JP2001011383A - 車両用コーティング材組成物 - Google Patents

車両用コーティング材組成物

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JP2001011383A
JP2001011383A JP11180228A JP18022899A JP2001011383A JP 2001011383 A JP2001011383 A JP 2001011383A JP 11180228 A JP11180228 A JP 11180228A JP 18022899 A JP18022899 A JP 18022899A JP 2001011383 A JP2001011383 A JP 2001011383A
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JP
Japan
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group
reactive silicon
oxyalkylene polymer
carbon atoms
coating material
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Pending
Application number
JP11180228A
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English (en)
Inventor
Yoshiteru Masaoka
佳輝 正岡
Takanori Hatano
貴典 畑野
Hiroshi Ando
寛 安藤
Hiroshi Iwakiri
浩 岩切
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の製法により合成した反応性ケイ素基含
有オキシアルキレン重合体と比較して、同膜厚で高耐チ
ッピング性、高耐水耐チッピング性を示し、薄膜化が可
能となる車両用コーティング材組成物を提供すること。 【解決手段】 各分子鎖末端に対する反応性ケイ素基の
導入率が平均して85%以上である反応性ケイ素基含有
オキシアルキレン重合体を含有することを特徴とする車
両用コーティング材組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば防錆、防
振、制振、防音、防水、接合、接着を目的として使用さ
れる自動車用アンダーボディーコーティング材、ボディ
ーシーラーのような車両用コーティング材組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、アンダーボディーコーティング材
は自動車走行中に起こる石ハネによって車体下部に砂利
等がチップし、塗装鋼板の損傷、騒音を引き起こすこと
を防ぐために自動車床裏面やタイヤハウスなどに塗布さ
れている。アンダーボディーコーティング材のベースポ
リマーとしては、一般的にコスト、性能のバランスから
塩化ビニルプラスチゾルが使用されているが、近年、自
動車の居住性向上、長寿命化等から、さらなる静粛性、
防錆性能向上を目的として性能向上が求められており、
さらに車体部品のリサイクルや環境問題の点から燃焼さ
せた時にも有害物質の発生が比較的少ない、すなわち地
球環境にやさしい材料の代替品の探索が進められ、特開
平4−154876号、特開平5−86325号、特開
平5−32934号に示されている車両コーティング材
の発明が行われた。しかし、さらなる環境問題意識の高
まる中で、自動車走行時のCO2の削減が叫ばれてお
り、自動車の燃費改善は重要な課題となってきている。
燃費改善には、車体重量の軽量化が効果的であり、その
一つとして、アンダーボディーコーティング材の使用量
を減らすことが考えられる。アンダーボディーコーティ
ング材の減量対策としては、より薄膜で同等性能、主に
は基材上で硬化させた塗膜を水平に対し45°の角度に
設置し、ナットを試験体から垂直上方から自由落下さ
せ、硬化膜が破れ下地が露出するまでに落下させたナッ
トの総重量で評価する耐チッピング性や、塗膜の水浸せ
き後の耐チッピング性である耐水耐チッピング性が同等
の性能を示す材料を開発することにより可能となるた
め、特開平4−15486号や特開平5−86325
号、特開平5−32934号記載の方法で耐チッピング
性、耐水耐チッピング性の向上が図られた。しかしなが
ら、薄膜での耐チッピング性、耐水耐チッピング性向上
を行うには、組成物のスプレー性と、コーティング材の
破断強度、接着性、伸びをバランス良く向上させること
が必要であり、未だ十分なレベルとは言い難いものであ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、車体重量の
軽量化、すなわち車両用コーティング材の薄膜化に関す
るものであり、本発明が解決しようとする課題は、薄膜
でも十分な耐チッピング性および耐水耐チッピング性を
有した反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体を含
有する車両用コーティング材組成物を提供する事であ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、重合体全末端の85%
以上に反応性ケイ素基が導入された反応性ケイ素基含有
オキシアルキレン重合体を使用した場合に、耐チッピン
グ性、耐水耐チッピング性が大幅に改良された車両用コ
ーティング材組成物が得られることを発見し、第1の発
明を完成するに至った。さらに、反応性ケイ素基含有オ
キシアルキレン重合体を含有した組成物において、硬化
前にある特定範囲の粘度を有し、硬化後に特定範囲の破
談強度、破断伸びを示し、且つ100%モジュラスと破
断伸びとの積が特定の値以上を示す組成物を用いた場合
に、耐チッピング性、耐水耐チッピング性が大幅に改良
された車両用コーティング材組成物が得られることを発
見し、第2の発明を完成するに至った。
【0005】即ち本発明の第1は、各分子鎖末端に対す
る反応性ケイ素基の導入率が平均して85%以上である
反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体を含有する
ことを特徴とする車両用コーティング材組成物に関す
る。
【0006】好ましい実施態様としては、反応性ケイ素
基含有オキシアルキレン重合体が、(a)一般式
(1):
【0007】
【化4】 (式中R1は炭素数10以下の炭化水素基、R2は水素、
酸素及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成
原子として含有する炭素数1から20の2価の有機
基)、または一般式(2):
【0008】
【化5】 (式中R1は炭素数10以下の炭化水素基、R2は水素、
酸素及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成
原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基)
で示される不飽和基の各分子鎖末端に対する導入率が平
均して85%以上であるオキシアルキレン重合体と、
(b)一般式(3):
【0009】
【化6】 (式中R3およびR4はいずれも同一又は異なった炭素数
1から20のアルキル基、炭素数6から20のアリール
基、炭素数7から20のアラルキル基または(R’)3
SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R
3またはR4が二個以上存在するとき、それらは同一であ
ってもよく、異なっていてもよい。ここでR’は炭素数
1から20の一価の炭化水素基であり3個のR’は同一
であってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基また
は加水分解性基を示し、Xが二個以上存在する時、それ
らは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは
0、1、2または3を、bは0、1、または2をそれぞ
れ示す。またm個の−Si(R 3 2-b)(Xb)−O−基
におけるbについて、それらは同一であってもよく、異
なっていてもよい。mは0から19の整数を示す。但
し、a+Σb≧1を満足するものとする。)で示される
反応性ケイ素基含有化合物とを、(c)VIII族遷移
金属触媒の存在下でヒドロシリル化反応させる方法によ
り得られる反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体
であることを特徴とする前記記載の車両用コーティング
材組成物に関する。
【0010】更に好ましい実施態様としては、反応性ケ
イ素基含有オキシアルキレン重合体が複合金属シアン化
物錯体触媒の存在下にアルキレンオキサイドを開環付加
重合して得られるオキシアルキレン重合体から誘導され
る前記記載の車両用コーティング材組成物に関する。
【0011】本発明の第2は、23℃、相対湿度55%
の条件で7日間硬化させた後のJIS K6251 3
号ダンベルによる23℃での引張り物性の測定におい
て、破断強度≧1.4MPa、破断伸び≧150%、1
00%モジュラス×破断伸び≧200MPa・%を全て
満足し、且つJIS Z8803によるBS型粘度計で
ローターNo.7を使用し23℃において測定した10
rpmの粘度(V10)、および2rpmの粘度(V
2)が各々V10≦300Pa・s、300Pa・s≦
V2≦3000Pa・sを満たし、且つV2/V10≧
2.5を満たし、且つ反応性ケイ素基含有オキシアルキ
レン重合体を含有することを特徴とする車両用コーティ
ング材組成物に関する。
【0012】好ましい実施態様としては、23℃、相対
湿度55%の条件で7日間硬化させた後のJIS K6
251 3号ダンベルによる23℃での引張り物性の測
定において、破断強度≧1.4MPa、破断伸び≧15
0%、100%モジュラス×破断伸び≧200MPa・
%を全て満足し、且つJIS Z8803によるBS型
粘度計でローターNo.7を使用し23℃にいて測定し
た10rpmの粘度(V10)、および2rpmの粘度
(V2)が各々V10≦300Pa・s、300Pa・
s≦V2≦3000Pa・sを満たし、且つV2/V1
0≧2.5を満たすことを特徴とする本発明の第1記載
の車両用コーティング材組成物に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、本発明の第1について説明
する。
【0014】本発明における反応性ケイ素基含有オキシ
アルキレン重合体とは、各分子鎖末端に対する反応性ケ
イ素基の導入率が平均して85%以上であるオキシアル
キレン重合体である。
【0015】本発明における反応性ケイ素基としては、
何らかの反応により架橋構造を形成し得るケイ素含有基
であれば特に限定されるものではないが、代表的なもの
を示すと例えば一般式(4):
【0016】
【化7】 (式中R3およびR4は同一または異なった炭素数1から
20のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭
素数7から20のアラルキル基または(R’)3SiO
−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R3また
はR4が二個以上存在するとき、それらは同一であって
もよく、異なっていてもよい。ここでR’は炭素数1か
ら20の一価の炭化水素基であり3個のR’は同一であ
ってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加
水分解性基を示し、Xが二個以上存在する時、それらは
同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、
1、2または3を、bは0、1、または2をそれぞれ示
す。またm個の−Si(R3 2-b)(Xb)−O−基にお
けるbについて、それらは同一であってもよく、異なっ
ていてもよい。mは0から19の整数を示す。但し、a
+Σb≧1を満足するものとする)で表される基が挙げ
られる。
【0017】上記Xのうちの加水分解性基は特に限定さ
れず、従来公知の加水分解性基であれば良い。具体的に
は例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシ
ルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、
酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニ
ルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、加水分解
性が穏やかで取扱やすいという点からはメトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコ
キシ基が好ましい。また、速硬化性の点からはアシルオ
キシ基、ケトキシメート基、アミノオキシ基が好まし
い。
【0018】この水酸基や加水分解性基は1個のケイ素
原子に1〜3個結合することができ、(a+Σb)は1
から5であるのが好ましい。水酸基や加水分解性基が反
応性ケイ素基中に2個以上存在する場合には、それらは
同一であっても良く、異なっていてもよい。
【0019】反応性ケイ素基中のケイ素原子の数は1個
でもよく2個以上でもよいが、シロキサン結合等により
ケイ素原子の連結された反応性ケイ素基の場合には20
個程度でもよい。
【0020】なお、一般式(5):
【0021】
【化8】 (式中R4、X、aは前記一般式(4)と同じ。)で表
される反応性ケイ素基が製造に用いる原料の入手が容易
であるため好ましい。
【0022】また上記一般式(4)におけるR3、およ
びR4の具体例としては、例えばメチル基、エチル基等
のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル
基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラル
キル基、R’がメチル基やフェニル基等である(R’)
3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基などが挙
げられる。R3、R4、R’としてはメチル基が入手性の
点から特に好ましい。
【0023】本発明における反応性ケイ素基含有オキシ
アルキレン重合体での各分子鎖末端に対する反応性ケイ
基の導入率は平均して85%以上であるが、より優れた
物性発現のためには90%以上であることが好ましい。
【0024】反応性ケイ基の導入率の測定方法としては
種々の方法が考えられるが、現在のところ400MHz
以上の高分解能1H−NMRによる測定によって正確な
値を得ることができる。1H−NMRにより反応性ケイ
素基の導入された末端と導入されていない末端の比率を
算出することで反応性ケイ素基導入率を求めることがで
きる。
【0025】反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合
体の主鎖構造としては、−R−O−で示される構造を繰
り返し単位とする重合体であればよく、このとき、Rは
水素、酸素、及び窒素からなる群より選択される1種以
上を構成原子として含有する炭素数1から20の2価の
有機基であればよい。また 繰り返し単位の全てが同一
である単独重合体であっても良く、2つ以上の種類の繰
り返し単位を含む共重合体であっても良い。さらに、主
鎖骨格中にはオキシアルキレン重合体の特性を大きく損
なわない範囲でウレタン結合成分等の他の成分を含んで
いてもよい。そのようなウレタン結合成分としては特に
限定されず、たとえばトルエン(トリレン)ジイソシア
ネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;
イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートと、水酸基
末端オキシアルキレン重合体との反応から得られるもの
等をあげることができる。
【0026】反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合
体の分子量には特に制限はないが、GPCにおけるポリ
スチレン換算での数平均分子量が1,000から10
0,000であることが粘度の点から好ましい。さら
に、数平均分子量が3,000未満では得られる反応性
ケイ素基含有オキシアルキレン重合体の硬化物が脆くな
り、60,000を越えると官能基濃度が低くなりすぎ
硬化速度が低下するため、数平均分子量が3,000か
ら60,000であることが好ましい。さらに、12,
000〜50,000であることが機械物性発現上特に
好ましい。
【0027】反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合
体は、主鎖中に分岐構造を有していても良く、3〜5官
能の分岐点を含むのものは硬化性の点からは好ましい。
さらに、伸び等の機械物性のバランスの点からは、直鎖
状のものと分岐点を含むもののブレンド物も好ましい。
【0028】本発明に用いられる反応性ケイ素基含有オ
キシアルキレン重合体の製造方法としては、例えば、水
酸基末端オキシアルキレン重合体や不飽和基末端オキシ
アルキレン重合体の末端に反応性ケイ素基を導入する種
々の方法を用いることができる。それらの方法の中で
も、必要な反応性ケイ素基の導入率を確保できる方法と
して特に、(a)一般式(1):
【0029】
【化9】 (式中R1は炭素数10以下の炭化水素基、R2は水素、
酸素及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成
原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基)
または一般式(2):
【0030】
【化10】 (式中R1は炭素数10以下の炭化水素基、R2は水素、
酸素及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成
原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基)
で示される不飽和基の各分子鎖末端に対する導入率が平
均して85%以上である不飽和基末端オキシアルキレン
重合体と、(b)反応性ケイ素基含有化合物とを、
(c)VIII族遷移金属触媒の存在下でヒドロシリル
化反応させ、オキシアルキレン重合体に反応性ケイ素基
を導入する方法が好ましい。
【0031】更に詳細に説明すると、不飽和基末端オキ
シアルキレン重合体(a)における一般式(1)または
一般式(2)で示される不飽和基のR1としては、例え
ば直鎖アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、
ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノ
ニル、デシル、分岐アルキル基、例えばイソプロピル、
イソブチル、イソペンチル、イソヘキシルやアリール
基、例えばフェニル基等を示すことができ、1種類のみ
であっても、複数の種類の混合物であっても良い。さら
に反応性の点からは、CH3−、CH3CH2−が好まし
く、CH3−が特に好ましい。また、R2としては水素、
酸素、及び窒素からなる群より選択される1種以上を構
成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基
で、例えば−CH2−、−C24−、−C36−、−C4
8−、−C510−、−C64−、−C612−、−C7
14、−C816−、C918、−C1020−、−CH
(CH 3)−、−CH2−CH(CH3)−、−CH2−C
H(CH3)−CH2−、−C24−CH(CH3)−、
−CH2−C64−、−CH2−C64−CH2−、−C2
4−C64−等の基が例示される。合成が容易である
点で−CH2−、−C24−、−CH2−CH(CH3
−が好ましく、さらに、原料入手の容易さから、−CH
2−が特に好ましい。
【0032】このような不飽和基の具体的な構造として
は、H2C=C(CH3)−CH2−O− 、H2C=C
(CH2CH3)−CH2−O− 、H2C=C( CH2
CH(CH3))−CH2−O− 、HC(CH3)=C
H−CH2−O− などが挙げられ、特に反応性の点か
ら、H2C=C(CH3)−CH2−O− 、HC(C
3)=CH−CH2−O− が好ましい。さらに原料入
手、および合成の容易さからH2C=C(CH3)−CH
2−O−が特に好ましい。
【0033】不飽和基末端オキシアルキレン重合体
(a)の各分子鎖末端に対する一般式(1)または一般
式(2)で示される不飽和基の導入率は平均して85%
以上であり、反応性ケイ素基の導入率を容易に高めるこ
とが出来る点からは、平均して90%以上導入すること
が好ましい。
【0034】不飽和基末端オキシアルキレン重合体
(a)を製造する方法としては、公知の方法を用いれば
よく、例えば水酸基末端オキシアルキレン重合体に、一
般式(1)または一般式(2)で示される不飽和基を分
子内に有する化合物を反応させて、エーテル結合、エス
テル結合、ウレタン結合、カーボネート結合などにより
結合させる方法などが挙げられる。例えばエーテル結合
により不飽和基を導入する場合は、オキシアルキレン重
合体の水酸基末端のメタルオキシ化により−OM(Mは
NaまたはK)を生成した後、一般式(6):
【0035】
【化11】 (式中R1は炭素数10以下の炭化水素基、R2は水素、
酸素、及び窒素からなる群より選択される1種以上を構
成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機
基、Yはハロゲン)、または一般式(7):
【0036】
【化12】 (式中R1は炭素数10以下の炭化水素基、R2は水素、
酸素、及び窒素からなる群より選択される1種以上を構
成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機
基、Yはハロゲン)で示される有機ハロゲン化合物と反
応させて不飽和基末端オキシアルキレン重合体を製造す
る方法が挙げられる。
【0037】反応性ケイ素基含有化合物(b)として
は、反応性ケイ素基を分子内に1個以上有し、かつ1個
以上のSi−H基を分子内に有している化合物であれば
よい。代表的なものを示すと、例えば一般式(3):
【0038】
【化13】 (式中R3およびR4はいずれも同一又は異なった炭素数
1から20のアルキル基、炭素数6から20のアリール
基、炭素数7から20のアラルキル基または(R’)3
SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R
3またはR4が二個以上存在するとき、それらは同一であ
ってもよく、異なっていてもよい。ここでR’は炭素数
1から20の一価の炭化水素基であり3個のR’は同一
であってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基また
は加水分解性基を示し、Xが二個以上存在する時、それ
らは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは
0、1、2または3を、bは0、1、または2をそれぞ
れ示す。またm個の−Si(R 3 2-b)(Xb)−O−基
におけるbについて、それらは同一であってもよく、異
なっていてもよい。mは0から19の整数を示す。但
し、a+Σb≧1を満足するものとする。)で表される
化合物が挙げられる。
【0039】具体的には、トリクロルシラン、メチルジ
クロルシラン、ジメチルクロルシラン、フェニルジクロ
ルシラン、トリメチルシロキシメチルクロルシラン、
1,1,3,3−テトラメチル−1−ブロモジシロキサ
ンの如きハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、ト
リエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジ
メトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、トリメチ
ルシロキシメチルメトキシシラン、トリメチルシロキシ
ジエトキシシランの如きアルコキシシラン類;メチルジ
アセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン、トリ
アセトキシシラン、トリメチルシロキシメチルアセトキ
シシラン、トリメチルシロキシジアセトキシシランの如
きアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメー
ト)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメー
ト)メチルシラン、ビス(ジエチルケトキシメート)ト
リメチルシロキシシラン、ビス(メチルエチルケトキシ
メート)メチルシラン、トリス(アセトキシメート)シ
ランの如きケトキシメートシラン類;メチルイソプロペ
ニルオキシシランの如きアルケニルオキシシラン類など
が挙げられる。これらの内、特にアルコキシシラン類が
好ましく、アルコキシ基の中でもメトキシ基が特に好ま
しい。
【0040】VIII族遷移金属触媒(c)としては、
白金、ロジウム、コバルト、パラジウム、及びニッケル
等のVIII族遷移金属元素から選ばれた金属錯体触媒
等が有効に使用される。例えば、H2PtCl6・6H2
O、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯
体、Ptメタル、RhCl(PPh33、RhCl3
Rh/Al23、RuCl3、IrCl3、FeCl3
AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl
4等のような化合物が使用できるが、ヒドロシリル化の
反応性の点から、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−
オレフィン錯体のいずれかであることが特に好ましい。
ここでいう白金−ビニルシロキサン錯体とは、白金原子
に対し、配位子として分子内にビニル基を有する、シロ
キサン、ポリシロキサン、環状シロキサンが配位してい
る化合物の総称であり、上記配位子の具体例としては、
1,1,3,3−テトラメチル1,3−ジビニルジシロ
キサン(白金ジビニルジシロキサン錯体)等が挙げられ
る。白金−オレフィン錯体のオレフィン配位子の具体例
としては1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエ
ン、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、
1,5−シクロオクタジエン等が挙げられる。上記配位
子の中でも1,9−デカジエンが特に好ましい。
【0041】なお、白金−ビニルシロキサン錯体、白金
−オレフィン錯体については特公平8−9006号に開
示されている。
【0042】触媒使用量としては特に制限は無いが、通
常、白金錯体触媒では不飽和基1モルに対して10-1
ら10-8モル使用することが好ましく、更に好ましくは
10 -3から10-6モルの範囲で使用することができる。
触媒の量が少ない場合はヒドロシリル化反応が十分に進
行しない可能性がある。また、触媒量が多すぎると触媒
消費によるコストの負担が増えたり、製品への残留触媒
が増えるなどの問題がある。
【0043】ヒドロシリル化反応の反応促進という点で
は、酸素の使用による触媒の再活性化(特開平8−28
3339号)や硫黄化合物添加を行うのが好ましい。硫
黄化合物の添加は高価な白金触媒の増量などに伴うコス
トアップや残留触媒の除去などの問題を起こさず製造時
間の短縮を可能とし製造コスト削減、さらには生産性の
アップに寄与する。硫黄化合物としては硫黄単体、チオ
ール、スルフィド、スルホキシド、スルホン、チオケト
ン等が挙げられ、特に硫黄が好ましいがこれに限定され
るものではない。液相反応系に硫黄化合物を添加するに
は、例えば反応液や溶媒の一部にあらかじめ硫黄化合物
を溶解混合してから全体に一様に分散することができ
る。例えばトルエン、ヘキサン、キシレンなどの有機溶
媒に硫黄化合物を溶解してから添加することができる。
【0044】硫黄化合物の添加量については、例えばそ
の量が金属触媒モル数を基準として0.1〜10倍量、
もしくはアルケニル基のモル数を基準として0.002
〜0.1倍量、あるいは反応液全体重量を基準として1
〜500ppmであるような範囲で設定することができ
る。添加量が少ないと本発明の効果が十分に達成されな
い場合がある。硫黄化合物の量が多すぎる場合には触媒
活性を低下させたり、反応を阻害するような問題が起こ
る場合も有り、添加量を適切に選定することが好まし
い。
【0045】上記製造方法におけるヒドロシリル化反応
は、通常10〜150℃、好ましくは20〜120℃、
さらに好ましくは40〜100℃の範囲とするのが好適
である。反応は無溶媒系でも、溶媒存在下でも行うこと
ができる。ヒドロシリル化反応の溶媒としては、通常、
炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、エステル
類を用いることができるが、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、塩化メチレン、
テトラヒドロフラン、ジオキサンを用いることが好まし
い。また、特に高分子化合物のヒドロシリル化を行う場
合においては、液状化や粘度低下、反応温度の調節のた
めに溶媒を用いる方法が好ましい。また、当該車両用コ
ーティング材組成物の配合添加剤として使用される可塑
剤をヒドロシリル化反応溶媒として使用することもでき
る。
【0046】本発明の製造方法におけるヒドロシリル化
反応において、ヒドロシリル化反応を行う際の反応器気
相部は、窒素やヘリウムなどの不活性ガスのみからなっ
てもよいし、酸素等が存在してもよい。ヒドロシリル化
反応を行う際には、可燃性物質取扱いの安全性の観点か
ら反応器気相部は窒素やヘリウムなどの不活性ガスの存
在下で実施することがある。しかしながら、反応器気相
部を窒素やヘリウムなどの不活性ガスの存在下行った場
合には、ヒドロシリル化の反応系条件によっては反応速
度が低下する場合もある。
【0047】本発明の製造方法におけるヒドロシリル化
反応では、反応器気相部の酸素濃度を爆発性混合組成を
回避する値に設定することにより、酸素存在下で安全に
ヒドロシリル化反応を促進することができる。反応器気
相部の酸素濃度は、例えば0.5〜10%とすることが
できる。
【0048】さらにヒドロシリル化反応においてオキシ
アルキレン重合体、反応溶媒、系中の可塑剤等が酸素に
より酸化されることを抑制するために、酸化防止剤の存
在下でヒドロシリル化反応を行うことができる。酸化防
止剤としては、ラジカル連鎖禁止剤の機能を有するフェ
ノール系酸化防止剤、例えば2,6−ジ−tert−ブ
チル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル
フェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル
フェノール、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6
−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデ
ンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−tert
−ブチルフェノール)、テトラキス{メチレン−3
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート}メタン、1,1,3−トリス
(2−メチルー4−ヒドロキシー5−tert−ブチル
フェニル)ブタンなどを用いることができる。同様のラ
ジカル連鎖禁止剤としてアミン系酸化防止剤、例えばフ
ェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、
N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミ
ン、フェノチアジン、N,N'−ジフェニル−p−フェ
ニレンジアミンなどを用いることもできるがこれらに限
定されるものではない。
【0049】更に上記製造方法おいて導入された反応性
ケイ素基中の加水分解性基を、他の加水分解性基に変換
することもできる。特に変換前の加水分解性基がハロゲ
ンである場合には、水分による硬化に際し刺激臭の強い
ハロゲン化水素を発生させるので他の加水分解性基に変
換することが好ましい。変換しうる加水分解性官能基と
してはアルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート
基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基およびメル
カプト基などが挙げられる。
【0050】本発明に用いられる反応性ケイ素基含有オ
キシアルキレン重合体の製造に用いられるオキシアルキ
レン重合体としては、製造が容易でかつ上記の方法等に
よる反応性ケイ素基の導入も可能であることから水酸基
末端のオキシアルキレン重合体が特に有用であり、例え
ばアルキレンオキサイド類、具体的には、エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、α−ブチレンオキサイ
ド、β−ブチレンオキサイド、ヘキセンオキサイド、シ
クロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド、α−メ
チルスチレンオキシド、およびアルキルまたはアリルま
たはアリールグリシジルエーテル類、具体的にはメチル
グリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、イソ
プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテ
ル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエ
ーテル等の2個から12個の炭素原子を有する置換また
は非置換エポキシを用い、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリ
コール、メタリルアルコール、水素化ビスフェノール
A、ネオペンチルグリコール、ポリブタジエンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリプロピレントリオール、ポリプロピレンテトラオー
ル、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロ
ールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール等の2価アルコール又は多価アルコール及び水酸
基を有する各種のオリゴマーを開始剤として種々の触媒
の存在下開環重合させることによって得られるオキシア
ルキレン重合体を使用することができる。この重合の触
媒としては、たとえばKOH、NaOH等のアルカリ触
媒、たとえばトリフルオロボラン−エーテラート等の酸
性触媒、たとえば特開昭61−215623号に示され
る有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させ
て得られる錯体のような前期遷移金属化合物−ポルフィ
リン錯体触媒による重合法、たとえば特公昭46−27
250号および特公昭59−15336号などに示され
る複合金属シアン化物錯体触媒による重合法等の既に公
知のものが用いられる。特に副反応が少なく、単分散の
オキシアルキレン重合体が得られる遷移金属化合物−ポ
ルフィリン錯体触媒や複合金属シアン化物錯体触媒の使
用が、Mnを同じとした場合に低粘度であるためスプレ
ー性が良好となるという理由から好ましく、特に汎用性
の面から複合金属シアン化物錯体触媒の使用が好まし
い。
【0051】上記反応性ケイ素基含有オキシアルキレン
重合体は単独で使用してもよいし、2種以上併用しても
よい。
【0052】さらに反応性ケイ素基含有オキシアルキレ
ン重合体として、反応性ケイ素基を有するビニル系重合
体をブレンドしてなるオキシアルキレン重合体を使用す
ることも、得られる車両用コーティング材組成物の耐候
性が良好となることから好ましい。
【0053】反応性ケイ素基を有するビニル系重合体を
ブレンドしてなる反応性ケイ素基含有オキシアルキレン
重合体の製造方法は、特開昭59−122541号、同
63−112642号、同特開平6−172631号、
特開昭59−78223号、特開昭59−168014
号、特開昭60−228516号、特開昭60−228
517号等の各公報に具体的に開示されているが、これ
らに限定されるものではない。
【0054】本発明における車両用コーティング材組成
物には、反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体の
架橋反応による硬化を促進させる硬化触媒を用いること
ができる。反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体
は、硬化触媒の存在下で大気中の湿分等の水分の存在
下、常温で硬化し、金属、ガラス、プラスチックなどに
密着性の良い塗膜を与える。
【0055】硬化触媒としては、従来公知のシラノール
縮合触媒を使用することができる。
【0056】上記硬化触媒として具体的には、テトラブ
チルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトライ
ソプロピルチタネート、チタンテトラアセチルアセトナ
ート等のチタン酸エステル類;ジブチルすずジラウレー
ト、ジブチルすずマレエート、ジブチルすずジアセテー
ト、オクチル酸すず、ナフテン酸すず、ステアリン酸す
ず、バーサチック酸すず、ジブチルすずオキサイドとフ
タル酸エステルとの反応物、ジブチルすずジアセチルア
セトナート等の有機すず化合物類;アルミニウムトリス
アセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセ
トアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルア
セトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ビスマ
ス−トリス(2−エチルヘキソエート)、ビスマス−ト
リス(ネオデカノエート)等のビスマス塩と有機カルボ
ン酸または有機アミンとの反応物等;ジルコニウムテト
ラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセト
ナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛等の有機鉛
化合物;ナフテン酸鉄等の有機鉄化合物;有機バナジウ
ム化合物;ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルア
ミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シ
クロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノ
プロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジ
アミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,
6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モル
ホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物ある
いはそれらのカルボン酸等との塩;過剰のポリアミンと
多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰
のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物等が例示
されるが、これらに限定されるものではなく、一般に使
用されている硬化触媒を用いることができる。また、こ
れらの硬化触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用
してもよい。これらの硬化触媒のうち、有機金属化合物
類、または有機金属化合物類とアミン系化合物の併用系
が硬化性の点から好ましい。さらには、硬化速度が速い
点からジブチルすずマレエート、ジブチルすずオキサイ
ドとフタル酸エステルとの反応物、ジブチルすずジアセ
チルアセトナートが好ましく、とくに反応性ケイ素基含
有オキシアルキレン重合体100重量部に対してジブチ
ルすずジアセチルアセトナート0.1から10重量部添
加するのが好ましい。また、復元率の高い硬化物が得ら
れるという点から、ジオクチル酸すずとラウリルアミン
の併用系が好ましく、とくに反応性ケイ素基含有オキシ
アルキレン重合体100重量部に対してジオクチル酸す
ず0.5から10重量部、ラウリルアミン0.1から1
0重量部添加するのが好ましい。
【0057】本発明の車両用コーティング材組成物には
上記以外にも必要に応じて充填剤、可塑剤、垂れ防止
剤、着色剤、シランカップリング剤、エポキシ樹脂、エ
ポキシ硬化剤、補強性樹脂、保存安定性改良剤、発泡
剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、オゾ
ン劣化防止剤、光安定剤、アミン系ラジカル連鎖禁止
剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料等の各種添加剤
を配合してもよい。
【0058】上記充填剤としては、ヒュームシリカ、沈
降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸およびカーボンブ
ラックの如き補強性充填剤;炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、
カオリン、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイ
ト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、ガラスバルー
ン、シラスバルーン、有機バルーン、有機繊維および無
機繊維等の如き充填剤等が使用できる。
【0059】これら充填剤の使用により強度の高い硬化
物を得たい場合には、主にヒュームシリカ、沈降性シリ
カ、無水ケイ酸、含水ケイ酸およびカーボンブラック、
表面処理微細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレー、お
よび活性亜鉛華等から選ばれる充填剤を反応性ケイ素基
含有ポリオキシアルキレン重合体100重量部に対し、
1〜200重量部の範囲で使用すれば好ましい結果が得
られる。また、低強度で伸びが大である硬化物を得たい
場合には、主に酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、タルク、酸化第二鉄、酸化亜鉛、およびシラ
スバルーン等から選ばれる充填剤を同重合体100重量
部に対し5〜500重量部の範囲で使用すれば好ましい
結果が得られる。もちろんこれら充填剤は1種類のみで
使用してもよいし、2種類以上混合使用してもよい。
【0060】上記可塑剤としては、ジイソデシルフタレ
ート、ジウンデシルフタレート、ジイソウンデシルフタ
レート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、
ブチルベンジルフタレート等の如きフタル酸エステル
類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、セバ
シン酸ジブチル等の如き脂肪族二塩基酸エステル類;ジ
エチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリト
ールエステル等の如きグリコールエステル類;オレイン
酸ブチル、アセチルリシノール酸メチルの如き脂肪族エ
ステル類;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、
リン酸オクチルジフェニル等の如きリン酸エステル類、
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステ
アリン酸ベンジル等の如きエポキシ可塑剤類;2塩基酸
と2価アルコールとのポリエステル類等のポリエステル
系可塑剤;ポリプロピレングリコールやその誘導体等の
ポリエーテル類;ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチ
レン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブタジ
エンの水添物、ポリイソプレン、ポリイソブテン、パラ
フィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、パラフィン−
ナフテン系混合炭化水素等の炭化水素系可塑剤類;ブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレ
ン、塩素化パラフィン類等の可塑剤が単独または2種類
以上の混合物の形で任意に使用できる。とくに、耐候性
の点から重合体主鎖内に不飽和結合を含有しないポリプ
ロピレングリコールやその誘導体等のポリエーテル系可
塑剤、ポリイソブテン、パラフィン等が好ましい。ま
た、ポリオキシアルキレンポリオールの分子鎖末端の5
割以上に有機基を導入したポリオキシアルキレンをポリ
エーテル系可塑剤として用いることは、塗料汚染性の点
から好ましい。また、ポリブタジエンの水添物、ポリイ
ソブテン、パラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水
素、パラフィン−ナフテン系混合炭化水素等の炭化水素
系可塑剤類は、高剪断下での粘度の低下、すなわちスプ
レー性を向上させることから好ましい。この炭化水素系
可塑剤を使用する場合、使用量としては反応性ケイ素基
含有ポリオキシアルキレン重合体100重量部に対し
て、0.1〜200重量部添加する事が好ましく、効果
を十分に発揮させるためには0.5重量部以上が好まし
く、炭化水素系可塑剤のブリードを起こさせないために
は150重量部以下が好ましい。
【0061】これら可塑剤と、充填剤を併用すると、硬
化物の伸びを大きくできたり、多量の充填剤を混入でき
たりするので効果的である。
【0062】上記垂れ防止剤としては、水添ヒマシ油誘
導体;ポリアミドワックス;ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム等の
金属石ケン類等があげられるが、使用目的または充填
剤、補強材等の配合により必用な場合、適宜使用すれば
よい。
【0063】上記着色剤としては、必要に応じて通常の
無機顔料、有機顔料、染料等を使用しうる。
【0064】上記シランカップリング剤として具体的に
は、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−(β−ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、1,3−ジアミノイソプロピル
トリメトキシシラン等の如きアミノ基含有シラン類;γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等の
如きエポキシ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメトキ
シシラン等の如きメルカプト基含有シラン類;ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メ
タクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等
の如きビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン等の如き塩素原子含有シラン
類;γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、
γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等
の如きイソシアネート含有シラン類;メチルジメトキシ
シラン、トリメトキシシラン、メチルジエトキシシラン
等の如きハイドロシラン類等が具体的に例示されうる
が、これらに限定されるものではない。これらのシラン
カップリング剤は単独で使用してもよく、2種以上併用
してもよい。
【0065】上記エポキシ樹脂としては、具体的には、
エピクロルヒドリン−ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、エピクロルヒドリンービスフェノールF型エポキシ
樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエー
テルなどの難燃型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ
樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂ビスフェノ
ールAオキシプロピレン付加物のグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂、p−オキシ安息香酸グリシジルエーテル
エステル形エポキシ樹脂、m−アミノフェノール系エポ
キシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ樹脂、
ウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂、
N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル
−o−トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレート、
ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリ
セリンなどの如き多価アルコールのグリシジルエーテ
ル、ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂などの如き
不飽和重合体のエポキシ化物などが例示されるが、これ
らに限定されるものではなく、一般に使用されているエ
ポキシ樹脂が使用されうる。これらのエポキシ樹脂は単
独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0066】上記エポキシ樹脂硬化剤としては、アミン
系化合物とケチミン化合物があり、アミン系化合物の具
体例としてはブチルアミン、オクチルアミン、ジブチル
アミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルア
ミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミ
ン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グア
ニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス
(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N
−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセ
ン−7(DBU)などが示されるが、これらに限定され
るものではなく、一般に使用されているアミン系化合物
が使用されうる。また、これらのアミン系化合物は単独
で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0067】前記ケチミン化合物としては、下記一般式
(8):
【0068】
【化14】 (R5およびR6は前記に同じ。式中、Lは有機基を示
し、nは1、2または3を示す。)で示される化合物が
例示でき、アミン系化合物とカルボニル化合物との縮合
反応により得ることができる。
【0069】ケチミン化合物の合成には公知のアミン系
化合物、カルボニル化合物を用いればよいが、たとえば
アミン系化合物としてはエチレンジアミン、プロピレン
ジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジア
ミン、1,3−ジアミノブタン、2,3−ジアミノブタ
ン、ペンタメチレンジアミン、2,4−ジアミノペンタ
ン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、p,p'−ビフェニレンジアミン、などのジアミ
ン;1,2,3−トリアミノプロパン、トリアミノベン
ゼン、トリス(2−アミノエチル)アミン、テトラ(ア
ミノメチル)メタン、などの多価アミン;ジエチレント
リアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペ
ンタミン、などのポリアルキレンポリアミン;ポリオキ
シアルキレン系ポリアミンなどが使用されうる。また、
カルボニル化合物としては、アセトアルデヒド、プロピ
オンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルア
ルデヒド、ジエチルアセトアルデヒド、グリオキサー
ル、ベンズアルデヒドなどのアルデヒド類;シクロペン
タノン、トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノ
ン、トリメチルシクロヘキサノンなどの環状ケトン類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケト
ン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピ
ルケトン、ジブチルケトン、ジイソブチルケトンなどの
脂肪族ケトン類;アセチルアセトンアセト酢酸メチル、
アセト酢酸エチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチ
ル、マロン酸メチルエチル、ジベンゾイルメタンなどの
β−ジカルボニル化合物などが使用できる。
【0070】ケチミン中にイミノ基が存在する場合に
は、イミノ基をスチレンオキサイド;ブチルグリシジル
エーテル、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジル
エーテル類;グリシジルエステル類などと反応させても
よい。これらのケチミン化合物は単独で使用してもよ
く、2種以上併用してもよい。
【0071】なお、作業性の改善、粘度の低下等のため
に溶剤を配合してもよく、この目的に使用する溶剤とし
ては、たとえばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セ
ロソルブ等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等があげられ
る。
【0072】本発明における車両用コーティング材組成
物の調製方法には、特に制限はなく、必要に応じて撹拌
条件等を適宜調整し、均一に分散させればよい。他に
も、各成分をミキサー、ロール、またはニーダー等を用
いて混合するといった方法も採用されうる。
【0073】また、以上のようにして得られる組成物
は、1液型はもちろん多液型の車両用コーティング材組
成物にも適用できる。1液型の場合は、実質的に水分の
ない状態で本発明組成物を調製することによって得ら
れ、密閉状態に保存すれば長期間の貯蔵に耐え、大気中
に曝すれば表面より硬化を開始する。
【0074】次に本発明の第2について説明する。
【0075】本発明の第2における組成物は、23℃、
相対湿度55%の条件で7日間硬化させた後のJIS
K6251 3号ダンベルによる23℃での引張り物性
の測定において、破断強度≧1.4MPa、破断伸び≧
150%、100%モジュラス×破断伸び≧200MP
a・%を全て満足するものであり、且つJIS Z88
03によるBS型粘度計でローターNo.7を使用し2
3℃において測定した10rpmの粘度(V10)、お
よび2rpmの粘度(V2)が各々V10≦300Pa
・s、300Pa・s≦V2≦3000Pa・sを満た
し、且つV2/V10≧2.5を満たすものである。引
張り物性が上記範囲を外れると、耐チッピング性および
/または耐水耐チッピング性が不十分となる。また、粘
度が上記範囲を外れると、スプレー時での高せん断速度
下で粘度が高くなり良好なスプレー性を得られない、お
よび/または基材への付着時の低せん断下において比較
的低粘度となり垂れる等の問題が生じる。
【0076】本発明の第2における組成物としては、上
記の条件を満たすものであれば特に制限はないが、前記
の本発明の第1に示した組成物を用いることができる。
【0077】本発明の車両用コーティング材組成物は、
金属、ガラス、プラスチックなどに密着性の良い塗膜を
与え、車両用ボディーシーラー、航空機等の被膜組成
物、密封組成物、塗料組成物、接着剤組成物としても有
用である。
【0078】
【実施例】本発明をより一層明らかにするために、以下
具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0079】数平均分子量、および分子量分布(Mw/
Mn)はサイズ排除クロマトグラフィー(GPC)によ
り分析した。サイズ排除クロマトグラフィーは、ポリス
チレンゲル(東ソー株式会社製)を充填したカラムに、
移動相としてテトラヒドロフランを用いて、カラム温度
40℃で測定した。反応性ケイ素基の導入率は日本電子
製JNM−LA400(400MHz)を用いた1H−
NMR分析により算出した。 (合成例1)ポリプロピレングリコールを開始剤とし亜
鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロ
ピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量15,0
00の水酸基末端オキシアルキレン重合体を得た。続い
てこの水酸基末端オキシアルキレン重合体の水酸基に対
して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加
してメタノールを留去し、さらに3−クロロ−2−メチ
ル−1−プロペンを添加して末端の水酸基をメタリル基
に変換した。脱塩精製処理を実施した後に得られたメタ
リル基末端オキシアルキレン重合体500gに対し、酸
化防止剤として2,6ジ−tert−ブチル−p−クレ
ゾール、共沸溶媒としてヘキサンを加えて90℃で共沸
脱水を行った。ヘキサンを減圧下留去後、8%O2/N2
で容器内を置換した。これに対して白金ジビニルジシロ
キサン錯体溶液(白金換算で3重量%のキシレン溶液)
200ppmを加え、硫黄を1eq/Ptの割合で混合
し、撹拌しながら、DMS(ジメトキシメチルシラン)
25gをゆっくりと滴下した。90℃で5時間反応させ
た後、未反応のDMSを減圧下留去し反応性ケイ素基含
有ポリオキシプロピレン重合体を得た。得られた重合体
1H−NMR分析より、末端への反応性ケイ素基導入
率は98%であることを確認した(ポリマーA)。得ら
れたポリマーAの数平均分子量は約17,000、分子
量分布は1.13であった。 (合成例2)ポリプロピレングリコールを開始剤とし亜
鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロ
ピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量38,0
00の水酸基末端オキシアルキレン重合体を得た。続い
てこの水酸基末端オキシアルキレン重合体の水酸基に対
して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加
してメタノールを留去し、さらに3−クロロ−2−メチ
ル−1−プロペンを添加して末端の水酸基をメタリル基
に変換した。脱塩精製処理を実施した後に得られたメタ
リル基末端オキシアルキレン重合体500gに対し、酸
化防止剤として2,6ジ−tert−ブチル−p−クレ
ゾール、共沸溶媒としてヘキサンを加えて90℃で共沸
脱水を行った。ヘキサンを減圧下留去後、8%O2/N2
で容器内を置換した。これに対して白金ジビニルジシロ
キサン錯体溶液(白金換算で3重量%のキシレン溶液)
200ppmを加え、硫黄を1eq/Ptの割合で混合
し、撹拌しながら、DMS(ジメトキシメチルシラン)
10gをゆっくりと滴下した。90℃で5時間反応させ
た後、未反応のDMSを減圧下留去し反応性ケイ素基含
有ポリオキシプロピレン重合体を得た。得られた重合体
1H−NMR分析より、末端への反応性ケイ素基導入
率は98%であることを確認した(ポリマーB)。得ら
れたポリマーBの数平均分子量は約40,000、分子
量分布は1.15であった。 (合成例3)合成例1記載の水酸基末端オキシアルキレ
ン重合体を使用し、続いてこの水酸基末端オキシアルキ
レン重合体の水酸基に対して1.2倍当量のNaOMe
のメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さら
にアリルクロライドを添加して末端の水酸基をアリル基
に変換した。次に得られたアリル基末端オキシアルキレ
ン重合体500gに対しヘキサン10gを加えて90℃
で共沸脱水を行った。ヘキサンを減圧下留去後、窒素置
換し、これに対し塩化白金酸触媒溶液(5重量%のイソ
プロピルアルコール溶液)200ppmを加え、窒素気
流下でDMS25gをゆっくりと滴下した。その混合溶
液を90℃で5時間反応させた。反応終了後、未反応の
DMSを減圧下留去し、反応性ケイ素基含有ポリオキシ
プロピレン重合体を得た。得られた重合体の1H−NM
R分析より、末端への反応性ケイ素基導入率は79%で
あることを確認した(ポリマーC)。得られたポリマー
Cの数平均分子量は約17,000、分子量分布は1.
13であった。 (合成例4)ポリプロピレングリコール(数平均分子量
2000)を出発原料とし、塩化メチレンを使用して分
子量ジャンプ反応を行い、数平均分子量8,000の水
酸基末端オキシアルキレン重合体を得た。続いてこの水
酸基末端オキシアルキレン重合体の水酸基に対して1.
2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタ
ノールを留去し、さらにアリルクロライドを添加して末
端の水酸基をアリル基に変換した。脱塩精製処理を実施
した後に得られたアリル基末端オキシアルキレン重合体
500gに対し、酸化防止剤として2,6ジ−tert
−ブチル−p−クレゾール、共沸溶媒としてヘキサンを
加えて90℃で共沸脱水を行った。ヘキサンを減圧下留
去後、白金ジビニルジシロキサン錯体溶液(白金換算で
3重量%のキシレン溶液)200ppmを加えて撹拌し
ながら、DMS(ジメトキシメチルシラン)20gをゆ
っくりと滴下した。90℃で5時間反応させた後、未反
応のDMSを減圧下留去し反応性ケイ素基含有ポリオキ
シプロピレン重合体を得た。得られた重合体の1H−N
MR分析より、末端への反応性ケイ素基導入率は78%
であることを確認した(ポリマーD)。得られたポリマ
ーDの数平均分子量は約10,000、分子量分布は
1.63であった。 (実施例1)合成例1の方法により合成された反応性ケ
イ素基含有オキシアルキレン重合体(ポリマーA)10
0重量部に、膠質炭酸カルシウム(平均粒径:0.08
μm、商品名:白艶華CCR、白石工業(株)製)90
重量部、重質炭酸カルシウム(平均粒径:1.8μm、
商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム(株)製)1
70重量部、DIDP(ジイソデシルフタレート)40
重量部、EXXSOLD−110(エクソン化学(株)
製)20重量部、N−(β−アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン(A−1120、日本ユ
ニカー(株)製)3重量部、ジブチルすずジアセチルア
セトナート(U−220、日東化成(株)製)1重量部
を充分混練りした後、小型3本ペイントロールに3回通
し、車両用コーティング材組成物を得た。
【0080】以上のようにして得られた車両用コーティ
ング材組成物を使用して3mmの厚さのシートを作製
し、23℃、相対湿度55%の条件で硬化させてJIS
K6251 3号ダンベルを作製し、引張り物性の測
定を行った。
【0081】スプレー性の評価としては、JIS Z8
803に従い、BS型粘度計でローターNo.7を使用
し、23℃での条件下で粘度の測定を行った。
【0082】耐チッピング性の評価としては、75mm
×70mmのED鋼板に1mmの膜厚で組成物を塗布し
た後、23℃、相対湿度55%の条件で7日間硬化させ
た試験体を、水平に対し45°の角度に設置し、I.
S.O 3種、M−4のナットを試験体から垂直2mの
上方から自由落下させ、硬化膜が破れ下地が露出するま
でに落下させたナットの総重量で評価した。
【0083】耐水耐チッピング性は試験体を上記耐チッ
ピング性と同様に作成した後、40℃の温水中で10日
間放置した後、上記耐チッピング性評価と同様の方法で
評価を行った。 (実施例2)反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合
体として合成例2記載の方法により合成した重合体(ポ
リマーB)を使用した以外は実施例1と同様とした。 (比較例1)反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合
体として合成例3記載の方法により合成した重合体(ポ
リマーC)を使用した以外は実施例1と同様とした。 (比較例2)反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合
体として合成例3記載の方法により合成した重合体(ポ
リマーC)を使用し、EXXSOL D−110をDI
DPに置換えた以外は実施例1と同様とした。 (比較例3)反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合
体として合成例4記載の方法により合成した重合体(ポ
リマーD)を使用した以外は実施例1と同様とした。
【0084】
【表1】 表1より、実施例1、2は比較例1〜3に対して、スプ
レー性が同等以上であり、かつ破断強度が向上し、かつ
同膜厚で高耐チッピング性、高耐水耐チッピング性が得
られることがわかった。
【0085】
【発明の効果】以上のように本発明は、反応性ケイ素基
が分子鎖末端に存在し、各分子鎖末端に対する反応性ケ
イ素基の導入率が平均して85%以上であることを特徴
とする反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体を車
両用コーティング材組成物の硬化成分とした場合、従来
の製法により合成した反応性ケイ素基含有オキシアルキ
レン重合体と比較して、同膜厚で高耐チッピング性、高
耐水耐チッピング性を示し、薄膜化が可能となる車両用
コーティング材組成物を得ることができる。
【0086】また破断強度≧1.4MPa、破断伸び≧
150%、100%モジュラス×破断伸び≧200MP
a・%を全て満足するものであり、且つV10≦300
Pa・s、および300Pa・s≦V2≦3000Pa
・sを満たし、且つV2/V10≧2.5を満たす組成
物は、良好なスプレー性を示し、同膜厚で高耐チッピン
グ性、高耐水耐チッピング性を示し、薄膜化が可能とな
る車両用コーティング材組成物とすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J005 AA04 AA09 AA11 BD08 4J038 CE051 CG141 CH141 DF021 DL051 GA15 NA03 NA04 PB07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各分子鎖末端に対する反応性ケイ素基の
    導入率が平均して85%以上である反応性ケイ素基含有
    オキシアルキレン重合体を含有することを特徴とする車
    両用コーティング材組成物。
  2. 【請求項2】 反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重
    合体が (a)一般式(1): 【化1】 (式中R1は炭素数10以下の炭化水素基、R2は水素、
    酸素及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成
    原子として含有する炭素数1から20の2価の有機
    基)、または一般式(2): 【化2】 (式中R1は炭素数10以下の炭化水素基、R2は水素、
    酸素及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成
    原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基)
    で示される不飽和基の各分子鎖末端に対する導入率が平
    均して85%以上であるオキシアルキレン重合体と、
    (b)一般式(3): 【化3】 (式中R3およびR4はいずれも同一又は異なった炭素数
    1から20のアルキル基、炭素数6から20のアリール
    基、炭素数7から20のアラルキル基または(R’)3
    SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R
    3またはR4が二個以上存在するとき、それらは同一であ
    ってもよく、異なっていてもよい。ここでR’は炭素数
    1から20の一価の炭化水素基であり3個のR’は同一
    であってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基また
    は加水分解性基を示し、Xが二個以上存在する時、それ
    らは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは
    0、1、2または3を、bは0、1、または2をそれぞ
    れ示す。またm個の−Si(R 3 2-b)(Xb)−O−基
    におけるbについて、それらは同一であってもよく、異
    なっていてもよい。mは0から19の整数を示す。但
    し、a+Σb≧1を満足するものとする。)で示される
    反応性ケイ素基含有化合物とを、(c)VIII族遷移
    金属触媒の存在下でヒドロシリル化反応させる方法によ
    り得られる反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体
    であることを特徴とする請求項1記載の車両用コーティ
    ング材組成物。
  3. 【請求項3】 反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重
    合体が複合金属シアン化物錯体触媒の存在下にアルキレ
    ンオキサイドを開環付加重合して得られるオキシアルキ
    レン重合体から誘導されることを特徴とする、請求項1
    または2記載の車両用コーティング材組成物。
  4. 【請求項4】 23℃、相対湿度55%の条件で7日間
    硬化させた後のJIS K6251 3号ダンベルによ
    る23℃での引張り物性の測定において、破断強度≧
    1.4MPa、破断伸び≧150%、100%モジュラ
    ス×破断伸び≧200MPa・%を全て満足し、且つJ
    IS Z8803によるBS型粘度計でローターNo.
    7を使用し23℃において測定した10rpmの粘度
    (V10)、および2rpmの粘度(V2)が各々V1
    0≦300Pa・s、300Pa・s≦V2≦3000
    Pa・sを満たし、且つV2/V10≧2.5を満た
    し、且つ反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体を
    含有することを特徴とする車両用コーティング材組成
    物。
  5. 【請求項5】 23℃、相対湿度55%の条件で7日間
    硬化させた後のJIS K6251 3号ダンベルによ
    る23℃での引張り物性の測定において、破断強度≧
    1.4MPa、破断伸び≧150%、100%モジュラ
    ス×破断伸び≧200MPa・%を全て満足し、且つJ
    IS Z8803によるBS型粘度計でローターNo.
    7を使用し23℃において測定した10rpmの粘度
    (V10)、および2rpmの粘度(V2)が各々V1
    0≦300Pa・s、300Pa・s≦V2≦3000
    Pa・sを満たし、且つV2/V10≧2.5を満たす
    ことを特徴とする請求項1〜3記載の車両用コーティン
    グ材組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003096720A (ja) * 2001-09-26 2003-04-03 Sumitomo Chem Co Ltd 道路用側壁板
WO2012033030A1 (ja) 2010-09-09 2012-03-15 株式会社カネカ 湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤組成物
JP2013100381A (ja) * 2011-11-07 2013-05-23 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ用ゴム組成物およびスタッドレスタイヤ
JP2016180117A (ja) * 2016-07-05 2016-10-13 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物の製造方法およびスタッドレスタイヤの製造方法

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