列に接続され、電車負荷による電圧降下の軽減が図られている。
<<従来の電車線側の保護技術について>>
直流き電方式の各変電所には、交流を直流に変換する整流器やき電線を保護するために、整流器から電車線に給電出力する側に直流高速度遮断器が設けられる。直流高速度遮断器には、一般的に過電流遮断整定値(定格電流)が設定される。各変電所では、電食対策で、電車線側を正極(+)、レール側を負極(−)として給電出力している。各変電所の中間には、直流高速度遮断器などの開閉装置を設けたき電区分所が設置され、事故や保全作業時の給電出力の分離を行う。
過電流遮断整定値は、一般的にその直流高速度遮断器で保護する電車線の下に進入する電車編成本数と力行(りっこう:モーターに電力を供給して加速している)時の最大付加電流値の積に数十%の余裕度を足した値で設定する。また、過電流遮断整定値は、電車の制御方式や、電車の型の古いか新しいか、保護下の電車線内の編成数(列車密度)、電車の乗車率等によっても変動し、例えば1000A〜12000A以上に設定される場合があるが、一般的には7000〜10000A程度に設定されることが多くなっている。
一方、例えば、き電線や電車線が架線柱や架線柱ビームに接触したり、パンタグラフ破損に因って車両屋根と短絡するような短絡事故や地絡事故が起きた場合、その多くが完全接触ではなく、短絡電流の立ち上がりと同時に接触箇所が加熱溶損してアーク放電状態に移行することから、その電流値は、例えば、突入電流値で約7000A以下、続流値が約2000A程度以下が多数を占める。
つまり、短絡事故や地絡事故の電流値は、直流高速度遮断器の過電流遮断整定値よりも小さい例が多くなり、正常な運転電流値と区別がつかなくなり、過電流を検知するのみでは短絡事故や地絡事故を検出して回路を保護することができない。
そこで、最大電流値ではない検出方法としてΔI故障選択装置が設けられることがある。一般的に電車の力行電流は、立ち上がりが穏やかになるように、旧型のリアクトル挿入や新型の加速度設定プログラム等により調整を行っているが、短絡事故や地絡事故では電流の増加する速度が高速なので、その差を利用して、単位時間(Δt)における電流増加割合(ΔI)を検出することで、電流増加割合(ΔI)が整定値を超えた場合に定常的運転電流から事故電流になったと検知して、例えば、直流高速度遮断器へ遮断指令を出力する。
<<従来の帰線側の保護技術について>>
上記したように、直流方式の各変電所の整流器には、電車線から電車(負荷)に給電された電流のほとんどがレールから帰線により整流器の負極(−)に環流する。しかし、この場合、レールは大地(接地)とレール漏れ抵抗を介して接続されているので、環流する電流の一部はレールから大地へ流出し、大地を流れて、変電所付近のレールに再度流入して、帰線から整流器の負極に環流する。このレール漏れ電流とレール漏れ抵抗の積によりレールと大地間には電圧が発生するので、レールと大地は同電位ではなくなる。典型的な外線地絡事故の場合、地絡事故点を通り、大地に流入した事故電流は、レールに還流し、最後には整流器の負極(−)に還る。しかし、この外線地絡事故の場合には、大地からレールへの電流によってレール電位が大地電位(0V)より低下する。1500V主回路の場合の電車(負荷)に給電中の変電所の接地(+)とレール(−)との間の電位差は100Vを超えて180V程度まで上昇する可能性がある。また、直流地絡過電圧継電器が動作する外線地絡事故では、変電所の接地とレールとの間の電位差は500Vオーダーである。
また、短絡事故や地絡事故が起きた場合には、その事故地点の大地電位が変電所の近傍の大地電位よりも上昇する。すると、レール漏れ抵抗値は変わらないので、帰線から負極に環流する電流が増加することになり、変電所内の整流器や回路等にダメージを与えることがある。この対策として、レール電位と接地電圧との差を検出して、その差電圧が所定値以上の場合は、整流器の正極側もしくは受電側の交流を遮断する保護装置(直流接地継電器又は直流地絡過電圧継電器:64P等)が各変電所内に設けられている。直流地絡過電圧継電器のインピーダンスは、接地抵抗値に比べて充分大きいので、変電所の接地の電位は、大地電位のレベルにとどまり、レール電位の低下が一定レベルを越えると、各変電所の地絡過電圧継電器は地絡事故検出動作をする。つまり、レール電位と接地電圧との差電圧が所定値以上の場合は、短絡事故や地絡事故が発生した結果として大地電位が上昇していると判断して、整流器の負極(−)への環流用の直流遮断器に限らず、地絡事故の被害の拡大を防ぐために、交流受電遮断器(図示していない)、全直流遮断器、と共に、その変電所と並列にき電している近隣変電所の直流遮断器を開放し、各変電所内の整流器や回路等を保護する。
<<地絡事故点の推定について>>
上記のような直流地絡過電圧継電器(64P)が検出する地絡事故としては、主に母線地絡事故と外線低抵抗地絡事故が知られている。また、地絡事故の状況によっては、地絡点に直流電流を供給していた変電所の直流地絡過電圧継電器が検出動作すると共に、その地絡点には直流電流を供給していない近隣変電所の直流地絡過電圧継電器が検出動作する場合がある。これは、例えば、地絡事故電流によって大地電位が上昇し、その大地電位よりレール電位が低下すると、その低下したレール電位は遠方の変電所まで波及する。その結果、近隣変電所の大地電位(或いは接地電位とも言う)と低下したレール電位との間の電位差が検出電位を越え、直流地絡過電圧継電器が検出動作をすることによる。
つまり、直流地絡過電圧継電器が検出動作すると、上述したような近隣変電所の直流地絡過電圧継電器による保護の連動により、広範囲にわたって近隣変電所の給電出力(き電)が停止状態となり、運転不能になって緊急停止する電車や、電車が運転不能になる範囲が増加することがある。また、地絡事故点の故障は、極力早く復旧させなければならないが、そのためには、まず地絡事故点を特定して、現場の事故原因を発見・処置しなければならない。しかし、広範囲の近隣変電所が検出動作して開放(遮断)することは、地絡事故点の探索範囲が広がり、どこが地絡事故点であるかの特定を困難にする。そして、地絡事故点が特定するまで、整流器から電車線への給電出力(き電)の回復も行われないので、給電停止状態が長時間におよび、運転阻害が時間的に長引く。
<<地絡事故点の推定を容易化する対策について>>
外線の地絡事故点の推定を容易にするため、例えば、直流地絡過電圧継電器(64P)の両端に並列に残針型の電圧計を接続し、直流地絡過電圧継電器(64P)の内部抵抗の両端の電圧が、事故点から直流地絡過電圧継電器(64P)までの距離にほぼ反比例して小さくなるという特性により、おおよその事故点までの距離を推定する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、外線の地絡事故箇所の探索範囲を限定し、事故の原因となる地絡箇所を発見するための時間を短縮するため、例えば、各変電所の直流地絡過電圧継電器(64P)の内部抵抗の両端の電圧に加えて、各変電所の整流器から電車線への給電出力の電流値も監視しておく。そして、各変電所の直流地絡過電圧継電器(64P)の出力信号が立ち上がって地絡を検出したと考えられる時点の前後の一定時間について、その各変電所の直流地絡過電圧継電器(64P)の内部抵抗の両端の電圧の増加と、各変電所の整流器から電車線への給電出力の電流値の増加が、時間的に一致したときのみその変電所の回線における地絡事故と判断する。また、変電所の接地とレールとの間の電位差を時間軸に沿って見れば、電車負荷の有無に係らず、変電所のき電回線のき電電流における地絡事故電流が混在する時間帯を特定することができ、給電出力の電流値の増加が時間的に一致することで判断することもできる。そして、そうでないときは、電車負荷による内部抵抗の両端の電圧の増加と給電出力の電流値の増加と判断して、事故のあった変電所の回線を限定することで、地絡事故点の探索範囲を限定する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)
<<高抵抗地絡問題について>>
上記したように、直流き電方式の各変電所は、電車線側の正極(+)を保護する直流高速度遮断器やΔI故障選択装置、レール側の負極(−)を保護する直流地絡過電圧継電器(64P)等により保護されている。しかし、基本的に、コンクリートの柱(詳しくはコンクリート内の鉄筋等)等から大地に地絡した場合のような電気抵抗の高い短絡が起きている場合の短絡電流と、電車が力行している場合の電流は、従来のような「(時間的な過渡変動や波形変動の解析等を含めた)電圧と電流を検出する方法」からは「迅速に(高速に)判定できない」という問題は、従来の方法では解決できなかった。従って、例え、従来の直流高速度遮断器やΔI故障選択装置、直流地絡過電圧継電器(64P)等を従来通りの状態でいくら増強しても、高抵抗地絡を検出することはできず、従って、高抵抗地絡による異常電流を遮断することがでないままに数秒以上の時間が経過し、高抵抗地絡による事故を防ぐことができないという問題があった。
高抵抗地絡を検出することができない理由については、例えば、地絡時について考えてみると、実測によるコンクリート柱(鉄筋入り)の抵抗値は45Ω程度であり、大地を含めてその他の部分は比較的抵抗値が低く5Ω程度であるので、地絡経路全体の抵抗値は50Ω程度である。一方の電車線やき電線側には1500Vの電圧がかかっているので「オームの法則」から30A程度が高抵抗地絡の電流ということになる。この地絡電流による上記した地絡抵抗全体の電位差Vは小さくなるので、地絡を検出できない可能性が有る。
また、コンクリート柱を流れた高抵抗地絡の電流は、大地に流れ込む。大地は良導体だがわずかな抵抗値を有するので、高抵抗地絡の電流が電車を走らせるために必要な電流よりは非常に小さいとはいえ、電流が流れることで電圧が発生し、大地電位が上昇する。一方、各変電所の制御機器等を含むほとんどの装置や回路は、落雷や漏電等の余計な電気を大地に逃がし機器等の故障を避けるために接地されている。この場合、地絡により大地電位が上昇した場合には、例えば、接地から制御機器等の内部に異常な30Aレベル等の電流が流れ込む。変電所では高抵抗地絡による電流を検出できないので、上記したように異常な30Aレベル等の電流がそのまま流入する状態で時間が経過して、上記したジュール熱が発生して制御機器等が焼損する可能性がある。
特開2000−156928 特開2007−282337
本発明が解決しようとする課題は、上記したような高抵抗地絡の事故が発生した場合に、地絡事故の発生を迅速に検出することにより、地絡事故の被害を抑制し、事故原因の発見時間の短縮に役立つ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明の地絡検出装置は、直流電気鉄道の、変電所から電流が供給されるき電回路の地絡検出装置であって、レール電位と大地電位間の電位差値を検出する電位差検出器と、き電回路の電流値を検出する電流検出器と、電位差検出器で検出された電位差値と、電流検出器で検出された電流値とから、電位差値/電流値の演算値を算出する演算器と、演算値を、所定のしきい値と比較し、演算値がしきい値よりも大きくなった場合に、異常検出信号を送出する比較器と、を含む。
好ましくは、本発明に係る地絡検出装置は、レール電位を、変電所の近傍に位置するレールの電位であるようにしてもよく、及び/又は、大地電位を、変電所の接地の電位であるようにしてもよく、及び/又は、しきい値を、予めレール漏れ抵抗値に基づいて設定された値であるようにしてもよく、及び/又は、しきい値を、0.09〜0.2の範囲の値に基づいて設定された値であるようにしてもよい。
また、上記課題を解決するために本発明の地絡保護装置は、上記したいずれかの地絡検出装置と、き電回路中の少なくとも一つに設けられ、異常検出信号が入力した場合にき電回路を遮断可能な少なくとも一つの遮断器と、を含み、地絡検出装置の比較器は、異常検出信号を遮断器に送出する。
また、上記課題を解決するために本発明の地絡検出方法は、直流電気鉄道の、変電所から電流が供給されるき電回路の地絡検出方法であって、レール電位と大地電位間の電位差値を検出するステップと、き電回路の電流値を検出するステップと、電位差値を検出するステップで検出された電位差値と、電流値を検出するステップで検出された電流値とから、電位差値/電流値の演算値を算出するステップと、演算値を、所定のしきい値と比較し、演算値がしきい値よりも大きくなった場合に、異常検出信号を送出するステップと、を含む。
本発明によれば、高抵抗地絡の事故が発生した場合に、地絡事故の発生を迅速に検出できることにより、地絡事故の被害を抑制し、事故原因の発見時間の短縮に役立つ装置を提供することにある。
直流き電回路に電車負荷がある場合の概要構成図である。 本発明の第1実施形態の主要部概要構成図である。 本発明の一実施形態の概要動作フローチャートである。 本発明の第2実施形態の主要部概要構成図である。
<第1実施形態>
以下に、図1〜図3を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。
<<電車負荷抵抗とレール長抵抗とレール漏れ抵抗について>>
図1において、整流器301は、変電所に設けられ、供給される高電圧の交流を1620[V](定格1500[V])等の直流に変換し、直流き電回路に供給する。直流き電回路には架線302を有し、電車(電車負荷)303に直流の電流(電車負荷電流=2000[A])を供給する。その直流電流は電車303からレール304に流れて、最終的に変電所の整流器301に環流する。電車303から変電所の近傍までのレールの長さを例えば3[km]とすると、レールの単位固有抵抗値は0.02[Ω/km]なので、レール長抵抗R=0.02[Ω/km]×3[km]=0.06[Ω]となり、レール電位V=2000[A]×0.06[Ω]=120[V]となる。
この時電流の一部は、レール漏れ電流[Iρ]としてレール304から大地306へ流出し、大地306を流れて変電所付近からレール304へ流入し、整流器301の負極へ環流する。レール304と大地306との間には、レール漏れ抵抗[ρ]305があり、このレール漏れ電流[Iρ]307とレール漏れ抵抗[ρ]305の積でレール304と大地306間にレール電位(電圧)Vが発生する。レール電位(電圧)Vは、レール304と大地306間に設置された直流変圧器(DCVT)121により検出される。
<<第1実施形態>>
本願発明の第1実施形態の地絡検出装置101及び地絡保護装置201では、図2(a)に示したように、変電所の整流器301の負極へ環流する電流[I]を検出し、直流変圧器121からの電圧[V]値と、整流器301の負極の直流変流器(DCCT)111からの電流[I]値とから[V/I]を計算し、この値をしきい値と比較演算することによって地絡を検出する。
より具体的に、一例として、通常の電車負荷で電流値が2000A時の[V/I]と、高抵抗地絡で電流値が2000A時の[V/I]をシミュレートすると、以下の表1のようになる。
Figure 2018036054
表1からは、電車負荷の場合の[V/I]値=0.03と、高抵抗地絡の場合の[V/I]値=0.2とで比較すると、高抵抗地絡の場合の値(=0.2)は、力行する電車負荷の場合の値(=0.03)よりも一桁上のレベルになるほど大きな相違を有している。力行等で大電流が流れる電車負荷の場合と、高抵抗地絡で大電流が流れる場合を区別するためのしきい値としての[V/I]値は、表1の電車負荷の値0.03に対して、誤検出検出側に余裕度を持たせて、0.09〜0.2程度とすることが好ましい。
本第1実施形態の情報処理装置131には、少なくともV/I演算器133、しきい値記憶器132、及び、比較器134を有する。V/I演算器133には、直流変圧器121からの電圧[V]値と、整流器301の負極側に設けられた直流変流器111からの電流[I]値とが入力され、[V/I]値が演算されて、比較器の一方の入力端子に入力される。しきい値記憶器132には、上記したように電車負荷の場合と、高抵抗地絡で大電流が流れる場合を区別するためのしきい値が格納され、そのしきい値が比較器の他方の入力端子に入力される。比較器134では、演算された[V/I]値の一方の入力が、他方に入力するしきい値以上になった場合に、地絡検出信号135を出力する。地絡検出信号135は遮断器211に送信され整流器301の出力を遮断する。
直流変流器(DCCT)111は、上記したように整流器301の負極に環流する電流を測定する。従って、この場合は、変電所内の直流変圧器121で電圧[V]値を測定すると共に、整流器301の負極側に設けられた直流変流器111で帰線する電流[I]値を一括して測定し、そこから[V/I]値を演算し、しきい値以上であるか否かで地絡を検出する。この場合は、変電所における直流変圧器121で電圧[V]値と、直流変流器111からの電流[I]値を入力・監視しているのでき電回線を区別することはできない。よって、地絡保護装置201で、地絡検出信号135により遮断器211を開放する場合は、変電所の全ての直流主回路について開放され、電力の供給が遮断される。
本実施形態の情報処理回路131の動作を、図3のフローチャートを用いて説明する。予め、しきい値記憶部132には、上記したようにして所定のしきい値を格納しておく。その後、まず、情報処理回路131では、直流変圧器121からの電圧[V]値に基づいて、レール電位と大地電位間の電位差値を検出する(S1)。それと共に、情報処理回路131では、直流変流器111からの電流[I]値に基づいてき電回路の電流値を検出する(S2)。さらにV/I演算器133で、上記した電位差値と電流値から「電位差値V/電流値V」の演算値を算出する(S3)。
その後、比較器134で、しきい値記憶部132から読み出したしきい値と、演算された[V/I]値を比較し(S4)、演算値>しきい値であるか否かを判断する(S5)。演算値>しきい値である場合(S5:YES)には、比較器134の出力(又は情報処理回路131の出力)として異常検出信号を出力し(S6)、例えば、その異常検出信号により遮断器211を開放する。演算値>しきい値でない場合(S5:NO)には、以上が検出されなかったので、ステップS1に戻り再度処理を繰り返す。
<<第1実施形態の変形例>>
図2(b)に示した変形例の情報処理回路131では、変電所内の直流変圧器121で電圧[V]値の入力を、水準値記憶部136内の水準値と比較器137で比較して、電位差が水準値(一定値)以上の場合のみ出力するようにした。これは、例えば、演算された[V/I]値がしきい値以上である場合でも、直流変圧器121の電圧[V]値が小さい場合には、必ずしも地絡が発生しているとは限らず、電車負荷が力行している場合もあり得るためである。この構成により変電所の接地電位(+)と、レール電位(-)との間の電位差が所定の水準値以上の場合のみを監視対象とすることができ、検出精度を高めることができる。
<<第2実施形態>>
図4を用いて説明する第2実施形態では、終点方下り線221、終点方上り線232、始点方下り線223、始点方上り線234の各々に、直流変流器231〜234が個別に設置されている。情報処理装置131の中には、直流変流器231〜234からの各電流値I1〜I4が個別に入力されて、き電電流値の総和値ΣIと、各回線の電流量I1〜I4が計算されるき電電流値総和計算及び各回線の電流量計算器139と、き電電流値総和計算値と直流変圧器121の電圧[V]値が入力されるV/ΣI演算器138が、第1実施形態とは異なる。き電電流値の総和値ΣIは、第1実施形態の直流変流器111からの電流[I]値と同様な値である。さらに比較器134の出力が4つに別れて、4個のAND回路141〜144の各々の一方の入力に入力される。また、直流変圧器121の電圧[V]値が一定値以上になることが前提条件であることは第1実施形態と同様である。
AND回路141の他方の入力には、き電電流値総和計算及び各回線の電流量計算器139からI1が入力される。I1は基準値Aより大きい値である。また、AND回路142の他方の入力には、き電電流値総和計算及び各回線の電流量計算器139からI2が入力される。I2も基準値Aより大きい値である。同様にして、AND回路143の他方の入力には、き電電流値総和計算及び各回線の電流量計算器139からI3が入力され、AND回路144の他方の入力には、き電電流値総和計算及び各回線の電流量計算器139からI4が入力される。I3、I4も基準値Aより大きい値である。
基準値Aより大きい値で地絡検出信号を絞り込むことにより検出精度を高めることができる。各回線の電流値を基準値Aと比較するのは、き電電流が小さいか又は流れていない回線は地絡の可能性が無いものと判断できるためである。また、各回線の電流値を基準値Aと比較するのは、き電電流が小さいか又は流れていない回線は地絡の可能性が無いものと判断できるためである。また、各回線の電流値を基準値Aと比較するのは、き電電流が小さいか又は流れていない回線は地絡の可能性が無いものと判断できるこの方式は、地絡回線として適当でないものを除外するためである。そして、地絡検出が行われたその時に各回線に基準値A以上の電流が流れた回線は、全て地絡回線の可能性が有りとして、該当回線全てを検出する出力となる。
このAND回路141の出力が、終点方下り線221に対する地絡検出信号I1FDSとなり、AND回路142の出力が、終点方上り線232に対する地絡検出信号I2FDSとなり、AND回路143の出力が、始点方下り線223に対する地絡検出信号I3FDSとなり、AND回路144の出力が、始点方上り線234に対する地絡検出信号I4FDSとなる。本実施形態では、き電回線を個別に監視しているので、検出信号が出力されたき電回線の遮断器のみを開放することができる。
上記のように、本発明の各実施形態によれば、高抵抗地絡の事故が発生した場合に、地絡事故の発生を迅速に検出できることにより、地絡事故の被害を抑制し、事故原因の発見時間の短縮に役立つ装置を提供することができる。
101 地絡検出装置、
111、231〜234 直流変流器(DCCT)、
121 直流変圧器(DCVT)、
131 情報処理回路、
132 しきい値記憶器、
133 V/I演算器、
134 比較器、
135 検出信号、
136 水準値記憶器、
137 比較器、
138 V/ΣI演算器、
139 き電電流値総和計算及び各回線の電流量計算器、
201 地絡保護装置、
211 遮断器、
221 終点方上り線、
222 終点方下り線、
223 始点方下り線、
224 始点方上り線、
301 整流器、
302 き線(架線)
303 電車(電車負荷)、
304 レール、
305 レール漏れ抵抗ρ、
306 大地、
307 レール漏れ電流Iρ
601 鉄柱等、
602 高抵抗。

Claims (7)

  1. 直流電気鉄道の、変電所から電流が供給されるき電回路の地絡検出装置であって、
    レール電位と大地電位間の電位差値を検出する電位差検出器と、
    き電回路の電流値を検出する電流検出器と、
    前記電位差検出器で検出された前記電位差値と、前記電流検出器で検出された前記電流値とから、前記電位差値/前記電流値の演算値を算出する演算器と、
    前記演算値を、所定のしきい値と比較し、前記演算値が前記しきい値よりも大きくなった場合に、異常検出信号を送出する比較器と、
    を含む、地絡検出装置。
  2. 前記レール電位が、前記変電所の近傍に位置するレールの電位である、請求項1に記載の地絡検出装置。
  3. 前記大地電位が、変電所の接地の電位である、請求項1又は2に記載の地絡検出装置。
  4. 前記しきい値が、予めレール漏れ抵抗値に基づいて設定された値である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の地絡検出装置。
  5. 前記しきい値が、0.09〜0.2の範囲の値に基づいて設定された値である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の地絡検出装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の地絡検出装置と、
    前記き電回路中の少なくとも一つに設けられ、異常検出信号が入力した場合に前記き電回路を遮断可能な少なくとも一つの遮断器と、
    を含み、
    前記地絡検出装置の前記比較器は、前記異常検出信号を前記遮断器に送出する、
    地絡保護装置。
  7. 直流電気鉄道の、変電所から電流が供給されるき電回路の地絡検出方法であって、
    レール電位と大地電位間の電位差値を検出するステップと、
    き電回路の電流値を検出するステップと、
    前記電位差値を検出するステップで検出された前記電位差値と、前記電流値を検出するステップで検出された前記電流値とから、前記電位差値/前記電流値の演算値を算出するステップと、
    前記演算値を、所定のしきい値と比較し、前記演算値が前記しきい値よりも大きくなった場合に、異常検出信号を送出するステップと、
    を含む地絡検出方法。
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