JP2013094343A - ガイドワイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】
金属ロウ材との濡れ性が悪いタングステンを含んだコイルとコアシャフトとの接合強度を確保すると共に、ガイドワイヤのトルク伝達性を向上させたガイドワイヤを提供することを課題とする。
【解決手段】
ガイドワイヤ1は、コアシャフト2と、そのコアシャフト2を覆うコイル体3と、コアシャフト2とコイル体3とを固着する最先端部5、中間固着部6、及び基端固着部9とを備え、コイル体3は1本のタングステン線から成る芯線31と、この芯線31の外周を覆う様に巻回されている1本のステンレス線から成る側線32とから構成されている。
【選択図】図1
金属ロウ材との濡れ性が悪いタングステンを含んだコイルとコアシャフトとの接合強度を確保すると共に、ガイドワイヤのトルク伝達性を向上させたガイドワイヤを提供することを課題とする。
【解決手段】
ガイドワイヤ1は、コアシャフト2と、そのコアシャフト2を覆うコイル体3と、コアシャフト2とコイル体3とを固着する最先端部5、中間固着部6、及び基端固着部9とを備え、コイル体3は1本のタングステン線から成る芯線31と、この芯線31の外周を覆う様に巻回されている1本のステンレス線から成る側線32とから構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、ガイドワイヤに関する。
従来、血管、消化管、尿管等の管状器官や体内組織に挿入して、目的部位へ医療デバイス等を案内するために使用される種々のガイドワイヤが提案されてきた。
例えば、特許文献1に記載されたガイドワイヤは、先端コイルが複数の線材を撚合してなる撚線によりコイルスプリング形態に形成され、基端コイルが単線によりコイルスプリング形態に形成されており、ガイドワイヤの先端部の柔軟性とトルク伝達性との両立を図っている。
また、特許文献2に記載されたガイドワイヤのコイルワイヤは、先端部分が放射線不透過材料からなり他の部分が放射線透過性高弾性材料から成る第1のワイヤと、全体が放射線不透過性高弾性材料からなる第2のワイヤとから形成され、第2のワイヤとして高い曲げ剛性を有するタングステンを用いており、ガイドワイヤの先端部分の放射線不透過性と柔軟性との両立を図っている。
しかしながら、特許文献1に記載されたガイドワイヤは、複数の線材を撚合した撚線から形成した曲げ剛性の低い先端コイルと、単線の線材を巻回して形成した基端コイルとを備えていることから、先端コイルと基端コイルとの接合部前後の剛性の格差が生じ易い構成を有している為、この接合部がガイドワイヤの基端から先端方向にトルクを伝達する際に応力集中の起点となり、ガイドワイヤの基端のトルクをガイドワイヤの先端に十分に伝達することができなかった。
また、引用文献2に記載されたガイドワイヤは、コイルワイヤにタングステンを用いているものの、タングステンは金属ロウ材との濡れ性が悪い金属である為ロウ接が困難な材料であり、また、高い融点を有している金属である為他の部材と溶接を行うことが困難な材料である為、タングステンから成る第2のワイヤと第1のワイヤとの接合、及びタングステンを含むコイルワイヤとコアワイヤとの接合を十分に行うことができず、コイルワイヤがコアワイヤから離脱してしまう虞があった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、金属ロウ材との濡れ性が悪いタングステンを含んだコイルとコアシャフトとの接合強度を確保すると共に、ガイドワイヤのトルク伝達性を向上させたガイドワイヤを提供することを目的としている。
<1>本願請求項1に係る発明は、コアシャフトと、前記コアシャフトを覆うコイル体と、を備え、前記コイル体を形成するコイル素線は、タングステン線から成る芯線と、前記芯線の外周を覆う様に巻回されたステンレス線から成る側線と、を有し、前記コアシャフトと前記側線とは、金属ロウ材を介して固着されているガイドワイヤを特徴とする。
<2>請求項2に係る発明は、請求項1に記載のガイドワイヤにおいて、前記芯線を形成するタングステン線は1本であり、前記側線を形成するステンレス線は、少なくとも2本以上である、ガイドワイヤ。
<3>請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のガイドワイヤにおいて、前記金属ロウ材は、前記コアシャフトと前記コイル体との間の間隙を埋めるように充填されているガイドワイヤを特徴とする。
<4>請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のガイドワイヤにおいて、前記金属ロウ材は、前記芯線と前記側線との間の間隙を埋めるように充填されているガイドワイヤを特徴とする。
<1>請求項1に記載のガイドワイヤは、コイル体のコイル素線が、高い曲げ剛性を有するタングステン線を有していることから、コイル体のトルク伝達性を向上させることができ、延いては、ガイドワイヤのトルク伝達性を向上させることができる。
また、コイル体のコイル素線が、芯線にタングステン線、そして、側線にステンレス線を用いているので、金属ロウ材との濡れ性が悪いタングステン線(芯線)を、金属ロウ材との濡れ性が良いステンレス線(側線)を介してコアシャフトに対して固着することができ、延いては、タングステン線を含むコイル体とコアシャフトとの固着強度を向上させることができる。
また、コイル体のコイル素線が、芯線にタングステン線、そして、側線にステンレス線を用いているので、金属ロウ材との濡れ性が悪いタングステン線(芯線)を、金属ロウ材との濡れ性が良いステンレス線(側線)を介してコアシャフトに対して固着することができ、延いては、タングステン線を含むコイル体とコアシャフトとの固着強度を向上させることができる。
<2>請求項2に記載のガイドワイヤは、芯線であるタングステン線が1本、側線が少なくとも2本以上のステンレス線を使用しているので、コイル体のトルク伝達性をさらに向上させ、延いては、ガイドワイヤのトルク伝達性をさらに向上させることができる。
<3>請求項3に記載のガイドワイヤは、金属ロウ材が、コアシャフトとコイル体との間の間隙を埋めるように充填されていることから、コアシャフトとコイル体との固着をより確実なものとし、コアシャフトとタングステン線を含むコイル体との固着強度をさらに向上させることができる。
<4>請求項4に記載のガイドワイヤは、金属ロウ材が、コイル体の芯線と側線との間の間隙を埋めるように充填されていることから、金属ロウ材との濡れ性が悪いタングステン線から成る芯線の外周を金属ロウ材と、金属ロウ材との濡れ性が良好なステンレス線から成る側線とで覆う構造体となる為、コイル体からのタングステン線(芯線)の離脱を確実に防止することができ、引いては、コアシャフトとタングステン線を含むコイル体との固着をより確実にすることができる。
以下、本発明のガイドワイヤを図面に示す好適実施形態に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態のガイドワイヤ1を示す全体図である。
図1は、本発明の第1実施形態のガイドワイヤ1を示す全体図である。
なお、図1では、説明の都合上、左側を「基端側」、右側を「先端側」として説明する。
また、図1では、理解を容易にするため、ガイドワイヤ1の長さ方向を短縮し、全体的に模式的に図示しているため、全体の寸法は実際とは異なる。
また、図1では、理解を容易にするため、ガイドワイヤ1の長さ方向を短縮し、全体的に模式的に図示しているため、全体の寸法は実際とは異なる。
図1において、ガイドワイヤ1は、コアシャフト2と、コアシャフト2の先端部を覆うコイル体3と、コイル体3の先端とコアシャフト2の先端とを固着する最先端部5とを備えている。最先端部5の基端方向では、コイル体3とコアシャフト2とが、中間固着部6によって固着され、コイル体3の基端とコアシャフト2とが、基端固着部9によって固着されている。
尚、コアシャフト2とコイル体3とを固着している最先端部5、中間固着部6、及び、基端固着部9は、金属ロウ材から形成されている。
コイル体3のコイル素線は、1本のタングステン線の芯線31と、このタングステン線の芯線31の外周を覆う様に巻回された1本のステンレス線からなる側線32とから構成されている。
コイル体3に使用されているタングステン線は、高い曲げ剛性を有した金属線であり、また、ステンレス線は、熱処理や冷間加工を施すことで高い曲げ剛性を付与することのできる金属線である。タングステン線は金属ロウ材との濡れ性が悪い金属線であるものの、ステンレス線は、金属ロウ材との濡れ性が良い金属線である。
この為、本実施形態のコイル体3は、このコイル体3を構成する芯線31に高い曲げ剛性を有するタングステン線を用いているので、コイル体3のトルク伝達性を向上させることができ、延いては、ガイドワイヤ1のトルク伝達性を向上させることができる。
さらに、このコイル体3は、金属ロウ材との濡れ性が悪いタングステン線(芯線31)を、金属ロウ材との濡れ性が良いステンレス線(側線32)を介してコアシャフト2に対して固着することができるので、タングステン線を含むコイル体3とコアシャフト2との固着強度を向上させることができる。
また、コイル体3とコアシャフト2との固着に使用する金属ロウ材は、コイル体3のコイル素線の側線32とコアシャフト2との間隙を埋めるように充填されていることが好ましい。
このようにすることで、タングステン線を含むコイル体3とコアシャフト2との固着強度をさらに向上させることができる。
また、図示していないが、側線32は、側線32とこれに隣接する側線32とが密着するように密巻きされていても良いが、側線32とこれに隣接する側線32との間に、側線32の直径以下の間隙(ピッチ)を有するように、疎巻きとすることが好ましい。側線32とこれに隣接する側線32との間に間隙を設けることにより、金属ロウ材が側線32とこれに隣接する側線32との間隙に入り込みやすくなる為、コイル体3とコアシャフト2との固着強度をさらに高めることができる。
以下、本実施の形態における各要素の材料について記述する。コアシャフト2を形成する材料としては、例えば、金属ロウ材との濡れ性が良好な金属であれば、特に限定されるものではなく、ステンレス鋼(SUS304他)、ピアノ線等の材料を好適に使用することができる。
コアシャフト2とコイル体3とを固着する最先端部5、中間固着部6、及び基端固着部9を形成する金属ロウ材の材料としては、例えば、Sn−Pb合金、Pb−Ag合金、Sn−Ag、Au−Sn合金等の金属などがある。
尚、コアシャフト2やコイル体3の熱影響による機械的強度の低下を抑える為に、上述した材料のようにコアシャフト2やコイル体3を形成する材料の融点よりも低い融点を有する金属ロウ材を用いることが好ましく、さらに、コアシャフト2やコイル体3への熱影響による機械的強度の減少を確実に防止するためにも450度以下の融点を有する金属ロウ材を用いることがより好ましい。
特に、金属ロウ材の材料としては、金を主成分とした、例えば、Au−Sn合金のような金属ロウ材を用いることが好ましい。このようなAu−Sn合金のような金属ロウ材は、コイル体3の側線32を形成するステンレス線との濡れ性が高く、且つ、高い機械的強度を有している為、コイル体3と上述したコアシャフト2との固着強度を大幅に高めることができる。また、450度以下の融点を有するAu−Sn合金を用いることで、コアシャフト2やコイル体3への熱影響による機械的強度の減少を防止できる。
また、コイル体3のコイル素線の内、側線32であるステンレス線は、SUS302、SUS304、又はSUS316等の準オーステナイト系ステンレスから形成されることが好ましい。準オーステナイト系ステンレスは、伸線加工(冷間加工)されることで準オーステナイト系ステンレスの結晶構造がマルテンサイト化(変態)し、曲げ剛性、硬度、引張強度といった機械的な強度を大幅に向上させることができる。この為、コイル体3のコイル素線の側線32を準オーステナイト系ステンレス線で形成すると、コイル体3の機械的強度をさらに高めることができ、延いては、ガイドワイヤ1のトルク伝達性を大幅に向上させることができる。
また、コアシャフト2とコイル体3とを組み付ける際には、固着を行なう位置に予めフラックスを塗布しておくことが好ましい。これにより、コアシャフト2とコイル体3に対する金属ロウ材の濡れ性が良好となり、固着強度をさらに向上させることができる。
また、図示していないが、ガイドワイヤ1のコイル体3の外周に、親水性や疎水性の潤滑剤を被覆することができる。これにより、ガイドワイヤ1とガイドワイヤ1に接触する被接触物(例えば、カテーテルの内面や、血管の内壁等)との滑り性を向上させることができ、延いては、ガイドワイヤ1のトルク伝達性をさらに向上させることができる。
本実施形態のガイドワイヤ1は、次の方法で作製することができる。
まず、金属線の一端をセンタレス研磨機によって外周研削し、先端部の外径が減少したコアシャフト2を作製する。
まず、金属線の一端をセンタレス研磨機によって外周研削し、先端部の外径が減少したコアシャフト2を作製する。
次に、コイル製造装置のコイル用の芯金としてタングステン線を用い、このタングステン線にステンレス線を巻回して、ステンレス線がタングステン線に巻回された状態で熱処理(150度〜500度)を行って芯線31がタングステン線から成り、側線32がステンレス線から成るコイル素線を形成する。
次に、コイル製造装置を用い、このコイル素線をコイル用の芯金(ステンレス線や銅線等)の外周に巻回形成し、熱処理(150度〜500度)を行い、
その後、コイル用の芯金を引抜くことで、コイル体3を形成する。
次に、コイル製造装置を用い、このコイル素線をコイル用の芯金(ステンレス線や銅線等)の外周に巻回形成し、熱処理(150度〜500度)を行い、
その後、コイル用の芯金を引抜くことで、コイル体3を形成する。
次に、コアシャフト2の先端をコイル体3の基端から挿入し、コイル体3の基端とコアシャフト2とをハンダごて等を用いて金属ロウ材で固着して、基端固着部9を形成する。
次に、コイル体3の先端とコアシャフト2の先端とをハンダごて等を用いて金属ロウ材で固着して、最先端部5を形成する。
最後に、最先端部5の基端方向にて、コアシャフト2とコイル体3とを金属ロウ材で固着して、中間固着部6を形成することで、ガイドワイヤ1を得ることができる。
また、これに限らず、公知の方法によってガイドワイヤ1を作製することができる。例えば、予めコイル状に形成した側線32の内部に芯線31となるタングステン線を挿入してコイル体3を形成しても良く、また、最先端部5の形状が付された金型を用いて、コアシャフト2の先端とコイル体3の先端とをセットし、この金型に溶融した金属ロウ材を流し込むことで、最先端部5を形成しても良い。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のガイドワイヤ11について、図2を用いて、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。第1実施形態と共通する部分については、図中では同じ符号を付すこととする。
なお、図2は、理解を容易にするため、ガイドワイヤ11の長さ方向を短縮し、ガイドワイヤ11の全体を模式的に図示しているため、全体の寸法は実際とは異なる。
次に、第2実施形態のガイドワイヤ11について、図2を用いて、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。第1実施形態と共通する部分については、図中では同じ符号を付すこととする。
なお、図2は、理解を容易にするため、ガイドワイヤ11の長さ方向を短縮し、ガイドワイヤ11の全体を模式的に図示しているため、全体の寸法は実際とは異なる。
図2において、ガイドワイヤ11のコイル体13のコイル素線が、1本のタングステン線から成る芯線31と、この芯線31の外周を覆う様に巻回された2本のステンレス線から成る側線132と、から構成されている点を除けば、第1実施形態と同じ形態を有している。
このように、第2実施形態のガイドワイヤ11は、コイル体13のコイル素線が、1本のタングステンからなる芯線31と、この芯線31の外周を覆う様に巻回された2本のステンレス線から成る側線132と、から構成されているので、コイル素線の曲げ剛性等の機械的強度を向上させることができ、延いては、ガイドワイヤ11のトルク伝達性をさらに向上させることができる。
また、側線132の2本のステンレス線の内、一方のステンレス線の外径を他方のステンレス線の外径よりも細くすることで、金属ロウ材が外径の細い他方のステンレス線の外周を覆いやすくなる。これにより、コイル体13のコイル素線の機械的強度を向上させながら、コイル体13とコアシャフト2との固着強度をさらに高めることができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態のガイドワイヤ21について、図3(a)、(b)、及び(c)を用いて、第1実施形態と第2実施形態とは異なる点を中心に説明する。第1実施形態と第2実施形態と共通する部分については、図中では同じ符号を付すこととする。
なお、図3(a)は、理解を容易にするため、ガイドワイヤ21の長さ方向を短縮し、ガイドワイヤ21の全体を模式的に図示しているため、全体の寸法は実際とは異なる。また、図3(b)は図3(a)のA部分を拡大した図であり、図3(c)は図3(b)のコイル体のコイル素線の変形例を示す図である。
次に、第3実施形態のガイドワイヤ21について、図3(a)、(b)、及び(c)を用いて、第1実施形態と第2実施形態とは異なる点を中心に説明する。第1実施形態と第2実施形態と共通する部分については、図中では同じ符号を付すこととする。
なお、図3(a)は、理解を容易にするため、ガイドワイヤ21の長さ方向を短縮し、ガイドワイヤ21の全体を模式的に図示しているため、全体の寸法は実際とは異なる。また、図3(b)は図3(a)のA部分を拡大した図であり、図3(c)は図3(b)のコイル体のコイル素線の変形例を示す図である。
図3(a)および(b)において、ガイドワイヤ21は、コイル体23のコイル素線が1本のタングステン線から成る芯線31と、この芯線31の外周を覆う様に巻回された8本のステンレス線から成る側線232と、から構成されている点を除けば、第1実施形態と同じ形態を有している。
このように、第3実施形態のガイドワイヤ21は、コイル体23のコイル素線が、1本のタングステンからなる芯線31と、この芯線31の外周を覆う様に巻回された8本のステンレス線から成る側線232と、から構成されているので、コイル素線の曲げ剛性等の機械的強度をさらに向上させることができ、延いては、ガイドワイヤ21のトルク伝達性を大幅に向上させることができる。
また、コイル体23のコイル素線の側線232が8本のステンレス線から成る為、この側線232の外周(各ステンレス線の間)には、凹状部7が形成されている。図3(b)に示しているように、この凹状部7に中間固着部6を形成する金属ロウ材が入り込む為、金属ロウ材との濡れ性が悪いタングステンを含むコイル素線から成るコイル体23とコアシャフト2との固着強度を大幅に向上させることができる。
また、コイル体23のコイル素線の側線232を構成するステンレス線の本数を増やすことで、コイル体23の芯線31と側線232との間の間隙8に金属ロウ材が充填され易くなる。
金属ロウ材が、このようにコイル体23の芯線31と側線232との間の間隙8に充填されることで、金属ロウ材との濡れ性が悪いタングステン線から成る芯線31の外周を金属ロウ材と、金属ロウ材との濡れ性が良好なステンレス線から成る側線232とで覆う構造体となる為、コイル体23からのタングステン線(芯線)の離脱を確実に防止することができ、引いては、コアシャフト2とタングステン線を含むコイル体23との固着をより確実にすることができる。
図3(c)は、図3(b)のコイル体のコイル素線の変形例を示す図である。コイル体23のコイル素線は、1本のタングステンからなる芯線31と、この芯線31の外周を覆う様に巻回された8本のステンレス線から成る側線(232・332)から構成されている。この8本の側線(232・332)は、7本の太径の側線232と1本の細径の側線332とから構成されている。
このように、側線(232・332)が、太径の側線232と細径の側線332と、から構成されていることから、細径の側線332の外周を金属ロウ材が覆い易くなる為、金属ロウ材との濡れ性が悪いタングステンを含むコイル素線から成るコイル体23とコアシャフト2との固着強度を大幅に向上させることができる。
この変形例では、太径の側線232を7本、細径の側線332を1本としているが、これに限定されることなく、細径の側線332を複数本用いても良い。より好ましくは、細径の側線332の本数は、太径の側線232の本数よりも少なくするのが良い。細径の側線332の本数を太径の側線232の本数よりも少なくすることにより、コイル体23のコイル素線の強度を確保することができ、さらに、金属ロウ材が細径の側線332の外周を覆いやすくなる。
また、図3(a)や図3(b)に記載されている第3の実施形態及び図3(c)に記載されている第3の実施形態の変形例では、側線(232・332)の本数を8本としているが、これに限定されることなく、3本以上で側線(232・332)を構成していれば良い。
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想内において、当業者による種々の変更が可能である。
例えば、本発明の変形例の一例であるガイドワイヤ101を図4に示す。ガイドワイヤ101のコイル体33は、第1の実施形態のガイドワイヤ1のコイル体3のコイル素線(芯線31と側線32)と、第3実施形態のガイドワイヤ21のコイル体23のコイル素線(芯線31と側線232)とから構成されている。
コイル体のコイル素線は、芯線と側線の外径が同じであれば、第1の実施形態のコイル体3は、第3の実施形態のコイル体23よりもより柔軟性に優れている。治療目的の部位(例えば、冠動脈の末梢血管等)によっては、ガイドワイヤの先端部にトルク伝達性を確保した中で柔軟性も求められることもある為、この変形例のように、コイル体3のコイル素線とコイル体23のコイル素線とを組み合わせることで、トルク伝達性を確保しつつ、柔軟性を付与することもできる。
よって、本発明のガイドワイヤに求められる柔軟性に応じて、コイル体のコイル素線を選択すれば良い。また、コイル体31を構成する素線として、例えば、第1の実施形態のガイドワイヤ1のコイル体3のコイル素線を2本、第3の実施形態のガイドワイヤ21のコイル体23のコイル素線を1本とする等してそれぞれの素線の本数を組み合わせることもできる。
また、別の変形例であるガイドワイヤ111を図5に示す。ガイドワイヤ111のコイル体43は、第3の実施形態のガイドワイヤ21のコイル体23のコイル素線と、このコイル体23と同じ構成を有し、且つ、コイル体23のコイル素線を構成する芯線31と側線32よりも外径の太い芯線131と側線432から成るコイル素線とから構成されている。さらに、コイル体43は、側線(232と432)を形成するステンレス線の各素線による凹状部(図3(b)の凹状部7に相当)と、太径のコイル素線と細径のコイル素線との組合せによる凹状部17とを有している。
ガイドワイヤ111のコイル体43がこのような構成を有することにより、コイル体43のコイル素線の引張強度や曲げ剛性等の機械的強度を向上させ、延いては、ガイドワイヤ111のトルク伝達性を大幅に高めることができる。さらに、コイル体43のコイル素線が、側線(232と432)による凹状部と、太径のコイル素線と細径のコイル素線の組合せによる凹状部17と、を有しているので、金属ロウ材がこれらの凹状部を覆うことにより、金属ロウ材との濡れ性が悪いタングステンを含むコイル素線から成るコイル体43とコアシャフト2との固着強度を大幅に向上させることができる。
1、11、21、101、111 ガイドワイヤ
2 コアシャフト
3、13、23、33、43 コイル体
31、131 芯線(コイル素線)
32、132、232、332、432 側線(コイル素線)
5 最先端部
6 中間固着部
7、17 凹状部
8 間隙(芯線と側線との間)
9 基端側固着部
2 コアシャフト
3、13、23、33、43 コイル体
31、131 芯線(コイル素線)
32、132、232、332、432 側線(コイル素線)
5 最先端部
6 中間固着部
7、17 凹状部
8 間隙(芯線と側線との間)
9 基端側固着部
Claims (4)
- コアシャフトと、
前記コアシャフトを覆うコイル体と、を備え、
前記コイル体を形成するコイル素線は、タングステン線から成る芯線と、前記芯線の外周を覆う様に巻回されたステンレス線から成る側線と、を有し、
前記コアシャフトと前記側線とは、金属ロウ材を介して固着されている、ガイドワイヤ。 - 請求項1に記載のガイドワイヤにおいて、
前記芯線を形成するタングステン線は1本であり、
前記側線を形成するステンレス線は、少なくとも2本以上である、ガイドワイヤ。 - 請求項1または請求項2に記載のガイドワイヤにおいて、
前記金属ロウ材は、前記コアシャフトと前記コイル体との間の間隙を埋めるように充填されている、ガイドワイヤ。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のガイドワイヤにおいて、
前記金属ロウ材は、前記芯線と前記側線との間の間隙を埋めるように充填されている、ガイドワイヤ。
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