JP2013110082A - 電極の評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
かかる電極の評価方法は、電極活物質とバインダとを含む多孔性の電極活物質層が集電体上に備えられてなる電極を評価する方法である。電極を少なくとも2枚用意し、電解質中において電極活物質層が対向するように前記電極を重ね合わせた評価用セルを用意する工程と、評価用セルにおいて、重ねられた一方の電極の前記電極集電体と、他方の前記電極集電体との間に電圧を印加する工程とを包含する。電圧は、交流電圧を高周波側から低周波側に変化させて印加するのが好ましい。
【選択図】図5
Description
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充電可能な電池一般をいう。また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」は、電解質イオンとしてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電子の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、電池を組み立てることなく、電極の状態で電池の特性を直接的に反映し得る電極の評価方法を提供することである。
正極シート220は、図3に示すように、帯状の正極集電体221と、正極活物質層223とを備えている。正極集電体221には、正極に適する金属箔が好適に使用され得る。この実施形態では、正極集電体221には、所定の幅を有し、厚さがおよそ10μmの帯状のアルミニウム箔が用いられている。正極集電体221の幅方向片側の縁部に沿って未塗工部222が設定されている。正極活物質層223は、正極集電体221に設定された未塗工部222を除いて、正極集電体221の両面に形成されている。
正極活物質層223は、正極集電体221に保持され、少なくとも正極活物質が含まれている。この実施形態では、正極活物質層223は、正極活物質を含む正極活物質層形成用組成物が正極集電体221に塗工されている。正極活物質層223には、正極活物質や導電材やバインダが含まれ得る。
正極活物質には、リチウムイオン二次電池100の正極活物質として用いることができる物質を使用することができる。正極活物質の例を挙げると、LiNiCoMnO2(リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物)、LiNiO2(ニッケル酸リチウム)、LiCoO2(コバルト酸リチウム)、LiMn2O4(マンガン酸リチウム)、LiFePO4(リン酸鉄リチウム)などのリチウム遷移金属酸化物が挙げられる。また、一般式:
Li(LiaMnxCoyNiz)O2
(前式中のa、x、y、zはa+x+y+z=1を満たす。)
で表わされるような、遷移金属元素を3種含むいわゆる三元系リチウム過剰遷移金属酸化物や、一般式:
xLi[Li1/3Mn2/3]O2・(1−x)LiMeO2
(前式中、Meは1種または2種以上の遷移金属であり、xは0<x≦1を満たす。)
で表わされるような、いわゆる固溶型のリチウム過剰遷移金属酸化物等であってもよい。
導電材としては、例えば、カーボン粉末やカーボンファイバーなどのカーボン材料が例示される。このような導電材から選択される一種を単独で用いてもよく二種以上を併用してもよい。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、黒鉛化カーボンブラック、カーボンブラック、黒鉛、ケッチェンブラック)、グラファイト粉末などのカーボン粉末を用いることができる。
また、バインダは、正極活物質や導電材の各粒子を結着させたり、これらの各粒子と正極集電体221とを結着させたりする。かかるバインダとしては、使用する溶媒に溶解または分散可能なポリマーを用いることができる。例えば、水性溶媒を用いた正極活物質層形成用組成物においては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース系ポリマー、また例えば、ポリビニルアルコール(PVA)や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系樹脂、酢酸ビニル共重合体やスチレンブタジエン共重合体(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)などのゴム類;などの水溶性または水分散性ポリマーを好ましく採用することができる。また、非水溶媒を用いた正極活物質層形成用組成物においては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリルニトリル(PAN)などのポリマーを好ましく採用することができる。
正極活物質層223は、例えば、上述した正極活物質や導電材を溶媒にペースト状(スラリ状)に混ぜ合わせた正極活物質層形成用組成物を作成し、正極集電体221に塗布し、乾燥させ、圧延することによって形成されている。この際、正極活物質層形成用組成物の溶媒としては、水性溶媒および非水溶媒の何れも使用可能である。非水溶媒の好適な例としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。上記バインダとして例示したポリマー材料は、バインダとしての機能の他に、正極活物質層形成用組成物の増粘剤その他の添加剤としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
負極シート240は、図3に示すように、帯状の負極集電体241と、負極活物質層243とを備えている。負極集電体241には、負極に適する金属箔が好適に使用され得る。この実施形態では、この負極集電体241には、所定の幅を有し、厚さがおよそ10μmの帯状の銅箔が用いられている。負極集電体241の幅方向片側には、縁部に沿って未塗工部242が設定されている。負極活物質層243は、負極集電体241に設定された未塗工部242を除いて、負極集電体241の両面に形成されている。
負極活物質層243は、負極集電体241に保持され、少なくとも負極活物質が含まれている。この実施形態では、負極活物質層243は、負極活物質を含む負極活物質層形成用組成物が負極集電体241に塗工されている。この負極活物質層243には、例えば、負極活物質やバインダや増粘剤等が含まれ得る。バインダや増粘剤等は、正極活物質層223に用いるのと同様のものを使用することができる。
負極活物質としては、従来からリチウムイオン電池に用いられる材料の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(カーボン粒子)が挙げられる。より具体的には、負極活物質は、例えば、天然黒鉛、非晶質の炭素材料でコートした天然黒鉛、黒鉛質(グラファイト)、難黒鉛化炭素質(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質(ソフトカーボン)、または、これらを組み合わせた炭素材料でもよい。また、例えば、Si、Ge、Sn、Pb、Al、Ga、In、As、Sb、Bi等を構成金属元素とする金属化合物(好ましくは金属酸化物)などとしても良い。また、負極活物質粒子として、LTO(チタン酸リチウム)を用いることも提案されている。また、金属化合物からなる負極活物質については、例えば、炭素被膜によって、金属化合物の表面を充分に被覆し、導電性に優れた粒状体として用いてもよい。この場合、負極活物質層に導電材を含有させなくてもよいし、従来よりも導電材の含有率を低減させてもよい。これらの負極活物質の付加的な態様や、粒径等の形態は、所望の特性に応じて適宜に選択することができる。
負極活物質層243は、例えば、上述した負極活物質やバインダ等を溶媒にペースト状(スラリ状)に混ぜ合わせた負極活物質層形成用組成物を作成し、負極集電体241に塗布し、乾燥させ、圧延することによって形成されている。この際、負極活物質層形成用組成物の溶媒としては、水性溶媒および非水溶媒の何れも使用可能である。非水溶媒の好適な例としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。バインダには、上記正極活物質層223のバインダとして例示したポリマー材料を用いることができる。また、上記正極活物質層223のバインダとして例示したポリマー材料は、バインダとしての機能の他に、負極活物質層形成用組成物においても増粘剤その他の添加剤としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
セパレータ262、264は、図2〜図4に示すように、正極シート220と負極シート240とを隔てる部材である。この例では、セパレータ262、264は、微小な孔を複数有する所定幅の帯状のシート材で構成されている。セパレータ262、264には、例えば、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成された単層構造のセパレータや積層構造のセパレータを用いることができる。この例では、図3に示すように、負極活物質層243の幅b1は、正極活物質層223の幅a1よりも少し広い。さらにセパレータ262、264の幅c1、c2は、負極活物質層243の幅b1よりも少し広い(c1、c2>b1>a1)。
また、この例では、電池ケース300は、図1に示すように、いわゆる角型の電池ケースであり、容器本体320と、蓋体340とを備えている。容器本体320は、有底四角筒状を有しており、一側面(上面)が開口した扁平な箱型の容器である。蓋体340は、当該容器本体320の開口(上面の開口)に取り付けられて当該開口を塞ぐ部材である。
その後、蓋体340に設けられた注入孔350から電池ケース300内に電解液が注入される。電解液は、水を溶媒としていない、いわゆる非水電解液が用いられている。この例では、電解液は、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(例えば、体積比1:1程度の混合溶媒)にLiPF6を約1mol/リットルの濃度で含有させた電解液が用いられている。その後、注液孔350に金属製の封止キャップ352を取り付けて(例えば溶接して)電池ケース300を封止する。なお、電解液は、ここで例示された電解液に限定されない。例えば、従来からリチウムイオン二次電池に用いられている非水電解液を適宜使用することができる。
ここで、正極活物質層223は多孔性であって、例えば、正極活物質と導電材の粒子間などに、空孔とも称すべき微小な隙間を有している。かかる正極活物質層223の微小な隙間には電解液が浸み込み得る。また、負極活物質層243は多孔性であって、例えば、負極活物質の粒子間などに、空洞とも称すべき微小な隙間を有している。ここでは、かかる隙間を適宜に「空孔」と称する。このように、リチウムイオン二次電池100の内部では正極活物質層223と負極活物質層243には、電解液が染み渡っている。
また、この例では、当該電池ケース300の扁平な内部空間は、扁平に変形した捲回電極体200よりも少し広い。捲回電極体200の両側には、捲回電極体200と電池ケース300との間に隙間322、324が設けられている。当該隙間322、324は、ガス抜け経路になる。例えば、過充電が生じた場合などにおいて、リチウムイオン二次電池100の温度が異常に高くなると、電解液が分解されてガスが異常に発生する場合がある。この実施形態では、異常に発生したガスは、捲回電極体200の両側における捲回電極体200と電池ケース300との隙間322、324および、安全弁360を通して、電池ケース300の外にスムーズに排気される。
リチウムイオン二次電池100は、正極と負極の標準電極電位の差(いわゆる電位差)に応じて起電力が決定する。充電時においては、リチウムイオン二次電池100の電極端子420、440(図1参照)は、外部の充電器(図示せず)に接続される。充電器の作用によって、充電時には、正極活物質層223中の正極活物質からリチウムイオンが電解液に放出される。また、正極活物質層223からは電荷(電子)が放出される。放出された電荷は、導電材を通じて正極集電体221に送られ、さらに、充電器を通じて負極240へ送られる。また、負極240では電荷が蓄えられるとともに、電解液中のリチウムイオンが、負極活物質層243中の負極活物質に吸収され、かつ、貯蔵される。
放電時には、負極240から正極220に電荷が送られるとともに、負極活物質層243に貯蔵されたリチウムイオンが、電解液に放出される。また、正極では、正極活物質層223中の正極活物質に電解液中のリチウムイオンが取り込まれる。
評価用セル10は、例えば、以下の手順で用意することができる。すなわち、まず、少なくとも2枚の正極20A、20Bを用意する。正極は、2枚以上を用意してもよい。これらの正極20A、20Bは同一規格のものとする。例えば、同一の製造ロットで作製されたものや、同一の正極シートから切り出されたものであることが好ましい。これらの正極20A、20Bを、図5に示すように、電解質(図示せず)中において正極活物質層40A、40Bが対向するように重ね合わせる。なお、図5に示す形態では、正極20A、20Bは、対向する正極活物質層40A、40Bの間にセパレータ50を介在させている。かかる評価用セル10は、例えば、一方の正極20Aと、セパレータ50と、他方の正極20Bとを重ね合わせたものを、電解質とともに適切な電池ケース(図示せず)に挿入し、封口することで用意することができる。なお、正極集電体30A、30Bには外部接続端子32A、32Bを接続し、電池ケースの外に延設しておくのが好ましい。電池ケースとしては、ラミネートセル型の電池ケースを用いるのが簡便であるために好ましい。
そして、かかる評価方法においては、一方の正極20Aの正極集電体30Aと、他方の正極20Bの正極集電体30Bとの間に、電圧を印加する。外部接続端子32A、32Bを外部電源(図示せず)に接続することで電圧を印加することができる。
より詳細には、正極活物質層40A、40Bおよびセパレータ50は多孔性であるため、正極活物質層40A、40Bおよびセパレータ50の空孔内に電解質は含浸される。交流電圧を印加することで、正極活物質層40A、40Bおよびセパレータ50内に含浸される電解質に含まれるリチウムイオンは、測定周波数が高周波数から低周波数に変化するにつれて、測定時間が長くなるため、セパレータ50近傍から順にリチウムイオンの動きを測定できる。このようなリチウムイオンの挙動は、電池構造におけるリチウムイオンの充放電挙動を反映し得るものである。すなわち、ここに開示される正極20A、20Bの評価方法によると、電池を構築することなく、この正極20A、20Bを用いて構築される電池の特性をも評価し得る。
なお、プラスの電荷をもつリチウムイオンの挙動は、マイナスの電荷をもつ電子と対をなし、電子の動きを通じて評価される。したがって、正極活物質42A、42Bから導電材44A、44Bを通じて正極集電体30A、30Bに至る導電経路の抵抗が高いと、リチウムイオンの詳細な移動の様子を評価することができない。とりわけリチウムイオン二次電池用の正極活物質42A、42Bに多い絶縁性の材料を電極活物質として用いた電極については、導電材が好適に導電経路を形成していないと抵抗が高くなる。したがって、正極活物質層40A、40Bを、例えば所定の密度となるように圧延することで、正極活物質層40A、40Bに導電経路を良好に形成した状態の電極を評価することができる。また、例えば、正極活物質層40A、40Bを異なる何通りかの所定の密度に圧延し、正極20A、20Bの評価を行うことで、正極活物質層40A、40Bの圧延密度あるいは空孔分布等による正極20A、20B性能の評価を行うこと等も可能とされる。
以上のリチウムイオンおよび電子の移動は、上記評価用セル10に交流電圧を印加した際の電流値を測定することで、交流インピーダンス特性として具体的に表わすことができる。例えば、いわゆる交流インピーダンス法を用いて、交流電圧を高周波から低周波に変化させながら印加することで、上記の電子の移動およびイオンの移動に伴う抵抗成分をそれぞれ切り分けて評価することができる。そこで、以下に、ここに開示される評価用セル20の交流インピーダンス用による評価について説明する。
図6に示したCole−Coleプロットの場合、例えば、その形状から、おおまかに3つのパートP1、P2、P3に分けることができる。パートP1は、より高周波側の領域であり、その接線の傾き(実数成分Z’に対する虚数成分Z''の変化量)が45度よりも明らかに大きい(例えば、50度以上、典型的には60度以上)。パートP2は、中周波の領域(上記高周波の領域に続く低周波側の領域)であり、その接線の傾きが45度もしくはその近傍(例えば、45±5度程度)である。パートP3は、より低周波側の領域(上記中周波の領域に続く低周波側の領域)であり、その接線の傾きは45度よりも明らかに大きい(例えば、50度以上、典型的には80度以上)。
直流抵抗成分RSは、電子の移動に係る抵抗成分の総和であり、ここに開示される評価セル10に関しては、正極20A、20Bの電子抵抗(正極活物質間の接触抵抗)およびセパレータ50中の電解液の抵抗を含み、2枚の正極集電体30A、30B間の電子の移動抵抗に相当する。直流抵抗成分RSは、インピーダンス曲線の虚数成分Z''=0の時の実数成分Z’値に一致し、図6のプロット曲線におけるパートP1に含まれる。
その他、実際のインピーダンスの測定値には、測定装置の性能や測定器具の抵抗等の影響が含まれる。そのため、フィッティングにおいては補正抵抗成分を別途考慮してもよい。
なお、上述したように、ワールブルグインピーダンス成分WRからは、リチウムイオンの移動や、リチウムイオンが正極に入る際のスピードなどを読み取ることができる。具体的には、図5の正極活物質層40Aと正極活物質層40Bの間には電位差が発生していないため、それぞれの内部に存在する活物質とリチウムイオンの反応は起こらない。つまり、リチウムイオンが電極内に存在する電解液内を移動(拡散)する際の難しさがWRとして表される。
このことから、例えば、この電極を用いて電池を構築した場合の、電池の出入力特性を評価することが可能となる。
なお、交流インピーダンスの測定は、例えば、交流周波数を100000Hz〜0.1Hzへと変化させたときのインピーダンスを測定することで実施できるが、得られたデータを全て解析に供する必要はない。例えば、必要な範囲のデータから解析を行うことができる。このような解析データ範囲は、評価対象である電極の特性等に因るため一概には言えないが、例えば、10000Hz〜10Hzの範囲のデータを用いることなどが例示される。
また、かかる評価方法は、上記算出された直流抵抗成分RSまたはワールブルグインピーダンス成分WRの値が所定の範囲に入っているかどうかを判定することにより、良品判定を行うことができる。例えば、複数の評価用セル10について直流抵抗成分RSおよび/またはワールブルグインピーダンス成分WRを調べ、これらの抵抗値が所定のばらつきの範囲内に含まれる場合に、良品と判定することができる。例えば、基準値の±10%に入る電極を、良品と判定することができる。このような範囲は任意に設定することができ、例えば、基準値の±5%、±3%、±1%等のように様々に設定することができる。もちろん、その他にも、様々な範囲の設定の態様があることは言うまでもない。この場合、良品と判定された電極群は、電極性能にばらつきが少ないものとなり得る。
また、このように良品と判定された電極を用いて構築される電池は、より品質にばらつきが少ないものとなり得る。また、所定の電池特性が信頼性良く確保された電池となり得る。
これらの評価に際して、例えば、予め所定の範囲あるいは閾値を設定しておき、抵抗成分RSおよび/またはWR抵抗値が所定の範囲外あるいは閾値を超える場合には「NG」と表示し、該抵抗成分が所定の範囲内あるいは閾値内の場合には「GOOD」等の評価結果を表示する構成を備えるようにしてもよい。判断の基準となる「所定の範囲」の抵抗値は、評価対象である電極の特性や所望の品質に応じて、適宜決定することができる。
かかる電極の評価は、例えば、正極活物質層40A、40B間に圧力を加えて実施することができる。すなわち、例えば、図8は、正極集電体30A、30Bの両面に正極活物質層40A、40Bを備える正極20A、20Bを、多孔質フィルムからなる絶縁膜60を介して対向させて、評価用セル10を構築したものである。この評価用セル10は、更に加圧板62A、62Bによって積層方向で挟持されており、この加圧板62A、62Bの表面に垂直な方向に圧力Pを加えることで、正極活物質層40A、40Bに圧力を加えることができる。正極活物質層40A、40Bに圧力が加わると、正極活物質層40A、40Bの密度、空孔量および空孔分布状況が変化する。したがって、これらの変化に伴ってリチウムイオンおよび電子の挙動にも変化が見られる。このように正極活物質層40A、40Bの状態に変化を加えてインピーダンスを測定することで、正極活物質層40A、40Bの状態に変化によるリチウムイオンおよび電子の抵抗特性の変化を調べることができる。
したがって、例えば、評価対象である電極に関して得られた直流抵抗成分Rsが所定の範囲より大きい場合には、該電極の活物質層に圧力を加えたり、該電極の活物質層に加わる圧力を増大させることで、直流抵抗成分Rsを低減させることができる。これとは逆に、直流抵抗成分Rsが所定の範囲より大きい場合には、該電極の活物質層に加わる圧力を減少させることで、直流抵抗成分Rsを高めることができる。
また、評価対象である電極に関して得られたワールブルグインピーダンス成分WRが所定の範囲より大きい場合には、該電極の活物質層に圧力を加えたり、該電極の活物質層に加わる圧力を増大させることで、ワールブルグインピーダンス成分WRを低減させることができる。また、ワールブルグインピーダンス成分WRが所定の範囲より小さい場合には、該電極の活物質層に加わる圧力を減少させることで、ワールブルグインピーダンス成分WRを高めることができる。
また、リチウムイオン二次電池100を構築するに際し、かかる電極の評価を上記の正極20A、20Bに加えて、負極についても実施し、より良い正極と負極の組み合わせを決定することなども可能とされる。
たとえば、図5の場合では、評価対象のリチウムイオン二次電池用正極20A、20Bとしたが、電池の種類、電極の正負、および構成材料の種類、形態、製法等は制限されない。たとえば、リチウムイオン二次電池用負極を評価対象とすることもできる。その場合、負極活物質が炭素材料である場合は、負極活物質層に導電材は含まれなくてもよい。また、負極活物質がシリコン化合物である場合は、負極活物質層に導電材が含まれることが好ましく、その導電材の形態は、粒状で含まれていても、負極活物質を被覆する形態で含まれていてもよい。
また、評価の対象となる電極は、リチウムイオン二次電池用の電極に限定されることはない。例えば、電気二重層キャパシタおよびこれらの複合体(典型的にはリチウムイオンキャパシタ)等のキャパシタ用電極や、その他の各種の電池用電極にも適用し得る。
10 評価用セル
20A、20B 正極
30A、30B 正極集電体(電極集電体)
32A、32B 接続端子
40A、40B 正極活物質層(電極活物質層)
42A、42B 正極活物質(電極活物質)
44A、44B 導電材
46A、46B バインダ
50 セパレータ
60 絶縁膜
62A、62B 加圧板
100 リチウムイオン二次電池
200 捲回電極体
220 正極シート
221 正極集電体
222 未塗工部
223 正極活物質層
224 中間部分
240 負極シート
241 負極集電体
242 未塗工部
243 負極活物質層
244 中間部分
262、264 セパレータ
300 電池ケース
320 容器本体
322、324 隙間
340 蓋体
350 注入孔
352 封止キャップ
360 安全弁
420 電極端子(正極)
420a 先端部
440 電極端子(負極)
440a 先端部
WL 捲回軸
Claims (8)
- 電極活物質とバインダとを含む多孔性の電極活物質層が集電体上に備えられてなる電極を評価する方法であって、
前記電極を少なくとも2枚用意し、電解質中において前記電極活物質層が対向し、かつ、互いに絶縁された状態で前記電極を配置した評価用セルを用意する工程と、
前記評価用セルにおいて、一方の電極の電極集電体と、他方の電極の電極集電体との間に電圧を印加する工程と、
を包含する、電極の評価方法。 - 前記電圧を印加する工程において、前記一方の電極の電極集電体と前記他方の電極の電極集電体との間に交流電圧が印加され、
前記交流電圧が印加された電極集電体間の電圧と電流の関係から、前記電極集電体間のインピーダンスを測定する工程を含む、請求項1に記載された電極の評価方法。 - 前記測定する工程において、前記交流電圧の周波数を高周波から低周波に変化させながら前記電極集電体間のインピーダンスを測定する、請求項2に記載された電極の評価方法。
- 前記インピーダンス測定を解析することにより得られる前記電極集電体間の直流抵抗成分Rsおよび/またはワールブルグインピーダンス成分WRに基づいて、前記電極を評価する工程をさらに含む、請求項3に記載された電極の評価方法。
- 前記ワールブルグインピーダンス成分WRが所定の範囲内の値である場合に、前記電極を良品と判定する、請求項4に記載された電極の評価方法。
- 前記電圧を印加する工程において、前記電極活物質層に圧力を加える、請求項1から5までの何れか一項に記載された電極の評価方法。
- 評価用セルを用意する工程において、
対向する前記電極活物質層の間にセパレータを介在させた、請求項1から6までの何れか一項に記載された電極の評価方法。 - 前記電極は、リチウム遷移金属酸化物とバインダとを含む多孔性の正極活物質層が所定の正極集電体上に備えられてなるリチウムイオン二次電池用正極である、請求項1〜7までの何れか一項に記載された電極の評価方法。
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