JP2009180151A - 高速回転機器 - Google Patents

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浩司 堀川
Kazunori Makimura
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Abstract

【課題】 冷却水循環器等の装置を別途設ける必要がない上に、冷却水等の冷媒を準備しなくても、モータの温度上昇を抑えることができる高速回転機器を提供する。
【解決手段】 回転軸2と、回転軸2の一端に形成された回転翼1と、吸入口53と吐出口55と有するケーシング5aを備え、ケーシング5aの内部に回転翼1を収納して、吸入口53から流体を吸入し、吸入口53から吸入した流体を吐出口55から排出する流体移送部Rと、回転軸2を回転駆動するモータ4と、回転軸2が貫通する回転軸連通孔2Hを有するハウジング5bを備え、ハウジング5bの内部に回転軸2とモータ4とを収納するモータ駆動室Mとを具備する高速回転機器10であって、流体移送部Rの流体流れの途中において流体の一部を流通する流体流路30を具備し、流体流路30を流通する流体を用いて、モータ4を冷却することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転翼の回転によって流体の排気等を行う高速回転機器に関する。
吸入口からガスを吸引し、吸引したガスを昇圧し、圧縮したガスを吐出口から排出する高速回転機器(以下、「ターボブロワ」という)は、例えば、送風機や油圧機やレーザ発振器等に使用されている。
図7は、従来の遠心式のターボブロワの一例を示す断面図である。なお、図中における黒色矢印は、ガスの流通方向を示すものである。ターボブロワ70は、ターボ翼(回転翼)1を収納する流体移送室Rと、電動モータ4を収納するモータ駆動室Mとにより構成される。そして、ターボ翼1と電動モータ4とは、回転軸2を介して連結されている。
流体移送室Rは、ケーシング5aに囲まれることによって形成され、その内部にターボ翼1を収納している。また、流体移送室Rは、ターボ翼1の頂部方向に開口する吸入口53と、ターボ翼1の側方方向に開口するターボ翼吐出部54と、最終的に外部にガス(流体)を排出するための吐出口55と、ターボ翼吐出部54と吐出口55とを連結する流体旋回流路56と、ターボ翼1の底部方向に開口する回転軸貫通孔2Hとを有する。
ターボ翼1は、回転軸2の上端に形成されており、切頭円錐状の基体11の斜面部に螺旋状に複数の翼体12を立設してある。
吸入口53は、上方から見ると円形状の開口であり、ガスを吸引する。
ターボ翼吐出部54は、上方から見ると円環形状の開口であり、中心部から円周部に向かって全方向にガスを送り出す。
流体旋回流路56は、上方から見るとターボ翼吐出部54より大きい円環形状の流路であり、ターボ翼吐出部54から送り出されたガスを反時計回りに流通させながら、ガスを吐出口55に導く。
そして、回転軸2は、回転軸貫通孔2Hを貫通することになる。
以上の構成において、ターボ翼1が回転すると、ガスは吸入口53から流体移送室Rの内部に入る。流体移送室Rに入ったガスは、圧縮されながらターボ翼吐出部54を通って流体旋回流路56に入る。流体旋回流路56に入ったガスは、ターボ翼1が反時計回りに回転するターボブロワでは流体旋回流路56内を反時計回りに流通しながら吐出口55に達する。最後に、吐出口55に達したガスは、吐出口55から流体移送室Rの外部に出る。すなわち、流体移送室Rでは、吸入口53からガスを吸引し、吸引したガスを吐出口55から排出することが行われている。
このようなターボ翼1を回転させるためには、電動モータ4等の動力源が必要となる。そこで、ターボブロワ70は、電動モータ4を収納するモータ駆動室Mが、流体移送室Rの下端部に連続して設けられている。つまり、流体移送室Rの下端部と、モータ駆動室Mの上端部とは、一体化されている。
モータ駆動室Mは、ハウジング5bに囲まれることによって形成され、その内部に電動モータ4と、回転軸2の下端部側と、回転軸2を回転可能に支持する転がり軸受3とを収納している。なお、モータ駆動室Mは、流体移送室Rの下端部とモータ駆動室Mの上端部とが共通しているので、電動モータ4の頂部方向に開口する回転軸貫通孔2Hを有することになる。
電動モータ4は、回転子4Rと固定子4Sとにより構成される。なお、固定子4Sの構成部位であるコイル4Cは絶縁皮膜が施されている。そして、回転子4Rが回転軸2に外嵌されて固着されるとともに、回転子4Rの周囲に対応するハウジング5bの内周面に固定子4Sが配設されている。電動モータ4としては、例えば、DCブラシレス式のもの等が挙げられる。なお、電動モータ4の駆動源として、例えば、インバータ(図示せず)等が用いられる。
転がり軸受3は、上部転がり軸受3Uと下部転がり軸受3Dとにより構成される。これにより、回転軸2は、上部転がり軸受3Uと下部転がり軸受3Dとを介してハウジング5bに対して回転可能に保持される。転がり軸受3として、例えば、アンギュラタイプのものを採用することができる。アンギュラタイプのものを採用すれば、ジャーナル方向とスラスト方向とに作用する両荷重を支持しうるようになる。
なお、回転軸2を貫通するための回転軸貫通孔2Hには、シール部7(ラビリンスシール)が設けられている。シール部7は、流体移送室Rとモータ駆動室Mとを完全に分離してしまうものではなく、シール部7と回転軸2との間に若干の隙間を有するとともに絞り機能を有するものである。これにより、回転軸貫通孔2Hを介して流体移送室Rとモータ駆動室Mとの間でのガスの行き来を妨げることが可能となっている。
以上の構成において、インバータ等によって固定子4Sに電力が供給されると、回転子4Rが固着された回転軸2が回転駆動する。回転軸2が回転駆動すると、流体移送室Rの内部に配置されたターボ翼1が回転することになる。
なお、回転軸2を回転駆動させるモータ駆動室Mは、その内部に異物等(例えば、水分やゴミ等)が侵入すると、電動モータ4に異物等が付着することで、電動モータ4が損傷したりすることがあるため、ハウジング5bによって密閉構造となるように形成されている。
しかしながら、このようなターボブロワ70では、ターボ翼1を回転させるために電動モータ4が作動したときに固定子4での損失(例えば、一次銅損や鉄損等)や、回転子4Rでの損失や、固定子4Sと回転子4Rとの間の風損失(流体摩擦損失)等が発生し、発熱することによって、温度上昇が起こる結果、モータ効率の低下や、コイル4Cの絶縁性能が低下することによるモータ損傷等が生じることがあった。
そこで、ハウジング5b中に冷却水を冷媒として流通する冷却水路81を備え、冷却水路81を流通する冷却水を用いて電動モータ4の温度上昇を抑える対策がとられているターボブロワ80が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
図8は、従来の遠心式のターボブロワの他の一例を示す断面図である。なお、図中における黒色矢印は、ガスの流通方向を示し、白色矢印は、冷却水の流通方向を示すものである。また、上述したターボブロワ70と同様のものについては、同じ符号を付している。すなわち、ターボブロワ80は、回転軸2と、ターボ翼1と、ターボ翼1を収納する流体移送室Rと、電動モータ4と、電動モータ4を収納するモータ駆動室Mと、ハウジング5b中に冷却水を流通する冷却水路81とを備える。
図8に示すように、冷却水路81は、ハウジング5b中に、電動モータ4の外周面を覆うような螺旋状となるように形成されている。そして、ハウジング5bの外周面に形成された冷却水流入口82と冷却水流出口83とには、冷却水循環器(図示せず)が接続される。
これにより、モータ駆動室52内の電動モータ4が作動しても、冷却水路81に冷却水を流すことで、電動モータ4の温度上昇を抑えることができるようになっている。
特開2003−301799号公報
しかしながら、上述したようなターボブロワ80では、冷却水循環器等の装置を別途設ける必要があり、大型化やコストアップ等を招来することになっていた。
また、用途によっては冷却水を用いることができないことがあり、冷却水路81を備えたターボブロワ80を使用することができない場合があった。
そこで、本発明は、冷却水循環器等の装置を別途設ける必要がない上に、冷却水等の冷媒を別途準備しなくても、モータの温度上昇を抑えることができる高速回転機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の高速回転機器は、回転軸と、前記回転軸の一端に形成された回転翼と、吸入口と吐出口と有するケーシングを備え、当該ケーシングの内部に回転翼を収納して、吸入口から流体を吸入し、当該吸入口から吸入した流体を吐出口から排出する流体移送部と、前記回転軸を回転駆動するモータと、ハウジングを備え、当該ハウジングの内部にモータを収納するとともに、前記回転軸を回転可能に保持するモータ駆動室とを具備し、前記ハウジングには、前記回転軸が貫通する回転軸貫通孔が形成されている高速回転機器であって、前記流体移送部の流体流れ途中において流体の一部を流通する流体流路を具備し、前記流体流路を流通する流体を用いて、前記モータを冷却するようにしている。
ここで、本発明における「流体」は、気体であってもよく、液体であってもよい。
また、「回転翼」の形状も、軸方向から入った流体が主に翼車の遠心力作用により昇圧され、翼車から半径方向の外側に向かい吐出される遠心式であっても、軸方向から入った流体が主に翼車の揚力により昇圧され、翼車により軸方向に向かい吐出される軸流式であってもよい。また、軸方向から入った流体が遠心力と翼車の揚力とにより昇圧され翼車から斜め方向に向かい吐出される斜流式であってもよい。更には、放射状に埋め込まれた多数の翼により流路内の液に運動量を与えて昇圧する渦流ポンプあるいは再生ポンプと呼ばれる種類のターボ機器であってもよい。
本発明の高速回転機器によれば、流体移送部の吐出口に至る途中において流体の一部を流通する流体流路を備えるので、モータ駆動室内のモータが作動することによって、流体移送部内の回転翼が回転すると、流体移送部では、流体を吸入口から吸入し、吸入した流体を圧縮しながら吐出口から排出するだけでなく、流体移送部の流体流れ途中において流体の一部が流体流路を流通する。そして、流体流路を流通する流体を冷却用流体とし、流体流路を流通する冷却用流体を用いてモータを冷却する。
以上のように、本発明の高速回転機器によれば、流体移送部の流体流れ途中において流体の一部を冷却用流体とし、冷却用流体を用いてモータを冷却するので、冷却水循環器等の装置を別途設ける必要がない上に、冷却水等の冷媒を準備しなくても、モータの温度上昇を抑えることができる。
また、冷却水を用いることができないような用途にも、使用することができる。
(他の課題を解決するための手段および効果)
また、上記の発明において、前記流体流路は、前記ハウジング及び/又はケーシング中に形成されているようにしてもよい。
また、上記の発明において、前記流体流路は、前記モータの外周面を覆うように、前記ハウジング及び/又はケーシング中に形成されているようにしてもよい。
また、上記の発明において、前記流体移送部の流体流れ途中において分岐された前記流体経路が、前記流体移送部の当該分岐位置の上流側まで連通するように形成されているようにしてもよい。
本発明によれば、吸入口から吸引する流体を吐出口以外の外部に排出しない構成とすることができるので、外部に排出することができない流体を用いることになる用途にも、使用することができる。
また、上記の発明において、前記流体流路は、前記回転翼の下流側から回転翼の上流側まで連通するように形成されているようにしてもよい。
本発明によれば、吸入口から吸引する流体を吐出口以外の外部に排出しない構成とすることができるので、外部に排出することができない流体を用いることになる用途にも、使用することができる。
さらに、回転翼の下流側の流体の圧力は、回転翼の上流側の流体の圧力より高くなっているので、流体流路内を流体がスムーズに流れるようにすることができる。
また、上記の発明において、前記回転翼の下流側には、前記流体を圧縮する静翼が設けられ、前記流体流路は、前記静翼の下流側から静翼の上流側まで連通するように形成されているようにしてもよい。
また、静翼が設けられたものにおいては、前記流体流路は、前記静翼の下流側から回転翼の上流側まで連通するように形成されているようにしてもよい。
本発明によれば、吸入口から吸引する流体を吐出口以外の外部に排出しない構成とすることができるので、外部に排出することができない流体を用いることになる用途にも、使用することができる。
さらに、静翼の下流側の流体の圧力は、静翼の上流側の流体の圧力より高くなっているので、流体流路内を流体がスムーズに流れるようにすることができる。
また、上記の発明において、前記流体流路は、前記モータ駆動室の内部に流体を導くともに、前記モータ駆動室の内部からモータ駆動室の外部に流体を排出するようにしてもよい。
本発明によれば、流体をモータに直接接触させることができるので、モータの温度上昇をより抑えることができる。
そして、上記の発明において、前記流体流路は、前記モータが配置された位置に対応するハウジング及び/又はケーシングの外面に向けて、前記流体を排出するようにしてもよい。
さらに、上記の発明において、前記ハウジング及び/又はケーシングの外面には、前記流体との接触面積を増加させる凹凸が形成されているようにしてもよい。
本発明によれば、ハウジングやケーシングの外面には凹凸が形成されているので、ハウジングの外面を効率よく冷却することができる。その結果、モータの温度上昇をより抑えることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
<第一の実施形態>
図1は、本発明の一実施形態である遠心式のターボブロワの一例を示す断面図である。図2は、図1に示すA−A線の断面図である。なお、図中における黒色矢印は、ガスの流通方向を示すものである。また、上述したターボブロワ70と同様のものについては、同じ符号を付している。
本実施形態では、ターボブロワ10Aは、上述した従来のターボブロワ70と異なり、ターボ翼吐出部54の周囲に配置されたディフューザ(静翼)20と、ターボ翼吐出部54から排出するガスの一部を流通するための複数本の流体流路30とを備える。すなわち、ターボブロワ10Aは、回転軸2と、ターボ翼1と、ターボ翼1を収納する流体移送室Rと、電動モータ4と、電動モータ4を収納するモータ駆動室Mと、ディフューザ20と、流体流路30とを備える。
ディフューザ20は、上方から見ると円環形状に形成されており、円環形状の基体21の上面部に複数の翼体22を立設したものである。そして、ディフューザ20は、ターボ翼吐出部54の下流側に配置されている。これにより、流体移送室Rに入ったガスは、ディフューザ20を通過することによって圧縮されながら流体旋回流路56に送り出されることになる。このとき、ディフューザ20の下流側のガスの圧力は、ディフューザ20の上流側のガスの圧力より高くなる。
流体流路30の流体流入口31は、円形状であり、16個の流体流路30の流体流入口31が、上方から見るとディフューザ20の周縁部(中心からの距離r31)に円環状に並ぶように等間隔をあけて設けられている。
また、流体流路30の流体流出口32も、流体流入口31と同様の形状の円形状であり、16個の流体流路30の流体流出口32も、上方から見るとディフューザ20の内周部(中心からの距離r32)に円環状に並ぶように等間隔をあけて設けられている。なお、r31>r32を満足するように形成されている。
そして、1個の流体流入口31は、ハウジング5a中を通って、反時計回りに隣接する1個の流体流出口32と連結されている。具体的には、1本の流体流路30は、流体流入口31からハウジング5aの底面部まで下方向に伸びていき、その後、ハウジング5aの底面部に達すると、水平方向かつ反時計回りに隣接する1個の流体流出口32の方向に進行方向を変えて、流体流出口32の真下まで来たときには、上方向に伸びていき、流体流出口32に達する。すなわち、1本の流体流路30は、側方から見るとUの字形状をしており、16本の流体流路30によって、電動モータ4の外周面を覆うように、ハウジング5a中に形成されている。
ここで、ターボブロワ10Aにおけるガスの動きについて説明する。
まず、インバータ等によって固定子4Sに電力が供給されると、回転子4Rが固着された回転軸2が反時計周りに回転駆動する。回転軸2が回転駆動すると、流体移送室Rの内部に配置されたターボ翼1が反時計周りに回転する。そして、ターボ翼1が回転すると、ガスは吸入口53から流体移送室Rの内部に入ることになる。
次に、流体移送室Rに入ったガスは、圧縮されながらターボ翼吐出部54の外側(下流側)に配置されたディフューザ20を通過する。このとき、大部分のガスは、ディフューザ20を通って流体旋回流路56に入るが、一部のガスは、ディフューザ20に設けられた流体流入口31から流体流路30に入る。
流体流入口31から入ったガスは、流体流路30内を流通しながら電動モータ4付近のハウジング5aと接触することにより、ハウジング5aと熱交換を行う。つまり、ハウジング5aを冷却する結果、電動モータ4も冷却する。その後、ガスは、ディフューザ20に設けられた流体流出口32に達し、流体流出口32から流体旋回流路56に入る。なお、流体流入口31側のガスの圧力は、流体流出口32側のガスの圧力より高くなっているので、流体流入口31から流体流出口32に向かって流体流路30内をガスがスムーズに流れるようになっている。
次に、流体旋回流路56に入ったガスは、流体旋回流路56内を反時計回りに流通しながら吐出口55に達する。最後に、吐出口55に達したガスは、吐出口55から流体移送室Rの外部に出る。
以上のように、ターボブロワ10Aによれば、流体移送部Rのターボ翼吐出部54から排出するガスの一部を冷却用流体とし、冷却用流体を用いて電動モータ4を冷却するので、冷却水循環器等の装置を別途設ける必要がない上に、冷却水等の冷媒を準備しなくても、電動モータ4の温度上昇を抑えることができる。
また、冷却水を用いることができないような用途にも、使用することができる上に、吸入口53から吸引するガスを吐出口55以外の外部に排出しない構成とすることができるので、外部に排出することができないガスを用いることになる用途にも、使用することができる。
<第二の実施形態>
図3は、本発明の一実施形態である遠心式のターボブロワの他の一例を示す断面図である(図4に示すB―B線の断面図となる)。図4は、図3に示すターボブロワの底面図である。なお、図中における黒色矢印は、ガスの流通方向を示すものである。また、上述したターボブロワ10Aと同様のものについては、同じ符号を付している。
本実施形態では、ターボブロワ10Bは、上述したターボブロワ10Aと流体流路34の配置位置や構成が異なるとともに、ハウジング5bの外周面にフィン(凹凸)35が形成されている。すなわち、ターボブロワ10Bは、回転軸2と、ターボ翼1と、ターボ翼1を収納する流体移送室Rと、電動モータ4と、電動モータ4を収納するモータ駆動室Mと、ディフューザ20と、流体流路34とを備える。
ハウジング5bの外周面には、下方から見ると円環形状に波形状のフィン35が設けられている。
流体流路34の流体流入口34aは、楕円形状であり、流体流路34の流体流入口34a付近は、流体流入口34aから進むにつれて徐々に円形状となるようになっている。すなわち、流体流路34の流体流入口34a付近は、ガスを内部に導きやすいテーパ状となっている。
また、複数個の流体流路34の流体流入口34aが、上方から見るとディフューザ20に円環状に並ぶように等間隔をあけて設けられている。
そして、1本の流体流路34は、ケーシング5a中を通って下方向に伸びていき、ケーシング5aを貫通することにより、外部と連結されている。このとき、流体流路34は、電動モータ4が配置された位置に対応するハウジング5bの外周面に向けて、ガスを排出するように形成されており、複数本の流体流路34によって、電動モータ4が配置された位置に対応するハウジング5bの外周面の全面に向けて、ガスを排出するように形成されている。
さらに、流体流路34の流体流出口は、下方から見ると波形状のフィン35の凹部に対応する位置に配置されており、流体流出口から排出されたガスをハウジング5bの底面部まで導くようになっている。
ここで、ターボブロワ10Bにおけるガスの動きについて説明する。
まず、インバータ等によって固定子4Sに電力が供給されると、回転子4Rが固着された回転軸2が反時計回りに回転駆動する。回転軸2が回転駆動すると、流体移送室Rの内部に配置されたターボ翼1が反時計回りに回転する。そして、ターボ翼1が回転すると、ガスは吸入口53から流体移送室Rの内部に入ることになる。
次に、流体移送室Rに入ったガスは、圧縮されながらターボ翼吐出部54の外側に配置されたディフューザ20を通過する。このとき、大部分のガスは、ディフューザ20を通って流体旋回流路56に入るが、一部のガスは、ディフューザ20に設けられた流体流入口34aから流体流路34に入る。
流体流入口34aから入ったガスは、流体流路34内を流通し、その後、ハウジング5bの外周面に向けて排出される。そして、ガスは、ハウジング5bの外周面と接触することにより、ハウジング5bと熱交換を行う。つまり、ハウジング5bを冷却する結果、電動モータ4も冷却する。
一方、流体旋回流路56に入ったガスは、流体旋回流路56内を反時計回りに流通しながら吐出口55に達する。最後に、吐出口55に達したガスは、吐出口55から流体移送室Rの外部に出る。
以上のように、ターボブロワ10Bによれば、外部への放熱を促進するため伝熱面積をフィン35により増加させ、またフィン35の壁面にガスを流すことで伝熱効率を高めることが可能となる。これら構成により、流体移送部Rのターボ翼吐出部54から排出するガスの一部を冷却用流体とし、冷却用流体を用いて電動モータ4を冷却するので、冷却水循環器等の装置を別途設ける必要がない上に、冷却水等の冷媒を準備しなくても、電動モータ4の温度上昇を抑えることができる。
また、冷却水を用いることができないような用途にも、使用することができる。
<第三の実施形態>
図5は、本発明の一実施形態である遠心式のターボブロワの他の一例を示す断面図である。なお、図中における黒色矢印は、ガスの流通方向を示すものである。また、上述したターボブロワ10Aと同様のものについては、同じ符号を付している。
本実施形態では、ターボブロワ10Cは、上述したターボブロワ10Aと流体流路36、37の配置位置や構成が異なるとともに、ディフューザ20が配置されていない。すなわち、ターボブロワ10Cは、回転軸2と、ターボ翼1と、ターボ翼1を収納する流体移送室Rと、電動モータ4と、電動モータ4を収納するモータ駆動室Mと、流体流路36、37とを備える。
流体流路36の流体流入口は、円形状であり、ターボ翼吐出部54に形成されている。そして、流体流路36は、ハウジング5b中を通って、モータ駆動室Mの内部と連結されている。
流体流路37の流体流出口は、円形状であり、ハウジング5bの外周面に形成されている。そして、流体流路37は、ハウジング5b中を通って、モータ駆動室Mの内部と連結されている。
このとき、流体流路36の流体流入口は、電動モータ4の上方となるモータ駆動室Mの内部の位置と連結されるとともに、流体流路37の流体流出口は、電動モータ4の下方となるモータ駆動室Mの内部の位置と連結される。これにより、流体流路36からモータ駆動室Mの内部に導かれたガスは、電動モータ4と接触して、その後、流体流路37から外部へ排出されることになる。
ここで、ターボブロワ10Cにおけるガスの動きについて説明する。
まず、インバータ等によって固定子4Sに電力が供給されると、回転子4Rが固着された回転軸2が反時計回りに回転駆動する。回転軸2が回転駆動すると、流体移送室Rの内部に配置されたターボ翼1が反時計回りに回転する。そして、ターボ翼1が回転すると、ガスは吸入口53から流体移送室Rの内部に入ることになる。
次に、流体移送室Rに入ったガスは、圧縮されながらターボ翼吐出部54を通過する。このとき、大部分のガスは、ターボ翼吐出部54を通って流体旋回流路56に入るが、一部のガスは、ターボ翼吐出部54に設けられた流体流入口から流体流路36に入る。
流体流入口から入ったガスは、流体流路36内を流通し、その後、モータ駆動室Mの内部に入る。そして、モータ駆動室Mの内部に入ったガスは、電動モータ4と接触することにより、電動モータ4と熱交換を行う。つまり、電動モータ4を冷却する。
次に、熱交換を行ったガスは、モータ駆動室Mの内部から流体流路37内を流通し、その後、外部に出る。
一方、流体旋回流路56に入ったガスは、流体旋回流路56内を反時計回りに流通しながら吐出口55に達する。最後に、吐出口55に達したガスは、吐出口55から流体移送室Rの外部に出る。
以上のように、ターボブロワ10Cによれば、流体移送部Rのターボ翼吐出部54から排出するガスの一部を冷却用流体とし、冷却用流体を用いて電動モータ4を直接冷却するので、電動モータ4の温度上昇を効果的に抑えることができる。
<第四の実施形態>
図6は、本発明の一実施形態である軸流式のターボブロワの一例を示す断面図である。なお、図中における黒色矢印は、ガスの流通方向を示すものである。また、上述したターボブロワ10Aと同様のものについては、同じ符号を付している。
本実施形態では、ターボブロワ10Dは、上述した遠心式のターボブロワ10Aと異なり、軸流式のターボブロワ10Dとなっている。すなわち、ターボブロワ10Dは、回転軸2と、ターボ翼45と、ターボ翼45を収納する流体移送室Rと、電動モータ4と、電動モータ4を収納するモータ駆動室Mと、ディフューザ44と、流体流路40とを備える。
流体移送室Rは、円筒形状のケーシング6に囲まれることによって形成され、その内部にターボ翼45を収納している。このとき、流体移送室Rは、ターボ翼45の頂部方向に位置する吸入口53と、ターボ翼45の底部方向に位置するターボ翼吐出部54と、ターボ翼吐出部54の下流側に位置する吐出口55とを有することになる。
ターボ翼45は、回転軸2の上端に形成されており、円柱形状の基体の側面部に複数の翼体を取り付けたものである。
以上の構成において、ターボ翼45が回転すると、ガスは吸入口53から流体移送室Rの内部に入る。流体移送室Rに入ったガスは、圧縮されながらターボ翼吐出部54を通過して吐出口55から外部に出る。
モータ駆動室Mは、上面と下面とを有する略円筒形状のハウジング5bに囲まれることによって形成され、その内部に電動モータ4と、回転軸2の下端部側と、回転軸2を回転可能に支持する転がり軸受3とを収納している。なお、モータ駆動室Mは、電動モータ1の頂部方向に開口する回転軸貫通孔2Hを有する。
そして、モータ駆動室Mは、ケーシング6の内部となるターボ翼吐出部54の下流側に配置される。
ディフューザ44は、上方から見ると円環形状に形成されており、ハウジング5bの側面部に複数の翼体を取り付けたものである。そして、ディフューザ44は、翼体がケーシング6の内周面に接するように配置されている。これにより、流体移送室Rに入ったガスは、ディフューザ44を通過することによって圧縮されながら下流側に送り出されることになる。このとき、ディフューザ44の下流側のガスの圧力は、ディフューザ44の上流側のガスの圧力より高くなる。
流体流路40の流体流入口41は、円形状であり、複数個の流体流路40の流体流入口41が、上方から見るとディフューザ44の下流側に円環状に並ぶように等間隔をあけて設けられている。
また、流体流路40の流体流出口42も、流体流入口31と同様の形状の円形状であり、複数個の流体流路40の流体流出口42も、上方から見るとディフューザ20の上流側に円環状に並ぶように等間隔をあけて設けられている。
そして、1個の流体流入口41は、ハウジング5b中を通って、1個の流体流出口42と連結されている。具体的には、1本の流体流路40は、流体流入口41から電動モータ4の外周面付近まで水平方向に伸びていき、その後、電動モータ4の外周面付近に達すると、上方に進行方向を変えて、流体流出口42の真横まで来たときには、水平方向に伸びていき、流体流出口42に達する。すなわち、1本の流体流路40は、側方から見ると横にしたUの字形状をしており、複数本の流体流路40によって、電動モータ4の外周面を覆うように、ハウジング5b中に形成されている。
ここで、ターボブロワ10Dにおけるガスの動きについて説明する。
まず、インバータ等によって固定子4Sに電力が供給されると、回転子4Rが固着された回転軸2が反時計回りに回転駆動する。回転軸2が回転駆動すると、流体移送室Rの内部に配置されたターボ翼1が反時計回りに回転する。そして、ターボ翼1が回転すると、ガスは吸入口53から流体移送室Rの内部に入ることになる。
次に、流体移送室Rに入ったガスは、圧縮されながらターボ翼吐出部54の下流側に配置されたディフューザ44を通過する。このとき、大部分のガスは、ディフューザ44を通って吐出口55から外部に出るが、一部のガスは、ディフューザ44に設けられた流体流入口41から流体流路40に入る。
流体流入口41から入ったガスは、流体流路40内を流通しながら電動モータ4付近のハウジング5bと接触することにより、ハウジング5bと熱交換を行う。つまり、ハウジング5bを冷却する結果、電動モータ4も冷却する。その後、ガスは、ディフューザ44に設けられた流体流出口42に達し、流体流出口42からターボ翼吐出部54に入る。なお、流体流入口41側のガスの圧力は、流体流出口42側のガスの圧力より高くなっているので、流体流入口41から流体流出口42に向かって流体流路40内をガスがスムーズに流れるようになっている。
最後に、ガスは、吐出口55から外部に出る。
以上のように、ターボブロワ10Dによれば、流体移送部Rのターボ翼吐出部54から排出するガスの一部を冷却用流体とし、冷却用流体を用いて電動モータ4を冷却するので、冷却水循環器等の装置を別途設ける必要がない上に、冷却水等の冷媒を準備しなくても、電動モータ4の温度上昇を抑えることができる。
また、冷却水を用いることができないような用途にも、使用することができる上に、吸入口53から吸引するガスを吐出口55以外の外部に排出しない構成とすることができるので、外部に排出することができないガスを用いることになる用途にも、使用することができる。
(他の実施形態)
上述したターボブロワ10Aにおいて、流体流出口32をディフューザ20の内周部に設ける構成としたが、流体流出口32を流体流入口31に対し低圧となる箇所に備える事例として、ターボ翼1の上流側の吸入口53付近に設けるといったディフューザ20の上流側に備えるような構成としてもよい。その他、流体流出口32と流体流入口31にて圧力差を生じる手段として、流体流入口31をディフューザ20の内周側に設け、流体流出口32をターボ翼1の上流側の吸入口53付近に設けてもよい。
あるいは、流体流入口31の開口を流体流れ入口方向、即ち上流側に向かい開け、一方、流体流出口32の開口を流体流れ出口方向、即ち下流側に向かい開けることで、r31=r32においても流体流路30にガスを導くことが可能となる。
また、ディフューザ20も翼体22を備えない、羽根なしディフューザのタイプであってもよい。
上述したターボブロワ10Bにおいては、ディフューザ20を備えないタイプのターボブロワであっても同様の効果が期待できる。また、外部に比べ流体流入口34の圧力が高い運用においては、流体流入口34の形状はテーパ状である必要はない。また、フィン35をハウジング5bと同一部材から成形することで更に伝熱効率を高めることが可能である。更には、流体流出口34から流出された流体がフィン35の凹部に沿ってハウジング5bの底部まで確実に導かれるようにハウジング5b外側に筒を設ける(図示せず)と更に冷却効果の向上が可能となる。また、フィンを備えず、ハウジング5bの外壁面、あるいは内部にガス流路を備え、ターボブロワ10B外部と連結させる構成においても、モータ冷却には一定の効果は期待できる。
また、ターボブロワ10A、10Bにおいては、冷却用流体を電動モータ4の外径側を流す場合の実施例で説明したが、電動モータ4の長手方向に流すことでも冷却効果は期待できる。
上述したターボブロワ10Dにおいて、流体流路40はハウジング5b中に設ける構成としたが、流体流路40は電動モータ4が配置された位置に対応するケーシング6中に設けるような構成としてもよく、さらに流体流路40は電動モータ4が配置された位置に対応するハウジング5b中とケーシング6中との両方に設けるような構成としてもよい。
更には、渦流ポンプにおいては、翼の回転により周方向にガスは昇圧されるため、周上の下流側に流体流入口を、上流側に流体流出口を備える構成とすることで、同様の効果が期待できる。
本発明の高速回転機器は、例えば、モータで回転翼を回転させることによって、流体の排気等を行うものに使用することができる。
本発明の一実施形態である遠心式のターボブロワの一例を示す断面図である。 図1に示すA−A線の断面図である。 本発明の一実施形態である遠心式のターボブロワの他の一例を示す断面図である。 図3に示すターボブロワの底面図である。 本発明の一実施形態である遠心式のターボブロワの他の一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態である軸流式のターボブロワの一例を示す断面図である。 従来の遠心式のターボブロワの一例を示す断面図である。 従来の遠心式のターボブロワの他の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 ターボ翼(回転翼)
2 回転軸
2H 回転軸貫通孔
4 電動モータ
5a ケーシング
5b ハウジング
10 ターボブロワ(高速回転機器)
30 流体流路
53 吸入口
54 ターボ翼吐出部
55 吐出口
M モータ駆動室
R 流体移送室

Claims (9)

  1. 回転軸と、
    前記回転軸の一端に形成された回転翼と、
    吸入口と吐出口と有するケーシングを備え、当該ケーシングの内部に回転翼を収納して、吸入口から流体を吸入し、当該吸入口から吸入した流体を吐出口から排出する流体移送部と、
    前記回転軸を回転駆動するモータと、
    ハウジングを備え、当該ハウジングの内部にモータを収納するとともに、前記回転軸を回転可能に保持するモータ駆動室とを具備し、
    前記ハウジングには、前記回転軸が貫通する回転軸貫通孔が形成されている高速回転機器であって、
    前記流体移送部の流体流れ途中において流体の一部を流通する流体流路を具備し、
    前記流体流路を流通する流体を用いて、前記モータを冷却することを特徴とする高速回転機器。
  2. 前記流体流路は、前記ハウジング及び/又はケーシング中に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の高速回転機器。
  3. 前記流体流路は、前記モータの外周面を覆うように、前記ハウジング及び/又はケーシング中に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の高速回転機器。
  4. 前記流体移送部の流体流れ途中において分岐された前記流体経路が、前記流体移送部の当該分岐位置の上流側まで連通するように形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の高速回転機器。
  5. 前記流体流路は、前記回転翼の下流側から回転翼の上流側まで連通するように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の高速回転機器。
  6. 前記回転翼の下流側には、前記流体を圧縮する静翼が設けられ、
    前記流体流路は、前記静翼の下流側から静翼の上流側まで連通するように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の高速回転機器。
  7. 前記流体流路は、前記モータ駆動室の内部に流体を導くともに、前記モータ駆動室の内部からモータ駆動室の外部に流体を排出することを特徴とする請求項2に記載の高速回転機器。
  8. 前記流体流路は、前記モータが配置された位置に対応するハウジング及び/又はケーシングの外面に向けて、前記流体を排出することを特徴とする請求項1に記載の高速回転機器。
  9. 前記ハウジング及び/又はケーシングの外面には、前記流体との接触面積を増加させる凹凸が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の高速回転機器。
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