JP2002151366A - 電気二重層キャパシタの検査方法 - Google Patents

電気二重層キャパシタの検査方法

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JP2002151366A
JP2002151366A JP2000343894A JP2000343894A JP2002151366A JP 2002151366 A JP2002151366 A JP 2002151366A JP 2000343894 A JP2000343894 A JP 2000343894A JP 2000343894 A JP2000343894 A JP 2000343894A JP 2002151366 A JP2002151366 A JP 2002151366A
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electric double
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Tsuyoshi Yano
剛志 矢野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の電気二重層キャパシタの特性の測定・検
査方法よりも短時間で特性を測定し、より迅速に検査を
行うことができる電気二重層キャパシタの検査方法を提
供すること。 【解決手段】本発明の電気二重層キャパシタの検査方法
は、正極と負極とをセパレータを介して積層した電極体
を形成する電極体形成工程S1と、該電極体に電解液を
含浸させる電解液含浸工程S4とを有する製造工程で製
造される電気二重層キャパシタの検査方法であって、前
記電極体形成工程S1と前記電解液含浸工程S4との間
に、前記電極体に前記電解液を含浸していない場合にお
ける前記電気二重層キャパシタの静電容量である仮静電
容量を測定する静電容量測定工程S3を有し、さらに、
前記仮静電容量の値に基づいて前記電気二重層キャパシ
タの性能を判定する判定工程を有することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気二重層キャパ
シタの電気的な特性を迅速に測定し、検査する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】電気二重層キャパシタは、電子機器等の
バックアップ電源等に利用されており、大きな静電容量
を有するのみならず、充放電速度が二次電池と比較して
迅速にできるという利点がある。これらの利点から、電
気二重層キャパシタは、回生エネルギー等の有効利用が
可能であるとして、電気自動車への応用が期待されてい
る。
【0003】一般的な電気二重層キャパシタは、金属箔
上に活性炭等の薄層を形成し、正負の電極としている。
そして、この電極をセパレータを介して積層し、電解液
を含浸させて電気二重層キャパシタの1セルとしてい
る。電気二重層キャパシタは1セルあたり数V以下の電
圧耐性なので、それより高い電圧で使用する場合には必
要な電圧が得られるようにセルを直列に、また高い静電
容量を得るためにはセルを並列に接続した集合体として
用いられる。
【0004】このような電気二重層キャパシタの信頼性
を向上させるには各セルおよびセルの集合体の電気的特
性の制御が重要である。電気二重層キャパシタの性能に
関連する特性としては静電容量、内部抵抗がある。
【0005】従来の電気二重層キャパシタの特性を検査
する方法としては、電気二重層キャパシタを完成させた
後にその性能を安定化させるためにエージング処理を行
い、その後充放電を繰り返すことで検査を行っていた。
すなわち、図6に示すように、電気二重層キャパシタの
製造工程との関係で示すと、まず電極体形成工程S11
によって電気二重層キャパシタの電極体を形成した後
に、乾燥工程S12によりその電極体を乾燥させる。そ
して、電解液含浸工程S13によって乾燥させた電極体
に電解液を含浸させ電気二重層キャパシタを組み立てた
後に、電気的特性を安定化させるためにエージングS1
4を行う。このように、電気二重層キャパシタを完成さ
せた後に静電容量測定S15および内部抵抗測定S16
を行っていた。
【0006】この場合に、電気二重層キャパシタの静電
容量は大容量のもので数百F以上あり、内部抵抗が1m
Ω前後であるので、誘電正接が10の5乗オーダーとな
るので一般的で安価なLCRメーター等では測定でき
ず、測定に長時間必要であった。
【0007】特開平6−82502号公報では直流抵抗
と静電容量とを短時間で行うための方法が開示されてい
るが、この方法でも電気二重層キャパシタを充放電する
時間(エージング時および測定前)が必要であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明で
は、従来の電気二重層キャパシタの特性の測定・検査方
法よりも短時間で特性を測定し、より迅速に検査を行う
ことができる電気二重層キャパシタの検査方法を提供す
ることを解決すべき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の電気二重層キャパシタの検査方法は、正極と負極と
をセパレータを介して積層または巻回により層状に組み
付けた電極体を形成する電極体形成工程と、該電極体に
電解液を含浸させる電解液含浸工程とを有する製造工程
で製造される電気二重層キャパシタの検査方法であっ
て、前記電極体形成工程と前記電解液含浸工程との間
に、前記電極体に前記電解液を含浸していない場合にお
ける前記電気二重層キャパシタの静電容量である仮静電
容量を測定する静電容量測定工程を有し、さらに、前記
仮静電容量の値に基づいて前記電気二重層キャパシタの
性能を判定する判定工程を有することを特徴とする。
【0010】本発明は、完成品の電気二重層キャパシタ
の静電容量の値が電解液を電極体に含浸させる前の電気
二重層キャパシタの静電容量の値と対応関係にあるとい
う発見に基づいてなされたものである。
【0011】つまり、図1に示すように、本発明の検査
方法を電気二重層キャパシタの製造方法と併せて説明す
ると、まず電極体形成工程S1によって電気二重層キャ
パシタの電極体を形成した後に、必要に応じて行う乾燥
工程S2によりその電極体を乾燥させる。そして、電極
体形成工程S1の後、後述する電解液含浸工程S4の前
に、その電極体について静電容量測定工程S3により静
電容量(仮静電容量)を測定する。その後、電解液含浸
工程S4によって電極体に電解液を含浸させ電気二重層
キャパシタを組み立てた後に、必要に応じて電気二重層
キャパシタの内部抵抗を測定するS5。その後、電気的
特性を安定化させるためにエージングS6を行う。そし
て、電気二重層キャパシタについて、この工程中の静電
容量測定工程S3および内部抵抗測定S5でそれぞれ何
らかの評価を行うものである。
【0012】電極体に含浸させる前の電気二重層キャパ
シタの静電容量は完成品の電気二重層キャパシタの静電
容量よりも大幅に低いので一般的な汎用LCRメーター
等の安価な機器を用いて静電容量を測定することができ
る。したがって、電気二重層キャパシタの検査工程に関
わる設備が簡略化でき、かつ検査時間の短縮も可能とな
る。
【0013】また、電解液の含浸前に静電容量を測定す
るとその測定値が電解液の導電性の影響を受けない。し
たがって、電極間に微少短絡等の不具合がある場合に静
電容量の測定値が大きく変化することから、不具合の検
出能力が向上するという利点がある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の電気二重層キャパ
シタの検査方法について実施形態に基づき説明する。
【0015】本実施形態の電気二重層キャパシタの検査
方法は静電容量測定工程と判定工程とを有する。
【0016】〔電気二重層キャパシタ〕一般的に、電気
二重層キャパシタは、比表面積の大きい活物質層をそれ
ぞれにもつ正極および負極をセパレータを介して積層し
て電極体としたものをケース内に収納し、電解液を含浸
させたものである。
【0017】本発明の検査方法の検査対象である「電気
二重層キャパシタ」とは、正極と負極とをセパレータを
介して積層または巻回により層状に組み付けた電極体を
形成する電極体形成工程と、該電極体に電解液を含浸さ
せる電解液含浸工程とを有する製造工程で製造される電
気二重層キャパシタである。
【0018】電極体形成工程は、正極および負極を形成
する工程と、これら正負極の電極をセパレータを介して
積層または巻回により層状に組み付ける工程とをもつ。
正極および負極は限定されるものではなく、通常の電気
二重層キャパシタを構成できるものであれば使用でき
る。たとえば、電極は、集電体としての働きを有するア
ルミニウム等の金属製の薄膜と、その薄膜上に形成され
た活物質を含む活物質層とからなる。正極、負極にかか
る正極活物質及び負極活物質として、例えば、電荷を蓄
積する細孔を有する細孔保有物質(例えば比表面積の大
きい炭素材料である活性炭など)を採用できる。
【0019】薄膜上に活物質の層を形成する方法として
は、たとえば薄膜上に活物質としての炭素材料およびそ
の他添加剤である結着材等を懸濁させたペーストを塗布
し乾燥・プレス等することにより形成できる。セパレー
タは、正負極間の電気的絶縁と、電解液のイオン伝導性
を担保する部材である。たとえば、高分子等の絶縁体か
らなる多孔質膜等が用いられるが特に限定するものでは
ない。正負極を積層する方法についても特に限定され
ず、複数の正負極をセパレータを介して平行に積層する
方法、帯状の正負極をセパレータを介して円筒状に巻回
する方法等の公知の方法を採用することができる。
【0020】電解液含浸工程は、前述の電極体形成工程
で形成した電極体に電解液を含浸させる工程である。電
解液は電極体内部の細孔の内部にまで含浸させることが
好ましい。そのためには電解液を含浸させるときに電極
体周辺を真空状態とし、電解液を注入した後に常圧にも
どす方法がある。電解液は特に限定されず公知の電解液
が使用できる。たとえば第4級ホスホニウム塩、第4級
アンモニウム塩等を溶解させた有機溶媒系電解液が挙げ
られる。
【0021】電解液に有機溶媒系電解液を用いる場合に
は電解液含浸工程の前に電極体を乾燥させる乾燥工程を
行うことが好ましい。水分は有機溶媒系電解液と反応し
電解液を消費するので、電気二重層キャパシタの性能低
下につながるからである。また、後述する本実施形態の
静電容量測定工程においても水分の存在により静電容量
の値が変化することが考えられるので測定条件を一定に
保つためにも後述する静電容量測定工程の前に乾燥工程
を行って電極体に存在する水分量を調節することが好ま
しい。なお、乾燥工程は、電極体を形成した後(電極体
形成工程の後)のみならず、その前の電極板の状態で行
っても良い。
【0022】電気二重層キャパシタは、上述した電極体
と電解液との他に構成要素として使用条件に応じて必要
な部材をもつことができる。たとえば、電極体および電
解液を保持するケース、電極体の正負極と電気的に接続
された外部端子、その他防爆弁等の安全装置等である。
【0023】〔静電容量測定工程〕静電容量測定工程
は、前述の電気二重層キャパシタの製造方法における電
極体形成工程と電解液含浸工程との間に仮静電容量を測
定する工程である。ここで「仮静電容量」とは電極体に
電解液を含浸していない場合における電気二重層キャパ
シタの静電容量である。したがって電極体に電解液が含
浸されておらず電極体は空気コンデンサとして働くこと
となるので、仮静電容量は電解液を含浸させた場合と比
較して大幅に低い値となる。具体的に静電容量測定工程
は、電解液の含浸されていない電極体について仮静電容
量を測定する。この場合に電極体の活物質層表面の水分
残留量がばらつくと仮静電容量の測定値もばらつくので
前述の乾燥工程を本工程の前に行うことが好ましい。
【0024】静電容量測定工程で仮静電容量を測定する
方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができ
る。たとえば、交流ブリッジを形成して測定したインピ
ーダンスから仮静電容量を算出する方法、共振法、定電
流充電時のV−t曲線から求める方法等が挙げられる。
交流ブリッジはインダクタンスブリッジ、容量ブリッ
ジ、共振ブリッジ等の四辺ブリッジや変成器ブリッジ等
が例示される。共振法は、抵抗変化法、置換法、リアク
タンス変化法、Qメータ法等が挙げられる。いずれの静
電容量測定方法を採用しても仮静電容量は電解液を含浸
させた後の静電容量よりも著しく小さいので、極短時間
に精度良く仮静電容量を測定することが可能である。
【0025】〔判定工程〕判定工程は前述の静電容量測
定工程において測定した仮静電容量の値に基づいて電気
二重層キャパシタの静電容量(真正静電容量)を推測
し、その性能を判定する工程である。仮静電容量の値は
電解液を含浸させて完成品とした電気二重層キャパシタ
の静電容量の値と良い相関関係にあるので、仮静電容量
に基づいて完成品の電気二重層キャパシタの性能が予測
可能である。また、電解液の含浸前に静電容量を測定す
ると電解液の導電性の影響を受けないので電極間の微少
短絡等の不具合の検出能力が向上するという利点があ
る。
【0026】本判定工程としては、測定した仮静電容量
の値が所定範囲内から外れる場合や、一定幅以上のばら
つきが生じた場合にその電気二重層キャパシタは不良品
であると判断する。そうすると、不良品であると判断さ
れたときに、何らかの修正が可能となって歩留まりが向
上できることや、不良品についてその後の工程を省くこ
とが可能となることによって電気二重層キャパシタの製
造コストを抑えることが可能となる。
【0027】具体的に判定工程としては、あらかじめ作
製した仮静電容量と電極体に電解液を含浸した場合にお
ける完成品の電気二重層キャパシタの静電容量である真
正静電容量との対応関係を表す検量線に基づいて、仮静
電容量から、真正静電容量を算出する静電容量算出工程
と、真正静電容量の値が所定静電容量範囲の範囲外であ
る場合に前記電気二重層キャパシタの性能が異常である
と判断する静電容量判断工程とをもつことができる。所
定静電容量の範囲としては電気二重層キャパシタに求め
られる性能に応じて適宜決定される。なお、一般的に静
電容量の値が小さくなる原因としては電極面積の総量が
小さい場合や、荷重がかかっておらず電極間距離が大と
なっている場合が考えられ、大きくなる原因としては、
電極面積が必要以上に大きい場合や、セパレータが薄い
場合が考えられる。
【0028】なお、上述の検量線は、最終製品の静電容
量のばらつきを少なくする目的で静電容量を測定する場
合を除き、作製することが好ましい。そして検量線を作
製する場合には、目的とする電気二重層キャパシタと同
型のものから作製する必要がある。異型の電気二重層キ
ャパシタであると微妙に検量線が異なるからである。電
気二重層キャパシタの静電容量は同じ電解液、同じ電極
材料を用いる場合に概ね電極材料の総表面積に比例する
のであるが、仮静電容量は電極の見かけの表面積に大き
く影響を受けるからである。
【0029】〔その他の工程〕さらに、電気二重層キャ
パシタについて内部抵抗を測定するために、前記電解液
含浸工程の後に、所定の周波数における電気二重層キャ
パシタのインピーダンスを測定するインピーダンス測定
工程と、そのインピーダンスの値から電気二重層キャパ
シタの内部抵抗を算出する内部抵抗算出工程と、算出さ
れた内部抵抗が所定内部抵抗範囲の範囲外である場合に
内部抵抗を測定した電気二重層キャパシタの性能が異常
であると判断する内部抵抗判断工程とをもつことが好ま
しい。内部抵抗の値も電気二重層キャパシタの性能に大
きく影響を与えるからである。
【0030】一般的な電気二重層キャパシタの内部抵抗
の測定方法は、電気二重層キャパシタに充電をした後に
放電を行い、そのときの電圧降下から測定している(電
圧降下法)。本方法によると内部抵抗測定時に充電時間
が必要であり、電気二重層キャパシタの検査時間の短縮
が図れなくなる。
【0031】したがって、充電前の電気二重層キャパシ
タについて前処理なしに内部抵抗を測定することで、検
査時間を短縮している。なお、内部抵抗の測定は直流に
て行うと電極表面の分極の影響が大きくなるので、交流
にてインピーダンス測定を行うことが一般的である。
【0032】インピーダンス測定方法として好ましい方
法は、たとえば、交流4端子測定法を挙げることができ
る。4端子測定法を使用するのは通常電気二重層キャパ
シタの内部抵抗は著しく低いので測定系の影響を測定値
に及ぼさない目的からである。
【0033】内部抵抗算出工程は、測定したインピーダ
ンスの値と位相角と交流の周波数とからその交流に対す
る内部抵抗の値を算出した後に、その値をあらかじめ作
製した検量線(交流に対する内部抵抗の値と電池使用条
件下での内部抵抗の値との関係を示すもの)に当てはめ
て導出する。
【0034】内部抵抗判断工程は、求められた内部抵抗
の値から電気二重層キャパシタの性能を判断し所定範囲
内から内部抵抗の値が外れる場合に電気二重層キャパシ
タの性能が異常であると判断する工程である。所定範囲
としては、電気二重層キャパシタに求められる性能によ
り適宜決定される。
【0035】なお、その他にも電気二重層キャパシタに
ついて検査する項目がある場合に、その項目を検査する
工程を行うことは特に問題でないことはいうまでもな
い。
【0036】(試験)以下に本発明の電気二重層キャパ
シタの検査方法について、実際の電気二重層キャパシタ
について行った試験に基づいてさらに詳しく説明する。
【0037】〔電気二重層キャパシタ〕本実施例で用い
た試験用の電気二重層キャパシタの概略図を図2に示
す。電極板は、正極・負極共に電極材としての活性炭を
25.3重量部と助電材としてのカーボンブラックを
3.2重量部と結着材としてのメチルセルロースを3.
2重量部とを溶媒(純水)に懸濁したものを厚さ17μ
mのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥後、プレスし
て片面当たり60μmの厚さの活物質層とした。その
後、電極板を67mm x 82mmの大きさのシート
とし、電極板とセパレータとしての電解紙とを交互に5
7組積層して電極体10とした(電極体形成工程)。
【0038】その後、電極体を乾燥させるために、減圧
下(13.3Pa)、150℃の条件下で、72時間電
極体を乾燥した(乾燥工程)。そして、電極体の周囲を
絶縁するためポリエチレン製のフィルムとポリエチレン
テレフタレート製のフィルムとで2重に包んだ。そして
ケース50内に電極体10を挿入し、正極外部端子20
および負極外部端子30とをそれぞれ電極体10の正極
・負極とに電気的に接続した。その後、ケース50内に
電解液を注入した(電解液含浸工程)。電解液はプロピ
レンカーボネートにEt4NBF4(TEATFB)を
0.5mol/Lの濃度で溶解させたものを使用した。
【0039】このキャパシタの設計値としてのセル性能
諸元は、静電容量が790F、内部抵抗が1.6mΩ、
定格電圧が2.5V、エネルギー量が2400Jであっ
た。本電気二重層キャパシタを試験に供した。
【0040】〔電気二重層キャパシタの特性の測定〕 (本発明の方法)前述の試験用キャパシタを作製する工
程における乾燥工程と電解液含浸工程との間に、市販の
汎用LCRメータを用いて電極体のインピーダンスを測
定し、静電容量を算出した。LCRメータを含めた測定
時の概略的な回路図を図3に示す。試験用キャパシタ1
に抵抗2を直列に接続し、交流源6から周波数f(=1
000Hz)、電流値Iの交流を試験用キャパシタ1と
抵抗2とに流した。交流を流しながら、試験用キャパシ
タ1と抵抗2とのそれぞれの電圧Vv、Viを電圧計
3、4により測定した。そして、電圧計3、4の測定値
から位相角θを位相差算出手段5により算出した。
【0041】測定された試験用キャパシタ1のインピー
ダンスZと静電容量Cの値との間には公知の通り、Z=
R+jX=|Z|cosθ+j|Z|sinθ、(R:
抵抗、X:リアクタンス(=−1/ωC))の関係があ
り、先の測定時および測定したパラメータであるf、
I、θ、Vvの値からCが算出できる。
【0042】この一回の静電容量の測定におよそ1秒間
程度要した。
【0043】本発明の方法により静電容量を測定した後
に、前述の電解液含浸工程を行い、試験用キャパシタを
完成した。その後、静電容量を測定したときと同様の回
路(LCRメータ)を用いてインピーダンスを測定し
た。なお、試験用キャパシタの内部抵抗は低いのでより
精確な値を算出するために4端子測定法により測定し
た。測定したインピーダンスZの値等から常法(上記
式)に基づいて内部抵抗Rを算出した。なお、交流の周
波数fは1kHzとした。この内部抵抗の測定にはおよ
そ1秒間程度要した。
【0044】(従来の測定方法)その後、試験用キャパ
シタの特性を安定させるためにエージング処理として、
端子間電圧を5分間、一定電圧(2.5V)で充電し、
その後、約10A(=0.0125xC)の条件で放電
することを1サイクルとしてサイクル充放電を行った。
エージング処理に要する時間としてはおよそ700秒程
度であった。
【0045】エージング処理を行った後の試験用キャパ
シタに定電流Ic(=約10A)で充電を行った。この
時の経過時間tとキャパシタの端子電圧Vとの関係(C
=Ic・Δt/ΔV)から、静電容量Cの値を算出し
た。一回の静電容量の測定にはおよそ500秒要した。
【0046】ほぼ完全に充電した(定電流Icで充電し
て、電極電圧が定格電圧に達した)後に、内部抵抗を測
定するために定電流Id(=約10A)で放電した。こ
のときの端子電圧の電圧降下ΔVの値から内部抵抗Rは
R=ΔV/Idとして算出した。この測定に要する時間
としては、およそ300秒程度であった。
【0047】(結果)本発明の測定方法による静電容量
の値と従来の測定方法による静電容量の値との対応関係
を図4のグラフに示す。
【0048】図4より明らかなように、本発明の測定方
法による測定値は従来の測定方法による測定値とよい直
線関係にあることがわかった。したがって、本発明の測
定方法による測定値についてあらかじめ精度の高い検量
線を作成することが可能となり、検量線に基づいて実際
の電気二重層キャパシタの静電容量を精度良く予測する
ことができることがわかった。
【0049】次に、本発明の測定方法による内部抵抗の
値と従来の測定方法による内部抵抗の値との対応関係を
図5のグラフに示す。
【0050】図5より明らかなように、本発明の測定方
法による内部抵抗の測定値は従来の測定方法による測定
値とよい直線関係にあることがわかった。したがって、
内部抵抗についても静電容量と同様にあらかじめ精度が
高い検量線を作成することが可能であり、検量線から実
際の電気二重層キャパシタの内部抵抗を精度良く予測す
ることができることがわかった。
【0051】また、本発明の測定方法は従来の測定方法
よりも大幅に測定時間の短縮を図ることができた。特
に、本発明の測定方法では、測定の前にエージング処理
を行う必要がないので、電気二重層キャパシタの電気的
特性を測定する総合的な時間の大幅な短縮を図ることが
できる。また、電解液含浸工程を行う前に電気二重層キ
ャパシタの性能を検査することができるので、不都合が
あった場合にその後の無駄な工程を省くことができる。
【0052】
【発明の効果】本発明は、電気二重層キャパシタの検査
方法において、電気二重層キャパシタの製造工程の途中
で静電容量等の測定を行うことによって、検査時間を短
くする乃至は早期に検査を行う方法である。このような
特徴を持つ本発明の電気二重層キャパシタの検査方法を
用いれば、従来、行われていた電気二重層キャパシタの
完成後に行う検査方法と比較して、測定すべき静電容量
の値の絶対値が低いので、LCRメータ等のより安価で
簡便な装置により極短時間で検査が終了するのみなら
ず、電気二重層キャパシタの完成に要する幾つかの工程
を経ることなしに検査が終了するので不都合がある電気
二重層キャパシタについてその後の無駄な工程をなくす
ことができるという効果もある。
【0053】したがって、本発明の電気二重層キャパシ
タの検査方法によれば、従来の検査・測定方法よりも短
時間で特性を測定し、より迅速に行うことができる電気
二重層キャパシタの検査方法を提供することができ、か
つ、電気二重層キャパシタの製造コストを下げることも
できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検査方法の工程を示した概略図である
【図2】試験で用いた電気二重層キャパシタについて概
略的に示した断面図である。
【図3】LCRメータによる測定法の概略的な原理を示
した回路図である。
【図4】本発明の測定方法により測定した静電容量と従
来の測定方法により測定した静電容量との相関性を示し
た図である。
【図5】本発明の測定方法により測定した内部抵抗と従
来の測定方法により測定した内部抵抗との相関性を示し
た図である。
【図6】従来の検査方法の工程を示した概略図である
【符号の説明】
1…電気二重層キャパシタ 10…電極体 20…正極外部端子 30…負極外
部端子 40…防爆弁 50…ケース S1〜S7…本発明の検査方法の各工程 S11〜S17…従来の検査方法の各工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G028 AA02 BB06 CG02 CG07 CG08 DH03 DH05 DH13 DH14 EJ01 EJ07 FK01 FK03 FK06 GL02 HN11 2G036 AA03 AA04 AA19 AA25 AA27 BA12 BB02 CA06 5E082 AB09 MM35 MM36

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と負極とをセパレータを介して積層
    または巻回により層状に組み付けた電極体を形成する電
    極体形成工程と、該電極体に電解液を含浸させる電解液
    含浸工程とを有する製造工程で製造される電気二重層キ
    ャパシタの検査方法であって、 前記電極体形成工程と前記電解液含浸工程との間に、前
    記電極体に前記電解液を含浸していない場合における前
    記電気二重層キャパシタの静電容量である仮静電容量を
    測定する静電容量測定工程を有し、 さらに、前記仮静電容量の値に基づいて前記電気二重層
    キャパシタの性能を判定する判定工程を有することを特
    徴とする電気二重層キャパシタの検査方法。
  2. 【請求項2】 前記判定工程は、 あらかじめ作製した前記仮静電容量と前記電極体に前記
    電解液を含浸した場合における前記電気二重層キャパシ
    タの静電容量である真正静電容量との対応関係を表す検
    量線に基づいて、前記静電容量測定工程により測定され
    た該仮静電容量から、該真正静電容量を算出する静電容
    量算出工程と、 前記真正静電容量の値が所定静電容量範囲の範囲外であ
    る場合に前記電気二重層キャパシタの性能が異常である
    と判断する静電容量判断工程とをもつ請求項1に記載の
    電気二重層キャパシタの検査方法。
  3. 【請求項3】 さらに、前記静電容量測定工程の前に前
    記電極体を乾燥する乾燥工程を有する請求項1または2
    に記載の電気二重層キャパシタの検査方法。
  4. 【請求項4】 さらに、前記電解液含浸工程の後に、 所定の周波数における前記電気二重層キャパシタのイン
    ピーダンスを測定するインピーダンス測定工程と、 該インピーダンスの値から該電気二重層キャパシタの内
    部抵抗を算出する内部抵抗算出工程と、 算出された該内部抵抗が所定内部抵抗範囲の範囲外であ
    る場合に前記電気二重層キャパシタの性能が異常である
    と判断する内部抵抗判断工程とを有する請求項1〜3の
    いずれかに記載の電気二重層キャパシタの検査方法。
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