JP2013093710A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】N個の反射素子5nにおける主偏波方向6の寸法が、一次放射器1から当該反射素子5nまでの距離dnと所望方向のビーム走査位相θb,φbとから決まる反射位相φに対応する寸法Ly nに設定され、N個の反射素子5nにおける交差偏波方向7の寸法が、同一の寸法L0に設定されている
【選択図】図1
Description
近年では、パラボラアンテナと比較して、製造が容易でかつ高利得が期待でき、また、フェーズドアレーアンテナのような高価で重いモジュールを用いずにビーム走査が可能なアンテナとしてリフレクトアレーアンテナが注目を集めている。
ここで、リフレクトアレーアンテナは、電波を放射する一次放射器と、その一次放射器から放射された電波を反射する平面反射鏡とから構成されているアンテナ装置であり、また、リフレクトアレーアンテナの平面反射鏡は、導体地板の上に誘電体基板が重ねられ、その誘電体基板上に導体パターンである反射素子が複数個配置されて構成されている。
平面反射鏡には、一次放射器からの光路長が一定となるような反射位相を有する反射素子が複数個配置されることで、一次放射器から放射された電波のビームが所望方向に向けられる。
なお、反射素子の寸法を適宜変更することで反射位相を調整する場合、全ての反射素子における主偏波方向及び交差偏波方向の寸法が、同一の寸法に設定されることが一般的である。
図1はこの発明の実施の形態1によるアンテナ装置を示す構成図である。
図1において、一次放射器1は電波を放射する機器であり、平面反射鏡2の開口からオフセットさせた位置に配置されている。
図1では、一次放射器1が平面反射鏡2の下側にオフセットされた位置に配置されている例を示しているが、下側に限るものではなく、上側や左側あるいは右側にオフセットされた位置に配置されていてもよい。
一次放射器1が平面反射鏡2の開口からオフセットさせた位置に配置されることで、平面反射鏡2により反射された電波が一次放射器1に重なってしまうなどの状況の発生を防止することができるが、例えば、主偏波の主ビーム方向が一次放射器1に重ならない等の場合には、一次放射器1が平面反射鏡2の開口の前面に配置されていてもよい。この場合、アンテナ装置の設置スペースを小さくすることができる。
この場合、一次放射器1は、電波を受信する受信機器として作用する。
以下、N個の反射素子5を区別するために、各々の反射素子の符号を5nとして識別する。n=1,2,・・・,Nである。
反射素子5nにおける主偏波方向6の寸法Ly nについては、一次放射器1から平面反射鏡2までの光路長が一定になる反射位相φ、即ち、一次放射器1から反射素子5nまでの距離dnと所望方向のビーム走査位相θb,φbとから決まる反射位相φに対応する寸法L(n)に設定されている。
また、反射素子5nにおける交差偏波方向7の寸法Lx nについては、一定の反射位相になるように、全ての反射素子5nにおいて同一の寸法L0に設定されている。
なお、反射素子5nにおける交差偏波方向7の寸法Lx nは固定長(同一の寸法L0)であるが、図1の例では、反射素子5nにおける交差偏波方向7の寸法Lx nが電波の略半波長に設定されている。
なお、主偏波の主ビーム方向8は所望方向に調整されており、所望方向のビーム走査位相はθb,φbで表される。
ただし、図2では、図面の簡略化のため、反射素子5nの記述を省略している。
一次放射器1から放射された電波は、平面反射鏡2の誘電体基板4上に配置されているN個の反射素子5nに反射されて、ビームが所望方向に向けられる(主偏波の主ビーム方向8が所望方向に向けられる)。
ただし、この実施の形態1では、全ての反射素子5nにおいて、主偏波方向6の寸法Ly nと交差偏波方向7の寸法Lx nとが同一の寸法に設定されることに起因する不具合(主偏波の主ビーム方向ではヌル、主ビーム方向の近傍では高いレベルの交差偏波の主ビームが現れてしまう不具合)の発生を防止するため、全ての反射素子5nにおいて、主偏波方向6の寸法Ly nと交差偏波方向7の寸法Lx nとが同一の寸法に設定されないようにしている。
まず、平面反射鏡2の誘電体基板4上に所定の間隔で配置されるN個の反射素子5nについて、平面反射鏡2における反射素子5nの配置位置(x座標、y座標)である座標(xn,yn)を特定する。
次に、各々の反射素子5nの配置位置と一次放射器1の配置位置から、一次放射器1から各々の反射素子5nまでの距離dnを特定する。
次に、主偏波の主ビーム方向8を向ける方向(所望方向)を表すビーム走査位相θb,φbを特定する。
φ=k0dn−k0(xnsinθbcosφb+ynsinθbsinφb)
(1)
ただし、k0は自由空間における波数である。
また、図4は一次放射器1から平面反射鏡2までの光路長が一定になる主偏波方向の位相分布を示す説明図である。
図5は反射素子5nの寸法と反射位相φの対応関係を示す説明図である。
図5から明らかなように、反射素子5nの反射位相φから反射素子5nの寸法を一意に決定することができる。換言すると、反射素子5nの寸法を変更すれば、反射素子5nの反射位相φを調整することができる。
したがって、具体的には、図5に示すような対応関係を予め用意し、その対応関係を参照して、反射素子5nの反射位相φに対応する寸法L(n)を特定し、その寸法L(n)を反射素子5nにおける主偏波方向6の寸法Ly nとして設定すればよい。
反射素子5nにおける交差偏波方向7の寸法Lx nについては、一定の反射位相になるように、全ての反射素子5nにおいて同一の寸法L0に設定する。
具体的には、反射素子5nにおける交差偏波方向7の寸法Lx nを電波の略半波長に設定する。
図6において、Aは主偏波のビームの放射特性を表し、Bは主偏波方向6の寸法と交差偏波方向7の寸法とを同一寸法に設定した場合の交差偏波のビームの放射特性を表している。
また、Cは交差偏波方向7の寸法を固定長とした場合の交差偏波のビームの放射特性を表している。
図6から明らかなように、主偏波方向6の寸法と交差偏波方向7の寸法とを同一寸法に設定した場合、主偏波の主ビーム方向にヌル、その主ビーム方向の近傍に大きいレベルの交差偏波の主ビームが存在することが分かる。
一方、交差偏波方向7の寸法を固定長とした場合、交差偏波の主ビームが主偏波の主ビーム方向に向かないため、交差偏波レベルの低減が可能である。
なお、図7は交差偏波方向7の寸法を固定長とした場合の交差偏波方向7の位相分布を示す説明図である。
図7に示すように、交差偏波方向7の位相分布は一定である。
上記実施の形態1では、各々の反射素子5nの形状が矩形であるものを示したが、反射素子5nの形状は矩形であるものに限るものではなく、例えば、図8〜図12に示すような形状であってもよい。
図8〜図12に示すような形状であれば、主偏波方向6の寸法と交差偏波方向7の寸法を独立に調整することが可能であるため、主偏波と交差偏波の反射位相を個別に調整することができる。
また、図10は2つのダイポールを直交させた任意の幅Wを有するクロスダイポールとなる反射素子5を示している。
さらに、図11は任意の幅Wのスロットが施された矩形の反射素子5を示し、図12は図10のクロスダイポールが任意の幅Wを有するリング状の反射素子5を示している。
なお、図8〜図12に示す反射素子5の主偏波方向6の寸法Ly n及び交差偏波方向7の寸法Lx nの決定方法は、上記実施の形態1と同様である。
図13はこの発明の実施の形態3によるアンテナ装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
上記実施の形態1,2では、N個の反射素子5nにおける交差偏波方向7の寸法が、同一の寸法L0に設定されているものを示したが、当該反射素子5nが平面反射鏡2に配置されている位置(xn,yn)の反射位相に対応する寸法Lx’ nに設定されているようにしてもよい。
具体的には、以下の通りである。
一方、反射素子5nにおける交差偏波方向7の寸法Lx’ nについては、当該反射素子5nが平面反射鏡2に配置されている位置(xn,yn)の反射位相に対応する寸法に設定される。
図14では、平面反射鏡2の開口中心部及び開口端部の反射位相φと比べて、開口中心部と開口端部の間の反射位相φが大きい位相分布の例を示している。
反射素子5nの寸法と反射位相φの対応関係が図5に示すような対応関係であれば、開口中心部及び開口端部に配置される反射素子5nにおける交差偏波方向7の寸法Lx’ nは、開口中心部と開口端部の間に配置される反射素子5nにおける交差偏波方向7の寸法Lx’ nより短いものとなる。
その後、交差偏波方向7の開口端部に近づくにしたがって反射位相φが徐々に小さくなるため、交差偏波方向7の開口端部に近づくにしたがって反射素子5nにおける交差偏波方向7の寸法Lx’ nが徐々に短くなるように設定する。
なお、図13に示している反射素子5nの交差偏波方向7の寸法Lx’ nは、図14が示す反射位相φに対応する寸法となっている。
ただし、図15の場合、開口中心部の左右の位相分布が半円で表されているため、左右の半円の中心で反射位相が大きくなり、開口中心部及び開口端部の反射位相が零になっている。
上記実施の形態3では、平面反射鏡2における反射位相の位相分布φが、開口中心部及び開口端部と比べて、開口中心部と開口端部の間が大きいものを示したが、平面反射鏡2における反射位相φの中で、開口中心部の反射位相φが最も大きく、開口端部に近い位置ほど反射位相φが小さくなる位相分布が適用されてもよく、上記実施の形態3と同様の効果を奏することができる。
図16では、平面反射鏡2における反射位相φの中で、開口中心部の反射位相φが最も大きく、開口端部に近い位置ほど反射位相φが小さくなる位相分布の例を示している。
反射素子5nの寸法と反射位相φの対応関係が図5に示すような対応関係であれば、開口中心部に配置される反射素子5nにおける交差偏波方向7の寸法Lx’ nが最も長く、開口端部に近い位置に配置される反射素子5nほど、交差偏波方向7の寸法Lx’ nが短いものとなる。
上記実施の形態3では、平面反射鏡2における反射位相の位相分布φが、開口中心部及び開口端部と比べて、開口中心部と開口端部の間が大きいものを示したが、平面反射鏡2における反射位相φの中で、一方の開口端部の反射位相φが最も大きく、他方の開口端部に近い位置ほど反射位相φが線形的に小さくなる位相分布が適用されてもよく、上記実施の形態3と同様の効果を奏することができる。
図18では、平面反射鏡2における反射位相φの中で、一方の開口端部の反射位相φが最も大きく、他方の開口端部に近い位置ほど反射位相φが線形的に小さくなる位相分布の例を示している。
反射素子5nの寸法と反射位相φの対応関係が図5に示すような対応関係であれば、一方の開口端部に配置される反射素子5nにおける交差偏波方向7の寸法Lx’ nが最も長く、他方の開口端部に近い位置に配置される反射素子5nほど、交差偏波方向7の寸法Lx’ nが短いものとなる。
上記実施の形態3では、平面反射鏡2における反射位相の位相分布φが、開口中心部及び開口端部と比べて、開口中心部と開口端部の間が大きいものを示したが、平面反射鏡2の開口中心部及び開口端部の反射位相φと比べて、開口中心部と開口端部の間の反射位相φが小さい位相分布が適用されてもよく、上記実施の形態3と同様の効果を奏することができる。
図19では、平面反射鏡2の開口中心部及び開口端部の反射位相φと比べて、開口中心部と開口端部の間の反射位相φが小さい位相分布の例を示している。
反射素子5nの寸法と反射位相φの対応関係が図5に示すような対応関係であれば、開口中心部及び開口端部に配置される反射素子5nにおける交差偏波方向7の寸法Lx’ nは、開口中心部と開口端部の間に配置される反射素子5nにおける交差偏波方向7の寸法Lx’ nより長いものとなる。
その後、交差偏波方向7の開口端部に近づくにしたがって反射位相φが徐々に大きくなるため、交差偏波方向7の開口端部に近づくにしたがって反射素子5nにおける交差偏波方向7の寸法Lx’ nが徐々に長くなるように設定する。
上記実施の形態3では、平面反射鏡2における反射位相の位相分布φが、開口中心部及び開口端部と比べて、開口中心部と開口端部の間が大きいものを示したが、平面反射鏡2における反射位相φの中で、開口中心部の反射位相φが最も小さく、開口端部に近い位置ほど反射位相φが大きくなる位相分布が適用されてもよく、上記実施の形態3と同様の効果を奏することができる。
図20では、平面反射鏡2における反射位相φの中で、開口中心部の反射位相φが最も小さく、開口端部に近い位置ほど反射位相φが大きくなる位相分布の例を示している。
反射素子5nの寸法と反射位相φの対応関係が図5に示すような対応関係であれば、開口中心部に配置される反射素子5nにおける交差偏波方向7の寸法Lx’ nが最も短く、開口端部に近い位置に配置される反射素子5nほど、交差偏波方向7の寸法Lx’ nが長いものとなる。
Claims (14)
- 電波を放射する一次放射器と、
上記一次放射器から放射された電波を反射する平面反射鏡とを備えたアンテナ装置において、
上記平面反射鏡は、導体地板の上に誘電体基板が重ねられ、上記誘電体基板上に導体パターンである反射素子が所定の間隔で複数個配置されて構成されており、
上記複数の反射素子における主偏波方向の寸法は、上記一次放射器から当該反射素子までの距離と所望方向のビーム走査位相とから決まる反射位相に対応する寸法に設定され、
上記複数の反射素子における交差偏波方向の寸法は、同一の寸法に設定されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 複数の反射素子における交差偏波方向の寸法が電波の略半波長に設定されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
- 電波を放射する一次放射器と、
上記一次放射器から放射された電波を反射する平面反射鏡とを備えたアンテナ装置において、
上記平面反射鏡は、導体地板の上に誘電体基板が重ねられ、上記誘電体基板上に導体パターンである反射素子が所定の間隔で複数個配置されて構成されており、
上記複数の反射素子における主偏波方向の寸法は、上記一次放射器から当該反射素子までの距離と所望方向のビーム走査位相とから決まる反射位相に対応する寸法に設定され、
上記複数の反射素子における交差偏波方向の寸法は、当該反射素子が上記平面反射鏡に配置されている位置の反射位相に対応する寸法に設定されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 平面反射鏡の開口中心部及び開口端部の反射位相と比べて、上記開口中心部と上記開口端部の間の反射位相が大きい位相分布である場合、上記開口中心部及び上記開口端部に配置される反射素子における交差偏波方向の寸法が、上記開口中心部と上記開口端部の間に配置される反射素子における交差偏波方向の寸法より短いことを特徴とする請求項3記載のアンテナ装置。
- 平面反射鏡における反射位相の位相分布は、開口中心部と開口端部の間が山形状をなし、上記開口中心部が谷形状をなしていることを特徴とする請求項4記載のアンテナ装置。
- 開口中心部及び開口端部の反射位相が零であることを特徴とする請求項4記載のアンテナ装置。
- 平面反射鏡における反射位相の中で、開口中心部の反射位相が最も大きく、開口端部に近い位置ほど反射位相が小さくなる位相分布である場合、上記開口中心部に配置される反射素子における交差偏波方向の寸法が最も長く、上記開口端部に近い位置に配置される反射素子ほど、交差偏波方向の寸法が短いことを特徴とする請求項3記載のアンテナ装置。
- 平面反射鏡における反射位相の位相分布が正規分布であることを特徴とする請求項7記載のアンテナ装置。
- 平面反射鏡における反射位相が線形的に変化していることを特徴とする請求項7記載のアンテナ装置。
- 平面反射鏡における反射位相の中で、一方の開口端部の反射位相が最も大きく、他方の開口端部に近い位置ほど反射位相が線形的に小さくなる位相分布である場合、一方の開口端部に配置される反射素子における交差偏波方向の寸法が最も長く、他方の開口端部に近い位置に配置される反射素子ほど、交差偏波方向の寸法が短いことを特徴とする請求項3記載のアンテナ装置。
- 平面反射鏡の開口中心部及び開口端部の反射位相と比べて、上記開口中心部と上記開口端部の間の反射位相が小さい位相分布である場合、上記開口中心部及び上記開口端部に配置される反射素子における交差偏波方向の寸法が、上記開口中心部と上記開口端部の間に配置される反射素子における交差偏波方向の寸法より長いことを特徴とする請求項3記載のアンテナ装置。
- 平面反射鏡における反射位相の中で、開口中心部の反射位相が最も小さく、開口端部に近い位置ほど反射位相が大きくなる位相分布である場合、上記開口中心部に配置される反射素子における交差偏波方向の寸法が最も短く、上記開口端部に近い位置に配置される反射素子ほど、交差偏波方向の寸法が長いことを特徴とする請求項3記載のアンテナ装置。
- 平面反射鏡の開口からオフセットさせた位置に一次放射器が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項12のうちのいずれか1項記載のアンテナ装置。
- 平面反射鏡の開口の前面に一次放射器が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項12のうちのいずれか1項記載のアンテナ装置。
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