JP2013089435A - 端子、および、端子を備えたインバータ装置 - Google Patents

端子、および、端子を備えたインバータ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】端子の寸法を大型化させることなく、溶接時に、固定されている端子の端部に板厚方向の応力が加わるのを抑制する。
【解決手段】一方向に延在し、延在方向の一方端部が板厚方向に存在する他の導電部材に溶接され、延在方向の他方端部が固定された板状の端子は、一方端部に働く板厚方向への応力を、他方端部に向かうに従って板厚方向に向けて変化させる形状である。
【選択図】図4

Description

本発明は、溶接を行う端子、および、溶接を行う端子を備えたインバータ装置に関する。
特許文献1には、インバータ装置における導電性金属部材同士をTIGなどのアーク溶接によって溶融接合する場合において、溶接する端子に弾性変形部を設けることによって、溶接歪によって金属部材の根本部に加わる応力を弾性変形部で吸収する技術が開示されている。
特開2005−243698号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、端子に弾性変形部を設けるため、端子の寸法が大型化してしまうという問題が生じる。
本発明は、溶接を行う端子の寸法を大型化させることなく、溶接時に、固定されている端子端部に板厚方向の応力が加わるのを抑制することができる技術を提供することを目的とする。
本発明による端子は、一方向に延在し、延在方向の一方端部が板厚方向に存在する他の導電部材に溶接され、延在方向の他方端部が固定された板状の形状である。この端子において、一方端部に働く板厚方向への応力を、他方端部に向かうに従って板厚方向に直交する方向に向けて変化させる形状とした。
本発明によれば、板厚方向への応力が一方端部に働いた場合に、この応力は、他方端部に向かうに従って、板厚方向と直交する方向に向けて変化するので、固定されている他方端部において、板厚方向への応力が加わるのを抑制することができる。
図1は、TIG溶接の概要を説明するための図である。 図2は、端子間でTIG溶接などのアーク溶接を行った場合に、端子先端部に形成される溶接ナゲットが熱収縮することによって、端子間に力が加わる様子を説明するための図である。 図3は、溶接を行う端子を備えた半導体モジュールの外観を示す図である。 図4は、第1の実施形態における端子の外観を示す図である。 図5は、溶接ナゲットの熱収縮が起こった際に、端子の各部に加わる力の向きを説明するための図である。 図6は、溶接ナゲットの熱収縮が起こった際に、端子の各部において、面直方向に働く力の大きさを説明するための図である。 図7は、第2の実施形態における端子の外観を示す図である。 図8は、第3の実施形態における端子の外観を示す図である。 図9は、第3の実施形態における端子において、溶接ナゲットの熱収縮が起こった際に、端子の先端部の各部において、面直方向に働く力の大きさを説明するための図である。 図10は、第4の実施形態における端子の外観を示す図である。 図11は、第5の実施形態における端子の外観を示す図である。
例えば、インバータ装置に用いられる半導体モジュールの端子などのような端子を溶接する際に、TIG(タングステン・イナートガス)溶接や、レーザー溶接などを行う技術が知られている。
図1は、TIG溶接の概要を説明するための図である。図1(a)〜(c)はそれぞれ、TIG溶接を行う2つの端子101、102をアース用導電性部材103で挟み込んだ状態を示す上面図、側面図、正面図である。また、図1(d)は、2つの端子101、102を溶接する様子を示す図である。
TIG溶接を行う場合、図1(a)〜(c)に示すように、TIG溶接を行う2つの端子101、102を、アースクランプなどのアース用(接地用)導電性部材103で挟み込んで接地する。接地後、図1(d)に示すように、溶接トーチ104によって、導電性部材103に向けてアーク放電を開始し、端子101と端子102の先端部をその熱によって溶融接合する。溶接トーチ104には、例えば、タングステン電極を用いる。また、溶接時には、溶融した瞬間の母材の酸化を防ぐために、不活性ガスであるアルゴンガスを照射する。溶融接合後の溶接端子部には、溶接ナゲットといわれる溶接痕ができあがる。
なお、TIG溶接では、母材にメッキが施してある場合でも接合することが可能である。
図2は、端子間でTIG溶接などのアーク溶接を行った場合に、端子先端部に形成される溶接ナゲットが熱収縮することによって、端子間に力が加わる様子を説明するための図である。
図2(a)は、溶接前の端子201および端子202を示す図である。この後、図2(a)の上方向から、端子201および端子202の溶接を実施する。
図2(b)は、溶接時の端子201および端子202の状態を示す図である。アーク溶接時には、図2(b)に示すように、端子201および端子202の先端部に、溶接ナゲット203が形成される。このとき、例えば、母材が銅であれば、端子先端部の温度は、銅の融点である1080℃程度まで上昇する。
図2(c)は、溶接後の端子201および端子202を示す図である。アーク溶接が終了すると、溶接ナゲット203の温度は、溶接時の高温から周囲環境温度まで低下する。これにより、溶接ナゲット203は熱収縮を起こすので、端子201および端子202には、互いに近づく方向(図2(c)の矢印の方向)の力が発生する。この端子間距離を狭める方向の力が発生することにより、端子201の根本の固定部、および、端子202の根本の固定部には応力が発生する。
図3は、溶接を行う端子302および端子303を備えた半導体モジュール301の外観を示す図である。半導体モジュール301は、大電流を流すための導電性金属体である端子302と端子303を有し、絶縁性があるエポキシ樹脂やPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂などの樹脂によって形成されている。
上述したように、アーク溶接後には、溶接ナゲットの熱収縮に起因して、溶接された端子302および端子303の間の距離を狭める方向の力が発生するので、端子302の根本部304および端子303の根本部305に応力が発生する。
以下では、溶接時に、固定されている端子端部に板厚方向の応力が加わるのを抑制することができる端子の各実施形態について説明する。各実施形態における端子は、一方向に延在し、延在方向の一方端部が板厚方向に存在する他の導電部材に溶接され、延在方向の他方端部が固定された板状の形状をしている。板厚方向とは、板状の端子において、板状の平面と垂直な方向である。
各実施形態における端子は、例えば、インバータ装置に用いられる半導体モジュールの端子であるが、インバータ装置に用いられる半導体モジュールの端子に限定されることはない。
<第1の実施形態>
図4は、第1の実施形態における端子の外観を示す図である。図4に示すように、第1の実施形態における端子は、端子の先端部401と根本部402との間で、端子の延在方向を軸とする捻りが加えられた形状をしている。端子の延在方向とは、端子の根本部402から先端部401に向かう方向である。このような形状とすることにより、溶接ナゲットが熱収縮を起こした際に、端子の根本部402に応力が発生するのを抑制することができる。
図5は、溶接ナゲットの熱収縮が起こった際に、端子の各部に加わる力の向きを説明するための図であり、図5(a)は、捻りが加えられていない端子の場合、図5(b)は、第1の実施形態における端子の場合をそれぞれ示している。第1の実施形態における端子では、端子の先端部501を基準とすると、中央部502は、45度捻られた状態にあり、根本部503は、90度捻られた状態にある。すなわち、端子の先端部501と根本部503は、板厚方向が直交している。ただし、先端部501に対する根本部503の捻り角度が90度に限定されることはない。
捻りが加えられていない端子では、溶接ナゲットの熱収縮が起こった際、図5(a)に示すように、端子の先端部501、中央部502、根本部503のそれぞれにおいて、板厚方向(面直方向)に応力が働く。
これに対して、第1の実施形態における端子では、端子の先端部501には、図5(b)に示すように、板厚方向に応力が働く。同様に、端子の中央部502および根本部503にも、先端部501に働く力の方向と同じ方向の力が働く。上述したように、根本部503は、先端部501に対して90度傾いているので、根本部503には板厚方向の応力は働かず、板厚方向と直交する面方向にのみ力が働く。面方向とは、板状の平面と平行な方向である。
図6は、溶接ナゲットの熱収縮が起こった際に、端子の各部において、板厚方向に働く力の大きさを説明するための図である。図6では上から順に、捻りが加えられていない端子の各部の板厚方向に働く力の向きおよび大きさ、捻りが加えられている第1の実施形態における端子の各部の板厚方向に働く力の向きおよび大きさ、端子に捻りが加えられていない場合および捻りが加えられている場合の板厚方向に働く力の大きさをそれぞれ示している。ここでは、溶接ナゲットの熱収縮が起こった際に、溶接部分である端子の先端部に加わる力の大きさをfとする。
捻りが加えられていない端子の場合には、端子の先端部、中央部、根本部のそれぞれにおいて、板厚方向に大きさfの力が働く。これに対して、捻りが加えられている第1の実施形態における端子では、先端部には、板厚方向に大きさfの応力が働くが、中央部の板厚方向に働く力の大きさは、f/(√2)となる。また、根本部には、上述したように板厚方向の応力は働かず、板厚方向に比べて剛性が高い面方向にのみ力が働く。すなわち、端子の先端部から根本部に向かうに従って、板厚方向に働く応力の大きさがfから0へと少しずつ小さくなっている。
以上、第1の実施形態における端子は、一方向に延在し、延在方向の一方端部が板厚方向に存在する他の導電部材に溶接され、延在方向の他方端部が固定された板状の端子であって、一方端部に働く板厚方向への応力を、他方端部に向かうに従って板厚方向に直交する方向に向けて変化させる形状である。このような形状としたことにより、板厚方向への応力が一方端部に働いた場合に、この応力は、他方端部に向かうに従って、板厚方向と直交する方向に向けて変化するので、固定されている他方端部において、板厚方向への応力が加わるのを抑制することができる。すなわち、端子の寸法を大型化させることなく、固定されている根本部において、板厚方向への応力が加わるのを抑制することができる。
特に、第1の実施形態における端子は、一方端部と他方端部との間に、端子の延在方向を軸とする捻りが加えられた形状である。このような形状とすることにより、端子を大型化させることなく、一方端部に働く板厚方向への応力を、他方端部に向かうに従って、板厚方向に直交する方向に向けて変化させることができる。
<第2の実施形態>
図7は、第2の実施形態における端子の外観を示す図である。第2の実施形態における端子では、端子先端部が複数股に分割されている。端子先端部を複数股に分割しておくことにより、溶接に必要となる熱量を軽減して、溶接歪の影響そのものを小さくすることができる。図7に示す例では、端子先端部が3つに分割されているが、2つに分割されていてもよいし、4つ以上に分割されていてもよい。
分割している3つの先端部701、702、703は、分割している根本部分から先端部分にかけて捻られている。捻り度合いは、例えば、第1の実施形態における端子と同様に、先端部分に対する根本部分の角度を90度とする。ただし、先端部分に対する根本部分の角度が90度に限定されることはない。
第2の実施形態における端子においても、溶接ナゲットの熱収縮が起こった際に、各先端部701、702、703の先端部分には、板厚方向に応力が働くが、先端部分に対して捻られている根本部分には板厚方向の応力が働かないので、固定されている端子の根本部にも板厚方向の応力が働かない。
以上、第2の実施形態における端子においても、第1の実施形態における端子と同様に、板厚方向への応力が一方端部に働いた場合に、この応力は、他方端部に向かうに従って、板厚方向と直交する方向に向けて変化するので、固定されている他方端部において、板厚方向への応力が加わるのを抑制することができる。
特に、第2の実施形態における端子では、端子が溶接される箇所が複数の部位に分割されているので、溶接に必要となる熱量を軽減して、溶接歪の影響そのものを小さくすることができる。
<第3の実施形態>
図8は、第3の実施形態における端子の外観を示す図である。第3の実施形態における端子においても、端子先端部が複数股に分割されている。ただし、第3の実施形態における端子では、複数に分割されている先端部が相異なる方向に捻られている。図8に示す例では、端子先端部が2つの先端部801、802に分割されており、2つの先端部801、802は、それぞれ違う方向に捻られている。ここでも、それぞれの先端部801、802において、分割している根本部分に対する先端部分の角度を90度として説明する。ただし、先端部分に対する根本部分の角度が90度に限定されることはない。
図9は、溶接ナゲットの熱収縮が起こった際に、端子の先端部801および先端部802の各部において、板厚方向に働く力の大きさを説明するための図である。先端部801の先端部分には、板厚方向であって、かつ、先端部802に向かう方向に、大きさfの応力が働く。また、先端部802の先端部分には、板厚方向であって、かつ、先端部801に向かう方向に、大きさfの応力が働く。
また、先端部801の中央部分には、図9に示すように、板厚方向に大きさf/(√2)の力が働く。先端部802の中央部分に働く力のうち、先端部801の中央部分の板厚方向に働く力と同じ方向には、図8に示すように、大きさf/(√2)の力が働く。
先端部801の根本部分には、面方向であって、かつ、先端部802に向かう方向に力が働く。また、先端部802の根本部分には、面直方向であって、かつ、先端部801に向かう方向に力が働く。
すなわち、先端部801および先端部802の根本部分には、同じ方向ではなく、向かい合う方向に力が働くため、根本部分に生じる応力を打ち消すことができる。
以上、第3の実施形態における端子によれば、第1の実施形態における端子と同様に、板厚方向への応力が一方端部に働いた場合に、この応力は、他方端部に向かうに従って、板厚方向と直交する方向に向けて変化するので、固定されている他方端部において、板厚方向への応力が加わるのを抑制することができる。
特に、第3の実施形態における端子によれば、端子が溶接される箇所が複数の部位に分割され、かつ、複数に分割されている部位が相異なる向きに捻られているので、分割されている部位の根本部分に生じる応力を打ち消すことができる。
<第4の実施形態>
上述した第1の実施形態における端子では、アーク溶接を行う前に、溶接を行う先端部と根本部との間を事前に捻っておく形状とした。第4の実施形態における端子では、アーク溶接する前には、先端部と根本部の間は捻られていないが、アーク溶接をすることによって、先端部と根本部との間が捻られる形状となっている。
図10は、第4の実施形態における端子1001の外観を示す図である。第4の実施形態における端子では、端子1001の根本部から先端部に向けて幅が異なるように、肩部1002および肩部1003が設けられている。特に、肩部1002の傾斜の角度と肩部1003の傾斜の角度は異なっている。すなわち、肩部1002、1003が設けられている部分は、左右非対称の形状となっている。
第4の実施形態における端子に対してアーク溶接を行うと、肩部1002、1003が設けられている部分の形状が左右非対称であることから、端子先端部に板厚方向の力が働いた際に、肩部から先端部にかけて捻りが生じる。従って、アーク溶接後に、溶接ナゲットの熱収縮が起こった場合、端子の先端部には板厚方向の力が働くが、根本部に板厚方向の力が働くのを抑制することができる。
<第5の実施形態>
図11は、第5の実施形態における端子の外観を示す図である。第5の実施形態における端子では、端子先端部が複数股に分割されており、かつ、分割されている各先端部は、分割されている根本部分から先端部分に向けて幅が異なるように、肩部が設けられている。図11に示す例では、端子先端部が3つの先端部1101、1102、1103に分割されているが、2つに分割されていてもよいし、4つ以上に分割されていてもよい。第4の実施形態で説明したように、各先端部1101、1102、1103における左右の肩部の傾斜の角度は異なっており、肩部が設けられている部分は、左右非対称の形状となっている。例えば、先端部1103の左右の肩部1105、1106が設けられている部分は、左右非対称の形状となっている。
第5の実施形態における端子に対してアーク溶接を行った場合にも、各先端部1101、1102、1103に肩部が設けられている部分の形状が左右非対称であることから、端子先端部に板厚方向の力が働いた際に、肩部から先端部にかけて捻りが生じる。従って、溶接ナゲットの熱収縮が起こった場合に、各先端部1101、1102、1103の先端部分には板厚方向の力が働くが、根本部分に板厚方向の力が働くのを抑制することができる。
本発明は、上述した第1〜第5の実施形態に限定されることはない。
401…先端部
402…根本部
701、702、703…先端部

Claims (5)

  1. 一方向に延在し、延在方向の一方端部が板厚方向に存在する他の導電部材に溶接され、前記延在方向の他方端部が固定された板状の端子は、前記一方端部に働く板厚方向への応力を、前記他方端部に向かうに従って板厚方向に直交する方向に向けて変化させる形状である、
    ことを特徴とする端子。
  2. 前記一方端部に働く板厚方向への応力を、前記他方端部に向かうに従って板厚方向に直交する方向に向けて変化させる形状とは、前記一方端部と前記他方端部との間に、前記端子の延在方向を軸とする捻りが加えられた形状である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の端子。
  3. 前記端子が溶接される箇所は、前記端子の延在方向と平行に複数の部位に分割されている、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端子。
  4. 前記複数に分割されている部位は、相異なる向きに捻られている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の端子。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の端子を備えるインバータ装置。
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