JP2013106539A - 果汁含有アルコール飲料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】果汁の香味に優れた果汁含有アルコール飲料を提供する。
【解決手段】果汁を含有する果汁含有アルコール飲料であって、前記果汁は、搾汁を清澄化処理した透明果汁と、搾汁を清澄化処理していない混濁果汁と、を混合したものであり、前記透明果汁と前記混濁果汁の混合比率が、ストレート果汁に換算した果汁使用率で10:90〜50:50であることを特徴とする。本発明においては、前記果汁の総果汁使用率が50%を超え150%未満であるのが好ましく、前記果汁が、リンゴ属またはミカン属に属する果実を用いて製造されたものであるのが好ましく、発泡性であるのが好ましく、アルコール度数が1〜8度であるのが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、果汁を含有する果汁含有アルコール飲料およびその製造方法に関する。
果汁含有アルコール飲料は、アルコール飲料中に果汁を含有させることによってその香りと味(以下、香味という。)を付与しておいしさを向上させている。果汁含有アルコール飲料としては、例えば、グレープフルーツ、レモン、ライム、オレンジなどの柑橘類の果汁を含有させた商品や、林檎や葡萄、苺などの果汁を含有させた商品が多く市販されている。
これらの果汁を含有させた果汁含有アルコール飲料は、果汁の香味がアルコール特有の香りや味によってマスクされたり、製造過程の加熱処理によって変化したりすることがある。
これらの問題を解消し、原料果実由来の香味が良好で、より果汁感があり、また、スッキリ感を有する果汁含有アルコール飲料を提供することを目的とした発明が提案されている(例えば、特許文献1)。
この特許文献1には、果汁を含有する果汁含有アルコール飲料において、pHを2.7〜3.8とし、かつ果糖を果汁含有アルコール飲料中に占める全糖質の65w/w%以上となるようにすることが記載されている。
特開2005−192473号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明には、果糖の含有量が高いため甘味が強いものになってしまう傾向にあった。また、果糖の含有量を制御することによって果汁の香味を引き出すとしているものの、当該制御によって得られる効果は必ずしも十分とは言えず、果汁の香味に優れた果汁含有アルコール飲料を提供できているとはいえなかった。
本発明は、前記状況に鑑みてなされたものであり、果汁の香味に優れた果汁含有アルコール飲料およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、果汁を含有する果汁含有アルコール飲料であって、前記果汁は、搾汁を清澄化処理した透明果汁と、搾汁を清澄化処理していない混濁果汁と、を混合したものであり、前記透明果汁と前記混濁果汁の混合比率が、ストレート果汁に換算した果汁使用率で10:90〜50:50であることを特徴とする。
本発明においては、前記果汁の総果汁使用率が50%を超え150%未満であるのが好ましい。
また、本発明においては、前記果汁が、リンゴ属またはミカン属に属する果実を用いて製造されたものであるのが好ましい。
本発明においては、発泡性とすることができる。
さらに、本発明においては、アルコール度数が1〜8度であるのが好ましい。
本発明は、前記した果汁含有アルコール飲料を製造する果汁含有アルコール飲料製造方法であって、前記透明果汁と前記混濁果汁を前記果汁使用率で10:90〜50:50の混合比率となるように混合させることを特徴とする。
本発明によれば、果汁の香味に優れた果汁含有アルコール飲料およびその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る果汁含有アルコール飲料製造方法の内容を説明するフローチャートである。
以下、本発明に係る果汁含有アルコール飲料およびその製造方法を実施するための形態(実施形態)について詳細に説明する。
一実施形態に係る果汁含有アルコール飲料は、透明果汁と混濁果汁の混合比率が、ストレート果汁に換算した果汁使用率で10:90〜50:50としている。
ここで、前記した透明果汁とは、果物の搾汁を清澄化処理した果汁をいい、半透明果汁もこれに含まれる。透明果汁は香りが良いため、果汁含有アルコール飲料における果汁の香味、特に果汁の香りを優れたものにすることができる。清澄化処理の方法としては、精密濾過法、酵素処理法、限外濾過法などを挙げることできる。
また、前記した混濁果汁とは、果物の搾汁を清澄化処理していない果汁をいう。混濁果汁は味が良いため、果汁含有アルコール飲料における果汁の香味、特に果汁の味を優れたものとすることができる。
透明果汁と混濁果汁を得るための搾汁手段としては、市販の搾汁機を挙げることができるがこれに限定されない。
なお、本発明における果汁の香味とは、果汁の香りと味によって総合的に得られるものであり、香りだけが優れていても、味だけが優れていても総合的な香味が優れることにならない。両者がバランスよく配合されてはじめて優れた果汁の香味が得られる。
透明果汁と混濁果汁は、優れた果汁の香味を得る観点から、非加熱殺菌のものを用いるのが好ましいがこれに限定されず、加熱殺菌したものを用いることもできる。なお、非加熱殺菌としては、例えば、メンブレンフィルターや中空糸を用いたろ過滅菌、紫外線殺菌などが挙げられる。また、加熱殺菌としては、例えば、100℃以上で行う高温殺菌、100℃未満で行う低温殺菌などが挙げられる。
また、透明果汁と混濁果汁は、ストレート果汁、ストレート果汁を希釈した果汁、濃縮果汁および濃縮還元果汁のいずれを用いて調製したものであってもよい。本発明における果汁はこれらを用いた透明果汁と混濁果汁を同時に含んでいればよく、前記したうちのどれを用いるかは任意に設定することができる。なお、ストレート果汁とは、後記する果実の搾汁に対し、濃縮や希釈などを行っていない果汁をいう。また、濃縮果汁とは、ストレート果汁に対し、加熱濃縮法や冷凍濃縮法などによって果汁中の水分を取り除き、果汁の濃度を高めたものをいう。また、濃縮還元果汁とは、濃縮果汁に対し、計算上、ストレート果汁と同等の濃度となるように水等で希釈した果汁をいう。
透明果汁と混濁果汁の混合比率が、前記した果汁使用率で10:90未満となると、つまり、透明果汁の果汁使用率が低く、混濁果汁の果汁使用率が高くなり過ぎると、果汁の味には優れるものの香りが弱くなってしまう。その結果、果汁の香味に優れた果汁含有アルコール飲料とならない。
他方、透明果汁と混濁果汁の混合比率が、前記した果汁使用率で50:50を超えると、つまり、透明果汁の果汁使用率が高く、混濁果汁の果汁使用率が低くなり過ぎると、果汁の香りは優れるものの味が弱くなってしまう。その結果、果汁の香味に優れた果汁含有アルコール飲料とならない。
従って、透明果汁と混濁果汁の混合比率は、前記した果汁使用率で10:90〜50:50とする必要がある。透明果汁と混濁果汁の混合比率を前記した果汁使用率でこの範囲内とすれば、果汁の香味に優れた果汁含有アルコール飲料を提供することができる。なお、透明果汁と混濁果汁の混合比率は、前記した果汁使用率で15:85〜35:65とするのが好ましく、20:80〜30:70とするのがより好ましい。
透明果汁と混濁果汁の混合比率を、前記した果汁使用率で10:90〜50:50に調整することにより、果汁の香味に優れた果汁含有アルコール飲料を提供することができるため、香料を含まない果汁含有アルコール飲料を提供することもできる。
なお、果汁含有アルコール飲料中の透明果汁と混濁果汁の混合比率が前記した果汁使用率で10:90〜50:50の範囲内にあるか否かは、表示義務のある果汁使用率と、任意の測定器によって測定される清澄化程度(濁度)および色彩と、を基準にして推定することができる。これらのうち、果汁使用率は、前記したように商品に表示義務があるため容易にこれを知ることができる。清澄化程度(濁度)は、例えば、Haffmans濁度計(波長650nm、90°散乱光)で測定することができる。色彩は、例えば、KONICA MINOLTA社製SPECTROPHOTOMETER CM−3600dなどで測定することができる。すなわち、表示されている果汁使用率、測定した濁度および色彩から、透明果汁と混濁果汁の比率を推定することができる。なお、一応の目安として例示すると、総果汁使用率が70%で、透明果汁と混濁果汁の混合比率を前記した果汁使用率で10:90〜50:50とした場合における濁度は100〜500程度であり、色彩はL:20〜85程度、a:−15〜15程度、b:−10〜70程度となる。
透明果汁と混濁果汁を混合した果汁は、当該果汁の総果汁使用率が50%を超え150%未満とするのが好ましい。
ここで、総果汁使用率とは、任意の混合比率で混合した透明果汁と混濁果汁の果汁使用率の総和をいう。
総果汁使用率が前記した範囲であると、果汁の香味に優れた果汁含有アルコール飲料をより確実に提供することができる。
これに対し、果汁の総果汁使用率が50%以下になると果汁の香りと味がやや弱くなってしまう。そのため、嗜好にもよるが果汁の香味が弱く感じられる場合がある。
また、果汁の総果汁使用率が150%以上になると果汁の香りと味がやや強くなってしまう。そのため、嗜好にもよるが果汁の香味がくどく感じられるおそれがある。
よって、果汁の総果汁使用率は、前述のとおり50%を超え150%未満とするのが好ましく、60%以上140%以下とするのがより好ましく、70%以上120%以下とするのがさらに好ましい。
果汁含有アルコール飲料は、非発泡性とすることもできるが、発泡性とすることもできる。ここで、本発明における非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.5kg/cm2未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.5kg/cm2以上であることをいう。なお、発泡性とする場合、ガス圧の上限は2.4kg/cm2程度とするのが好ましい。これよりもガス圧が高くなると炭酸の刺激が強くなり過ぎてしまうので好ましくない。
果汁含有アルコール飲料は、アルコール度数が1〜8度(v/v%)であるのが好ましい。なお、アルコール度数はこの範囲に限定されるものではなく、1度未満とすることも、8度超とすることもできる。
なお、果汁含有アルコール飲料に用いることのできる果汁は、リンゴ属またはミカン属に属する果実を用いて製造されたものであるのが好ましい。
リンゴ属に属する果実としては、セイヨウリンゴ(いわゆるリンゴ)、エゾノコリンゴ、カイドウズミ、ハナカイドウ、イヌリンゴ(ヒメリンゴ)、マルバカイドウ、ノカイドウ、ズミ(コリンゴ、コナシ)、オオウラジロノキなどを挙げることができる。
また、ミカン属に属する果実としては、グレープフルーツ、オレンジ、レモン、ライム、イヨカン、ウンシュウミカン、カボス、キシュウミカン、キノット、コウジ、サンボウカン、シトロン、ジャバラ、スダチ、ダイダイ、タチバナ、タンゴール、ナツミカン、ハッサク、ハナユズ、ヒュウガナツ、ヒラミレモン(シークヮーサー)、ブンタン、ポンカン(マンダリンオレンジ)、ユズなどのいわゆる柑橘類を挙げることができる。
なお、果汁含有アルコール飲料に用いることのできる果汁を得るために用いることのできる果実は前記したものに限定されるものではない。例えば、ブドウ、イチゴ、モモ、メロン、パイナップル、グァバ、バナナ、マンゴー、アセロラ、パパイヤ、パッションフルーツ、ウメ、ナシ、アンズ、スモモ、キウイフルーツ、カシス、ブルーベリー、ラズベリーなどを用いることもできる。
また、果汁含有アルコール飲料に用いることのできる果汁は、前記した果実から選択したものを単独でまたは複数用いたものであってもよいことはいうまでもない。
果汁含有アルコール飲料に用いることのできるアルコールは飲用アルコールであればよく、種類、製法、原料などに限定されない。例えば、焼酎、ブランデー、ウォッカ、スピリッツ、原料用アルコールなどを1種または複数組み合わせて用いることができる。
なお、果汁含有アルコール飲料には、アルコール飲料として通常配合される着色料、酸味料、糖類、高甘味度甘味料、酸化防止剤などを添加することもできる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、合成色素などを用いることができる。酸味料としては、例えば、クエン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸などを用いることができる。糖類としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、ショ糖、オリゴ糖、多糖類などを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、アセスルファムK、スクラロース、アスパルテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンEなどを用いることができる。
これらの添加剤、果汁、透明果汁、混濁果汁、飲用アルコールは一般に市販されているものを使用することができる。
次に、前記した果汁含有アルコール飲料を製造する果汁含有アルコール飲料製造方法の一実施形態について説明する。
一実施形態に係る果汁含有アルコール飲料製造方法は、その製造工程中のいずれかの段階で、前記した透明果汁と混濁果汁を前記した果汁使用率で10:90〜50:50の混合比率となるように混合させる。
本発明においては、これらを添加して混合する順序に特に決まりはなく、混合タンクに同時に添加して混合することができる。当該混合タンクには、前記した成分の添加前、添加と同時および添加後のいずれかのタイミングで所定量の水、アルコール、着色料、酸味料、糖類、高甘味度甘味料、酸化防止剤などを添加することができる。これらの添加の有無および添加量は、ニーズ等に合わせて任意に設定することができる。
図1を参照して一実施形態に係る果汁含有アルコール飲料製造方法について説明する。本製造方法は、前記した果汁使用率が10:90〜50:50の混合比率となるように透明果汁と混濁果汁を混合する混合ステップS1と、混合ステップS1で混合した混合液をろ過するろ過ステップS2と、ろ過ステップS2でろ過したろ過液を殺菌する殺菌ステップS3と、殺菌ステップS3で殺菌した殺菌済みのろ過液をビンや缶、ペットボトルなどの容器に充填する充填ステップS4とを含む。
なお、混合ステップS1は、各成分がよく混ざるよう、撹拌機などにより撹拌しながら混合するのが好ましい。また、ろ過ステップS2は、一般的なフィルターまたはストレーナーによって行うことができる。殺菌ステップS3は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。充填ステップS4は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填するのが好ましい。
また、発泡性の果汁含有アルコール飲料とする場合は、例えば、殺菌ステップS3と充填ステップS4の間でカーボネーションを行うとよい。
次に、実施例により本発明について具体的に説明する。
<実施例1>
実施例1では、リンゴの果汁を用いた果汁含有アルコール飲料について検討した。
リンゴの濃縮透明果汁とリンゴの濃縮混濁果汁を用いて表1のNo.1〜8に示す混合比率にて混合し、果汁含有アルコール飲料を製造した。なお、No.1〜8に係る果汁含有アルコール飲料には、表1に示す含有量で果糖ブドウ糖液糖と、クエン酸と、65.5%アルコールとを添加した。リンゴの濃縮透明果汁とリンゴの濃縮混濁果汁をはじめ、これらの原料はいずれも市販品を使用した。No.1〜8に係る果汁含有アルコール飲料中の総果汁使用率は70%となるようにした。
製造したNo.1〜8に係る果汁含有アルコール飲料について官能試験を行った。官能試験は、果汁の味、果汁の香りおよび総合評価の3つの評価項目について、よく訓練された専門のパネル6名が行った。評価は下記評価基準に則って各パネルが独立点数付けした。
表1には果汁含有アルコール飲料の組成とともに、各評価項目について6名のパネルの平均を記載した。
(果汁の味)
5点:果汁の味が、非常に優れている
4点:果汁の味が、かなり優れている
3点:果汁の味が、優れている
2点:果汁の味が、やや劣る
1点:果汁の味が、劣る
(果汁の香り)
5点:果汁の香りが、非常に優れている
4点:果汁の香りが、かなり優れている
3点:果汁の香りが、優れている
2点:果汁の香りが、やや劣る
1点:果汁の香りが、劣る
(総合評価)
5点:果汁の香味が、非常に優れている
4点:果汁の香味が、かなり優れている
3点:果汁の香味が、優れている
2点:果汁の香味が、やや劣る
1点:果汁の香味が、劣る
なお、本発明においては、総合評価の平均が3.00以上のものを果汁の香味に優れていると評価した。
Figure 2013106539
表1に示すように、No.3〜6に係る果汁含有アルコール飲料が、総合評価の平均が3.00以上となり、果汁の香味が優れていると評価された。これらの透明果汁と混濁果汁の混合比率はストレート果汁に換算した果汁使用率で10:90〜50:50であった。中でも、No.4、5に係る果汁含有アルコール飲料は、総合評価の平均が4.00以上となり、果汁の香味が、かなり優れていると評価された。これらの透明果汁と混濁果汁の混合比率は前記した果汁使用率で20:80〜30:70であった。
これに対し、No.1、2、7、8に係る果汁含有アルコール飲料は、総合評価の平均が3.00未満となり、果汁の香味が劣っていると評価された。これらはいずれも透明果汁と混濁果汁の混合比率が前記した果汁使用率で10:90〜50:50の範囲を外れていた。
<実施例2>
次いで、高評価を得たNo.5の混合比率(透明果汁と混濁果汁の混合比率が前記した果汁使用率で30:70(総果汁使用率70%))を保ちつつ、総果汁使用率を変更した場合について検討した。総果汁使用率は、表2のNo.9〜12に示すように、50〜150%で調製した。
透明果汁、混濁果汁、果糖ブドウ糖液糖、クエン酸、65.5%アルコールは実施例1と同じものを用いた。
そして、No.9〜12に係る果汁含有アルコール飲料について実施例1と同じ官能試験を行った。
表2に、総果汁使用率、果汁含有アルコール飲料の組成とともに、果汁の味、果汁の香りおよび総合評価に関する6名のパネルの平均を記載した。
Figure 2013106539
表2に示すように、No.10〜12に係る果汁含有アルコール飲料が、総合評価の平均が3.00以上となり、果汁の香味が優れていると評価された。これらの総果汁使用率は90〜150%であった。実施例1のNo.5も踏まえれば、総果汁使用率は70〜150%が好適な範囲であることがわかった。ただし、総果汁使用率が150%であるNo.12に係る果汁含有アルコール飲料については、果汁の味と果汁の香りはそれぞれ高評価(5.00)であったが、くどい感じがするとのコメントがあり、嗜好によっては歓迎されない場合もあり得ることがわかった。
これに対し、No.9に係る果汁含有アルコール飲料は、総合評価の平均が3.00未満となり、果汁の香味が劣っていると評価された。これは総果汁使用率が50%以下であった。
<実施例3>
実施例3では、グレープフルーツの果汁を用いた果汁含有アルコール飲料について検討した。
グレープフルーツの濃縮透明果汁とグレープフルーツの濃縮混濁果汁を用いて表3のNo.13〜20に示す混合比率にて混合し、果汁含有アルコール飲料を製造した。なお、No.13〜20に係る果汁含有アルコール飲料には、表3に示す含有量で果糖ブドウ糖液糖と、クエン酸と、65.5%アルコールとを添加した。グレープフルーツの濃縮透明果汁とグレープフルーツの濃縮混濁果汁をはじめ、これらの原料はいずれも市販品を使用した。No.13〜20に係る果汁含有アルコール飲料の総果汁使用率は70%となるようにした。
製造したNo.13〜20に係る果汁含有アルコール飲料について実施例1と同じ官能試験を行った。
表3に、果汁含有アルコール飲料の組成とともに、果汁の味、果汁の香りおよび総合評価に関する6名のパネルの平均を記載した。
Figure 2013106539
表3に示すように、No.15〜18に係る果汁含有アルコール飲料が、総合評価の平均が3.00以上となり、果汁の香味が優れていると評価された。これらの透明果汁と混濁果汁の混合比率はストレート果汁に換算した果汁使用率で10:90〜50:50であった。中でも、No.16、17に係る果汁含有アルコール飲料は、総合評価の平均が4.00以上となり、果汁の香味が、かなり優れていると評価された。これらの透明果汁と混濁果汁の混合比率は前記した果汁使用率で20:80〜30:70であった。
これに対し、No.13、14、19、20に係る果汁含有アルコール飲料は、総合評価の平均が3.00未満となり、果汁の香味が劣っていると評価された。これらはいずれも透明果汁と混濁果汁の混合比率が前記した果汁使用率で10:90〜50:50の範囲を外れていた。
<実施例4>
次いで、高評価を得たNo.17の混合比率(透明果汁と混濁果汁の混合比率が前記した果汁使用率で30:70(総果汁使用率70%))を保ちつつ、総果汁使用率を変更した場合について検討した。総果汁使用率は、表4のNo.21〜24に示すように、50〜150%で調製した。
透明果汁、混濁果汁、果糖ブドウ糖液糖、クエン酸、65.5%アルコールは実施例3と同じものを用いた。
そして、No.21〜24に係る果汁含有アルコール飲料について実施例1と同じ官能試験を行った。
表4に、総果汁使用率、果汁含有アルコール飲料の組成とともに、果汁の味、果汁の香りおよび総合評価に関する6名のパネルの平均を記載した。
Figure 2013106539
表4に示すように、実施例4においては、No.21〜24の全ての果汁含有アルコール飲料が、総合評価の平均が3.00以上となり、果汁の香味が優れていると評価された。これらの総果汁使用率は50〜150%であった。ただし、総果汁使用率が150%であるNo.24に係る果汁含有アルコール飲料については、果汁の味と果汁の香りはそれぞれ高評価(5.00)であったが、くどい感じがするとのコメントがあり、嗜好によっては歓迎されない場合もあり得ることがわかった。
<清澄化程度(濁度)、色彩>
実施例1〜4において果汁の香味が優れていると評価されたNo.3〜6、10〜12、15〜18、21〜24の清澄化程度(濁度)と色彩を測定したところ、濁度は100〜500の範囲内にあり、色彩はL:20〜85の範囲内にあり、a:−15〜15の範囲内にあり、b:−10〜70の範囲内にあった。なお、濁度は、Haffmans濁度計(波長650nm、90°散乱光)で測定した。また、色彩は、KONICA MINOLTA社製SPECTROPHOTOMETER CM−3600dで測定した。
<まとめ>
以上に示した実施例1〜4から明らかなように、透明果汁と混濁果汁の混合比率を前記した果汁使用率で10:90〜50:50とすれば、果汁の香味に優れた果汁含有アルコール飲料を提供できることがわかった。また、透明果汁と混濁果汁の混合比率の好ましい範囲は前記した果汁使用率で15:85〜35:65であり、特に好ましくは、20:80〜30:70であることもわかった。さらに、果汁の総果汁使用率を50〜150%とするのが好ましいが、70%以上とするのがより好ましく、120%以下とするのがさらに好ましいこともわかった。
また、No.12、24に係る果汁含有アルコール飲料のように、果汁の味と果汁の香りが高評価(いずれもパネルの評価の平均が5.00)であっても、香味としての総合評価が必ずしも高いものになるとは限らないこともわかった。
さらに、例えば、No.3、4、6、15、21に係る果汁含有アルコール飲料のように、果汁の味および果汁の香りのうちの少なくとも一方が3.00未満の評価となった場合であっても、総合的に評価すると果汁の香味が優れていると評価されることもわかった。
つまり、果汁の味と果汁の香りは、どちらか一方のみが優れていても、また、両方が極めて優れていても良い評価を得ることはできず、果汁の香味に優れたものとするためには、透明果汁と混濁果汁の混合比率を前記した果汁使用率で特定範囲内となるように混合させる必要があることがわかった。
S1 混合ステップ
S2 ろ過ステップ
S3 殺菌ステップ
S4 充填ステップ

Claims (6)

  1. 果汁を含有する果汁含有アルコール飲料であって、
    前記果汁は、搾汁を清澄化処理した透明果汁と、搾汁を清澄化処理していない混濁果汁と、を混合したものであり、
    前記透明果汁と前記混濁果汁の混合比率が、ストレート果汁に換算した果汁使用率で10:90〜50:50であることを特徴とする果汁含有アルコール飲料。
  2. 請求項1に記載の果汁含有アルコール飲料であって、
    前記果汁の総果汁使用率が50%を超え150%未満であることを特徴とする果汁含有アルコール飲料。
  3. 請求項1または請求項2に記載の果汁含有アルコール飲料であって、
    前記果汁が、リンゴ属またはミカン属に属する果実を用いて製造されたものであることを特徴とする果汁含有アルコール飲料。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の果汁含有アルコール飲料であって、
    発泡性であることを特徴とする果汁含有アルコール飲料。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の果汁含有アルコール飲料であって、
    アルコール度数が1〜8度であることを特徴とする果汁含有アルコール飲料。
  6. 請求項1に記載の果汁含有アルコール飲料を製造する果汁含有アルコール飲料製造方法であって、
    前記透明果汁と前記混濁果汁を前記果汁使用率で10:90〜50:50の混合比率となるように混合させることを特徴とする果汁含有アルコール飲料製造方法。
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