JP2013088309A - タイヤ性能の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッド部に発生するチッピングを、市場における実車走行による結果を再現して台上で評価することのできるタイヤ性能評価方法を提供すること。
【解決手段】トレッド部12に溝13、14を有する供試タイヤ11のトレッド面15を摩耗させて、溝13、14の深さを浅くする摩耗ステップと、供試タイヤ11を、高温雰囲気中に保持して劣化を促進する劣化ステップと、溝14の底部の角部Cにスリット状の傷17を形成する傷形成ステップと、上記のとおり摩耗され、傷が形成され、劣化された供試タイヤ11を、試験装置に取り付け、この試験装置の回転駆動ドラムによって回転させる走行ステップとを含んでおり、この走行ステップにおいて、供試タイヤ11にスリップ角が設定される。
【選択図】図2

Description

本発明はタイヤ性能の評価方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、タイヤのトレッド部におけるチッピングの発生を、台上試験機を用いて評価するタイヤ性能の評価方法に関する。
上記チッピングとは、トレッドゴムがうろこ状にめくれる現象をいう。図4が参照されつつ、タイヤ61のトレッド部62にチッピングが発生するメカニズムが以下に説明される。図4は、タイヤのショルダー部において周方向(図4中の左右方向)の面で切られた断面図である。車両の走行中には、タイヤに対して制動力(減速時に路面から加わる力)及び駆動力(発車時や加速時に路面から加わる力)であって、図4中の両方向矢印Aで示す方向の力が加わる。図4(b)に示されるように、車両の長期の走行により、タイヤ61のトレッド部62の残溝、すなわち溝63の深さが新品時(図4(a))よりも大幅に減少する(例えば50%程度)。トレッド部62における、上記溝63によって区画されたブロック64の高さが低くなり、その曲げ剛性が高くなる。そうすると、車両の旋回、駆動、制動等により、溝底の隅部(角部)に応力が集中しやすくなる。長期の走行により、ゴム自体も劣化している。その結果、溝底の角部が応力に耐えきれず、そこに亀裂65が発生する(図4(b))。この亀裂65が成長し(図4(c))、チッピングが発生する。耐亀裂成長性は耐チッピング性と同意義といえる。
従来、タイヤの耐チッピング性能を評価する試験が行われている。耐チッピング性能評価試験としては、ロードテスト、テストコーステスト、モニターテスト等が知られている。ロードテストは、選択されたテストコースを、試験用車両が所定の走行モードで走行することによって行われる。試験費用が高額であり、試験条件をコントロールするのが難しい。モニターテストは、一般のユーザーにタイヤを提供し、当該ユーザーの車両による走行を依頼して行われる。試験結果を得るまでに長期間が必要となる。さらに、試験環境や試験状況の把握が困難である。テストコーステストは、所定のテストコースを、試験用車両が所定の走行モードで走行することによって行われる。テストコーステストでは、テストコースで発生するタイヤ損傷の形態が、市場で発生するチッピングとは異なることが多く、再現性に乏しいといえる。
一方、試験装置を用いて行われる、タイヤの耐ブロック欠け性能を評価する台上試験、タイヤの耐ティア性能を評価する台上試験等は、種々提案されている(特開2009−41971公報、特開2006−194814公報、特開2006−194652公報参照)。しかしながら、タイヤの耐チッピング性能を効果的に評価することのできる台上試験方法は開示されていない。
特開2009−41971公報 特開2006−194814公報 特開2006−194652公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、タイヤのトレッド部に発生するチッピングを、市場における実車走行による結果を再現して台上で評価することのできる、タイヤ性能の評価方法を提供することを目的としている。
本発明に係るタイヤ性能の評価方法は、
トレッド部に溝を有する供試タイヤのトレッド面を摩耗させて、上記溝の深さを浅くする摩耗ステップと、
供試タイヤを、高温雰囲気中に保持して劣化を促進する劣化ステップと、
上記溝の底部の角部にスリット状の傷を形成する傷形成ステップと、
上記のとおり摩耗され、傷が形成され、劣化された供試タイヤを、試験装置に取り付け、この試験装置の回転駆動ドラムによって回転させる走行ステップとを含んでおり、
この走行ステップにおいて、供試タイヤにスリップ角が設定される。
好ましくは、上記劣化ステップにおいて、供試タイヤを、80℃以上の温度の雰囲気中に、少なくとも5日間保持する劣化ステップをさらに含んでいる。
好ましくは、上記走行ステップにおいて、供試タイヤに+側スリップ角及び−側スリップ角が設定されており、供試タイヤの走行中に、スリップ角が上記+側と−側との間に変化させられる。
好ましくは、上記+側スリップ角が+0.5°以上の値であり、−側スリップ角が−0.5°以下の値である。
好ましくは、上記摩耗ステップにおいて、溝深さが新品時のタイヤの溝深さの30%以上70%以下の範囲に減少させられる。
好ましくは、上記傷形成ステップにおいて、傷の形成が、供試タイヤの周方向に向かって奥行きが1mm以上3mm以下であり、供試タイヤの幅方向の幅が7mm以上13mm以下である。
本発明に係るタイヤ性能の評価方法によれば、タイヤの台上試験において、トレッド部のチッピングの発生を促進することができ、実車走行におけるチッピングの発生を台上で評価することができる。その結果、信頼性の高い耐チッピング性能の評価結果が得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係る評価方法の実行に用いられる試験装置の一例を概略的に示す斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る評価方法の実行に供されるタイヤのトレッド部の一部分を示す斜視図である。 図3は、図2のタイヤのトレッド部の一部を示す、周方向の面で切った断面図である。 図4は、タイヤのトレッド部にチッピングが発生するメカニズムを示す、周方向の面で切った一部断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
ここでは、タイヤの耐チッピング性能の評価方法が説明される。図1には、本実施形態に係る評価方法の実行に用いられる試験装置1が示されている。この試験装置1は、供試タイヤ11(以下、単にタイヤともいう)が装着される試験用のリム2、このリム2を支持する支持装置3、及び、供試タイヤ11を回転駆動する駆動ドラム4を備えている。この駆動ドラム4は、図示しない電動モータによって回転させられる。駆動ドラム4は、回転可能であるとともに、自己のブレーキ機構により減速及び回転停止することも可能である。リム2は、支持装置3の回転軸5に、回転可能に支持される。この回転軸5は、図示しない電動モータによって回転させられる。従って供試タイヤ11は、駆動ドラム4によらなくても回転可能である。支持装置3は、この回転軸5を回転自在にすること、及び、拘束すること(ブレーキをかける)ことが可能である。これにより、供試タイヤ11は、減速することも回転停止することも可能となる。支持装置3及び駆動ドラム4は試験架台1aに設置されている。支持装置3は、図示しない流体圧シリンダ等の駆動装置により、駆動ドラム4に対してタイヤ11を離間及び接近させることができる。リム2に装着された供試タイヤ11は、上記駆動装置により、所定荷重を負荷されて駆動ドラムに押圧させられる。供試タイヤ11は、この状態で、駆動ドラム4によって回転駆動される。
図2に示されるように、供試タイヤ11はトレッド部12を備えている。トレッド部12には溝13、14が形成されている。溝は、周方向に延びる縦溝13と、幅方向に延びる横溝14である。図2において、両方向矢印Bで示されているのが周方向である。トレッド部12の面はトレッド面15と呼ばれる。溝13、14に区画された凸部はブロック16と呼ばれる。この供試タイヤ11には、走行試験に先立ってチッピングの発生を促進するための前処理が施される。この前処理工程は、トレッド面15の摩耗ステップ、供試タイヤの加熱による劣化促進処理ステップ、及び、ブロック16の下端への傷の形成ステップである。上記前処理工程の順序は、本実施形態では、まず摩耗ステップがあり、次いで劣化促進処理ステップがあり、最終は傷の形成ステップである。劣化促進処理ステップと傷の形成ステップとは、互いに前後しても差し支えない。
図3も併せて参照すれば明らかなように、上記摩耗ステップにおいて、新品のタイヤに対してそのトレッド面15が摩耗される。図3は、トレッド部12の周方向の面で切った断面図である。二点鎖線で示されるのは、新品時のタイヤのトレッド面15であり、実線で示されるのは、摩耗後のタイヤのトレッド面15である。摩耗はバフ処理によって行われる。バフ処理においては、研磨ベルトによってトレッド面を摩耗させる。このバフ処理により、タイヤの溝深さは、新品時の溝深さの30%以上70%以下にされる。このように、溝深さを浅くする目的は、ブロック16の高さを低くして、ブロック16の曲げ剛性を上昇せしめることである。ブロック16の曲げ剛性が高くなれば、ブロックの下端(溝の底の角部C)に曲げ応力が集中して、チッピングの発生が促進されるからである。バフ処理後の溝深さが、新品時の30%未満であれば、ブロック16の下端に曲げ応力が集中しにくい。バフ処理後の溝深さが、新品時の70%を超えると、チッピングではなく、ブロック欠けが発生する可能性がある。かかる観点、及び、早期にチッピングを発生させる観点から、バフ処理後の溝深さは、新品時の45%以上55%以下にされるのがさらに好ましい。本実施形態では、溝深さは、新品時のそれの50%にされている。
劣化促進処理ステップでは、タイヤ11がオーブンによって加熱される。タイヤ11が収容されるオーブン内部の温度は、70℃以上90℃以下とされるのが好ましい。70℃未満では、劣化が不十分となるおそれがあり、90℃を超えると、タイヤ11が硬くなりすぎ、早期にチッピングが生じ、市場での実情にそぐわなくなるおそれがあるからである。本実施形態では80℃とされている。上記温度下のオーブン内へのタイヤ11の保持期間としては、5日間(120時間)以上8日間(192時間)以下が好ましい。5日間未満では、チッピングの発生が殆ど確認されないからであり、8日間以上であってもチッピング発生量に顕著な差異が確認されないからである。
傷形成ステップにおいては、供試タイヤ11の横溝14の底の角部Cから、ブロック16に対してスリット状の傷17が形成される。上記横溝14の底の角部Cとは、横溝14の底面とブロック16の側面との交線である。傷17は、ブロック16の下端に入り込む。傷17は、横溝14の底の角部Cから、タイヤ周方向Bに向けて形成される。傷17の方向は、概ねトレッド面15に平行であり、横溝14の底面とも概ね平行である。傷17は、ショルダー部に形成される。ショルダー部はセンター部に較べて接地面圧が高いからであり、チッピングは接地面圧が高い部分に生じやすいからである。その結果、チッピングの発生が促進されうる。
傷17は、タイヤの制動方向及び駆動方向のそれぞれに形成される。換言すれば、図3に示されるように、タイヤ周方向Bの一方向きの傷17、及び、他方向きの傷17がそれぞれ形成される。制動方向傷17と駆動方向傷17とは、図3に示すように互いに異なるブロック16に形成されるのが好ましい。一つの小さいブロックに制動方向傷17と駆動方向傷17とを形成すれば、傷の進展による評価が困難になるおそれがあるからである。また、ブロック欠けが発生してしまうおそれがあるからである。
傷17の形成箇所は、制動方向傷17及び駆動方向傷17ともに、5箇所である。チッピングを確実に発生させるためである。各傷17のサイズは、タイヤ幅方向の幅Wが7mm以上13mm以下であるのが好ましい。幅Wが7mm未満では、チッピングが発生するまで長時間を要するからである。一方、13mmを超えるとブロック欠けが発生するおそれがあるからである。タイヤ周方向の奥行きDが1mm以上3mm以下であるのが好ましい。奥行きDが1mm未満では、チッピングが発生するまで長時間を要するからである。一方、3mmを超えるとブロック欠けが発生するおそれがあるからである。本実施形態では、各傷17の幅Wが10mmとされ、奥行きDが2mmとされている。
以上の前処理が施された三種類の供試タイヤ11は、以下の走行試験に供される。三種類のタイヤ11とは、市場において相当の割合でチッピングが発生した仕様の市場チッピング発生タイヤ(Aタイヤともいう)と、耐チッピング対策が施されたトレッドゴムを用いた対策済みタイヤ(Bタイヤともいう)と、市場において未だチッピングが発生していない仕様の市場チッピング未発生タイヤ(Cタイヤともいう)である。
供試タイヤ11は、試験用のリム2(図1)に装着された上で、上記試験装置1の支持装置3に取り付けられる。タイヤ11は、後述する所定の内圧(試験内圧)となるように、空気が内部に充填される。このタイヤ11は、駆動ドラム4に、後述する接地荷重相当の試験荷重で押圧される。タイヤ11は、この状態で、後述する所定速度(走行試験速度)で、後述する所定時間(走行時間)走行される。走行が終了した後、このタイヤ11の損傷状態が確認される。進展したチッピング(傷)の面積が測定される。
以下に、上記走行試験の条件が説明される。試験内圧は、所定のタイヤ規格(JATMA、ETRTO等)に規定の下限値以上の圧力とする。内圧が上記下限値未満であると、エア漏れやリム外れ等のおそれがあるからである。試験荷重は、上記規格に規定の最大荷重の110%以下の荷重とする。荷重が規格最大荷重の110%を超えると、エア漏れやリム外れ等のおそれがあるからである。走行試験速度は40km/hであり、走行時間は30分間である。
試験走行中のタイヤ11には、左右の最大スリップ角SAが発生させられる。すなわち、駆動ドラム4の回転方向に対して、タイヤ11が左右それぞれに所定の角度SA傾斜させられる。左右の最大スリップ角SAは、その絶対値が0.5°以上である。すなわち、最小スリップ角SAが−0.5°以下の範囲から選択され、最大スリップ角SAが+0.5°以上の範囲から選択される。絶対値が0.5°以上のスリップ角SAでは、スリップ角によるチッピングの再現性に差異は無いからである。逆に、絶対値が0.5°未満のスリップ角SAでは、スリップ角によるチッピングの再現性に差異が生じ、台上試験を実施する上で好ましくない。
上記スリップ角SAは、タイヤ11の走行時に、0°から、最大(最小)角、0°、最小(最大)角を経由して0°まで変化させられる(スイープさせられる)。このスイープの周期は1Hzとされる。このスイープは、タイヤ11に繰り返し変形を与えることを目的としている。このスイープは、速度40km/hでの30分間走行中、180回以上1800回以下の範囲で行われる。
試験走行中のタイヤ11には、制動力及び駆動力が負荷される。制動力及び駆動力は、一のタイヤ11の走行中に、それぞれ10回ずつ負荷される。制動力及び駆動力は、それぞれ、互いに当接して回転している駆動ドラム4と供試タイヤ11との間に、回転速度の差異が生じることにより生じる。制動力は、回転しているタイヤ11に対して支持装置3から加えらるブレーキに起因して生じる。駆動力は、静止又は回転しているタイヤ11が加速されることにより生じる。以上の操作により、タイヤ11には、周方向の一方向きに制動力が加えられ、周方向の他方向きに駆動力が加えられる。
走行中の供試タイヤ11に対する制動力、駆動力及びスリップ角を付与する手順の一例としては、制動力負荷→スリップ角付与→駆動力負荷→スリップ角付与のサイクルの繰り返しである。
以上の台上試験により、市場におけるタイヤのチッピング発生が、供試タイヤ11に再現されうることが確認される。これは、以下の実施例により明らかである。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
実施例1として、以上説明された三種類のタイヤ(Aタイヤ、Bタイヤ、Cタイヤ)に対する台上試験の条件及び結果が表1に示される。いずれのタイヤも、バフ処理により、その溝深さが新品時の50%にされた。これらのタイヤは、80℃のオーブン内に8日間保持された。これらのタイヤのショルダー部に、前述した傷17が、制動方向と駆動方向とのそれぞれに5箇所づつ形成された。傷の幅Wは10mmであり、奥行きDは2mmであり、面積は20mmである。走行試験においては、内圧が180kPa、荷重が4.14kNに設定された。最大スリップ角SAが±0.5°に設定され、一走行中に360回スイープされた。制動力及び駆動力は負荷されなかった。これらのタイヤは、40km/hの走行速度で30分間走行した。
[実施例2]
実施例2として、以上説明された三種類のタイヤに対する台上試験の条件及び結果が表1に示される。走行中のタイヤに制動力及び駆動力が加えられた以外は、実施例1と同一条件で試験が実行された。制動力の負荷及び駆動力の負荷は、10回ずつ行われた。
[実施例3]
実施例3として、以上説明された三種類のタイヤに対する台上試験の条件及び結果が表1に示される。最大スリップ角SAが±1.0°に設定された以外は、実施例1と同一条件で試験が実行された。
[実施例4]
実施例4として、以上説明された三種類のタイヤに対する台上試験の条件及び結果が表1に示される。走行中のタイヤに制動力及び駆動力が加えられた以外は、実施例3と同一条件で試験が実行された。制動力の負荷及び駆動力の負荷は、10回ずつ行われた。
[実施例5]
実施例5として、以上説明された三種類のタイヤに対する台上試験の条件及び結果が表1に示される。最大スリップ角SAが±3.0°に設定された以外は、実施例1と同一条件で試験が実行された。
[実施例6]
実施例として、以上説明された三種類のタイヤに対する台上試験の条件及び結果が表1に示される。走行中のタイヤに制動力及び駆動力が加えられた以外は、実施例5と同一条件で試験が実行された。制動力の負荷及び駆動力の負荷は、10回ずつ行われた。
[比較例1]
比較例1として、以上説明された三種類のタイヤに対する台上試験の条件及び結果が表1に示される。最大スリップ角SAが設定されなかったこと以外は、実施例1と同一条件で試験が実行された。
[比較例2]
比較例2として、以上説明された三種類のタイヤに対する台上試験の条件及び結果が表1に示される。走行中のタイヤに制動力及び駆動力が加えられた以外は、比較例2と同一条件で試験が実行された。制動力の負荷及び駆動力の負荷は、10回ずつ行われた。
[評価]
表1には、実施例1から6、並びに、比較例1及び2の試験結果が示されている。試験結果として、新たに進展したチッピングの量が示されている。すなわち、予め形成された傷17から進展した新たな傷の面積が示されている。比較例1及び2では、市場においてチッピングが発生した仕様のAタイヤと、それ以外の、チッピングが発生していない仕様のタイヤ(B、C)との有意な差は無い。すなわち、市場のチッピング発生結果とかけ離れている。一方、実施例1から6では、明らかにAタイヤが、それ以外のタイヤに比較してチッピング発生量が多い。これは、市場のチッピング発生結果と一致する。すなわち、実施例1から6では、市場でのチッピング発生レベルを再現することができた。表中の○、△、×は、上記再現性の評価結果を示す。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
Figure 2013088309
本発明に係るタイヤ性能の評価方法は、タイヤの耐チッピング性能の評価に適用されうる。
1・・・試験装置
2・・・リム
3・・・支持装置
4・・・駆動ドラム
5・・・(支持装置の)回転軸
11・・・供試タイヤ
12・・・トレッド部
13・・・縦溝
14・・・横溝
15・・・トレッド面
16・・・ブロック
17・・・傷
C・・・(溝底の)角部
D・・・(傷の)奥行き
W・・・(傷の)幅

Claims (6)

  1. トレッド部に溝を有する供試タイヤのトレッド面を摩耗させて、上記溝の深さを浅くする摩耗ステップと、
    供試タイヤを、高温雰囲気中に保持して劣化を促進する劣化ステップと、
    上記溝の底部の角部にスリット状の傷を形成する傷形成ステップと、
    上記のとおり摩耗され、傷が形成され、劣化された供試タイヤを、試験装置に取り付け、この試験装置の回転駆動ドラムによって回転させる走行ステップとを含んでおり、
    この走行ステップにおいて、供試タイヤにスリップ角が設定されるタイヤ性能評価方法。
  2. 上記劣化ステップにおいて、供試タイヤを、80℃以上の温度の雰囲気中に、少なくとも5日間保持する請求項1に記載のタイヤ性能評価方法。
  3. 上記走行ステップにおいて、供試タイヤに+側スリップ角及び−側スリップ角が設定されており、供試タイヤの走行中に、スリップ角が上記+側と−側との間に変化させられる請求項1又は2に記載のタイヤ性能評価方法。
  4. 上記+側スリップ角が+0.5°以上の値であり、−側スリップ角が−0.5°以下の値である請求項3に記載のタイヤ性能評価方法。
  5. 上記摩耗ステップにおいて、溝深さが新品時ののタイヤの溝深さの30%以上70%以下の範囲に減少させられる請求項1から4のいずれかに記載のタイヤ性能評価方法。
  6. 上記傷形成ステップにおいて、傷の形成が、供試タイヤの周方向に向かって奥行きが1mm以上3mm以下であり、供試タイヤの幅方向の幅が7mm以上13mm以下である請求項1から5のいずれかに記載のタイヤ性能評価方法。
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