JP2013100781A - ターボ分子ポンプ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上ケース12はフランジ12aの貫通孔51に挿通された締結部材61により外部装置の第1の取付部材91に締結される。上ケース12に締結された第1のベース14はフランジ14bの貫通孔52に挿通された締結部材63により外部装置の第2の取付部材92に締結される。制御ユニット70は締結部材65により第2のベース15に締結される。締結部材65にはロータ30の破壊時のトルクが作用しないので、締結部材65および制御ユニット70のケースを、強度が小さいものとすることができる。
【選択図】図1
Description
制御ユニットは、製造装置に固定されたターボ分子ポンプに締結部材により締結されて固定される。ロータが破壊した場合、ロータの破片によりケース部材に与えられた破壊トルクは制御ユニットにも伝達される。
このため、ターボ分子ポンプのケースの底面に八角形の環状凹部を形成し、制御ユニットのケースに環状凹部に嵌合する環状凸部を設けたターボ分子ポンプ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このターボ分子ポンプ装置では、両ケースを環状凹部と環状凸部の角部で当接させることにより破壊トルクを吸収するようにしている。
以下、図を参照して本発明に係るターボ分子ポンプ装置の一実施の形態について説明する。
図1は、この発明に係るターボ分子ポンプ装置の一実施の形態を示す断面図である。
図1に図示されたターボ分子ポンプ装置1は、ターボ分子ポンプ10と、このターボ分子ポンプ10の底部に取り付けられた制御ユニット70とを備えている。
ターボ分子ポンプ10は、上ケース12とベース13からなるケース部材11を備えている。上ケース12とベース13はシール部材42を介して密着して固定され、外部から密封された構造を有している。
ロータ軸5は、ラジアル方向の磁気軸受31(2箇所)およびスラスト方向の磁気軸受32(上下一対)によって非接触で支持される。ロータ軸5の浮上位置は、ラジアル変位センサ33a、33bおよびアキシャル変位センサ33cによって検出される。磁気軸受31、32によって回転自在に磁気浮上されたロータ軸5は、モータ35により高速に回転駆動される。
ロータ30の上部側は上ケース12により覆われている。上ケース12のロータ30の上部側に対応する内面にはステータ翼7とスペーサ21とが交互に配置されている。ロータ翼6とステータ翼7とは、リング状のスペーサ21を間に挟んで、ポンプの軸方向に交互に積層されている。上ケース12の内面において、ベース13の上面上にスペーサ21とステータ翼7とを交互に積層し、上ケース12を上方からベース13に被せて固定すると、ステータ翼7とロータ翼6とがポンプの軸方向に沿って交互に配置される。
ベース13には排気口45が設けられ、この排気口45にバックポンプが接続される。ロータ30を磁気浮上させ、この状態でモータ35によりロータ30を高速に回転駆動することにより、吸気口25側の気体分子が排気口45側へと排気される。
第1のベース14は、ネジステータ8の外周を囲む大略円筒形状を有し、底部の中央部に貫通孔を有する。第2のベース15は、ロータ軸5、およびロータ軸の周囲に配置されたモータ35、磁気軸受31、32、ラジアル・アキシャル変位センサ33a〜33c、メカニカルベアリング34、35およびロータディスク38等を収納する中空部を有する筒部と、第1のベース14の底部に対応する平坦部とを有し、大略、断面逆T字形状に形成されている。第2のベース15の筒部は、第1のベース14の底部の中央部に設けられた貫通孔を貫通してロータ軸5とロータ円筒部9の間の空間に配置されている。
第1のベース14および第2のベース15の筒部の中心は、ロータ軸5の中心と同軸である。
第2のベース15には、周縁部近傍に複数の溝54が形成され、下部側に周縁部から外周側に張り出す第5のフランジ15aが形成されている。溝54にボルト等の締結部材64を挿通し、第1のベース14に設けられたタップ(図示せず)に締結部材64を締結することにより第2のベース15が第1のベース14に取り付けられる。
第5のフランジ15aには複数の貫通孔(図示せず)が形成されており、各貫通孔にボルト等の締結部材65を挿通し、締結部材65を制御ユニット70に形成されたタップ(図示せず)に締結することにより、制御ユニット70が第2のベース15に固定される。
電源部では、一次電源から供給される交流電力をAC/DCコンバータにより直流電力に変換する。直流電力は、3相インバータとDC/DCコンバータを介して制御回路部に入力される。制御ユニット70の制御回路部は、コネクタを介してケーブル(共に図示せず)により、ターボ分子ポンプ10内のモータ35および磁気軸受31、32等に接続され、モータ35および磁気軸受31、32等を駆動制御する。
ロータ円筒部9およびロータ翼6が破壊すると、破壊した破片がケース部材11に衝突し、破片の回転方向の衝撃がケース部材11に伝達される。このため、ケース部材11に破片の運動量に対応するトルクが作用する。
このため、ケース部材11に働くロータ破壊時のトルクは、外部装置に締結された第1の取付部に作用すると共に、制御ユニット取付部にも作用する。
従って、ケース部材11と制御ユニット70のケースとの取付を締結部材のみで行う場合には、締結部材の強度を、ケース部材11に作用するロータ破壊時のトルクによって与えられる剪断力に耐えられる強度を有するようにする必要がある。このため、締結部材のサイズが大きくなり、これに伴い、制御ユニットのサイズが大きくなる。
ケース部材11と制御ユニットのケースとの取り付けを特許文献1のように、一方および他方に八角形の環状凹部と、環状凹部に嵌合する環状凸部を設ける構造とすると、構造が複雑となり、組み立てが面倒となる。
つまり、ケース部材11が受けるロータ30の破片の衝撃は、第4のフランジ14bと外部装置の第2の取付部材92を締結する締結部材62から、外部装置の第2の取付部材92に伝達されて吸収されるため、基本的には、制御ユニット70に伝達されることはない。
制御ユニット70のケースの材料の一例として、ターボ分子ポンプと制御ユニットとが別体のタイプにおいて、通常、使用されているアルミニウム鋳造品(AC4C)、アルミニウムダイカスト材(ADC12)等を用いることができる。また、ポリカーボネート等の耐衝撃性・耐熱性・難燃性などにおいて高い物性を示すエンジニアリングプラスチックスを用いることもできる。
よって、本発明の一実施の形態によれば、制御ユニット70のサイズを小型化し、および/あるいは製造コストを低減することが可能となる。
図2は、この発明に係るターボ分子ポンプ装置の実施形態2の断面図である。
実施形態2が実施形態1と相違する点は、実施形態1における第1のベース14と第2のベース15とが、実施形態2においては一体化されたベース13とされている点である。
以下は、実施形態1と相違する点を中心に説明することとし、実施形態1と同じ部材には同一の図面番号を付して説明を省略する。
すなわち、図2に図示されたベース13は、ロータ軸5、モータ35等の外周を囲む中央側の円筒部とネジステータ8の外周を囲む周縁側の円筒部とが連結されたベース上部13aと、このベース上部13aの下面に一体に設けられたベース下部13bとを有する。
ベース上部13aには、第4のフランジ14bが形成されており、実施形態1と同様、第4のフランジ14bに形成された貫通孔52に締結部材62を挿通して、締結部材62によりベース13を外部装置の第2の取付部材92に締結する。
また、ベース下部13bには、フランジ15aが形成されており、実施形態1と同様、フランジ15aに形成された貫通孔に締結部材65を挿通して、締結部材65により制御ユニット70をベース13に締結する。
この構造においても、ケース部材11が受けるロータ30の破片の衝撃は、第4のフランジ14bと外部装置の第2の取付部材92を締結する締結部材62から外部装置の第2の取付部材92に伝達されて吸収されるため、基本的には、制御ユニット70に伝達されることはない。
また、制御ユニット70には、ロータ30の破片の衝撃によりケース部材11が受けるトルクは作用しないため、制御ユニット70のケースは、制御ユニット70単体として必要とされる強度を有する程度のものであればよい。
従って、実施形態1と同様に、制御ユニット70のサイズを小型化し、および/あるいは製造コストを低減することが可能となる。
また、ベース13が1つの部材であるので、実施形態1に比し、組み立てが効率的となる。
図3は、この発明に係るターボ分子ポンプ装置の実施形態3の断面図である。
実施形態3においても実施形態1と同様、第1、第2のベース14、15が一体化されたベース13を有する。実施形態2との相違は、実施形態2においてベース上部13aに形成されていた第4のフランジ14bを実施形態3では有していない点である。
以下は、実施形態2と相違する点を中心に説明することとし、実施形態2と同じ部材には同一の図面番号を付して説明を省略する。
すなわち、図3に図示されたベース13も、ロータ軸5、モータ35等の外周を囲む中央側の円筒部とネジステータ8の外周を囲む周縁側の円筒部を連結するベース上部13aと、このベース上部13aの下面に一体に設けられたベース下部13bとを有する。
ベース下部13bの幅は、ベース上部13aの底部の幅よりも小さく、ベース上部13aの底部の周縁部には複数のタップ(図示せず)が形成されている。
この構造では、ケース部材11が受けるロータ30の破片の衝撃は、第4のフランジ14bと外部装置の第2の取付部材92を締結する締結部材66から外部装置の第2の取付部材92に伝達されて吸収されるため、基本的には、制御ユニット70に伝達されることはない。
また、制御ユニット70には、ロータ30の破片の衝撃によりケース部材11が受けるトルクは作用しないため、制御ユニット70のケースは、制御ユニット70単体として必要とされる強度を有する程度のものであればよい。
従って、実施形態1と同様に、制御ユニット70のサイズを小型化し、および/あるいは製造コストを低減することが可能となる。
また、実施形態2と同様、ベース13が1つの部材であるので、実施形態1に比し、組み立てが効率的となる。
つまり、制御ユニット70をベース13に締結する締結部材64、65には、ロータ30の破壊時のトルクが作用しない構造とした。このため、締結部材64、65として強度が小さいものを用いることができ、また、制御ユニット70のケースは、安価で肉厚の小さい部材とすることができる。
従って、制御ユニット70のサイズを小型化し、および/あるいは製造コストを低減することが可能となる、という効果を奏する。
2 翼排気部
3 ネジ溝排気部
6 ロータ翼
7 ステータ翼
10 ターボ分子ポンプ
12 上ケース
12a 第1のフランジ
12b 第2のフランジ
13 ベース
13a ベース上部
13b ベース下部
14 第1のベース
14a 第3のフランジ
14b 第4のフランジ
15 第2のベース
25 吸気口
30 ロータ
45 排気口
61〜68 締結部材
70 制御ユニット
91 第1の取付部材
92 第2の取付部材
Claims (4)
- ケース部材と、ケース部材内に収容されたロータとを有し、前記ロータを高速に回転して前記ケース部材の吸気口から排気口側に気体分子を移送するターボ分子ポンプと、
前記ターボ分子ポンプを駆動制御する制御ユニットとを具備し、
前記ケース部材には、前記吸気口側に設けられた、外部装置に取り付けるための第1の取付部と、前記排気口側に設けられた、外部装置に取り付けるための第2の取付部とが形成され、
前記ターボ分子ポンプと前記制御ユニットとは、前記ターボ分子ポンプと前記制御ユニットとを固定する締結部材により固定されていることを特徴とするターボ分子ポンプ装置。 - 請求項1に記載のターボ分子ポンプ装置において、前記ロータは、ロータ翼とロータ円筒部を有し、前記ケース部材は、前記ロータ翼の外周を覆い内周側にステータ翼が配置された上ケースと、前記ロータ円筒部の外周を覆い、周縁部において前記上ケースに締結されたベースとを有し、前記第2の取付部は、前記ベースの周縁部に設けられた、外周側に張り出すフランジを含むことを特徴とするターボ分子ポンプ装置。
- 請求項2に記載のターボ分子ポンプ装置において、前記ベースは、前記第2の取付部を有する第1のベースと、前記第1のベースに取り付けられ、前記制御ユニットとの取付部を有する第2のベースとを有することを特徴とするターボ分子ポンプ装置。
- 請求項1に記載のターボ分子ポンプ装置において、前記ロータは、ロータ翼とロータ円筒部を有し、前記ケース部材は、前記ロータ翼の外周を覆い内周側にステータ翼が配置された上ケースと、前記ロータ円筒部の外周を覆い、周縁部で前記上ケースに締結されたベースとを有し、前記第2の取付部は、前記ベースの低部における前記制御ユニットの周縁部に設けられていることを特徴とするターボ分子ポンプ装置。
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