JP2013099341A - 飲料組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】飲料指定添加物を含まないことを特徴とした、以下の成分を含む、Na+濃度20〜80mg/100ml、浸透圧100〜400mOsm/kg、Na+:ぶどう糖(モル比)1:0.1〜10、及びNa+:K+(モル比)1:0.05〜1である、飲料組成物。(1)1〜30%の果汁;(2)0.01〜10%の天然甘味料;(3)0.005〜0.1%の食塩;(4)0.005〜1%の下記からなる群より選択される天然旨味・コク味源;藻類エキス、節類エキス、きのこ類エキス、穀類エキス、茶エキス、野菜エキス、果実エキス、ハーブエキス、葉肉エキス、豆類エキス、種実類エキス、酵母エキス、樹液類、サトウキビ搾汁液(黒糖蜜)及び砂糖(三温糖、黒糖)。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1は、特に激しい疲労をともなうスポーツまたは活動に参加する人が
スポーツ・ドリンクとして飲用する非アルコール飲料として、ガラクトースと、ガラクトースを含む二糖類と、ガラクトースを含むオリゴ糖と、前記糖類の混合物とのうちのいずれか1つの糖類と、25〜45mmol/Lのナトリウムと、任意にて2.5%(w/v)を越えない量のグルコースとを含む水溶液を有し、単糖類の濃度は0.5〜5.0%(w/v)であり、溶液全体の重量モル濃度は150〜240mOsm/kgであるスポーツ・ドリンクを提供する。
水分補給・電解質補給と、十分なエネルギー補給を同時に効率よく行える電解質飲料組成物として、糖質としてクラスターシクロデキストリンを40〜100g/L含有し、電解質としてナトリウムイオン30〜65mEq/L、カリウムイオン15〜25mEq/L、塩化物イオン25〜55mEq/L
、マグネシウムイオン1〜5mEq/Lを含有し、浸透圧が250mOsm/L以下である製剤を提供する。
補給を効率よく行える水分電解質補給飲料として、電解質成分として、ナトリウムイオン30〜40mEq/L、カリウムイオン15〜25mEq/L、塩化物イオン25〜35mEq/L、カルシウムイオ
ン3〜7mEq/L、マグネシウムイオン2〜5mEq/Lを含有し、pHが4.2〜6.0、滴定酸度が30未満であり、その浸透圧が160〜190mOsm/kgであることを特徴とする水分電解質補給飲料であ
り、さらに、スクロース、クエン酸イオン15〜79mEq/L、リン酸イオン2〜10mEq/L含有す
る水分電解質補給飲料を提供する。
リンクとほぼ同等もしくはこれよりも優れた感覚刺激性を有するとともに、水分保持力や自発的水分摂取性といった水分補給に関わる幾つかの機構に着目することにより優れた水分補給性能を発揮する水分補給飲料が求められるという要請に応えるものとして、また脱水症状を緩和し、水分補給を促す方法であって、水分保持や尿による水分損失といった機構に着目した方法が求められているという要請に応えるものとして、(a)該組成物の全
質量に対して約4〜約10質量%の炭水化物と、(b)少なくとも約30mEq/Lのナトリウムと、(c)少なくとも約10mEq/Lの塩化物と、(d)少なくとも約3mEq/Lのカリウムと、(e)水と、を含有し、溶液での該組成物の浸透圧は約250〜350mOsm/Kgであることを特徴とする
組成物を提供する。
一般的にこれら飲料にK+、Ca2+、Mg2+、Cl−を配合する場合は指定添加物として知られているものが用いられるが、これら指定添加物は高度に精製されたものである。
さらに本発明者は電解質を天然素材として配合した飲料組成物において、さらに電解質を補う必要がある場合は、緩衝作用を有する指定添加物であれば好適に飲用できることも見出した。
また、天然素材のみによって電解質を配合する場合においてもCa2+,Mg2+の量を一定量
未満に留めることにより電解質特有の味を抑制できることも見出した。
(1) Na+濃度20〜80mg/100ml、浸透圧100〜400mOsm/kg、Na+:ぶどう糖(モル比)1:0.1〜10、及びNa+:K+(モル比)1:0.05〜1であり、実質的に緩衝作用を示さない指定添加物の電解質が添加されていない飲料組成物。
(2) 前記電解質が、塩化K、塩化Ca、塩化Mgまたはそれらの混合物である、
(1)に記載の飲料組成物。
(3) Ca2+濃度が、2mg/100ml未満である、(1)または(2)に記載の飲料組成物。
(4) Mg2+濃度が、2mg/100ml未満である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の飲
料組成物。
(5) 以下の成分を含む、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の飲料組成物:
(1)0.01〜30%の果汁;
(2)0.01〜10%の天然甘味料;
(3)0.005〜0.2%の食塩;
(4)0.005〜1%の下記からなる群より選択される天然旨味・コク味源:
藻類エキス、節類エキス、きのこ類エキス、穀類エキス、茶エキス、野菜エキス、果実エキス、ハーブエキス、葉肉エキス、豆類エキス、種実類エキス、酵母エキス、樹液類、サトウキビ搾汁液(黒糖蜜)及び砂糖(三温糖、黒糖)。
(6) 容器詰めされ、殺菌されている、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の飲料組成物。
(7) 果汁に、柑橘類果実由来の果汁を含む、(5)に記載の飲料組成物。
(8) 指定添加物および/または既存添加物が無添加である、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の飲料組成物。
(9) Na+濃度20〜80mg/100ml、浸透圧100〜400mOsm/kg、Na+:ぶどう糖(モル比)1:0.1〜10、及びNa+:K+(モル比)1:0.05〜1である、飲料組成物の製造方法であって、以下の成分を配合する工程を含む、上記方法:
(1)0.01〜30%の果汁;
(2)0.01〜10%の天然甘味料;
(3)0.005〜0.2%の食塩;
(4)0.005〜1%の下記からなる群より選択される天然旨味・コク味源:
藻類エキス、節類エキス、きのこ類エキス、穀類エキス、茶エキス、野菜エキス、果実エキス、ハーブエキス、葉肉エキス、豆類エキス、種実類エキス、酵母エキス、樹液類、サトウキビ搾汁液(黒糖蜜)及び砂糖(三温糖、黒糖)。
(10) 実質的に緩衝作用を示さない指定添加物の電解質を添加しない、(9)に記載の方法。
(11) (1)〜(8)のいずれか1項に記載された飲料組成物を経口投与する工程を含む、人に水分及び/又は電解質を補給する方法。
(12) 飲料組成物を100ml〜1000ml/day投与する、(11)に記載の方法。
(13) 飲料組成物のおいしさを高める方法であって、下記の成分を配合して、Na+濃
度20〜80mg/100ml、浸透圧100〜400 mOsm/kg、Na+:ぶどう糖(モル比)1:0.1〜10、及
びNa+:K+(モル比)1:0.05〜1である飲料組成物を構成することを含む方法:
(1)0.01〜30%の果汁;
(2)0.01〜10%の天然甘味料;
(3)0.005〜0.2%の食塩;
(4)0.005〜1%の下記からなる群より選択される天然旨味・コク味源:
藻類エキス、節類エキス、きのこ類エキス、穀類エキス、茶エキス、野菜エキス、果実エキス、ハーブエキス、葉肉エキス、豆類エキス、種実類エキス、酵母エキス、樹液類、サトウキビ搾汁液(黒糖蜜)及び砂糖(三温糖、黒糖)。
(14) 実質的に緩衝作用を示さない指定添加物の電解質を添加しない、(13)に記載の方法。
本願発明により、比較的軽い運動や日常生活における発汗時に水分や電解質を補給する際、電解質によるぬめりや苦味、口腔粘膜へ刺激味、クセのある後味等を感じないため快適に飲用できる。
本発明の飲料組成物は、Na+、K+、ぶどう糖を含み、水分補給上有効な浸透圧を有する
。
0ml、より好ましくは30〜50mg/100mlである。Na+濃度がこれより低い場合は、発汗で失われる水分及び電解質を補給するためには不十分であり、また、これより高い場合は、その味わいが日常的な飲用に適さない場合がある。
値である。
の移動に影響を与えうる。正常な体液浸透圧は約280〜290mOsm/kgであるが、水を効率良
く消化管から吸収させるためには、体液と浸透圧が同等程度であることが望ましいことが知られている。経口補水塩(Oral Rehydration Salt:ORS)においては、浸透圧は200〜310mOsm/kgであることが推奨されている(a new reduced osmolarity formulation. Geneve, Switzerland: World Health Organization, 2002)。また、医療において、細胞外液
欠乏時やNa+欠乏時の輸液用電解質溶液のベースに使用される日本薬局方・処方せん医薬
品である生理食塩水(0.9W/V%塩化Na水溶液)の浸透圧は約310mOsm/kgである。
吸収に適するように設計される。具体的には、本発明の飲料組成物のNa+:ぶどう糖(モ
ル比)は、1:0.1〜10であり、好ましくは1:0.3〜3であり、より好ましくは1:0.5〜1.5である。Na+とぶどう糖との比は、小腸でのNa+の吸収の速さ(小腸での水分の吸収の速さにほぼ匹敵する。)に影響を与えうる。小腸では、Na+はぶどう糖と共に、Na+とぶどう糖との共輸送系を介して細胞内に吸収される。Na+の腸からの吸収と共に、水分も腸から吸
収される。したがって、飲料にはぶどう糖が含まれていた方が、Na+及び水分の吸収が速
くなる。ぶどう糖とNa+は、1:1の比率である場合にもっとも吸収されやすく、WHOとunicefが推奨するORSにおいてはこの比は1:1に設計されている。
本発明の飲料組成物においては、日常の発汗で失われる電解質の補給に適しているように、Na+とK+との比が構成されている。具体的には、本発明の飲料組成物のNa+:K+(モル比)は、1:0.05〜1であり、好ましくは1:0.05〜0.5であり、より好ましくは1:0.1〜0.25であり、より一層好ましくは1:0.15〜0.2である。一般に、発汗速度が速いと、汗腺でのNa+の再吸収が汗の分泌に追い付かず、Na+の排出量が多くなる。一方、日常的な発汗では、排出Na+に対する排出K+の比率が高くなる。Na+:K+(モル比)は、典型的には、運動時の汗においては、1:0.09〜0.14、日常的な汗においては、1:0.17である。
食品衛生法第10条に基づき、厚生労働大臣が定めたもので、食品衛生法施行規則別表1に
収載されている「指定添加物」を使用せずに達成していることである。次に説明するように、本発明の飲料組成物においては、おいしさを高めること、特に、電解質に由来するぬめり、苦味、口腔内刺激感、及び後味の悪さを改善することができる。
本発明の飲料組成物は、電解質供給源として、及び/又はぶどう糖の供給源として、さらに浸透圧を調節するために、0.01〜30%、好ましくは0.01〜20%、より好ましくは0.01〜10%の果汁を含む。本発明に用いることのできる果汁は、下記からなる群より選択される
果物から得ることができる。
核果類果実、例えば、あんず(別名アプリコット)、さくらんぼ、うめ、すもも類(にほんすもも、プルーン)、もも類(もも、ネクタリン、黄桃);
漿果類果実、例えば、ふどう(マスカット、リースリング、デラウエア、巨峰、ピオーネ);
その他、いちご、ブラックベリー、ブルーベリー、ラズベリー、グズベリー(別名西洋すぐり)、クランベリー、ざくろ、りんご、なし類(にほんなし、中国なし、西洋なし)、かりん、キウイフルーツ、パインアップル、パッションフルーツ、アセロラ、ライチー、メロン、すいか、あけび、アテモヤ、アボカド、いちじく、オリーブ、かき、キワノ、グァバ、ぐみ、ココナッツ、ごれんし(別名スターフルーツ)、タンゼロ、チェリモヤ、ドリアン、なつめ、なつめやし、ハスカップ、パパイヤ、ピタヤ、びわ、りゅうがん、ホワイトサポテ、まくわうり、マルメロ、マンゴー、マンゴスチン、やまもも、キダチアロエ、アロエベラ。
本発明の飲料においては、すっきりさ、飲みやすさ、後味のよさに加えて、Na+やK+の
呈味との相性のよい果実由来の果汁をとりわけ好適に用いることができる。このような観点からは、本発明の飲料組成物には、柑橘類、特に、グレープフルーツ(ホワイト種、ルビー種)、レモン、ライム、オレンジ類(ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ)、なつみかん、甘夏、はっさく、ひゅうがなつ、シイクワシャー、すだち、ゆず、かぼす)を用いることが好ましい。
かを用いることができる。
ない。なお、甘味の調整のために天然甘味料の一部をスクラロース、アセスルファムK、ネオテーム、アスパルテーム、サッカリンなどの人工甘味料で置き換えてよい。
本発明の飲料組成物においては、特にぶどう糖を供給し、又は質のよい甘味を付与しつつ浸透圧を調節するとの観点からは、果糖、ぶどう糖、麦芽糖、ショ糖、はちみつを好適に用いることができ、ぶどう糖を供給し、電解質のクセを軽減する作用が強いとの観点からは、サトウキビ搾汁液(黒糖蜜)、砂糖(好ましくは、三温糖、黒糖)、メープルシロップを好適に用いることができる。電解質の違和感をマスキングするとの観点からは、サトウキビ搾汁液(黒糖蜜)、砂糖(好ましくは、三温糖、黒糖)、メープルシロップを用いることが好ましい。天然甘味料のみの使用により、電解質の違和感がマスキングされるので、飲料として使用する甘味料の総量を抑えることができる。その結果、甘味が適度な、すっきりさ、飲みやすさ、自然な味わいを有する飲料組成物が調製できる。本発明の飲料組成物においては、果糖、ぶどう糖、麦芽糖、ショ糖、はちみつ、砂糖(好ましくは、白糖、三温糖、黒糖)、サトウキビ搾汁液(黒糖蜜)及びメープルシロップを用いることが特に好ましい。
されるいずれかを用いることができる。
本発明の飲料組成物においては、特に質のよい旨味を付与しつつ、Na+、K+、Ca2+、Mg2+、Cl-等の電解質源となりうるとの観点からは、藻類エキス、穀類エキス、野菜エキス、種実類エキスを好適に用いることができる。
、K+、Ca2+、Mg2+等の電解質源となりうる上、質のよいコク味を呈するという観点からサトウキビ搾汁液(黒糖蜜)、砂糖(黒糖、三温糖)、メープルシロップを好適に用いるこ
とができる。
を満たすようにするとよい。
に好ましく、Mg2+の含有量は、2mg/100ml未満が好ましく、1.5mg/100ml未満がより好ましく、1.2mg/100ml未満であることがさらに望ましい。
本発明の飲料組成物には、緩衝作用を示す指定添加物の電解質を使用することができる。ここでいう緩衝作用を示す指定添加物とは、水に溶解した際のpHが中性から弱アルカリ性を示す指定添加物を指す。本発明の飲料組成物に添加してもよい、緩衝作用を示す指定添加物の例として、アスコルビン酸Na、アスパラギン酸Na、クエン酸Na、グルコン酸Na、グルタミン酸Na、コハク酸Na、酢酸Na、酒石酸Na、水酸化Na、炭酸水素Na、乳酸Na、フマル酸Na、リンゴ酸Na、リン酸Na、クエン酸K、グルコン酸K、リンゴ酸K、酒石酸K、グルタミン酸K、アスコルビン酸K、コハク酸K、フマル酸K、リン酸K、硫酸K、クエン酸Ca、グルコン酸Ca、コハク酸Ca、酢酸Ca、酒石酸Ca、乳酸Ca、リンゴ酸Ca、リン酸Ca、乳酸Ca、クエン酸Mg、グルコン酸Mg、グルタミン酸Mg、コハク酸Mg、酢酸Mg、酸化Mg、酒石酸Mg、炭酸Mg、硫酸Mg、リン酸Mgなどが挙げられる。
また、本発明の飲料組成物には、既存添加物を添加してもよいが、添加しないことが好ましい。既存添加物とは、食品衛生法に規定されている食品添加物名簿記載のものを意味し、その具体例として、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-アラニン、L-アラビノース、L-アルギニン、アルギン酸、イタコン酸、イノシトール、γ-オリザノール、カテキ
ン、カフェイン、カラメル、D-キシロース、クエルセチン、L-グルタミン、シアノコバラミン、シクロデキストリン、L-セリン、タウリン、テオブロミン、デキストラン、トコフェロール、トレハロース、ナリンジン、L-ヒスチジン、フィチン酸、フィチン、フェルラ酸、L-プロリン、ペクチン、ヘスペリジン、没食子酸、L-ラムノース、L-リシン、D-リボース、L-ロイシンなどが挙げられる。
本発明の飲料組成物の製造は、従来技術の方法を用いて製造することができる。当業者であれば、配合方法、必要に応じ殺菌方法、容器詰めのための条件を、適宜設計することができる。
分)を行うことができ、ペットボトルや紙パック、瓶飲料、缶飲料、パウチ飲料とする場合には、例えば90〜130℃で1〜数十秒保持するFP又はUHT殺菌を行い、所定量を充填する
。本発明の飲料組成物を容器詰め飲料とする場合は、ホットパック充填法又は無菌充填法のいずれも用いることができる。
本発明の飲料組成物は比較的軽い運動や日常生活における発汗時に水分や電解質を補給する際に、好適に飲用することができる。より詳細には、本発明の飲料組成物は、(1)安
静時、(2)低代謝率(3.5km/h未満の速度での歩行、又はそれと同等の負荷)時、(3)中程
度代謝率(3.5〜5.5km/hの速度での歩行、又はそれと同等の負荷)時、(4)高代謝率(5.5〜7km/hの速度での歩行、又はそれと同等の負荷)時、(5)極高代謝率(7km/h以上の速度
で歩行又は走る、又はそれと同等の負荷)時の、前若しくは後、又は途中に、水分や電解質を補給するために飲用するのに適するが、特に、(1)〜(3)に該当するときの水分や電解
質を補給するために飲用するのに適している。
これまで述べてきたように、Na+濃度20〜80mg/100ml、浸透圧100〜400mOsm/kg、Na+:
ぶどう糖(モル比)1:0.1〜10、及びNa+:K+(モル比)1:0.05〜1である、飲料組成物
において、指定添加物を使用せずに、(1) 0.01〜30%の果汁;(2) 0.01〜10%の天然甘味料;(3) 0.005〜0.2%の食塩;(4) 0.005〜1%の特定の天然旨味・コク味源を用いることは、飲料組成物において、おいしさを高めることができる。本明細書で飲料に関し、おいしさの向上というときは、特に記載した場合を除き、電解質に由来するぬめりや苦味の改善、電解質に由来する口腔粘膜への刺激感の改善、及び電解質に由来する後味の悪さの改善を含む。
は、従来のスポーツ飲料を継続して摂取している人)に、必要であれば比較対照として市販のスポーツ飲料を準備し、実際に喫飲させ、スポーツ飲料に特有の項目(例えば、飲みやすさ、ゴクゴク飲める、すっきりさ、うまみ、自然な味わい、後味のキレ、まろやかさ、香りのよさ、果実感、味の濃さ、甘さ、酸っぱさ、塩っぽさ、後味、及びくせからなる群から選択されるいずれか一以上)について、7段階程度(感じる〜どちらともいえない
〜感じない)で採点させることにより、評価することができる。より詳しい評価のための手法及び基準は、本明細書の実施例を参考にすることができる。
本発明の飲料はまた、天然素材を用いることで、従来のスポーツ・ドリンクに比べて、好ましさが向上している。本発明者の検討によると、上記のスポーツ・ドリンクに特有の項目のうち、特に「飲みやすさ」及び「ゴクゴク飲める」が、好ましさと相関があることが分かっている。対象となる飲料がスポーツ飲料として好ましいモノであるか否かは、例えば、訓練されたパネラー1名以上か、又は一般人(好ましくは、従来のスポーツ飲料を
継続して摂取している人)に、必要であれば比較対照として市販のスポーツ飲料を準備し、実際に喫飲させ、「飲みやすさ」及び/又は「ゴクゴク飲める」について、7段階程度
(感じる〜どちらともいえない〜感じない)で採点させることにより、評価することができる。より詳しい評価のための手法及び基準は、本明細書の実施例を参考にすることができる。
1.飲料組成物の調製
=1:0.17であることを確認した。
味料、塩化K、乳酸Ca、調味料(アミノ酸)、塩化Mg、香料、酸化防止剤(ビタミンC))を同時に以下の官能評価に供した。市販品には、実質的に緩衝作用を示さない指定添加物の電解質として塩化カリウムと塩化マグネシウムが添加されており、その他にも、指定添加物である乳酸カルシウムとビタミンCが添加されている。
評価は、25〜49歳の男女、計180名を対象に、対象飲料を飲用させ、各項目について、7段階(7:感じる、4:どちらでもない、1:感じない)で評価させた。
表2で得られた結果をもとに、各評価項目と摂取した飲料の好ましさとの相関係数を算
出した。具体的には各被験者が試作品及び市販のスポーツ飲料を摂取したときの好ましさを7段階(7:好ましい、4:どちらでもない、1:好ましくない)で評価してもらい、実施例1の各項目に関する評価点との相関関係を、CORREL関数を用いて算出した。相関係数が1に近いほど各項目は好ましさの要因となっていることが示される。
表4に、緩衝作用を示す指定添加物を用いた飲料組成物の配合例を示す。実施例2−2では、実施例2−1と比較してグレープフルーツ果汁、及びコンブエキスの添加量を減らす一方、緩衝作用のある指定添加物としてクエン酸カリウムを添加し、グレープフルーツ果汁とコンブエキスに含まれるカリウム量の一部を置換する量添加した。比較例2−1では、クエン酸カリウムの代わりに塩化カリウムを使用した。調製された飲料組成物はいずれも、Na+濃度:40mg/100ml、浸透圧:310mOsm/kg、Na+:ぶどう糖=1:1、Na+:K+=
1:0.17であることを確認した。
えない、4点;どちらかといえば感じる、5点;電解質特有の味を感じる)
下表の割合で、飲料組成物を調製し、官能評価に供した。
えない、4点;どちらかといえば感じる、5点;電解質特有の味を感じる)
1.グレープフルーツ果汁を用いた他の配合例を表8に示す。
Claims (14)
- Na+濃度20〜80mg/100ml、浸透圧100〜400mOsm/kg、Na+:ぶどう糖(モル比)1:0.1〜10、及びNa+:K+(モル比)1:0.05〜1であり、実質的に緩衝作用を示さない指定添加物の電解質が添加されていない飲料組成物。
- 前記電解質が、塩化K、塩化Ca、塩化Mgまたはそれらの混合物である、請求項1に記載
の飲料組成物。 - Ca2+濃度が、2mg/100ml未満である、請求項1または2に記載の飲料組成物。
- Mg2+濃度が、2mg/100ml未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料組成物
。 - 以下の成分を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の飲料組成物:
(1)0.01〜30%の果汁;
(2)0.01〜10%の天然甘味料;
(3)0.005〜0.2%の食塩;
(4)0.005〜1%の下記からなる群より選択される天然旨味・コク味源;
藻類エキス、節類エキス、きのこ類エキス、穀類エキス、茶エキス、野菜エキス、果実エキス、ハーブエキス、葉肉エキス、豆類エキス、種実類エキス、酵母エキス、樹液類、サトウキビ搾汁液(黒糖蜜)及び砂糖(三温糖、黒糖)。 - 容器詰めされ、殺菌されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の飲料組成物。
- 果汁に、柑橘類果実由来の果汁を含む、請求項5に記載の飲料組成物。
- 指定添加物および/または既存添加物が無添加である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の飲料組成物。
- Na+濃度20〜80mg/100ml、浸透圧100〜400mOsm/kg、Na+:ぶどう糖(モル比)1:0.1〜10、及びNa+:K+(モル比)1:0.05〜1である、飲料組成物の製造方法であって、
以下の成分を配合する工程を含む、上記方法:
(1)0.01〜30%の果汁;
(2)0.01〜10%の天然甘味料;
(3)0.005〜0.2%の食塩;
(4)0.005〜1%の下記からなる群より選択される天然旨味・コク味源;
藻類エキス、節類エキス、きのこ類エキス、穀類エキス、茶エキス、野菜エキス、果実エキス、ハーブエキス、葉肉エキス、豆類エキス、種実類エキス、酵母エキス、樹液類、サトウキビ搾汁液(黒糖蜜)及び砂糖(三温糖、黒糖)。 - 実質的に緩衝作用を示さない指定添加物の電解質を添加しない、請求項9に記載の方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載された飲料組成物を経口投与する工程を含む、人に水分及び/又は電解質を補給する方法。
- 飲料組成物を100ml〜1000ml/day投与する、請求項11に記載の方法。
- 飲料組成物のおいしさを高める方法であって、
下記の成分を配合して、Na+濃度20〜80mg/100ml、浸透圧100〜400 mOsm/kg、Na+:ぶどう糖(モル比)1:0.1〜10、及びNa+:K+(モル比)1:0.05〜1である飲料組成物を構成
することを含む方法:
(1)0.01〜30%の果汁;
(2)0.01〜10%の天然甘味料;
(3)0.005〜0.2%の食塩;
(4)0.005〜1%の下記からなる群より選択される天然旨味・コク味源;
藻類エキス、節類エキス、きのこ類エキス、穀類エキス、茶エキス、野菜エキス、果実エキス、ハーブエキス、葉肉エキス、豆類エキス、種実類エキス、酵母エキス、樹液類、サトウキビ搾汁液(黒糖蜜)及び砂糖(三温糖、黒糖)。 - 実質的に緩衝作用を示さない指定添加物の電解質を添加しない、請求項13に記載の方法。
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