JP2013100381A - タイヤ用ゴム組成物およびスタッドレスタイヤ - Google Patents

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Yayoi Akabori
弥生 赤堀
Satoshi Mihara
諭 三原
Keisuke Maejima
圭介 前島
Katsunori Shimizu
克典 清水
Kazutoshi Kimura
和資 木村
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Abstract

【課題】耐摩耗性を損なうことなく、氷上性能を良好にしたタイヤ用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム(A)と、主鎖がアルキレンオキシド単量体単位を含み、加水分解性シリル基を有する加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)の加水分解縮合物(B)と、を含有し、上記加水分解縮合物(B)の含有量が、上記ジエン系ゴム(A)100質量部に対して、1〜50質量部である、タイヤ用ゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびスタッドレスタイヤに関する。
従来、スタッドレスタイヤのトレッド部に好適に用いられるタイヤ用ゴム組成物が提案されており、例えば、特許文献1には、本出願人により、「(A)天然ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリイソプレンゴムおよびブチルゴムから選ばれる少なくとも一種のゴム100重量部に対して、(B)カーボンブラックおよび/またはシリカ30〜80重量部、および(C)主鎖がポリイソブチレン系でアルコキシシリル基を少なくとも一つ有する化合物および/または主鎖が式−R1 −O−(式中、R1 は、炭素数が1〜8である2価の炭化水素基)で表わされる繰り返し単位を有するポリエーテル系でアルコキシシリル基を少なくとも一つ有する化合物3〜50重量部を配合してなるスタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物。」が提案されている。
特開平11−91310号公報
近年、スタッドレスタイヤのトレッド部に用いられるタイヤ用ゴム組成物に対しては、さらに改良が求められており、とりわけ、氷上性能(氷上摩擦力)のより一層の向上が要求されている。
本発明者らが、特許文献1に記載のゴム組成物について検討を行なったところ、氷上性能の向上が不十分であるばかりか、耐摩耗性が劣る場合もあることを明らかにした。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、耐摩耗性を損なうことなく、氷上性能を良好にしたタイヤ用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、タイヤ用ゴム組成物に所定の加水分解縮合物を配合することで、耐摩耗性を劣化させることなく、氷上性能を向上できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(9)を提供する。
(1)ジエン系ゴム(A)と、主鎖がアルキレンオキシド単量体単位を含み、加水分解性シリル基を有する加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)の加水分解縮合物(B)と、を含有し、上記加水分解縮合物(B)の含有量が、上記ジエン系ゴム(A)100質量部に対して、1〜50質量部である、タイヤ用ゴム組成物。
(2)上記加水分解縮合物(B)が、上記加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)とアミン系触媒(b2)とを用いて得られる、上記(1)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(3)上記触媒(b2)が、下記式(I)で表される化合物および/またはジフェニルグアニジン(DPG)である、上記(2)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(上記式(I)中、nは3または5を示す。)
(4)上記触媒(b2)の量が、上記加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)100質量部に対して0.01〜200質量部である、上記(2)または(3)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(5)上記加水分解縮合物(B)を、上記加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)と上記触媒(b2)とを予め混合して得られるマスターバッチとして含有する、上記(2)〜(4)のいずれか1つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(6)上記加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)が有する上記加水分解性シリル基が、アルコキシシリル基である、上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(7)上記加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)が有する上記アルキレンオキシド単量体単位が、プロピレンオキシド(−CH2CH(CH3)O−)単量体単位である、上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(8)上記ジエン系ゴム(A)の平均ガラス転移温度が−50℃以下である、上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載のタイヤ用ゴム組成物をトレッド部に用いるスタッドレスタイヤ。
本発明によれば、耐摩耗性を損なうことなく、氷上性能を良好にしたタイヤ用ゴム組成物を提供することができる。
本発明のスタッドレスタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図である。
[タイヤ用ゴム組成物]
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム(A)と、主鎖がアルキレンオキシド単量体単位を含み、加水分解性シリル基を有する加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)の加水分解縮合物(B)と、を含有し、上記加水分解縮合物(B)の含有量が、上記ジエン系ゴム(A)100質量部に対して、1〜50質量部である、タイヤ用ゴム組成物である。
以下に、本発明のタイヤ用ゴム組成物に含有される各成分について詳細に説明する。
〔ジエン系ゴム(A)〕
ジエン系ゴム(A)としては、天然ゴム(NR)および/またはジエン系合成ゴムが用いられる。
ここでジエン系合成ゴムとしては、たとえば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレン合成ゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、イソブチレン−イソプレンゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)などがあげられる。ジエン系ゴム(A)は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
また、ジエン系ゴム(A)のガラス転移温度は、特に限定されないが、平均ガラス転移温度が−50℃以下であることが好ましい。ジエン系ゴム(A)として2種類以上のジエン系ゴムを併用する場合は、各ジエン系ゴムのガラス転移温度は、特に限定されないが、平均ガラス転移温度が−50℃以下であることが好ましく、各ジエン系ゴムのガラス転移温度が、それぞれ、−50℃以下であることが好ましい。
なお、ジエン系ゴム(A)のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定(DSC)により10℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とする。
〔加水分解縮合物(B)〕
本発明のタイヤ用ゴム組成物に含有される加水分解縮合物(B)は、加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)の加水分解縮合物であり、加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)が3次元網目状に架橋したゲル状の物質である。本発明のタイヤ用ゴム組成物は、このような加水分解縮合物(B)を、上述したジエン系ゴム(A)100質量部に対して1〜50質量部含有する。
本発明者らは、鋭意検討を行い、単に加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)をタイヤ用ゴム組成物に配合した場合には、かえって耐摩耗性が劣る場合があることを見出した。そして、さらに検討を行なったところ、加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)が加水分解縮合して得られるゲル状の加水分解縮合物(B)をタイヤ用ゴム組成物に配合することにより、耐摩耗性を劣化させることなく、氷上性能(氷上摩擦力)を向上できることを明らかにした。
これは、ゲル状の加水分解縮合物(B)を配合した本発明のタイヤ用ゴム組成物をトレッド部に用いることで、低温における接地面積の増加、配合による表面粗さの増加、剥落による表面粗さの増加等が発生し、氷上性能(氷上摩擦力)が向上するものと考えられる。
加水分解縮合物(B)の含有量は、氷上性能がより優れ、耐摩耗性にも優れるという理由から、上述したジエン系ゴム(A)100質量部に対して、2〜30質量部が好ましく、2〜15質量部がより好ましい。
以下、本発明で用いられる加水分解縮合物(B)を説明するため、まず、加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)について詳細に説明する。
〈加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)〉
加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)は、主鎖がアルキレンオキシド単量体単位を含み、加水分解性シリル基を有する加水分解性シリル基含有有機重合体である。
加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)の主鎖は、アルキレンオキシド単量体単位を含むものであれば特に限定されないが、この単量体単位の割合が50質量%を超えるのが好ましく、70質量%以上であるのがより好ましい。
上記アルキレンオキシド単量体単位としては、具体的には、例えば、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH(C25)O−、−CH(CH3)CH2O−、−CH(C25)CH2O−、−CH2CH2CH2O−または−CH2CH2CH2CH2O−で表される繰り返し単位等が挙げられ、これらの繰り返し単位の1種のみからなっていてもよく、2種以上からなっていてもよい。
これらのうち、氷上性能がより優れ、耐摩耗性にも優れるという理由から、プロピレンオキシド(−CH2CH(CH3)O−)単量体単位であるのが好ましい。
加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)が有する加水分解性シリル基は、ケイ素原子に結合した1〜3個のヒドロキシ基および/または加水分解性基を有し、湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより縮合反応を起こしてシロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基である。
このような加水分解性シリル基としては、例えば、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基等が挙げられる。
これらのうち、取扱いが容易であるという理由から、アルコキシシリル基であるのが好ましく、具体的には、下記式(1)で表されるアルコキシシリル基であるのがより好ましい。
式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、aは1〜3の整数を表す。aが2または3の場合、複数のR1はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、aが1の場合、複数のR1はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
このような加水分解性シリル基の数は、加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)の1分子あたり少なくとも1個であり、2〜4個であるのが好ましい。
なお、加水分解性シリル基は、加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)において、分子内の末端に存在していてもよく、側鎖に存在していてもよく、両方に存在していてもよい。このとき、加水分解性シリル基は、加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)の主鎖に対して、直接的に、または、炭化水素基等の有機基を介して間接的に、結合することができる。
加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)の数平均分子量は、作業性等の観点から、1,000〜60,000であるのが好ましく、2,000〜40,000であるのがより好ましい。
なお、数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で表わされる分子量である(以下、同様)。
加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)は、公知の方法によって製造することができる。
ゲル状の加水分解縮合物(B)は、上述した加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)の加水分解縮合が進行することにより得られるものであるが、本発明における加水分解縮合物(B)は、加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)と、アミン系触媒(b2)とを用いて得られるものであるのが好ましい。本明細書において「アミン系触媒(b2)」を単に「触媒(b2)」ともいう。
〈触媒(b2)〉
触媒(b2)は、加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)の加水分解縮合を進行させるものであり、ゲル化を促進する観点から、酸解離平衡定数(pKa値)が9以上であるのが好ましい。
このような触媒(b2)としては、具体的には、例えば、下記式(I)で表される化合物および/またはジフェニルグアニジン(DPG)が挙げられる。
上記式(I)中、nは3または5を示す。
上記式(I)で表される化合物は、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5(DBN)もしくはその塩、または、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)もしくはその塩である。
このような触媒(b2)を用いる場合、加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)は、触媒(b2)の存在下で混練等されることで、加水分解縮合が進行して、ゲル状の加水分解縮合物(B)を与える。
このとき、用いられる触媒(b2)の量は、加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)100質量部に対して0.01〜200質量部であるのが好ましく、1〜150質量部であるのがより好ましい。
触媒(b2)の量が加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)100質量部に対して0.01未満であると、加水分解反応が進行しないためゲル状の加水分解縮合物(B)が得られない場合があり、一方、200質量部超の場合には、ゲル硬度が高くなり、氷上性能が悪化する場合がある。これに対して、触媒(b2)の量が上記範囲内であれば、加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)の加水分解反応が十分に進行し、ゲル状の加水分解縮合物(B)を得ることができ、また、ゲル硬度も適切となって氷上性能も優れる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゲル状の加水分解縮合物(B)を、加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)と触媒(b2)とを予め混合し、例えば、50℃以上で15分間以上加熱して得られるマスターバッチとして含有していてもよい。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、その製造過程において、いわゆる「in−situ」で加水分解縮合物(B)を生成させて、これを含有するようにしてもよい。
すなわち、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、後述するように、その製造過程において混練等されるが、このとき、まず、上述したジエン系ゴム(A)等の成分とともに、加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)および触媒(b2)を配合し、これを混練することで、ゲル状の加水分解縮合物(B)を生成させ、本発明のタイヤ用ゴム組成物が加水分解縮合物(B)を含有するようにしてもよい。
この場合、本発明のタイヤ用ゴム組成物が含有する加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)の量としては、ジエン系ゴム(A)100質量部に対して、3〜30質量部であるのが好ましく、3〜20質量部であるのがより好ましい。
加水分解縮合物(B)をマスターバッチとして配合した場合、加水分解縮合物(B)のサイズは相対的に大きくなるため、排水性が良好となり、氷上性能により優れる。
一方、本段落のタイヤ用ゴム組成物の製造過程で加水分解縮合物(B)を生成させた場合、相対的にサイズが小さい加水分解縮合物(B)分散性することで、耐摩耗性が優れる。
なお、本発明のタイヤ用ゴム組成物が、いずれの態様で加水分解縮合物(B)を含有する場合であっても、加水分解縮合物(B)には、その生成に用いた触媒(b2)が含まれていてよい。
〔カーボンブラック〕
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、さらにカーボンブラックを含有することができる。カーボンブラックとしては、特に限定されず、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFグレードのもの等が挙げられ、これらを1種単独でも用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、耐摩耗性の観点からは、HAF、ISAF、SAFグレードのものが好ましい。
上記カーボンブラックの含有量は、上述したジエン系ゴム100質量部に対して10〜65質量部が好ましく、15〜50質量部がより好ましい。
〔シリカ〕
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、さらにシリカを含有することができる。シリカとしては、特に限定されず、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、タイヤの耐摩耗性が向上し、また、氷上性能がより優れるという理由から、湿式シリカが好ましい。
上記シリカの含有量は、上述したジエン系ゴム100質量部に対して5〜80質量部が好ましく、10〜70質量部が好ましい。
〔シランカップリング剤〕
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上述したシリカを分散させ、加硫後の物性を良好にする観点から、さらにシランカップリング剤を含有するのが好ましい。
上記シランカップリング剤は特に限定されないが、含硫黄シランカップリング剤が好ましく、その具体例としては、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−プロピオニルチオプロピルトリメトキシシラン、ビス−(3−ビストリエトキシシリルプロピル)−テトラスルフィド、ビス−(3−ビストリエトキシシリルプロピル)−ジスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シランカップリング剤の含有量は、上記シリカ100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、上述した成分の他に、カーボンブラックおよびシリカ以外のフィラー、老化防止剤、軟化剤(例えば、プロセスオイル等)、加工助剤、亜鉛華、ステアリン酸、ワックス、加硫剤、加硫促進剤等のタイヤ用ゴム組成物に一般的に用いられている各種の添加剤を配合することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等)を用いて適宜混練する方法等が挙げられる。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
[スタッドレスタイヤ]
本発明のスタッドレスタイヤ(以下、単に「本発明のタイヤ」ともいう。)は、本発明のタイヤ用ゴム組成物から構成されるトレッド部を有するスタッドレスタイヤである。
図1に、本発明のタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明のタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3は本発明のタイヤ用ゴム組成物から構成されるトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、トレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明のタイヤは、例えば、本発明のタイヤ用ゴム組成物に用いられたジエン系ゴム、加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤の種類およびその配合割合に応じた温度で加硫または架橋し、トレッド部等を形成することにより製造することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
(比較例1〜5、実施例1〜7)
下記第1表に示す成分を、下記第1表に示す割合(質量部)で配合した。具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、2リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、150℃に達したときに放出し、これに硫黄および加硫促進剤をオープンロールで混練し、タイヤ用ゴム組成物を得た。
次に、得られたタイヤ用ゴム組成物をランボーン摩耗用金型(直径63.5mm、厚さ5mmの円板状)中で、170℃で15分間加硫して加硫ゴムシートを作製した。
(氷上性能)
上記で作製した加硫ゴムシートを偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて、測定温度:−1.5℃、荷重:5.5kg/cm3、ドラム回転速度:25km/時間の条件で、氷上摩擦係数を測定した。
氷上性能は、比較例1の氷上摩擦係数を100として、次式により指数化したものであり、数値が大きいほどゴムと氷の摩擦力が良好であることを示す。
氷上摩擦係数指数=(試料の氷上摩擦係数/比較例1の氷上摩擦係数)×100
(耐摩耗性)
上記で作製した加硫ゴムシートを、ランボーン摩耗試験機(株式会社岩本製作所製)を使用して、JIS K6264に準拠し、荷重4.0kg、スリップ率30%の条件にて測定し、試料の摩耗量を計測した。
耐摩耗性は、比較例1の摩耗量を100として、次式により指数化したものであり、数値が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
耐摩耗性=(比較例1の摩耗量/試料の摩耗量)×100
上記第1表中の各成分は、以下のものを使用した。
・天然ゴム:STR20(ガラス転移温度:−65℃、ボンバンディット社製)
・ブタジエンゴム:Nipol BRX5000(ガラス転移温度:−110℃、日本ゼオン社製)
・カーボンブラック:シーストKHP(東海カーボン社製)
・シリカ:ULTRASIL VN3GR(エボニック社製)
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日本油脂社製)
・老化防止剤:6PPD(フレキシス社製)
・ワックス:パラフィンワックス(大内新興化学工業社製)
・シランカップリング剤:Si69(デグサ社製)
・MS:カネカMSポリマーS810(主鎖がプロピレンオキシド(−CH2CH(CH3)O−)単量体単位を含み、ジメトキシシリル基(−SiH(OCH32)を両末端に有する加水分解性シリル基含有有機重合体、数平均分子量:30,000、カネカ社製)
・DBU:DBU(三共化成社製)
・DBN:DBN(東京化成工業社製)
・DPG:DPG(三新化学工業社製)
・DABCO:DABCO(1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、東京化成工業社製)
・MS/DBUゲル:上記「MS」5質量部に対して上記「DBU」を1.25質量部配合し、上記密閉型ミキサーで5分間混練し、100℃で6時間加熱して、ゲル状の加水分解縮合物であるマスターバッチを得た。得られたものを「MS/DBUゲル」とした。
・MS/DBNゲル:上記「MS」5質量部に対して上記「DBN」を1.25質量部配合し、上記密閉型ミキサーで5分間混練し、100℃で6時間加熱して、ゲル状の加水分解縮合物であるマスターバッチを得た。得られたものを「MS/DBNゲル」とした。
・MS/DPGゲル:上記「MS」5質量部に対して上記「DPG」を1.25質量部配合し、上記密閉型ミキサーで5分間混練し、100℃で6時間加熱して、ゲル状の加水分解縮合物であるマスターバッチを得た。得られたものを「MS/DPGゲル」とした。
・MS/DABCO:上記「MS」5質量部に対して上記「DABCO」を1.25質量部配合し、上記密閉型ミキサーで5分間混練し、100℃で6時間加熱したものを「MS/DABCO」とした。なお、「MS/DABCO」においてゲル化は確認されなかった。
・プロセスオイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・硫黄:金華印油入微粉硫黄(鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤:ノクセラーCZ−G(大内新興化学工業社製)
上記第1表中に示す結果から、加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)である「MS」のみを用いた比較例2では、耐摩耗性が劣るが、実施例1〜7では、いずれも耐摩耗性を損なうことなく、氷上性能に優れることが分かった。
このとき、例えば、タイヤ用ゴム組成物の製造過程で加水分解縮合物(B)を生成させた実施例1と、加水分解縮合物(B)をマスターバッチとして配合した実施例3とを対比すると、実施例1の方が耐摩耗性に優れ、実施例3の方が氷上性能に優れることが分かった。
なお、触媒(b2)である「DBU」のみを配合した比較例3は、氷上性能が劣る結果となった。
また、「DABCO」を用いた比較例4および比較例5においては、ゲル状の加水分解縮合物が生成せず、やはり、氷上性能が劣る結果となった。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (9)

  1. ジエン系ゴム(A)と、
    主鎖がアルキレンオキシド単量体単位を含み、加水分解性シリル基を有する加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)の加水分解縮合物(B)と、を含有し、
    前記加水分解縮合物(B)の含有量が、前記ジエン系ゴム(A)100質量部に対して、1〜50質量部である、タイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記加水分解縮合物(B)が、前記加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)とアミン系触媒(b2)とを用いて得られる、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記触媒(b2)が、下記式(I)で表される化合物および/またはジフェニルグアニジン(DPG)である、請求項2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
    (上記式(I)中、nは3または5を示す。)
  4. 前記触媒(b2)の量が、前記加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)100質量部に対して0.01〜200質量部である、請求項2または3に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記加水分解縮合物(B)を、前記加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)と前記触媒(b2)とを予め混合して得られるマスターバッチとして含有する、請求項2〜4のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)が有する前記加水分解性シリル基が、アルコキシシリル基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 前記加水分解性シリル基含有有機重合体(b1)が有する前記アルキレンオキシド単量体単位が、プロピレンオキシド(−CH2CH(CH3)O−)単量体単位である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 前記ジエン系ゴム(A)の平均ガラス転移温度が−50℃以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物をトレッド部に用いるスタッドレスタイヤ。
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