JP2010254606A - トロンビン溶液の調製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】血液から直接、高いトロンビン活性値を有し、ゲル化しないトロンビン溶液を簡便に調製すること。
【解決手段】アニオン交換体を用いるトロンビン溶液の調製方法であって、血液をアニオン交換体と接触させて、血液に含まれるプロトロンビンを吸着させた後、5mmol/L以上50mmol/L以下のカルシウムイオンを含み、且つイオン強度が0.17mol/L以上0.46mol/L以下である溶離液をアニオン交換体と接触させて、ゲル化しないトロンビン溶液を得る、トロンビン溶液の調製方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、トロンビン溶液の調製方法に係り、より詳細には、血液を原料とするトロンビン溶液の調製方法に関する。
トロンビンは血液凝固因子の一つであり、可溶性のフィブリノーゲンに作用して不溶性のフィブリンを生成する、セリンプロテアーゼである。医療現場において、トロンビンとフィブリノーゲンとを混合して使用される生体組織接着剤フィブリン糊は、組織の接着・閉鎖、及びそれに続く創傷治癒を行うための外用接着剤あるいは止血剤として、現在各種の外科手術に広く用いられている。また、トロンビンと多血小板血漿(PRP)とを混合して使用される血小板ゲルは、創傷治癒に用いられ、単独で止血剤として用いられる。近年、各種外科手術において、手術直前又は手術中に患者の血液から自己由来のトロンビンを短時間で調製するニーズが高まっている。
トロンビンの調製方法として、特許文献1には、血漿からエタノールによってトロンビンを回収する方法が開示されている。特許文献2には、血漿からプロトロンビンをアニオン交換体へ吸着させ、アニオン交換体からプロトロンビンを溶離する際に、溶離液として塩化カルシウムを用いることにより、同時にトロンビンへの活性化を行い、トロンビンとして回収する方法が開示されている。この方法によれば、比較的トロンビン活性値が高いトロンビンを精製することができる。また、特許文献3には、プロトロンビンを精製する目的で、血漿中のプロトロンビンをアニオン交換体に吸着させ、アニオン交換体からプロトロンビンを溶出する際に、緩衝液中で塩化カルシウム濃度勾配を直線的に負荷することによりプロトロンビンを溶出する方法が開示されている。更に特許文献4には、活性化剤と吸収剤とを備えた反応室、又は陰イオン性分子排除イオン交換樹脂を供えた反応室に、全血、血漿又は血漿分画を導入し、トロンビン又は他の血液生成物を製剤する装置が開示されている。
特表2004−500026号公報 米国特許第5,143,838号明細書 特開平10−150980号公報 特表2006−515853号公報
しかし、特許文献1の方法で得られるトロンビンは、トロンビン活性値が低く、フィブリノーゲンを凝固させるために要する時間が長い。そのため、トロンビン投与直後に急速にフィブリノーゲンを凝固させたい場合には不向きであるという問題点がある。特許文献2及び3の方法は、いずれも血漿又は血漿分画からトロンビンを調製する方法であり、血液から直接トロンビンを調製することができない。そのため、まず血液から血漿を調製する繁雑な操作が必要であると同時に、時間を要するという問題がある。更に、特許文献3の方法は、濃度勾配をかけながら溶出液を分画してプロトロンビンのピークを得る方法であるが、そのピークを選別する必要があり、また液量が増えるので、溶液のトロンビン活性値を高く維持することが困難であるという問題がある。
特許文献4には、全血から吸収剤又は陰イオン性分子排除イオン交換樹脂により水分を除去する方法が記載されているが、水分除去量を少なく設定する場合、トロンビン濃縮率が低下し、トロンビン活性値を高めることはできないという問題がある。また、トロンビン濃縮率を上げるために水分除去量を上げると、トロンビン溶液の液体量に対する血球量の割合が増し、フィルター濾過が困難になるという問題が生じる。この場合、血球とトロンビンの分離操作が必要となるが、特許文献4にはこの分離操作に着目した検討がなされていない。また、この方法では、トロンビンの血液凝固反応を阻害する成分が残存する可能性を否定できないため、トロンビン活性の保存安定性が問題となる。
以上の説明から明らかなように、血液から血漿への繁雑な分離操作を必要とせず、高いトロンビン活性値を有するトロンビン溶液を血液から直接調製する方法が、これまで確立されていない。本発明の課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、高いトロンビン活性値を有し、ゲル化しないトロンビン溶液を血液から直接かつ簡便に調製する方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明者は、アニオン交換体に吸着させたプロトロンビンをトロンビンへ活性化し、かつアニオン交換体からトロンビンを溶出する溶離液のカルシウムイオン濃度とイオン強度とに着目して、鋭意検討を重ねた。その結果、アニオン交換体を用いたトロンビンの調製方法において、特定の範囲のカルシウムイオン濃度とイオン強度とを持つ溶離液を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の態様は以下を含む。
(1)アニオン交換体を用いるトロンビン溶液の調製方法であって、血液をアニオン交換体と接触させて、血液に含まれるプロトロンビンをアニオン交換体に吸着させた後、5mmol/L以上50mmol/L以下のカルシウムイオンを含み、且つイオン強度が0.17mol/L以上0.46mol/L以下である溶離液をアニオン交換体と接触させて、ゲル化しないトロンビン溶液を得る、トロンビン溶液の調製方法。
(2)溶離液とアニオン交換体との接触時間が2分以上10分以下である、(1)に記載のトロンビン溶液の調製方法。
(3)アニオン交換体がジエチルアミノエチル基を有するアニオン交換体である、(1)又は(2)に記載のトロンビン溶液の調製方法。
(4)溶離液をアニオン交換体と接触させる前に、アニオン交換体を等張液で洗浄する、(1)乃至(3)の何れかに記載のトロンビン溶液の調製方法。
本発明によれば、血液を直接原料として、高いトロンビン活性値を有するトロンビン溶液を簡便に調製できる。またゲル化しない液体であるトロンビン溶液を調製できる。更には、従来技術と比較し、短時間にトロンビン溶液を調製することができる。また得られたトロンビン溶液は高い保存安定性を有している。
溶離液のカルシウムイオン濃度及びイオン強度と、得られるトロンビン溶液の凝固時間法によるトロンビン活性値との関係を示す3次元グラフである。 溶離液のカルシウムイオン濃度及びイオン強度と、得られるトロンビン溶液の凝固時間法によるトロンビン活性値との関係を示す2次元グラフである。
以下、本発明の実施の形態(以下、本実施の形態という。)を更に詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。本実施の形態は、血液を直接原料とし、アニオン交換体を用いて、ゲル化しないトロンビン溶液を調製する方法であって、血液をアニオン交換体と接触させて、血液に含まれるプロトロンビンをアニオン交換体に吸着させることと、その後、5mmol/L以上50mmol/L以下のカルシウムイオンを含み、且つイオン強度が0.17mol/L以上0.46mol/L以下である溶離液をアニオン交換体と接触させて、ゲル化しないトロンビン溶液を得ることと、を含む。
本実施の形態に係るトロンビン溶液を調製する方法においては、まず、血液をアニオン交換体に接触させて、血液に含まれるプロトロンビンをアニオン交換体に吸着させる。本実施の形態でいうアニオン交換体とは、アニオン交換基が化学的に結合された多孔材を意味する。アニオン交換基としては、水中でプラスに荷電する官能基であればよく、例えば、強塩基性のトリメチルアンモニウム基や、弱塩基性のジエチルアミノエチル(DEAE)基等が使用可能である。また、ここでいう多孔材とは、液体が浸入可能な細孔を有する部材を意味し、例えば、球状のスチレン−ジビニルベンゼン共重合体などの樹脂、球状のセルロース、また、ポリアクリルアミド、デキストラン、アガロースなどのゲル、ポリエステル、ポリプロピレン、セルロースなどの不織布、あるいはその他の多孔性膜や焼結体などが使用可能である。この中でも、球状のセルロースは、タンパク質など生体高分子の分画、精製に広く使用されており、好適に使用できる。あるいは、細孔のないビーズや繊維状のイオン交換体をカラムに充填し、実質的に多孔性のアニオン交換体を形成したものも使用することもできる。
本実施の形態でいう血液とは、赤血球を含む末梢血であり、採血したままのものであっても、抗凝固剤、生理食塩液などで希釈されたものであってもよい。トロンビン溶液調製中の血液凝固を防ぐために、抗凝固剤で希釈された血液を好適に使用することができる。抗凝固剤の種類は、クエン酸又はその塩からなる群の他、フサン、ヘパリン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などを使用することができるが、クエン酸又はその塩からなる群を好適に使用することができる。クエン酸又はその塩からなる群としては、例えば、クエン酸ナトリウム溶液、ACD(acid−citrate−dextrose)−A液、CPD(citrate−phosphate−dextrose)液などが使用可能である。ACD−A液とは、クエン酸ナトリウム、クエン酸、及びブドウ糖からなる溶液であり、CPD液はクエン酸ナトリウム、クエン酸、ブドウ糖、及びリン酸二水素ナトリウム二水和物からなる溶液である。また、冷蔵保存あるいは室温保存された血液を使用する場合は、白血球除去フィルターによって白血球を除去された血液を用いてもよい。
血液とアニオン交換体との接触は、例えば、カラムに充填したアニオン交換体に血液をポンプ又は落差により通過させてなされてもよいし、血液全量とアニオン交換体とを容器に入れ、混和してなされてもよいが、全血液中のプロトロンビンを効率よくアニオン交換体と接触させる観点から、先述の接触がより好ましい。本実施の形態によれば、例えば遠心分離などにより血液から血漿を分離する操作を行うことなく、直接血液をアニオン交換体へ接触させ、以下に記載の操作によりトロンビン溶液を調製することができる。そのため、遠心分離などの繁雑な操作が不要となり、またトロンビン溶液の調製時間を短くすることが可能となる。
次に、プロトロンビンを吸着させたアニオン交換体に溶離液を接触させる。溶離液によりアニオン交換体に吸着したプロトロンビンがトロンビンへ活性化され、溶離液中へ溶出し、トロンビン溶液を調製することができる。本実施の形態でいう溶離液とは、アニオン交換体に吸着したプロトロンビンをトロンビンに活性化し、溶離液中へ溶出させ、トロンビン溶液として回収する溶液である。本実施の形態において、5mmol/L以上50mmol/L以下のカルシウムイオンを含み、且つイオン強度が0.17mol/L以上0.46mol/L以下である溶離液を用いることで、ゲル化しないトロンビン溶液を直接血液から調製できる。
ここで、「イオン強度」とは、溶液における種々のイオンの電気的(イオン−イオン)相互作用の強さを表す値である。溶液中のイオン種iの電荷数をzi、そのモル濃度をciとすると、イオン強度は次式(1)で定義される。
アニオン交換体を用いて血液からトロンビン溶液を調製する方法において、本発明者が検討を進めたところ、溶離液のカルシウムイオン濃度とイオン強度とが、得られるトロンビン溶液のトロンビン活性値とゲル化の有無とに影響する重要因子であることをつきとめた。すなわち、カルシウムイオン濃度とイオン強度とを調整した溶離液を用いることにより、アニオン交換体を用いて血液からゲル化しない、高いトロンビン活性値を有するトロンビン溶液の作製が可能となると同時に、短い時間でのトロンビン溶液の調製が可能となることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
溶離液のカルシウムイオンが5mmol/Lより少ない場合、又はイオン強度が0.17mol/Lより低い場合は、アニオン交換体へ吸着したプロトロンビン由来のトロンビンの収率が低くなり、プロトロンビンを有効に活用できなくなり、トロンビン溶液のトロンビン活性値が低下する。カルシウムイオンは、プロトロンビンをトロンビンへ活性化する活性化剤として作用し、またイオン強度は、カルシウムイオンと相互作用してプロトロンビンからトロンビンへの活性化及び/又はトロンビンの溶離液への溶出を促進するが、カルシウムイオンが5mmol/Lより少ないと、イオン強度を0.17mol/L以上としても、得られるトロンビン溶液のトロンビン活性値が有効に上がらない。また、イオン強度が0.17mol/Lより低いと、カルシウムイオンを5mmol/L以上含んでいても、プロトロンビンからトロンビンへの活性化に時間を要し、アニオン交換体と溶離液との接触時間を1時間以上としても、十分なトロンビン活性値が得られない。
また、カルシウムイオンが50mmol/Lより多い、又はイオン強度が0.46mol/Lより高い場合は、得られるトロンビン溶液がゲル化し、液体として使用することができない。ゲル化する理由は定かではないが、50mmol/Lより多いカルシウムイオンや0.46mol/Lより大きいイオン強度の環境は、プロトロンビンやトロンビンどうし、又はトロンビンを含む溶出される混在タンパク質どうしが影響し合い、トロンビン溶液を凝集又は変性させると考えられる。
なお、トロンビン活性値は、フィブリノーゲンを凝固させる時間を測定する凝固時間法や、発色性合成基質を分解し、遊離する発色物質の吸光度を測定する合成基質法によって測定可能である。また、トロンビン溶液のゲル化とは、トロンビン溶液の全体又は一部がゼリー状に固化することである。トロンビン溶液全体がゲル化すると、トロンビン溶液は実質使用できなくなる。トロンビン溶液のゲル化が一部であっても、回収できる液量が減少し、回収できた溶液も不安定であって、時間とともにゲル化する可能性があるので好ましくない。
以上の理由から、本実施の形態に係るアニオン交換体を用いて血液からトロンビン溶液を調製する方法において、5mmol/L以上50mmol/L以下のカルシウムイオンを含み、且つイオン強度が0.17mol/L以上0.46mol/L以下である溶離液が用いられる。カルシウムイオン濃度とイオン強度の範囲は、より好ましくはカルシウムイオン濃度が10乃至40mmol/L、且つイオン強度が0.21乃至0.32mol/Lであり、更に好ましくはカルシウムイオン濃度が20乃至30mmol/L、且つイオン強度が0.24乃至0.29mol/Lである。
カルシウム塩としては、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、及び酢酸カルシウムなどを使用することができるが、塩化カルシウムを好適に使用することができる。また、カルシウム塩以外の溶離液の成分としては、プロトロンビンの活性化及びトロンビン活性を阻害するもの以外ならば何でもよい。塩化ナトリウムは生理食塩液に使用される成分であり、一般的にタンパク質の溶解度が高いことが知られており、好適に使用することができる。
トロンビン溶液のトロンビン活性値は、用いる血液の液量と溶離液の液量とで調整できる。血液の液量が多いほどアニオン交換体に吸着するプロトロンビン量が増え、得られるトロンビンの量が増える。溶離液の液量は、アニオン交換体全体に行き渡る液量以上であることが好ましく、溶離液の液量を増やしても、トロンビン溶液全体を回収すれば、トロンビンの収量は変化しない。ただし、溶離液の液量が少ない程トロンビンの濃度が増し、トロンビン活性値が高くなる。トロンビン溶液を希釈しトロンビン活性値を低くしたい場合は、溶離液の液量を増してもよいし、回収後に希釈して液量を増してもよい。
アニオン交換体と溶離液との接触は、アニオン交換体に溶離液を添加することによりなされるが、添加後、アニオン交換体と溶離液とをより均一に混合するために、転倒混和や振動を与えてもよい。あるいは、溶離液の添加時に、溶離液とアニオン交換体とが混和するように勢いよく溶離液を添加してもよい。溶離液を添加後、静置することで十分なプロトロンビンの活性化が進むが、途中転倒混和や振動を与えて混和してもよい。また、アニオン交換体に溶離液を接触させる前に、アニオン交換体から血液を排出させると、接触させる溶離液の液量と得られるトロンビン溶液の液量とがほぼ同量となり、液量を調整できるので好ましい。
トロンビン溶液の回収は、アニオン交換体からフィルターを介して吸引や遠心分離により回収してもよいし、静置又は遠心分離によりアニオン交換体と溶離液とを2層に分け、上層のトロンビン溶液のみを回収してもよい。得られたトロンビン溶液を全て回収する観点から、フィルターを介した回収がより好ましい。フィルターは、アニオン交換体を通過させない孔径のフィルターであれば公知のものを使用することができる。
本実施の形態において、溶離液とアニオン交換体との接触時間は、2分以上10分以下が望ましい。なお、本実施の形態における接触時間とは、アニオン交換体に溶離液を添加してからトロンビン溶液の回収操作を始めるまでの時間である。本実施の形態によれば、プロトロンビンを吸着させたアニオン交換体に溶離液を接触させると、2分以上でほとんどの吸着プロトロンビンがトロンビンへ活性化され、トロンビンを回収することができる。アニオン交換体と溶離液との接触に偏りがある場合でも、アニオン交換体と溶離液とを接触させた後10分以内には、溶離液はアニオン交換体全体に行き渡り、プロトロンビンのほとんどが活性化される。したがって、本実施の形態により、溶離液の接触時間を2分以上10分以下とすることができる。また、上述した通り、血液を直接アニオン交換体へ接触させることができるので、トロンビンの作製時間がより短縮される。
本実施の形態において、アニオン交換基としてDEAE基を有するアニオン交換体を用いることがより好ましい。また、本実施の形態において、血液をアニオン交換体と接触させた後、溶離液をアニオン交換体と接触させる前に、アニオン交換体を等張液で洗浄することが好ましい。洗浄することにより、アニオン交換体上に付着した、例えばフィブリノーゲンなどのトロンビン活性値を下げる性質を有する成分を排除可能であり、得られるトロンビン溶液の活性値がより安定する。また、アニオン交換体の空隙部分に赤血球が残存した場合、得られるトロンビン溶液に赤血球が混在するが、洗浄により赤血球の混在量を減らすこともできる。ここで、洗浄に使用する洗浄液として等張液を用いることにより、残存した赤血球が溶血することなく洗浄することができるので好ましい。
本実施の形態でいう等張液とは、血液と等張である溶液である。洗浄液の浸透圧が160mOsm/kg以下で赤血球は溶血するため、160mOsm/kgより高いことが好ましく、血液(血漿・血清)の浸透圧275〜290mOsm/kgと等張であることがより好ましい。組成としては、プロトロンビンの活性化及びトロンビン活性を阻害するもの以外ならば何でもよいが、生理食塩液が好適に使用できる。また、洗浄に用いる等張液の液量は、アニオン交換体と混和し洗浄できる液量を用いることができ、使用するアニオン交換体の容積の2〜20倍がより好ましい。本実施の形態により得られるトロンビン溶液は、使用するまで室温や冷蔵で保存してもよいし、冷凍して保存し、使用前に解凍して用いてもよい。
以下実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。まず、実施例及び比較例における使用されたトロンビン活性値の2種の測定方法を説明する。
[トロンビン活性値測定;凝固時間法]
日本薬局方によるトロンビンの定量法に準じてトロンビン活性値を測定した。フィブリノーゲン溶液(ボルヒール(登録商標)、(財)化学及血清療法研究所)を生理食塩液(大塚生食注、大塚製薬)で希釈し、フィブリノーゲン濃度3mg/mLのフィブリノーゲン溶液を調製した。日本薬局方標準品のトロンビン標準品((財)日本公定書協会)を生理食塩液に溶かし、4種の標準溶液を調製した。標準溶液の濃度は、下記方法による凝固時間が14〜60秒の範囲内となるように濃度を振り調製した。測定サンプルも凝固時間が14〜60秒の範囲内となるように生理食塩液で希釈した。測定は血液凝固自動測定装置(KC4デルタ、trinity biotech社)を使用した。
あらかじめ血液凝固自動測定装置を37℃に加温した。サンプルカップにフィブリノーゲン溶液を150μL入れ、37℃で3分間温めた。これにトロンビン標準溶液50μLをピペットで吹き込み、同時にタイマーを作動させ、凝固するまでの凝固時間を測定した。5回ずつ測定を行いその平均値を求め、検量線とした。同様に、測定サンプルの凝固時間を測定し、検量線及び希釈倍率からトロンビン活性値を算出した。
[トロンビン活性値測定;発色基質法]
NaCl 1.753g、EDTA・2Na 0.744g、BSA 0.200g、1mol/L Tris−HCl(pH8.0) 4mlを注射用水(大塚蒸留水、大塚製薬)196mLに溶解して、アッセイバッファーを調製した。発色性合成基質はS−2238(テストチーム(登録商標)発色基質S−2238、積水メディカル)を注射用水で溶解し、濃度2μmol/mLの合成基質溶液を調製した。標準溶液として日本薬局方標準品のトロンビン標準品を生理食塩液に溶解し200U/mLにしたものを更にアッセイバッファーで希釈し、4種の標準溶液を調製した。
測定サンプルは、まず、吸光度測定結果に誤差を生じないようにトロンビン溶液に微量に混在する赤血球を遠心分離により除去し使用した。なお、赤血球除去操作前後の凝固時間法によるトロンビン活性値に差はみられないことを下記実施例で確認済みである。次に下記測定法における検量線の範囲の吸光度を得られるように、アッセイバッファーで希釈した。測定はマイクロプレート分光光度計(SPECTRAmax340PC384、MolecularDevices社)を使用した。
あらかじめマイクロプレート分光光度計を37℃に加温した。96穴マイクロプレートに、アッセイバッファーによって一定の希釈操作を行なった標準溶液又は測定サンプルを各々3ウェルに入れ、合成基質溶液を一定量添加後、405nmの吸光度を10秒間隔で5分カイネティック測定を行った。3ウェルの結果の平均値を測定値とし、4種の標準溶液の測定値から検量線を求め、測定サンプルの測定値から検量線と希釈倍率を元にトロンビン活性値を算出した。
(実施例1〜26)
注射用水で置換したDEAE基を有するアニオン交換体(セルロファインKANTO DEAE−500、関東化学)0.5mLを容器容量2.5mLのポリエチレン製のカラム(ラボラトリー・ポリエチレンカラムS1012、モビテック社)に充填した。溶離液は、注射用水に塩化カルシウム二水和物を5乃至50mmol/Lとなるように溶解し、更に塩化ナトリウムでイオン強度が0.17乃至0.46mol/Lとなるように調製した。また、健常人ボランティアより血液を採取し、血液100mLに対して抗凝固剤としてCPD液を14mL添加し、ヒト新鮮血液とした。CPD液はクエン酸三ナトリウム二水和物30.0g、ブドウ糖23.2g、クエン酸一水和物3.58g、リン酸二水素ナトリウム二水和物2.51gを注射用水1Lに溶解して調製した。
アニオン交換体カラムに生理食塩液5mLを流速1mL/minで通液、平衡化し、ゲルヘッドを出した後、ヒト新鮮血液8mLを流速0.8mL/minで濾過した。続いて生理食塩液10mLを流速1.0mL/minで濾過し、アニオン交換体カラムを洗浄し、生理食塩液をアニオン交換体カラムから排出した。次に、出口を閉じたアニオン交換体カラムに、表1に記載の組成の溶離液0.5mLを添加し、ピペッティング2〜3回によりアニオン交換体と溶離液をなじませた後、接触時間として10分間静置した。アニオン交換体カラムの出口に1mLシリンジをセットし、シリンジで吸引してトロンビン溶液を回収した。このようにして作製したトロンビン溶液のゲル化の有無を目視で確認した。また、ゲル化のないトロンビン溶液は、回収後1〜3時間以内にトロンビン活性値を凝固時間法及び合成基質法で測定した。実施例1乃至26の結果を、表1、図1、及び図2に示す。
(比較例1〜15)
溶離液の塩化カルシウム二水和物の濃度を5mmol/L未満又は50mmol/Lより高くなるように調製したか、又は溶離液のイオン強度を0.17mol/L未満又は0.46mol/Lより高くなるように調製した以外は、実施例1〜26と同様に実験した。比較例1乃至15の結果を表2、図1、及び図2に示す。実施例1乃至26、及び比較例1乃至15の結果より、溶離液のカルシウムイオンが5mmol/Lより少ない場合、又はイオン強度が0.17mol/Lより低い場合は、トロンビン溶液のトロンビン活性値が低下することが示された。また、カルシウムイオンが50mmol/Lより多い、又はイオン強度が0.46mol/Lより高い場合は、得られるトロンビン溶液がゲル化することが示された。
(実施例27)
アニオン交換体と溶離液との接触時間を2分に変更した以外は、実施例13と同様の方法でトロンビン溶液を調製し、実施例13と同様にトロンビン溶液のゲル化の有無を確認し、トロンビン活性値の測定を行った。その結果、トロンビン溶液のゲル化はみられなかった。また、トロンビン活性値は凝固時間法で504U/mL、合成基質法で353U/mLであった。実施例13と比較し、溶離液との接触時間を2分に短縮しても同程度のトロンビン活性値を持つトロンビン溶液を調製できた。結果を表3に示す。
(実施例28)
アニオン交換体と溶離液との接触時間を5分に変更した以外は、実施例13と同様の方法でトロンビン溶液を調製し、実施例13と同様にトロンビン溶液のゲル化の有無を確認し、トロンビン活性値の測定を行った。その結果、トロンビン溶液にゲル化はみられなかった。また、トロンビン活性値は凝固時間法で473U/mL、合成基質法で340U/mLであった。実施例13と比較し、溶離液との接触時間を5分へ短縮しても同程度のトロンビン活性値を持つトロンビン溶液を調製できた。結果を表3に示す。
(比較例16)
アニオン交換体と溶離液との接触時間を30分に変更した以外は、比較例12と同様の方法でトロンビン溶液を調製し、比較例12と同様にトロンビン溶液のゲル化の有無を確認し、トロンビン活性値の測定を行った。その結果、トロンビン溶液にゲル化はみられなかった。また、トロンビン活性値は凝固時間法で188U/mL、合成基質法で128U/mLであった。比較例12と比較し、溶離液との接触時間を30分へ延長してもプロトロンビンからトロンビンへの活性化、溶出が不十分であり、トロンビン活性値は低かった。結果を表3に示す。
(実施例29)
アニオン交換体カラムに添加する溶離液の液量を1.0mLへ変更した以外は、実施例13と同様の方法でトロンビン溶液を調製し、実施例13と同様にトロンビン溶液のゲル化の有無を確認し、トロンビン活性値の測定を行った。その結果、トロンビン溶液にゲル化はみられなかった。また、トロンビン活性値は凝固時間法で285U/mL、合成基質法で196U/mLであった。実施例13と比較し、溶離液の液量を2倍へ増やすとトロンビン活性値は1/2となり、溶離液の液量を増してもトロンビンをほぼ同等に回収できた。
(実施例30)
アニオン交換体カラムにかけるヒト新鮮血液を16mLに変更した以外は、実施例13と同様の方法でトロンビン溶液を調製し、実施例13と同様にトロンビン溶液のゲル化の有無を確認し、トロンビン活性値の測定を行った。その結果、トロンビン溶液にゲル化はみられなかった。また、トロンビン活性値は凝固時間法で1030U/mL、合成基質法で729U/mLであった。実施例13と比較し、アニオン交換体カラムにかけるヒト新鮮血液を2倍に増やすとトロンビン活性値も2倍となり、アニオン交換体カラムにかけるヒト新鮮血液を増やした分、トロンビン活性値は上がった。
(実施例31)
実施例13で調製したトロンビン溶液を室温で24時間保存し、ゲル化の有無を確認し、トロンビン活性値の測定を行った。その結果、トロンビン溶液にゲル化はみられなかった。また、トロンビン活性値は凝固時間法で512U/mL、合成基質法で356U/mLであった。実施例13と比較し、トロンビン溶液を室温で24時間保存してもゲル化は発生せず、トロンビン活性値は安定であった。結果を表4に示す。
(実施例32)
実施例13で調製したトロンビン溶液を遠心分離し、微量に混在する赤血球を除去後、冷蔵4℃で2週間保存し、ゲル化の有無を確認し、トロンビン活性値の測定を行った。その結果、トロンビン溶液にゲル化はみられなかった。また、トロンビン活性値は凝固時間法で505U/mL、合成基質法で338U/mLであった。実施例13と比較し、トロンビン溶液を冷蔵4℃で2週間保存してもゲル化は発生せず、トロンビン活性値は安定であった。結果を表4に示す。
(実施例33)
実施例13で調製したトロンビン溶液を遠心分離し、微量に混在する赤血球を除去後、−20℃で3週間冷凍保存した。冷凍トロンビン溶液を室温で解凍後、ゲル化の有無を確認し、トロンビン活性値の測定を行った。その結果、トロンビン溶液にゲル化はみられなかった。また、トロンビン活性値は凝固時間法で519U/mL、合成基質法で356U/mLであった。実施例13と比較し、トロンビン溶液を冷凍−20℃で3週間保存してもゲル化は発生せず、トロンビン活性値は安定であった。結果を表4に示す。
(実施例34)
実施例13で調製したトロンビン溶液を遠心分離し、微量に混在する赤血球を除去後、−20℃で6ヶ月間冷凍保存した。冷凍トロンビン溶液を室温で解凍後、ゲル化の有無を確認し、トロンビン活性値の測定を行った。その結果、トロンビン溶液にゲル化はみられなかった。また、トロンビン活性値は凝固時間法で534U/mL、合成基質法で350U/mLであった。実施例13と比較し、トロンビン溶液を冷凍−20℃で6ヶ月間保存してもゲル化は発生せず、トロンビン活性値は安定であった。結果を表4に示す。
(実施例35)
実施例13で調製したトロンビン溶液を遠心分離し、トロンビン溶液に微量に混在する赤血球を除去し、トロンビン活性値を凝固時間法で測定した。その結果、凝固法によるトロンビン活性値は517U/mLであり、遠心分離操作によるトロンビン活性値の変化はみられなかった。
本発明は、血液を直接原料としたトロンビン溶液の調製方法として有用であり、得られたトロンビン溶液は、フィブリン糊や血小板ゲルの1成分として使用したり、止血剤として使用したりするなど、医療用途として有用である。

Claims (4)

  1. アニオン交換体を用いるトロンビン溶液の調製方法であって、血液をアニオン交換体と接触させて、血液に含まれるプロトロンビンを吸着させた後、5mmol/L以上50mmol/L以下のカルシウムイオンを含み、且つイオン強度が0.17mol/L以上0.46mol/L以下である溶離液をアニオン交換体と接触させて、ゲル化しないトロンビン溶液を得る、トロンビン溶液の調製方法。
  2. 前記溶離液とアニオン交換体の接触時間が2分以上10分以下である、請求項1に記載のトロンビン溶液の調製方法。
  3. 前記アニオン交換体がジエチルアミノエチル基を有するアニオン交換体である、請求項1又は2に記載のトロンビン溶液の調製方法。
  4. 前記溶離液をアニオン交換体と接触させる前に、該アニオン交換体を等張液で洗浄する、請求項1乃至3の何れかに記載のトロンビン溶液の調製方法。
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