JP2008113546A - 直流地絡回線の判別装置及び判別方法 - Google Patents

直流地絡回線の判別装置及び判別方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡便な手段により、間欠的な地絡事故が発生した回線の特定を正確かつ確実に行う。
【解決手段】 直流電源1を有する主回路2とその主回路2から分岐した複数の回線F1〜F3とを備え、それら回線F1〜F3のいずれかに発生した地絡事故aを検出する継電器3を主回路2に設けた直流制御電源回路について、間欠的な地絡事故aが発生した回線F1〜F3を特定する装置であって、継電器3により検出された地絡事故aにより各回線F1〜F3に存在する対地静電容量C1P〜C3P,C1N〜C3Nの充放電でもって各回線F1〜F3に流れる瞬間的な電流の変化を検出する変流器CT1〜CT3と、その変流器CT1〜CT3により検出された瞬間的な電流の変化が逆極性となる回線F1を判別する判定器4とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば発変電所や工場の制御電源、通信用電源などを有する直流制御電源回路について、主回路から分岐した複数の回線のいずれかに地絡事故が発生した時、その地絡事故が発生した回線を特定する直流地絡回線の判別装置及び判別方法に関する。
図6は、例えば発変電所、工場の制御電源や通信電源などを有する直流制御電源回路の一例を示す。
この直流制御電源回路は、制御用の直流電源1を有する主回路2と、その主回路2から分岐した複数の回線F1〜F3(図では3回線を例示する)を備え、それぞれの回線F1〜F3には継電器などの負荷L1〜L3が開閉器CB1〜CB3を介して接続されている。
従来、前述した直流制御電源回路において、複数の回線F1〜F3のいずれかに地絡事故が発生したことを検出する目的から、直流地絡を検出するための保護用継電器3を設置している。
この継電器3は、正極側に接続された抵抗RPと負極側に接続された抵抗RNを共通に接地接続した構成を有し、いずれの回線F1〜F3にも地絡事故が発生していない正常時(電路と大地間の絶縁状態がよい場合)には、通常、抵抗RPと抵抗RNが等しい値に設定されていることから、図7に示すように正極側の対地間電圧VPEと負極側の対地間電圧VNEがほぼ等しくなる。一方、複数の回線F1〜F3のいずれかに地絡事故が発生した場合、ほぼ等しかった正極側の対地間電圧VPEと負極側の対地間電圧VNEが変化する。以下、対地間電圧VPE,VNEについては絶対値で表す。
つまり、図8に示すようにその地絡事故aが正極側電路SP1〜SP3であれば、正極側の対地間電圧VPEが小さくなり、負極側の対地間電圧VNEが大きくなる。また、図9に示すように地絡事故aが負極側電路SN1〜SN3であれば、負極側の対地間電圧VNEが小さくなり、正極側の対地間電圧VPEが大きくなる。
このことから、正極側の対地間電圧VPEと負極側の対地間電圧VNEがほぼ等しければ、地絡事故が発生していないことになり、また、正極側の対地間電圧VPEが小さくなって負極側の対地間電圧VNEが大きければ、正極側電路SP1〜SP3に地絡事故aが発生したことを検出でき、逆に、負極側の対地間電圧VNEが小さくなって正極側の対地間電圧VPEが大きければ、負極側電路SN1〜SN3に地絡事故aが発生したことを検出できる。
このようにして、正極側の対地間電圧VPEあるいは負極側の対地間電圧VNEを継電器3の電圧測定機能により検出することにより、いずれかの回線F1〜F3に地絡事故aが発生したこと、および、その地絡事故aが正極側電路SP1〜SP3あるいは負極側電路SN1〜SN3のいずれであるかをブザーによる報知音またはランプの点灯などで警報するようにしている。
ところで、前述した直流制御電源回路では、複数の回線F1〜F3のいずれかに地絡事故が発生したか否か、およびその地絡事故発生が正極側電路SP1〜SP3あるいは負極側電路SN1〜SN3のいずれであるかは、正極側の対地間電圧VPEあるいは負極側の対地間電圧VNEの変化に基づいて検出することが可能であるが、いずれの回線F1〜F3に地絡事故が発生したか、つまり、地絡回線を特定することはできない。
地絡事故が発生した回線を特定する方法としては、対地端子から交流電流を流すことにより、地絡事故が発生した回線のみにその交流電流が流れることから、交流クランプメータにより各回線ごとにその交流電流の有無を検出することでもって、地絡事故が発生した回線を特定することができる。
しかしながら、前述した判別方法では、交流電流を使用しているため、対地静電容量や回線の負荷機器に付加されている対地へのコンデンサにその交流電流が流れ、地絡事故が発生した回線を誤認したり、交流電流の減衰によりその交流電流を検出することが困難であったりする場合があった。
本出願人は、前述の問題点を解消するため、地絡事故が発生した回線の特定を正確かつ確実に行い得る直流地絡回線の判別装置及び判別方法を先に提案している(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−60893号公報
この特許文献1に開示された直流地絡回線の判別装置及び判別方法では、回線の正極側電路または負極側電路の電圧を変動させるようにしている。いずれの回線にも地絡事故が発生していない正常時には、正極側の対地間電圧と負極側の対地間電圧がほぼ等しくなる。一方、複数の回線のいずれかに地絡事故が発生した場合、正常時には、ほぼ等しかった正極側の対地間電圧と負極側の対地間電圧との関係が変化する。つまり、その地絡事故が正極側電路であれば、正極側の対地間電圧が小さくなり、健全な負極側電路については負極側の対地間電圧が大きくなる。また、地絡事故が負極側電路であれば、負極側の対地間電圧が小さくなり、健全な正極側電路については正極側の対地間電圧が大きくなる。
この時、地絡極側の回線について、例えばダイオードの定電圧源や抵抗等による電圧降下手段により電圧を降下させた場合、地絡事故が発生した回線では、主回路の地絡極側の対地間電圧が大きくなり、健全極側の対地間電圧が小さくなって、地絡極側と健全極側の両対地間電圧が、正常時の対地間電圧に近づくことになる。一方、地絡事故が発生していない健全な回線については、地絡極側または健全極側のいずれの対地間電圧も前述したような変化が生じない。従って、活線状態の回線に判別装置を接続し、地絡極側あるいは健全極側の対地間電圧を監視することにより、地絡事故が発生した回線を特定することができる。
しかしながら、この特許文献1に開示された直流地絡回線の判別装置及び判別方法では、地絡事故が継続的に発生している場合に有効な手段であるが、地絡事故は間欠的に発生する場合もあり、そのような間欠的に発生する地絡事故の場合、特許文献1に開示された直流地絡回線の判別装置及び判別方法では、間欠的な地絡事故が発生した回線を特定することが困難である。
また、前述したように対地端子から交流電流を流すことにより、交流クランプメータにより各回線ごとにその交流電流の有無を検出することでもって、地絡事故が発生した回線を特定する手法では、間欠的な地絡事故の場合、回線に交流電流が流れないようになることから、この手法を採用することもできない。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、簡便な手段により、間欠的な地絡事故が発生した場合でもその地絡回線の特定を正確かつ確実に行い得る直流地絡回線の判別装置及び判別方法を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明に係る直流地絡回線の判別装置は、直流電源を有する主回路とその主回路から分岐した複数の回線とを備え、それら回線のいずれかに発生した地絡事故を検出する継電器を主回路に設けた直流制御電源回路に間欠的に地絡事故が発生した場合の地絡回線の判別装置であって、継電器により検出された地絡事故により各回線に存在する対地静電容量の充放電でもって各回線に流れる瞬間的な電流の変化を検出する零相変流器と、その零相変流器により検出された瞬間的な電流の変化が逆極性となる回線を判別する判定器とを具備したことを特徴とする。
また、本発明に係る直流地絡回線の判別方法は、直流電源を有する主回路とその主回路から分岐した複数の回線とを備え、それら回線のいずれかに発生した地絡事故を検出する継電器を主回路に設けた直流制御電源回路に間欠的に地絡事故が発生した場合の地絡回線を判別する方法であって、継電器によりいずれかの回線で発生した地絡事故を検出した後、その地絡事故により各回線に存在する対地静電容量の充放電でもって各回線に流れる瞬間的な電流の変化を検出する零相変流器を各回線に設置し、その零相変流器により検出された瞬間的な電流の変化が逆極性となる回線を判定器で判別することを特徴とする。
本発明では、まず、主回路に設けられた継電器でもって地絡事故の発生を検出する。この継電器では地絡事故の発生のみを検出することになる。この時点では、何れの回線に地絡事故が発生したかは不明である。そこで、継電器により地絡事故の発生を検出した後、各回線に零相変流器を設置する。
本発明における検出対象が間欠的に発生する地絡事故であることから、継電器で最初に検出された地絡事故が回復した後、地絡事故が再度発生することになる。本発明では、最初の地絡事故の発生により各回線への零相変流器を設置した後、再度の地絡事故の発生を継電器でもって検出する。
その地絡事故により各回線に存在する対地静電容量の充放電でもって各回線に流れる瞬間的な電流の変化を零相変流器で検出する。この瞬間的な電流の変化は、健全回線に対して地絡回線では逆極性となることから、その瞬間的な電流の変化が逆極性となる回線を判定器により地絡回線として判別することができる。
前述した構成における零相変流器としては、交流用クランプ式変流器を使用することが好適である。一般的に零相変流器は、直流用と交流用に大別される。ここで、直流回路の地絡電流を検出し得る高精度なクランプ式変流器は実用化されていないというのが現状である。
そこで、地絡回線の判別対象が、各回線に存在する対地静電容量の充放電でもって各回線に流れる瞬間的な電流の変化であることから、安価な交流用クランプ式変流器を使用することが可能となる。なお、クランプ式のものを使用するのは、回線を切断することなく、活線状態のままで地絡電流の検出を可能にするためである。
前述の構成における判定器は、継電器により地絡事故を検出した時点をトリガとしてその前の所定期間で瞬間的な電流の変化が逆極性となる回線を判別するようにしている。継電器の動作により地絡事故を検出し、その検出時点をトリガとしてその前の所定期間で零相変流器により瞬間的な電流の変化を検出する。このようにして、継電器により地絡事故発生を検出する時点に対して零相変流器により瞬間的な電流変化を検出するタイミングを前述の所定期間内に設定することにより、地絡回線を容易かつ確実に特定することができる。
本発明においては、主回路と大地との間にコンデンサ回路を接続すると共に、継電器により検出された地絡事故によりコンデンサ回路のコンデンサの充放電でもってコンデンサ回路に流れる瞬間的な電流の変化を検出する零相変流器をコンデンサ回路に付設することが望ましい。このようにすれば、コンデンサ回路の零相変流器により検出された瞬間的な電流の変化と逆極性になる回線を判定器で判別することで、対地静電容量が非常に小さく、回線に微小な電流しか流れない場合や、対地静電容量が存在する回線が二回線でそれら回線のいずれか一方に地絡事故が発生した場合であっても、地絡回線を容易かつ確実に特定することができる。
本発明によれば、継電器によりいずれかの回線で発生した地絡事故を検出し、その継電器により検出された地絡事故により各回線に存在する対地静電容量の充放電でもって各回線に流れる瞬間的な電流の変化を検出する零相変流器を設置し、その零相変流器により検出された瞬間的な電流の変化が逆極性となる回線を判定器で判別する。これにより、間欠的な地絡事故が発生した回線を正確かつ確実に特定することができるので、間欠的な地絡事故が発生した回線を特定する上で信頼性が大幅に向上する。
本発明に係る直流地絡回線の判別装置及び判別方法の実施形態を以下に詳述する。なお、図1〜図5において、図6〜図9と同一部分には同一参照符号を付す。
図2は本発明を適用する直流回路としての直流制御電源回路を例示する。この直流制御電源回路は、例えば発変電所、工場の制御電源や通信電源などを有し、制御用の直流電源1が接続された主回路2と、その主回路2から分岐した複数の回線F1〜F3(図では3回線を例示する)を備え、それぞれの回線F1〜F3には継電器などの負荷L1〜L3が開閉器CB1〜CB3を介して接続されている。
なお、この実施形態では、回線F1〜F3に負荷L1〜L3が接続されている場合について説明するが、回線F1〜F3に前述のような負荷が接続されていない場合もある。また、図示の実施形態では、3つの回線F1〜F3を例示しているが、本発明は3つ以上の複数の回線について適用可能である。
この直流制御電源回路において、複数の回線F1〜F3のいずれかに地絡事故が発生したことを検出する目的から、直流地絡を検出するための保護用継電器3を設置している。
この継電器3は、正極側に接続された抵抗RPと負極側に接続された抵抗RNを共通に接地接続した構成を有し、いずれの回線F1〜F3にも地絡事故が発生していない正常時には、通常、抵抗RPと抵抗RNが等しい値に設定されていることから、正極側の対地間電圧VPEと負極側の対地間電圧VNEがほぼ等しくなる(図7参照)。その時、継電器3のブザーまたはランプによる警告が発せられることはない。
一方、複数の回線F1〜F3のいずれかに地絡事故が発生した場合、ほぼ等しかった正極側の対地間電圧VPEと負極側の対地間電圧VNEが変化する。つまり、その地絡事故aが正極側電路SP1〜SP3であれば、正極側の対地間電圧VPEが小さくなり、負極側の対地間電圧VNEが大きくなる(図8参照)。また、地絡事故aが負極側電路SN1〜SN3であれば、負極側の対地間電圧VNEが小さくなり、正極側の対地間電圧VPEが大きくなる(図9参照)。
このことから、正極側の対地間電圧VPEと負極側の対地間電圧VNEがほぼ等しければ、地絡事故が発生していないことになり、また、正極側の対地間電圧VPEが小さくなって負極側の対地間電圧VNEが大きければ、正極側電路SP1〜SP3に地絡事故aが発生したことを検出でき、逆に、負極側の対地間電圧VNEが小さくなって正極側の対地間電圧VPEが大きければ、負極側電路SN1〜SN3に地絡事故aが発生したことを検出できる。
このようにして、正極側の対地間電圧VPEあるいは負極側の対地間電圧VNEを継電器3の電圧測定機能により検出することにより、いずれかの回線F1〜F3に地絡事故aが発生したこと、および、その地絡事故aが正極側電路SP1〜SP3あるいは負極側電路SN1〜SN3のいずれであるかをブザーまたはランプ等で警報するようにしている。
前述のようにして、正極側の対地間電圧VPEあるいは負極側の対地間電圧VNEの変化に基づいて、いずれかの回線F1〜F3に地絡事故aが発生したこと、および正極側電路SP1〜SP3あるいは負極側電路SN1〜SN3のどちらの電路で地絡事故aが発生したかを認知した上で、零相変流器の一つである交流用クランプ式変流器CT1〜CT3(以下、単に変流器と称す)を各回線F1〜F3に設置し、各変流器CT1〜CT3を判定器4の検出入力端子4aに接続する。
図1は図2の直流制御電源回路の各回線F1〜F3に変流器CT1〜CT3を設置すると共に各変流器CT1〜CT3を判定器4の検出入力端子4aに接続した状態を示す。この判定器4には、同図に示すように前述した継電器3が外部トリガ入力端子4bに接続され、また、判定データを記録するためのパーソナルコンピュータ5が出力端子4cに接続されている。
ここで、地絡事故には、継続的なもの以外に間欠的に発生するものがある。つまり、間欠的な地絡事故では、地絡事故が発生しても一旦回復し、その後、地絡事故が再度発生するように、地絡事故が断続的に発生することになる。
この実施形態では、この間欠的な地絡事故を検出対象とし、前述したようにいずれかの回線F1〜F3に地絡事故が発生したこと、すなわち、一回目の地絡事故発生を継電器3で検出することになる。この一回目の地絡事故発生を継電器3で検出した後、図1に示すように各回線F1〜F3に変流器CT1〜CT3を設置する。
この変流器CT1〜CT3は、分割可能なリング状先端部を有するクランプ式であるため、そのリング状先端部に回線F1〜F3の正極側電路SP1〜SP3と負極側電路SN1〜SN3を貫通させることにより設置される。このようなクランプ式変流器を使用することにより、活線状態のままで地絡電流の検出が可能となる。
例えば、直流制御電源回路の3つの回線F1〜F3のうち、回線F1に地絡事故aが発生した場合を想定する。ここで、各回線F1〜F3には対地静電容量C1P〜C3P,C1N〜C3Nが存在することから、回線F1に地絡事故aが発生した場合、その地絡事故aにより各回線F1〜F3に存在する対地静電容量C1P〜C3P,C1N〜C3Nの充放電でもって各回線F1〜F3に電流が流れる。
各回線F1〜F3に流れる電流をI1P〜I3P,I1N〜I3Nで表すと、図示のような状態となり、地絡事故aが発生していない健全な状態の回線(以下、健全回線と称す)F2では、自回線分の電流I2P+I2Nが流れ、また、別の健全回線F3では、自回線分の電流I3P+I3Nが流れる。
一方、地絡事故aが発生した回線(以下、地絡回線と称す)F1では、全体の電流I1P+I1N+I2P+I2N+I3P+I3Nから自回線分I1P+I1Nを引いた電流I2P+I2N+I3P+I3Nが流れる。このように、地絡回線F1に流れる電流I2P+I2N+I3P+I3Nは、健全回線F2,F3に流れる電流I2P+I2N,I3P+I3Nよりも大きく、かつ、逆向きとなる。なお、この電流の大きさについては、地絡抵抗の大きさに応じて変動する。
以上で説明した各回線F1〜F3に流れる電流は、各回線F1〜F3に存在する対地静電容量C1P〜C3P,C1N〜C3Nでもって過渡的に変化する針状波形となることから、交流用クランプ式変流器CT1〜CT3で検出可能である。
そこで、その地絡事故aにより各回線F1〜F3に存在する対地静電容量C1P〜C3P,C1N〜C3Nの充放電でもって各回線F1〜F3に流れる瞬間的な電流の変化を変流器CT1〜CT3で検出すると、図3に示すように地絡回線F1に流れる電流I2P+I2N+I3P+I3Nが健全回線F2,F3に流れる電流I2P+I2N,I3P+I3Nと逆向きになることから、変流器CT1〜CT3で検出された瞬間的な電流の変化は、健全回線F2,F3に対して地絡回線F1で逆極性となる。
判定器4は、図4に示すように継電器3により地絡事故aを検出した時点をトリガとしてその前後の所定期間Tで変流器CT1〜CT3からの検出出力、つまり、各回線F1〜F3に流れる瞬間的な電流の変化の極性を判別し、一つだけ極性が異なる回線F1を地絡回線として判別する。このようにして各回線F1〜F3に流れる瞬間的な電流の変化を監視することにより、地絡事故aが発生した回線F1を特定することができる。
継電器3の動作により地絡事故aを検出し、その検出時点をトリガとしてその前後の所定期間Tで変流器CT1〜CT3により瞬間的な電流の変化を検出するようにして、継電器3により地絡事故発生を検出する時点に対して変流器CT1〜CT3により瞬間的な電流変化を検出するタイミングを前述の所定期間T内に設定することにより、地絡回線を容易かつ確実に特定することができる。
なお、前述した変流器CT1〜CT3による検出期間Tは、トリガ前の期間T1を継電器3の動作特性に応じて適正値に設定する必要はあるが、トリガ後の期間T2については必ずしも必要ではない。
以上の実施形態では、各回線F1〜F3には対地静電容量C1P〜C3P,C1N〜C3Nが存在し、地絡事故発生により各回線F1〜F3に存在する対地静電容量C1P〜C3P,C1N〜C3Nの充放電でもって各回線F1〜F3に電流が流れる場合について説明したが、その対地静電容量C1P〜C3P,C1N〜C3Nのいずれかが非常に小さく、回線F1〜F3のいずれかに微小な電流しか流れない場合がある。この場合、回線F1〜F3に流れる電流が微小であることから、前述した実施形態の判別装置では、地絡事故が発生した回線の特定が困難となる可能性がある。
また、対地静電容量C1P〜C3P,C1N〜C3Nが存在する回線F1〜F3が二回線でそれら回線のいずれか一方に地絡事故が発生した場合、その地絡事故の発生により二回線に流れる電流は、それぞれの大きさが同じで方向が逆となる。このように、変流器CT1〜CT3により瞬間的な変化を検出するための電流が二回線のみであり、その二回線に流れる電流が逆極性であっても、その大きさが同じであれば、前述した実施形態の判別装置では、地絡事故が発生した回線の特定が困難となる可能性がある。
そこで、対地静電容量C1P〜C3P,C1N〜C3Nが非常に小さく、回線F1〜F3に微小な電流しか流れない場合や、対地静電容量C1P〜C3P,C1N〜C3Nが存在する回線が二回線でそれら回線のいずれか一方に地絡事故が発生した場合には、図5に示す実施形態が有効である。
図5に示す実施形態では、主回路2と大地との間にコンデンサ回路6を接続すると共に、継電器3により検出された地絡事故によりコンデンサ回路6のコンデンサCP,CNの充放電でもってコンデンサ回路6に流れる瞬間的な電流の変化を検出する変流器CTをコンデンサ回路6に付設する。
具体的には、主回路2の正極側に接続されたコンデンサCPと負極側に接続されたコンデンサCNを共通に接地接続した構成を有するコンデンサ回路6を用意し、そのコンデンサ回路6から延びる接続端子を主回路2の正極側および負極側にそれぞれ接続する。また、このコンデンサ回路6に設けられた変流器CTは、判定器4の検出入力端子4aに接続する。
対地静電容量C1P〜C3P,C1N〜C3Nが非常に小さく、回線F1〜F3に微小な電流しか流れない場合であっても、主回路2に接続されたコンデンサ回路6によるコンデンサCP,CNの静電容量の充放電でもって回線F1〜F3に流れる電流が多くなることから、地絡事故が発生した回線の特定が容易となる。
また、対地静電容量C1P,C1N,C2P,C2Nが存在する回線F1,F2が二回線でそれら回線のいずれか一方、例えば回線F1に地絡事故aが発生した場合には、コンデンサ回路6によるコンデンサCP,CNの静電容量の充放電でもってコンデンサ回路6に流れる電流を変流器CTにより検出することから、そのコンデンサ回路6に流れる電流と逆極性になる回線F1を地絡回線として判定器4で判別することができる。つまり、その地絡事故aの発生により二回線F1,F2に流れる電流の大きさが同じで、その方向が逆となっても、それら二回線F1,F2のうち、コンデンサ回路6に流れる電流と同一方向の回線F2が健全回線であり、コンデンサ回路6に流れる電流と逆方向の回線F1が地絡回線であると判定できる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明の実施形態で、直流制御電源回路に変流器および判定器を接続した状態を示す回路図である。 本発明を適用する直流回路として例示した直流制御電源回路を示す回路図である。 本発明の実施形態で、各回線に流れる瞬間的な電流の変化を示す波形図である。 本発明の実施形態で、地絡事故を検出する際の外部トリガ信号と記録期間信号を示す波形図である。 本発明の他の実施形態で、主回路にコンデンサ回路および変流器を接続した状態を示す回路図である。 主回路から分岐した複数の回線を備えた直流制御電源回路を示す回路図である。 正極側電路および負極側電路が正常な場合の正極側および負極側の対地間電圧を説明するための回路図である。 正極側電路に地絡事故が発生した場合の正極側および負極側の対地間電圧を説明するための回路図である。 負極側電路に地絡事故が発生した場合の正極側および負極側の対地間電圧を説明するための回路図である。
符号の説明
1 直流電源
2 主回路
3 継電器
4 判定器
a 地絡事故
1〜F3 回線
CT1〜CT3 零相変流器
1P〜C3P,C1N〜C3N 対地静電容量

Claims (8)

  1. 直流電源を有する主回路とその主回路から分岐した複数の回線とを備え、それら回線のいずれかに発生した地絡事故を検出する継電器を前記主回路に設けた直流制御電源回路に間欠的に地絡事故が発生した場合の地絡回線の判別装置であって、前記継電器により検出された地絡事故により各回線に存在する対地静電容量の充放電でもって各回線に流れる瞬間的な電流の変化を検出する零相変流器と、その零相変流器により検出された瞬間的な電流の変化が逆極性となる回線を判別する判定器とを具備したことを特徴とする直流地絡回線の判別装置。
  2. 前記主回路と大地との間に接続されたコンデンサ回路と、前記継電器により検出された地絡事故によりコンデンサ回路のコンデンサの充放電でもって前記コンデンサ回路に流れる瞬間的な電流の変化を検出する零相変流器とを付加した請求項1に記載の直流地絡回線の判別装置。
  3. 前記零相変流器は、交流用クランプ式変流器である請求項1又は2に記載の直流地絡回線の判別装置。
  4. 前記判定器は、継電器により地絡事故を検出した時点をトリガとしてその前の所定期間で瞬間的な電流の変化が逆極性となる回線を判別する請求項1〜3のいずれか一項に記載の直流地絡回線の判別装置。
  5. 直流電源を有する主回路とその主回路から分岐した複数の回線とを備え、それら回線のいずれかに発生した地絡事故を検出する継電器を前記主回路に設けた直流制御電源回路に間欠的に地絡事故が発生した場合の地絡回線を判別する方法であって、前記継電器によりいずれかの回線で発生した地絡事故を検出した後、その地絡事故により各回線に存在する対地静電容量の充放電でもって各回線に流れる瞬間的な電流の変化を検出する零相変流器を各回線に設置し、その零相変流器により検出された瞬間的な電流の変化が逆極性となる回線を判定器で判別することを特徴とする直流地絡回線の判別方法。
  6. 前記主回路と大地との間にコンデンサ回路を接続すると共に、前記継電器により検出された地絡事故によりコンデンサ回路のコンデンサの充放電でもって前記コンデンサ回路に流れる瞬間的な電流の変化を検出する零相変流器をコンデンサ回路に付設し、そのコンデンサ回路の零相変流器により検出された瞬間的な電流の変化と逆極性になる回線を判定器で判別する請求項5に記載の直流地絡回線の判別方法。
  7. 前記零相変流器は、交流用クランプ式変流器である請求項5又は6に記載の直流地絡回線の判別方法。
  8. 前記判定器は、継電器により地絡事故を検出した時点をトリガとしてその前の所定期間で瞬間的な電流の変化が逆極性となる回線を判別する請求項5〜7のいずれか一項に記載の直流地絡回線の判別方法。
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